uphold
第一音節の /ʌ/ は、日本語の『ア』よりも口をリラックスさせ、喉の奥から出すような音です。第二音節の強勢(ˈ)に注意し、 'hold' をはっきりと発音しましょう。 'h' は息を強く吐き出す音で、日本語の『ハ』行よりも意識的に発音するとより自然になります。
専門的な内容に関するご注意
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支持する
信念や法律、決定などを積極的に擁護し、守り抜く姿勢を示す。単に同意するだけでなく、行動を伴うニュアンスを含む。
The judge firmly decided to uphold the law to ensure justice.
裁判官は、正義を確実にするために、法を固く支持することを決定しました。
※ この例文では、裁判官が法廷で「法律」という、守るべき大切なものを「堅持する」という強い意志が描かれています。upholdは、特に法律や規則、正義といった「守り抜くべきもの」に対して使われることが多い、とても典型的な使い方です。
Our company always tries to uphold high quality standards for our customers.
私たちの会社は、お客様のために常に高い品質基準を維持しようと努めています。
※ ここでは、会社が「品質基準」という、顧客への信頼に関わる大切なものを「維持する、保つ」ために努力している様子がわかります。upholdは、企業が倫理や基準、約束などを「守り続ける」というビジネスの文脈でも頻繁に登場します。
Even in difficult times, they will uphold their family traditions.
困難な時でさえ、彼らは家族の伝統を守り続けるでしょう。
※ この例文は、家族が「伝統」という、長く受け継がれてきた大切なものを「守り続ける」決意を表しています。upholdは、文化、伝統、信念といった「維持すべき価値観」を大切にする場面でもよく使われ、その堅固な姿勢が伝わります。
維持する
制度やシステム、状態などを維持し、劣化や崩壊を防ぐ。現状を保ち、安定させる意味合いが強い。
The judge decided to uphold the previous ruling because he believed it was fair.
裁判官は、それが公正だと信じていたため、以前の判決を支持すると決定しました。
※ 法廷で、裁判官が熟考の末、以前の決定が公平だと判断し、それを変更しないことを宣言する場面です。「uphold」は、特にルール、法律、決定などを「維持する」「支持する」という意味で使われ、公平さや正義が関係する場面で頻繁に登場します。
Our family always tries to uphold the tradition of Sunday dinner together to stay connected.
私たちの家族は、絆を保つために、常に日曜日に一緒に夕食をとる伝統を守ろうとしています。
※ 日曜日、家族全員が食卓を囲み、温かい会話が弾む様子。これは、家族の絆を深めるために代々大切にされてきた習慣です。「uphold」は、家族の伝統や会社の原則など、目に見えない大切なものを「守り続ける」「維持する」というニュアンスで使われます。
The company must uphold its promise of good quality to earn customer trust.
その会社は、顧客の信頼を得るために、良質な製品を提供するという約束を守らなければなりません。
※ 新製品の発表会で、社長が顧客に対し品質保証を約束する場面、あるいは、問題が起きた際に企業が誠実に対応し、約束を守ろうと努力する場面です。ビジネスでは、企業が顧客への約束、ブランドイメージ、倫理規定などを「守る」「維持する」という意味で「uphold」が頻繁に使われます。
確認する
(判決や主張などを)支持し、有効であることを確認する。裁判や議論の文脈で、正当性や有効性を裏付ける意味合い。
The judge decided to uphold the previous court decision, saying it was fair.
裁判官は、その前の裁判所の決定が公平だと述べ、それを維持することを決定しました。
※ ここでは、裁判官が以前の決定の正しさ(公平さ)を認め、その決定を「確認し、変更せずに維持する」という意味で使われています。法的な文脈でよく使われる表現です。
Even when it was hard, she always tried to uphold her strong beliefs about honesty.
困難な時でも、彼女は正直さについての自分の強い信念を常に守ろうとしました。
※ この文では、彼女が自分の信念の正しさや重要性を「確認し、それを貫き通す」という意味で「uphold」が使われています。個人の倫理観や原則を守る場面で役立ちます。
Our company works hard to uphold high standards of customer service every day.
私たちの会社は、毎日、高い顧客サービスの基準を維持するために努力しています。
※ ここでは、会社が顧客サービスの質の高さを「確認し、その基準を常に守り続ける」という意味で「uphold」が使われています。企業が品質や基準を維持する場面でよく見られます。
コロケーション
法律を支持し、施行する
※ 法律や規則の有効性を維持し、違反者を取り締まることを意味します。単に法律を守るだけでなく、その正当性を認め、積極的に推進するニュアンスを含みます。裁判所や政府機関が、法律や判決を擁護する文脈で頻繁に使用されます。例えば、「The court upheld the law despite public opposition.(裁判所は世論の反対にもかかわらず、その法律を支持した)」のように使われます。
主義や原則を堅持する
※ 道徳的な信念や倫理的な原則を曲げずに守り抜くことを指します。個人の行動規範から、組織や団体の理念まで、幅広い範囲で使用されます。単に「守る」だけでなく、その原則の重要性を認識し、積極的に行動することで具現化する意味合いが強いです。例えば、「He upheld the principle of honesty in all his dealings.(彼は全ての取引において正直という原則を貫いた)」のように使われます。
伝統を維持する、守り続ける
※ 長年にわたって受け継がれてきた文化的な慣習や儀式を尊重し、次世代に伝えることを意味します。単に過去の習慣を繰り返すだけでなく、その伝統の価値を理解し、積極的に保護・継承するニュアンスが含まれます。例えば、「The community worked together to uphold their cultural traditions.(地域社会は協力して、彼らの文化的伝統を守り続けた)」のように使われます。
決定を支持する、承認する
※ ある決定が下された後、その決定の正当性を認め、変更することなく維持することを意味します。特に、上級機関が下した決定を、下級機関が支持する状況でよく用いられます。例えば、「The appellate court upheld the lower court's decision.(控訴裁判所は、下級裁判所の決定を支持した)」のように使われます。このフレーズは、決定のプロセスにおける階層構造と責任を強調します。
基準を維持する、水準を保つ
※ 一定の品質、倫理、または専門性の基準を維持することを意味します。教育、医療、ビジネスなど、様々な分野で使用されます。単に基準を満たすだけでなく、常に高い水準を維持しようと努力するニュアンスが含まれます。例えば、「The company is committed to upholding the highest standards of customer service.(その会社は、最高水準の顧客サービスを維持することに尽力している)」のように使われます。
擁護する義務
※ 特定の価値観、法律、または原則を支持し、擁護する道徳的または法的責任を意味します。この表現は、個人または組織が特定の基準または義務を遵守する責任を強調します。たとえば、「As a citizen, you have a duty to uphold the laws of the land.(市民として、あなたは国の法律を遵守する義務があります。)」のように使われます。このフレーズは、責任と義務を強調する文脈で特に有効です。
使用シーン
学術論文や研究発表で、「原則を擁護する」「理論を支持する」といった意味合いで使われます。例えば、法学の論文で「憲法を支持する」 (uphold the constitution) という文脈や、社会学の研究で「既存の社会構造を維持する」 (uphold the existing social structure) という文脈で見られます。文語的な表現です。
ビジネスシーンでは、契約や合意事項を「遵守する」「支持する」という意味で使われます。例えば、契約書の中で「契約条項を遵守する」 (uphold the terms of the contract) という表現や、会議で「会社の決定を支持する」 (uphold the company's decision) という場合に用いられます。フォーマルな場面で使われることが多いです。
日常会話ではあまり使われませんが、ニュースや報道番組で、裁判所の判決や決定を「支持する」「確定する」という意味で使われることがあります。例えば、「最高裁が下級審の判決を支持した」 (The Supreme Court upheld the lower court's decision) というニュースの見出しなどで見かけることがあります。やや硬い表現です。
関連語
類義語
『支える』『支持する』という意味で、物理的な支えから、意見や活動への賛同まで幅広く使われる。日常会話、ビジネス、政治など様々な場面で使用される。 【ニュアンスの違い】"uphold"よりも一般的な語で、意味範囲が広い。"uphold"が法律や原則などを守るニュアンスが強いのに対し、"support"は人、意見、計画など、対象がより広範。 【混同しやすい点】"support"は他動詞としても自動詞としても使えるが、"uphold"は基本的に他動詞。また、"support"は感情的な支持も含むが、"uphold"はより客観的な判断に基づく支持を意味することが多い。
『維持する』という意味で、状態や状況を維持することに使われる。機械のメンテナンスから、秩序の維持、主張の維持まで、幅広い対象に使用される。 【ニュアンスの違い】"uphold"が規則や原則を積極的に守るニュアンスがあるのに対し、"maintain"は現状を維持することに重点が置かれる。"maintain"は変化を避けるニュアンスが強い。 【混同しやすい点】"maintain"は他動詞であり、目的語が必要。"uphold"と同様に、具体的な行動を伴うニュアンスがあるが、"maintain"は現状維持が目的である点が異なる。
『守る』『擁護する』という意味で、攻撃や批判から人や物を守る際に使われる。自己防衛、権利擁護、国家防衛など、幅広い文脈で使用される。 【ニュアンスの違い】"uphold"が原則や法律を積極的に守るのに対し、"defend"は既存のものを攻撃から守るというニュアンスが強い。"defend"はより積極的かつ戦闘的なイメージを持つ。 【混同しやすい点】"defend"は他動詞であり、守る対象が必要。"uphold"と同様に、具体的な行動を伴うが、"defend"は攻撃からの防御に重点が置かれる。
『持続させる』『支える』という意味で、長期的な維持や支援に使われる。持続可能な開発、生命維持、経済の持続など、抽象的な概念にも使われる。 【ニュアンスの違い】"uphold"が規則や原則を積極的に守るのに対し、"sustain"は長期的な維持や支援に重点が置かれる。"sustain"はより長期的な視点を持つ。 【混同しやすい点】"sustain"は他動詞であり、持続させる対象が必要。"uphold"と同様に、具体的な行動を伴うが、"sustain"は長期的な視点での維持が目的である点が異なる。
『主張する』『擁護する』という意味で、特定の意見や政策を支持し、積極的に広める際に使われる。人権擁護、政策提言、自己主張など、意見や主張に関連する文脈で使用される。 【ニュアンスの違い】"uphold"が既存の規則や原則を守るのに対し、"advocate"は新しい意見や政策を積極的に推進するニュアンスが強い。"advocate"はより積極的かつ主観的な立場を伴う。 【混同しやすい点】"advocate"は他動詞としても自動詞としても使える。"uphold"と異なり、必ずしも既存のものを守るのではなく、新しいものを推進する意味合いが強い。
- stand by
『支持する』『味方する』という意味で、困難な状況にある人を支持したり、約束を守る際に使われる。友人関係、ビジネス、政治など、様々な場面で使用される。 【ニュアンスの違い】"uphold"が規則や原則を公式に支持するのに対し、"stand by"は個人的な感情や忠誠心に基づいた支持を意味することが多い。"stand by"はより個人的な関係性を示す。 【混同しやすい点】"stand by"は句動詞であり、常に前置詞を伴う。"uphold"と同様に支持を意味するが、"stand by"はより個人的な感情や忠誠心に基づいている点が異なる。
派生語
『保持者、所持者』という意味の名詞。『uphold』の行為者を表す接尾辞『-er』が付加。権利や地位などを『維持する人』というニュアンスで、契約書や法律関連文書で頻出。『株主(shareholder)』のように複合語にもなりやすい。
- holding
『保持、維持』という意味の名詞。動名詞由来だが、抽象的な概念を表す名詞として定着。『持ち株』『保有資産』といった意味合いで、経済ニュースやビジネスシーンで頻繁に使われる。動詞 uphold と同様、何かを支える、維持するという意味合いを含む。
- holdup
元々は『持ち上げること』を意味するが、スラングとして『強盗』の意味で使用される。これは、強盗が相手を『持ち上げて』制圧するイメージから来ている。口語表現であり、日常会話や犯罪に関する報道などで見られる。
反意語
『弱体化させる、徐々に崩す』という意味。接頭辞『under-(下)』と『mine(鉱脈を掘る)』が組み合わさり、下から掘って崩すイメージ。組織や信頼などを徐々に弱める文脈で用いられ、学術論文や政治ニュースなどで頻出。『uphold(支持する、維持する)』とは対照的に、基盤を掘り崩すニュアンスを持つ。
『侵害する、違反する』という意味。『uphold(法律・規則などを守る)』の反対として、法律、権利、合意などを破る際に用いられる。日常会話から法的な文脈まで幅広く使われ、道徳的な非難を含む場合もある。『uphold the law(法を遵守する)』に対して『violate the law(法を犯す)』のように対比される。
『拒絶する、退ける』という意味。『uphold(支持する、承認する)』とは反対に、提案や要求などを拒否する際に使用される。単に受け入れないだけでなく、価値がないと判断して退けるニュアンスを含む。ビジネスシーンや日常生活で頻繁に使われ、フォーマルな場面でも用いられる。
語源
"Uphold"は、二つの要素から成り立っています。「up-」は「上に、高く」という意味を持つ接頭辞で、物理的な方向だけでなく、比喩的に「強化する、高める」という意味合いも持ちます。例えば、日本語の「持ち上げる」という表現にも似たニュアンスがあります。次に、「hold」は「保持する、支える」という意味の動詞です。これらが組み合わさることで、「uphold」は文字通りには「上に支える」となり、そこから「支持する、維持する、確認する」といった意味に発展しました。何かを物理的に支えるイメージから、抽象的に、法律や原則、信念などを「支持し、維持する」という意味合いが生まれたと考えると理解しやすいでしょう。
暗記法
「uphold」は単に支えるのではなく、価値観を積極的に守り抜く言葉。中世騎士道では、騎士が名誉や弱者を守る姿に象徴され、アーサー王物語にも通じます。近代では法や制度を支え、単なる遵守を超えた精神を表します。現代では企業の倫理、個人の信念を体現。高次の価値観を守り、誠実さや信頼性を示す言葉として、西洋文化の根底にある精神を今に伝えています。
混同しやすい単語
『uphold』の語幹であり、基本的な動詞。発音もスペルも似ているため、接頭辞『up-』の有無を見落としやすい。『hold』は『持つ、保持する』という意味で、物理的な意味合いが強いのに対し、『uphold』は抽象的な概念(法律、原則など)を支持・維持する意味合いが強い。日本人学習者は、文脈からどちらの単語が適切かを判断する必要がある。
『uphold』と反対の意味を持つ単語であり、意味の面で混同しやすい。『uphold』が『支持する』という意味なのに対し、『oppose』は『反対する』という意味。文脈によっては、どちらを使うべきか迷うことがあるかもしれない。接頭辞『up-』と『op-』の違いに注意し、それぞれの単語が持つ意味をしっかりと理解することが重要。
接頭辞『up-』が共通しているため、スペルの一部が似ていると感じられるかもしれない。『upward』は『上向きの、上への』という意味の形容詞または副詞であり、方向を表す。一方、『uphold』は動詞で、何かを支持・維持する行為を表す。品詞が異なるため、文法的な構造から区別することも可能。
『hold』が共通しており、接頭辞が異なる単語。『withhold』は『差し控える、保留する』という意味で、『uphold』とは全く異なる意味を持つ。ただし、どちらも『hold』という語幹を持っているため、意味の関連性を感じてしまうかもしれない。接頭辞『up-』と『with-』の違いを意識し、それぞれの単語が持つ独自の意味を理解することが重要。語源的には、『with-』は『反対』や『離れて』といった意味合いを持つ。
接頭辞が似ているためスペルミスに繋がりやすい単語。『unfold』は『開く、明らかにする』という意味で、物理的な意味と抽象的な意味の両方を持つ。『uphold』とは意味が大きく異なるが、スペルの類似性から混同される可能性がある。接頭辞『up-』と『un-』の違いに注意し、それぞれの単語が持つ意味を明確に区別することが重要。また、発音も異なるため、音読を通じて区別することも有効。
『hold』を含む複合名詞で、発音とスペルが部分的に似ているため混同しやすい。『holdup』は『強盗』や『遅延』という意味で、名詞として使われる。一方、『uphold』は動詞であり、意味も大きく異なる。複合語である『holdup』は、しばしば口語的な表現で使われるため、フォーマルな文脈では注意が必要。
誤用例
『uphold』は、法や原則、決定などを支持・擁護する際に用いられることが多い単語です。個人的な関係における『味方をする』『肩を持つ』という意味合いでは、『stand by』や『support』の方が自然です。日本人が『uphold』を使いやすい背景には、『擁護』という日本語からの直訳に引っ張られる傾向があります。英語では、状況によってより適切な動詞を選ぶ必要があります。
『uphold』は、既存の法や制度、判決などを維持・支持する意味合いが強く、積極的に新しい価値観を創造したり、何かを保護・保存したりするニュアンスは含まれません。この文脈では、伝統的な価値観を『守り、維持する』という意味合いで『preserve』を使う方が適切です。日本人が『uphold』を使いがちなのは、『維持する』という日本語が持つ幅広い意味をそのまま英語に当てはめようとするためです。英語では、何をどのように維持するのかによって、適切な動詞を選ぶ必要があります。
『uphold』は、物理的に何かを支える、あるいは抽象的な概念を支持・維持するという意味で使われます。『感情を抑える』という行為には適していません。この場合は『hold back』が適切です。日本人が『uphold』を感情に対して使うのは、『持ちこたえる』という日本語のニュアンスから連想される可能性がありますが、英語では『感情を抑える』という表現には特定のフレーズを用いるのが一般的です。
文化的背景
「uphold」は、単に「支える」だけでなく、伝統や正義、道徳といった抽象的な価値観を積極的に擁護し、維持するという強い意志を表す言葉です。その背景には、社会秩序や倫理観を重んじ、それを次世代へと引き継ぐという、西洋文化における根強い価値観が見て取れます。
中世の騎士道精神は、「uphold」の文化的背景を理解する上で重要な要素です。騎士は、自らの名誉、弱者の権利、そしてキリスト教の教義を「uphold」する存在として理想化されました。彼らは、武力だけでなく、言葉や行動を通して、これらの価値観を体現し、社会における模範となることが求められました。円卓の騎士物語におけるアーサー王の存在は、まさに「uphold」の精神を象徴しており、彼の騎士たちは、不正を正し、弱者を守り、王国の平和を維持するために戦いました。この騎士道精神は、現代においても、正義感や責任感といった価値観として受け継がれています。
近代以降、「uphold」は法や制度、契約といった、より抽象的な概念を支える意味合いを強めてきました。例えば、「uphold the law(法を遵守する)」という表現は、単に法に従うだけでなく、法の精神を尊重し、その正当性を積極的に支持するというニュアンスを含んでいます。裁判官が「uphold a decision(判決を支持する)」と言う場合、それは単に過去の判決を踏襲するだけでなく、その判決が正しいと信じ、その正当性を擁護するという強い意志の表れです。このように、「uphold」は、単なる維持ではなく、積極的に価値を認め、擁護するという意味合いにおいて、西洋社会における法治主義の精神を体現する言葉と言えるでしょう。
現代社会においては、「uphold」は企業の倫理綱領や個人の信念など、より多様な文脈で使用されます。企業が「uphold ethical standards(倫理基準を遵守する)」と宣言する場合、それは単に規則を守るだけでなく、社会的な責任を果たし、公正なビジネスを行うというコミットメントを示すものです。個人が「uphold my principles(自分の信念を貫く)」と言う場合、それは困難な状況においても、自分の価値観を曲げずに生きるという決意を表します。このように、「uphold」は、現代においても、個人の誠実さや組織の信頼性を象徴する言葉として、重要な役割を果たしています。それは、単なる行動規範ではなく、より高次の価値観を体現しようとする、人間の精神そのものを表していると言えるでしょう。
試験傾向
- 出題形式: 主に語彙問題、長文読解
- 頻度と級・パート: 準1級以上で頻出。1級でも出題の可能性あり
- 文脈・例題の特徴: 社会問題、倫理、政治など硬めの話題で、規則や原則を「擁護する」「支持する」意味で使われることが多い
- 学習者への注意点・アドバイス: フォーマルな単語なので、日常会話的な文脈では不自然。似た意味の'support'や'maintain'とのニュアンスの違いを理解しておくこと。名詞形'upholding'も覚えておくと良い。
- 出題形式: 主にPart 5, 6, 7(短文穴埋め、長文穴埋め、長文読解)
- 頻度と級・パート: 比較的頻出。特にビジネス文書や契約書関連の文章でよく見られる
- 文脈・例題の特徴: 契約、ポリシー、法律などを「維持する」「遵守する」という意味で使われる。ビジネスシーンでの利用が中心
- 学習者への注意点・アドバイス: フォーマルな単語なので、カジュアルな文脈では使わない。'comply with'(~に従う)や'adhere to'(~を固守する)などの類義語と合わせて覚えておくと役立つ。
- 出題形式: 主にリーディング
- 頻度と級・パート: 頻出。アカデミックな文章でよく使われる
- 文脈・例題の特徴: 学術的な議論や社会問題に関する文章で、原則や理論、権利などを「支持する」「擁護する」という意味で使われる
- 学習者への注意点・アドバイス: アカデミックな単語なので、TOEFLの文章では頻繁に見かける。抽象的な概念を扱う文脈で出てくることが多いので、文脈全体を理解することが重要。類義語との微妙なニュアンスの違いを意識すること。
- 出題形式: 主に長文読解、和訳問題
- 頻度と級・パート: 難関大学の入試で頻出。標準的なレベルの大学でも出題される可能性あり
- 文脈・例題の特徴: 社会問題、歴史、政治、文化など幅広いテーマで、原則や価値観を「支持する」「擁護する」という意味で使われる
- 学習者への注意点・アドバイス: やや硬い単語なので、文脈から意味を推測する練習が必要。'support'や'defend'などの基本的な単語との違いを理解しておくこと。文脈によっては、抽象的な意味合いになることもあるので注意。