tribal
第1音節にアクセントがあります。/traɪ/ の二重母音は、日本語の「ア」と「イ」を滑らかにつなげるイメージで発音します。最後の /l/ は、舌先を上の歯の裏側に軽く当てて発音するとより正確です。日本語の「ル」のように母音を伴わないように注意しましょう。
専門的な内容に関するご注意
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部族の
特定の文化や伝統を共有する人々の集団に関連することを示す。部族社会、部族の習慣、部族の紛争といった文脈で使用される。
The villagers wore colorful clothes for the tribal dance.
村人たちは部族の踊りのためにカラフルな服を着ていました。
※ 鮮やかな衣装をまとった村人たちが、伝統的な踊りを披露している場面が目に浮かびます。`tribal dance` は「部族の踊り」として非常によく使われる表現で、文化的な行事を表す際に自然です。`for the tribal dance` のように `for` を使うと「~のために」という意味になり、目的を伝えられます。
The tribal leader made an important decision for his people.
その部族のリーダーは、彼らの人々のために重要な決定を下しました。
※ 部族の長が皆の未来を真剣に考え、大きな決断をしている、力強く責任感のある場面が想像できます。`tribal leader` は「部族の指導者」として非常に一般的で、部族社会の組織や権威について語る際によく用いられます。`make a decision` で「決定を下す」という意味のまとまりです。
They lived simply on their tribal land, close to nature.
彼らは自然に近い部族の土地で、質素に暮らしていました。
※ 手つかずの自然の中で、人々が平和に、そして簡素な生活を送っている様子が目に浮かびます。自然との一体感が感じられます。`tribal land` は「部族の土地」を意味し、その部族が代々暮らしてきた場所や、その土地が持つ歴史的な意味合いを表す際によく使われます。`live simply` は「質素に暮らす」、`close to nature` は「自然に近い」という意味です。
排他的な
特定のグループ内でのみ共有される、またはグループ外の人々を排除するような性質を表す。仲間内だけで通じる、閉鎖的なコミュニティを指すニュアンスを含む。
The fans of the home team sometimes show a tribal loyalty, making it hard for visitors to feel welcome.
ホームチームのファンは時々排他的な忠誠心を示し、訪問者が歓迎されていると感じるのを難しくします。
※ 大きなスポーツイベントで、ホームチームのファンが自分たちの仲間意識を強く持ちすぎて、アウェイチームのファンが入りにくい雰囲気になっている場面です。ここでは、特定の集団(ファン)が自分たちの仲間を強く優先し、それ以外の人を自然と排除してしまうような「排他的な」状況を表しています。このように、あるグループへの強い「loyalty(忠誠心)」が「tribal(排他的な)」な態度につながることがあります。
It was difficult for Sarah to join the small village because of its tribal mindset against outsiders.
その小さな村は部外者に対して排他的な考え方を持っていたため、サラが溶け込むのは難しかった。
※ 新しい場所に引っ越してきたサラが、昔ながらの村の閉鎖的な雰囲気に直面している場面です。村の人々が外部の人間を簡単には受け入れず、自分たちの慣習や考え方を強く守ろうとする「排他的な考え方(tribal mindset)」が描かれています。特に古いコミュニティや伝統を重んじる場所で使われることが多い表現です。
The marketing department had a tribal attitude, often ignoring ideas from other teams.
マーケティング部署は排他的な態度を持っており、しばしば他のチームからのアイデアを無視していました。
※ 会社の中で、ある部署(マーケティング部)が自分たちの意見や利益ばかりを優先し、他の部署からの提案や協力に対して閉鎖的な態度をとっている場面です。ここでは、「tribal attitude(排他的な態度)」が、特定のグループが自分たちの利益や考え方だけを重視し、他のグループとの協力を拒むような状況を表しています。職場や学校のグループ内での派閥争いなどにも使えます。
コロケーション
部族への所属、帰属意識
※ 「affiliation」は、個人が特定のグループや組織に所属している状態を指します。「tribal affiliation」は、部族社会における個人の帰属意識や、特定の部族の一員であるという自覚を表します。現代社会においては、出身地や共通の趣味など、広義の『仲間意識』を指す比喩としても用いられます。ビジネスシーンでは、顧客のロイヤリティやブランドへの愛着を説明する際に、やや大げさな表現として使われることがあります。
部族の土地、部族が伝統的に所有する土地
※ 「tribal lands」は、特定の部族が歴史的に所有し、居住してきた土地を指します。多くの場合、条約や法律によって部族の権利が保護されています。この表現は、先住民族の権利や土地問題に関する議論で頻繁に用いられます。例えば、環境保護活動家が、部族の土地を守るために企業の開発計画に反対する、といった文脈で見られます。政治的、社会的な意味合いが強い表現です。
部族間の戦争、部族紛争
※ 「tribal warfare」は、異なる部族間で行われる戦闘や紛争を指します。歴史的、人類学的な文脈でよく用いられ、部族間の資源争奪や縄張り争い、報復などが原因となることが多いです。現代社会においては、民族紛争や地域紛争を指す比喩としても使われます。ただし、この表現を使う際は、部族社会を原始的で暴力的だと決めつけるような先入観を与えないよう注意が必要です。
部族の長老、部族の年長者
※ 「tribal elder」は、部族社会において、経験や知識が豊富で、部族の伝統や文化を継承する役割を担う年長者を指します。長老は、部族の意思決定や紛争解決において重要な役割を果たし、尊敬を集めます。この表現は、文化人類学や社会学の研究でよく用いられます。また、ビジネスシーンでは、組織内で長年の経験を持つベテラン社員を指す比喩として使われることもあります。
部族の慣習、部族の伝統
※ 「tribal customs」は、特定の部族に特有の習慣や伝統を指します。これには、儀式、祭り、社会規範、食文化などが含まれます。人類学や社会学の研究対象となることが多いです。例えば、結婚式や葬式などの儀式、特定の動物を神聖視する信仰、独特の歌や踊りなどが挙げられます。異文化理解を深める上で重要な概念です。
部族的な本能、仲間を求める本能
※ 「tribal instinct」は、人間が本能的に仲間を求め、集団を形成しようとする傾向を指します。心理学や社会学の分野で、人間の社会性や協力行動を説明する際に用いられます。例えば、スポーツチームの応援、特定のアーティストのファンクラブ、オンラインコミュニティなど、現代社会における様々な集団行動の根底にある心理的な要因として捉えられます。進化心理学的な視点から、人間の生存戦略として説明されることもあります。
部族のタトゥー、伝統的なタトゥー
※ 「tribal tattoo」は、特定の部族に伝わる伝統的なデザインのタトゥーを指します。多くの場合、部族のアイデンティティや地位、信仰を表すシンボルとして用いられます。例えば、ポリネシア、アフリカ、アメリカ先住民などの部族のタトゥーがよく知られています。近年では、ファッションとして取り入れられることもありますが、部族文化への敬意を払うことが重要です。文化的な意味合いを理解せずに安易に模倣することは、文化盗用とみなされる可能性があります。
使用シーン
人類学、社会学、歴史学などの分野で、特定の文化や社会構造を分析する際に使用されます。「部族社会」「部族紛争」といった言葉で、研究論文や学術書に登場します。また、心理学分野で「〜という部族的な傾向が見られる」と述べる際に使われることもあります。
企業文化やチームの結束力を表現する際に、比喩的に用いられることがあります。「部族意識」という言葉で、組織内の排他的なグループや派閥を指すことがあります。例として、経営コンサルタントが企業改革の提案書で「組織内に強い部族意識が存在し、部門間の連携を阻害している」と分析する場面などが考えられます。
ニュースやドキュメンタリー番組で、世界各地の部族社会に関する話題に触れる際に使用されることがあります。また、スポーツチームや趣味のグループなど、共通の目的を持つ人々の集団を指して、比喩的に「部族」と表現することもあります。例えば、「熱狂的なファンはまるで部族のようだ」といった使われ方をします。
関連語
類義語
民族的な、民族固有の、という意味。文化、言語、宗教などの共通の遺産を共有する人々の集団に関連する状況で使用されます。学術的な文脈や報道でよく用いられます。 【ニュアンスの違い】"Tribal"よりも広い意味を持ち、より客観的で中立的な響きを持ちます。特定の部族に限定されず、より大きな民族集団を指すことがあります。また、政治的な意味合いは薄いです。 【混同しやすい点】"Tribal"は部族社会の構造や慣習を指すのに対し、"ethnic"は文化的な背景やアイデンティティを指すことが多いという点に注意が必要です。例えば、"ethnic food"(民族料理)は適切ですが、"tribal food"は通常使いません。
血縁関係に基づいた集団、氏族、という意味。家族のつながりを強調する際に使われます。歴史的な文脈や、スコットランドの氏族など特定の文化を指す際に用いられます。 【ニュアンスの違い】"Tribal"よりも血縁関係が強く、より限定的な集団を指します。また、しばしば歴史的な、あるいは伝統的な意味合いを持ちます。現代的な組織や集団を指す場合は不適切です。 【混同しやすい点】"Clan"は常に血縁関係がある集団を指しますが、"tribal"は必ずしもそうではありません。また、"clan"は特定の地域や文化に根ざしていることが多いですが、"tribal"はより広い意味で使えます。
集団、グループ、という意味。共通の目的や関心を持つ人々の集まりを指します。非常に一般的な言葉で、あらゆる種類の集団に使用できます。ビジネス、日常会話、学術など、あらゆる場面で使われます。 【ニュアンスの違い】"Tribal"のような強い結束力や共通の文化、歴史を持つニュアンスはありません。単なる人々の集まりを指す、より中立的な言葉です。 【混同しやすい点】"Group"は非常に一般的な言葉であるため、特定の文化や歴史的背景を持つ集団を指す場合は"tribal"の方が適切です。また、"tribal"はしばしば、外部からの干渉を受けにくい、独自の文化を持つ集団を指しますが、"group"にはそのような意味合いはありません。
地域社会、共同体、という意味。共通の場所、関心、または特徴を共有する人々の集団を指します。地理的な場所、共通の興味、または共通のアイデンティティに基づいて形成される場合があります。日常会話や社会科学の文脈でよく使用されます。 【ニュアンスの違い】"Tribal"よりも広い意味を持ち、必ずしも血縁関係や部族的な構造を持ちません。より緩やかなつながりを持つ集団を指すことが多いです。また、"community"はしばしば、相互扶助や協力といったポジティブな意味合いを持ちます。 【混同しやすい点】"Tribal"は特定の部族の文化や伝統を指すのに対し、"community"はより多様な集団を指すことがあります。例えば、"online community"(オンラインコミュニティ)は適切ですが、"online tribal"は通常使いません。
宗派、分派、という意味。宗教的、政治的、または哲学的なグループで、より大きなグループから分離したものを指します。しばしば、主流の意見とは異なる独自の教義や慣習を持っています。宗教や政治に関する文脈でよく使用されます。 【ニュアンスの違い】"Tribal"とは異なり、血縁関係や文化的な背景よりも、共通の信念や教義によって結びついた集団を指します。また、しばしば、排他的な性質を持つことがあります。 【混同しやすい点】"Sect"は宗教的または政治的な信念に基づいた集団を指しますが、"tribal"はより広い意味で、文化、血縁、地域などに基づいて形成された集団を指します。また、"sect"はしばしば、批判的な意味合いを持つことがあります。
先住の、固有の、という意味。特定の地域に元々住んでいる人々や、その地域に固有の動植物を指します。学術的な文脈や、環境保護、人権に関する議論でよく用いられます。 【ニュアンスの違い】"Tribal"よりも、特定の地域との結びつきを強調します。また、しばしば、歴史的な不正や差別を受けてきた人々を指すことがあります。 【混同しやすい点】"Indigenous"は特定の地域に元々住んでいる人々を指しますが、"tribal"は必ずしもそうではありません。例えば、ある部族が別の地域に移住した場合でも、その部族は"tribal"であると言えますが、"indigenous"とは言えません。
派生語
『部族』を意味する名詞。「tribal」の直接の語源であり、社会集団の基本単位を示します。人類学、社会学、歴史学などの学術分野で頻繁に使用されるほか、ニュースやドキュメンタリーなどでも見られます。現代社会では、比喩的に「共通の価値観や目的を持つ集団」を指すこともあります。
- tribesman
『部族民』を意味する名詞。「tribe」に「man(人)」が付いたもので、部族の一員を指します。歴史的、文化的な文脈で使われることが多く、人類学の研究や歴史小説などで見られます。現代では、特定の民族や文化集団を指す際に用いられることもあります。
- tribalism
『部族主義』を意味する名詞。「tribal」に「-ism(主義)」が付いたもので、部族への忠誠心や帰属意識を強調する考え方を指します。政治学、社会学などの分野で、国家やグローバルな視点との対比で用いられることが多く、紛争や対立の原因を分析する際に言及されます。
- tributary
元々は『貢ぎ物を納める人』を意味する形容詞・名詞で、部族が支配者に貢物を納める関係から派生しました。地理学では『支流』を意味し、本流に合流する川を指します。比喩的には、主要なものに従属するもの、貢献するものという意味合いで使用されます。
反意語
『国家的な』を意味する形容詞。「tribal(部族的な)」が特定の部族への帰属意識を表すのに対し、「national」は国家全体への帰属意識を表します。政治的な文脈では、部族主義と国家主義が対立概念として扱われることがあります。例えば、「tribal conflicts(部族紛争)」と「national unity(国家統一)」のように用いられます。
『地球規模の』を意味する形容詞。「tribal」が特定の地域や集団に限定されるのに対し、「global」は地球全体、世界全体を対象とします。経済、環境、政治などの分野で、地球規模の課題や協力について議論する際に頻繁に用いられます。例えば、「tribal customs(部族の慣習)」と「global standards(国際基準)」のように対比されます。
『個人の』を意味する形容詞。「tribal」が集団としての特性を強調するのに対し、「individual」は個人の独自性や権利を強調します。社会学や心理学の文脈では、集団と個人の関係性が議論される際に、対比概念として用いられることがあります。例えば、「tribal identity(部族のアイデンティティ)」と「individual freedom(個人の自由)」のように対比されます。
語源
「tribal」は「部族の」という意味ですが、その語源は古代ローマに遡ります。ラテン語の「tribus(トリブス)」がその源であり、これはローマ社会における「部族」「行政区」を指す言葉でした。ローマは当初、いくつかの部族によって構成されており、「tribus」はその構成単位を表していました。時代が下るにつれて、「tribus」は地理的な区分、そして人を集団として捉える概念へと発展しました。英語の「tribe(部族)」もこのラテン語「tribus」から派生しており、「tribal」はその形容詞形です。つまり、「tribal」という言葉には、古代ローマ社会における人々が共同体として生活していた様子が反映されているのです。現代では、部族社会だけでなく、共通の価値観や関心を持つ人々の集団を指す場合にも使われます。
暗記法
「tribal」は単なる集団を越え、帰属意識や伝統、対立さえ象徴します。人類学研究では「部族」が未開と見なされる負の歴史も。しかし現代では、企業文化や趣味の集まりも「部族的」と表現。共通の価値観で繋がる人々を指す言葉へと意味を広げています。ただし、使用には注意が必要です。多様性と連帯感を示す一方で、差別的な意味合いも孕む言葉。背景を理解し、慎重に使いましょう。
混同しやすい単語
発音が非常に似ており、特に語尾の l の発音があいまいになると区別がつきにくい。スペルも 'tribal' と 'trial' で、最初の文字が 't' か 'tr' かの違いしかないため、視覚的にも混同しやすい。意味は『試み』や『裁判』であり、部族とは全く異なる文脈で使用される。日本語学習者は、会話の中では文脈で判断し、文章ではスペルを注意深く確認する必要がある。語源的には、'trial' は『試す』という意味の古フランス語から来ており、'tribal' はラテン語の『部族』に由来する。
発音が似ており、特に stress の位置が異なるため、聞き取りにくいことがある。スペルも前半部分が 'tribu-' で共通しているため、視覚的にも混同しやすい。意味は『支流』や『貢献する』であり、部族とは異なる意味を持つ。日本語学習者は、発音記号を確認し、stress の位置を意識して発音練習をすることが重要。また、文脈から意味を判断する練習も必要。語源的には、'tributary' はラテン語の『貢ぎ物』に由来し、そこから『貢献する』や『支流』の意味に派生した。
'tribal' は形容詞であり、名詞の 'tribe'(部族)と混同されることは少ないかもしれないが、文法的な役割を理解していないと誤用する可能性がある。例えば、『tribal society』と言うべきところを『tribe society』と言ってしまうなど。形容詞と名詞の区別を意識し、適切な文法構造で使用することが重要。また、'tribe' は特定のグループを指す言葉として、ビジネスや趣味のコミュニティなど、比喩的にも使われることがある。
スペルが若干似ており、特に 'tri-' の部分が共通しているため、視覚的に混同しやすい。発音は異なるが、早口で話されると聞き間違える可能性もある。意味は『些細な』や『取るに足らない』であり、部族とは全く異なる意味を持つ。日本語学習者は、スペルを正確に記憶し、発音の違いを意識して練習することが重要。語源的には、'trivial' はラテン語の『三叉路』に由来し、そこから『ありふれた』や『些細な』という意味に派生した。
スペルと発音が一部似ており、特に 'tri' の音と語尾の '-al' が共通しているため、混同される可能性がある。意味は『圧制的な』や『暴君的な』であり、部族とは全く異なる意味を持つ。政治や歴史の文脈でよく使われる単語なので、意味を理解しておくことが重要。語源的には、'tyrannical' はギリシャ語の『僭主』に由来し、そこから『圧制的な』という意味に派生した。
発音の最初の部分が似ており、特に 'tr' の音が共通しているため、聞き間違える可能性がある。スペルは異なるが、早口で話されると混同しやすい。意味は『問題』や『困難』であり、部族とは全く異なる意味を持つ。日常会話でよく使われる単語なので、意味と使い方をしっかりと理解しておくことが重要。語源的には、'trouble' は古フランス語の『かき乱す』に由来し、そこから『問題』や『困難』の意味に派生した。
誤用例
『tribal』は部族社会的な、伝統的な共同体を指す言葉であり、現代の企業組織を表現する際に使うと、時代錯誤な印象を与えたり、未開な組織構造であるというネガティブな意味合いを含んでしまう可能性があります。企業内の派閥や閉鎖的なグループを指す場合は、『cliquey』がより適切です。日本人が『仲間意識が強い』という意味で安易に『tribal』を使ってしまうのは、日本語の『仲間』という言葉が持つポジティブな響きに引きずられているためと考えられます。英語では、組織における閉鎖的な集団は必ずしも好意的に捉えられません。
『tribal tattoo』という表現は、実際に特定の部族に伝わる伝統的なタトゥーを指す場合にのみ適切です。部族の出身ではない人が、部族の模様を模倣したタトゥーを入れている場合は、『tribal-style tattoo』と言うべきです。これは、文化的な盗用(cultural appropriation)の問題にも関わります。日本人が安易に『tribal』を使ってしまう背景には、部族文化に対する知識不足や、紋様としてのデザイン性のみに注目してしまう傾向があると考えられます。英語圏では、部族の文化や伝統を尊重する意識が強く、安易な使用は誤解や反感を買う可能性があります。
『tribal council』は、文字通り部族の評議会を指す言葉であり、現代の地方自治体の評議会を指す場合には不適切です。地方自治体の評議会を指す場合は、『local council』や『city council』を使うのが適切です。日本人が『tribal』を使ってしまうのは、日本語の『民族』という言葉が持つ、ある種の共同体意識やまとまりのイメージに影響されている可能性があります。しかし、英語の『tribal』は、より限定的な部族社会を指す言葉であり、現代の行政組織には当てはまりません。
文化的背景
「tribal(部族的)」という言葉は、単に社会集団の形態を表すだけでなく、帰属意識、伝統、そして時に外部との対立といった、人間の根源的な感情や行動様式を象徴します。近代化が進むにつれて、「部族」という概念は、原始的な社会だけでなく、共通の価値観や目的を持つあらゆる集団を指す比喩としても用いられるようになりました。
「部族的」という言葉が持つ文化的背景は、人類学的な研究と密接に結びついています。19世紀から20世紀初頭にかけて、西洋の探検家や人類学者は、アフリカ、アジア、南米などの地域に住む人々を「部族」として分類し、彼らの社会構造、慣習、信仰を研究しました。しかし、これらの研究は、しばしば西洋中心的な視点に偏っており、「部族」を未開で遅れた存在として描く傾向がありました。このような歴史的背景から、「tribal」という言葉は、時に否定的なニュアンスを帯びることがあります。特に、植民地主義の歴史を持つ国々では、この言葉は支配者による被支配者の分類を想起させ、差別的な意味合いを含むことがあります。
現代においては、「tribal」という言葉は、より中立的な意味合いで使用されることもあります。例えば、企業文化やスポーツチームの結束力を表現するために、「tribal loyalty(部族的な忠誠心)」という言葉が用いられることがあります。また、特定の趣味や嗜好を共有する人々が集まるオンラインコミュニティを「デジタル部族」と呼ぶこともあります。このように、「tribal」は、必ずしも地理的な境界や血縁関係に基づく集団だけでなく、共通のアイデンティティや目的を持つ人々の集まりを指す言葉として、その意味を広げています。
ただし、「tribal」という言葉を使用する際には、その文脈に注意する必要があります。特に、異なる文化や民族について語る際には、ステレオタイプなイメージを助長したり、相手を傷つけたりする可能性がないか、慎重に検討する必要があります。「tribal」という言葉は、人間の多様性と連帯感を表現する一方で、歴史的な負の遺産を背負っていることを忘れてはなりません。言葉の持つ多面性を理解し、適切に使用することが、異文化理解を深める上で重要となります。
試験傾向
主に長文読解、稀に語彙問題。
準1級以上で稀に出題。
社会問題、文化人類学、歴史などのアカデミックなテーマで登場。
「部族の」「種族の」という意味を理解し、関連語句(tribe, ethnicityなど)との区別を意識する。長文読解では文脈から意味を推測する練習が重要。
Part 7(長文読解)で稀に出題。
TOEIC L&R TEST全体で、出題頻度は低い。
企業文化、組織論、地域社会に関するニュース記事などで見られる。
ビジネスシーンでの使用例は少ないため、TOEIC対策としては優先順位は低い。ただし、一般的な語彙力として意味を知っておくことは重要。
リーディングセクションで頻出。
TOEFL iBTのリーディングセクションで比較的よく見られる。
社会学、人類学、歴史学、環境問題など、学術的な文章で登場。
「部族の」「種族の」という意味に加え、比喩的な意味(例:ある集団特有の)で使われる場合もある。アカデミックな文章に慣れることが重要。
主に長文読解。
難関大学の入試問題で稀に出題。
文化、歴史、社会問題など、幅広いテーマで登場。
文脈の中で正確な意味を把握する能力が求められる。類義語や関連語句(ethnic, indigenousなど)との関連性を理解しておくことが望ましい。