trouble
最初の音 /tr/ は、日本語の『ト』よりも舌を丸めて発音し、すぐに曖昧母音 /ʌ/ に繋げます。/ʌ/ は日本語の『ア』と『オ』の中間のような音で、口を少し開き、喉の奥から出すイメージです。最後の 'l' は舌先を上前歯の裏に軽く当てて発音しますが、直前の母音に影響を与え、曖昧な『ル』のような音になります。強勢は最初の音節にあります。
専門的な内容に関するご注意
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悩み
解決が難しい、または不快な状況や問題。漠然とした不安や心配事にも使われる。深刻さの度合いは様々。
I noticed my friend looked sad. She might have some trouble.
友達が悲しそうに見えました。何か悩みがあるのかもしれません。
※ 友達が元気がない様子を見て、心配している場面です。「trouble」は、この文のように「悩み」や「心配事」といった個人的な困りごとを指す際によく使われます。「have trouble」で「悩みを抱えている」という意味になります。「might」は「~かもしれない」という推量を表すときに使う便利な単語です。
I'm having a little trouble with my new job now.
今、新しい仕事で少し悩んでいます。
※ 新しい環境で、うまくいかないことや、慣れないことに対して困惑したり、心配したりしている場面です。「have trouble with ~」は「~で困っている」「~に悩んでいる」という、非常に日常的で便利な表現です。この文のように「a little」を加えることで「少し」というニュアンスが加わります。現在進行形(I'm having)を使うと、「今まさにその悩みを抱えている」という状況を表せます。
She shared her troubles with me over coffee.
彼女はコーヒーを飲みながら私に悩みを打ち明けてくれました。
※ カフェなどで、親しい人が自分の心の内を打ち明けている、温かい交流の場面です。「share one's troubles」は「悩みを共有する」「悩みを打ち明ける」という意味で、人の感情や関係性を表す際によく使われます。ここでは「troubles」と複数形にすることで、漠然と複数の悩みがあることを示しています。「over coffee」のように「over + 飲み物/食事」で「~をしながら」という状況を表すことができます。
困らせる
人やシステムに問題や困難を引き起こすこと。迷惑をかけるニュアンスを含む。
The loud music from next door often troubles me at night.
隣のうるさい音楽が夜、私をしばしば困らせます。
※ 【情景】夜中に隣から聞こえる大きな音楽。あなたは眠れなくてイライラしています。まさに「困らせる」状況です。 【解説】この例文では、騒音など「不快なもの」が原因で、人が精神的に「困る」状況を典型的に表しています。'trouble' はこのように、迷惑や不快感を与える対象が主語になることが多いです。
My back has been troubling me all week, so I can't sit for long.
腰の調子がこの一週間ずっと悪くて、長く座っていられません。
※ 【情景】朝から腰の調子が悪く、座っているのもつらい。体が言うことを聞かずに困っている様子です。 【解説】'trouble' は体の一部が主語になり、「(体の不調が)~を悩ませる・不快にさせる」という意味で非常によく使われます。体調が悪い時に「My head troubles me.(頭痛がする)」のように使えます。
I hope my questions don't trouble you too much during your busy time.
お忙しいところ、私の質問があまりご迷惑になっていなければいいのですが。
※ 【情景】忙しそうな同僚や上司に、どうしても聞きたい質問があります。相手の時間を奪うことに申し訳なさを感じながら、気遣って話しかけている場面です。 【解説】「I hope I don't trouble you...」や「Sorry to trouble you.」のように、相手に何かをお願いしたり、時間を取らせたりする際に、迷惑をかけたくないという気持ちを伝える丁寧な表現として非常によく使われます。これは日常会話で非常に役立つフレーズです。
苦労
努力や困難を伴う活動。問題解決や目標達成のために必要な骨折りを指す。
I had a lot of trouble with my math homework last night.
昨夜、数学の宿題でとても苦労しました。
※ この例文は、あなたが何か特定の課題や問題に直面し、それを解決するのに苦労した状況を表しています。夜遅くまで机に向かい、頭を抱えているような、誰もが経験する「困った状況」が目に浮かびますね。 【ポイント】「have trouble with ~」は「~で苦労する」「~に困る」という、日常で非常によく使われるフレーズです。withの後には具体的な対象が来ます。
She went to a lot of trouble to make a special birthday cake for her friend.
彼女は友達のために特別な誕生日ケーキを作るのに大変な苦労をしました。
※ 友達の喜ぶ顔を想像しながら、時間や手間をかけて一生懸命にケーキを作っている様子が目に浮かびます。もしかしたら、何度か失敗してやり直したかもしれません。愛情のこもった「苦労」ですね。 【ポイント】「go to (a lot of) trouble to do ~」で「~するために大変な苦労をする」「わざわざ手間をかける」という意味になります。「a lot of」をつけることで、その苦労や手間が大きいことを強調できます。
He had a lot of trouble finding his lost keys in the dark room.
彼は暗い部屋でなくした鍵を見つけるのにとても苦労しました。
※ 暗闇の中、どこに置いたか分からない鍵を必死で探している男性の姿を想像してみてください。「どこだ、どこだ…」と焦りながら、手探りで探し回る「困難な状況」が伝わってきます。 【ポイント】「have trouble doing ~」は「~するのに苦労する」という意味で、何かを「実行する」上での困難を表す際によく使われます。doingの部分には動名詞(-ing形)が続きます。
コロケーション
わざわざ面倒なことをする、火中の栗を拾う
※ 文字通りには「トラブルを求める」ですが、実際には自ら危険や困難な状況に飛び込む、あるいは招き寄せるような行為を指します。例えば、危険な場所に夜に出かける、忠告を無視して無謀な行動をとる、といった場合に使われます。ニュアンスとしては、自業自得の要素を含み、周囲から『だから言わんこっちゃない』と思われるような状況です。口語表現として非常によく使われます。文法的には、動詞 + 前置詞 + 名詞の構成です。
〜するのに苦労する、〜が難しい
※ 何かを行う際に困難や苦労を感じる時に使われる一般的な表現です。 'have difficulty (doing something)' とほぼ同義ですが、'trouble' の方がより口語的で、幅広い場面で使えます。例えば、「I have trouble waking up early.(朝起きるのが苦手です)」のように使います。文法的には、動詞 + 名詞 + 動名詞の構成です。'have trouble with something' という形で名詞を伴うこともあります。例えば、'I have trouble with math.'(数学が苦手です)。
困った状況にある、問題に巻き込まれている
※ 文字通りには「トラブルの中にいる」ですが、経済的な困難、法的な問題、人間関係のトラブルなど、様々な種類の困難な状況を指します。特に、規則や法律を破った結果、叱責や処罰を受ける可能性がある場合によく使われます。例えば、「He is in trouble with the police.(彼は警察沙汰になっている)」のように使います。前置詞 + 名詞の構成で、非常に一般的な表現です。
少しばかりの問題、ちょっとした困難
※ 'spot' は「しみ、斑点」といった意味の他に、「少量」という意味合いを持ちます。したがって、'a spot of trouble' は、深刻な問題というよりは、ちょっとした厄介事や困難を指す、控えめな表現です。例えば、車のエンジントラブルや、些細な誤解など、すぐに解決できるような問題に使われます。イギリス英語でよく用いられる、やや婉曲的な言い方です。名詞句の構成です。
争いを求める、騒ぎを起こそうとする
※ 文字通りには「トラブルを探す」ですが、実際には積極的に他人と争ったり、騒ぎを起こしたりするような行動を指します。例えば、挑発的な言動を繰り返す、危険な場所に近づく、といった行為が該当します。 'ask for trouble' と似ていますが、こちらはより積極的に問題を引き起こそうとするニュアンスが強いです。動詞 + 前置詞 + 名詞の構成です。
わざわざ〜する、手間をかける
※ 何かをするために特別な努力や手間をかけることを意味します。肯定的な意味合いで使われることもありますが、しばしば、その努力が無駄になったり、期待した結果が得られなかったりした場合に使われます。例えば、「She went to the trouble of baking a cake, but nobody ate it.(彼女はわざわざケーキを焼いたのに、誰も食べなかった)」のように使います。'take the trouble to do something' とも言います。動詞 + 前置詞 + 名詞 + 前置詞 + 動名詞の構成です。
心配する必要のないことを心配する、取り越し苦労をする
※ まだ起こっていない、あるいは起こる可能性が低いことについて心配することを意味します。文字通りには「トラブルを借りる」ですが、実際には将来の不確実な出来事に対して過度に不安を感じる状態を指します。例えば、試験の結果が出る前に悪い結果ばかりを想像する、といった場合に使われます。'Don't borrow trouble.'(心配するな)という形で、相手を励ます際にも使われます。動詞 + 名詞の構成です。
使用シーン
学術論文やディスカッションで、問題点や課題を指摘する際に使われます。例えば、研究の限界について述べる際に、「This study has some trouble in generalizability due to the small sample size.(この研究はサンプルサイズが小さいため、一般化可能性に問題がある。)」のように使用されます。また、学生がレポートで「I had some trouble understanding the concept of X.(Xの概念を理解するのに苦労した。)」と述べることもあります。
ビジネスシーンでは、問題発生や業務上の困難を伝える際に使用されます。例えば、プロジェクトの進捗報告で、「We are experiencing some trouble with the new software implementation.(新しいソフトウェアの導入で問題が発生しています。)」のように報告します。また、顧客からの問い合わせ対応で、「I apologize for the trouble this has caused.(ご迷惑をおかけして申し訳ありません。)」というように、謝罪の言葉としても使われます。
日常会話で、困り事や悩み事を伝える際に頻繁に使用されます。例えば、「I'm having trouble with my car.(車の調子が悪いんだ。)」のように言ったり、人に手伝ってもらう時に「Could you help me with this trouble?(この件で手伝ってもらえますか?)」と頼んだりします。また、誰かの状況を尋ねる際に、「Are you in trouble?(何か困ったことでもあるの?)」と聞くこともあります。
関連語
類義語
問題。解決すべき事柄、困難、障害などを指す。ビジネス、日常会話、学術的な文脈など、あらゆる場面で使用される。 【ニュアンスの違い】"Problem" は "trouble" よりも客観的で、深刻さの度合いが不明確な場合にも使われる。"Trouble" はより個人的な困難や苦労を伴うニュアンスがある。 【混同しやすい点】"Trouble" は不可算名詞として使われることが多いが、"problem" は可算名詞として具体的な問題を指す場合に用いられる。例えば、 "I have a problem." は自然だが、 "I have a trouble." は不自然。
困難。何かを達成する上での障害や難しさを示す。学術的な議論やフォーマルな場面でよく使われる。 【ニュアンスの違い】"Difficulty" は "trouble" よりも客観的で、解決が難しい状況を指すことが多い。また、技術的な問題や抽象的な概念に対する困難さを表す場合にも適している。 【混同しやすい点】"Trouble" は感情的な苦労を含むことがあるが、"difficulty" はより冷静で客観的な困難さを表す。例えば、"I had trouble understanding the lecture." は講義の内容が難しく、理解に苦労したという感情を含むが、"I had difficulty understanding the lecture." は単に内容が難解だったという事実を述べている。
問題、論点。議論や検討が必要な事柄を指す。政治、社会、ビジネスなど、公的な場面でよく使用される。 【ニュアンスの違い】"Issue" は "trouble" よりもフォーマルで、公的な議論や政策に関連する問題を指すことが多い。個人的な苦労や困難を表す "trouble" とは異なり、より客観的で広範な影響を持つ問題を扱う。 【混同しやすい点】"Issue" は多くの場合、解決策を必要とする問題点を指す。"Trouble" は必ずしも解決策があるとは限らない個人的な苦労を含む。例えば、"environmental issues" は環境問題という解決策が必要な問題を指すが、"I'm in trouble." は個人的な苦境を表す。
苦難、困窮。生活上の困難や苦労を強調する。文学作品や歴史的な文脈でよく使われる。 【ニュアンスの違い】"Hardship" は "trouble" よりも深刻で、経済的な困窮や身体的な苦痛を伴う困難を指す。個人的な苦労だけでなく、社会的な不正や災害による苦難を表す場合にも用いられる。 【混同しやすい点】"Hardship" はしばしば長期にわたる困難を指し、一時的な "trouble" とは異なる。例えば、"The family faced many hardships during the war." は戦争中の長期的な苦難を表すが、"I had some trouble finding the station." は駅を探すという一時的な困難を表す。
苦境、窮地。脱出が困難な状況を指す。フォーマルな場面や文学的な表現で使われる。 【ニュアンスの違い】"Predicament" は "trouble" よりも深刻で、解決策が見つからない、または非常に困難な状況を示す。しばしば自己責任ではない状況に陥ったことを示唆する。 【混同しやすい点】"Predicament" はしばしば第三者によってもたらされた状況を指す。例えば、"He found himself in a difficult predicament." は彼自身が招いたわけではない困難な状況を表すが、"I'm in trouble because I didn't study." は自分の行動が原因で苦境に陥っていることを示す。
- mishap
小さな災難、不運な出来事。事故や失敗など、予期せぬ出来事を指す。日常会話で使われることが多い。 【ニュアンスの違い】"Mishap" は "trouble" よりも軽微で、深刻な影響を及ぼさない不運な出来事を指す。例えば、小さな事故やちょっとした失敗などが該当する。 【混同しやすい点】"Mishap" は通常、一時的で深刻ではない出来事を指す。例えば、"I had a little mishap in the kitchen." はキッチンでちょっとした失敗をしたことを表すが、"I'm in serious trouble with the police." は警察との深刻な問題を抱えていることを示す。
派生語
『面倒な』、『厄介な』という意味の形容詞。『trouble』に『~しやすい』、『~を引き起こす』という意味合いの接尾辞『-some』が付加された。問題を引き起こす性質や状況を表す際に用いられ、日常会話からビジネスシーンまで幅広く使われる。例えば、『troublesome cough(厄介な咳)』のように具体的な問題に対して使われることが多い。
- troubled
『悩んでいる』、『苦しんでいる』という意味の形容詞、または過去分詞。精神的な苦痛や問題を抱えている状態を表す。日常会話では『a troubled mind(悩める心)』のように使われるほか、ビジネスシーンでは『troubled company(経営難の会社)』のように、問題を抱えた状況を表す際にも用いられる。感情や状態を表すため、文学作品などでも頻繁に見られる。
- troublemaker
『厄介者』、『騒ぎを起こす人』という意味の名詞。『trouble』と『maker(作る人)』が組み合わさった語。特に、組織や集団内で問題を引き起こす人を指す。日常会話で使われることが多く、フォーマルな場面ではあまり使われない。子供に対して使われることも多い。
反意語
『安心』、『容易さ』という意味の名詞、または『楽にする』という意味の動詞。『trouble』が抱える問題や困難を指すのに対し、『ease』はそれからの解放や軽減を表す。日常会話では『at ease(くつろいで)』という表現でよく使われる。ビジネスシーンでは、『ease the burden(負担を軽減する)』のように使われる。
『平和』、『平穏』という意味の名詞。『trouble』が混乱や紛争を意味するのに対し、『peace』はそれがない状態を指す。個人的な心の平穏から、国家間の平和まで、幅広い文脈で使用される。『inner peace(心の平和)』のように抽象的な概念を表す際にも用いられる。
『安心』、『安堵』という意味の名詞。『trouble』によって引き起こされた苦痛や心配が取り除かれた状態を指す。災害救援などの『救済』という意味もある。日常会話では『sigh of relief(安堵のため息)』のように使われる。ビジネスシーンでは、『tax relief(税制優遇)』のように使われることもある。
語源
"trouble」は、古フランス語の「torble」(かき乱す、混乱させる)に由来し、さらに遡ると、後期ラテン語の「turbulare」(かき乱す、動揺させる)にたどり着きます。この「turbulare」は、ラテン語の「turba」(騒ぎ、混乱、群衆)から派生しています。つまり、「trouble」の根底には、文字通り、または比喩的に何かを「かき乱す」というイメージがあります。日本語で例えるなら、平静な水面に石を投げ込んで波紋が広がるような、そんな状態を表していると言えるでしょう。初期の意味合いは文字通りの「混乱」でしたが、そこから「悩み」「苦労」「困らせる」といった心理的な意味合いへと発展していきました。群衆の騒がしさや物理的な混乱から、心の内の葛藤や問題へと意味が広がったのです。
暗記法
「trouble」は単なる問題ではない。倫理、社会、運命が絡み合う難題だ。聖書のアダムとイブ、ギリシャ悲劇の主人公…物語は「trouble」と共に深まる。罪、責任、逃れられぬ苦難。公民権運動や環境問題もまた「trouble」だ。社会不正や抑圧の象徴として、抵抗の狼煙となる。文学や映画で「trouble」を見つければ、物語は新たな顔を見せるだろう。
混同しやすい単語
『trouble』と最初の音が似ており、どちらも曖昧母音を含むため、特に発音の練習が不十分な場合、聞き間違えやすいです。意味は『二重の』で、全く異なる概念を指します。スペルも似ていますが、注意深く見れば区別できます。日本人学習者は、/tr/と/d/の音の違いを意識しましょう。
『trouble』と語頭の音が似ており、どちらもRの音を含むため、発音によっては非常に紛らわしくなります。意味は『震える』で、スペルも似ていますが、音節の数が異なります。日本人学習者は、/tr/と/trem/の違いを意識すると良いでしょう。
『trouble』と語頭の音が似ており、どちらもRの音を含むため、発音によっては非常に紛らわしくなります。意味は『部族の』で、スペルも一部似ていますが、文脈が全く異なります。日本人学習者は、/tr/と/tribe/の違いを意識すると良いでしょう。
『trouble』と最後の音が似ており、どちらも曖昧母音を含むため、発音によっては非常に紛らわしくなります。意味は『泡』で、スペルも一部似ていますが、文脈が全く異なります。日本人学習者は、語頭の音の違いを意識すると良いでしょう。また、bubbleはオノマトペ(擬音語)に由来する単語であることも覚えておくと、イメージがつきやすいです。
『trouble』と発音が似ており、特にカタカナ英語で発音する場合、区別がつきにくいことがあります。意味は『荒らし』や『トロール(伝説上の生き物)』で、スペルも似ていますが、文脈が全く異なります。日本人学習者は、英語本来の発音を意識し、語尾のLの音をしっかり発音するように心がけましょう。trollは、古ノルド語の「いたずら好き」を意味する言葉に由来します。
『trouble』と語頭の音が似ており、どちらもRの音を含むため、発音によっては非常に紛らわしくなります。意味は『本当の』で、スペルも似ていますが、母音の構成が異なります。日本人学習者は、/tr/の音を正しく発音し、文脈から判断するように心がけましょう。'true'は、古英語の 'trēowe'(信頼できる)に由来します。
誤用例
日本語の「トラブルがある」という表現を直訳すると、つい "have a trouble" と言ってしまうかもしれません。しかし、"trouble" は不可算名詞として使われることが多く、具体的な問題や困難を指す場合は "trouble" 自体ではなく、"problems" や "difficulties" を使うか、"have trouble (doing something)" という構文を使うのが自然です。また、進行形にすることで、現在進行中の問題であることを強調できます。背景には、英語では状態よりも行為やプロセスを重視する傾向があることが影響しています。日本語の「〜がある」という存在を表す表現を、安易に "have" で置き換えるのは避けるべきです。
"Don't trouble yourself" は、相手に迷惑をかけないように自分自身に言い聞かせるようなニュアンスがあり、状況によっては不自然に聞こえます。より自然なのは "Please don't go to any trouble." で、これは相手に「ご面倒をおかけしないでください」と丁寧に伝える表現です。"trouble" を動詞として使う場合、誰かに心配や苦労をかける意味合いが強いため、相手に直接言う場合は慎重になる必要があります。日本語の「ご迷惑をおかけします」のような謙譲の気持ちを英語で表現する場合は、文化的背景を考慮し、より婉曲的な表現を選ぶのが適切です。また、"Don't trouble yourself" は、相手が既に何かをしてくれている状況で使うと、皮肉っぽく聞こえる可能性もあります。
日本語の「お金のトラブル」を直訳して "trouble of money" と言うのは不自然です。英語では、お金に関する問題は "financial trouble" や "money problems" と表現します。"in trouble" は、一般的に困難な状況や問題を抱えていることを意味しますが、具体的な問題の種類を特定する場合は、適切な形容詞や名詞を組み合わせる必要があります。また、"trouble of" という表現自体が、特定の状況を除いてあまり一般的ではありません。日本人が「〜の」を "of" で表現しがちな癖が出やすい箇所ですが、英語では名詞を形容詞的に使う方が自然な場合が多いです。
文化的背景
「trouble」は、単なる困難や問題を超え、しばしば個人の倫理観、社会の秩序、そして運命そのものに深く関わる、厄介で複雑な状況を指し示す言葉です。この言葉は、道徳的なジレンマや罪悪感、あるいは制御不能な状況に直面した人間の苦悩を象徴的に表現するために、文学や映画などの物語の中で繰り返し用いられてきました。
「trouble」が持つ文化的背景を理解する上で重要なのは、この言葉が単に不都合な事態を指すだけでなく、しばしば「責任」や「罪」といった概念と結びついている点です。例えば、聖書におけるアダムとイブの物語では、禁断の果実を口にしたことが「trouble」の始まりとされています。この場合、「trouble」は単なる失敗ではなく、神との契約を破ったことによる罪の意識、そして楽園追放という結果を伴う、重大な出来事を意味します。同様に、ギリシャ悲劇においても、「trouble」はしばしば主人公の傲慢さ(ヒュブリス)や運命によって引き起こされる、逃れられない苦難として描かれます。
現代社会においても、「trouble」は単なる個人的な問題を超え、社会的な不正や抑圧と結びついて語られることがあります。例えば、公民権運動の時代には、人種差別という「trouble」に立ち向かうために、多くの人々が勇気を持って行動しました。この場合、「trouble」は、単なる個人的な苦難ではなく、社会全体の不正義に対する抵抗の象徴として機能します。また、環境問題や貧困といったグローバルな課題も、「trouble」として認識され、その解決に向けて国際的な協力が必要とされています。
このように、「trouble」は、個人の倫理観、社会の秩序、そして運命そのものに深く関わる、複雑で多層的な意味を持つ言葉です。この言葉を理解することは、単に語彙を増やすだけでなく、人間の苦悩や葛藤、そして社会的な問題に対する理解を深めることにも繋がります。文学作品や映画などを鑑賞する際に、「trouble」という言葉がどのように使われているかに注意を払うことで、物語のテーマや登場人物の心理をより深く理解することができるでしょう。
試験傾向
- 出題形式: 語彙問題、長文読解、リスニング
- 頻度と級・パート: 準1級、1級で頻出。2級でもまれに出題。リーディング、リスニングのパートで登場
- 文脈・例題の特徴: 幅広いトピックで登場するが、社会問題や環境問題など、やや硬めの話題で使われることが多い。会話文でも使われる。
- 学習者への注意点・アドバイス: 名詞(困難、問題)と動詞(悩ます、困らせる)の両方の意味を覚え、文脈に応じて使い分けられるようにする。形容詞形(troubled)の意味も確認。発音にも注意。
- 出題形式: Part 5 (短文穴埋め)、Part 6 (長文穴埋め)、Part 7 (長文読解)
- 頻度と級・パート: 頻出単語。特にPart 7で長文読解のキーワードとして登場
- 文脈・例題の特徴: ビジネスシーン(契約、納期、品質など)における問題点やトラブルを表す文脈で頻繁に使用される。顧客からの苦情や技術的な問題に関する記述にも注意。
- 学習者への注意点・アドバイス: 名詞として使われることが多いが、動詞としての用法も確認する。類義語(problem, issue, difficulty)とのニュアンスの違いを理解する。特に「have trouble -ing」の形を覚えておく。
- 出題形式: リーディング、リスニング
- 頻度と級・パート: アカデミックな内容の読解文で頻出
- 文脈・例題の特徴: 科学、歴史、社会科学など、幅広い分野の学術的な文章で使われる。問題点、課題、困難といった意味合いで登場することが多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: 名詞・動詞両方の用法を把握する。特に、複雑な問題や解決困難な状況を表す文脈でどのように使われるかを確認する。類義語との使い分けも重要。
- 出題形式: 長文読解、和訳問題、英作文
- 頻度と級・パート: 難関大学ほど頻出。標準的な単語帳には掲載されていることが多い
- 文脈・例題の特徴: 評論文、物語文など、幅広いジャンルの文章で登場する。社会問題、人間関係、心理描写など、様々な文脈で使われる。
- 学習者への注意点・アドバイス: 基本的な意味に加え、文脈に応じた適切な訳語を選択できるようになる必要がある。比喩的な表現や抽象的な概念を表す際に用いられる場合もあるため、文脈全体を理解することが重要。派生語(troublesomeなど)も覚えておく。