partial
強勢は最初の 'pa' に置かれます。母音 /ɑː/ は日本語の「ア」よりも口を大きく開け、喉の奥から出すイメージです。'r' の音は舌を丸めるか、軽く持ち上げるようにして発音します。最後の 'əl' は、曖昧母音と 'l' の組み合わせで、舌先を上の歯茎につけて発音します。
専門的な内容に関するご注意
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一部分の
全体ではなく、その中の一つの要素や側面を表す。完全ではない、不完全な状態を示すニュアンスも含む。例:partial success(部分的な成功)
She only ate a partial slice of the big pizza because she was already full.
彼女はすでにお腹がいっぱいだったので、大きなピザのごく一部しか食べませんでした。
※ 目の前に美味しそうな大きなピザがあるのに、お腹がいっぱいでほんの少ししか食べられない、という状況です。「partial slice」で「一切れのごく一部」という具体的なイメージが湧きます。食べ物の一部、という意味で「partial」を使うのは非常に自然で、日常会話でもよく聞かれます。「a partial slice」のように、名詞の前に置いて「部分的な~」と説明する形が最も一般的です。
The news report gave only partial information about the accident, so we waited for more details.
そのニュース報道は事故に関する部分的な情報しか伝えなかったので、私たちはさらなる詳細を待ちました。
※ テレビやインターネットで事故のニュースを見ているけれど、まだ全容が分からず、もどかしい気持ちで詳細を待っている場面です。「partial information」は、情報が全て揃っていない状態を指します。情報やデータが不完全であることを表す際によく使われる、非常に典型的な表現です。特にニュースや報告で頻出します。「partial information」のように、数えられない名詞(information)と組み合わせて「部分的な情報」という意味で使われることも多いです。
I only finished a partial amount of my homework because I ran out of time.
時間切れになってしまったので、宿題のごく一部しか終わりませんでした。
※ 宿題を頑張っていたのに、気づいたら時間がなくなり、全部は終わらせられなかった、という少し残念な気持ちが伝わってきます。「partial amount」で「全体の量の一部」というニュアンスがよくわかります。作業やタスクの完了度合いが「部分的」である、という状況でよく使われる表現です。「partial amount of ~」の形で「~のごく一部の量」という意味になります。動詞「finish」と合わせて、「部分的に終わらせる」という状況を表します。
偏った
公平でなく、特定の人や考えに有利な態度や意見を持つこと。bias(偏見)に近い意味合いで、ネガティブな意味合いで使われることが多い。例:partial to chocolate(チョコレートに目がない)
The teacher's grading felt very partial because she always praised only one student.
その先生の採点はとても偏っていると感じました、なぜなら彼女はいつも一人の生徒だけを褒めていたからです。
※ 学校で先生が特定の生徒ばかりをひいきしているように感じた時、生徒が「公平じゃないな」と思う気持ちを表しています。「partial」は、このように「公平でない」「えこひいきしている」というニュアンスでよく使われます。
Many people felt the news report was partial, showing only one side of the story.
多くの人がそのニュース報道は偏っていると感じました、なぜなら物語の一面しか見せていなかったからです。
※ テレビやインターネットのニュースが、公平な情報を提供せず、特定の意見や情報ばかり取り上げていると感じる時に使われる表現です。「partial」は、情報が「不完全で、特定の立場に偏っている」ことを指す場合にも使われます。
The judge's decision seemed partial, as he clearly favored his friend's artwork.
その審査員の決定は偏っているように見えました、なぜなら彼は明らかに友人の作品をひいきしていたからです。
※ コンテストなどで、審査員が個人的な関係や好みによって公平な判断ができない状況を描写しています。「seem partial」で「偏っているように見える」というニュアンスを自然に表現できます。誰かの判断が「公平でない」と疑う時にぴったりのフレーズです。
コロケーション
〜が好きである、〜にひいき目を持っている
※ 「partial」が形容詞として使われ、「to」を伴って特定の物や人を好む気持ちを表します。単に「like」よりも少しフォーマルで、嗜好や好み、またはひいきの気持ちを伝えるニュアンスがあります。例えば、「I'm partial to Italian food.(イタリア料理が好きです)」のように使います。また、ある人を「partial to」と言う場合、他の人よりもその人を好んでいる、つまり「ひいきにしている」という意味合いになります。ビジネスシーンでも使えますが、個人的な好みを述べる際によく用いられます。
部分食
※ 天文学の用語で、太陽や月の一部が隠れる現象を指します。「partial」が「部分的な」という意味で使用され、「eclipse(食)」と組み合わさることで、天体現象を具体的に表現します。科学的な文脈やニュース記事などで頻繁に見られる表現です。比喩的な意味合いはほとんどなく、文字通りの意味で使用されます。
部分的な解決策、不完全な解決策
※ 問題や課題に対する解決策が、完全ではなく一部しか解決できない状態を指します。「partial」が「不完全な」という意味で使用され、「solution(解決策)」を修飾することで、解決策の限定的な性質を強調します。ビジネス、科学、数学など、様々な分野で使用されます。例えば、「This is only a partial solution to the problem.(これは問題に対する部分的な解決策に過ぎません)」のように使われます。
部分的な勝利、限定的な成功
※ 完全な勝利ではなく、一部目標を達成した状態や、勝利の規模が限定的な場合に使われます。「partial」が「限定的な」という意味で使用され、「victory(勝利)」を修飾します。政治、スポーツ、ビジネスなど、競争や目標達成に関連する文脈でよく用いられます。例えば、「The peace agreement represents a partial victory for both sides.(和平合意は双方にとって部分的な勝利を意味する)」のように使われます。
一部分だけが見えること、視野が限られていること
※ 文字通り一部分だけが見える状態を指すこともありますが、比喩的に、ある問題や状況について一部分しか理解していない、または偏った見方しかできていないことを意味することもあります。「partial」が「一部分の」という意味で使用され、「view(見方、視点)」を修飾します。例えば、「We only have a partial view of the situation.(私たちは状況の一部分しか把握していない)」のように使われます。
一部履行、不完全な履行
※ 契約や義務などが完全に履行されず、一部だけが実行された状態を指します。「partial」が「一部の」という意味で使用され、「fulfillment(履行)」を修飾します。法律や契約に関連する文脈でよく用いられます。例えば、「The contract was subject to partial fulfillment.(契約は一部履行の対象となった)」のように使われます。
度が過ぎるほど〜が好きである、ひいきが過ぎる
※ 「partial to」の表現を強調したもので、好みが度を越している、またはひいきの気持ちが強すぎることを表します。「to a fault」は「欠点となるほど」という意味合いで、好意的な感情が過剰であることを示唆します。例えば、「She's partial to her grandchildren to a fault.(彼女は孫たちを度が過ぎるほど可愛がっている)」のように使われます。少しユーモラスなニュアンスを含むこともあります。
使用シーン
学術論文や研究発表で、実験結果やデータの一部を示す際に使われます。例えば、心理学の研究で「被験者の反応に部分的な相関が見られた (partial correlation was observed)」と報告したり、統計学の授業で「偏相関係数 (partial correlation coefficient)」を説明したりする際に用いられます。文語的な表現です。
ビジネス文書や会議で、プロジェクトの進捗状況や市場調査の結果などを部分的に説明する際に使われることがあります。例えば、「部分的な成功 (partial success) に留まった」や「一部の顧客からのフィードバック (partial feedback)」といった表現が報告書などで見られます。フォーマルな場面で用いられることが多いです。
日常会話ではあまり使われませんが、ニュースやドキュメンタリーなどで、例えば「部分的な解決策 (partial solution)」や「一部の地域 (partial area)」といった形で耳にすることがあります。また、法律関係のニュースで「一部執行猶予 (partial suspension of execution)」といった表現が出てくることもあります。
関連語
類義語
『偏った』『先入観のある』という意味で、意見や判断が公平でない状態を指す。裁判、報道、評価など、客観性が求められる場面で使われることが多い。 【ニュアンスの違い】『partial』は必ずしもネガティブな意味合いを持たないが、『biased』は通常、公平性に欠けるという否定的な意味合いが強い。また、『biased』はより強い偏りを表すことが多い。 【混同しやすい点】『partial』は対象の一部に好意的な感情を持つことを示すのに対し、『biased』は特定の意見や立場を強く支持し、他の意見を排除する傾向を示す。日本語の『偏向報道』は、英語では『biased reporting』となる。
『不完全な』『未完成の』という意味で、全体が揃っていない、または必要な要素が欠けている状態を表す。書類、データ、プロジェクトなど、完成度が重要視される場面で使われる。 【ニュアンスの違い】『partial』は全体の一部であることを強調するのに対し、『incomplete』は欠けている部分があることを強調する。『partial』は必ずしも悪い意味ではないが、『incomplete』は通常、改善の余地があることを示唆する。 【混同しやすい点】『partial』は物理的な一部だけでなく、感情や意見の一部を表すことができるが、『incomplete』は主に物理的、または構造的な不完全さを表す。例えば、『partial success』は『部分的な成功』だが、『incomplete success』とは言わない。
『限られた』『制限された』という意味で、量、範囲、能力などが制限されている状態を指す。資源、時間、アクセスなど、制約がある状況で使われる。 【ニュアンスの違い】『partial』は全体の一部であることを示すのに対し、『limited』は全体の一部しか利用できない、または許可されていないことを示す。『limited access』は『アクセス制限』を意味し、『partial access』とはニュアンスが異なる。 【混同しやすい点】『partial』は感情や意見の一部を表すことができるが、『limited』は主に物理的な制限や能力の制限を表す。また、『limited』はしばしば公式な制限や規則に関連付けられる。
- fragmentary
『断片的な』『不完全な』という意味で、全体の一部しか残っていない、または情報が途切れている状態を表す。記録、記憶、証拠など、全体像を把握するのが難しい場合に用いられる。 【ニュアンスの違い】『partial』は全体の一部を指すのに対し、『fragmentary』は全体がバラバラになっているイメージが強い。学術的な文脈や、歴史的な記録などについて言及する際によく用いられる。 【混同しやすい点】『partial』は一部が存在することを前提とするが、『fragmentary』は残っているものが少ないことを強調する。例えば、『fragmentary evidence』は『断片的な証拠』を意味し、証拠の全体像を把握することが難しいことを示す。
『いくらか』『やや』という意味で、程度や状態が完全ではないことを示す。フォーマルな場面よりも、日常会話でよく使われる。 【ニュアンスの違い】『partial』は名詞や形容詞を修飾して部分的な状態を示すのに対し、『somewhat』は副詞として文全体や形容詞、副詞の程度を弱める。『I am somewhat tired.』は『私はいくらか疲れている』という意味になる。 【混同しやすい点】『partial』は対象の一部を指すのに対し、『somewhat』は程度を表す。したがって、『partial agreement』は『部分的な合意』だが、『somewhat agreement』とは言わない。また、フォーマルな場面では『to some extent』が好まれる。
- localized
『局所的な』『限局性の』という意味で、特定の場所や範囲に限定されている状態を指す。病気、災害、影響など、広範囲に及ばない場合に用いられる。医療、地理学、経済学などの分野でよく使われる。 【ニュアンスの違い】『partial』は全体の一部であることを示すのに対し、『localized』は特定の場所に限定されていることを強調する。『localized pain』は『局所的な痛み』を意味し、痛みが体の特定の部分に限定されていることを示す。 【混同しやすい点】『partial』は感情や意見の一部を表すことができるが、『localized』は主に物理的な場所や範囲の限定を表す。また、『localized』はしばしば専門的な文脈で使用される。
派生語
『公平な』という意味の形容詞。『partial(偏った)』に否定の接頭辞『im-』が付いた形。人の判断や評価が偏っていないことを表し、ビジネスや法律関連の文書でよく用いられる。単に否定するだけでなく、『partial』が持つ意味合いを打ち消し、客観性を強調するニュアンスがある。
『部分的に』という意味の副詞。『partial』に副詞化の接尾辞『-ly』が付いた形。全体ではなく一部に限定されることを示し、日常会話から学術論文まで幅広く使われる。例えば、『partially completed(部分的に完了した)』のように、状態や程度を限定する際に便利。
『参加者』という意味の名詞。『part(部分)』と『take(取る)』を組み合わせた語源を持ち、『一部を担う人』というニュアンス。会議、イベント、研究など、何らかの活動に部分的に関わる人を指す。日常会話でもビジネスシーンでも頻繁に使われる。
反意語
『全体』という意味の名詞または形容詞。『partial(部分的な)』と対照的に、分割されていない完全な状態を表す。例えば、『a partial view(部分的な見方)』に対して『the whole picture(全体像)』のように用いられる。日常会話からビジネス、学術分野まで幅広く使用される。
『完全な』『完了した』という意味の形容詞。『partial(不完全な)』と対比され、不足がない状態を示す。例えば、『a partial success(部分的な成功)』に対して『complete success(完全な成功)』のように使われる。ビジネス文書や技術文書で特に重要。
『全体の』『完全な』という意味の形容詞。『partial』が一部に限定されるのに対し、『entire』は例外なく全体を指す。例えば、『partial information(部分的な情報)』に対して『entire agreement(全面的な合意)』のように用いられる。フォーマルな文脈や強調したい場合に適している。
語源
"partial」は、ラテン語の「pars」(部分)に由来します。これは、「分ける」「分割する」という意味の動詞「partire」と関連があります。つまり、もともと「部分的な」「一部分から成る」という意味合いを持っていました。接尾辞「-ial」は形容詞を作る接尾辞で、「〜に関する」「〜の性質を持つ」といった意味を加えます。したがって、「partial」は文字通りには「部分に関する」という意味合いから、「全体の一部」「完全ではない」という意味に発展しました。日本語で例えるなら、「一部」という言葉が「一部分」や「部分的」という意味を持つように、「partial」も全体から切り離された一部分、という意味合いを強く持っていると考えると理解しやすいでしょう。
暗記法
「partial」は、西洋文化における完全性への憧憬の裏返しとして、不完全さや偏りを意識させる言葉。騎士道物語では、騎士の「partial」な愛が悲劇を招き、現代では政治や司法の偏向を批判する際に用いられる。親の愛情の偏りは家族を傷つけ、恋愛における「partial」な関心は関係を壊す。理想と現実のギャップ、感情の複雑さを示す、重みのある言葉なのだ。
混同しやすい単語
partial と parcel は、最初の母音と子音の組み合わせ (par-) が共通しているため、発音とスペルが混同されやすいです。parcel は『小包』という意味の名詞で、partial とは意味が全く異なります。特に、発音記号を意識して、/ˈpɑːrsl/ と /ˈpɑːrʃl/ の違いを認識することが重要です。アクセント位置も異なります。
partial と potential は、どちらも形容詞であり、語尾が '-tial' で終わるため、スペルと発音が似ていると感じやすいです。potential は『潜在的な』という意味で、partial とは意味が異なります。また、potential は名詞としても使われます。カタカナ英語の『ポテンシャル』としても使われるため、意味の混同に注意が必要です。
partial と partition は、どちらも名詞/動詞として使われ、スペルの一部が共通しているため、混同しやすいです。partition は『分割』『仕切り』という意味で、partial とは意味が異なります。IT用語としてもよく使われます(パーティション分割など)。発音も、/pɑːrˈtɪʃən/ と /pɑːrʃl/ で、リズムが異なることに注意してください。
partially は partial の副詞形であり、意味は関連していますが、文法的な役割が異なります。partially は『部分的に』という意味で、動詞や形容詞を修飾します。partial は形容詞であり、名詞を修飾します。文中でどちらを使うべきか判断するには、修飾する対象を明確にする必要があります。
impartial は partial の反対語であり、『公平な』という意味を持ちます。接頭辞 'im-' が付くことで意味が反転することを知っていれば、混同を避けることができます。ただし、partial を『偏った』という意味で誤解している場合、impartial の意味も誤って解釈してしまう可能性があります。'partial to' という表現(~を好む)もあるため、文脈に注意が必要です。
partialとpatchは、文字数も少なく、最初の音が同じであるため、スペルミスや発音の誤りにつながることがあります。patchは「継ぎ、当て布」や「(ソフトウェアの)修正プログラム」といった意味の名詞であり、partialとは全く異なる意味を持ちます。発音記号は/pætʃ/であり、/ɑːr/の音がない点に注意が必要です。
誤用例
「partial」は「部分的な」という意味ですが、理解度を表す場合は「limited」や「incomplete」がより適切です。日本人が「部分的」を直訳しがちな例ですが、「partial」はどちらかというと「公平でない」「偏った」というニュアンスを含むため、知識や理解の度合いを表すには不自然です。例えば、裁判官が「partial to one side」であれば「一方に偏っている」という意味合いになります。知識の不足を表す場合は、単に「limited」を使う方が無難です。
「partial」は「好意的」という意味も持ちますが、この文脈では「biased」を使う方が適切です。「partial」は、何かを評価する際に、個人的な感情や関係によって判断が歪められている状態を示すニュアンスが弱く、単に「好き」という程度の意味に解釈される可能性があります。「biased」はより強く、偏見や先入観によって客観的な判断ができない状態を表します。日本人が「好意的」を安易に「partial」と訳してしまう例ですが、英語では感情の度合いや文脈に応じて適切な単語を選ぶ必要があります。
「partial」は「部分的な」という意味ですが、退職制度に関して使う場合、「phased」の方がより一般的で自然です。「partial retirement」という言葉自体は文法的に誤りではありませんが、ネイティブスピーカーは「phased retirement」を好んで使います。これは、退職が段階的に行われるというプロセスを強調するためです。日本人が「部分的な」という言葉を直訳しがちな例ですが、英語では特定の分野で定着している表現を優先的に使うことが重要です。特にビジネスの場面では、専門用語や業界で一般的な表現を使うことで、よりスムーズなコミュニケーションが可能になります。
文化的背景
「partial」は、全体性や完全性への希求が強い西洋文化において、「不完全さ」や「偏り」を意識させる言葉として、複雑なニュアンスを帯びてきました。特に、公平性や客観性が求められる場面で「partial」が用いられるとき、それは単なる「一部分」という意味を超え、倫理的な問題や社会的な不均衡を暗示することがあります。
中世の騎士道物語において、騎士は「完全なる美徳」を体現する存在として描かれましたが、時に彼らは特定の女性に「partial」な愛情を抱き、それが物語の悲劇的な展開を引き起こす要因となりました。ランスロットがグィネヴィア王妃に抱いた「partial」な愛は、円卓の騎士たちの結束を崩壊させ、アーサー王国の滅亡を招いた一因とされています。このように、「partial」は、理想的な存在であっても免れない人間の弱さや、感情の偏りがもたらす破滅的な結果を象徴する言葉として、文学作品に登場してきました。
現代社会においては、「partial」は、政治的な偏向報道や司法制度における不公平な判決など、権力構造における不正を批判する際に用いられます。例えば、あるメディアが特定の政党に「partial」な報道を行う場合、それは客観的な事実報道を歪め、世論を操作する意図があると見なされます。また、裁判官が個人的な感情や先入観に基づいて「partial」な判決を下すことは、法の公平性を損ない、社会的な不信感を招く行為として強く非難されます。このように、「partial」は、公正さが求められる社会システムにおいて、その欠陥を露呈させる言葉として、重要な意味を持っています。
さらに、「partial」は、人間関係における複雑な感情を表す際にも用いられます。例えば、親が兄弟姉妹の一人だけに「partial」な愛情を注ぐことは、他の子供たちの心に深い傷を残し、家族関係の不和を招くことがあります。また、恋愛関係において、相手の一部しか愛せない、あるいは相手に対して「partial」な関心しか持てない場合、それは関係の破綻につながる可能性があります。「partial」は、人間の感情の複雑さ、そして完全な愛情や理解を得ることの難しさを痛感させる言葉として、私たちの心に深く響きます。
試験傾向
- 出題形式: 主に長文読解、語彙問題(空所補充)
- 頻度と級・パート: 準1級、1級で比較的頻出。2級でもまれに出題
- 文脈・例題の特徴: アカデミックな内容、ニュース記事、エッセイなど。部分的な合意、部分的な証拠、部分的な成功といった文脈で登場。
- 学習者への注意点・アドバイス: 形容詞としての用法(partial agreement, partial evidence)を覚え、名詞(partiality: 偏愛、不公平)との区別を意識する。類義語の'incomplete'や'limited'とのニュアンスの違いも理解しておくと有利。
- 出題形式: Part 5 (短文穴埋め問題)、Part 7 (長文読解)
- 頻度と級・パート: Part 7で比較的頻出。Part 5ではやや頻度低め
- 文脈・例題の特徴: ビジネス文書(契約書、報告書、メールなど)。部分的な返金、部分的な変更、部分的な責任といった文脈で登場。
- 学習者への注意点・アドバイス: ビジネスシーンにおける「部分的」の意味を理解する。関連語句(partially, impartiality)も合わせて学習する。類義語の'limited'との使い分けを意識する。
- 出題形式: リーディングセクション
- 頻度と級・パート: リーディングセクションで頻出
- 文脈・例題の特徴: アカデミックな内容(科学、歴史、社会科学など)。部分的な影響、部分的な支持、部分的な解決策といった文脈で登場。
- 学習者への注意点・アドバイス: アカデミックな文脈での使用頻度が高いことを意識する。文脈から意味を推測する練習を重ねる。類義語の'incomplete'や'fragmentary'とのニュアンスの違いを理解する。
- 出題形式: 長文読解
- 頻度と級・パート: 難関大学で頻出。中堅大学でも出題される可能性あり
- 文脈・例題の特徴: 評論文、物語文など多様な文脈で登場。部分的な成功、部分的な真実、部分的な記憶といった文脈で登場。
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する能力が重要。類義語(incomplete, limited, fragmentary)との区別を意識する。派生語(partially, partiality)も合わせて学習する。