complete
第2音節にアクセントがあります。/ə/ は曖昧母音で、日本語の『ア』と『ウ』の中間のような音です。口を軽く開けて発音しましょう。/t/ は語尾では息を止めるだけ(内破)になることが多いです。日本語の「ト」のように強く発音しないように注意しましょう。また、/pliː/ の 'pli' は一音節で発音します。/p/ の後に間を置かず、すばやく /l/ に移行しましょう。日本語の「リ」と発音する際、舌が口の天井に触れる位置が少し異なります。英語の /l/ は、舌先を上の歯の付け根あたりにつけるように意識すると、よりネイティブに近い発音になります。
完璧な
不足がなく、理想的な状態。改善の余地がないほど優れていることを意味する。例:a complete set(完璧なセット)
She looked at her finished painting, feeling it was truly complete.
彼女は完成した絵を見て、本当に完璧だと感じていた。
※ 【情景】画家が自分の作品を見つめ、細部まで完璧な仕上がりに満足している様子です。 【なぜ典型的か】この文では「complete」が「欠けている部分がなく、申し分ない状態」という形容詞の最も中心的な意味で使われています。自分の作品や成果物に対して「完璧だ」と評価する際によく使われる表現です。 【文法/ヒント】「feeling it was complete」のように、感情を表す動詞の後に「〜だと感じる」と続く形で、その対象が「完璧な状態」であることを示します。
He put the last piece in, and the puzzle was finally complete.
彼が最後のピースをはめ込むと、パズルはついに完璧になった。
※ 【情景】子供がパズルを完成させ、最後のピースがはまった瞬間に、全体が完璧な状態になったことを実感し、喜びを感じている場面です。 【なぜ典型的か】「complete」が「全ての要素が揃い、全体として欠陥がない状態」を表すのに最適です。何かの「完成形」や「完璧なセット」を表現する際によく使われます。 【文法/ヒント】「be complete」の形で「完璧な状態である」ことを表します。パズルやコレクションなど、全てが揃って完璧になる状況でよく使われます。
After weeks of rest, he made a complete recovery from his illness.
数週間の休養の後、彼は病気から完全に回復した。
※ 【情景】長い休養を経て、主人公が病気から完全に回復し、健康を取り戻した安堵と喜びを感じている場面です。 【なぜ典型的か】「complete recovery」(完全な回復)は「complete」の形容詞用法として非常に一般的な組み合わせ(コロケーション)です。何かが「完全に、完全に」行われたり、状態が「完璧に」戻ったりしたことを表す際に使われます。 【文法/ヒント】「a complete recovery」のように、名詞「recovery」(回復)を修飾して「完全な回復」を意味します。「complete」は、このように抽象的な名詞(例: a complete surprise, a complete disaster)を修飾して「完全な」「全くの」という意味を強調することもあります。
やり遂げる
計画やタスクを最後まで実行し、終了させること。目標達成のニュアンスを含む。例:complete a project(プロジェクトをやり遂げる)
I felt so happy when I finally completed my long math homework.
長い算数の宿題をようやくやり遂げたとき、私はとても嬉しかった。
※ この例文は、個人的な努力が実を結び、何かを「最後までやり終えた」ときの達成感を伝えています。学生が長い宿題をコツコツと終わらせる、そんな情景が目に浮かびますね。「finally(ついに)」という言葉が、その努力と安堵感を強調しています。
She worked hard to complete all her tasks before leaving the office.
彼女はオフィスを出る前に、すべての仕事をやり遂げようと一生懸命働いた。
※ この例文は、仕事やプロジェクトなど、責任を持って「終わらせるべきこと」をきっちりやり遂げる様子を描写しています。オフィスで、自分の担当業務を一つ一つ片付けていく、プロフェッショナルな姿がイメージできますね。「tasks」は「仕事や課題」を意味し、ビジネスシーンでよく使われる組み合わせです。
Please complete the online registration form by this Friday.
今週の金曜日までに、オンラインの登録フォームを記入して完了してください。
※ この例文は、書類や手続きを「漏れなく記入して、完了させる」という場面で使われます。ウェブサイトで何かの登録を促されたり、指示されたりするような、具体的な状況が目に浮かびます。「form(フォーム、用紙)」と一緒に使われることが非常に多い典型的な例です。「by this Friday」で期限が示されていますね。
埋め尽くす
空いている場所や不足している部分をすべて満たすこと。情報、データ、コレクションなど、さまざまな対象に使用できる。例:complete a form(フォームを埋め尽くす)
Please complete all the blanks on this form carefully.
この書類のすべての空欄を、注意深く埋めてください。
※ 役所や病院などで、提出する書類の記入を求められる場面です。たくさんの空欄を、必要な情報で一つ一つ「埋め尽くす」イメージが伝わりますね。焦らず、丁寧に記入する様子が目に浮かびます。
I felt so happy when I finally completed my long to-do list.
ついに長い「やることリスト」をすべて終えた時、とても嬉しかった。
※ 仕事や勉強で、今日やるべきことがたくさんある日を想像してみてください。一つ一つのタスクを終えるたびに、リストの項目が「埋め尽くされていく」感覚です。すべてをやりきった時の達成感と喜びが伝わる典型的な使い方です。
She was thrilled to complete her entire set of rare coins.
彼女は珍しいコインのセットをすべて集め終えて、とても興奮しました。
※ 何年もかけて集めてきたコレクションの、最後のピースが手に入った瞬間の喜びを表しています。欠けていた部分が完全に「埋め尽くされ」、コレクション全体が完成した様子が鮮やかにイメージできますね。
コロケーション
完全な沈黙、物音一つしない静寂
※ 名詞 silence を修飾する形容詞 complete は、「完全に」「徹底的に」という意味合いを強調します。単なる quiet よりも、張り詰めた空気感や、何かを隠しているような不気味さを含む場合があります。例えば、事件後の現場や、重大な発表を待つ聴衆の様子などを描写する際に適しています。ニュース記事や小説など、フォーマルな文脈でよく用いられます。
完全な見直し、徹底的な改革
※ overhaul は「分解点検」「徹底的な修理」を意味する名詞で、complete がつくことで、部分的な修正ではなく、根本から全てを変えるような大規模な改革を指します。ビジネスシーンで、組織構造、業務プロセス、システムなどを刷新する際に頻繁に使われます。例えば「a complete overhaul of the company's marketing strategy」(会社のマーケティング戦略の完全な見直し)のように使われます。
〜完備の、〜付きの
※ 「complete with + 名詞」の形で、「〜が全て揃っている」「〜が付属している」という意味を表します。例えば、「The apartment is complete with a fully equipped kitchen.」(そのアパートは設備の整ったキッチン完備です。)のように使われます。商品の説明や施設の紹介など、何かが全て揃っていることを強調したい場合に適しています。フォーマルな場面でもカジュアルな場面でも使用可能です。
完全な方向転換、劇的な変化
※ turnaround は「好転」「方向転換」を意味する名詞で、complete がつくことで、状況や方針が180度変わるような劇的な変化を指します。ビジネスシーンで、業績不振からの回復や、戦略の大幅な変更などを表現する際に使われます。例えば、「The company achieved a complete turnaround in its financial performance.」(その会社は財務状況において完全な好転を達成した。)のように使われます。
完全な支配、絶対的な管理
※ 名詞 control を修飾する形容詞 complete は、「一切の制限がない」「完全に掌握している」という意味合いを強調します。政治的な状況、ビジネス上の権力関係、あるいは個人的な感情の抑制など、様々な文脈で使用されます。「He has complete control over the project.」(彼はそのプロジェクトを完全に掌握している。)のように使われます。
全く知らない人、見ず知らずの人
※ stranger は「見知らぬ人」を意味する名詞で、complete がつくことで、顔も名前も全く知らない、完全に縁のない人を指します。日常会話や小説などで、他人との関係性の希薄さを強調する際に使われます。「I was helped by a complete stranger.」(私は全く知らない人に助けられた。)のように使われます。
全くの初心者、未経験者
※ novice は「初心者」「未熟者」を意味する名詞で、complete がつくことで、その分野に関して全く知識や経験がないことを強調します。新しいスキルを学ぶ際や、未経験の分野に挑戦する際に、自分のレベルを謙遜して表現する際に使われます。「I'm a complete novice when it comes to coding.」(私はプログラミングに関しては全くの初心者です。)のように使われます。
使用シーン
学術論文やレポートで頻繁に使用されます。特に、データセットの完全性を示す際や、研究プロジェクトの完了を報告する際に「データをcompleteした」「調査をcompleteした」のように使われます。また、アンケートの回答が全て揃った状態を指して「complete data」と表現することもあります。文語的な表現が中心です。
ビジネス文書やプレゼンテーションにおいて、プロジェクトの進捗状況やタスクの完了を報告する際に用いられます。「プロジェクトをcompleteする」「契約をcompleteさせる」のように、目標達成を示す表現として使われます。フォーマルな文脈で使用され、口語的な表現は避けられます。例として、プロジェクトマネージャーがチームメンバーに「今週中にこのタスクをcompleteしてください」と指示する場面が考えられます。
日常会話では、タスクや目標の完了を伝える際に使われます。「宿題をcompleteした」「ゲームをcompleteした」のように、個人的な達成を表現する際に用いられます。また、フォームやアンケートに記入する際に「complete the form」という指示を見かけることもあります。ニュース記事やドキュメンタリーなどでも、何かの過程や手続きの完了を表す際に用いられます。
関連語
類義語
何かを終える、完了するという一般的な意味。日常会話やビジネスシーンなど、幅広い場面で使用されます。 【ニュアンスの違い】"complete"と比べて、より一般的な語彙で、フォーマルな場面では"complete"が好まれることがあります。"finish"は単純に終了を意味しますが、"complete"は完全に、完璧に終えるというニュアンスを含みます。 【混同しやすい点】"finish"は自動詞としても他動詞としても使えますが、"complete"は基本的に他動詞として使われます。また、"finish"は具体的な作業の終了を指すことが多いのに対し、"complete"はプロジェクトやタスク全体の完了を指すことがあります。
目標や計画を達成するという意味。努力やスキルを伴って何かを成し遂げるニュアンスがあります。ビジネス、学術、自己啓発などの分野で使われます。 【ニュアンスの違い】"complete"が単に完了を意味するのに対し、"accomplish"は困難を乗り越えて何かを成し遂げたという達成感や満足感を伴います。より積極的で意図的な行為を指します。 【混同しやすい点】"accomplish"は他動詞であり、具体的な成果や目標を目的語にとります。例えば、"accomplish a goal"(目標を達成する)のように使われます。"complete"はタスクやプロジェクトなどを対象としますが、"accomplish"はより大きな目標や成果を対象とすることが多いです。
約束、義務、期待などを果たす、満たすという意味。契約、法律、ニーズ、夢など、抽象的なものを満たす場合に使われます。フォーマルな場面でよく用いられます。 【ニュアンスの違い】"complete"が単に完了を意味するのに対し、"fulfill"は何かを満たす、実現するという意味合いが強いです。契約や義務など、元々存在するものに対して使われることが多いです。 【混同しやすい点】"fulfill"は他動詞であり、約束や義務など、具体的な内容を目的語にとります。例えば、"fulfill a promise"(約束を果たす)のように使われます。"complete"はタスクやプロジェクトの完了に使われますが、"fulfill"は義務や期待の実現に使われます。
計画、命令、法律などを実行する、遂行するという意味。ビジネス、法律、軍事などの分野で使われます。フォーマルな響きがあります。 【ニュアンスの違い】"complete"が単に完了を意味するのに対し、"execute"は計画や命令を実行するという意味合いが強いです。より公式で、組織的な行動を指します。 【混同しやすい点】"execute"は他動詞であり、計画や命令など、具体的な内容を目的語にとります。例えば、"execute a plan"(計画を実行する)のように使われます。"complete"はタスクやプロジェクトの完了に使われますが、"execute"は計画の実行に使われます。
完璧にする、完成させるという意味。技術、芸術、スキルなどを向上させる場合に使われます。しばしば努力や時間をかけて改善するニュアンスを含みます。 【ニュアンスの違い】"complete"が単に完了を意味するのに対し、"perfect"は完璧な状態に近づけるという意味合いが強いです。単に終わらせるだけでなく、質を高めるというニュアンスを含みます。 【混同しやすい点】"perfect"は他動詞であり、技術やスキルなど、具体的な対象を目的語にとります。例えば、"perfect a skill"(スキルを磨く)のように使われます。"complete"はタスクやプロジェクトの完了に使われますが、"perfect"はスキルの向上に使われます。また、"perfect"は形容詞としても使われ、「完璧な」という意味になります。
最終的な形にする、決定するという意味。計画、契約、決定などを最終的な段階に持っていく場合に使われます。ビジネスや法律の分野でよく用いられます。 【ニュアンスの違い】"complete"が単に完了を意味するのに対し、"finalize"は最終決定や確定を意味合いが強いです。変更の余地がない状態にすることを指します。 【混同しやすい点】"finalize"は他動詞であり、計画や契約など、具体的な内容を目的語にとります。例えば、"finalize a contract"(契約を締結する)のように使われます。"complete"はタスクやプロジェクトの完了に使われますが、"finalize"は最終決定に使われます。また、"finalize"は名詞としても使われ、「最終決定」という意味になります。
派生語
『完了』『完成』を意味する名詞。『complete』に名詞化の接尾辞『-ion』が付いた形。プロジェクトやタスクの完了、書類の完成など、具体的な行為の終了から、抽象的な達成感まで幅広く使われます。ビジネスシーンや日常会話で頻繁に登場し、進捗報告などで特に重要です。
『完全に』『全く』を意味する副詞。『complete』に副詞化の接尾辞『-ly』が付いた形。形容詞『complete』の状態を強調し、程度や範囲が完全に及んでいることを表します。日常会話では『completely agree(完全に同意する)』のように感情や意見を強調し、ビジネスシーンでは『completely satisfied(完全に満足している)』のように顧客満足度を示す際に用いられます。
- completeness
『完全性』『完璧さ』を意味する名詞。『complete』に名詞化の接尾辞『-ness』が付いた形。抽象的な概念を表し、全体が欠けることなく満たされている状態を指します。品質管理、データ分析、哲学的な議論など、学術的な文脈や専門分野でよく使われます。単なる完了ではなく、理想的な状態を表すニュアンスがあります。
反意語
接頭辞『in-(否定)』が『complete』に付いた形容詞で、『不完全な』を意味します。プロジェクトの未完了、書類の不備、情報不足など、何かが欠けている状態を表します。日常会話からビジネス文書、学術論文まで幅広く使われ、『complete』と対照的な意味で使用頻度も高いです。未完成であることによる問題点や改善の必要性を示唆するニュアンスがあります。
『部分的な』『不完全な』を意味する形容詞。『complete』が全体を表すのに対し、『partial』はその一部のみであることを示します。情報、理解、成功など、全体の一部しか得られていない状況を表す際に用いられます。学術論文やビジネスシーンで、限定的な範囲や条件を示す際に使用され、『complete』とは対照的に、限定性や未完のニュアンスを強調します。
- lacking
『欠けている』という意味の形容詞で、『complete』が全体として満たされている状態を表すのに対し、『lacking』は何かが不足している状態を示します。スキル、資源、情報など、必要な要素が不足していることを表す際に用いられます。特にビジネスシーンや技術的な文脈で、不足している要素を特定し、改善策を講じる必要性を示す際に使われます。『complete』が示す完成された状態との対比が明確です。
語源
「complete」は、ラテン語の「complere」(満たす、完了する)に由来します。これは「com-」(完全に)と「plere」(満たす)という二つの要素から構成されています。「com-」は接頭辞で、「共に」「完全に」といった意味合いを持ち、日本語の「全部」や「完璧」というニュアンスに近いです。「plere」は「満たす」という意味で、例えば「plenty」(たくさんの)や「full」(いっぱいの)といった単語とも関連があります。つまり、「complete」は語源的に「完全に満たされた状態」を表し、そこから「完璧な」「やり遂げる」といった意味に発展しました。何かを「complete」(完了)させることは、文字通りそれを「完全に満たす」ことだと考えると、記憶に残りやすいでしょう。
暗記法
「complete」は単なる完了ではなく、理想、完璧さ、全体性を象徴します。中世騎士道物語では、武勇、忠誠心、礼儀正しさ、信仰心を兼ね備えた「complete knight(完璧な騎士)」は社会の模範でした。バッハの「平均律クラヴィーア曲集」のような「complete works(全集)」は、作曲家の思想と技術の粋を集めた芸術的完成の象徴です。現代では、プロジェクトの完了から関係の終結まで、達成感や喪失感といった感情を伴い、人間の感情や価値観と深く結びついています。
混同しやすい単語
『complete』と『compete』は、発音が非常に似ており、特に語尾の母音の曖昧さから聞き分けが難しいことがあります。スペルも 'l' と 't' の位置が異なるだけで視覚的に紛らわしいです。『complete』は『完了する』『完全な』という意味ですが、『compete』は『競争する』という意味です。日本人学習者は、文脈からどちらの単語が適切かを判断する必要があります。語源的には、どちらもラテン語の『petere』(求める、目指す)に由来しますが、『complete』は『完全に求める』、『compete』は『共に求める』というニュアンスの違いがあります。
『complete』と『complex』は、語頭の 'com-' の部分が共通しているため、スペルを誤って覚えてしまうことがあります。また、アクセントの位置が異なるため、発音も注意が必要です。『complete』は第二音節にアクセントがありますが、『complex』は第一音節にアクセントがあります。『complete』は『完了した』『完全な』という意味ですが、『complex』は『複雑な』という意味です。日本人学習者は、アクセントの位置を意識して発音練習をすることが重要です。語源的には、『complex』はラテン語の『plectere』(編む、織る)に由来し、『共に編まれた』というニュアンスがあります。
『complete』と『comply』は、語頭の 'com-' の部分が共通しているため、やはりスペルミスが起こりやすいです。また、『complete』が動詞・形容詞として使われるのに対し、『comply』は動詞として使われます。『complete』は『完了する』『完全な』という意味ですが、『comply』は『従う』という意味です。文法的な用法が異なるため、注意が必要です。語源的には、『comply』はラテン語の『plicare』(折り畳む)に由来し、『共に折り畳む』、つまり『相手の意向に合わせる』というニュアンスがあります。
『deplete』は、語尾が『complete』と同じ '-plete' であるため、スペルを混同しやすいです。また、意味も『減少させる』と『完了させる』で、対義語に近い関係にあるため、誤用につながる可能性があります。『complete』は『完了する』『完全な』という意味ですが、『deplete』は『使い果たす』『減少させる』という意味です。日本人学習者は、それぞれの単語が持つニュアンスの違いを理解することが重要です。『deplete』の語源はラテン語の『plere』(満たす)に『de-』(減少)が付いたもので、『満たされた状態から減少させる』という意味合いを持ちます。
『discreet』は、スペルの一部(特に 'e' と 't' の位置)が『complete』と似ており、視覚的に混同されることがあります。発音も母音の響きが似ているため、注意が必要です。『complete』は『完了した』『完全な』という意味ですが、『discreet』は『慎重な』『思慮深い』という意味です。意味が全く異なるため、文脈から正しく判断する必要があります。『discreet』の語源はラテン語の『discernere』(見分ける、区別する)に由来し、『注意深く見分ける』というニュアンスがあります。
『complete』と『concrete』は、スペルの一部(特に 'con-' と 'ete')が共通しているため、視覚的に混同されることがあります。また、『complete』も『concrete』も日本語ではカタカナ語として使われることがあるため、意味の混同も起こりやすいです。『complete』は『完了した』『完全な』という意味ですが、『concrete』は『具体的な』『コンクリート』という意味です。日本人学習者は、品詞の違い(『complete』は動詞・形容詞、『concrete』は形容詞・名詞)にも注意する必要があります。『concrete』の語源はラテン語の『concrescere』(共に成長する、固まる)に由来し、『物質が固まって形を成す』というニュアンスがあります。
誤用例
日本語の「完了する」という言葉に引きずられ、安易に"complete"を使ってしまう例です。"complete"は、何かを完璧に、または必要な要素をすべて満たして完成させるニュアンスが強く、完了のプロセスよりも結果に重点が置かれます。一方、"finish"は単に作業を終える、完了するという意味合いが強く、日常的な会話やビジネスシーンでより自然です。この文脈では、手伝いを受けたくないという意志表示があるので、単に「終わらせたい」というニュアンスの"finish"が適しています。日本人は完璧主義な傾向があるため、無意識に"complete"を選んでしまいがちですが、英語では状況に応じて使い分ける必要があります。
"completely"は副詞で、形容詞や動詞を修飾します。一方、"complete"は形容詞で、名詞を修飾します。この文では、「成功」という名詞を修飾する必要があるため、"complete success"という形にする必要があります。日本語では「完全に成功している」のように副詞で修飾する表現が自然なため、英語でも同様に考えてしまう誤りです。しかし、英語では名詞を強調する場合、形容詞を使うことが一般的です。また、"complete success"は、プロジェクトが完全に、申し分なく成功したという強い肯定的な意味合いを持ちます。この表現は、ビジネスや学術的な文脈でよく用いられ、成功を強調したい場合に効果的です。
"complete"は、書類やリストなどを「完全に埋める」という意味で使うこともできますが、やや硬い印象を与えます。日常的な場面やビジネスシーンでは、より口語的な"fill out"が好まれます。特に、申請書やアンケートなど、形式的な書類を埋める場合には"fill out"が一般的です。"complete"は、例えば「コレクションを完成させる」や「タスクを完了させる」など、より抽象的な意味合いで使われることが多いです。日本人は、学校教育で"complete"という単語を習う機会が多いため、つい"complete"を使ってしまいがちですが、英語では状況に応じて適切な表現を選ぶことが重要です。また、"fill out"は、単に情報を埋めるだけでなく、必要な情報をすべて正確に記入するというニュアンスも含まれています。
文化的背景
「complete」は、単に「完了した」という意味を超え、理想的な状態、完璧さ、全体性といった文化的価値観を象徴する言葉として用いられてきました。それは、未完の状態に対する人間の根源的な不安、そして完成されたものへの憧憬を表していると言えるでしょう。
中世の騎士道物語において、「complete」は騎士の理想像を形容する言葉として登場しました。武勇、忠誠心、礼儀正しさ、信仰心といったすべての美徳を兼ね備えた騎士は、「complete knight(完璧な騎士)」と呼ばれ、社会の模範とされました。アーサー王物語に登場する円卓の騎士たちは、それぞれの欠点を克服し、理想の騎士となることを目指す過程で、「complete」という状態を追求したのです。この文脈における「complete」は、単なる能力の高さだけでなく、道徳的な完成度をも意味しており、自己啓発の目標として捉えられていました。
また、音楽の世界においても「complete」は特別な意味を持ちます。バッハの「平均律クラヴィーア曲集」やベートーヴェンの交響曲全集のように、作曲家の生涯をかけて完成された作品群は、「complete works(全集)」として称えられます。これらの作品は、単なる楽曲の集合体ではなく、作曲家の思想や感情、技術の粋を集めた、芸術的な「完成」の象徴として扱われます。「complete」は、作曲家が自己の表現を極限まで追求し、到達した境地を示す言葉なのです。
現代社会においても、「complete」は依然として重要な意味を持ち続けています。プロジェクトの完了、目標の達成、関係の終結など、様々な場面で「complete」は用いられますが、その背後には、未完の状態に対する不確実性や不安からの解放、そして達成感や満足感といった感情が込められています。しかし、「complete」は必ずしも肯定的な意味合いを持つとは限りません。関係の終わりを意味する「complete」は、喪失感や悲しみといった感情を伴うこともあります。このように、「complete」は、人間の感情や価値観と深く結びついた、多面的な意味を持つ言葉なのです。
試験傾向
1. 出題形式:語彙問題、長文読解。2. 頻度と級・パート:準1級以上で頻出。3. 文脈・例題の特徴:幅広いトピックで登場。特にアカデミックな話題で多い。4. 学習者への注意点・アドバイス:動詞、形容詞の用法を区別し、類義語(finish, accomplishなど)との違いを理解する。
1. 出題形式:Part 5, 6(語彙問題、文法問題)、Part 7(長文読解)。2. 頻度と級・パート:頻出。3. 文脈・例題の特徴:ビジネスシーン(プロジェクト完了、契約完了など)で頻繁に使用される。4. 学習者への注意点・アドバイス:completeの後に続く前置詞(withなど)や、関連語句(completion, completely)も合わせて学習する。類義語(finalize, conclude)とのニュアンスの違いを理解する。
1. 出題形式:リーディングセクション。2. 頻度と級・パート:頻出。3. 文脈・例題の特徴:アカデミックな文章(研究論文、歴史的記述など)で、抽象的な概念を説明する際に用いられる。4. 学習者への注意点・アドバイス:名詞(completion)としての用法も重要。文脈から意味を推測する練習を積む。
1. 出題形式:長文読解、語彙問題(同意語選択、空所補充)。2. 頻度と級・パート:難関大学ほど頻出。3. 文脈・例題の特徴:評論文、物語文など幅広い分野で登場。4. 学習者への注意点・アドバイス:文脈における意味を正確に把握することが重要。complete A with B (AをBで完成させる)のような構文も覚えておく。