maim
二重母音 /eɪ/ は「エイ」ではなく、「エ」から「イ」へスムーズに移行するイメージで。最後の /m/ は唇をしっかりと閉じて発音します。日本語の「ム」のように母音を伴わないように注意しましょう。息を鼻に抜くように意識するとより自然な発音になります。
専門的な内容に関するご注意
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手足を奪う
事故や暴力によって、手足や身体の一部を失わせる、または機能を著しく低下させること。身体的な損傷が深刻であることを強調する語。比喩的に、組織やシステムなどの重要な機能を損なう場合にも用いられる。
The old factory machine could maim a worker's hand easily.
その古い工場の機械は、簡単に作業員の腕を奪う可能性があった。
※ この例文は、危険な機械が身体に深刻な損傷を与える可能性を示しています。「maim」は、このように事故によって身体の一部が使えなくなるような状況でよく使われます。機械の危険性が伝わるシーンです。
The angry dog tried to maim the mailman's leg.
その怒った犬は、郵便配達員の脚を奪おうとした。
※ この例文では、動物が人間に危害を加える場面を描いています。「maim」は、動物が噛みついたり引っ掻いたりして、手足に大きな傷を負わせるような状況でも使われます。緊迫した状況が目に浮かびますね。
The brutal war continued to maim young soldiers every day.
その残忍な戦争は、毎日若い兵士たちの手足を奪い続けた。
※ この例文は、戦争がいかに多くの人々に身体的な傷を負わせるかを示しています。「maim」は、特に戦争や紛争によって兵士が負傷し、身体の一部を失うような悲惨な状況で頻繁に使われる単語です。その悲劇的な現実が伝わります。
無力化する
物理的な損傷だけでなく、精神的、経済的な打撃によって、活動能力や抵抗力を奪うこと。相手の力を削ぎ、行動を制限するニュアンスを含む。
A serious car accident can maim a person for life.
深刻な自動車事故は、人を一生無力化する(体の機能の一部を失わせる)可能性があります。
※ この例文は、予期せぬ事故が人の体にどれほど大きな影響を与え、その後の人生を大きく変えてしまうかを伝えています。'maim' は、事故や攻撃などによって、体の一部が機能しなくなり、その結果として「一生、元の状態に戻れないほど無力化される」という、深刻な状況を表す際によく使われます。'for life' は「一生涯」という意味で、その状態が永続することを強調しています。
The hunter's trap was designed to maim the deer, not kill it.
その猟師の罠は、鹿を殺すのではなく、無力化するように仕掛けられていました。
※ ここでは、猟師が鹿を捕獲する目的で、致命傷を与えず、足などを傷つけて動けなくする(無力化する)場面を描写しています。'maim' はこのように、動物に対しても使われ、特定の目的のために「命は奪わないが、活動能力を奪う」という意図を表現するのに適しています。'not kill it'(殺すのではなく)という対比が、'maim' の意味をより鮮明にしています。
A severe injury can maim a professional athlete's career.
重い怪我は、プロアスリートのキャリアを無力化してしまうことがあります。
※ この例文では、スポーツ選手の重傷が、彼らの競技人生(キャリア)に決定的な影響を与え、選手としての活動を不可能にしてしまう状況を描いています。'maim' は、物理的な損傷によって、人の能力や活動、さらにはキャリアといった抽象的なものまで「機能不全に陥らせる」「活動能力を奪う」という意味で使われることがあります。ただし、その根源には、体の損傷があることが多いです。
コロケーション
重度に負傷した、深刻な後遺症が残るほど傷つけられた
※ 「severely」は「重度に」「ひどく」という意味で、「maimed」にかかることで、単に傷ついただけでなく、その程度が著しいことを強調します。事故や戦争などで身体の一部を失ったり、機能が著しく損なわれた状態を表す際に用いられます。フォーマルな場面や報道などでよく使われます。
永久的に傷つけられた、生涯にわたって後遺症が残る
※ 「permanently」は「永続的に」「恒久的に」という意味で、「maimed」の状態が一時的なものではなく、回復の見込みがないことを示します。法的文書や医療記録など、将来にわたる影響を考慮する必要がある場面で用いられることが多いです。例えば、「その事故で彼は永久的に傷つけられた(permanently maimed)」のように使います。
一生涯傷つける、生涯にわたる後遺症を残す
※ 「for life」は「一生涯」という意味で、行為の結果が被害者の全人生に及ぶことを強調します。事故、暴力行為、または医療過誤などによって、身体的または精神的な傷が永続的に残る状況を表します。この表現は、その行為の重大さと、被害者が背負う苦しみを強く印象づける効果があります。しばしば感情的な文脈や、責任を追及する場面で用いられます。
傷つけ殺す、殺傷する
※ これは、暴力行為の結果として、被害者が傷つけられるだけでなく、最終的には死亡するという最悪の事態を示します。「maim」と「kill」を組み合わせることで、行為の残虐性と、被害者が受けた苦しみを強調します。戦争、テロ、または犯罪などの文脈で用いられ、その悲惨さを伝えるために使われます。
精神を傷つける、心を深く傷つける
※ この表現は、肉体的な損傷だけでなく、精神的な傷も「maim」という言葉で表現する比喩的な用法です。「spirit」は「精神」「心」を意味し、暴力や虐待、あるいは裏切りなどによって、人の心が深く傷つき、立ち直れないほどのダメージを受けることを表します。文学作品や心理学的な議論などで用いられることがあります。
誤って傷つけてしまった、意図せず負傷させてしまった
※ 「accidentally」は「誤って」「偶然に」という意味で、意図せずに誰かを傷つけてしまった状況を表します。事故や不注意による怪我などを指し、意図的な暴力行為とは区別されます。例えば、工事現場での事故やスポーツ中のアクシデントなどが考えられます。道徳的な責任や法的責任を問われる場面で、状況を説明するために用いられることがあります。
動物虐待、動物を傷つける行為
※ 「animal maiming」は、動物に対して意図的に怪我をさせたり、身体の一部を切り取ったりする行為を指します。これは動物虐待の一形態であり、多くの場合、違法行為とみなされます。動物愛護団体や法執行機関が、このような行為を非難し、防止するために活動しています。報道や啓発活動などで用いられることが多い表現です。
使用シーン
学術論文や研究発表で、比喩的な意味合いで使われることがあります。例えば、ある政策が特定の研究分野の発展を「maim(無力化)」するといった文脈です。文体はフォーマルで、客観的な分析を記述する際に用いられます。
ビジネス文書や会議において、競争上の優位性や市場シェアを「maim(損なう)」といった状況を説明する際に使われることがあります。ただし、より穏当な表現(damage, weakenなど)が好まれる傾向にあります。フォーマルな文脈で、ネガティブな影響を強調したい場合に限られます。
日常会話で「maim」が使われることは稀です。主にニュース記事やドキュメンタリーなどで、事故や犯罪によって身体が「maim(不自由になる)」といった状況を報道する際に目にすることがあります。日常会話では、もっと平易な言葉(injure, hurtなど)が使われます。
関連語
類義語
- mutilate
物をひどく損傷したり、切り刻んだりすることを指します。芸術作品や死体など、無生物または生命を失ったものに対して使われることが多いです。また、比喩的に、文章や計画などを台無しにする意味でも使われます。フォーマルな文脈で使用されます。 【ニュアンスの違い】"maim"よりも破壊の程度が大きく、残虐性や冒涜的なニュアンスを含みます。また、対象が無生物である場合も多いです。感情的な響きはmaimよりも強い傾向があります。 【混同しやすい点】人を対象とする場合でも、殺害後の遺体を損傷する状況で使われることがあり、「maim」が生きた人間を対象とするのとは異なります。また、比喩的な用法も多い点に注意が必要です。
人や動物を不具にする、または機能不全に陥らせることを意味します。身体的な損傷だけでなく、経済や組織などを弱体化させる比喩的な意味でも使われます。日常会話からビジネスまで幅広く使われます。 【ニュアンスの違い】"maim"よりも永続的な機能障害や弱体化を強調します。また、比喩的な用法では、組織や経済など、より抽象的な対象に使われることが多いです。 【混同しやすい点】身体的な損傷だけでなく、比喩的な意味合いが強い点に注意が必要です。例えば、「経済をcrippleする」のように使われます。また、「maim」よりも深刻な状態を表すことが多いです。
人や機械の機能を停止させる、または使用不能にすることを意味します。身体的な障害だけでなく、ソフトウェアや機械の機能を停止させる場合にも使われます。技術的な文脈や日常会話でよく使われます。 【ニュアンスの違い】"maim"よりも機能停止の状態を強調し、必ずしも永続的な損傷を意味しません。また、対象が人だけでなく、機械やソフトウェアなど、より広範囲に及びます。 【混同しやすい点】一時的な機能停止や、障害全般を指す場合があるため、「maim」のような深刻な損傷を伴うとは限りません。文脈によって意味合いが大きく異なる点に注意が必要です。
人や動物に傷を負わせることを意味します。物理的な傷だけでなく、精神的な傷を指す場合もあります。日常会話からニュース記事まで幅広く使われます。 【ニュアンスの違い】"maim"よりも傷の程度が軽く、必ずしも永続的な機能障害を伴うとは限りません。また、精神的な傷を指す場合もあります。 【混同しやすい点】"maim"が深刻な損傷を意味するのに対し、"wound"は比較的軽い傷も含む点に注意が必要です。また、精神的な傷を指す用法があることも覚えておく必要があります。
人や動物に怪我をさせることを意味します。事故や暴力行為など、様々な状況で使われます。日常会話から報道まで幅広く使われます。 【ニュアンスの違い】"maim"よりも怪我の程度が軽く、深刻な後遺症が残る可能性は低いことが多いです。また、事故など、意図的でない状況で使われることもあります。 【混同しやすい点】"maim"が意図的な行為によって深刻な損傷を与えることを意味するのに対し、"injure"は事故など、意図的でない場合も含む、より広範囲な怪我を指す点に注意が必要です。
物や評判に損害を与えることを意味します。物理的な損傷だけでなく、抽象的な損害にも使われます。ビジネスや日常会話でよく使われます。 【ニュアンスの違い】"maim"が人や動物に身体的な損傷を与えるのに対し、"damage"は物や評判など、より広範囲な対象に損害を与えることを意味します。また、損傷の程度も"maim"より軽いことが多いです。 【混同しやすい点】対象が人や動物ではなく、物や評判などである点に注意が必要です。また、身体的な損傷ではなく、抽象的な損害を指す場合もあることを覚えておく必要があります。
派生語
『騒乱』や『大混乱』を意味する名詞。「maim」がもともと持っていた『傷つける』『損害を与える』という暴力的なニュアンスが、社会全体に拡大したイメージ。日常会話よりも、ニュースや犯罪に関する記事で使われることが多い。
『不自由な』『足が不自由な』という意味の形容詞。「maim」が身体の一部を損なう行為を指すのに対し、「lame」は特に足の不自由さを指すようになった。比喩的に『説得力のない』という意味でも使われる(例: a lame excuse)。日常会話でも使われる頻度は高い。
語源
「maim」の語源は古フランス語の「mahaignier(傷つける、不具にする)」に遡ります。これはさらに遡ると、俗ラテン語の「*mahanare」に由来し、ゲルマン祖語の「*mait-」または「*maitan(切る、刻む)」に関連があると考えられています。つまり、もともとは身体の一部を切り取る、傷つけるといった物理的な行為を表していた言葉です。日本語で例えるなら、「手足をもぎ取る」というようなイメージに近いでしょう。この物理的な意味合いから転じて、「無力化する」といった比喩的な意味合いを持つようになりました。現代英語では、身体的な傷害だけでなく、組織や計画などを機能不全に陥らせる場合にも使われます。
暗記法
「maim」は、単なる負傷に留まらず、存在意義を根底から損なう行為を指します。中世の刑罰では、手足の切断は社会的抹殺を意味し、戦場では敵国の弱体化を狙う戦略でもありました。文学では、リチャード三世やフランケンシュタインの怪物が、その存在を「maim」された者として描かれています。現代では、精神的な虐待や差別もまた、人の心を「maim」する行為と捉えられます。この言葉の背後には、人間の尊厳が深く傷つけられた歴史と文化が刻まれています。
混同しやすい単語
『maim』と発音が似ており、どちらも短い母音で始まるため、特にリスニング時に混同しやすい。スペルも 'm' と 'l' の違いのみ。意味は『不自由にさせる』という意味の『maim』に対し、『不恰好な』『つまらない』といった意味を持つ形容詞。文脈で判断する必要がある。
スペルが非常に似ており、'i' と 'ai' の違いのみ。発音も母音部分が似ているため、注意が必要。『main』は『主要な』という意味の形容詞、または『本管』『本線』などの意味を持つ名詞であり、品詞も意味も大きく異なる。
発音が似ており、特に語尾の 'm' の音が共通しているため、混同しやすい。『mime』は『身振り』『パントマイム』という意味の名詞、または『身振りで演じる』という意味の動詞。意味が全く異なるため、文脈で判断することが重要。
スペルが似ており、最初の文字が異なるだけなので、視覚的に混同しやすい。発音も母音部分が共通している。『name』は『名前』という意味の名詞、または『名前を付ける』という意味の動詞であり、意味も品詞も異なる。
スペルに 'm' が含まれており、視覚的に関連性を感じやすい。また、どちらの単語も比較的発音が短く、曖昧になりやすい。『calm』は『穏やかな』という意味の形容詞、または『穏やかにする』という意味の動詞。意味が全く異なるため、文脈に注意。
スペルが似ており、'maim' の 'm' の位置が入れ替わった形に近いため、視覚的に混同しやすい。発音も母音部分が似ている。『claim』は『主張』『要求』という意味の名詞、または『主張する』『要求する』という意味の動詞であり、意味も品詞も異なる。
誤用例
『maim』は、身体の一部を傷つけたり、使用不能にしたりするような、非常に深刻な物理的な損傷を意味します。経済的な打撃や抽象的な損害に対して使うと、大げさで不自然な印象を与えます。日本語の『痛手』を直訳しようとして、強い言葉を選んでしまうことが原因です。経済的な文脈では、『severely damaged』や『crippled』などが適切です。英語では、物理的な損傷と抽象的な損害を区別する傾向が強く、比喩表現の選択には注意が必要です。
『maim』は自動詞として使われることは稀で、通常は他動詞として用いられます。この文では、『表現しようとした』という意図を伝えようとしていますが、そもそも『maim』にそのような意味はありません。日本語の『〜しようとする』を安易に英語に置き換えようとすると、このような誤りが起こりやすいです。正しい表現は、『struggled to express』や『tried to articulate』などです。英語では、動詞の自動詞・他動詞の区別が重要であり、文法構造を意識する必要があります。
『maim』は非常に深刻な損傷を表すため、『slightly(わずかに)』のような副詞と組み合わせると、意味的に矛盾が生じます。日本語の『傷つける』という言葉に引きずられて、『maim』を選んでしまうと、このような不自然な表現になります。英語では、損傷の程度を表す語彙が豊富であり、文脈に応じて適切な単語を選ぶ必要があります。『tarnish』は、名誉や評判をわずかに傷つけるという意味で、より適切な表現です。また、英語では過剰な表現を避ける傾向があり、控えめな表現を選ぶことが好まれる場合があります。
文化的背景
「maim」という言葉は、単に身体を傷つけるだけでなく、その人の能力や存在意義を根底から損なう行為を指し、社会からの疎外や自己喪失といった深い絶望感を伴います。中世の刑罰や戦場での傷痍といった歴史的背景から、この単語は権力による暴力や、人間の尊厳が踏みにじられる状況を想起させる、重い文化的意味合いを持つようになりました。
中世ヨーロッパにおいては、犯罪者に対する刑罰として、手足を切断する「maiming」がしばしば行われました。これは単なる肉体的な苦痛を与えるだけでなく、労働能力を奪い、社会からの自立を不可能にするという、一種の社会的抹殺を意味しました。また、戦場においては、敵兵を殺害する代わりに手足を負傷させることで、長期的な介護負担を敵国に強いるという戦略も存在しました。これらの行為は、単なる戦闘行為を超え、敵の社会構造を弱体化させることを目的とした、一種の「文化的な暴力」とも言えるでしょう。
文学作品においても、「maim」はしばしば登場します。例えば、シェイクスピアの『リチャード三世』では、リチャード自身が身体的な欠損を持つキャラクターとして描かれ、その歪んだ外見が彼の邪悪な内面を象徴していると解釈されることがあります。また、メアリー・シェリーの『フランケンシュタイン』に登場する怪物も、創造主によって「maimed」された存在として描かれ、その悲劇的な運命は、人間の傲慢さに対する警告として読むことができます。これらの作品において、「maim」は、単なる身体的な損傷を超え、人間の精神や魂に対する深い傷を象徴する言葉として用いられています。
現代社会においても、「maim」は、身体的な暴力だけでなく、精神的な虐待や差別など、人間の尊厳を傷つけるあらゆる行為を指す言葉として用いられます。例えば、職場でのパワハラや、SNSでの誹謗中傷などは、相手の心を「maim」する行為と言えるでしょう。この言葉を使う際には、単なる事実描写にとどまらず、その行為が及ぼす深刻な影響や、被害者の苦痛に対する共感を示すことが重要です。それは、過去の歴史的背景や文学作品における使用例を通して培われた、この言葉の持つ重い文化的意味合いを理解することに繋がるでしょう。
試験傾向
この単語は英検では出題頻度は低めです。仮に出題される場合は、準1級以上の長文読解で、比喩的な意味合いで使われる可能性があります。直接的な暴力描写を避けた、間接的な表現に注意してください。
TOEICでは、この単語が直接問われる可能性は低いですが、医療や事故に関する記事で間接的に登場する可能性はあります。Part 7の読解問題で、類義語や言い換え表現を理解しておくことが重要です。
TOEFLのアカデミックな文章では、事故や紛争、あるいは比喩的な意味で組織や計画の『maim(損害を与える)』という文脈で登場する可能性があります。読解問題で、文脈から意味を推測する能力が問われます。類義語(impair, cripple)とのニュアンスの違いを理解しておきましょう。
大学受験の英文では、やや難易度の高い単語として、長文読解で登場する可能性があります。特に、社会問題や歴史的な出来事を扱った文章で、比喩的な意味で『maim(損なう、傷つける)』が使われることがあります。文脈判断が重要です。