disable
第一音節の "di" は、日本語の「ディ」よりも短く、曖昧母音に近い音です。第二音節の強勢(ストレス)に注意し、「エイ」を意識して発音しましょう。最後の "-ble" は、口を軽く閉じて「ボゥ」と発音するとより自然になります。全体として、平板な発音にならないように、第二音節を強調しましょう。
専門的な内容に関するご注意
このページには、健康、金融、法律など、専門的な知識を必要とする内容が含まれている可能性があります。本サイトの情報は学習目的で提供されており、専門家による助言の代わりとなるものではありません。重要な判断を行う際には、必ず資格を持つ専門家にご相談ください。
使えなくする
機械やシステム、機能などを停止させたり、利用不可能にしたりする意味合い。一時的な停止から、恒久的な停止まで含む。類義語:deactivate, shut down, turn off
She quickly pressed the button to disable the annoying alarm sound.
彼女はうるさいアラームの音を止めるため、急いでボタンを押しました。
※ 誰もが経験する、目覚まし時計を止める日常のシーンです。「disable」が「(機械や装置の)機能を停止させる」という意味で使われる典型的な例です。焦ってボタンを押す様子が目に浮かびますね。
The technician had to disable the old system to install the new one.
その技術者は、新しいシステムを設置するため、古いシステムを無効にしなければなりませんでした。
※ コンピューターや機械の「システム」を一時的に「無効にする」という、ビジネスや技術の場面でよく使われる表現です。新しいものを動かすために古いものを止める、というプロの仕事の情景が目に浮かびます。
A bad fall temporarily disabled his leg, so he had trouble walking.
ひどい転倒で一時的に彼の脚が使えなくなり、彼は歩くのに苦労しました。
※ 怪我や病気によって、体の機能が一時的に「使えなく」なる状況を表すときに使われます。「temporarily(一時的に)」という言葉で、ずっとではないけれど、今は動かせない、というニュアンスが伝わります。
資格を奪う
法律や規則によって、特定の権利や資格、能力を失わせることを指す。disqualifyとほぼ同義。
The committee decided to disable the swimmer from the championship because of a drug test failure.
委員会は薬物検査の不合格のため、その水泳選手を選手権から失格にすることを決定しました。
※ この例文は、スポーツの世界で選手がルール違反や不正行為によって「競技への参加資格を奪われる」典型的な場面を描いています。薬物検査の不合格は、資格剥奪の非常に一般的な理由です。`disable X from Y` の形で「XがYから資格を奪われる」と表現できます。選手が努力してきたのに、夢が断たれる悲しい状況が目に浮かびますね。
After many complaints, the school board had to disable the teacher's certification.
多くの苦情の後、教育委員会はその教師の資格を剥奪せざるを得ませんでした。
※ これは、職業上の資格が不正行為や不適切な行動によって「剥奪される」場面です。教師の資格(certification)が奪われることで、もう教壇に立てなくなるという重い状況が伝わります。`disable` は、このように「公的な権限や資格を停止させる」際によく使われます。多くの保護者や生徒からの不満が積み重なり、委員会が苦渋の決断をした様子が想像できます。
The game company decided to disable the player from online matches due to cheating.
そのゲーム会社は、不正行為のため、そのプレイヤーをオンライン対戦から除外することを決定しました。
※ この例文は、オンラインゲームで不正行為(チート)を行ったプレイヤーが「ゲームに参加する資格を奪われる」状況を示しています。現代では、デジタルコンテンツやサービスでの利用規約違反によるアカウント停止や権限剥奪の文脈で `disable` が使われることがよくあります。他のプレイヤーが公平な環境でプレイできるよう、会社が厳しい措置を取った様子がわかりますね。
無効にする
合意、契約、法律などを効力のない状態にすること。invalidateとほぼ同義。
I had to disable notifications on my phone during the important meeting.
大切な会議中だったので、スマホの通知を無効にする必要がありました。
※ 会議中にスマホが鳴ってしまわないよう、慌てて設定を変えるような場面です。電子機器の「設定」を一時的にオフにする際によく使われます。集中したい時や、マナーを守りたい時に使う、とても日常的なフレーズです。
The security guard carefully disabled the alarm system to avoid startling the cat.
警備員は、猫を驚かせないよう、慎重に警報システムを無効にしました。
※ ここでは、警報システムのような「装置の機能」を停止させる様子が描かれています。緊急時だけでなく、このように特定の目的のために一時的に機能を止める際にも'disable'が使われます。'carefully'(慎重に)という言葉から、警備員の優しい気持ちが伝わってきますね。
If you feel overwhelmed, you can easily disable your social media account for a while.
もし疲れてしまったら、しばらくSNSのアカウントを簡単に無効にできますよ。
※ SNSやオンラインサービスなどの「アカウント」や「機能」を、一時的に停止する場面でよく使われます。自分の意思でサービスの利用を中断したい時などに便利です。'overwhelmed'(圧倒される、疲れ切る)は、SNS疲れを感じる現代人にとって共感しやすい感情です。
コロケーション
(ソフトウェアやデバイスの)特定の機能を無効にする
※ 技術的な文脈で頻繁に使われる表現です。ソフトウェアのアップデートや設定変更の際に、ある機能を一時的または完全に停止させることを指します。例えば、セキュリティ上の理由やバグの修正のために、特定の機能をdisableすることがあります。構文は「disable + 名詞(機能)」となり、ビジネスシーンや技術文書でよく見られます。
アラームを止める、解除する
※ 文字通り、アラームを止めるという意味ですが、セキュリティシステムや機械装置のアラームを解除するというニュアンスも含まれます。緊急事態が発生し、アラームが誤作動した場合などに使われます。disableは「作動しないようにする」というニュアンスを持つため、単に止めるだけでなく、システム的な解除を伴う場合に適しています。口語でもビジネスシーンでも使用されます。
(政治的、競争的な状況で)相手の動きを封じる、無力化する
※ 比喩的な表現で、政治やビジネスなどの競争的な状況において、相手の戦略や行動を妨害し、優位に立つことを意味します。物理的にdisableするのではなく、戦略的な手段や法的措置を用いて相手の力を弱めるニュアンスが含まれます。例えば、選挙活動において対立候補のキャンペーンをdisableする、企業買収において敵対的買収者の動きをdisableするなど。ややフォーマルな場面で使用されます。
アクセス権を無効にする、アクセスを禁止する
※ 主にITやセキュリティ関連の文脈で使用され、特定のユーザーやシステムが特定の情報やリソースにアクセスできないようにすることを指します。アカウントの停止、パスワードの変更、ファイアウォールの設定変更などが含まれます。企業の情報セキュリティポリシーや、オンラインサービスの利用規約などでよく見られます。構文は「disable + 名詞(access)」となり、フォーマルな場面で使われます。
怪我によって身体機能が損なわれる
※ 受動態で用いられ、怪我によって身体的な能力が一時的または永久的に損なわれることを表します。スポーツ選手が怪我で試合に出場できなくなる場合や、事故によって日常生活に支障をきたすようになった場合などに使われます。disableは「能力を奪う」というニュアンスを持つため、怪我によって身体的な機能が制限される状態を的確に表現します。ニュース記事や医療関係の文書で見られることが多いです。
機器を動作不能にする
※ 文字通り、機械や装置を動かない状態にすることを指します。例えば、爆弾処理班が爆弾をdisableする、警察が容疑者の車をdisableする、などが挙げられます。単に電源を切るだけでなく、機械的な機構を停止させたり、ソフトウェア的な制御を遮断したりするなど、より積極的な行為を伴う場合に用いられます。セキュリティや軍事関連の文脈でよく使用されます。
使用シーン
学術論文や技術文書で、機能やシステムを停止・無効化する状況を説明する際に使われます。例えば、実験において特定の変数の影響を「無効にする (disable)」ことで、他の変数の効果を検証する、といった場面です。研究者が客観的なデータを示す文脈で用いるため、フォーマルな文体になります。
ビジネスシーンでは、ソフトウェアやシステムの機能を停止させる場合や、セキュリティ上の理由で特定のアカウントを「無効にする (disable)」場合などに使われます。IT部門の担当者が、システム管理に関する報告書やメールで、技術的な説明を行う際に使用することが考えられます。文体はややフォーマルです。
日常会話ではあまり使われませんが、テクノロジー関連のニュースや記事で、アプリやデバイスの機能を「無効にする (disable)」という文脈で見かけることがあります。例えば、スマートフォンの特定の機能をオフにする方法を説明する記事などで使用されます。一般的には、技術に詳しい人が、他の人に説明する際に使うことが多いでしょう。
関連語
類義語
能力を奪う、活動不能にするという意味。主に事故や病気などによって、一時的または恒久的に身体的・精神的な能力を損なう状況で使われる。医学や法的な文脈でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】"disable"よりも深刻な状態を表すことが多い。事故や病気の結果として能力を失うというニュアンスが強く、意図的な行為というよりも、不慮の事態によって引き起こされる状態を指す。 【混同しやすい点】"disable"は機械やシステムなどにも使えるが、"incapacitate"は主に人間や動物に対して使われる。また、"incapacitate"は法的な文脈で「法的能力を奪う」という意味でも使われる。
(能力・機能などを)弱める、損なうという意味。視覚、聴覚、判断力など、特定の能力が低下している状態を表す。医学、心理学、法律などの分野でよく使われる。 【ニュアンスの違い】"disable"が完全に機能停止させるニュアンスがあるのに対し、"impair"は機能の一部を損なう、弱めるという意味合いが強い。例えば、飲酒運転で判断力が低下している状態は"impaired"と表現される。 【混同しやすい点】"impair"は他動詞であり、目的語が必要。"disable"と同様に、人間だけでなく、システムやプロセスなどにも使用できる。しかし、"disable"ほど広範な対象には使われず、特定の機能や能力に焦点を当てる。
(人や物を)不自由にする、麻痺させるという意味。身体的な障害によって動きを制限される状態を表す。比喩的に、組織や経済などを弱体化させるという意味でも使われる。 【ニュアンスの違い】"disable"よりも強い意味合いを持ち、より深刻な状態を表す。身体的な障害だけでなく、精神的なトラウマなどによって行動が制限される場合にも使われる。ただし、現代では差別的なニュアンスを含む可能性があるため、使用には注意が必要。 【混同しやすい点】"cripple"は、身体的な障害を表す言葉として、過去には一般的に使われていたが、現在では差別的な意味合いを持つと認識されることが多い。そのため、"disable"や"impair"など、より中立的な言葉を使うことが推奨される。
(人や物に)ハンディキャップを与える、不利な立場に置くという意味。身体的、精神的な障害によって社会生活を送る上で不利な状況に置かれることを指す。スポーツのハンディキャップのように、公平性を保つために意図的に不利な条件を与える場合にも使われる。 【ニュアンスの違い】"disable"が機能停止を意味するのに対し、"handicap"は不利な状況に置かれることを強調する。社会的な文脈で使われることが多く、障害を持つ人が直面する困難や障壁を指す。 【混同しやすい点】"handicap"は名詞としても動詞としても使われる。名詞としては「障害」「不利な条件」という意味があり、動詞としては「ハンディキャップを与える」「不利な立場に置く」という意味になる。また、"handicapped"という形容詞は、「障害のある」という意味で使われる。
弱める、弱体化させるという意味。物理的な力だけでなく、精神的な力や影響力などを弱める場合にも使われる。政治、経済、社会など、幅広い分野で使用される。 【ニュアンスの違い】"disable"が完全に機能停止させるニュアンスがあるのに対し、"weaken"は機能や力が低下する、弱まるというニュアンスが強い。例えば、経済状況が悪化して企業の競争力が弱まる場合などに使われる。 【混同しやすい点】"weaken"は自動詞としても他動詞としても使われる。自動詞の場合は、「弱まる」という意味になり、他動詞の場合は、「弱める」という意味になる。"disable"は他動詞のみであり、目的語が必要。
- invalidate
(法律、契約、議論などを)無効にする、効力をなくすという意味。法的な文脈や、議論の有効性を否定する際に用いられる。主に形式的な手続きや証拠の不備などによって、有効性が失われる状況を表す。 【ニュアンスの違い】"disable"が機能停止を意味するのに対し、"invalidate"は法的な効力や正当性を失わせるという意味合いが強い。例えば、契約書の署名に不備があった場合、その契約は"invalidated"される。 【混同しやすい点】"invalidate"は主に法律や契約、議論など、抽象的な対象に対して使われる。"disable"のように、機械やシステムなど、物理的な対象には通常使われない。また、"invalidate"は他動詞であり、目的語が必要。
派生語
『能力』という意味の名詞。『able(できる)』という形容詞から派生し、名詞化接尾辞(-ity)が付加された。日常会話からビジネス、学術分野まで幅広く使われ、何かが『できる状態』を表す。
『可能にする』という意味の動詞。接頭辞『en-(〜にする)』が『able』に付いて、能力を与える、あるいは機能するようにするという意味合い。技術的な文脈や、人を支援する文脈でよく用いられる。
- disablement
『無効にすること』『障がい(状態)』を意味する名詞。『disable』に名詞化接尾辞『-ment』が付加された。医療、福祉、法律などの分野で、状態やプロセスを表す際に用いられる。
反意語
『可能にする』という意味の動詞。『disable』が能力を奪うのに対し、『enable』は能力を与える、あるいは機能するようにするという正反対の意味を持つ。技術的な文脈や、人を支援する文脈でよく用いられる。
『力を与える』『権限を与える』という意味の動詞。『disable』が力を奪うのに対し、『empower』は人に自信や権限を与え、自立を促すニュアンスがある。ビジネスや社会運動の文脈でよく用いられる。
『回復させる』という意味の動詞。『disable』によって失われた機能や状態を元に戻すという意味で対立する。医療、IT、環境など幅広い分野で用いられ、元の状態への復元というニュアンスが強い。
語源
「disable」は、「使えなくする」「無効にする」という意味ですが、その語源はラテン語に遡ります。この単語は、接頭辞「dis-」と動詞「able」が組み合わさってできています。「able」は「~できる」という意味で、ラテン語の「habile(持っている、扱いやすい)」に由来し、「能力がある」状態を示します。一方、「dis-」は「否定」「分離」「反対」といった意味を持つ接頭辞です。日本語の「非~」や「脱~」に近いニュアンスと考えると分かりやすいでしょう。したがって、「disable」は文字通りには「~できる状態を否定する」、つまり「能力を奪う」「使えなくする」という意味になります。例えば、機械の機能を停止させることや、法的な資格を剥奪することを指します。このように、接頭辞「dis-」が付くことで、元の単語の意味が反転する例は英語に多く見られます(disagree, dislikeなど)。
暗記法
Disableは単なる機能停止ではない。歴史的に、障害を持つ人々は社会から疎外され、機会を奪われてきた。中世ヨーロッパでは周縁に追いやられ、産業革命後は労働市場から排除。優生思想の時代には社会の負担と見なされた。Disableは、能力の欠如を示す烙印として機能した負の遺産を反映する。現代では権利擁護運動により認識が変化しつつあるが、依然として社会的な障壁や偏見を想起させる言葉として、その背景を理解することは重要である。
混同しやすい単語
『disable』の反対語であり、スペルも似ているため、意味を混同しやすい。enable は『可能にする』という意味で、disable は『不可能にする』という意味。接頭辞 'en-' と 'dis-' の違いに注意。enable は『~の状態にする』という意味合いを持つ en- が使われている点も覚えておくと良いでしょう。
『dis-』という接頭辞が共通しているため、関連があるように感じてしまうかもしれない。disease は『病気』という意味で、disable とは意味が全く異なる。ただし、disease によって disable(身体的な機能が損なわれる)状態になることはあり得る。
スペルが似ており、特に 'dis' の部分が共通しているため混同しやすい。dismiss は『解雇する』『退ける』という意味で、disable とは意味が異なる。dismiss は「完全に送り出す」というイメージで捉えると覚えやすい。
発音が似ている場合があり(特にカタカナ英語で発音した場合)、スペルも一部似ているため混同しやすい。desire は『強く望む』という意味の名詞または動詞で、disable とは意味が全く異なる。発音記号を確認し、正確に発音することが重要です。
『dis-』という接頭辞が共通しているため、disable と似た意味合いを持つと誤解しやすい。disobey は『従わない』という意味で、disable とは意味が異なる。dis- は「否定」の意味を持つことを理解しておくと、他の単語との区別に役立ちます。
スペルが似ており、特に 'dis' の部分が共通しているため混同しやすい。dispel は『払拭する』『追い払う』という意味で、disable とは意味が異なる。dispel は「四方八方に追い払う」というイメージを持つと、意味を覚えやすいでしょう。
誤用例
日本語の『計画が頓挫した』を直訳的に『disable』で表現しようとする誤りです。『disable』は、機械やシステム、または人の身体機能が『使えなくなる』状態を指します。計画や抽象的な概念が『頓挫する』場合は、『derail(脱線させる)』がより適切です。日本語では比喩的に『機能停止』を広範囲に使いますが、英語では具体的な対象に合わせて動詞を選ぶ必要があります。特にビジネスシーンでは、より直接的で強いニュアンスを持つ『derail』が、計画の頓挫を効果的に伝えます。
ここでの誤りは、『disable』を『資格を奪う』という意味で使ってしまっている点です。確かに『disable』はある行為や状態を『不可能にする』という意味合いを持ちますが、主に物理的、機能的な能力の喪失を指します。政策によって権利や資格を失う場合は、『disqualify』が適切です。日本語の『〜できなくする』という表現に安易に『disable』を当てはめると、不適切な文脈で使用してしまう可能性があります。英語では、権利や資格といった抽象的な概念に対しては、より専門的な語彙を選択することが重要です。
この誤用は、謙遜のつもりで『disable』を使い、自分の意見を言う能力がない(または控えたい)というニュアンスを出そうとした結果です。しかし、『disable』はあくまで物理的または機能的な『無効化』を意味し、意見を述べることを躊躇する心理状態を表すのには不適切です。ここでは『reluctant(気が進まない)』や『hesitant(ためらう)』を使うのが自然です。日本人は、自分の意見を控えめに表現しようとする傾向がありますが、英語では直接的な表現が好まれる場合が多く、不自然な謙遜は誤解を招く可能性があります。文化的な背景の違いを理解し、場面に応じた適切な表現を選ぶことが重要です。
文化的背景
「disable」という言葉は、単に機能停止を意味するだけでなく、社会的な排除や差別といった、より深い問題と結びついてきました。歴史的に、障害を持つ人々は社会から疎外され、機会を奪われてきた背景があり、この単語はそのような負の遺産を反映していると言えるでしょう。
中世ヨーロッパにおいて、身体的または精神的な障害を持つ人々は、しばしば社会の周縁に追いやられました。彼らは労働市場から排除され、自活の手段を奪われ、慈善に頼らざるを得ない状況に置かれました。このような状況下で、「disable」という言葉は、単なる状態を表すだけでなく、社会的な「無力化」を意味するニュアンスを帯びるようになりました。文学作品においても、障害を持つ人物がしばしば悲劇的な運命を辿る存在として描かれるのは、当時の社会的な偏見を反映したものです。
19世紀以降、産業革命が進展するにつれて、労働能力が重視されるようになり、障害を持つ人々はさらに不利な立場に置かれました。労働市場における競争激化は、彼らを排除する圧力を高め、「disable」という言葉は、能力の欠如を示す烙印として機能するようになりました。優生学的な思想が広まった時代には、障害を持つ人々は社会の負担と見なされ、強制的な隔離や断種が行われることもありました。このような歴史的背景を踏まえると、「disable」という言葉は、単なる機能障害を超えた、深い社会的な意味を持つことが理解できます。
現代においては、障害者の権利擁護運動が活発化し、「disable」という言葉に対する認識も変化しつつあります。しかし、依然として、この言葉は社会的な障壁や偏見を想起させるものであり、より肯定的な表現を用いることが推奨される傾向にあります。例えば、「person with a disability(障害を持つ人)」という表現は、障害を個人のアイデンティティの一部として尊重する姿勢を示しています。このように、「disable」という言葉の文化的背景を理解することは、より包括的で公正な社会を築く上で不可欠であると言えるでしょう。
試験傾向
1. 出題形式: 主に長文読解、語彙問題。稀にリスニング。
2. 頻度と級・パート: 準1級以上で頻出。1級でも見られる。
3. 文脈・例題の特徴: 環境問題、科学技術、社会問題など、硬めの話題で登場しやすい。バリアフリーに関する文脈も考えられる。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 動詞としての「disable(~を無効にする)」、形容詞としての「disabled(身体の不自由な)」の両方の意味を理解しておくこと。関連語の「disability(障害)」も重要。
1. 出題形式: Part 5(短文穴埋め)、Part 7(長文読解)
2. 頻度と級・パート: 比較的頻出。特にPart 7でよく見られる。
3. 文脈・例題の特徴: オフィス環境、IT関連、設備に関する記事などで登場しやすい。ウェブサイトの機能に関する記述も考えられる。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 「無効にする」という意味で、IT関連の文脈でよく用いられることを覚えておく。類義語の「deactivate」や「inactivate」との使い分けも意識すると良い。
1. 出題形式: リーディングセクションが中心。
2. 頻度と級・パート: 頻出単語。アカデミックな文章でよく使用される。
3. 文脈・例題の特徴: 科学、技術、社会学、歴史など、幅広い分野の学術的な文章で登場。抽象的な概念を説明する際に使われることが多い。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 動詞としての「disable」の意味だけでなく、派生語である「disability」の意味も重要。文脈から意味を推測する練習をすること。同義語の「impair」とのニュアンスの違いも意識すると、より正確に読解できる。
1. 出題形式: 長文読解、語彙問題(同意語選択、空所補充など)。
2. 頻度と級・パート: 標準的なレベルの大学で頻出。難関大学でもテーマによっては出題される。
3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、科学技術、医療、環境問題など、幅広いテーマで登場する。論説文や説明文でよく見られる。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 「~を無効にする」「~を不能にする」という意味だけでなく、「障害を持つ」という意味での形容詞「disabled」も重要。文脈に応じて適切な意味を判断できるように練習すること。関連語の知識も身につけておくと、読解がスムーズになる。