kick off
始める
イベントや活動、議論などを開始する意味。勢いよくスタートするイメージを含む。計画されていたことが始まる場合にも使う。
The team was excited to kick off the new project today.
チームは今日、新しいプロジェクトを開始することにワクワクしていました。
※ 【情景】新しいプロジェクトが始まる日、チームメンバー全員が期待に胸を膨らませて集まっている様子です。【解説】「kick off」は、特に「大きなこと」や「公式なこと」を「始める」ときに使われます。ここでは、チームが「新しいプロジェクト」という節目を始める様子を表しています。
The concert will kick off with a famous song tonight.
今夜、そのコンサートは有名な歌で幕を開けます。
※ 【情景】会場に集まった観客が、期待に満ちた表情でステージを見つめる中、オープニングの曲が流れ始める瞬間です。【解説】「kick off」は、イベントや行事などが「始まる」ことを表す際によく使われます。ここでは、コンサートが「何で始まるか」を具体的に示しており、臨場感があります。
Let's kick off this lesson with a fun game!
楽しいゲームでこの授業を始めましょう!
※ 【情景】先生が、生徒たちの顔を見てにっこり笑い、これから始まる授業を楽しくしたいという気持ちで呼びかけている場面です。【解説】「kick off」は、何かを「勢いよく始める」というニュアンスも持ちます。ここでは、授業の始まりに「楽しいゲーム」を取り入れることで、活気あるスタートを切ろうとしている様子が伝わります。日常会話でも「さあ、始めよう!」というときに使えます。
立ち退かせる
人や物を場所から強制的に移動させる意味。物理的な移動だけでなく、プロジェクトから外す、チームから除名するといった比喩的な意味合いでも使用される。
The landlord had to kick off the tenant who didn't pay rent.
大家さんは家賃を払わない借主を立ち退かせなければなりませんでした。
※ この例文は、家賃を滞納した人が「住んでいる場所から強制的に出される」という、少し悲しいけれど現実的な場面を描写しています。不動産や賃貸契約で問題が起きた際に使われる、非常に典型的な表現です。`who didn't pay rent` で「家賃を払わなかった」と、立ち退かされる理由を具体的に説明しています。
The bouncer had to kick off a noisy customer from the bar.
警備員は騒がしい客をバーから追い出さなければなりませんでした。
※ バーやクラブで、迷惑な行為をする客が「お店から強制的に出される」場面を想像してください。お店のルールを守らない人を排除する際に、この`kick off`が非常によく使われます。`bouncer`は「(バーなどの)用心棒、警備員」のことで、このような場面ではよく登場します。
The coach decided to kick off the player for breaking team rules.
コーチはチームのルールを破った選手を追放することに決めました。
※ この例文は、スポーツチームや組織で、規則違反をしたメンバーが「チームから外される(除名される)」という厳しい決断の場面を表しています。規律違反に対する処分として、スポーツの世界などで使われる典型的な表現です。`for breaking team rules`で「チームのルールを破ったことに対して」と、理由が明確になっています。
開始
イベント、プロジェクト、キャンペーンなどの開始時点や開始行為を指す。動詞の「kick off」に対応する名詞。
The stadium was full, waiting for the kick-off of the exciting soccer game.
スタジアムは満員で、ワクワクするサッカーの試合開始を待っていました。
※ この例文は、大勢の観客がスポーツイベントの始まりを心待ちにしている、活気ある情景を描写しています。「kick-off」は、サッカーやラグビーなどの試合が「始まること」を指す名詞として非常によく使われます。特に、みんなが注目する大きなイベントの開始によく使われる典型的な例です。
Everyone was ready for the kick-off of our new and important project.
全員が、私たちの新しくて重要なプロジェクトの開始に準備万端でした。
※ この例文は、新しいプロジェクトが始まり、関係者全員が期待と準備を持って臨んでいるビジネスの場面を想像させます。「kick-off」は、会議やプロジェクト、キャンペーンなどの「始動」や「開始」を意味する名詞としても頻繁に使われます。特に、何か大きな活動が本格的に動き出す最初の瞬間を表すのにぴったりです。
A large crowd gathered for the kick-off of the annual school festival.
毎年恒例の学校祭の開始のために、大勢の人が集まりました。
※ この例文は、お祭りやイベントが始まり、多くの人々がその瞬間を楽しみに集まっている賑やかな様子を表しています。「kick-off」は、お祭りやイベントの「開催開始」を指す名詞としても非常に自然です。このように「kick-off of X」の形で、「Xの開始」という意味で使うのが一般的です。
コロケーション
会議を始める、開始する
※ これは非常に一般的なビジネスシーンでのコロケーションです。文字通り『蹴り出す』ように、会議を勢いよくスタートさせるイメージです。類似表現として『start a meeting』がありますが、『kick off』はよりカジュアルで、活発な雰囲気を出すニュアンスがあります。特にチームの士気を高めたい場合などに適しています。フォーマルな場では『begin』や『commence』がより適切でしょう。
プロジェクトを開始する、始動させる
※ これもビジネスで頻繁に使われる表現です。プロジェクトを『kick off』することで、チーム全体にプロジェクトの開始を告げ、勢いをつける意味合いがあります。『launch a project』も同様の意味ですが、『kick off』はよりインフォーマルで、初期段階の興奮や勢いを強調するニュアンスが含まれます。プロジェクトのキックオフミーティングなどでよく使われます。
イベントを開始する、幕を開ける
※ スポーツイベントや祝典など、様々なイベントの開始を告げる際に用いられます。サッカーの試合開始時にボールを蹴り出すイメージが元になっています。よりフォーマルな表現としては『open the event』がありますが、『kick off』はイベントの活気や高揚感を伝えるのに適しています。例えば、音楽フェスの開幕宣言などで使われると、聴衆の期待感を高める効果があります。
キャンペーンを開始する、展開する
※ 政治キャンペーンやマーケティングキャンペーンなど、特定の目的を達成するための活動を開始する際に使われます。キャンペーンを『kick off』することで、その活動に勢いをつけ、注目を集める意図があります。『launch the campaign』も同様の意味ですが、『kick off』はより積極的で、開始時の勢いを強調するニュアンスがあります。例えば、選挙戦の開始演説などで使われると、支持者への力強いメッセージとなります。
靴を脱ぎ捨てる
※ これは文字通りの意味に近いですが、『kick off』が持つ勢いや気軽さが表現されています。疲れて帰宅したときや、リラックスしたいときに、靴を乱暴に脱ぎ捨てる様子を表します。『take off one's shoes』も同様の意味ですが、『kick off』はよりカジュアルで、解放感を伴うニュアンスがあります。例えば、家に帰ってきてソファーに寝転びながら靴を脱ぎ捨てるような場面で使われます。
議論を始める、口火を切る
※ 会議やグループワークなどで、議論のきっかけを作る、または最初に意見を述べる際に使われます。議論を活発化させる意図が含まれています。例えば、ブレインストーミングセッションで、最初のアイデアを出す人が『kick off the discussion』と宣言することがあります。類似表現として『start a discussion』がありますが、『kick off』はより積極的で、議論を盛り上げようとするニュアンスが含まれます。
何かで始める、手始めに~をする
※ 何か活動やプロセスを始める際に、最初に何をするかを述べる際に使われます。例えば、プレゼンテーションを始める際に『Let's kick off with a brief introduction』と言うことで、最初に簡単な自己紹介から始めることを示します。この表現は、その活動の最初のステップを強調し、スムーズな開始を促す効果があります。
使用シーン
学術論文やプレゼンテーションで、研究プロジェクトや議論の開始を意味する際に使われます。例えば、「本研究は、〇〇という問題提起からkick offされた」のように、研究の出発点を説明する際に用いられます。また、セミナーやワークショップの開始を告知する際にも、「〇〇教授のセミナーがkick offされます」のように使用されます。
ビジネスシーンでは、プロジェクト、会議、キャンペーンなどの開始を意味する際に頻繁に使われます。例えば、「新プロジェクトを来週kick offします」のように、計画の始動を告げる際に用いられます。また、社内メールやプレゼンテーションで、「kick off meeting」という形で、開始会議を指すことも多いです。
日常会話では、イベント、活動、または単に何かを始めることを意味する際に使われます。例えば、「週末にバーベキューをkick offしよう!」のように、楽しいイベントの開始を提案する際に用いられます。スポーツイベントの開始を指すこともあり、「サッカーの試合がkick offされた」のように使われます。
関連語
類義語
『始まる』という意味のフォーマルな単語。式典、会議、プロジェクトなど、比較的規模の大きい、または重要な事柄の開始に使われる。ビジネスや学術的な文脈でよく見られる。 【ニュアンスの違い】"kick off"よりも格調高く、公式な印象を与える。日常会話よりも、スピーチや論文などで用いられることが多い。感情的なニュアンスはほとんど含まない。 【混同しやすい点】"commence"は自動詞としても他動詞としても使えるが、"kick off"は他動詞的な用法が中心。また、"commence"は進行形の形で使われることが少ない点も異なる。
『開始する』、『始める』という意味だが、特に新しいプロジェクト、計画、改革などを始める際に使われる。行動を起こす、着手するというニュアンスが強い。ビジネス、政治、社会的な文脈でよく使われる。 【ニュアンスの違い】"kick off"よりも意図的な行動、主導権を持って始めるというニュアンスが強い。また、あるプロセスやシステムを新たに導入するという意味合いも含む。 【混同しやすい点】"initiate"は他動詞であり、目的語が必要。"kick off"が自動詞的な用法も持つ(例:パーティーがキックオフする)のに対し、"initiate"は必ず何かを開始する対象が必要となる。
『開始する』、『打ち上げる』という意味。新製品、サービス、キャンペーンなどを市場に投入する際に使われる。宇宙船の打ち上げにも使われる。 【ニュアンスの違い】"kick off"よりも、大々的に、華々しく開始するというニュアンスが強い。注意を引きつけ、勢いをつけるイメージがある。マーケティングや広報の文脈でよく使われる。 【混同しやすい点】"launch"は具体的な製品やサービスを対象とする場合が多く、抽象的なイベントや活動には使いにくい。また、宇宙船の打ち上げのように、物理的な意味合いも持つ点が"kick off"と異なる。
最も一般的な『始まる』という意味の単語。あらゆる場面で使える汎用性の高さが特徴。日常会話、ビジネス、学術など、あらゆる文脈で使用可能。 【ニュアンスの違い】"kick off"よりもニュートラルで、特別な感情や強調する意味合いは薄い。フォーマルな場面では、より適切な単語を選ぶことが望ましい。 【混同しやすい点】"start"は自動詞としても他動詞としても使えるが、意味の範囲が広いため、具体的なニュアンスを伝えにくい場合がある。"kick off"が持つ「勢いよく始める」というニュアンスは"start"には含まれない。
『就任させる』、『開始する』という意味。主に、新しい指導者や役職者の就任式、または大規模なプロジェクトや施設の供用開始を指す。非常にフォーマルな場面で使われる。 【ニュアンスの違い】"kick off"よりも厳粛で、公式な儀式やイベントを伴うことが多い。政治、歴史、文化的な文脈で使用されることが多い。 【混同しやすい点】"inaugurate"は人の就任や公共性の高い事業の開始に限定されるため、個人的な活動やカジュアルなイベントには不適切。また、受動態で使われることも多い点が"kick off"と異なる。
- set in motion
『始動させる』、『動き出させる』という意味のイディオム。計画、プロセス、イベントなどを開始し、進行させるという意味合いを持つ。 【ニュアンスの違い】"kick off"よりも、複雑なシステムや計画を段階的に始動させるイメージが強い。比喩的な表現であり、物理的な動きだけでなく、抽象的なプロセスにも適用できる。 【混同しやすい点】"set in motion"は常に他動詞的な用法であり、目的語が必要。また、イディオムであるため、直訳的な意味合いで使用すると不自然になる場合がある。
派生語
『kick off』の『kick』が持つ『勢いよく〜する』という意味合いが残り、『back(戻る)』と組み合わさって『(不正な)払い戻し』『賄賂』という意味の名詞になった。ビジネスや政治の文脈で、不正行為を指す際に用いられる。
- kicker
『kick』する人・物という意味から、『(サッカーなどの)キッカー』『(広告などの)煽り文句』『刺激的なもの』といった意味を持つ名詞。文脈によって意味が大きく異なり、日常会話から専門的な場面まで幅広く使われる。特にジャーナリズムにおける見出しや広告コピーで使われる場合は、読者の注意を引くための短いフレーズを指す。
- kickstart
『kick』の『勢いよく始める』という意味と『start』が組み合わさり、『(バイクなどの)キックスタート』『(事業などを)勢いよく開始する』という意味の名詞・動詞。比喩的に使われることが多く、プロジェクトやキャリアの初期段階で勢いをつける際に使われる。特にビジネスシーンで、新規事業の立ち上げやプロジェクトの開始を指す際に頻繁に用いられる。
反意語
『kick off』が『開始する』という意味であるのに対し、『wind down』は『(活動などを)徐々に終える』『リラックスする』という意味を持つ。ビジネスシーンでプロジェクトの終了段階を指したり、個人のリラックスした状態を表したりする際に使われる。活動の開始と終了という点で明確な対比構造を持つ。
- call off
『kick off』が『開始する』という意味であるのに対し、『call off』は『中止する』という意味を持つ。イベントや会議など、予定されていたものを中止する際に用いられる。特に、何らかの理由で開始前に中止する場合に使われる点が、『kick off』との対比を際立たせる。
『kick off』が『開始する』という意味であるのに対し、『shut down』は『(機械などを)停止する』『(事業などを)閉鎖する』という意味を持つ。機械の停止だけでなく、比喩的に事業や活動の停止を意味することもある。ビジネスや技術的な文脈で、活動の終了や停止を指す際に使われる。
語源
"Kick off"は、文字通り「蹴り出す」という意味から派生した表現です。サッカーなどの試合でボールを蹴り始める行為が、比喩的に「何かを始める」「開始する」という意味に転じました。直接的な語源は古英語やラテン語に遡るものではありませんが、身体的な動作が抽象的な概念を表すようになった好例と言えるでしょう。例えば、日本語でも「幕を開ける」という表現がありますが、これも舞台の幕を開ける物理的な行為が、新しい出来事の始まりを意味するようになったものです。「kick off」も同様に、具体的な行為が抽象的な意味を獲得したと考えられます。さらに、「立ち退かせる」という意味は、文字通り「蹴り出して追い払う」というイメージから来ています。
暗記法
「kick off」は、試合開始の合図を超え、高揚感と期待感を象徴する言葉。新時代の幕開けを高らかに宣言するCEO、それは単なる開始ではなく、未来への力強いコミットメント。しかし、その裏には予期せぬ混乱の始まりも潜む。些細な意見の相違から制御不能な事態へ。「kick off」は、始まりの興奮と、時に訪れる不穏な影を映し出す、文化的な合図なのだ。
混同しやすい単語
『kick off』の『kick』自体も、単独で使われると混同される可能性があります。『kick off』は『始める』という意味合いが強いですが、『kick』単体では『蹴る』という文字通りの意味です。また、『kick back』のように『kick』を使った句動詞も多数存在するため、文脈で意味を判断する必要があります。日本人学習者は、動詞『kick』の基本的な意味をしっかり理解した上で、『kick off』のような句動詞を覚えるようにしましょう。
『kick off』の語尾の『ff』と、『cliff』の『ff』が共通しているため、スペルを間違えやすいかもしれません。『cliff』は『崖』という意味で、名詞です。全く異なる意味なので、文脈で判断できますが、スペリングミスには注意が必要です。特に、速記やメモを取る際に注意が必要です。
『cough』は『咳』という意味で、『off』の部分のスペルが共通しています。発音も、英語話者にとっては全く異なりますが、日本人にとっては『オフ』という音のイメージが強く、混同しやすい可能性があります。意味も品詞(『cough』は名詞または動詞)も異なるため、文脈で判断することが重要です。また、『cough』のghは発音しないという点も、日本人学習者にとっては注意が必要です。
『kick』と『knife』は、どちらも K で始まる単語であるため、スペルを混同しやすい可能性があります。『knife』は『ナイフ』という意味で、名詞です。『kick』とは全く異なる意味なので、文脈で判断できますが、スペリングミスには注意が必要です。特に、手書きで書く際に注意が必要です。
『kick off』と『call off』は、どちらも『off』を含む句動詞であるため、意味を混同しやすい可能性があります。『kick off』は『始める』、『call off』は『中止する』という意味で、正反対の意味になります。句動詞は、動詞と前置詞の組み合わせで意味が変わるため、個別に覚える必要があります。日本人学習者は、句動詞の意味を例文とともに覚えるようにしましょう。
これも『call off』と同様に、『off』を含む句動詞です。『lock off』は(機械などを)『停止させる』という意味で使われます。これもまた、文脈によって意味が大きく異なるため、注意が必要です。また、類似の句動詞として『log off』(ログオフする)などもあり、これらの使い分けも重要になります。
誤用例
日本語の『ここから始めましょう』を直訳すると『from here』を付けたくなりますが、kick off は『始める』という行為そのものを指すため、場所を示す『from here』は不要です。kick off は自動詞ではなく他動詞的な使われ方をすることが多く、kick things off のように目的語を伴う方が自然です。場所を強調したい場合は、"Let's start here." のように別の表現を使うのが適切です。日本人は場所を起点に考える傾向があるため、場所を示す語句を付け加えてしまいがちですが、英語では行為自体に焦点を当てることが重要です。
kick off は非常にカジュアルな表現であり、ビジネスシーンやフォーマルな状況には不向きです。プロジェクトの開始を告げるような場面では、commence のようなよりフォーマルな単語を使用する方が適切です。日本人は英語を学ぶ際に、一つの単語を様々な文脈で使おうとしがちですが、英語にはレジスター(言葉の硬さや丁寧さ)があり、状況に応じて適切な単語を選ぶ必要があります。kick off はあくまで口語的な表現であり、親しい間柄での会話やインフォーマルな場面での使用に限定されます。
kick off には『解雇する』という意味もありますが、これは主に受動態(be kicked off)で使われます。能動態で『kick off 〇〇』と言うと、文字通り『〇〇を蹴り飛ばす』という意味になり、非常に攻撃的で不適切な表現になります。日本人は『kick off』を『始める』という意味で覚えていることが多いため、比喩的な意味での誤用が起こりやすいです。上司に対して何か意見を言いたい場合は、challenge や question のような、より建設的な表現を使うのが適切です。文化的な背景として、英語圏では相手を尊重した丁寧な表現が求められるため、攻撃的なニュアンスを持つ言葉は避けるべきです。
文化的背景
「kick off」は、文字通りにはサッカーやフットボールなどの試合開始を告げるキックを意味しますが、文化的には『何か重要なことの始まり』を象徴する言葉として、広く使われています。それは単なるスタート地点ではなく、勢いよく、そして公に宣言される幕開けのイメージを伴います。
この比喩的な意味合いは、スポーツの持つ興奮や期待感と深く結びついています。スタジアムに響き渡る歓声、選手たちの緊張感、そして試合開始を告げるホイッスルの音。これらの要素が凝縮された「kick off」は、ビジネスの新プロジェクト、大規模なイベント、あるいは個人の新たな挑戦など、あらゆる分野における『始まりの儀式』を連想させます。例えば、企業のCEOが新戦略を発表する際に「We are kicking off a new era of innovation!(革新の新たな時代をキックオフします!)」と宣言すれば、それは単なる開始の合図ではなく、全社員に対する鼓舞激励、そして未来への力強いコミットメントとして響きます。
また、「kick off」は、しばしばポジティブな意味合いで使用されますが、状況によっては、予期せぬ問題や混乱の始まりを指すこともあります。例えば、「The argument kicked off after a minor disagreement.(些細な意見の相違から口論が始まった)」というように、ネガティブな出来事の発端を表す場合もあります。この場合、「kick off」は、制御不能な事態への転換点、あるいは、平和な状態からの逸脱を暗示します。
このように、「kick off」は、その起源であるスポーツのイメージを超えて、様々な文化的ニュアンスを帯びた言葉として、私たちの社会に深く根付いています。それは単なる始まりを意味するだけでなく、期待、興奮、そして時には予期せぬ混乱といった感情を呼び起こす、象徴的な表現なのです。
試験傾向
1. 出題形式: 主に長文読解、稀に語彙問題。2. 頻度と級・パート: 準1級以上で比較的頻出。3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、環境問題、文化など幅広いテーマ。4. 学習者への注意点・アドバイス: 「始める」「開始する」の意味以外に、「(人を)追い出す」「(悪い習慣を)断つ」などの意味も重要。文脈によって意味を判断する必要がある。
1. 出題形式: Part 5, 6 (短文穴埋め、長文穴埋め)、Part 7 (長文読解)。2. 頻度と級・パート: 頻出。3. 文脈・例題の特徴: プロジェクトの開始、会議の開始、イベントの開始などビジネスシーンでよく使われる。4. 学習者への注意点・アドバイス: 「kick off a project」「kick off a meeting」のように、目的語を伴う形を覚えておくと良い。類義語の「launch」「start」との使い分けを意識する。
1. 出題形式: リーディングセクションで頻出。リスニングセクションでも講義や会話の中で使われることがある。2. 頻度と級・パート: 高頻度。3. 文脈・例題の特徴: 研究プロジェクトの開始、議論の開始など、アカデミックな文脈で使われることが多い。4. 学習者への注意点・アドバイス: 比喩的な意味合いで使われることもあるので、文脈全体を理解することが重要。類義語の「initiate」「commence」とのニュアンスの違いを理解しておくと、より正確に意味を把握できる。
1. 出題形式: 長文読解問題で頻出。文法問題で問われることは少ない。2. 頻度と級・パート: 難関大学ほど頻出。3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、科学技術、歴史など、幅広いテーマの文章で使われる。4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する練習が重要。「始める」という意味以外に、スラング的な意味合いで使われる場合もあるので注意。派生語や関連語も一緒に覚えておくと、語彙力アップにつながる。