indifferent
第2音節の 'dif' にアクセントがあります。'i' は日本語の『イ』よりも少し曖昧な音で、口を軽く開けて発音します。'r' は舌をどこにもつけずに、喉の奥から出すような音を意識しましょう。最後の 't' は破裂させず、軽く止める程度でOKです。全体として、リラックスして発音することが大切です。
無関心な
興味や関心を示さない様子。良いことにも悪いことにも感情が動かないニュアンスを含む。状況や相手に対して、積極的に関わろうとしない態度を表す。
My friend was talking excitedly about her trip, but he was completely indifferent to her words.
友人は旅行について興奮して話していましたが、彼は彼女の言葉に全く無関心でした。
※ この例文は、誰かが熱心に話しているのに、聞いている側が全く興味を示さない、という状況を描写しています。話の内容がどれほど魅力的でも、聞く側が『indifferent』だと、相手の気持ちが届かない様子が伝わります。『indifferent to ~』の形で、「~に対して無関心である」と表現するのが一般的です。
When asked about dinner, he was completely indifferent to what we ate.
夕食について尋ねられたとき、彼は私たちが何を食べるかについて全く無関心でした。
※ この例文は、何かを選択する場面で、どちらを選んでも構わない、特にこだわりがない、という『無関心』な状態を示しています。例えば、レストランでメニューを見ても「何でもいいよ」と答えるような、選択肢に対して関心がない様子が伝わります。日常生活でよくあるシチュエーションですね。
The loud noise from the street didn't bother him; he was quite indifferent to it.
通りの大きな騒音は彼を悩ませませんでした。彼はそれに対して全く無関心だったのです。
※ この例文は、周囲で起こっている出来事や状況(ここでは騒音)に対して、全く気にしない、影響を受けない、という『無関心』な態度を表しています。まるで自分の世界に入っていて、外部からの刺激に反応しないような情景が目に浮かびます。『quite indifferent』のように、『quite(かなり)』を付けて、その無関心さが強いことを示すこともできます。
どうでもいい
重要でない、どちらでも構わないという意味合い。選択肢や結果に対して、特にこだわりがない状態を示す。しばしば、消極的な選択や放棄のニュアンスを伴う。
I'm indifferent to where we sit; any table is fine.
どこに座っても私はどうでもいいよ。どの席でも大丈夫だから。
※ 情景:友達とレストランにいる場面を想像してみてください。友達が「窓際の席がいい?それとも奥の席?」と聞いてきた時、「どちらでもいいよ、こだわりはないよ」と答えるような気持ちです。この例文は、いくつかの選択肢がある時に、特にこだわりがなく「どちらでも構わない」という無関心さを伝える典型的な使い方です。文法:be indifferent to 〜 で「〜に対して無関心である/どうでもいいと思っている」という形を覚えるのがポイントです。
He was completely indifferent to his team's loss.
彼は自分のチームの敗北に全く無関心だった。
※ 情景:試合を見ていた彼が、応援しているチームが負けたにもかかわらず、全く表情を変えず、がっかりする様子もない場面を思い浮かべてください。彼は勝敗に全く興味がなかったのです。「indifferent」が、感情や関心が全くない、冷淡な様子を表す時によく使われます。「どうでもいい」という気持ちが非常に強いことを強調するために"completely"(完全に)が使われています。
She felt indifferent about the new fashion trends.
彼女は新しい流行のファッションについてどうでもいいと感じていた。
※ 情景:雑誌で最新のファッションを見ても、彼女は「ふーん、そうなんだ」と思うだけで、特に欲しいとも思わないし、興味も湧かない。そんな気持ちを表しています。「indifferent」は、特定の物事や話題に対して「特に何も思わない」「興味がない」というニュアンスで使われます。感情の動きがないことを示す「feel indifferent」(どうでもいいと感じる)という表現も自然です。「to」の代わりに「about」を使うこともできるので、一緒に覚えておくと便利です。
公平な
どちらにも偏らず、中立的な立場であること。感情や利害関係に左右されず、客観的に判断する様子を表す。裁判や評価の文脈で使われることが多い。
The teacher remained indifferent to students' individual preferences when grading their projects.
先生は生徒たちの個人的な好みに左右されず、公平に課題を採点しました。
※ この文では、先生が個人的な感情や好き嫌いにとらわれず、客観的に評価する様子を表しています。「公平な」というニュアンスがよく伝わります。remain indifferent to ~ で、「~に対して公平な(無関心な)ままでいる」という意味になりますが、この文脈では「公平な」と理解するのが自然です。
A good judge stays indifferent to public opinion and applies the law fairly.
良い裁判官は世論に左右されず、公平に法律を適用します。
※ 裁判官が世間の意見や感情に流されず、中立的な立場で判断する様子を描写しています。このように、感情や外部からの圧力に左右されず、客観的であることを「indifferent」と表現します。stay indifferent to ~ で、「~に対して公平な(無関心な)ままでいる」と解釈します。
The hiring manager must be indifferent to a candidate's background, focusing only on their skills.
採用担当者は、候補者の経歴に関係なく、スキルのみに焦点を当てて公平でなければなりません。
※ 採用担当者が、年齢や性別、出身地などの個人的な情報ではなく、純粋に能力だけで判断する公平な態度を表しています。be indifferent to ~ で「~に対して公平である」という意味になります。ビジネスの文脈でもよく使われる「公平さ」の例です。
コロケーション
苦しみに対して無関心である、苦痛を意に介さない
※ 他者の苦しみや悲惨な状況に対して感情的な反応を示さない状態を指します。これは単に「興味がない」というよりも、倫理的な問題や人道的な配慮が欠けているというニュアンスを含みます。ニュース記事や社会問題に関する議論でよく見られ、しばしば批判的な意味合いで使用されます。例えば、「The government seemed indifferent to the suffering of the refugees.(政府は難民の苦しみに対して無関心であるようだった)」のように使われます。 'indifferent to' の構文は、特定の対象に対する無関心を表す際に非常に一般的です。
傍観者、無関心な観察者
※ 特定の出来事や状況に関与せず、ただ見ているだけの人物を指します。この表現は、観察者が本来なら何らかの行動を起こすべきなのに、無関心であるという批判的な意味合いを含むことがあります。例えば、歴史的な出来事や社会的な不正を目の当たりにしながら、何もしない人々を指す場合に用いられます。文学作品や歴史的分析でよく見られます。 'observer' は名詞で、'indifferent' がその性質を修飾する形です。
並以下の品質、良くも悪くもない品質
※ 製品やサービスの品質が平均以下であることを婉曲的に表現する際に用いられます。直接的に「悪い」と言う代わりに、「良くも悪くもない」と言うことで、柔らかい印象を与えます。ビジネスシーンやレビューなどで、客観的な評価を避けたい場合に便利です。例えば、「The restaurant served food of indifferent quality.(そのレストランは並以下の品質の料理を出した)」のように使われます。 'quality' は名詞で、'indifferent' がその品質の程度を表す形容詞として機能します。
無関心のままでいる、依然として無関心である
※ ある出来事や状況に対して、感情や関心を抱かない状態が継続していることを表します。これは、変化を期待していたにも関わらず、相手の態度が変わらない場合に失望感を伴って使われることがあります。報道記事や政治的な声明などでよく見られます。「Despite the protests, the company remained indifferent to the environmental concerns.(抗議にもかかわらず、会社は環境問題に対して依然として無関心だった)」のように使われます。 'remain' は状態を表す動詞で、'indifferent' がその状態を説明する補語として機能します。
批判を意に介さない、批判に無頓着である
※ 他者からの批判や非難に対して、動じない、または気にしていない様子を表します。これは、自信の表れである場合もあれば、傲慢さや無神経さを示す場合もあります。政治家や有名人など、公の場で活動する人物に対して使われることが多いです。「The politician seemed indifferent to the criticism of his policies.(その政治家は自身の政策への批判を意に介していないようだった)」のように使われます。 'indifferent to' の構文は、特定の対象に対する無関心を表す際に非常に一般的です。
誰かにとってはどうでもよいことである、誰にも影響を与えない
※ ある事柄が特定の人々にとって重要ではなく、感情的な反応を引き起こさない状態を指します。例えば、政策の変更が一部の地域には大きな影響を与える一方で、他の地域にはほとんど影響を与えない場合などに使われます。社会学的な研究や政策分析などで見られます。「The new tax law affected the wealthy significantly, but affected the poor indifferently.(新しい税法は富裕層には大きな影響を与えたが、貧困層にはほとんど影響を与えなかった)」のように使われます。 'affect' は動詞で、'indifferently' がその影響の度合いを修飾する副詞として機能します。
使用シーン
学術論文や研究発表で、客観的な立場や中立性を強調する際に用いられます。例えば、心理学の研究で「被験者は特定の刺激に対して無関心な反応を示した」のように、感情的な偏りを避けたい場合に利用されます。文語的な表現です。
ビジネスシーンでは、市場調査報告書や顧客分析レポートなどで、特定の属性に対する顧客の反応を記述する際に使用されます。「若年層は、従来のマーケティング手法に対して無関心である」のように、客観的なデータ分析の結果を示す文脈で使われます。フォーマルな文書で使われる傾向があります。
日常会話ではあまり使われませんが、ニュース記事や評論などで、政治や社会問題に対する人々の態度を説明する際に目にすることがあります。「多くの国民は、政治の現状に無関心になっている」のように、やや批判的なニュアンスを含むことがあります。書き言葉として使われることが多いです。
関連語
類義語
無感動、無関心、感情の欠如を表す。精神的な状態や性格を表すのに使われることが多い。学術的な文脈や心理学的な議論でよく見られる。 【ニュアンスの違い】"Indifferent"よりも感情の欠如が強く、より深刻な無関心を示唆する。しばしば、病的な状態や精神的な問題を背景に持つ。 【混同しやすい点】"Indifferent"は対象に対する関心の欠如を意味するが、"apathetic"は感情全般の欠如を意味することがある。そのため、対象が特定されている場合に"apathetic"を使うと不自然になることがある。
心配していない、気にかけていないという意味。特定の問題や状況に対する無関心を示す。日常会話やニュース記事などで使われる。 【ニュアンスの違い】"Indifferent"と同様に関心の欠如を示すが、"unconcerned"は特に不安や心配がない状態を強調する。楽観的なニュアンスを含む場合もある。 【混同しやすい点】"Indifferent"は感情的な中立性を示すが、"unconcerned"は問題に対する認識はあるものの、特に気に留めていないというニュアンスがある。そのため、深刻な問題に対して"unconcerned"を使うと、無神経と受け取られる可能性がある。
客観的で感情的に距離を置いている状態を表す。報道、学術的な分析、人間関係など、感情的な関与を避けたい状況で使われる。 【ニュアンスの違い】"Indifferent"よりも意図的な感情の抑制や距離感が強調される。冷静さや客観性を保つために感情を切り離しているニュアンスがある。 【混同しやすい点】"Indifferent"は単なる無関心だが、"detached"は意識的な感情の分離を意味する。そのため、個人的な問題に対して"detached"を使うと、冷たい印象を与えることがある。
無頓着で、気にしていない様子を表す。日常会話でよく使われ、特に努力を要しない状況や結果に対して用いられる。 【ニュアンスの違い】"Indifferent"よりも表面的な無関心を示し、実際には内心で気にかけている可能性もある。余裕があるように見せかける意図が含まれることもある。 【混同しやすい点】"Indifferent"は真の無関心を表すが、"nonchalant"は表面的である。重要な場面で"nonchalant"な態度をとると、不真面目だと誤解される可能性がある。
興味がない、関心がないという意味。特定の活動、話題、人などに対する関心の欠如を示す。日常会話で頻繁に使われる。 【ニュアンスの違い】"Indifferent"と非常に近い意味を持つが、"uninterested"はより直接的に興味の欠如を表現する。特定の対象に対する関心の欠如を明確に示したい場合に適している。 【混同しやすい点】"Indifferent"は感情的な中立性を含む場合があるが、"uninterested"は純粋に興味がないことを意味する。そのため、状況によっては"indifferent"の方がより穏やかな表現になる。
無情で冷酷、他人の苦しみに対して無関心な様子を表す。道徳的な非難を含む強い言葉で、文学作品や倫理的な議論で使われる。 【ニュアンスの違い】"Indifferent"よりも強い非難のニュアンスを含み、他者への共感の欠如を示す。倫理的・道徳的な問題が絡む状況で使われることが多い。 【混同しやすい点】"Indifferent"は単なる無関心だが、"callous"は他者の苦しみに対する積極的な無視や軽視を意味する。そのため、安易に"callous"を使うと、相手を深く傷つける可能性がある。
派生語
名詞で「違い、相違、区別」。動詞 differ(異なる)から派生し、接尾辞 -ence は名詞化を示す。indifferent は文字通り「違いがない」状態を指すため、difference はその違いそのものを表す。日常会話から学術論文まで幅広く使用される。
動詞で「区別する、識別する」。difference から派生し、接尾辞 -ate は動詞化を示す。indifferent が「区別しない」という受動的な意味合いを持つ一方、differentiate は積極的に区別する行為を表す。ビジネスや科学技術分野で頻繁に使われる。
形容詞で「差を示す、区別的な」。名詞 difference から派生し、接尾辞 -al は形容詞化を示す。数学や経済学で「差分」の意味でも用いられる。indifferent が無関心さを示すのに対し、differential は明確な差や区別に焦点を当てる。学術論文や専門的な文書でよく見られる。
反意語
形容詞で「気にかけている、心配している」。indifferent が無関心であるのに対し、concerned は強い関心や注意を払っている状態を表す。日常会話やニュース記事で頻繁に使用され、indifferent の直接的な対義語として機能する。
形容詞で「興味を持っている」。indifferent が興味や関心がない状態を示すのに対し、interested は何かに対して強い興味を持っている状態を表す。日常会話でよく使われ、indifferent の一般的な対義語として認識される。
形容詞で「情熱的な、熱烈な」。indifferent が感情の欠如を示すのに対し、passionate は強い感情や熱意を持っている状態を表す。芸術、恋愛、政治など、感情が重要な文脈で特に有効な対義語となる。
語源
"Indifferent"は、ラテン語の"differre"(異なる、区別する)に由来します。接頭辞"in-"は否定を表し、「~でない」という意味を加えます。したがって、"indifferent"は直訳すると「区別しない」となります。これは、物事を区別して重要視しない、つまり「無関心な」状態を表しています。例えば、複数の選択肢がある際にどれを選んでも同じように感じて「どうでもいい」と思う心情や、どちらの側にも肩入れせず「公平な」態度を保つ様子を指します。日本語で例えるなら、「どっちでもいい」という言葉が、この単語のニュアンスに近いかもしれません。
暗記法
「無関心(indifferent)」は単なる感情の欠如ではない。西洋では、社会への責任放棄とみなされ、非難の対象となる。ダンテの『神曲』では、善悪どちらもなさなかった無関心な人々が地獄で最も惨めな場所に追いやられる。市民革命以降、無関心は民主主義の危機として警戒され、現代では自己中心的、責任放棄と批判される。ただし、過剰な情報から精神を守るための、意図的な無関心も存在する。
混同しやすい単語
『indifferent』と『different』は、どちらも日常会話で頻繁に使われる形容詞であり、スペルも似ているため混同しやすいです。特に、語頭の 'in-' と 'di-' の違いを見落としがちです。『different』は「異なる、違う」という意味で、対象間の差異を指しますが、『indifferent』は「無関心な、どうでもいい」という意味で、感情や関心の欠如を表します。日本人学習者は、文脈をよく読んで、どちらの単語が適切か判断する必要があります。
『indifferent』と『incident』は、語頭の 'in-' が共通しているため、スペルを誤って記憶してしまうことがあります。『incident』は「出来事、事件」という意味の名詞であり、何かが起こったことを指します。一方、『indifferent』は感情や態度を表す形容詞です。発音も異なります。『indifferent』は /ɪnˈdɪfərənt/、『incident』は /ˈɪnsɪdənt/ です。特に、アクセントの位置が異なることに注意してください。
『indifferent』と『infer』は、スペルの一部が似ているため、特に書き言葉で混同されることがあります。『infer』は「推測する、推論する」という意味の動詞であり、証拠や情報に基づいて結論を導き出すことを指します。一方、『indifferent』は感情や態度を表す形容詞です。また、発音も異なります。『indifferent』は /ɪnˈdɪfərənt/、『infer』は /ɪnˈfɜːr/ です。文脈から品詞を判断することで、区別することができます。
『indifferent』と『indigence』は、語頭の 'ind-' が共通しているため、スペルが似ていると感じられることがあります。『indigence』は「困窮、貧困」という意味の名詞であり、経済的に非常に苦しい状態を指します。一方、『indifferent』は感情や態度を表す形容詞です。発音も異なります。『indifferent』は /ɪnˈdɪfərənt/、『indigence』は /ˈɪndɪdʒəns/ です。意味が全く異なるため、文脈から判断することが重要です。
『indifferent』と『influence』は、どちらも 'in' で始まる長い単語であるため、スペルを混同しやすいことがあります。『influence』は「影響(力)、感化」という意味の名詞または動詞であり、人や物事に何らかの変化を与えることを指します。一方、『indifferent』は感情や態度を表す形容詞です。また、発音も異なります。『indifferent』は /ɪnˈdɪfərənt/、『influence』は /ˈɪnfluəns/ です。特に、'flu' の部分の発音の違いに注意してください。
『indifferent』と『confident』は、接尾辞 '-ent' が共通しているため、スペルを誤って記憶してしまうことがあります。『confident』は「自信のある、確信している」という意味の形容詞であり、自分の能力や成功を信じている状態を指します。一方、『indifferent』は感情や態度を表す形容詞です。語源的に見ると、'confident' は「完全に信頼する」という意味のラテン語 'confidere' に由来し、'indifferent' は「差がない」という意味のラテン語 'indifferens' に由来します。意味の違いを意識することで、混同を防ぐことができます。
誤用例
『indifferent』は単に『無関心』というより、『どちらでも良い』『重要でない』というニュアンスが強く、結果に興味がないという文脈では不自然です。選挙という社会的に重要な事柄に対して使うと、冷淡な印象を与えかねません。より適切なのは、政治に対する関心の低さを示す『apathetic』です。日本人が『無関心』を安易に『indifferent』と訳してしまう背景には、英語のニュアンスに対する理解不足があります。
『indifferent』は、感情がない状態、つまり『中立』に近い意味合いを持ちます。他者の苦しみに対して『indifferent』だと、文字通りには『苦しみに対して中立』となり、文脈によっては不適切です。他者の苦しみに対して感情が動かない、という意味合いを強調するなら、『unmoved』がより適切です。日本人は『無関心』という言葉を、感情の欠如と捉えがちですが、英語では感情の欠如を強調する場合には別の語彙を選ぶ必要があります。
食べ物に対して『indifferent』を使うと、食べ物が感情を持っていない、あるいは中立であるという意味になり、不自然です。食べ物の味が『普通』『可もなく不可もなく』という意味で使いたい場合は、『mediocre』が適切です。日本人が『どちらでもない』というニュアンスを表現する際に、安易に『indifferent』を使ってしまうのは、英語の語感に対する理解不足が原因です。また、日本語の『まあまあ』という表現を直訳しようとする際に、適切な英語が見つからず、不適切な単語を選んでしまうこともあります。
文化的背景
「indifferent(無関心)」は、単なる感情の欠如ではなく、社会的な義務や責任からの意図的な距離を示す言葉として、西洋文化では時に強い非難の対象となります。特に、困窮者や不正に対する無関心は、道徳的欠陥とみなされることがあります。
この言葉が持つ負のニュアンスは、キリスト教的な価値観と深く結びついています。中世ヨーロッパでは、神への愛と隣人愛は不可分なものであり、他者の苦しみに対する無関心は、神への不敬と見なされました。ダンテの『神曲』地獄篇には、生前に善も悪もなさなかった「無関心な人々」が登場し、地獄の中でも最も惨めな場所に追いやられています。これは、積極的な悪よりも、無関心こそが罪深いという考え方を象徴的に表しています。
近代に入ると、「indifferent」は、政治的な文脈でも重要な意味を持つようになります。市民革命以降、社会参加や政治的関与が市民の義務とされ、無関心は民主主義の危機を招くものとして警戒されるようになりました。エドマンド・バークは「悪が勝利するために必要なことは、善人が何もしないことだ」と述べましたが、これは無関心の危険性を強く訴える言葉として、現代でも頻繁に引用されます。
現代社会においては、グローバルな規模での貧困や環境問題など、個人の力では解決できない問題が山積しています。このような状況下で、無関心は、自己中心的な態度や責任放棄の表れとして、より一層強い批判の対象となります。「indifferent」という言葉の背後には、社会の一員としての責任を果たすべきだという倫理的な要請が込められているのです。ただし、過剰な情報に晒され続けた結果、意図的に無関心を選択する人も存在します。これは必ずしも利己的な動機からではなく、精神的な均衡を保つための防衛機制である場合もあります。そのため、「indifferent」という言葉を使う際には、その背景にある複雑な事情を考慮する必要があります。
試験傾向
- 出題形式: 主に語彙問題、長文読解、稀にリスニング
- 頻度と級・パート: 準1級、1級で頻出。2級でも長文読解で登場する可能性あり
- 文脈・例題の特徴: 社会問題、環境問題、科学技術など幅広いテーマで登場。意見論述問題のキーワードとしても重要
- 学習者への注意点・アドバイス: 名詞形(indifference)と形容詞形(indifferent)の両方を覚え、文脈に応じた意味を理解する。類義語(apathy, unconcerned)とのニュアンスの違いを意識する
- 出題形式: 主にPart 5, 6の語彙問題、Part 7の長文読解
- 頻度と級・パート: Part 5, 6で時々出題。Part 7でも読解のキーとなる場合がある
- 文脈・例題の特徴: ビジネスシーン(顧客対応、市場調査、従業員満足度など)で使われることが多い
- 学習者への注意点・アドバイス: 「無関心」だけでなく、「重要でない」という意味も理解する。派生語(indifferently)の副詞形も押さえる
- 出題形式: 主にリーディングセクションの長文読解
- 頻度と級・パート: アカデミックな文章で頻出
- 文脈・例題の特徴: 歴史、社会科学、自然科学など幅広い分野で登場。筆者の態度や意見を把握する上で重要
- 学習者への注意点・アドバイス: 抽象的な概念や議論の中で使われることが多い。文脈から正確な意味を推測する練習をする。同義語(aloof, detached)との使い分けを理解する
- 出題形式: 主に長文読解、語彙問題
- 頻度と級・パート: 難関大学で頻出。標準的な大学でも出題される可能性あり
- 文脈・例題の特徴: 社会問題、国際関係、哲学など、やや硬めのテーマで登場
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈の中で多義的な意味を理解する必要がある。類義語や反意語(enthusiastic, concerned)を合わせて覚えることで、理解が深まる