fetch
母音 /e/ は日本語の「エ」よりも口を少し横に開いて発音します。/tʃ/ は「チ」と発音しようとすると、音が強すぎる傾向があるので、息を強く出すイメージで、かつ、摩擦音を意識すると自然に聞こえます。日本語の「チ」のように舌先を歯茎につけるのではなく、舌全体を上あごに近づけて発音するのがポイントです。
取ってくる
指定された場所へ行って物や人を持って戻ってくる動作。犬がボールを取ってくるイメージ。依頼されたものを探し出して持ってくる意味合いも含む。
My happy dog ran to fetch the red ball I threw.
私の元気な犬は、私が投げた赤いボールを取ってくるために走っていった。
※ 【情景】公園で、飼い主が投げたボールを、犬が嬉しそうに走り出し、それをくわえて戻ってくる様子が目に浮かびますね。 【なぜ典型的か】「fetch」は犬が物を「取ってくる」動作を表すときに最もよく使われる単語の一つです。愛犬との楽しいひとときを表現するのにぴったりです。 【ヒント】「fetch + 物」で「物を取ってくる」という意味になります。
Could you please fetch some fresh fruit from the market for me?
私に市場から新鮮な果物をいくつか取ってきていただけますか?
※ 【情景】お家で、誰かに買い物をお願いする時の、少し丁寧な言い方ですね。市場の活気や、新鮮な果物の色と香りが想像できます。 【なぜ典型的か】相手に何かを「取ってきてほしい」と依頼する際にも使われる、丁寧で一般的な表現です。特に、少し離れた場所から何かを持ってきてもらうニュアンスがあります。 【ヒント】「Could you please fetch...?」は「〜を取ってきていただけますか?」という丁寧な依頼の形です。
I need to fetch my laptop from the car before the meeting starts.
会議が始まる前に、車から私のノートパソコンを取ってこないといけない。
※ 【情景】会議が始まる直前で、車に忘れてきた大切なパソコンを急いで取りに戻る、少し焦った状況が目に浮かびますね。 【なぜ典型的か】自分で何かを「取りに行く」必要がある場合にも使われます。特に、一度離れた場所から戻って取りに行くニュアンスが強いです。 【ヒント】「need to fetch...」で「〜を取りに行く必要がある」という意味になります。ビジネスシーンでも使えますよ。
呼び出す
情報やデータを要求して取得する。IT用語で、データベースやAPIから情報を得る際に使われることが多い。
The nurse will fetch you when the doctor is ready for your turn.
先生の準備ができたら、看護師があなたをお呼びします。
※ 病院の待合室で、自分の名前が呼ばれるのを少し緊張しながら待っている情景を想像してみてください。この文は、看護師が「あなたを迎えに来て、診察室へ連れて行く」という、丁寧な「呼び出し」のニュアンスを伝えています。診察や面会などで、順番が来た人を迎えに行く際によく使われる表現です。
My dog loves to fetch his favorite squeaky toy from under the sofa.
私の犬は、ソファの下からお気に入りのピーピー鳴るおもちゃを持ってくるのが大好きです。
※ 元気な犬が、隠れたおもちゃを見つけて、楽しそうに飼い主の元へ運んでくる可愛らしいシーンが目に浮かびますね。「fetch」は、犬が投げられたボールなどを「取ってきて、持ってくる」という意味で非常によく使われます。この例文では、何かを「取りに行って、持ち帰る」という「fetch」の基本的な動きがよくわかります。
I need to fetch some important documents from the office before it closes today.
今日、閉まる前にオフィスから重要な書類をいくつか持ってこなければなりません。
※ 仕事終わりに、急いでオフィスに戻って忘れ物を取りに行くような、少し焦りを感じる場面です。「fetch」は、単に「取る」だけでなく、「(どこかへ行って)取ってきて、手元に持ってくる」というニュアンスが強く含まれます。ビジネスシーンや日常で「取りに行く」「持ってくる」と表現したい時に便利です。
策略
人を引きつける魅力や策略。比喩的な意味合いで使われる。
The little boy pretended to be asleep, a clever fetch to get more cookies when his mom wasn't watching.
その小さな男の子は寝たふりをした。お母さんが見ていない隙にもっとクッキーをもらうための巧妙な策略だった。
※ この例文は、子供が何かを得るために可愛らしい「ずる賢さ」を使う場面を描いています。寝たふりをして親の目を盗むという具体的な行動が、"fetch"が指す「策略」を鮮明にイメージさせます。このような日常的で、比較的無害な状況で使われることで、単語の意味がより身近に感じられます。特に、"a clever fetch"のように形容詞と組み合わせて使われることで、その策略の性質が明確になります。"fetch"はここでは数えられる名詞として使われ、動詞の"fetch"(〜を取ってくる)とは全く異なる意味なので注意しましょう。この「fetch(策略)」という名詞の使い方は、現代の日常会話ではあまり頻繁には使われませんが、物語や少し古風な表現で、巧みな計画や工夫を指す際に登場することがあります。
With a sly smile, the old man made a surprising move, a brilliant fetch to win the chess game.
ずる賢い笑みを浮かべながら、老人は驚くべき一手を出した。チェスの試合に勝つための見事な策略だった。
※ チェスの試合で、老人が相手を出し抜くために見事な一手を使う場面です。彼の「ずる賢い笑顔」が、その一手がいかに計算された「策略」であるかを物語っています。競争の場面で、相手を出し抜くための「巧みな手」や「作戦」として"fetch"が使われることがあります。特に、頭脳戦を伴うゲームやスポーツで、相手の裏をかくような行動を指す際に適しています。"a brilliant fetch"のように、"fetch"の前に形容詞を置いて、どのような種類の策略だったかを説明することができます。この意味の"fetch"は、現代英語では比較的フォーマルな文脈や、特定の文学作品などで見かけることが多いです。日常会話では"trick"や"tactic"の方が一般的でしょう。
She acted completely calm, which was a simple fetch to hide her nervousness before the big presentation.
彼女は完全に落ち着いているふりをした。それは大勢の前でのプレゼンテーションの前に、自分の緊張を隠すための単純な策略だった。
※ 大勢の前でのプレゼンテーションという緊張する場面で、自分の本当の感情(緊張)を隠そうと、平静を装う女性の姿を描いています。自分の感情や意図を隠すための「見せかけ」や「ごまかし」として"fetch"が使われることがあります。特に、人前での振る舞いや、心理的な駆け引きの場面でこの意味合いが活きてきます。"a simple fetch to hide..." のように、"to + 動詞の原形" を続けて、その策略の目的を説明する形は非常に自然です。この「策略」としての"fetch"は、現代英語では少々古めかしい響きがあります。より一般的な表現としては"pretense"(見せかけ)や"ploy"(策略)などがありますが、この例文のように、特定の意図を持った行動を指す際に使われることがあります。
コロケーション
医者を連れてくる、呼びに行く
※ 緊急時に医者をすぐに呼ぶ必要がある状況で使われます。現代では電話で呼ぶのが一般的ですが、fetchは文字通り『(誰かを)取りに行く』ニュアンスが残っており、急を要する状況を強調します。単に『call a doctor』と言うよりも、事態の深刻さを伝えられます。口語的で、フォーマルな場面では 'summon a doctor' の方が適切でしょう。
(人の)お使いをする、雑用をする
※ 文字通り『取ってきて運ぶ』という意味から、誰かのために色々な雑用をすることを指します。しばしば、目下の人や召使いが上の人に言われて雑用をする、というニュアンスを含みます。軽蔑的な意味合いを帯びることもあり、使う場面には注意が必要です。例:He was tired of fetching and carrying for his boss.(彼は上司の雑用にうんざりしていた)
(ある価格で)売れる、取引される
※ 物が市場でどのくらいの価値があるか、いくらで売れるかを表現する際に使われます。オークションや不動産など、価格が変動する可能性があるものに使われることが多いです。例:The painting is expected to fetch a high price at auction. (その絵画はオークションで高値で売れると予想されている)。 'fetch a good price' (良い値段で売れる) のように使われることもあります。
笑顔を引き出す、微笑ませる
※ ある行動や出来事が誰かを笑顔にさせる、または微笑ませることを意味します。直接的な原因というよりは、間接的に感情を引き出すような状況で使われます。例えば、ジョークや優しい言葉などが笑顔を引き出す場合に使われます。'bring a smile to someone's face'と似た意味ですが、'fetch'はより間接的なニュアンスを含みます。
データを取得する、読み込む
※ IT分野でよく使われる表現で、データベースやサーバーからデータを取得することを指します。プログラミングやデータ分析の文脈で頻繁に登場します。'retrieve data' とほぼ同義ですが、'fetch'はより具体的な動作(例えば、特定のAPIエンドポイントからデータを取得する)を指すことが多いです。例:The program fetches data from the server every hour. (そのプログラムは1時間ごとにサーバーからデータを取得します)。
水を汲んでくる
※ 井戸や川などから水を汲んでくる、という文字通りの意味です。現代生活では水道が普及していますが、発展途上国や昔の生活を描写する際に使われます。比喩的に、困難な状況で必要なもの(知識、情報など)を得るために努力することを表すこともあります。例:They had to fetch water from the well every day. (彼らは毎日井戸から水を汲んでこなければならなかった)
(意図せず)ある場所にたどり着く、行き着く
※ 人が旅の末に、あるいは何らかの出来事の結果として、特定の場所に予期せず到着することを意味します。しばしば、疲労や混乱、あるいは不本意な状況を伴います。例:After wandering for hours, we fetched up at a small village. (何時間もさまよった後、私たちは小さな村にたどり着いた)。 'end up' と似た意味ですが、'fetch up' はより偶然性や予期せぬ結果を強調します。
使用シーン
学術論文や研究発表で、データや情報を「取得する」「引き出す」という意味で使用されます。例えば、プログラミング分野で「APIからデータをfetchする」のように、専門的な文脈で使われることが多いです。心理学の研究で、「被験者の反応をfetchする(引き出す)」というように、実験データを収集する場面でも見られます。
ビジネスシーンでは、システム開発やデータ分析の文脈で使われることがあります。例えば、「データベースから必要な情報をfetchする」というように、技術的な内容を説明する際に用いられます。日常的なビジネス会話ではあまり使われませんが、IT関連のプロジェクトでは比較的耳にする機会があるかもしれません。
日常会話では、犬にボールを「取ってこさせる」ような具体的な動作を表す場合に使われることがあります。しかし、より一般的な表現としては「get」や「bring」が好まれます。ニュース記事やドキュメンタリーなどでは、「情報をfetchする」という比喩的な意味で使われることもありますが、頻度は高くありません。
関連語
類義語
『手に入れる』という意味で、日常会話で最も一般的に使われる。物や情報、人を手に入れるなど、幅広い対象に使える。 【ニュアンスの違い】『fetch』よりも汎用性が高く、フォーマルな場面では『obtain』などが好まれる。『fetch』は『get』よりも、少し遠くまで取りに行く、あるいは特定の場所から持ってくるというニュアンスが強い。 【混同しやすい点】『get』は非常に多義語であり、文脈によって意味が大きく変わる点に注意。また、『get』は自動詞としても他動詞としても使われる。
『取り戻す』『回収する』という意味で、失われたものや元の場所から離れたものを取り返す際に使われる。ビジネスや学術的な文脈でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】『fetch』よりもフォーマルで、より注意深く、体系的に何かを取り戻すというニュアンスがある。データや情報、犬がボールを取りに行く場合などにも使われる。 【混同しやすい点】『retrieve』は、単に『取る』だけでなく、『元の状態に戻す』というニュアンスを含む点に注意。犬が物を『fetch』するのはretrieveとは言わない。
『持ってくる』という意味で、話し手のいる場所に何かを持ってくることを指す。日常会話で頻繁に使われる。 【ニュアンスの違い】『fetch』とは異なり、『bring』は話し手の場所への移動を伴う。『fetch』は『行って、持って帰ってくる』という一連の動作を含むのに対し、『bring』は『持ってくる』という行為そのものに焦点を当てる。 【混同しやすい点】『bring』は移動の方向が重要で、話し手に向かってくる場合に使う。話し手から離れる場合は『take』を使う。
『獲得する』『習得する』という意味で、努力や時間を通じて何かを得る場合に使う。知識、スキル、財産などを得る際に用いられ、フォーマルな場面に適している。 【ニュアンスの違い】『fetch』のように物理的に何かを取りに行くという意味合いはなく、より抽象的な概念や価値を手に入れるというニュアンスが強い。ビジネスや学術的な文脈で使われることが多い。 【混同しやすい点】『acquire』は、単に『手に入れる』だけでなく、『努力して獲得する』というニュアンスを含む点に注意。物理的な物だけでなく、資格やスキルなどにも使える。
『集める』という意味で、複数のものを一つにまとめる際に使う。コレクションやデータを集めるなど、様々な場面で用いられる。 【ニュアンスの違い】『fetch』のように特定の場所から何かを持ってくるという意味合いはなく、様々な場所にあるものを集めてくるというニュアンスが強い。趣味のコレクションやアンケートの回答などを集める際に使われる。 【混同しやすい点】『collect』は複数のものを対象とする場合が多く、単一のものを『fetch』するのとは異なる。切手やコインをcollectする。
- pick up
『拾う』『(車などで)迎えに行く』という意味で、地面に落ちているものを拾ったり、人を車で迎えに行く際に使う。日常会話でよく使われる口語表現。 【ニュアンスの違い】『fetch』のように特定の場所から何かを持ってくるという意味合いもあるが、『pick up』はよりカジュアルで、軽いニュアンスを持つ。また、電話に出るという意味もある。 【混同しやすい点】『pick up』は、地面から何かを拾い上げる場合や、人を車で迎えに行く場合など、特定の状況で使われることが多い。『fetch』よりも口語的で、フォーマルな場面には不向き。
派生語
- fetching
現在分詞・動名詞で、「人の心を惹きつける」「魅力的な」という意味合いを持つ形容詞としても使われます。元々の『取りに行く』という動作から転じて、人を引き寄せる魅力、つまり『人を惹きつける』という意味に発展しました。日常会話で褒め言葉として使われることが多いです。(例:a fetching dress = 素敵なドレス)
- fetchingly
副詞で、「魅力的に」「人を惹きつけて」という意味です。形容詞 fetching に接尾辞 -ly が付加された形で、動詞を修飾します。例えば、『She smiled fetchingly.(彼女は魅力的に微笑んだ)』のように使われます。日常会話よりも、やや文学的な表現や、広告などで使われることがあります。
- far-fetched
形容詞で、「ありそうもない」「信じがたい」「こじつけの」という意味です。遠くまで(far)取りに行く(fetch)というイメージから、現実からかけ離れている、無理があるという意味に発展しました。ニュース記事や議論などで、根拠が薄弱な主張を批判する際に使われます。(例:a far-fetched idea = 突飛なアイデア)
反意語
「与える」という意味の基本的な動詞です。fetch が「(どこかから)持って来る」という能動的な行為であるのに対し、give は「(誰かに)渡す」という行為を指し、方向性が逆です。日常会話で頻繁に使われ、fetch と対比することで、物の移動における主体と方向の違いを明確にできます。(例:Fetch me the book. vs. Give the book to him.)
「失う」という意味の動詞です。fetch が何かを得る、取り戻す行為であるのに対し、lose は何かを手放す、失う行為を指します。例えば、fetch a ball (ボールを取ってくる) に対して、lose a ball (ボールを失くす) のように使われます。日常会話からビジネスシーンまで幅広く使われ、fetch と対比することで、所有権の移動における取得と喪失の違いを明確にできます。
「捨てる」「放棄する」という意味の動詞です。fetch が何かを収集・獲得する行為であるのに対し、discard は不要なものを手放す行為を指します。特に、不要な情報やデータ、計画などを捨てるという意味で使われることが多いです。ビジネス文書や技術文書などでよく見られ、fetch と対比することで、価値の有無に基づく選択的な行動の違いを明確にできます。(例:fetch useful data vs. discard irrelevant data)
語源
"fetch」は古英語の「feccan」(意味:手に入れる、つかむ、持ってくる)に由来します。これはゲルマン祖語の「*fetjanan」(意味:運ぶ、連れてくる)から派生したと考えられています。さらに遡ると、インド・ヨーロッパ祖語の語根「*ped-」(意味:足、歩く)に関連がある可能性が指摘されています。つまり、「fetch」の根底には「足を使って何かを取りに行く」というイメージがあるのです。現代英語では、文字通り「取ってくる」という意味の他に、「(情報などを)呼び出す」「策略を弄する」といった意味合いにも発展しており、もともとの「手に入れる」という核となる意味が、抽象的な概念へと広がったことがわかります。日本語で例えるなら、「足を運んで手に入れる」という行動が、転じて「情報を引き出す」や「策略を巡らす」といった意味に派生したと考えると理解しやすいでしょう。
暗記法
「fetch」は単に物を取る行為を超え、主従関係を象徴する言葉として文化に根ざしています。貴族が召使いに、飼い主が犬に何かを「fetch」させる場面は、権威と忠誠を視覚的に示すメタファーとして文学や映画で繰り返し描かれてきました。「fetch a doctor」のように、緊急時における他者への依存や、人の注意を引く魅力も暗示します。現代でも、ペットとの信頼関係を深める行為として、その文化的背景は息づいています。
混同しやすい単語
『fetch』と母音と子音の一部が共通するため、発音が曖昧だと混同しやすい。綴りも似ている。意味は『捕まえる』であり、対象を移動させる『fetch』とは異なる。catch は動作の完了、fetch は動作の結果(対象の移動)に焦点がある点を意識すると良い。
母音と末尾の子音が一致しており、発音が似ているため聞き間違いやすい。スペルも 'f' と 'p' の違いのみ。意味は『継ぎ』や『(コンピュータの)修正プログラム』。語源的には、patch は古フランス語の『一片』を意味する言葉に由来し、fetch は古英語の『得る』を意味する言葉に由来するため、関連性は薄い。
『fetch』と語尾の発音が非常に似ており、特に早口の場合や音声品質が悪い場合に聞き分けにくい。意味は『吐き気を催す』であり、fetch の『取りに行く』とは全く異なる。retch は、身体的な不快感を表す単語として覚えておくと良い。
母音の音が類似しており、特に母音を意識せずに発音すると混同しやすい。スペルは全く異なるが、短く発音される単語である点が共通している。意味は『太った』や『脂肪』であり、名詞または形容詞として使われる。fetch は動詞であるため、文法的な役割も異なる。
スペルの一部('fea')が共通しており、視覚的に混同しやすい。また、発音も最初の部分が似ている。意味は『特徴』や『特色』であり、名詞として使われることが多い。feature は、ある対象の顕著な性質を指すのに対し、fetch は動作を表す点が大きく異なる。
スペルが非常に似ており、'e' の位置が異なるだけなので、タイプミスしやすい。意味は『矢羽根をつける』という動詞であり、アーチェリーなどの文脈で使われる。fetch と同様に動詞だが、使われる場面が限定的。
誤用例
『fetch』は文字通り『取りに行く』意味ですが、日常会話で人に何かを持ってきてもらう際に使うと、やや命令口調に聞こえたり、相手を犬扱いするようなニュアンスを含むことがあります。これは、元々『fetch』が犬に物を取ってこさせる時に使う動詞だからです。そのため、丁寧な依頼をする場合は、より中立的な『get』を使うのが適切です。日本人が『fetch』を使うと、ダイレクトな指示になりがちなので注意が必要です。日本語の『取ってきて』という言葉をそのまま英語にしようとすると、このような誤解が生じやすいです。
『fetch』は物理的な対象物を『取ってくる』という意味合いが強く、抽象的な概念である『感情』に対して使うのは不自然です。この文脈では、感情を落ち着かせたり、気持ちを整えたりすることを意味したいので、『compose myself』のような表現が適切です。日本人は『感情を取り戻す』という日本語に引っ張られて、直訳的に『fetch my emotions』としてしまいがちですが、英語ではより適切な表現を選ぶ必要があります。英語の比喩表現は、日本語の比喩表現とは異なる文化的背景を持っていることを理解することが重要です。
『fetch』は何かを『取ってくる』動作を表しますが、『ため息をつく』という行為には通常使いません。この文脈では、重いものを持ち上げるようなニュアンスを含む『heave』が適切です。日本人は『fetch』を『得る』という意味で捉え、そこから『ため息を得る』という発想で誤用することがあります。しかし、英語では動作の性質に合った動詞を選ぶ必要があります。日本語の『得る』は非常に広い意味を持つため、英語に直訳する際には注意が必要です。
文化的背景
「fetch」は、単なる「取ってくる」という行為を超え、しばしば召使いや犬などの下位の存在が上位の存在のために行う行為を暗示し、そこには主従関係や期待、忠誠心といった文化的ニュアンスが込められています。特に、権威者が家来やペットに何かを「fetch」させる場面は、その関係性を明確に示唆する象徴的な行為として、文学や映画で繰り返し描かれてきました。
歴史を遡ると、「fetch」は中世英語の「facchen」(手に入れる、つかむ)に由来し、当初は単に物を手に入れる行為を指していました。しかし、社会階層が明確であった時代においては、貴族が召使いに何かを「fetch」させる状況が一般的であり、この言葉は徐々に、上位者が下位者に命令し、従順を求める行為と結びつくようになりました。例えば、古いイギリスの邸宅を舞台にした小説や映画では、主人が犬に新聞を「fetch」させるシーンがよく見られます。これは単に犬の訓練を示すだけでなく、主人の権威と犬の忠誠心を同時に表現する、視覚的にわかりやすいメタファーとして機能しているのです。
また、この言葉は比喩的な意味合いでも用いられ、例えば「fetch a doctor」(医者を呼ぶ)という表現は、緊急時における他者への依存や助けを求める状況を示唆します。この場合、「fetch」は、単に医者を連れてくるという行為を超え、差し迫った危機や不安といった感情を伴う、より深刻な状況を表していると言えるでしょう。さらに、「fetch」は、人の注意や関心を引くという意味合いでも使われることがあります。例えば、「That dress really fetches the eye」(そのドレスは本当に目を引く)という表現は、そのドレスが単に美しいだけでなく、見る人の注意を惹きつけ、魅了する力を持っていることを強調しています。
現代英語においても、「fetch」は単なる物理的な行為だけでなく、社会的な関係性や感情を伴う言葉として生き続けています。特に、ペットを飼う文化が浸透している現代社会においては、犬にボールを「fetch」させる行為は、単なる遊びを超え、飼い主とペットの間の信頼関係や愛情を深めるコミュニケーションの一環として捉えられています。このように、「fetch」は、時代とともに意味合いを変化させながらも、常に人間の社会的な関係性や感情と深く結びついた、豊かな文化的背景を持つ言葉として、私たちの語彙の中に息づいているのです。
試験傾向
- 出題形式: 主に長文読解、語彙問題(稀にリスニング)
- 頻度と級・パート: 準1級以上で頻出。1級でも出題される可能性あり
- 文脈・例題の特徴: アカデミックな内容、ニュース記事、物語など幅広い文脈で登場
- 学習者への注意点・アドバイス: 「連れてくる」「取ってくる」の基本的な意味に加え、「(注意などを)引く」「(相場などが特定の水準に)達する」といった比喩的な意味も重要。文脈によって意味が大きく変わるため、注意が必要。
- 出題形式: 主に長文読解(Part 7)、稀に語彙問題(Part 5, 6)
- 頻度と級・パート: Part 7で比較的よく見られる。Part 5, 6では難易度高めの問題で出題される可能性あり
- 文脈・例題の特徴: ビジネス関連の文書(メール、レポート、記事など)で、情報やデータを「取り出す」「入手する」といった意味合いで使われることが多い
- 学習者への注意点・アドバイス: 「get」や「obtain」などの類義語とのニュアンスの違いを理解しておくことが重要。ビジネスシーンにおけるフォーマルな表現として覚えておくと良い。
- 出題形式: 主に長文読解
- 頻度と級・パート: アカデミックな長文読解で頻出
- 文脈・例題の特徴: 科学、歴史、社会科学など、アカデミックな内容の文章で、情報や証拠を「引き出す」「得る」という意味合いで使われることが多い
- 学習者への注意点・アドバイス: 抽象的な概念や論理的な議論の中で使われることが多い。「elicit」や「derive」といった類義語との使い分けを意識し、文脈に応じた正確な意味を把握することが重要。
- 出題形式: 主に長文読解
- 頻度と級・パート: 難関大学の長文読解で頻出
- 文脈・例題の特徴: 評論文、物語、科学記事など、幅広いジャンルの文章で登場。文脈理解を問われることが多い
- 学習者への注意点・アドバイス: 基本的な意味に加え、「(人を)魅了する」「(感情を)呼び起こす」といった比喩的な意味も重要。文脈から適切な意味を判断する練習が必要。