distinctive
第一音節の /ɪ/ は日本語の「イ」よりも口を少し開いて発音します。第二音節にアクセントがあり、強めに発音します。最後の /v/ は有声の唇歯摩擦音で、上の前歯を下唇に軽く当てて息を摩擦させながら「ヴ」と発音します。日本語の「ブ」とは異なり、喉を震わせるのがポイントです。
際立った
他のものとは明らかに異なり、容易に識別できる特徴を持つことを指します。外見、性質、スタイルなど、様々な面で使われます。良い意味でも悪い意味でも使われますが、多くの場合、注目に値するニュアンスを含みます。
The old cafe has a distinctive red door that always catches my eye.
その古いカフェには、いつも私の目を引く特徴的な赤いドアがあります。
※ 通りを歩いていて、たくさんの建物がある中で、ふと目を引く「特徴的な(distinctive)」ドア。そのドアの色やデザインが、他の建物とは違っていて、そのカフェだとすぐにわかる様子が目に浮かびます。「distinctive」は、このように「他と区別できる、個性的で目立つ」という良い意味で使われることが多いです。
Even in a crowd, I can recognize her distinctive laugh immediately.
人混みの中にいても、彼女の独特な笑い声はすぐにわかります。
※ 賑やかな場所でも、誰かの笑い声だけが際立って(distinctive)聞こえてくる情景です。声や話し方、笑い方など、その人ならではの「個性的で、すぐにそれとわかる」特徴を表す際によく使われます。耳で感じる情報で「distinctive」を表現する典型的な例です。
The chef created a new dish with a distinctive blend of spices.
そのシェフは、際立ったスパイスの組み合わせで新しい料理を作り出しました。
※ この例文は、料理の味や香りが「他とは違う、特別な(distinctive)」ものであることを示しています。一口食べると「あ、これは他の料理とは違うぞ!」と印象に残るような、シェフの創造性が感じられる場面です。このように、五感で感じる「際立った特徴」を表現するのに適しています。
独特の
他にはない、そのもの固有の性質や特徴を表します。個性的で、他と混同されることがないニュアンスがあります。芸術作品や個人の性格などを表現する際に適しています。
The cafe's coffee has a distinctive taste that I love.
そのカフェのコーヒーは、私が大好きな独特の味があります。
※ お気に入りのカフェで、その店にしかない特別な味のコーヒーをゆっくり味わっている場面です。食べ物や飲み物の「味」や「香り」が他とは違う、と表現する際によく使われます。「distinctive taste」で「独特の味」というまとまりで覚えましょう。
She has a very distinctive laugh, so you can always find her in a crowd.
彼女はとても独特な笑い方をするので、人混みの中でもいつも彼女を見つけることができます。
※ 大勢の人がいる場所で、彼女の個性的な笑い声が聞こえてきて、すぐに「あ、彼女だ!」と分かった瞬間です。人の声や話し方、笑い方など、その人ならではの特徴を言う時によく使われます。「very」は「とても」と強調する言葉です。
This old temple has a distinctive roof design that you won't see anywhere else.
この古いお寺は、他では見られない独特の屋根のデザインをしています。
※ 旅行で訪れた古いお寺で、その建物の特徴的な屋根の形に目を奪われている場面です。建物や芸術品、文化的なものなど、その場所や時代ならではの「特徴的なデザイン」や「スタイル」を説明する際によく使われます。「anywhere else」は「他のどこにも」という意味です。
明瞭な
曖昧さがなく、はっきりと区別できる状態を指します。違いが明確で、誤解の余地がないニュアンスがあります。議論や分析において、重要な要素を強調する際に用いられます。
Every morning, I hear the distinctive song of a bird outside my window.
毎朝、窓の外からある鳥の聞き慣れた(特徴的な)歌声が聞こえます。
※ この例文では、鳥の鳴き声が「他の鳥とははっきり違う、特徴的な」ものであることを表しています。朝の静かな情景の中で、その鳥の歌声がパッと頭に浮かぶような、記憶に残りやすい音の特徴を伝えていますね。
In the crowd, her bright red hat was very distinctive and easy to spot.
人混みの中で、彼女の鮮やかな赤い帽子はとても特徴的で、すぐに見つけることができました。
※ 大勢の人がいる場所で、あるものが「ひときわ目立つ、他と区別できるほど個性的だ」という状況です。この帽子が「他のものとはっきり違う特徴を持っている」からこそ、簡単に見つけられた、という鮮やかなシーンが目に浮かびますね。
This special cheese has a distinctive taste that I will never forget.
この特別なチーズは、決して忘れられないほど独特の味がします。
※ ここでは、チーズの味が「他のチーズとは全く違う、はっきりとした独特の風味がある」ことを表現しています。初めて食べたときの驚きや感動が伝わるような、五感を刺激する場面で使われていますね。味や香りなど、感覚に関する特徴を伝える際にもよく使われます。
コロケーション
独特な特徴、他と区別できる際立った点
※ 物の形状、性質、あるいは人の性格など、他と明確に区別できる特徴を指します。ビジネスシーンでは製品の独自性を強調する際、学術的な文脈では分類や分析の基準として用いられます。例えば、ある鳥の『distinctive feature』がその鳴き声である、というように使います。形容詞+名詞の典型的な組み合わせです。
独特のスタイル、他にはない個性的なやり方
※ 芸術、ファッション、文章、行動など、特定の個人や集団に特有の表現方法を指します。例えば、画家の『distinctive style』は、その色彩の使い方や筆致によって特徴づけられます。この表現は、単に「個性的」というだけでなく、その個性が明確に認識できる場合に用いられます。形容詞+名詞の組み合わせです。
独特の風味、他にはない特別な味わい
※ 食品や飲料が持つ、他と区別できる独特の味や香りを指します。ワインのテイスティングや料理のレビューなどでよく用いられ、その風味がいかに特別であるかを強調する際に使われます。例えば、「このチーズは『distinctive flavor』があり、他のものとは一線を画す」のように使います。形容詞+名詞の組み合わせです。
独特の匂い、他にはない特別な香り
※ 特定の場所、物、あるいは人が持つ、他と区別できる独特の匂いを指します。良い匂いにも悪い匂いにも使えますが、しばしば記憶や感情と結びついて語られます。例えば、「祖母の家には『distinctive smell』があり、いつも懐かしい気持ちになる」のように使います。形容詞+名詞の組み合わせです。
独特な服装をしている、際立って個性的な服装をしている
※ 服装が非常に個性的で、他の人とは明らかに異なるスタイルを持っている状態を指します。ファッション業界や、人の外見について言及する際に用いられます。例えば、「彼女はいつも『distinctively dressed』で、街でもすぐにわかる」のように使います。副詞+過去分詞の組み合わせです。
明確な優位性、他にはない有利な点
※ 競合他社や競争相手に対して、明確に優れている点や有利な状況を指します。ビジネスシーンでよく用いられ、製品やサービスの独自性、技術力、ブランド力などが『distinctive advantage』となり得ます。形容詞+名詞の組み合わせです。
際立った欠如、著しい不足
※ 通常期待されるものが、著しく欠けている状態を指します。皮肉や批判的な文脈で用いられることが多く、その不足が特に目立つことを強調します。例えば、「その計画には詳細への『a distinctive lack』が見られる」のように使います。形容詞+名詞の組み合わせですが、ややフォーマルな響きがあります。
使用シーン
学術論文や研究発表で、ある特徴や性質が他と明確に区別されることを強調する際に用いられます。例えば、生物学の研究で「この植物は、他の種には見られない独特の葉の形を持っている(This plant has a distinctive leaf shape not found in other species)」のように使われます。文語的な表現であり、客観性と正確さが求められる文脈で重要です。
ビジネスシーンでは、製品やブランドの独自性をアピールする際に使われます。例えば、マーケティング戦略を説明する際に「当社の製品は、他にない独自の機能を持っている(Our product has a distinctive feature that no other product has)」のように使われます。プレゼンテーションや報告書など、フォーマルな場面で用いられることが多いです。
日常会話ではあまり使われませんが、ニュース記事やドキュメンタリー番組などで、ある人物や場所、文化などの特徴を説明する際に使われることがあります。例えば、「彼女は独特のファッションセンスを持っている(She has a distinctive sense of fashion)」のように使われます。やや硬い印象を与えるため、日常会話ではより口語的な表現が好まれる傾向があります。
関連語
類義語
ある物や人を特徴づける性質や特徴を指す。名詞としても形容詞としても使われる。ビジネス、学術、日常会話など幅広い場面で使用される。 【ニュアンスの違い】"distinctive"が他と区別される独自性や際立った特徴を強調するのに対し、"characteristic"は、単にその物や人を特徴づける一般的な性質を指す。"characteristic"はより客観的で中立的な意味合いを持つことが多い。 【混同しやすい点】"distinctive"がしばしば肯定的な意味合い(ユニークで優れている)を含むのに対し、"characteristic"は必ずしもそうではない。例えば、「彼のcharacteristicな行動」は、良い行動とも悪い行動とも解釈できるが、「彼のdistinctiveな行動」は、通常、良い意味で解釈される。
唯一無二であること、他に類を見ないことを意味する。日常会話から学術的な文脈まで幅広く使われる。 【ニュアンスの違い】"distinctive"が他との違いを強調するのに対し、"unique"は文字通り「唯一」であることを意味する。"distinctive"はいくつかの類似点がある中で際立っていることを示す場合もあるが、"unique"は完全に他とは異なることを意味する。 【混同しやすい点】"unique"は程度を表す言葉(very, quiteなど)と組み合わせて使うことは文法的に誤りである(例: "very unique"は誤り)。"distinctive"は程度を表す言葉と組み合わせて使える(例: "very distinctive")。
普通ではない、奇妙な、独特なという意味合いを持つ。日常会話や文学作品でよく用いられる。やや否定的なニュアンスを含むことがある。 【ニュアンスの違い】"distinctive"が好意的または中立的な意味で使われることが多いのに対し、"peculiar"は奇妙さや異常さを強調する。"peculiar"はしばしば、何かが期待される基準から逸脱していることを示唆する。 【混同しやすい点】"distinctive"がある物や人の魅力的な特徴を指すことがあるのに対し、"peculiar"は不快感や違和感を与える可能性がある。例えば、「彼女の服装はdistinctiveだ」は褒め言葉になり得るが、「彼女の服装はpeculiarだ」は批判的な意味合いを持つ可能性がある。
単一の、並外れた、特異なという意味を持つ。学術的な文脈や、ややフォーマルな場面で使われる。 【ニュアンスの違い】"distinctive"が他との違いを強調するのに対し、"singular"は文字通り「単一」であるか、または非常に例外的であることを意味する。"singular"は、しばしば優れた才能や能力を指す際に用いられる。 【混同しやすい点】"singular"は数えられる名詞に対して使われる場合、「単数」であることを意味する。一方、"distinctive"は、数えられる名詞にも数えられない名詞にも使うことができる。また、"singular"は、文法用語としても使われる(例: "singular noun")。
個々の、独特の、という意味を持つ。人や物を区別する際に用いられ、ビジネスから日常会話まで幅広く使われる。 【ニュアンスの違い】"distinctive"が他との違いを強調するのに対し、"individual"は単に個々の存在や特性を指す。"individual"は、集団の中での個々の要素を強調する際に特に有効。 【混同しやすい点】"distinctive"は、ある特徴が他と異なることを示すが、"individual"は必ずしもそうではない。例えば、「individual needs(個々のニーズ)」は、それぞれ異なるニーズがあることを意味するが、それが特に目立つ特徴であるとは限らない。
独創的な、元の、という意味を持つ。新しさや創造性を強調する際に使われる。芸術、ビジネス、科学など幅広い分野で使用される。 【ニュアンスの違い】"distinctive"がある物や人が他と異なる特徴を持つことを指すのに対し、"original"は、模倣ではない、最初の状態であることを意味する。"original"は、しばしば創造性や革新性を伴う。 【混同しやすい点】"distinctive"は既存のものとの比較において際立っていることを示すが、"original"は、起源や創造の源を強調する。例えば、「distinctive style(独特のスタイル)」は、他のスタイルとは異なることを意味するが、「original idea(独創的なアイデア)」は、誰かのアイデアを真似たものではないことを意味する。
派生語
『区別』『差異』を意味する名詞。「distinctive」が持つ『他と区別できる性質』という概念を名詞化したもの。日常会話よりも、ビジネスや学術的な文脈で、明確な区別や差異を強調する際に用いられる。例えば、『明確な区別をつける(make a clear distinction)』のように使用される。
『明確に』『はっきりと』を意味する副詞。「distinctive」が持つ『明確さ』という性質を強調し、動詞や形容詞を修飾する。例えば、『はっきりと覚えている(distinctly remember)』のように使用され、日常会話からビジネス、学術分野まで幅広く用いられる。
『区別する』『見分ける』を意味する動詞。「distinctive」の根底にある『区別』という概念を動詞化したもの。2つ以上のものを比較し、その違いを明確にする際に用いられる。例えば、『善悪を区別する(distinguish between good and evil)』のように使用され、学術論文や議論などで頻繁に登場する。
反意語
『平凡な』『ありふれた』を意味する形容詞。「distinctive」が持つ『他とは違う、目立つ特徴』という概念と対照的に、特徴がなく、どこにでもあるような状態を表す。例えば、『平凡な一日(an ordinary day)』のように使用され、日常会話で頻繁に用いられる。
『共通の』『一般的な』を意味する形容詞。「distinctive」が持つ『独特の』という概念と対照的に、多くの人に共通する性質や特徴を表す。例えば、『共通の認識(common knowledge)』のように使用され、日常会話からビジネスまで幅広く用いられる。
- indistinct
接頭辞「in-(否定)」がつき、『不明瞭な』『ぼやけた』を意味する形容詞。「distinctive」が持つ『明確な』という概念と正反対の意味を持つ。例えば、『不明瞭な記憶(indistinct memory)』のように使用され、物理的な不明瞭さだけでなく、概念的な曖昧さも表す。
語源
「distinctive」は、ラテン語の「distinguere」(区別する、見分ける)に由来します。この「distinguere」は、「dis-」(分離、離れて)と「stinguere」(刺す、印をつける)から構成されています。つまり、元々は何かを「刺して区別する」という意味合いがありました。現代英語では、「他のものとはっきり区別できる」という、際立った特徴や性質を表す意味合いで使用されます。例えば、個人の独特な話し方や、特定のブランドの製品に見られる特徴的なデザインなどが「distinctive」であると言えます。日本語で例えるなら、「一線を画す」という表現が近いかもしれません。他のものとは明確に異なる、というニュアンスを捉えて記憶すると良いでしょう。
暗記法
「distinctive」は単なる違いではなく、容易に識別できる際立った特徴を指します。個性が尊重される現代において、ファッションや音楽の世界で独自のスタイルや声が重視されるのは、この単語が持つ文化的背景の表れです。洗練された趣味や特徴的な建築様式など、肯定的な評価と結びつき、社会的ステータスや教養を示す手段としても機能します。その差異は、歴史や文化を物語る力を持つ、深層にある価値観や物語への意識なのです。
混同しやすい単語
『distinctive』と『distinct』は、語尾に '-ive' があるかないかの違いで、スペルが非常に似ています。意味も関連しており、『distinct』は「明確な」「異なった」という意味です。品詞は形容詞で共通していますが、『distinctive』は「特徴的な」という意味合いが強く、区別が必要です。日本人学習者は、文脈によってどちらが適切か判断する必要があります。
『distinctive』と『instinctive』は、語頭の 'dis-' と 'in-' の違い、そして母音字の並びが似ているため、スペルミスしやすい単語です。『instinctive』は「本能的な」という意味で、品詞は形容詞です。意味が大きく異なるため、文脈から判断することが重要です。また、接頭辞 'in-' は「内側へ」という意味合いを持つことを知っておくと、意味の区別に役立ちます。
'distinctive'と'destructive'は、語頭と語尾が似ており、スペルミスを起こしやすいです。'destructive'は「破壊的な」という意味で、品詞は形容詞です。'distinctive'は「特徴的な」という意味なので、意味は大きく異なります。また、接頭辞'de-'は「下に」という意味合いを持つことを知っておくと、意味の区別に役立ちます。
『distinctive』と『distinguish』は、語源が同じですが、品詞が異なります。『distinctive』は形容詞ですが、『distinguish』は動詞で「区別する」という意味です。スペルも似ているため、文中でどのように使われているか注意する必要があります。動詞として使うか、形容詞として使うかで単語を選ぶ必要があります。
『distinctive』と『respective』は、語尾の '-ive' が共通しており、スペルも似ているため、混同しやすい単語です。『respective』は「それぞれの」という意味で、品詞は形容詞です。意味が異なるため、文脈から判断することが重要です。例えば、『their respective roles』のように使われます。
『distinctive』と『digestive』は、語尾の '-ive' が共通しており、母音の並びも似ているため、スペルミスしやすい単語です。『digestive』は「消化の」という意味で、品詞は形容詞です。意味が大きく異なるため、文脈から判断することが重要です。例えば、『digestive system』のように使われます。
誤用例
「distinctive」は『他と区別できるほど特徴的』という意味合いが強く、良い意味にも悪い意味にも使えます。しかし、味について述べる場合、単に『他とは違う』という意味で『distinctive taste』を使うと、その味が必ずしも良いとは限らない印象を与えてしまいます。より肯定的なニュアンスを出したい場合は、『unique』や『flavorful』といった言葉を選ぶ方が適切です。日本語の『独特の味』を直訳しようとすると陥りやすい誤りです。英語では味覚に関する表現は、ポジティブな形容詞で修飾することが一般的です。
「distinctive」は、日本語の『個性的』という言葉を安易に当てはめると誤用を招きやすい単語です。確かに『他と区別できる』という意味では『個性的』と言えますが、英語の『distinctive』は、それが必ずしも好意的に受け止められるとは限りません。この例文では、その個性が原因で孤独であるというネガティブな状況を示唆しています。より中立的、あるいは肯定的な意味で『個性的』と言いたい場合は、『singular』や『unique』を使う方が適切です。英語では、個性を表現する際に、周囲との調和を重んじる文化的背景から、やや婉曲的な表現が好まれる傾向があります。
「distinctive」は、ある特徴が非常に顕著で、容易に識別できるという意味合いです。しかし、嗅覚に関する記述においては、より客観的に『識別できる』というニュアンスを伝えたい場合、『discernible』がより適切です。『distinctive』は、主観的な印象や、他とは明らかに異なる特徴を強調する際に適しています。この例文では、探偵が証拠としてラベンダーの匂いを認識したという客観的事実を述べているため、『discernible』を使う方が自然です。日本語の『はっきりとした』という言葉が、状況によっては『distinctive』と『discernible』のどちらにも当てはまるため、誤用が生じやすいと考えられます。
文化的背景
「distinctive」は、単に「他と違う」だけでなく、その違いが明確で、容易に識別できるほど際立っていることを意味します。この単語は、個人のアイデンティティ、ブランドの独自性、芸術作品の特異性など、他者と区別されるべき重要な特徴を強調する際に、文化的に大きな意味を持ちます。
「distinctive」が持つ「識別できるほど際立っている」というニュアンスは、個性や独自性が尊重される社会において、特に価値を持ちます。例えば、ファッション業界では、デザイナーが「distinctive style(独特のスタイル)」を追求することで、他ブランドとの差別化を図り、顧客に強い印象を与えようとします。音楽の世界でも、アーティストが「distinctive voice(独特の声)」を持つことは、成功への重要な要素となります。これは、大量生産・大量消費の時代において、個性を打ち出すことの重要性が増していることの反映と言えるでしょう。
また、「distinctive」は、しばしば「洗練された」あるいは「上品な」といった肯定的な評価と結びついて使用されます。例えば、「distinctive taste(独特の趣味)」は、単に他と違うだけでなく、その趣味が洗練されていることを示唆します。これは、社会的なステータスや教養を示す手段として、個性を演出することへの意識の表れとも解釈できます。貴族社会において、家紋や紋章が「distinctive」な存在であったように、現代社会においても、個人の所有物やライフスタイルを通じて、他者との差異を明確にしようとする心理が働いているのです。
さらに、「distinctive」は、場所や文化に根ざした特有の性質を表現する際にも用いられます。例えば、「distinctive architecture(特徴的な建築様式)」は、特定の地域や時代に特有の建築様式を指し、その土地の歴史や文化を物語ります。このように、「distinctive」は、単なる差異を示すだけでなく、その背後にある歴史的、文化的背景を想起させる力を持つ言葉なのです。この単語を使うことで、私たちは、表面的な違いだけでなく、その違いを生み出した深層にある価値観や物語にまで意識を向けることができるでしょう。
試験傾向
- 出題形式: 主に語彙問題(短文空所補充)、長文読解
- 頻度と級・パート: 準1級以上で頻出。1級でも出題される可能性あり
- 文脈・例題の特徴: アカデミックな内容、説明文、意見論述など、硬めの文章で登場しやすい
- 学習者への注意点・アドバイス: 「独特の」「際立った」という意味を基本とし、distinguish (区別する)との関連で覚える。名詞形 distinction との違いも意識する。類義語である unique, special, particular とのニュアンスの違いを理解しておくと良い。
- 出題形式: 主にPart 5(短文穴埋め)、Part 7(長文読解)
- 頻度と級・パート: Part 5ではまれに出題。Part 7では読解のキーワードとして登場する可能性あり
- 文脈・例題の特徴: ビジネスシーンに関する文章(製品説明、市場分析など)で使われることが多い
- 学習者への注意点・アドバイス: 「独特の」「特徴的な」という意味を理解する。同義語の characteristic, peculiar との使い分けに注意。文脈から意味を推測する練習が重要。
- 出題形式: 主にリーディングセクション
- 頻度と級・パート: アカデミックな文章で頻出
- 文脈・例題の特徴: 学術的な論文、研究、歴史、科学などの文章で使われる
- 学習者への注意点・アドバイス: 「明確な」「区別できる」という意味合いで使われることが多い。distinct との違いを理解する。文脈から正確な意味を把握する練習が不可欠。
- 出題形式: 長文読解、和訳、英作文
- 頻度と級・パート: 難関大学で頻出
- 文脈・例題の特徴: 評論文、物語文など幅広いジャンルで登場
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈における意味を正確に把握することが重要。同義語・反意語をセットで覚える。英作文では、語彙の幅を広げるために積極的に使用する。