desperate
第1音節にアクセントがあります。/ɛ/ は日本語の「エ」よりも口を少し横に開いて発音し、「ア」に近い音を意識すると良いでしょう。/p/ は息を強く吐き出すように発音することで、よりクリアに聞こえます。最後の /ət/ は曖昧母音で、弱く短く発音します。日本語の「ト」のように強く発音しないように注意しましょう。
専門的な内容に関するご注意
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必死の
希望を失い、手段を選ばないほど切羽詰まった状態。危険な状況や緊急事態で、最後の手段に訴えようとするニュアンスを含む。
A mother was desperate to find her lost child in the crowded park.
母親は、混雑した公園で迷子になった子どもを必死に探していた。
※ この文は、母親が子どもを見つけようと、強い焦りや切羽詰まった気持ちで行動している様子を表しています。「desperate to do something」は「〜しようと必死である」という、非常によく使われる形です。感情と行動が強く結びついていますね。
He was desperate to get a job before his savings ran out.
彼は貯金が尽きる前に、必死に仕事を見つけようとしていた。
※ この文は、彼が経済的な理由から、強いプレッシャーの中で職を探している状況を描写しています。「desperate」は、状況が非常に厳しく、他に選択肢がないような「切羽詰まった」状態を表すのにも使われます。まさに「必死」の状況です。
The hikers were desperate for help after getting lost in the mountains.
ハイカーたちは山で道に迷った後、必死に助けを求めていた。
※ この文は、危険な状況に陥った人々が、生き残るために助けを強く必要としている様子を示しています。「desperate for something」は「〜を必死に求めている」という表現で、水や食料、情報など、具体的なものを強く求める際にも使えます。
切望する
強く何かを求め、手に入れたいと願う気持ち。恋愛、成功、救済など、対象は多岐にわたる。
He was desperate for water after hours in the hot desert.
彼は暑い砂漠で何時間も過ごした後、水を切望していました。
※ この例文では、砂漠で水がないという命に関わる状況が描かれています。「be desperate for X」は「Xを切望する、Xが必死に欲しい」という、非常に強い願望を表します。水なしではいられない、という差し迫った気持ちが伝わってきますね。
The young artist was desperate to get her painting noticed.
その若い芸術家は、自分の絵が注目されることを切望していました。
※ 「be desperate to do X」は「Xすることを切望する、必死にXしようとする」という意味です。ここでは、まだ有名ではない若い芸術家が、自分の作品を多くの人に見てもらい、評価されたいという強い願いが込められています。夢や目標に対する「必死な気持ち」がよく表れていますね。
After losing his job, he was desperate to find new work.
仕事を失った後、彼は新しい仕事を見つけることを切望していました。
※ これも「be desperate to do X」の形です。職を失った状況は、新しい仕事を見つけることが生活に直結するため、非常に「切望する」気持ちが強くなります。切羽詰まった状況での「必死さ」や「なんとかしたい」という気持ちが伝わる、典型的な使い方です。
絶望的な
状況が非常に悪く、改善の見込みがない状態。悲観的で、希望を失っているニュアンス。
The sailors made a desperate attempt to save the sinking ship.
船員たちは沈みゆく船を救おうと、絶望的な試みをした。
※ 嵐の中、船が沈みかけている極限の状況。船員たちは、もう他に手がない、という追い詰められた中で、最後の力を振り絞って船を救おうとしています。「desperate attempt(絶望的な試み)」は、状況が非常に厳しく、成功の可能性が低いにもかかわらず、やむを得ず、あるいは最後の望みをかけて何かを試みる様子を鮮やかに伝えます。
After failing the exam again, she felt desperate about her future.
また試験に落ちた後、彼女は自分の将来について絶望的な気持ちになった。
※ 何度も努力したのに、また試験に落ちてしまった女性の気持ちを描写しています。将来に対する希望が見えず、どうすれば良いのか途方に暮れている様子が伝わります。「feel desperate about (something)」は、個人的な感情として「〜について絶望的な気持ちになる」というときに使われる典型的な表現です。
With no water left, the villagers were in a desperate situation.
水が全くなくなり、村人たちは絶望的な状況に陥っていた。
※ 長い干ばつで水が枯渇し、飲み水も生活用水もない、村全体の深刻な危機を描いています。どうすることもできない、非常に厳しく、解決策が見当たらない客観的な状況を表しています。「be in a desperate situation」は、周囲の環境や事態そのものが非常に厳しく、追い詰められた状態にあることを示す際によく使われます。
コロケーション
最後の手段、なりふり構わぬ手段
※ 文字通り「絶望的な対策」を意味し、他に手段がない状況で、リスクや倫理的な問題があっても実行せざるを得ない行動を指します。しばしば、通常の状況では考えられないような、大胆かつ危険な行動を伴います。例えば、倒産寸前の会社が起死回生をかけて行う大規模なリストラや、重病患者が試す最先端の治療などが該当します。ビジネスシーンやニュース報道でよく用いられます。
必死の嘆願、切実な訴え
※ 非常に困難な状況にある人が、助けを求めて感情的に訴えることを意味します。この表現は、単なるお願いではなく、極度の危機感や切迫感が込められています。例えば、誘拐事件の被害者の家族がメディアを通じて行うメッセージや、災害時の被災者が支援を求める声などが該当します。ニュース記事やドキュメンタリーなどでよく見られます。
最後の試み、捨て身の試み
※ 成功する見込みが低いと分かっていながらも、他に方法がないため、わずかな可能性にかけて行う行動を指します。この表現は、しばしば「失敗するかもしれないが、何もしないよりはマシ」というニュアンスを含みます。例えば、試合終了間際に逆転を狙って繰り出す攻撃や、崖から落ちそうになった人が掴む最後の木の枝などが該当します。スポーツ報道やサバイバルに関する記事でよく用いられます。
〜を死ぬほど欲しがっている、〜がなくてはならない
※ 「be desperate for + 名詞」の形で、何かを切実に必要としている状態を表します。単に「欲しい」というレベルではなく、それが手に入らないと精神的に追い詰められるような、強い渇望を表します。例えば、「desperate for attention(注目を浴びたくてたまらない)」や「desperate for a job(仕事がなくて困り果てている)」のように使われます。日常会話や小説などでよく用いられます。
〜したくてたまらない、何としても〜したい
※ 「be desperate to + 動詞の原形」の形で、何かを強く望んで、どんな手段を使ってもそれを達成したいという気持ちを表します。「desperate for something」と同様に、強い切迫感が伴います。例えば、「desperate to escape(何としても逃げ出したい)」や「desperate to succeed(何としても成功したい)」のように使われます。映画やドラマのセリフでよく耳にします。
〜を追い詰めてなりふり構わぬ手段に走らせる
※ 「drive + 人 + to desperate measures」の形で、ある状況や人が、他の人を極限状態に追い込み、通常では考えられないような行動を取らせることを意味します。例えば、「Poverty drove him to desperate measures.(貧困が彼を追い詰めてなりふり構わぬ手段に走らせた)」のように使われます。ニュースや犯罪に関する記事でよく見られます。
非常に困窮している、切実に必要としている
※ 「be in desperate need of + 名詞」の形で、何かを非常に必要としている状態を表します。これは単なる必要性ではなく、それが欠けていると深刻な問題が生じるような、緊急性の高い状況を示します。例えば、「The refugees are in desperate need of food and shelter.(難民たちは食料と住居を切実に必要としている)」のように使われます。人道支援に関する報告書やニュースでよく用いられます。
使用シーン
学術論文や研究発表で、「〜を渇望している」「〜が切実に必要である」といった意味合いで使われます。例えば、研究資金の獲得に関して「研究チームは、新たな資金源を必死に探している(The research team is desperate for new funding sources.)」のように記述されることがあります。また、先行研究が不足している状況を「この分野の研究は絶望的に不足している(Research in this area is desperately lacking.)」と表現することもあります。
ビジネスシーンでは、緊急性や危機感を伝える際に使われることがあります。例えば、プロジェクトの遅延に関して「納期に間に合わせるために必死だ(We are desperate to meet the deadline.)」と表現したり、業績不振の状況を「会社は状況を打開しようと必死だ(The company is desperate to turn things around.)」と報告書などで記述することがあります。ただし、感情的なニュアンスを含むため、使用には注意が必要です。
日常会話では、深刻な状況や感情を強調する際に使われることがあります。例えば、「どうしてもコンサートのチケットが欲しい(I'm desperate to get tickets for the concert.)」のように、強い願望を表したり、「助けが必要で困っている(I'm desperate for help.)」のように、切迫した状況を伝えることがあります。ただし、使いすぎると大げさな印象を与える可能性があるため、注意が必要です。
関連語
類義語
心配で落ち着かない、不安な気持ちを表す。将来のことや不確実な状況に対する懸念を表すことが多い。日常会話で広く使われる。 【ニュアンスの違い】"Desperate"はもっと絶望的で、どうにかしなければならないという切迫感があるが、"anxious"はそこまで深刻ではない。"Anxious"は漠然とした不安感を表すことが多い。 【混同しやすい点】"Desperate"はしばしば具体的な行動を伴うのに対し、"anxious"は心理的な状態を指すことが多い。例えば、"desperate measures"(必死の手段)のように使われる。
取り乱して、冷静さを失っている状態を表す。緊急事態やパニック状態によく使われる。日常会話や物語で使われることが多い。 【ニュアンスの違い】"Desperate"はより深い絶望感を表すが、"frantic"は表面的な取り乱しを表す。"Frantic"は行動が伴うことが多いが、必ずしも計画的な行動ではない。 【混同しやすい点】"Frantic"は一時的なパニック状態を表すのに対し、"desperate"はより持続的な感情を表すことがある。例えば、"a frantic search"(必死の捜索)のように使われる。
希望がない、絶望的な状態を表す。状況や結果に対する諦めの気持ちを示す。日常会話や文学で使われる。 【ニュアンスの違い】"Desperate"は行動を起こそうとする気持ちがあるのに対し、"hopeless"は諦めの気持ちが強い。"Hopeless"は状況が改善する見込みがないことを強調する。 【混同しやすい点】"Desperate"はまだ可能性を信じているのに対し、"hopeless"は完全に諦めているという点が異なる。例えば、"a hopeless situation"(絶望的な状況)のように使われる。
- distraught
非常に動揺して、苦悩している状態を表す。悲しみや苦痛によって精神的に打ちのめされている状態を示す。ニュースや文学で使われることが多い。 【ニュアンスの違い】"Desperate"は何かを成し遂げようとする必死さがあるのに対し、"distraught"は悲しみや苦痛に打ちひしがれている状態を表す。"Distraught"はしばしば言葉にできないほどの感情を表す。 【混同しやすい点】"Distraught"は感情的な苦痛が中心であるのに対し、"desperate"は状況を打開しようとする意志が感じられる。例えば、"distraught parents"(取り乱した両親)のように使われる。
無謀な、向こう見ずな行動を表す。危険を顧みずに行動することを意味する。日常会話やニュースで使われる。 【ニュアンスの違い】"Desperate"は状況を打開するために無謀な行動を取ることがあるが、"reckless"は必ずしも絶望的な状況からくるものではない。"Reckless"は単に注意深くない行動を指す。 【混同しやすい点】"Desperate"な行動は理由があることが多いのに対し、"reckless"な行動は単に無分別であるという点が異なる。例えば、"reckless driving"(無謀運転)のように使われる。
制御不能な、乱暴な状態を表す。感情や行動が抑制されていないことを意味する。日常会話や文学で使われる。 【ニュアンスの違い】"Desperate"は切迫感からくる行動を表すが、"wild"は単に制御されていない状態を表す。"Wild"は必ずしも悪い意味ではなく、自由奔放なイメージもある。 【混同しやすい点】"Desperate"な行動は目標があることが多いのに対し、"wild"な行動は目標がないことが多い。例えば、"a wild party"(騒々しいパーティー)のように使われる。
派生語
名詞で「絶望」「自暴自棄」の意味。動詞「desperate」の状態や感情を表す抽象名詞。日常会話よりも、ややフォーマルな場面や文学作品で、切迫した状況を描写する際に用いられる。語尾の「-ation」は、状態や行為を表す名詞を作る接尾辞。
- desperado
名詞で「向こう見ずな人」「無法者」の意味。スペイン語由来で、英語では特に西部劇などで使われるイメージ。元々は「絶望した人」という意味合いから、規範を無視して危険な行動をする人を指すようになった。日常会話での使用頻度は低い。
名詞・動詞で「絶望」の意味。「desperate」の語源であるラテン語の「desperare(希望を失う)」に由来する。より根源的な絶望感を意味し、「desperate」よりも深刻な状況で使われることが多い。文学作品や宗教的な文脈でよく見られる。
反意語
形容詞で「希望に満ちた」の意味。「desperate」が希望を失った状態を表すのに対し、こちらは希望を持っている状態を示す。日常会話でよく使われ、状況や人に対して用いることができる。単に状況が改善される見込みがあるだけでなく、人の内面的な感情を表す場合にも用いられる。
形容詞で「落ち着いた」「冷静な」の意味。「desperate」が取り乱し、冷静さを欠いた状態を表すのに対し、こちらは感情をコントロールできている状態を示す。特に困難な状況やプレッシャーの中で冷静さを保っている様子を表す際に用いられる。ビジネスシーンやフォーマルな場面でよく使われる。
形容詞で「満足した」「満ち足りた」の意味。「desperate」が強い不満や欲求不満を伴うのに対し、こちらは現状に満足している状態を示す。物質的な豊かさだけでなく、精神的な充足感を表す場合にも用いられる。日常会話で広く使われ、幸福感を表す言葉としてよく用いられる。
語源
"Desperate」はラテン語の「desperare(希望を失う)」に由来します。これは「de-(完全に)」+「sperare(希望する)」という構造。「完全に希望を失った」状態が原義です。日本語で例えるなら、「万策尽きた」という状況に近いでしょう。そこから、「必死の」「切望する」「絶望的な」といった意味合いに発展しました。たとえば、崖っぷちに立たされた人が「必死の」思いで助けを求める様子や、「絶望的な」状況を打開しようと「切望する」気持ちを想像すると、語源と意味のつながりが理解しやすいでしょう。「希望」が完全に失われた状態から、極限状態を表す言葉として派生したことを覚えておくと、単語の意味をより深く理解できるはずです。
暗記法
「desperate」は、崖っぷちの狂気。文学では、ドストエフスキーの登場人物のように、極限状況で道徳を踏み越える姿を描きます。映画では、愛や正義のため手段を選ばない主人公の切迫感を表現。現代社会では、経済困窮や孤立から生まれる感情を指し、SNSでの自己肯定感喪失にも繋がります。単なる感情ではなく、社会の病理を映す言葉なのです。
混同しやすい単語
『desperate』とスペルが似ており、特に語尾の '-rate' 部分が共通しているため混同しやすい。意味は『分離する』または『別々の』であり、品詞も動詞または形容詞として使われる。発音も異なるため、スペルだけでなく発音も意識して区別する必要がある。また、『separate』は『sep-a-rate』のように、真ん中の 'a' を発音する傾向がある。
『desperate』と接頭辞(dis-/de-)と語尾(-rate/-ate)が似ているため、スペルを見たときに混同しやすい。意味は『全く異なる』、『共通点がない』といった意味合いで、形容詞として使われる。発音も異なるため、注意が必要。語源的には、ラテン語の『parare(準備する)』に由来し、準備ができていない状態、つまり全く異なる状態を表す。
『desperate』と最初の部分のスペルが似ており、発音もストレスの位置が異なるだけで似ているため、混同しやすい。意味は『砂漠』または『見捨てる』であり、名詞または動詞として使われる。特に動詞の『desert』は、文脈によっては『desperate(絶望的な)』状況を生み出す原因となるため、意味の混同に注意。発音記号を確認し、ストレスの位置を意識することが重要。
『desperate』と語頭が似ており、スペルも一部共通しているため、視覚的に混同しやすい。意味は『~にもかかわらず』という前置詞であり、意味も品詞も大きく異なる。文法構造も異なり、『despite + 名詞』の形で使われる。例えば、『Despite the rain, we went out.(雨にもかかわらず、私たちは出かけた)』のように使う。
『desperate』とは直接的な類似性はないものの、語尾の '-ous' が形容詞を作る接尾辞として共通しており、スペルを見たときに誤って関連付けてしまう可能性がある。意味は『繁栄している』、『裕福な』であり、全く異なる意味を持つ。形容詞である点は共通しているが、意味の方向性が全く逆であるため、注意が必要。
スペルの一部が似ており、特に『esper-』の部分が共通しているため、視覚的に混同される可能性がある。意味は人工言語のエスペラント語であり、言語名であるため、文脈が大きく異なる。発音も異なるため、スペルだけでなく発音も意識して区別する必要がある。エスペラント語の名前は、創始者であるザメンホフが『希望する人』という意味のペンネームを使ったことに由来する。
誤用例
日本語の『切実に〜したい』という表現を直訳すると、つい『desperate』を使ってしまいがちですが、これは『絶望的な状況で、藁にもすがる思いで〜したい』というニュアンスを含みます。単に『〜したい』という願望を述べる場合は、『looking forward to』や『really want』を使う方が適切です。日本人は、感情をストレートに表現することを避ける傾向があるため、『desperate』のような強い言葉は、状況によっては大げさに聞こえる可能性があります。
『desperate』を『必死に』という意味で使う場合、企業などの組織に対して使うと、経営状況が逼迫しているような印象を与えてしまいます。組織が人材を『募集している』という客観的な事実を伝えるには、『actively seeking』や『looking for』を使う方が無難です。日本企業では、体裁を重んじる文化があるため、ネガティブな印象を与える可能性のある言葉は避ける傾向があります。
『desperate』は、状況が非常に悪い中で、なりふり構わず何かをしようとするニュアンスを含みます。恋愛において使うと、相手にプレッシャーを与えたり、見苦しい印象を与えたりする可能性があります。相手に誠意を伝えたい場合は、『sincere』や『earnest』を使う方が適切です。日本人は、相手の気持ちを尊重する文化があるため、強引な印象を与える言葉は避ける傾向があります。また、日本語の『必死』には、必ずしもネガティブな意味合いが含まれないため、安易に『desperate』に置き換えてしまう誤用が見られます。
文化的背景
「desperate(絶望的な)」という言葉は、単に悲しいという感情よりも、状況を打開するために手段を選ばない、ある種の狂気を帯びた心理状態を指し示すことが多く、文化的には、崖っぷちに立たされた人間の最後の抵抗、あるいは破滅的な行動原理として描かれることがあります。それは、理性や尊厳をかなぐり捨ててでも何かを掴み取ろうとする、人間性の極限状態の表れなのです。
文学作品における「desperate」は、しばしば主人公が追い詰められた状況下で、道徳的な境界線を越えていく過程で用いられます。例えば、ドストエフスキーの小説に登場する人物たちは、貧困や孤独、社会からの疎外感といった絶望的な状況に置かれ、しばしば犯罪や自己破壊的な行動に走ります。彼らの行動は、単なる悪意ではなく、生きるための、あるいは自己を証明するための、絶望的な試みとして理解されます。また、シェイクスピアの悲劇においても、主人公たちは愛、名誉、権力といったものを失う恐怖から「desperate」な行動を取り、破滅へと向かいます。このように、「desperate」は、人間の内面に潜む狂気や弱さを浮き彫りにする言葉として、文学作品において重要な役割を果たしてきました。
映画の世界では、「desperate」はサスペンスやスリラーといったジャンルで頻繁に用いられます。主人公が誘拐されたり、冤罪を着せられたり、あるいは愛する人を救うために、あらゆる手段を講じようとする姿は、「desperate」という言葉が持つ切迫感や狂気を視覚的に表現します。これらの作品では、主人公の行動はしばしば倫理的に問題があるものの、観客は彼らの「desperate」な状況に共感し、応援します。なぜなら、彼らの行動は、単なる自己保身ではなく、愛や正義といった普遍的な価値を守るための、最後の抵抗であると解釈されるからです。
現代社会においては、「desperate」は経済的な困窮、社会的な孤立、精神的な病といった問題と結びつけて語られることが多くなりました。失業、貧困、格差といった問題は、人々に「desperate」な感情を抱かせ、犯罪や自殺といった悲劇を引き起こすことがあります。また、SNSの普及は、他者との比較を通じて、自己肯定感を失い、「desperate」な状態に陥る人々を生み出しています。このように、「desperate」は、現代社会の病理を映し出す言葉として、その意味合いを深めています。この言葉は、単なる感情の表現にとどまらず、社会構造や人間関係といった、より深い問題と結びついていることを理解することが重要です。
試験傾向
- 出題形式: 主に語彙問題、長文読解、稀にリスニング
- 頻度と級・パート: 準1級・1級で頻出。2級でも稀に出題される
- 文脈・例題の特徴: 社会問題、環境問題、歴史など幅広いテーマ。会話文では口語的な表現も
- 学習者への注意点・アドバイス: 「必死の」「絶望的な」など複数の意味を文脈で判断。desperation(名詞)との関連も押さえる
- 出題形式: Part 5(短文穴埋め)、Part 7(長文読解)
- 頻度と級・パート: Part 5で中頻度。Part 7でも読解力が必要な箇所で登場
- 文脈・例題の特徴: ビジネスシーンが中心。契約、交渉、苦情処理など
- 学習者への注意点・アドバイス: 「(状況が)深刻な」「(人が)切羽詰まった」など、ネガティブな状況で使われることが多い
- 出題形式: リーディングセクションが中心
- 頻度と級・パート: リーディングセクションで頻出
- 文脈・例題の特徴: アカデミックな文章。歴史、科学、社会科学など幅広い分野
- 学習者への注意点・アドバイス: 抽象的な概念を表す際に使われることが多い。「(解決策などが)他にない」「(状況が)極めて悪い」といった意味合いを理解する
- 出題形式: 長文読解、和訳問題、内容説明問題
- 頻度と級・パート: 難関大学で頻出。中堅大学でも出題される可能性あり
- 文脈・例題の特徴: 社会問題、科学技術、哲学など多様なテーマ
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する力が必要。「〜を渇望する」のような意味で使われる場合もあるので、多義性を意識する