denunciation
強勢は 'eɪ' の部分にあります。最初の 'dɪ' は弱く短く発音し、'nʌn' は日本語の「ナン」に近いですが、口を大きく開けずに発音します。'ʃən' は「シャン」に近い音ですが、舌先を上あごに近づけて摩擦音を意識しましょう。全体として、リズムと強弱の変化を意識するとより自然に聞こえます。
専門的な内容に関するご注意
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糾弾
公の場で、相手の過ちや不正を強く非難すること。報道や政治の文脈で、強い道徳的非難を伴う場合に使われる。
He made a strong denunciation of the unfair rules in the meeting.
彼は会議で、不公平な規則を強く糾弾しました。
※ この例文では、ある人が会議という公の場で、不公平な規則に対し「強く非難する」様子を描いています。「make a denunciation of A」は「Aを糾弾する」という意味でよく使われる表現です。不正や間違いを正すために、強い言葉で意見を述べる場面をイメージしてください。
The news reported the country's denunciation of the recent violence.
ニュースは、その国が最近の暴力行為を糾弾したことを報じました。
※ テレビのニュースで、アナウンサーが深刻な顔で、ある国が最近起きた暴力事件について強く非難声明を出したことを伝えている場面です。「denunciation of A」で「Aに対する糾弾」という意味になります。国や組織が、特定の行動や事件に対して公に強い非難を表明する際によく使われる典型的な文脈です。
Her public denunciation of his past mistakes surprised everyone.
彼女が彼の過去の過ちを公に糾弾したことは、皆を驚かせました。
※ この例文は、ある講演会やイベントで、一人の女性がマイクを持って、ある人物の過去の不正や失敗について、皆の前で強く非難している状況を描いています。「public denunciation」は「公の場での糾弾」という意味で、特に過去の過ちや不正を強く非難する際に用いられます。「surprise」は「驚かせる」という意味で、感情の動きを表すのに役立つ動詞です。
告発
不正や犯罪行為を公に訴えること。法的な手続きや内部告発など、問題提起のニュアンスを含む。
The brave journalist made a strong denunciation of the government's corruption.
その勇敢なジャーナリストは、政府の汚職について強い告発を行いました。
※ この例文は、ジャーナリストが不正を公に暴き、強く非難する場面を描いています。「denunciation」は、このように公の場で、特に不正行為や不道徳な行いを強く非難する際に使われることが多いです。マイクの前で真剣な表情で話すジャーナリストの姿が目に浮かびますね。
An employee's denunciation revealed the company's illegal acts.
ある従業員の告発が、その会社の違法行為を明らかにしました。
※ この例文は、会社内部の人間が不正行為を「告発」し、それが明るみに出る場面を表しています。いわゆる「内部告発」のような状況です。一人の従業員の勇気ある行動によって、隠されていた悪いことが世間に知られる、というドラマチックな情景が想像できます。
We read about the strong denunciation of old discrimination in history class.
歴史の授業で、私たちは古い差別に対する強い告発について読みました。
※ この例文では、「denunciation」が過去の特定の思想や社会的な慣習に対する「強い非難」や「糾弾」として使われています。歴史を学ぶ中で、過去の過ちが強く否定されたことを知る、という場面です。教科書を読みながら、真剣に考える生徒たちの姿が目に浮かびます。
非難声明
公式な文書や声明として発表される非難。政府や団体が公式に不正や問題点を指摘し、責任を追及する際に用いられる。
The citizen group issued a strong denunciation against the new policy.
市民団体は新しい政策に対し、強い非難声明を出しました。
※ この例文は、市民団体が政府の新しい政策に強く反対し、公式に批判する声明を出した場面を描写しています。'denunciation'は、このように政府や公の行動に対する強い非難によく使われます。'issue a denunciation'で「非難声明を出す」という意味になります。
With a trembling voice, she made a denunciation of his betrayal.
震える声で、彼女は彼の裏切りを非難する声明をしました。
※ この例文は、個人的な裏切りに対して、強い怒りや悲しみを込めて非難の言葉を口にする場面を示しています。'denunciation'は、非常に強い感情や、まるで公式な場でのように重い意味合いで使われることがあります。'make a denunciation of X'で「Xを非難する声明をする」という意味です。
The leader delivered a strong denunciation of the neighboring country's actions.
その国の指導者は、隣国の行動に対して強い非難声明を行いました。
※ この例文は、ある国の指導者が、隣国の特定の行動に対して、公の場で強い批判の声明を発表した場面です。'denunciation'は、このように国家間の関係や国際政治の文脈で使われる、公式な「非難声明」を表すのに非常に適しています。'deliver a denunciation'も「非難声明を出す」という意味で使われます。
コロケーション
痛烈な非難、手厳しく容赦のない糾弾
※ 形容詞"scathing"は「焼き尽くすような、手厳しい」という意味で、このコロケーションは、単なる批判を超えて、相手を徹底的に打ちのめすような激しい非難を表します。政治的な演説や論争、文学作品などで、強い感情や道徳的憤慨を表現する際に用いられます。例えば、「a scathing denunciation of the government's policies」(政府の政策に対する痛烈な非難)のように使われます。フォーマルな場面でよく使われます。
公然の非難、公衆の面前での糾弾
※ 秘密裏に行われるのではなく、公の場で行われる非難を指します。政治家や著名人に対するスキャンダルや不正行為に対する非難、組織的な不正を暴く内部告発など、社会的な注目を集める状況で用いられることが多いです。「He faced public denunciation after the scandal broke.」(スキャンダルが発覚した後、彼は公然の非難にさらされた。)のように使用します。メディア報道と結びつきやすい表現です。
暴力の非難、暴力行為の糾弾
※ 暴力行為を強く非難することを意味します。戦争、テロ、家庭内暴力など、様々な形態の暴力に対する反対意見を表明する際に用いられます。国際的な声明や人権団体の報告書などでよく見られる表現です。「denunciation of violence against women」(女性に対する暴力の非難)のように、特定の対象に向けた非難として使われることもあります。道徳的・倫理的な意味合いが強い表現です。
非難声明を発表する、糾弾声明を出す
※ 組織や団体が公式に非難声明を発表することを指します。政府、国際機関、NGOなどが、特定の事件や政策に対して公式な立場を表明する際に用いられます。「The UN issued a denunciation of the human rights abuses.」(国連は人権侵害に対する非難声明を発表した。)のように使われます。報道記事や公式文書でよく見られる表現です。
一斉に非難の声が上がる、非難の合唱
※ 多くの人々が同時に、または相次いで非難の声を上げる様子を表します。スキャンダル、不正行為、不当な決定などに対する強い反発が社会全体に広がる状況で用いられます。ニュース記事や社会評論などでよく見られる表現で、集団的な怒りや不満を強調する効果があります。「a chorus of denunciation erupted after the company announced the layoffs.」(会社が解雇を発表した後、一斉に非難の声が上がった。)のように使われます。
連座による非難、関係性に基づく糾弾
※ ある人物や集団が、別の人物や集団との関係性(友人関係、所属組織など)を理由に非難されることを指します。直接的な証拠がない場合でも、関係性があるというだけで非難される不当な状況を表します。政治的な迫害や魔女狩りなど、歴史的な文脈で用いられることもあります。現代では、SNSでの炎上やキャンセルカルチャーにおいても見られる現象です。注意深く使用する必要がある表現です。
迅速な非難、即時の糾弾
※ 事態が発生してから間を置かずに、迅速に非難声明が出されることを指します。緊急性の高い状況、例えばテロ攻撃や人権侵害などに対して、政府や国際機関が迅速な対応を示す際に用いられます。「The government issued a swift denunciation of the terrorist attack.」(政府はテロ攻撃を迅速に非難した。)のように使われます。迅速な対応をアピールする意図が含まれることが多いです。
使用シーン
学術論文や研究発表において、特定の理論や研究手法に対する批判や反論を示す際に用いられます。例えば、社会科学系の論文で「従来の理論の限界を糾弾する」といった文脈で使用されます。また、倫理学の研究において、ある行為や政策に対する強い非難声明として用いられることもあります。
ビジネスシーンでは、公式な報告書や内部告発などの文脈で用いられることがあります。例えば、企業の不正行為を告発する際に、法的文書や倫理委員会への報告書で使用される可能性があります。ただし、日常的なビジネスコミュニケーションでは、より穏やかな表現が好まれるため、使用頻度は低いです。
日常生活では、ニュース報道やドキュメンタリー番組などで、政治的な不正や社会的な不正に対する強い非難として用いられることがあります。例えば、「〜に対する国民の糾弾の声が高まっている」といった文脈で使用されます。ただし、日常会話でこの単語が使われることは稀で、より一般的な「criticism(批判)」などの語が用いられます。
関連語
類義語
公然と非難・糾弾すること。道徳的または倫理的な観点から強く非難する場合に用いられる。政治的な声明や報道記事などでよく見られる。 【ニュアンスの違い】denunciationよりもフォーマルで、公式な響きを持つことが多い。法的な不正行為や社会的な不正義に対する強い非難に用いられる傾向がある。 【混同しやすい点】denunciationは個人的な非難を含む場合があるが、condemnationはより公的で公式な非難を指すことが多い。また、condemnationはしばしば、非難に加えて処罰や制裁を伴う含みを持つ。
欠点や問題点を指摘すること。建設的な意見や改善提案を含む場合もある。日常会話、ビジネス、学術など幅広い場面で用いられる。 【ニュアンスの違い】denunciationが感情的で強い非難を含むのに対し、criticismはより客観的で冷静な評価を意味することが多い。必ずしも否定的な意味合いを持つとは限らない。 【混同しやすい点】denunciationは非難の意図が明確だが、criticismは評価や分析の一環として行われる場合がある。criticismは、必ずしも相手を攻撃する意図を持つとは限らない。
公式な非難や叱責。組織や団体が、メンバーの行動に対して公式に非難する場合に用いられる。議会や委員会などの公式な場で使われることが多い。 【ニュアンスの違い】denunciationよりもさらにフォーマルで、公式な手続きを経て行われる非難を指す。多くの場合、何らかの処分や制裁を伴う。 【混同しやすい点】denunciationが個人的な感情に基づく場合があるのに対し、censureは組織的な決定に基づく公式な非難である。また、censureはしばしば、記録に残る公式な処分を意味する。
不満や失望を表明すること。個人的な関係において、相手の行動や言動に対して非難や叱責をする場合に用いられる。日常会話や文学作品でよく見られる。 【ニュアンスの違い】denunciationよりも個人的で、感情的なニュアンスが強い。親しい間柄での非難や忠告の意味合いを持つことが多い。 【混同しやすい点】denunciationが公然と非難するのに対し、reproachは個人的な感情の表出である。また、reproachはしばしば、相手に対する期待や愛情の裏返しとして行われる。
言葉や行動で相手を攻撃すること。物理的な攻撃だけでなく、批判や非難による攻撃も含む。政治、スポーツ、日常会話など幅広い場面で用いられる。 【ニュアンスの違い】denunciationが特定の行為や意見を非難するのに対し、attackは相手の人格や立場全体を攻撃するニュアンスが強い。より直接的で攻撃的な表現。 【混同しやすい点】denunciationは必ずしも攻撃的とは限らないが、attackは常に攻撃的な意図を持つ。また、attackはしばしば、相手を貶めることや傷つけることを目的とする。
- indictment
告発、起訴。特に法的な文脈で、犯罪行為を公式に告発することを指す。法律、政治、報道などで用いられる。 【ニュアンスの違い】denunciationが一般的な非難であるのに対し、indictmentは法的な手続きに基づいた告発を意味する。より具体的で、法的な責任を追及する意味合いが強い。 【混同しやすい点】denunciationは必ずしも法的な手続きを伴わないが、indictmentは常に法的な手続きの一部である。indictmentは、裁判所への正式な訴えを意味する。
派生語
『公然と非難する』という意味の動詞。名詞の『denunciation』から派生し、より具体的な行為を表す。日常会話よりも、報道や政治的な文脈で使われることが多い。動詞としての行為に焦点を当てる。
- denunciatory
『非難的な』という意味の形容詞。接尾辞『-tory』は『〜の性質を持つ』という意味合いを加え、非難の性質や特徴を表す。例えば、『denunciatory speech(非難演説)』のように使われる。やや形式ばった文脈や、報道などで見られる。
接頭辞『re-(再び、完全に)』が付き、『放棄する』という意味になる。元々は『完全に非難する』というニュアンスから、『権利や主張などを放棄する』という意味に変化した。歴史的、法的な文脈でよく用いられる。
反意語
『称賛』という意味。非難とは正反対の行為であり、公式な場や文書で用いられることが多い。良い行いや業績を公に認める際に使われる。
『承認』や『賛成』という意味。非難が拒否や反対の意を示すのに対し、承認は受け入れや支持を表す。日常会話からビジネスシーンまで幅広く使われる。
『支持』や『推薦』という意味。特に商品や政治的な候補などを支持する際に用いられる。非難が信用を失墜させる行為であるのに対し、endorsementは信用を与え、価値を高める行為である。
語源
"Denunciation」は、ラテン語の「dēnuntiātiō」(宣言、告知)に由来します。これはさらに、「dēnuntiāre」(公に宣言する、告発する)から派生しています。「dēnuntiāre」は、「dē-」(完全に、徹底的に)と「nuntiāre」(知らせる、告げる)から構成されています。「nuntiāre」は、「nuntius」(使者、知らせ)に関連しており、英語の「announce」(発表する)と同根です。つまり、「denunciation」は、元々は「公に徹底的に知らせる」という意味合いを持っていました。それが転じて、現代英語では「糾弾、告発、非難声明」といった、公に非難する行為を指すようになりました。日本語で例えるなら、「大々的に言い立てる」というニュアンスが近いでしょう。「徹底的に知らせる」という原義を理解することで、単語の意味をより深く記憶できるはずです。
暗記法
「denunciation」は、魔女狩りや粛清の時代、個人の恨みや政治的陰謀が告発という形で社会を覆い、多くの人々を苦しめました。現代ではSNSでの匿名告発が横行し、その危険性は形を変えずに存在します。言葉の刃は、社会を分断し、憎悪を煽る凶器にもなり得る。告発の重みを深く理解し、安易なdenunciationに加担しない賢明さこそ、成熟した社会を築く礎となるでしょう。
混同しやすい単語
『denunciation』は非難・告発という意味ですが、『pronunciation』は発音という意味です。両者はスペルが長く、'nunci' の部分が共通しているため、特に書き言葉で混同しやすいです。発音も似ていますが、アクセントの位置が異なります(denunciation: /dɪˌnʌnsiˈeɪʃən/, pronunciation: /prəˌnʌnsiˈeɪʃən/)。注意点としては、それぞれの単語が文脈に合うかどうかを常に確認することです。
『annunciation』は(キリスト教で)受胎告知という意味です。こちらも 'nunci' の部分が共通しており、宗教的な文脈で登場することがあります。意味が全く異なるため、文脈を理解することが重要です。語源的には、どちらもラテン語の 'nuntiare'(知らせる)に由来しますが、接頭辞(de-, ad-)が意味を大きく変えています。
『renunciation』は放棄・放棄声明という意味です。スペルが非常に似ており、'nunciation' の部分が共通しているため、視覚的に混同しやすいです。意味も、『denunciation』が非難であるのに対し、『renunciation』は権利や信念の放棄であるため、似たような文脈で使われる可能性があります。語源的には、こちらも 'nuntiare' に由来しますが、接頭辞(re-)が意味を反転させています。
『enunciation』は明瞭な発音・発声という意味です。発音に関する単語であるため、音声的に混同される可能性があります。スペルも 'nunciation' の部分が共通しており、視覚的な類似性も高いです。特に、英語学習者が発音の練習をする際に、これらの単語を混同しないように注意が必要です。'e-'という接頭辞は「外に」という意味合いを持ち、発音を外に出すイメージです。
『denomination』は宗派・種類・単位という意味です。'nomination'と発音が似ており、スペルも一部共通しているため、混同しやすいです。特に、宗教やお金に関する文脈で登場することがあります。意味が全く異なるため、文脈を理解することが重要です。語源的には、'name'(名前)に関連しており、宗派の名前や貨幣の単位を意味します。
『announce』は発表するという意味の動詞で、『denunciation』の名詞形であるため、文法的な役割が異なりますが、意味合いが近い(発表する、非難する)ため、混同する可能性があります。また、'nounce'の部分が共通しており、語源的につながりがあります。'denunciation'を動詞で表現したい場合に、間違って 'announce' を使ってしまうケースが見られます。
誤用例
『Denunciation』は強い非難や糾弾を意味し、公然と非難するニュアンスがあります。日本の文化的な背景を考慮すると、遠回しで丁寧な批判を『denunciation』と表現するのは不適切です。より穏やかな『criticism』を使用するのが適切です。日本人が『非難』という言葉から受ける印象と、『denunciation』の持つ語感の強さのギャップが原因です。日本語の『非難』は、英語の『criticism』から『denunciation』まで幅広い意味を含みますが、英語ではより明確に使い分ける必要があります。
『Denunciation』は強い非難を意味するため、『praise(称賛)』と両立しません。これは、日本語の『声明』を安易に『denunciation』と訳そうとする際に起こりやすい誤りです。政府の政策に関する声明が批判的だったという文脈では、『statement』のような中立的な言葉を使用し、その声明の内容が批判的であったことを示すのが適切です。日本語の『声明』は内容を問わない広い意味を持ちますが、英語の『denunciation』は強い否定的意味に限定されます。安易な直訳は避け、文脈に合った語彙を選ぶ必要があります。
『Denunciation』は、より公的で公式な非難、または重大な不正行為に対する告発を意味します。上司から会議に遅刻したことで受けるのは、通常は『reprimand(叱責)』や『scolding(小言)』といった、より個人的で軽い非難です。日本人が『非難』という言葉を比較的広い範囲で使うのに対し、英語の『denunciation』は、より深刻な状況で使用されることに注意が必要です。ビジネスシーンでは、状況に合わせた適切な語彙を選ぶことが重要です。上司からの個人的な注意を『denunciation』と表現すると、大げさで不自然な印象を与えます。
文化的背景
「denunciation(非難、告発)」は、単なる批判を超え、社会的な糾弾や排斥を伴う強い非難の表明を意味します。歴史的には、権力者に対する異議申し立てや、社会規範からの逸脱者に対する制裁として機能し、その背後には道徳的、宗教的、政治的な信念体系が深く関わっています。
中世ヨーロッパにおける魔女狩りは、「denunciation」が社会を覆う狂気を象徴する最たる例です。個人的な恨みや妬みが、匿名による告発という形で教会や領主に伝えられ、それが魔女裁判へと発展しました。告発された人々は、拷問によって自白を強要され、最終的には火あぶりの刑に処されました。この時代、「denunciation」は、個人の尊厳を奪い、社会を恐怖で支配する道具として機能しました。魔女狩りは、社会の不安や不満が、特定の個人や集団に向けられ、集団心理によって増幅される「denunciation」の危険性を示しています。
また、20世紀の全体主義国家における粛清も、「denunciation」の負の側面を浮き彫りにしています。ソ連のスターリン体制下や中国の文化大革命では、政治的な反対者や思想的に疑わしい人々が、密告によって逮捕され、処刑されました。家族や友人、同僚さえもが、生き残るために互いを「denunciation」せざるを得ない状況に追い込まれ、社会全体の信頼関係が崩壊しました。この文脈における「denunciation」は、権力者が社会を統制し、異論を封じ込めるための手段として利用され、個人の自由と人権を著しく侵害しました。
現代社会においても、「denunciation」は、SNSなどを通じて、より手軽に行われるようになりました。匿名での告発や誹謗中傷が拡散されやすく、個人や企業に対する不当な攻撃が後を絶ちません。このような状況下では、「denunciation」の濫用を防ぎ、言論の自由と個人の名誉を保護するための適切な法的、倫理的枠組みが不可欠です。批判精神は重要ですが、根拠のない告発や感情的な非難は、社会を分断し、憎悪を煽るだけであることを忘れてはなりません。「denunciation」という言葉の重みを認識し、慎重な態度で向き合うことが、成熟した社会の条件と言えるでしょう。
試験傾向
準1級以上の語彙問題で出題される可能性があり、長文読解でも見かけることがあります。
1. **出題形式**: 語彙問題、長文読解
2. **頻度と級・パート**: 準1級以上
3. **文脈・例題の特徴**: 社会問題、政治、倫理など、やや硬いテーマの長文。
4. **学習者への注意点・アドバイス**: 「非難」「糾弾」といった意味を理解し、関連語(denounce, condemn)との使い分けを意識する。
TOEIC L&R TESTでは、直接的な語彙問題としての出題は少ないですが、長文読解で内容理解を問う形で登場する可能性があります。
1. **出題形式**: 長文読解
2. **頻度と級・パート**: Part 7
3. **文脈・例題の特徴**: 企業倫理、不正行為に関する記事などで使われる可能性。
4. **学習者への注意点・アドバイス**: ビジネスシーンでの「非難」を意味することを理解しておく。直接的な語彙知識よりも、文脈から意味を推測する力が重要。
TOEFL iBTのリーディングセクションで、アカデミックな文章の中で見かけることがあります。
1. **出題形式**: リーディング
2. **頻度と級・パート**: リーディングセクション
3. **文脈・例題の特徴**: 社会学、政治学、歴史学など、学術的な文章。
4. **学習者への注意点・アドバイス**: 文脈から意味を正確に把握することが重要。「公然の非難」というニュアンスを理解し、類義語(criticism, censure)との違いを意識する。
難関大学の長文読解で出題される可能性があります。
1. **出題形式**: 長文読解
2. **頻度と級・パート**: 難関大学
3. **文脈・例題の特徴**: 社会問題、国際関係、歴史など、論説的な文章。
4. **学習者への注意点・アドバイス**: 文脈から意味を推測する力と、論理的な読解力が求められる。抽象的な内容の中で出てくることが多いので、具体例を考えながら読むと理解しやすい。