core
母音 /ɔː/ は日本語の「オ」よりも口を丸めて喉の奥から出す音です。「ア」に近い響きがあるため、「コー」と「ア」の中間のような音を意識しましょう。語尾の 'r' は舌を丸めて喉の奥に引き、舌先をどこにもつけないようにして発音します。アメリカ英語では、この 'r' の音を強調します。
専門的な内容に関するご注意
このページには、健康、金融、法律など、専門的な知識を必要とする内容が含まれている可能性があります。本サイトの情報は学習目的で提供されており、専門家による助言の代わりとなるものではありません。重要な判断を行う際には、必ず資格を持つ専門家にご相談ください。
核心
物事や問題の最も重要な部分、本質的な部分を指す。中心となる考え、信念、価値観なども含む。比喩的に、組織やグループの中核となるメンバーを指すこともある。
Everyone was confused, but then she pointed out the core of the problem.
みんなが困惑していたけれど、彼女が問題の核心を指摘したんだ。
※ 会議室で、参加者たちがどうすればいいか分からず頭を抱えている中、一人の女性が「これこそが問題の根本原因だ!」と的確な発言をする場面を想像してください。「core of the problem」は、物事や状況の最も重要な部分、つまり「問題の核心」を意味する、非常に典型的な表現です。
The team leader explained that customer satisfaction is the core of our new project.
チームリーダーは、顧客満足が私たちの新しいプロジェクトの核心だと説明した。
※ 新しいプロジェクトを始めるにあたり、チームリーダーがホワイトボードの前に立ち、情熱的に「このプロジェクトで最も大切なこと、絶対に忘れてはいけない目的はこれだ!」と力説している場面です。「core of the project」のように、「何かの核心」を明確にすることで、チーム全員が同じ方向を向いて進むことができます。
After reading the book, I finally understood the core of the author's message.
その本を読んだ後、私はついに著者のメッセージの核心を理解した。
※ 難しい本や深い内容の物語を読み終えた後、「ああ、この著者が本当に伝えたかったことはこれだったのか!」と、ふと核心に気づく瞬間を描いています。「core of the message」は、話や文章、スピーチなどで、一番伝えたいことや、最も大切な意味合いを指すときに使われます。読書体験や学びの場面でよく使われる表現です。
不可欠な
何かが存在するために絶対に必要である、という意味合い。中心的な、本質的な、という意味を含む。
He feels that daily speaking practice is a core part of truly mastering English.
彼は、毎日話す練習をすることが、本当に英語を習得するための不可欠な部分だと感じています。
※ この例文は、英語を学びたい人が上達のために「毎日話す練習」という、地道だけど最も大切なことを続けている情景を描いています。「core part of ~」で「〜の不可欠な部分、中核をなす要素」という意味になり、英語学習において何が最も重要かを表現する典型的な使い方です。「truly mastering English」という言葉から、学習者の真剣な気持ちも伝わってきますね。
Our project leader emphasized that strong teamwork is core to our success.
私たちのプロジェクトリーダーは、強力なチームワークが成功にとって不可欠であると強調しました。
※ これは、会社や学校のプロジェクトで、リーダーがチームのメンバーに「成功のために何が一番大切か」を力強く伝えている場面です。「is core to ~」は「〜にとって不可欠である、中核をなす」という意味で、特にビジネスシーンで、ある目標達成のために何が最も重要かを説明する際によく使われます。「emphasized(強調した)」という動詞が、リーダーの熱意を伝えています。
During tough times, her family's support is a core strength for her.
困難な時期には、家族の支えが彼女にとって不可欠な力となります。
※ この例文は、人生で大変な状況に直面している人が、家族からの温かい支えを「心の底から必要不可欠なもの」と感じている情景を描写しています。「core strength」は「中心となる強み、精神的な支え」という意味で、困難を乗り越えるために欠かせない、土台となる力を表現します。「During tough times(困難な時期に)」という言葉が、この支えがいかに重要であるかを際立たせています。
掘り下げる
問題やテーマについて、表面的な理解に留まらず、深く探求し、本質に迫ることを意味する。調査や研究活動でよく使われる。
Our team decided to core the problem to find the real cause.
私たちのチームは、本当の原因を見つけるために、その問題を掘り下げることにしました。
※ 会議室で、チームメンバーが真剣な顔で話し合っている様子を想像してみてください。この文は、表面的な解決ではなく、何かの問題(problem)の根源(real cause)を深く探る(core)場面を描写しています。ビジネスの場で、根本原因を突き止める際に使われる、とても自然な表現です。
He wanted to core his research topic deeper for his thesis.
彼は論文のために、自分の研究テーマをもっと深く掘り下げたかった。
※ 図書館で、学生が分厚い専門書を広げ、熱心にメモを取っている姿を思い浮かべてください。この文は、学術的な探求や、特定のテーマ(research topic)について、与えられた情報だけでなく、さらにその本質や真実を深く探求する(core deeper)真面目な学習者の姿を表しています。
She tried to core her feelings to understand why she felt sad.
彼女はなぜ悲しいのか理解するために、自分の感情を掘り下げようとしました。
※ 静かな部屋で、一人の女性が目を閉じて、自分の心の奥底と向き合っている情景です。この文は、自分の感情(feelings)や動機、考えの根源を深く探る(core)、内省的な場面で使われます。自己分析や、複雑な感情を整理したいときに、この「core」がぴったり当てはまります。
コロケーション
本質的に、根底に
※ 文字通りには「中心に」という意味ですが、比喩的には「物事の最も重要な部分」「根本的な性質」を指します。例えば、"At the core of the problem is a lack of communication."(問題の核心はコミュニケーション不足だ)のように使います。ビジネスシーンや議論などで、問題の本質を指摘する際に役立ちます。単に"in the center"と言うよりも、問題や状況の根源に迫るニュアンスがあります。
核となる価値観、中核的価値
※ 個人、組織、社会などが最も大切にしている基本的な信念や原則を指します。企業のミッションステートメントや個人の自己啓発などでよく用いられます。単に"values"と言うよりも、揺るぎない、最も重要な価値観であるというニュアンスが加わります。例えば、"Our core values are integrity, innovation, and customer satisfaction."(当社の核となる価値観は、誠実さ、革新性、顧客満足です)。ビジネスシーンで頻繁に使われる表現です。
中核カリキュラム、必修科目
※ 教育機関において、すべての学生が学ぶべき必須の科目群を指します。大学や専門学校でよく用いられ、学生が専門分野に進む前に基礎的な知識やスキルを習得することを目的とします。例えば、"The core curriculum includes courses in mathematics, science, and English."(中核カリキュラムには、数学、科学、英語のコースが含まれています)。教育関係の文脈で頻繁に使われます。
中核事業、主力事業
※ 企業が最も得意とし、収益の大部分を占める事業分野を指します。多角化戦略を取る企業が、どの事業に注力すべきかを議論する際などに用いられます。例えば、"Our core business is manufacturing automotive parts."(当社の中核事業は自動車部品の製造です)。ビジネスシーンで頻繁に使われる表現です。本業、基幹事業と言い換えることも可能です。
心の底から、徹底的に
※ 文字通りには「核心まで」という意味ですが、比喩的には「感情や信念が非常に強く、深く染み込んでいる」状態を表します。例えば、"He was a patriot to the core."(彼は心の底から愛国者だった)。感情的な表現や文学的な文脈で用いられることが多いです。"through and through"(徹底的に)と似た意味合いを持ちますが、より感情的なニュアンスが強いです。
コアサンプル、ボーリング試料
※ 地質調査や鉱物資源探査などで、地中から円筒状に採取される試料を指します。地層の構造や成分を分析するために用いられます。科学技術分野で用いられる専門的な用語です。例えば、"Geologists analyzed core samples to determine the age of the rock formations."(地質学者はコアサンプルを分析して、岩石層の年代を特定しました)。専門的な文脈以外ではあまり使われません。
根っから腐っている、徹底的に堕落している
※ リンゴなどの果物が芯から腐っている様子から生まれた比喩的表現で、組織や人物が根本的に堕落し、腐敗している状態を表します。例えば、"The government was rotten to the core with corruption."(政府は腐敗で根っから腐っていた)。批判的な文脈で用いられることが多く、強い非難の意を含みます。
使用シーン
学術論文や教科書で頻繁に使用されます。特に、理論や概念の「核心」部分を指す場合や、「不可欠な要素」を説明する際に用いられます。例:『この研究のcore argument(核心となる議論)は〜である』、あるいは『〜は、この理論のcore component(不可欠な要素)である』のように使われます。文体は文語的で、客観性と正確性が求められる場面で重要です。
ビジネス文書や会議で、組織やプロジェクトの「核心」や「中核」となる部分を指す際に使われます。例:『core business(中核事業)に集中する』、『core values(企業の中核となる価値観)を再確認する』など。また、問題の「核心」を「掘り下げる」という意味でも使用されます。文体はフォーマルからセミフォーマルで、効率性と明確さが重視されます。
日常会話では、比喩的な意味合いで使われることがあります。例えば、『問題のcore(核心)はそこにある』のように、問題の本質を指し示す場合などです。また、果物の芯を指す場合もありますが、頻度は高くありません。ニュース記事やドキュメンタリーなど、ややフォーマルな文脈で見かけることが多いでしょう。日常会話では、より平易な言葉で言い換えられることが一般的です。
関連語
類義語
物事の最も重要な、本質的な部分を指す。抽象的な概念やアイデアについて用いられることが多い。学術的な文脈や、ややフォーマルな場面で使用される。 【ニュアンスの違い】"core"が物理的な中心や具体的な構成要素を指すことがあるのに対し、"essence"は抽象的な、不可欠な性質や特徴を強調する。より哲学的な含みを持つ。 【混同しやすい点】"essence"は不可算名詞として扱われることが多く、具体的な物体ではなく、概念的な本質を指す点に注意。また、"in essence"というフレーズで「要するに」という意味で使われることが多い。
物事の中心、または感情の中心を指す。比喩的な意味合いが強く、組織や問題、あるいは人の感情の中心部分を指す際に用いられる。日常会話から文学的な表現まで幅広く使われる。 【ニュアンスの違い】"core"が構造的な中心や機能的な中心を指すのに対し、"heart"は感情や重要性、活力を象徴する。組織の"heart"は、その組織の最も重要な価値観や活動を指す。 【混同しやすい点】"heart"は比喩的な意味合いが強い。物理的な中心という意味では"core"がより適切。また、人の感情を指す場合は、文脈によってはロマンチックな意味合いを含むことがある。
原子の中心にある原子核、または細胞の中心にある核を指す。科学的な文脈で用いられることが最も多い。比喩的に、組織やグループの中心人物や中心的な活動を指すこともある。 【ニュアンスの違い】"core"が一般的な中心を指すのに対し、"nucleus"はより専門的な、あるいは科学的な文脈で使用されることが多い。組織の"nucleus"は、その組織の成長や発展の起点となる要素を指す。 【混同しやすい点】日常会話ではあまり使われないため、使用場面に注意が必要。科学的な文脈以外で使用する場合は、比喩的な意味合いが強いことを理解しておく必要がある。
- crux
問題や議論の最も重要な点、核心を指す。難しい問題や複雑な状況において、解決すべき最も重要な部分を指す際に用いられる。フォーマルな文脈や議論において使われることが多い。 【ニュアンスの違い】"core"が中心的な要素全般を指すのに対し、"crux"は特に解決困難な問題や議論の最も重要なポイントに焦点を当てる。問題解決や意思決定の文脈でよく使われる。 【混同しやすい点】"crux"は問題の核心を指すため、物理的な中心を指す"core"とは異なる。また、"the crux of the matter"というフレーズでよく用いられる。
議論や行動、理論などの基礎となる部分を指す。何かが成り立つための土台や根拠となるものを意味する。学術的な文脈や、論理的な議論においてよく使われる。 【ニュアンスの違い】"core"が中心的な構成要素を指すのに対し、"basis"はより抽象的な、基礎となる原理や理由を指す。例えば、「この理論のbasisは〜である」のように使用する。 【混同しやすい点】"basis"は可算名詞であり、複数形"bases"も存在する。文脈によって単数形か複数形かを使い分ける必要がある。また、"on the basis of"というフレーズで「〜に基づいて」という意味になる。
建物などの基礎、または組織や理論などの基盤を指す。物理的な基礎と抽象的な基盤の両方を意味する。フォーマルな文脈や、長期的な視点が必要な場面で使われる。 【ニュアンスの違い】"core"が内部の中心を指すのに対し、"foundation"は外部から見える、支える土台を指す。組織の"foundation"は、その組織の設立理念や基本的な構造を指す。 【混同しやすい点】"foundation"は不可算名詞として扱われることが多いが、具体的な建物の基礎を指す場合は可算名詞として扱われることもある。また、慈善団体や基金を指すこともあるため、文脈によって意味を判断する必要がある。
派生語
『法人組織の』『団体の』という意味の形容詞。『core(核)』から派生し、組織の中核となる部分、つまり法人全体を表すようになった。ビジネス文書やニュース記事で頻繁に見られる。組織が『一つの核』として機能するというイメージ。
『組み込む』『法人化する』という意味の動詞。『in-(中へ)』+『corporate(法人組織)』で、組織の中に要素を組み込む、または組織自体を法人格として確立することを意味する。契約書やビジネス戦略の説明でよく用いられる。
『軍団』『団体』という意味の名詞。元々は『体』を意味するラテン語の『corpus』に由来し、『core』と語源を共有する。複数の個人が一体となって活動する集団を指し、軍事用語として、また報道などで使われる。組織の『核』となる集団というニュアンス。
反意語
『周辺』『端』という意味の名詞。『core(中心)』と対照的に、最も外側の部分を指す。物理的な位置関係だけでなく、重要度や関心の度合いにおいても対比的に用いられる(例:『問題の核心』vs『問題の周辺』)。学術論文や政治的な議論でよく見られる。
『表面』という意味の名詞。物理的な対象の中心(core)に対する外側の層を指す。比喩的には、物事の本質(core)に対する外見や表面的な部分を意味する。日常会話から学術的な議論まで幅広く使われる。
『外部』という意味の名詞または形容詞。建築物や物体の中心部(core)に対する外側の部分を指す。比喩的には、内面(core)に対する外面や外見を意味する。デザインや建築、心理学などの文脈で用いられる。
語源
「core」の語源はラテン語の「cor(心臓)」に遡ります。心臓は身体の中心であり、生命の源であることから、「核心」「中心」といった意味合いが生まれました。さらに、フランス語を経由して英語に入り、物事の最も重要な部分、不可欠な要素という意味へと発展しました。例えば、リンゴの「芯」も、その中心部分を指します。また、「掘り下げる」という意味は、中心に向かって深く探求するというイメージから来ています。日本語でも「核心に迫る」というように、「核心」は物事の本質を表す言葉として使われます。このように、「core」は心臓という身体の中心から派生し、物事の中心、本質、不可欠な要素といった意味を持つようになったのです。
暗記法
「core」は単なる中心ではなく、組織や個人の根幹をなす、目に見えない価値観の象徴。中世ギルドでは、職人技の中核を守り抜く誇りであり、現代企業の「コア・コンピタンス」へと繋がる。宗教的には「核心的な信仰」として、個人の行動を律する羅針盤となる。現代社会では、組織と個人のアイデンティティを確立し、変化の時代を生き抜くための軸として、その重要性を増している。
混同しやすい単語
発音が同じ /kɔːr/ であり、スペリングも似ているため混同しやすい。意味は『軍団』、『団体』であり、組織を表す名詞として使われる。coreが『核』『中心』といった意味合いであるのに対し、corpsは集団を指す点が大きく異なる。複数形は corps のまま。
発音が /kɔːrd/ と非常に近く、スペルも似ているため、特にリスニングで混同しやすい。意味は『和音』、『コード』であり、音楽の文脈で使われる。coreが中心的な部分を指すのに対し、chordは複数の音が組み合わさったものを指す。視覚的には'cor'と'cho'の違いに注目。
発音が /kɔːrd/ と近く、スペルも似ているため、発音とスペルの両方で混同しやすい。意味は『ひも』、『コード』であり、電気コードやロープなどを指す。coreが抽象的な中心を指すのに対し、cordは物理的な紐状のものを指す。語源的には、chord(和音)が弦(cord)から来ていることを知っておくと、関連性を覚えやすい。
発音が /kjʊər/ と、特にアメリカ英語では母音部分が似ているため、聞き間違いやすい。意味は『治療』、『治癒』であり、動詞または名詞として使われる。coreが問題の中心に迫る意味合いであるのに対し、cureは問題の解決を意味する。スペリングも似ているため、文脈で判断する必要がある。
発音が /kɔːrs/ と似ており、スペリングも 'cor' の部分が共通しているため、混同しやすい。意味は『粗い』、『きめの粗い』であり、主に触感を表す形容詞として使われる。coreが名詞であるのに対し、coarseは形容詞である点が大きく異なる。同音異義語の 'course'(コース、進路)との区別も重要。
発音記号は/koʊl/で、core /kɔːr/ とは異なるものの、日本人学習者には母音の発音の区別が難しい場合がある。スペルも似ているため、視覚的にも混同しやすい。意味は『石炭』であり、エネルギー源として使われる。coreが中心的な概念を指すのに対し、coalは具体的な物質を指す。 'co-' で始まる単語は多いので、文脈で判断する練習が必要。
誤用例
日本語の『核心』という言葉に引きずられ、『core』を意見や主張の最も重要な部分という意味で使いがちですが、英語の『core』は、物理的な中心や、物事の根本的な性質を指すことが多いです。意見や議論の要点を指す場合は、『central argument』や『main point』を使う方が適切です。日本人が『核心』という言葉を使う際に、奥ゆかしさや遠回しな表現を好む傾向があるため、直接的な『argument』という単語を避けてしまうことも原因として考えられます。
『core member』を『中心メンバー』と直訳してしまいがちですが、英語では『key member』や『essential member』の方が自然です。『core』は組織の中核となる部分、つまり必要不可欠な要素を指すため、人が『core』であると言うと、少し不自然に聞こえます。また、日本的な組織観では、中心メンバーは常に活動に参加しているイメージがありますが、英語圏では役割の重要性と参加頻度は必ずしも一致しないため、文脈によっては皮肉に聞こえる可能性もあります。
『core problem』も間違いではありませんが、より自然な英語としては『underlying problem』が適切です。『core』は問題の本質を指しますが、『underlying』は表面には見えにくい、根底にある問題を指します。日本人が問題の本質を捉えようとする際に、直接的な表現を避け、背景にある原因を探ろうとする傾向があるため、『underlying』の方がよりニュアンスが近い場合があります。また、『core』は、問題が解決可能であることを示唆するニュアンスを含んでいるのに対し、『underlying』は、問題が根深く、解決が難しいことを示唆するニュアンスを含んでいるため、文脈によって使い分ける必要があります。
文化的背景
「core(コア)」は、単に中心や核という意味を超え、物事の本質、最も重要な部分、揺るぎない信念といった、目に見えない価値観や精神性を象徴する言葉として、西洋文化において重要な位置を占めています。それは、組織の理念、個人のアイデンティティ、そして社会全体の価値観を支える、見えない「軸」として機能しているのです。
中世ヨーロッパのギルド制度において、「core」は職人たちが守り抜くべき技術や知識の中核を指しました。それは単なる技術ではなく、先人たちが築き上げてきた誇り、そして未来へと受け継ぐべき遺産としての意味合いを持っていました。ギルドの「core」を守ることは、自分たちの存在意義を守ることと同義であり、外部からの干渉や模倣から技術を守るための結束を強める役割も担っていました。この「core」は、現代の企業における「コア・コンピタンス」という概念にも通じ、組織が長期的に競争優位を保つための独自の能力や技術を指す言葉として、その精神を受け継いでいます。
また、宗教的な文脈においても、「core」は重要な意味を持ちます。キリスト教においては、「core belief(核心的な信仰)」という言葉が使われ、信仰の根幹をなす教義や価値観を指します。これは単なる知識ではなく、信者の行動や生き方を決定づける、内面的な羅針盤としての役割を果たします。同様に、個人の内面においても、「core values(核となる価値観)」という言葉が使われ、その人の行動原理や判断基準となる、最も大切にしている価値観を指します。この「core values」は、倫理的な判断を行う際の拠り所となり、困難な状況においても自分自身を律し、正しい道を選択するための指針となります。
現代社会においては、「core」は、組織や個人のアイデンティティを確立し、変化の激しい時代を生き抜くための羅針盤として、ますます重要な意味を持つようになっています。企業は「コア・バリュー」を明確にすることで、従業員の行動規範を定め、組織全体の方向性を一致させることができます。個人は「コア・バリュー」を理解することで、自分自身の強みや弱みを認識し、キャリアプランやライフスタイルを設計する上での指針とすることができます。「core」という言葉は、単なる中心という意味を超え、私たち自身の存在意義、そして社会全体の価値観を支える、見えない「軸」として、これからも重要な役割を果たし続けるでしょう。
試験傾向
- 出題形式: 語彙問題、長文読解
- 頻度と級・パート: 準1級・1級で頻出。2級でもまれに出題
- 文脈・例題の特徴: 社会問題、科学技術、文化など幅広いテーマで出題。長文読解では中心となる概念を表すことが多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: 名詞(核心、中心)と動詞(中核をなす)の両方の意味を理解する。派生語(core value, core competencyなど)も重要。
- 出題形式: Part 5(短文穴埋め)、Part 7(長文読解)
- 頻度と級・パート: Part 5, 7で比較的よく見られる
- 文脈・例題の特徴: ビジネスシーン(組織、戦略、プロジェクトなど)で使われることが多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: 「中心的」「主要な」といった意味で使われることが多い。文脈から意味を推測する練習が必要。
- 出題形式: リーディング
- 頻度と級・パート: アカデミックな文章で頻出
- 文脈・例題の特徴: 科学、歴史、社会科学などの分野で、議論の中心となる概念として登場する。
- 学習者への注意点・アドバイス: 抽象的な意味合いで使われることが多い。同義語(fundamental, essential)も覚えておくと役立つ。
- 出題形式: 長文読解
- 頻度と級・パート: 難関大学で頻出
- 文脈・例題の特徴: 評論文や物語文など、様々なジャンルで登場する。
- 学習者への注意点・アドバイス: 「核心」「本質」といった意味を理解し、文脈に応じて適切な訳語を選択できるようにする。比喩的な意味合いで使われることもある。