confound
第2音節にアクセントがあります。「con-」は弱く「カン」と発音します。/aʊ/ は二重母音で、「ア」と「ウ」を滑らかにつなげるように発音します。日本語の「ア」よりも口を大きく開け、最後に軽く唇を丸めるのがコツです。/nd/ は鼻音を含む子音連結で、/n/ の後に舌を上あごにつけて /d/ を発音します。
混乱させる
予想外の事態や複雑さによって、人の思考や理解を混乱させ、困惑させる意味合い。議論や状況が複雑で理解困難になる場合に使われる。
The professor's long explanation completely confounded the students.
教授の長い説明は、学生たちを完全に混乱させた。
※ この例文は、情報が複雑すぎたり、長すぎたりして、聞いている人が「何を言っているのかさっぱりわからない」と頭がごちゃごちゃになる様子を表しています。大学の授業で、難しい話が続くときに、思わず「え、結局何が言いたいの?」と感じるような状況ですね。「confound」は、このように情報や説明が原因で人が困惑する場面でよく使われます。
The sudden change in plans confounded everyone at the meeting.
突然の計画変更は、会議の出席者全員を困惑させた。
※ この例文は、予期していなかった出来事や急な変更が起きて、人々が「え?どういうこと?」と驚き、頭が整理できなくなる状況を描いています。例えば、会議中に急に「今日の予定は全部変わります!」と発表され、参加者みんなが戸惑ってしまうような場面です。「confound」は、予測不能な出来事によって人が混乱する際にぴったりの単語です。
The strange riddle completely confounded the detective for hours.
その奇妙ななぞなぞは、探偵を何時間も困惑させた。
※ この例文は、解決が難しい問題や謎が、人を深く考え込ませ、困惑させる様子を表しています。探偵が、とても複雑な謎を前にして、何時間も考え込んでいるけれど、全然答えが見つからずに頭を抱えているような状況を想像してみてください。このように、知的な挑戦や問題が人を「confound」させる、という形で使われることも多いです。
誤りだと証明する
既存の理論、主張、期待などを覆し、それが間違っていることを示す意味合い。実験結果や証拠によって、従来の考えが覆される状況で使われる。
The new discovery completely confounded the old theory about dinosaurs.
新しい発見は、恐竜に関する古い学説が完全に誤りだと証明しました。
※ この文は、科学者が長年信じられていた考えや理論(ここでは恐竜の学説)が、新しい証拠や情報によって「それは間違いだった」と強く示される場面を描いています。研究者が驚きと興奮の中で、常識が覆されるような状況を想像できますね。「confound」は、古い考えを「ひっくり返す」ような強い意味合いで使われます。
Her unexpected kindness completely confounded my first impression of her.
彼女の予期せぬ親切さは、私が彼女に抱いていた最初の印象が完全に誤りだと証明しました。
※ この例文では、誰かに対するあなたの最初の(おそらく間違った)印象が、その人の実際の行動によって「それは間違いだった」と強く示される様子を表しています。例えば、「あの人は冷たい人だと思っていたのに、実はとても親切だった」というように、人の行動があなたの考えを良い意味で裏切るような場面で使えます。
The surprisingly low sales figures confounded his confident predictions for this month.
驚くほど低い売上数字は、今月に対する彼の自信に満ちた予測が誤りだと証明しました。
※ ビジネスの会議などで、誰かの自信たっぷりの予測や主張が、具体的なデータや事実によって「それは違っていた」と示される状況です。期待していた結果と全く違う現実が突きつけられ、計画を見直す必要が出たような、少しがっかりした雰囲気が想像できます。
混同する
二つ以上のものを区別できず、同一のものとして扱ってしまう意味合い。類似性や曖昧さによって、認識や理解が不正確になる状況で使われる。
Oh no, I always confound my two cousins, Ken and Ben, because they look so similar.
ああ、困ったな、私はいとこのケンとベンをいつも混同してしまうんだ、彼らがとてもよく似ているから。
※ 顔が似ている人や、名前が似ている人を間違えてしまう、という日常的な「うっかり」の場面です。この文のように「confound A with B」の形で「AとBを混同する」という意味でよく使われます。
She accidentally confounded the salt with the sugar while baking a cake.
彼女はケーキを焼いている最中に、うっかり塩と砂糖を間違えてしまいました。
※ 料理中に似たような調味料を間違えてしまう、という具体的な失敗の場面です。「accidentally」は「うっかり、誤って」という意味で、意図せず間違えてしまった状況を表すのに役立ちます。
It's easy to confound the two different instructions if you don't read them carefully.
もし注意して読まないと、その2つの異なる指示を混同しがちです。
※ 説明書や指示書など、情報が似ているために間違えやすい状況です。この例文は、注意することの大切さを伝える場面で使えます。「It's easy to 〜」は「〜しやすい」という意味で、一般的な傾向を説明するのに便利です。
コロケーション
期待を裏切る、予想を覆す
※ 「confound」はここでは「混乱させる」という意味合いよりも「打ち破る」に近いニュアンスを持ちます。単に期待外れの結果になるだけでなく、良い意味でも悪い意味でも、人々の予想を大きく上回ったり、下回ったりする状況で使われます。ビジネスシーンでは、市場の予想を覆すような新製品の成功や、逆に予想外の失敗などを表現する際に用いられます。構文は「confound + 名詞」で、expectationsの代わりにplans, hopes, rumorsなどを置くことも可能です。
批評家をやり込める、論破する
※ この表現は、特に芸術やエンターテインメントの分野で、作品やパフォーマンスが当初の批評家の酷評を覆し、大成功を収める状況を表します。「confound」は「当惑させる」「混乱させる」という意味合いで、批評家たちが誤った判断をしたことを示すニュアンスを含みます。スポーツの世界でも、下馬評を覆して勝利するチームを表現する際に使われることがあります。構文は「confound + 名詞」で、criticsの代わりにdoubters, naysayersなどを置換可能です。
問題を複雑にする、話をややこしくする
※ ここでは「confound」が「混乱させる」という意味で直接的に使われています。すでに複雑な問題をさらに混乱させ、解決を困難にするような行為や状況を指します。政治的な議論や交渉、あるいは個人的な人間関係における誤解など、様々な場面で使用されます。似た表現に「muddy the waters」がありますが、こちらは意図的に混乱させるニュアンスが強いのに対し、「confound the issue」は意図的であるとは限りません。構文は「confound + 名詞」です。
~に当惑する、~に困惑する
※ 受動態の形で用いられ、「confound」が「困惑させる」「当惑させる」という意味合いで使われます。理解できない事柄や、予想外の出来事に直面し、どう対処すべきか分からない状態を表します。たとえば、「I was confounded by the complexity of the problem. (問題の複雑さに困惑した)」のように使われます。ビジネスシーンでは、技術的な問題や市場の変化など、対応に苦慮する状況を説明する際に用いられます。前置詞は「by」の他に「at」が使われることもあります。
驚いたことに、困ったことに
※ やや古風な言い回しで、書き言葉で使われることが多い表現です。「confounding」は形容詞として「驚くべき」「当惑させる」という意味を持ちます。予想外の事態に直面し、混乱や驚きを感じている状況を表します。例えば、「To my confounding, the project was a complete failure. (驚いたことに、そのプロジェクトは完全に失敗に終わった)」のように使われます。フォーマルな文脈や文学的な表現で見られることが多いです。
完全に混乱させる、全く理解できなくする
※ 「utterly」は「完全に」「徹底的に」という意味の副詞で、「confound」を強調します。何かが非常に複雑で理解不能であるか、非常に予想外で完全に混乱している状況を表します。例えば、「The new regulations utterly confound me. (新しい規制は私を完全に混乱させる)」のように使われます。ビジネスや科学技術の分野で、複雑な概念やプロセスを説明する際に用いられることがあります。
使用シーン
学術論文、特に社会科学系の研究でよく見られます。例えば、「先行研究の結果は、この新しい発見によってconfounded(覆された)」のように、既存の理論や結果が新しい証拠によって疑問視される状況を説明する際に使用されます。研究発表の質疑応答で、「あなたの研究結果は、既存の理論と矛盾するように見えますが、その理由を説明していただけますか?」のように使われることもあります。
ビジネスシーンでは、プロジェクトの複雑さや、複数の要因が絡み合って結果が予測しにくくなる状況を説明する際に使われることがあります。例えば、「市場の変動要因がconfound(混乱させる)ため、正確な売上予測が困難である」のように用いられます。また、複数の部署が関わるプロジェクトで、責任の所在が曖昧になる状況を「責任範囲がconfounded(混同されている)」と表現することもあります。
日常会話ではあまり使われませんが、ニュース記事やドキュメンタリーなどで、複雑な問題や状況を説明する際に使われることがあります。例えば、「専門家の意見がconfound(混乱させる)ため、一般市民は政策の是非を判断するのが難しい」のように用いられます。また、人の名前や出来事が混同して記憶があいまいになる状況を「記憶がconfounded(混同している)」と表現することもあります。
関連語
類義語
完全に困惑させ、理解不能にするという意味。問題、状況、または人の行動が理解できないときに使われる。日常会話、ビジネス、学術的な文脈で使用される。 【ニュアンスの違い】『confound』よりも、相手を当惑させる度合いが強いニュアンスがある。解決策が見えないような困惑を表す。より受動的な印象を与える。 【混同しやすい点】『baffle』はしばしば受動態で使われる(例:I was baffled by the question)。『confound』はより能動的に使われることが多い。
複雑さや曖昧さによって困惑させるという意味。問題、状況、または人の行動が理解しにくいときに使われる。フォーマルな文脈や学術的な文脈でよく使用される。 【ニュアンスの違い】『confound』よりも、知的な困惑や混乱を表すニュアンスが強い。複雑な問題や難解な状況に対して使われることが多い。永続的な困惑というよりは、一時的な困惑を表す。 【混同しやすい点】『perplex』は、より知的で分析的な困惑を表すのに対し、『confound』はより感情的な困惑を表すことがある。
理解するのが難しい問題や状況によって困惑させるという意味。日常会話や軽いフォーマルな文脈で使用される。 【ニュアンスの違い】『confound』よりも、困惑の度合いが弱いニュアンスがある。ちょっとした疑問や不思議な感じを表す。よりカジュアルな表現。 【混同しやすい点】『puzzle』は名詞としても使われ、「パズル」や「難問」という意味を持つ。『confound』は動詞としてのみ使われる。
理解を超えて不思議に思わせるという意味。神秘的で説明のつかない状況や現象に対して使われる。文学的な文脈や神秘的なテーマを扱う際に使用される。 【ニュアンスの違い】『confound』よりも、神秘性や不可解さを強調するニュアンスがある。理解できないことに対する畏敬の念や驚きを含むことがある。 【混同しやすい点】『mystify』は、しばしば神秘的な力や超自然的な現象と関連付けられる。『confound』は、より一般的な困惑を表す。
- discombobulate
混乱させ、動揺させるという意味。フォーマルな状況ではあまり使われず、ユーモラスな文脈や軽い口調で使われる。 【ニュアンスの違い】『confound』よりも、相手を完全に混乱させ、平静を失わせるニュアンスがある。非常に口語的な表現で、まじめな文脈には適さない。 【混同しやすい点】『discombobulate』は、非常にカジュアルな表現であり、フォーマルな文脈では不適切。『confound』はよりフォーマルな文脈でも使用できる。
- nonplus
完全に当惑させ、どうしたらよいかわからなくさせるという意味。フォーマルな文脈で使用されることが多い。 【ニュアンスの違い】『confound』よりも、行動や判断の選択肢を奪うような困惑を表すニュアンスがある。特に、予期せぬ事態に直面したときに使われる。 【混同しやすい点】『nonplus』は、『at a nonplus』という形で使われることが多い(例:I was at a nonplus)。『confound』は単独で使用される。
派生語
- confounded
『confound』の過去分詞/形容詞形。元々は『混乱させられた』という意味だが、『狼狽した』『まごついた』という心理状態を表す形容詞として使われることが多い。日常会話でも、予想外の出来事に直面した際の感情を表現する際に用いられる。例:"I was confounded by the unexpected question."(予期せぬ質問にまごついた)。
- confounding
『confound』の現在分詞/形容詞形。『混乱させるような』という意味で、特に学術論文や統計学の分野で、実験結果を歪める『交絡因子』を指す際に用いられる。例:"Confounding variables can distort the results of the study."(交絡変数は研究結果を歪める可能性がある)。
『confound』から派生した名詞で、『混乱』『困惑』を意味する。抽象名詞として、状態や状況を表す際に広く用いられる。日常会話からビジネス文書、学術論文まで、あらゆる場面で使用頻度が高い。例:"There was a lot of confusion about the new policy."(新しい方針について多くの混乱があった)。
反意語
『confound』が『混乱させる』という意味であるのに対し、『clarify』は『明確にする』『明らかにする』という意味を持つ。日常会話やビジネスシーンで、不明瞭な点を解消する際に用いられる。例:"Let me clarify the situation."(状況を明確にさせてください)。学術的な文脈でも、議論や概念を明確化する際に用いられる。
- elucidate
『elucidate』は『解明する』『説明する』という意味で、『confound』が意図的に、あるいは結果として理解を妨げるのとは対照的に、理解を深める働きを持つ。学術論文や専門的な議論において、複雑な事柄を分かりやすく説明する際に用いられる。例:"The professor elucidated the complex theory."(教授はその複雑な理論を解明した)。
『explain』は『説明する』という意味で、『confound』が混乱や曖昧さを生み出すのに対し、理解を促進する。日常会話からビジネス、教育現場まで幅広く使用される基本的な語彙。例:"Can you explain this concept to me?"(この概念を説明してもらえますか?)。
語源
「confound」はラテン語の「confundere」(混ぜ合わせる、混乱させる)に由来します。これは「con-」(共に、完全に)と「fundere」(注ぐ、溶かす)という二つの要素から成り立っています。「fundere」は液体を注ぐイメージから、物事が混ざり合い、区別がつかなくなる様子を表します。つまり、元々は「一緒に注ぎ込む」という意味合いから、「混乱させる、区別をなくす」という意味に発展しました。日本語で例えるなら、「ごちゃ混ぜにする」という表現が近いでしょう。たとえば、複数の情報が入り乱れて、何が正しいか分からなくなるような状況をイメージすると、「confound」の意味が理解しやすくなります。
暗記法
「confound」は、計画や期待を打ち砕き、当惑させる言葉。中世騎士道物語では、聖杯探求の試練が騎士の傲慢さを「confound」する力として描かれました。啓蒙時代には、理性に対するアンチテーゼとして、社会の矛盾を映す鏡に。現代では、AIや地球規模の問題が社会構造を揺るがし、不確実性を象徴します。常に変化する社会で、予測不能な力が既存の価値観を揺さぶる様を想起させます。
混同しやすい単語
『confound』と『confirm』は、どちらも接頭辞 'con-' を持ち、最初の音が似ているため、特に聞き取りの際に混同しやすいです。『confirm』は『確認する』という意味で、意味も文脈も大きく異なります。発音記号を確認し、/faʊnd/ と /fɜːrm/ の違いを意識することが重要です。
『confound』と『confront』は、スペルが似ており、どちらも何か問題や困難に立ち向かうという意味合いを持ちますが、『confront』は『対峙する』『立ち向かう』という意味で、より直接的な対立や問題解決の場面で使われます。一方、『confound』は混乱させる、困惑させるという意味合いが強いです。発音も最後の部分が異なるため、注意が必要です。
『confound』の過去形・過去分詞形は『confounded』ですが、『found』という単語自体も存在します。『found』は『見つける(find)』の過去形・過去分詞形、または『設立する(found)』という意味を持ちます。文脈によっては、これらの『found』と『confound』の過去形が混同される可能性があります。文脈から判断することが重要です。
『profound』は『深い』『重大な』という意味で、『confound』とスペルの一部が似ており、どちらも抽象的な概念を表すことがあります。しかし、意味は大きく異なります。『profound』は深い知識や感情、影響力などを表すのに対し、『confound』は混乱や困惑を引き起こすことを意味します。発音も異なるため、注意が必要です。接頭辞 'pro-' と 'con-' の意味の違いを理解することも役立ちます。
『refund』は『払い戻し』という意味で、『confound』とは全く異なる意味を持ちますが、接頭辞の 're-' と 'con-' が似ているため、スペルを誤って認識する可能性があります。特に、急いで読んでいる場合や、英語に慣れていない場合は注意が必要です。それぞれの単語が使われる文脈を理解することが重要です。
『compound』は『合成物』『複合的な』という意味で、『confound』とスペルの一部が似ており、どちらも複雑さを表すことがあります。しかし、『compound』は複数の要素が組み合わさってできている状態を表すのに対し、『confound』は混乱や困惑を引き起こすことを意味します。発音も異なるため、注意が必要です。また、『compound』は名詞、形容詞、動詞として使われますが、『confound』は主に動詞として使われます。
誤用例
『confound』は『当惑させる』という意味合いを持ちますが、『confuse』よりも強く、より深刻な困惑や混乱を表します。日常的な状況、例えば説明書が分かりにくい程度であれば『confuse』が適切です。日本人が『confound』を誤用しやすいのは、『混乱させる』という日本語訳に引きずられ、その語感の強さを意識しないためです。また、ビジネスシーンなどでは、相手を混乱させたことを率直に認めるよりも、婉曲的に『misunderstand』などを使う方が丁寧な印象を与えます。
『confound』は受動態で使用すると、『驚き』や『仰天』の意味合いを含むことがありますが、これは非常に強い感情を表します。単に『驚いた』という事実を伝えたい場合は、『surprised』や『astonished』がより適切です。日本人が『confound』を受動態で安易に使用してしまう背景には、「〜させられた」という日本語の受動表現を直訳しようとする傾向があります。英語の受動態は、日本語よりも強いニュアンスを持つ場合があるため、注意が必要です。また、文化的な背景として、日本人は感情を表に出すことを控えめにする傾向があるため、『confound』のような強い表現は、場面によっては不自然に聞こえる可能性があります。
『confound』は、証拠や議論などを『覆す』『打ち破る』という意味でも使用できますが、この場合は、相手の主張や理論を完全に論破するような、非常に強い反論であることを意味します。単に証拠がアリバイを弱める程度であれば、『undermine』や『weaken』が適切です。日本人が『confound』をこの意味で使用する際に誤りがちなのは、日本語の『覆す』という言葉が持つニュアンスと、『confound』の持つ強い否定的な意味合いとのずれを意識しないためです。英語では、相手の意見を尊重しつつ反論する姿勢が好まれるため、状況によっては『confound』のような強い表現は避けるべきでしょう。
文化的背景
「confound」は、単に混乱させるだけでなく、相手の計画や期待を打ち砕き、当惑させるニュアンスを持つ言葉です。特に、社会的な秩序や権威に対する挑戦が、予期せぬ事態を引き起こし、既存の価値観を揺るがす文脈で使われることがあります。この言葉は、中世の騎士道物語から現代の政治論争まで、一貫して「予測不能な力」の象徴として存在感を示してきました。
中世英語の時代から、「confound」は神の怒りや運命のいたずらによって人が打ちのめされる状況を描写する際に用いられました。例えば、アーサー王物語では、円卓の騎士たちが聖杯探求の途上で遭遇する数々の試練は、彼らの勇気や信仰心を試すと同時に、彼らの傲慢さや慢心を「confound」する力として描かれています。物語の中で、騎士たちはしばしば予期せぬ裏切りや誘惑に直面し、己の弱さを痛感させられます。このように、「confound」は、人間の限界や不完全さを浮き彫りにする役割を担ってきたのです。
18世紀の啓蒙時代になると、「confound」は理性に対するアンチテーゼとして、より社会的な意味合いを帯び始めます。科学的な思考や合理的な判断が重視される一方で、「confound」は、感情や直感、あるいは社会的な不正義といった、理性では説明できない不可解な力を表現するために用いられました。例えば、ジョナサン・スウィフトの風刺小説『ガリヴァー旅行記』では、ガリヴァーが訪れる奇妙な国々は、当時のイギリス社会の矛盾や欺瞞を「confound」する鏡として機能しています。スウィフトは、ガリヴァーの体験を通して、読者に固定観念を疑い、社会の暗部を見つめ直すように促しているのです。
現代においては、「confound」は、テクノロジーの進化やグローバル化といった、社会構造を根底から揺るがすような出来事を描写する際にも用いられます。例えば、AIの急速な発展は、人間の知能や創造性の定義を「confound」し、労働市場や教育システムに大きな変化をもたらしています。また、気候変動やパンデミックといった地球規模の問題は、既存の国際秩序や経済システムを「confound」し、新たな協力の形を模索することを迫っています。このように、「confound」は、常に変化し続ける社会の中で、私たちが直面する不確実性や複雑さを象徴する言葉として、その意味を深め続けているのです。
試験傾向
準1級・1級の語彙問題で出題される可能性があり、長文読解でも見かけることがあります。
1. **出題形式:** 語彙問題、長文読解
2. **頻度と級・パート:** 準1級以上、パートは特定されず
3. **文脈・例題の特徴:** アカデミックな内容、ニュース記事、エッセイなど。
4. **学習者への注意点・アドバイス:** 「混乱させる」「困惑させる」の意味に加え、「~を立証しない」「~を打ち破る」の意味も押さえる。confuseとの使い分けに注意。
TOEICでは、主に読解問題で出題される可能性がありますが、他の試験に比べると頻度は低めです。
1. **出題形式:** 長文読解
2. **頻度と級・パート:** Part 7
3. **文脈・例題の特徴:** ビジネス関連の文書、レポート、記事など。
4. **学習者への注意点・アドバイス:** 文脈から意味を推測する練習が重要。ビジネスシーンでの使用例を確認する。
TOEFLのリーディングセクションで頻繁に出題されます。アカデミックな文脈でよく使用されます。
1. **出題形式:** 長文読解
2. **頻度と級・パート:** リーディングセクション
3. **文脈・例題の特徴:** 科学、歴史、社会科学などの学術的な文章。
4. **学習者への注意点・アドバイス:** 抽象的な概念を説明する際に使われることが多いので、文脈全体を理解することが重要。類義語との微妙なニュアンスの違いを理解する。
難関大学の入試問題で出題される可能性があります。長文読解で文脈を理解する力が問われます。
1. **出題形式:** 長文読解、語彙問題
2. **頻度と級・パート:** 難関大学
3. **文脈・例題の特徴:** 社会問題、科学技術、哲学など、多様なテーマ。
4. **学習者への注意点・アドバイス:** 文脈から意味を推測する練習が不可欠。「混乱させる」という意味だけでなく、「~を否定する」という意味も覚えておく。同義語や反意語も合わせて学習する。