profound
第一音節の/ə/は、口を軽く開けた曖昧母音です。日本語の『ア』と『オ』の中間のような音を意識しましょう。第二音節の/aʊ/は二重母音で、/a/から/ʊ/へスムーズに変化させます。『ア』の口の形から、唇を丸めて『ウ』の形へ移行すると自然な発音になります。強勢は第二音節にあります。
奥深い
表面的なだけでなく、内面的・精神的な深さや重要性を示唆する。感情、思考、知識など、目に見えないものに対して使われることが多い。
Her simple words had a profound effect on my way of thinking.
彼女の素朴な言葉が、私の考え方に奥深い影響を与えました。
※ この例文は、誰かの言葉や意見が、あなたの考え方や感じ方に大きな、そして根本的な変化をもたらした状況を描写しています。「profound effect」は「奥深い影響」という意味で、物事が心や行動に深く作用する様子を表す、非常によく使われる表現です。シンプルな言葉でも、奥深い影響を与えることがある、という情景が目に浮かびますね。
Walking alone in the quiet forest, I felt a profound sense of peace.
静かな森を一人で歩いていると、奥深い安らぎを感じました。
※ この例文は、自然の中で心が深く落ち着く、特別な体験を表しています。「profound sense of peace」は「奥深い安らぎ」という意味で、表面的なものではなく、心の奥底から感じるような、満たされた静けさを表現します。忙しい日常から離れて、心が洗われるような情景が伝わってきますね。
The old professor shared his profound knowledge about ancient history.
その老教授は、古代史に関する奥深い知識を分かち合ってくれました。
※ この例文は、長年の研究や経験によって培われた、非常に深い知識を持つ人物を描写しています。「profound knowledge」は「奥深い知識」という意味で、単に情報量が多いだけでなく、その分野の本質を深く理解している状態を示します。まるで、歴史の秘密を解き明かすような、知的な探求の場面が想像できますね。
重大な
影響や重要性が非常に大きいことを意味する。問題、変化、影響など、結果を伴う事柄に対して使われる。
The news had a profound impact on everyone in the room.
そのニュースは部屋にいた全員に重大な影響を与えました。
※ この例文では、予期せぬニュースが発表され、部屋中の人たちが一斉に驚きや悲しみ、喜びといった強い感情を抱き、その場の空気が一変するような情景が目に浮かびます。「profound」は「impact(影響)」や「effect(効果)」といった単語と非常によく一緒に使われます。表面的な影響ではなく、人の心や状況に「深く、根底から」影響を与える様子を表す典型的な使い方です。「have an impact on ~」で「〜に影響を与える」という重要な表現も覚えましょう。
Her simple words left a profound impression on my heart.
彼女のシンプルな言葉は私の心に深い印象を残しました。
※ この例文では、何気ない一言なのに、それが心に深く響き、忘れられない記憶として残るような感動的な場面を想像できます。例えば、困っている時にかけられた優しい言葉や、真実を突くような一言などです。「profound」は「impression(印象)」や「feeling(感情)」など、心に深く刻まれる感覚や感情を表す際にも使われます。単なる「良い印象」ではなく、「心に強く残る、忘れられない印象」を意味します。「leave an impression on ~」で「〜に印象を残す」という表現も一緒に覚えましょう。
The internet brought profound changes to our daily lives.
インターネットは私たちの日常生活に重大な変化をもたらしました。
※ この例文では、インターネットが普及する前と後で、情報収集、コミュニケーション、買い物など、私たちの日常生活のあらゆる面が根本から大きく変化した様子が描かれています。「profound」は「changes(変化)」や「difference(違い)」など、物事が大きく、根本的に変わったことを表す際によく使われます。表面的な変化ではなく、根底から覆されるような「重大な変化」を意味する典型的な使い方です。「bring changes to ~」で「〜に変化をもたらす」という表現も一緒に覚えておくと便利です。
徹底的な
調査や理解が表面的なものではなく、細部にまで及んでいることを示す。分析、理解、研究など、知的活動に対して使われる。
Her kind words had a profound effect on me, changing my perspective.
彼女の優しい言葉は私に徹底的な影響を与え、私の考え方を変えました。
※ 誰かの言葉が心に深く響き、物事の見方や考え方が根本的に変わる様子を描いています。'a profound effect on me' は「私に徹底的な影響を与える」という、非常によく使われる表現です。profoundは、表面的な変化ではなく、心や思考に深く、本質的な影響があることを示します。
After many years of work, he gained a profound understanding of the forest.
長年の研究の後、彼は森について徹底的な理解を得ました。
※ 長い時間をかけて何かを深く学び、その本質を完全に理解する場面をイメージしてください。この例文では、研究者が森の生態系や秘密を深く、根本的に理解した様子を表しています。'profound understanding' は、表面的な知識ではなく、深い洞察や専門的な知識を指す時によく使われます。
The new technology brought a profound change to our daily lives.
新しい技術は私たちの日常生活に徹底的な変化をもたらしました。
※ 新しい技術や発明が、私たちの暮らし方、働き方、コミュニケーションの取り方など、日常のあらゆる側面に大きく、根本的な変化をもたらす様子を描いています。'profound change' は、単なる小さな変化ではなく、社会や個人の生活様式を根底から変えるような大きな変化を意味します。
コロケーション
深い影響、多大な影響
※ 単に『大きな影響』と言うよりも、人の考え方や行動、社会全体にまで及ぶ、根源的で長期的な影響力を指します。学術論文やビジネスシーンで、ある人物や出来事が与えた影響を評価する際に用いられます。例えば、『The philosopher had a profound influence on 20th-century thought.(その哲学者は20世紀の思想に深い影響を与えた)』のように使われます。influenceの代わりにimpactも使用可能です。
深い理解、本質的な理解
※ 表面的、一時的な理解ではなく、物事の本質や根源を捉えた深い理解を意味します。単に『理解している』と言うよりも、知識や経験に基づいた深い洞察力があることを示唆します。例えば、『She has a profound understanding of the human condition.(彼女は人間というものについて深い理解を持っている)』のように、文学作品や哲学的な議論でよく用いられます。
重大な影響、深刻な影響
※ ある出来事や行動が、人や社会、環境に及ぼす深刻で重大な影響を指します。positive/negativeどちらの文脈でも使えますが、negativeな文脈で使われることが多いです。例えば、『The economic crisis had a profound effect on unemployment rates.(経済危機は失業率に重大な影響を与えた)』のように、ニュース記事や経済分析でよく用いられます。
深い感覚、痛切な思い
※ 言葉では表現しきれないほどの、深く強い感情や感覚を表します。senseの後に続く感情は様々で、sorrow(悲しみ)、loss(喪失感)、peace(平和)、belonging(帰属意識)などが考えられます。例えば、『He felt a profound sense of loss after his father's death.(彼は父親の死後、深い喪失感を覚えた)』のように、個人的な経験や感情を語る際に用いられます。文学作品や詩にもよく登場します。
根源的な問い、深い問い
※ 表面的な答えでは解決できない、人生や宇宙、倫理などに関する本質的な問いを指します。簡単に答えが出せないからこそ、深く考えさせられる問いです。哲学、宗教、科学などの分野でよく用いられます。例えば、『What is the meaning of life?(人生の意味とは何か?)』は、典型的なprofound questionです。
深い静寂、静まり返った状態
※ 単に音がしない状態を表すだけでなく、感情や緊張感を含んだ、重苦しい静けさを意味します。何か重大な出来事が起こった後や、強い感情が渦巻いている状況で用いられます。例えば、『A profound silence fell over the room after the announcement.(発表の後、部屋は深い静寂に包まれた)』のように、小説や映画などでよく用いられます。
深遠な真実、普遍的な真実
※ 表面的な事実ではなく、人生や宇宙の本質に関する、深く普遍的な真理を指します。宗教、哲学、文学などで探求されるテーマです。例えば、『The novel explores profound truths about human nature.(その小説は、人間の本質に関する深遠な真実を探求している)』のように使われます。
使用シーン
学術論文や研究発表で、深い洞察や影響力を強調する際に用いられます。例えば、哲学の研究で「〜の思想は現代社会にprofoundな影響を与えている」と述べたり、社会学の研究で「〜の政策は社会構造にprofoundな変化をもたらした」と分析したりする際に使われます。文語的な表現です。
ビジネスシーンでは、戦略や意思決定の重要性を強調するフォーマルな場面で使われます。例えば、経営戦略会議で「今回のプロジェクトの成功は、会社にとってprofoundな意味を持つ」と説明したり、投資家向けの説明会で「この技術革新は、業界全体にprofoundな影響を与える可能性がある」と述べたりする際に用いられます。やや硬い印象を与えるため、多用は避けるべきです。
日常会話ではあまり使われませんが、ニュース記事やドキュメンタリー番組などで、重大な出来事や深い感動を表す際に用いられることがあります。例えば、「環境問題の深刻さは、私たちの生活にprofoundな影響を与える」というニュース記事の見出しや、「人生の意味についてprofoundな洞察を与えてくれる映画」という紹介文などで見かけることがあります。会話で使う場合は、少し大げさな印象を与える可能性があります。
関連語
類義語
文字通り『深い』という意味で、物理的な深さ(deep sea)だけでなく、感情や知識、問題の深刻さなど、抽象的な意味合いでも広く使われる。日常会話から学術的な文脈まで、非常に汎用性が高い。 【ニュアンスの違い】"Profound"よりも直接的で、感情的な深さや理解の深さを指す場合、より一般的な表現。深刻さや複雑さを示す場合にも使われるが、"profound"が持つような知的で哲学的な響きは少ない。 【混同しやすい点】"Deep"は物理的な深さにも使えるが、"profound"は通常、抽象的な意味でのみ使われる。また、感情の深さを表す場合、"deep"はより個人的な感情を表すことが多い。
『強烈な』『激しい』という意味で、感情、感覚、努力など、何かの度合いが非常に強い状態を表す。スポーツ、恋愛、政治など、幅広い分野で使用される。 【ニュアンスの違い】"Profound"が持つような知的な深みや哲学的な含みはなく、単に度合いが強いことを強調する。感情や感覚の強さを表す場合に適しているが、思考や洞察の深さを表すのには不向き。 【混同しやすい点】"Intense"は感情や感覚の『激しさ』に焦点を当てるが、"profound"は理解や洞察の『深さ』に焦点を当てる。例えば、「profound sadness」は深い悲しみだが、「intense sadness」は激しい悲しみを意味する。
『重要な』『意義深い』という意味で、ある事柄が持つ価値や影響が大きいことを示す。ビジネス、政治、学術など、フォーマルな場面でよく使われる。 【ニュアンスの違い】"Profound"と同様に、重要性や影響の大きさを表すが、"profound"が持つような深い洞察や理解のニュアンスは少ない。より客観的に重要性を示す場合に適している。 【混同しやすい点】"Significant"は客観的な重要性を示すが、"profound"は主観的な深い理解や洞察を示すことが多い。例えば、「a significant change」は重要な変化だが、「a profound change」は人生観を大きく変えるような深い変化を意味する。
『意味のある』『意義深い』という意味で、ある事柄が個人的な価値や重要性を持つことを示す。人間関係、経験、仕事など、個人的な文脈でよく使われる。 【ニュアンスの違い】"Profound"が持つような知的で哲学的な深みはなく、個人的な感情や価値観に基づいた意味合いを持つ。感動的な出来事や個人的な成長を表す場合に適している。 【混同しやすい点】"Meaningful"は個人的な意味合いに焦点を当てるが、"profound"はより普遍的な真理や深い理解を示すことが多い。例えば、「a meaningful relationship」は意味のある関係だが、「a profound insight」は深い洞察を意味する。
『洞察力のある』という意味で、物事の本質を見抜く力があることを示す。分析、批評、アドバイスなど、知的な活動に関連する文脈で使われる。 【ニュアンスの違い】"Profound"が結果として得られた深い理解を指すのに対し、"insightful"はその理解に至る能力や性質を指す。人や発言を評価する際に用いられることが多い。 【混同しやすい点】"Insightful"は人や発言を評価する形容詞として使われることが多いが、"profound"は理解や影響の深さを表す形容詞として使われる。例えば、「an insightful analysis」は洞察力のある分析だが、「a profound impact」は深い影響を意味する。
- abysmal
「底知れない」「ひどい」という意味で、程度が非常に低いことや質が極端に悪いことを表す。しばしばネガティブな状況や状態を強調するために用いられ、ビジネス、学術、日常会話など、幅広い文脈で使用される。 【ニュアンスの違い】"Profound"が深い理解や影響を指すのに対し、"abysmal"は程度や質が非常に低いことを強調する。両者は対照的な意味を持つため、文脈によっては正反対のニュアンスを伝える。 【混同しやすい点】日本人学習者は、"profound"の肯定的な意味合いと"abysmal"の否定的な意味合いを混同しやすい。"abysmal"は常にネガティブな意味で使用されることを覚えておく必要がある。
派生語
- profundity
『深遠さ』や『深さ』を意味する名詞。「profound」の抽象名詞形で、より概念的・学術的な文脈で使用される。例えば哲学や文学の議論で、思想や感情の深さを指す際に用いられる。日常会話よりも、思索的な文章や講演などで見られる。
『深く』や『徹底的に』を意味する副詞。「profound」に副詞の接尾辞「-ly」が付いた形。感情、影響、理解などが非常に強い程度であることを示す。例えば、「profoundly affected(深く心を打たれた)」のように使われる。フォーマルな場面や書き言葉で比較的よく用いられる。
反意語
『表面的な』や『浅薄な』を意味する形容詞。「profound」が内面や本質に深く入り込むのに対し、「superficial」は表面にとどまることを指す。例えば、「superficial knowledge(浅い知識)」のように使われる。日常会話から学術的な文脈まで幅広く用いられ、「profound」と対比して使われることが多い。
『浅い』を意味する形容詞で、物理的な浅さだけでなく、知識や感情の浅さも表す。「profound」が深遠さや深みを指すのに対し、「shallow」はそれがない状態を示す。例えば、「shallow understanding(浅い理解)」のように使われる。日常会話で頻繁に使われ、比喩的な意味合いも含む。
語源
「profound」は、ラテン語の「profundus」(深い、底深い)に由来します。これは、「pro-」(前に、下に)と「fundus」(底)が組み合わさったものです。「fundus」は、英語の「foundation」(基礎、土台)の語源でもあり、何かを支える根本的な部分を意味します。「profound」は、文字通りには「底に向かって」という意味合いを持ち、そこから「奥深い」「徹底的な」といった意味に発展しました。例えば、深い井戸の底を想像すると、表面からは見えない深遠さや、底知れない様子が連想されます。同様に、「profound」は、表面的な理解を超えた、根源的で重大な事柄を指す際に用いられます。日本語の「深淵」という言葉にも通じるニュアンスがあります。
暗記法
「profound」は、西洋哲学の源流から、文学、そして現代社会まで、文化の深層を彩る言葉です。プラトンの洞窟の比喩が示す深遠な真実、シェイクスピアが描く人間の業、神の愛や罪の深さ…。これらはみな「profound」な問いかけであり、私たちの思考、感情、経験の深さを映し出す鏡なのです。言葉を超えた沈黙に宿る、計り知れない感情もまた「profound」です。
混同しやすい単語
発音が非常に似ており、特にネイティブスピーカーが速く発音すると区別が難しい。スペルも 'found' と 'fane' の違いのみで、視覚的にも混同しやすい。意味は『冒涜的な』『不敬な』であり、『profound(深い)』とは全く異なる文脈で使用される。日本人学習者は、文脈に加えて、語尾の 'd' と 'n' の発音を意識して聞き分ける必要がある。語源的には、'profane' は神殿の外 (pro-fanum) にあるものを指し、神聖なものに対する不敬を示唆する。
語頭の 'pro-' が共通しており、続く部分の音も似ているため、特にリスニング時に混同しやすい。意味は『提案する』であり、『profound(深い)』とは意味が大きく異なる。品詞も動詞である点に注意。日本人学習者は、文脈からどちらの単語が適切かを判断する必要がある。また、'propose' は結婚の申し込み(プロポーズ)としてもよく使われるため、意味の区別は重要。語源的には、'propose' は『前に置く』という意味合いを持ち、提案や計画を提示することを示す。
'pro-' の接頭辞が共通しており、発音も一部類似しているため、特にリスニングの初期段階で混同しやすい。意味は『提供する』であり、『profound(深い)』とは全く異なる。品詞も動詞である。日本人学習者は、文脈と文法構造から判断する必要がある。'provide' は、必要なものを供給するという意味合いが強く、日常会話でも頻繁に使用される。
発音が部分的に似ており、特に語尾の 'oud' の音が混同されやすい。スペルも 'pro' と 'prou' が似ているため、視覚的にも誤認しやすい。意味は『誇りに思う』であり、『profound(深い)』とは意味が大きく異なる。品詞は形容詞である。日本人学習者は、文脈から判断する必要がある。'proud' は感情を表す単語であり、しばしば良い意味で使われるが、傲慢さを表す場合もある。
スペルが非常に似ており、'profound' と 'propound' は視覚的に混同しやすい。発音も類似しているため、リスニング時にも注意が必要。意味は『(問題・意見などを)提示する』『提唱する』であり、『profound(深い)』とは意味が異なるが、学術的な文脈では意味が近くなることもあるため注意が必要。品詞は動詞である。日本人学習者は、文脈とコロケーション(語の組み合わせ)から判断する必要がある。 'propound' は、比較的フォーマルな単語であり、論文や議論などで使用されることが多い。
これは既存の単語ではありませんが、'profound'と'found'という既存の単語の組み合わせから、スペルミスとして発生しやすいパターンです。特に、英語学習者は、'pre-'という接頭辞を他の単語と組み合わせて新しい単語を作ろうとする際に、誤って'prefound'と書いてしまうことがあります。'profound'の意味を理解し、正しいスペルを意識することが重要です。存在しない単語なので、文脈から判断することはできません。
誤用例
日本語の『深い理解』という表現を直訳しがちですが、『profound understanding』は、哲学や宗教、人生観など、より重大なテーマに対する深い洞察や理解を指します。アニメのような娯楽作品に対して使うと、大げさで不自然に聞こえます。代わりに『deep appreciation(深い鑑賞)』や『strong interest(強い興味)』を使う方が適切です。日本人は『深い』を安易に『profound』に変換しがちですが、英語では文脈に応じて適切な形容詞を選ぶ必要があります。
『profound』は感情の深さや影響の大きさを表す言葉ですが、謝罪の文脈では、その謝罪が『心からのもの』であるかどうかが重要です。『profound apology』は、謝罪の言葉自体が非常に深遠であるかのような印象を与え、かえって不誠実に聞こえる可能性があります。代わりに『sincere apology(心からの謝罪)』や『genuine apology(偽りのない謝罪)』を使うことで、誠意がより伝わります。日本語の『深い謝罪』という表現に引きずられず、英語では謝罪の真摯さを強調する言葉を選ぶことが大切です。
『profound』は抽象的な深さを表す言葉であり、物理的な動作の深さを表現するのには適していません。お辞儀の深さを強調したい場合は、例えば『deep bow』も使えますが、文脈によっては不自然に聞こえることもあります。天皇に対するお辞儀であれば、尊敬の念を示す『respectful bow』がより適切です。日本文化では、お辞儀は相手への敬意を表す重要な行為ですが、英語では、その行為の背後にある感情や意図を明確に表現することが重要です。また、日本語の『深々と頭を下げる』という表現に影響されやすい点も考慮すべきです。
文化的背景
「profound」は、単に「深い」という意味を超え、思考や感情、経験が持つ計り知れない深遠さ、そしてそれらがもたらす変容的な力をも象徴する言葉です。それは、表面的な理解を超えた、人生や存在の本質に触れるような、圧倒的な深みを指し示します。
「profound」が持つ文化的意義は、西洋哲学や宗教思想において特に顕著です。古代ギリシャの哲学者たちは、世界の根源や人間の存在意義について「profound」な問いを投げかけ、その探求は西洋思想の基盤となりました。プラトンの洞窟の比喩は、私たちが日常的に見ている世界が真実の影に過ぎず、より「profound」な真実が存在することを示唆しています。また、キリスト教神学においては、神の愛や罪の深さ、救済の神秘といった概念が「profound」なものとして捉えられ、人々の信仰心を深める源泉となりました。
文学作品においても、「profound」は重要な役割を果たします。例えば、シェイクスピアの悲劇『ハムレット』は、復讐、死、存在の意義といった「profound」なテーマを扱い、観客に深い思索を促します。また、ミルトンの叙事詩『失楽園』は、善と悪の葛藤、自由意志の尊さといった「profound」な問題を壮大なスケールで描き出し、読者の心を揺さぶります。これらの作品は、「profound」なテーマを通じて、人間の普遍的な感情や経験に訴えかけ、時代を超えて読み継がれています。
現代社会においても、「profound」は、単なる形容詞としてだけでなく、深い感動や洞察を表す言葉として広く用いられています。例えば、「profound impact(深い影響)」、「profound change(深い変化)」といった表現は、ある出来事や行動が社会や人々に与える根源的な影響力を強調するために使われます。また、「profound silence(深い沈黙)」は、言葉では表現できないほどの感情や思考が渦巻いている状態を表し、映画や音楽などの芸術作品において、その効果を高めるために用いられます。このように、「profound」は、私たちの思考、感情、そして経験の深さを表現するための、豊かで力強い言葉として、文化の中に深く根付いているのです。
試験傾向
- 出題形式: 主に語彙問題、長文読解
- 頻度と級・パート: 準1級、1級で頻出。2級でも稀に出題
- 文脈・例題の特徴: 社会問題、科学、文化などアカデミックな話題
- 学習者への注意点・アドバイス: 形容詞としての意味(深い、重大な)を理解。名詞形'profundity'も覚えておくと良い。
- 出題形式: 主にPart 5(短文穴埋め問題)、Part 7(長文読解問題)
- 頻度と級・パート: TOEIC L&Rで比較的稀に出題。TOEIC S&Wでは使用頻度低
- 文脈・例題の特徴: ビジネス文書、ニュース記事などフォーマルな文脈
- 学習者への注意点・アドバイス: 「重大な」「深刻な」といった意味で使われることが多い。ビジネスシーンで頻出の単語とセットで覚える(例: profound impact)。
- 出題形式: リーディング、ライティング
- 頻度と級・パート: リーディングセクションで頻出
- 文脈・例題の特徴: 学術論文、エッセイなどアカデミックな文脈
- 学習者への注意点・アドバイス: 抽象的な概念や理論を説明する文脈でよく用いられる。「深遠な」「根源的な」といった意味合いを理解。同義語(deep, significant)との使い分けを意識。
- 出題形式: 長文読解、記述問題(和訳、英作文)
- 頻度と級・パート: 難関大学の入試問題で頻出
- 文脈・例題の特徴: 社会問題、科学、哲学など幅広い分野のアカデミックな文章
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する練習が必要。和訳問題では、単に直訳するだけでなく、自然な日本語で表現できるよう心がける。