英単語学習ラボ

concede

/kənˈsiːd/(カンスィーード)

第2音節にアクセントがあります。母音 /iː/ は日本語の「イー」よりも長く伸ばし、口角を左右に引くことを意識しましょう。/kən/ の /ə/ は曖昧母音なので、力を入れず軽く「ア」と発音します。語尾の /d/ は、舌先を上の歯茎につけて発音します。破裂音ですが、息を強く出す必要はありません。

動詞

(しぶしぶ)認める

相手の主張や事実が正しいと、不本意ながら受け入れること。議論や競争の場面で、負けを認めたり、相手の優位性を認めざるを得ない状況で使われることが多い。単に事実を認めるだけでなく、悔しさや不満が伴うニュアンスを含む。

After a long argument, she finally conceded that I was right.

長い議論の後、彼女はついに私が正しかったことをしぶしぶ認めました。

この例文は、誰かと意見が対立し、しぶしぶ相手の正しさを認める場面を描いています。concedeは、特に議論や口論の末に「不本意ながらも事実や相手の正しさを認める」というニュアンスでよく使われます。「concede that ...」で「~ということを認める」と表現できます。

The tennis player had to concede defeat after a tough match.

そのテニス選手は、激しい試合の後、敗北を認めなければなりませんでした。

この例文は、スポーツの試合で負けて悔しいけれど、相手の実力を認め、潔く敗北を受け入れる選手の姿を表しています。「concede defeat」は「敗北を認める」という決まり文句で、スポーツやビジネスの競争場面で非常によく使われます。セットで覚えておくと便利です。

The candidate conceded the election when the votes were counted.

票が数えられたとき、その候補者は選挙での敗北を認めました。

この例文は、選挙で敗者が勝者の勝利を認める、より公式な場面を描いています。concedeは、選挙結果や交渉の場で「敗北や要求を(不本意ながら)認める・譲歩する」という意味で頻繁に使われます。「concede the election」は「選挙での敗北を認める」という意味で、政治ニュースなどでよく耳にする表現です。

動詞

譲歩する

要求や権利などを一部または全部放棄すること。交渉や議論において、合意に達するために自分の立場を譲るニュアンス。完全に降伏するというよりは、ある程度の条件を受け入れて妥協点を探る意味合いが強い。

After a long discussion, our team leader decided to concede a small point to reach an agreement.

長い議論の後、私たちのチームリーダーは合意に達するために、小さな点について譲歩することにしました。

会議や交渉の場面で、自分の主張の一部を相手に「譲る」ときに使う典型的な例です。リーダーがみんなで合意したいという気持ちで、自分の意見の一部を少しだけ譲る情景が目に浮かびます。

Our basketball team had to concede the game when the other team scored at the last second.

相手チームが最後の瞬間に得点したとき、私たちのバスケットボールチームは試合の敗北を認めざるを得ませんでした。

スポーツの試合で、もう勝てないと判断し、相手の勝利を「認める」状況です。接戦の末に負けが決まったような、少し悔しいけれど潔く敗北を受け入れる気持ちが伝わります。

My little brother finally had to concede that he ate the last cookie, even though he first denied it.

弟は最初は否定したけれど、ついに最後のクッキーを食べたことを認めざるを得ませんでした。

最初は認めたくない事実(この場合はクッキーを食べたこと)を、証拠があったり、問い詰められたりして、最終的に「認める」場面です。少し渋々認めるようなニュアンスも含まれることがあります。

動詞

与える

権利や特権などを相手に認めて、それを行使させること。許可や容認のニュアンスがあり、 औपचारिकな場面で使われることが多い。

After a long and tough game, the team captain had to concede defeat with a sigh.

長く厳しい試合の後、チームのキャプテンはため息をつきながらも敗北を認めざるを得ませんでした。

この例文は、スポーツの試合などで、負けを「認める」ことで相手に勝利を「与える」という典型的な状況を描写しています。キャプテンの「ため息」から、悔しいけれど潔く認める気持ちが伝わります。concede defeat は「敗北を認める」という決まった言い方です。

During the negotiation, the company was forced to concede a small price reduction.

交渉中、会社はわずかな値下げを認めざるを得ませんでした。

ビジネスの交渉で、相手の要求の一部を「認めて譲る」ことで、結果的に相手に「利益を与える」場面です。会社の担当者が渋々ながらも、譲歩して相手の要求を受け入れた様子が想像できます。concede はこのように「譲歩する」という意味でもよく使われます。

Seeing the undeniable evidence, she finally had to concede that her argument was wrong.

否定できない証拠を見て、彼女はついに自分の主張が間違っていたことを認めざるを得ませんでした。

この例文は、議論や討論で、動かぬ証拠を突きつけられ、自分の間違いを「認めざるを得ない」状況を表しています。不本意ながらも、事実を「受け入れる」ことで、相手に「正しさ」を「与える」というニュアンスがあります。concede that S + V の形で「〜ということを認める」と使われるのも一般的です。

コロケーション

concede defeat

敗北を認める

選挙や競技などで、負けを潔く認める際に使われる非常に一般的な表現です。単に『敗北』を意味する名詞の"defeat"と組み合わせることで、敗北を受け入れ、相手の勝利を認めるという行為を具体的に表します。政治的な文脈で特に頻繁に使われ、敗者が勝者に対して敬意を表する意味合いを含みます。類似表現に"admit defeat"がありますが、"concede defeat"の方がより公式な印象を与えます。

concede a point

(議論などで)ある点について同意する、譲歩する

議論や討論において、相手の主張の一部または特定の点について正しいと認め、同意することを意味します。必ずしも全面的な同意ではなく、議論を進める上での譲歩や、共通認識の形成に役立ちます。ビジネスシーンや学術的な議論でよく用いられ、建設的な対話を促す効果があります。類似表現に"grant a point"がありますが、"concede"の方が、自分の立場から少し引くニュアンスを含みます。構文としては、"concede (someone) a point"のように、誰に譲歩するかを明示することも可能です。

concede an advantage

(戦略的に)有利な状況を譲る、アドバンテージを与える

ゲーム、交渉、または戦略的な状況において、意図的または戦略的な理由で相手に有利な状況を譲ることを意味します。これは、長期的な利益のために短期的な損失を受け入れるという判断に基づいている場合があります。例えば、チェスで駒を捨てることで、より有利なポジションを得るような状況です。ビジネスシーンでは、交渉において小さな譲歩をすることで、より大きな取引を成立させる戦略として用いられることがあります。スポーツの文脈でも使われ、例えば、相手に先に得点を許すことで、相手の戦略を誘い出すといったケースが考えられます。

reluctantly concede

しぶしぶ認める

"reluctantly"(しぶしぶ、嫌々ながら)という副詞を伴うことで、本心では認めたくないものの、状況や証拠から認めざるを得ないというニュアンスを強調します。例えば、議論で不利な状況に追い込まれ、不承不承ながら相手の主張を認めるような場合に使われます。口語的な表現というよりは、ややフォーマルな場面や、書き言葉でよく見られます。類似表現に"grudgingly concede"がありますが、これも同様に、不満や抵抗感を伴う同意を表します。

concede the election

選挙での敗北を認める

特に政治の世界で、選挙結果が確定した後、敗北した候補者が勝利した候補者に敬意を表し、選挙結果を受け入れることを公式に表明する際に用いられる表現です。これは民主主義の原則を尊重し、平和的な政権移行を保証する上で非常に重要な行為と見なされます。演説や声明を通じて行われることが多く、敗者は支持者に対して感謝の意を表明するとともに、今後の協力や建設的な活動への参加を呼びかけることもあります。類似表現に"admit defeat in the election"がありますが、"concede the election"の方がより定型的な表現として認識されています。

concede ground

(主張や立場を)譲歩する、後退する

文字通りには「土地を譲る」という意味ですが、比喩的には、議論や交渉において、自分の主張や立場を一部譲ることを意味します。これは、完全な合意には至らないまでも、対立を緩和し、妥協点を見出すために行われます。軍事的な文脈で使われることもありますが、ビジネスや政治的な議論でより一般的に用いられます。例えば、交渉において、価格や条件の一部を譲歩することで、契約を成立させるような場合です。"give ground"も同様の意味を持ちますが、"concede ground"の方が、より意識的な譲歩というニュアンスを含みます。

使用シーン

アカデミック

学術論文やディスカッションで、議論のポイントを認めたり、反論の余地を残しつつ一部を譲歩する際に用いられます。例えば、先行研究の限界を認めつつ、自身の研究の新規性を主張する場面などで使われます。「研究Aはサンプルサイズが小さいという限界をconcedeするが、新たな視点を提供している」といった文脈です。

ビジネス

ビジネス交渉や会議で、相手の主張の一部を認めつつ、自社の立場を明確にする際に使われます。ただし、日常的な会話よりは、契約書や公式文書など、ややフォーマルな文脈で使われる傾向があります。例:「競合他社の価格競争力はconcedeするが、当社の製品は品質で優位性がある」といった表現です。

日常会話

日常会話ではあまり使われませんが、ニュース番組やドキュメンタリーなどで、政治的な議論や法廷での証言などを報道する際に使われることがあります。例:「彼は選挙での敗北をconcedeした」というように、結果を認める場面で使われることがあります。

関連語

類義語

  • 事実や真実、または自分が間違っていたことを認めるという意味。日常会話、ビジネス、フォーマルな場面で使用される。 【ニュアンスの違い】concedeよりも一般的な語で、幅広く使用される。感情的なニュアンスは弱く、客観的な事実を認める際に使われることが多い。admitの対象は、事実、過ち、罪など。 【混同しやすい点】admitは他動詞であり、後に名詞または動名詞が続く。admit to doing somethingという形を間違えやすい。また、admit that節の形も頻繁に使われる。

  • 事実であること、存在すること、または正当であることを認めるという意味。ビジネス、学術、フォーマルな場面で使用される。 【ニュアンスの違い】concedeよりもフォーマルな響きを持つ。acknowledgeは、存在や重要性を認識し、それを公に表明するニュアンスが強い。感謝の意を示す際にも用いられる。 【混同しやすい点】acknowledgeは他動詞であり、後に名詞またはthat節が続く。acknowledge receipt of…(~の受領を認める)のような定型表現も多い。発音にも注意が必要。

  • 要求や許可を与えるという意味。ビジネス、法律、フォーマルな場面で使用される。 【ニュアンスの違い】concedeとは異なり、相手の主張や要求を認めて、それに応じるというニュアンスがある。権利や特権を与える場合にも使われる。 【混同しやすい点】grantは他動詞であり、grant someone something(誰かに何かを与える)という形で使用される。また、grant that節(~ということを認める)の形もあるが、concedeよりもフォーマルな印象を与える。

  • 譲歩する、屈服するという意味。フォーマルな場面、文学的な表現で使用される。 【ニュアンスの違い】concedeよりも強いニュアンスを持ち、抵抗した後に最終的に屈服するという状況を表す。物理的な意味合い(例:車が道を譲る)もある。 【混同しやすい点】yieldは自動詞としても他動詞としても使用できる。自動詞の場合、yield to pressure(圧力に屈する)のようにtoを伴うことが多い。他動詞の場合は、yield control(支配権を譲る)のように使用する。

  • acquiesce

    黙って従う、しぶしぶ同意するという意味。フォーマルな場面で使用される。 【ニュアンスの違い】concedeよりも消極的な意味合いが強く、不満や反対の気持ちを抱えながらも、最終的には受け入れるというニュアンスがある。 【混同しやすい点】acquiesceは自動詞であり、acquiesce in something(~に黙従する)という形で使用される。強い反対意見を持ちながらも、状況を受け入れざるを得ない場合に用いられる。

  • 降伏する、降参するという意味。主に戦争や交渉の文脈で使用される。 【ニュアンスの違い】concedeよりも極端な状況を表し、完全に敵に屈服し、すべての要求を受け入れるというニュアンスを持つ。軍事的な意味合いが強い。 【混同しやすい点】capitulateは自動詞であり、capitulate to someone/something(誰か/何かに降伏する)という形で使用される。ビジネスシーンでは、交渉が決裂し、相手の要求を全面的に受け入れる場合に用いられることがある。

派生語

  • 名詞で「譲歩」「容認」の意味。動詞 'concede' から派生し、-sion が付くことで行為や結果を表す名詞化。ビジネスや政治の文脈で、交渉における譲歩や、敗北宣言などで使われる。例文:The company made a major concession to the union.(会社は組合に大きな譲歩をした。)

  • concessive

    形容詞で「譲歩的な」「譲歩を示す」の意味。-ive が付くことで性質や傾向を表す形容詞化。文法用語としても用いられ、「譲歩節」などを指す。例文:a concessive clause(譲歩節)。

  • conceded

    concede の過去形・過去分詞。しばしば形容詞的に用いられ、「認められた」「既成の」といった意味合いを持つ。例えば、'conceded points' は「認められた点」を意味する。例文:It is a conceded point that climate change is happening.(気候変動が起こっていることは既成事実である。)

反意語

  • 「否定する」「拒否する」という意味。concede が何かを認めるのに対し、deny は真実性や存在を否定する。日常会話から法廷まで幅広く使われる。例文:He denied the allegations.(彼は申し立てを否定した。)

  • 「断言する」「主張する」という意味。concede が相手の主張を受け入れるニュアンスがあるのに対し、assert は自分の意見を積極的に主張する。論文や議論の文脈で頻出。例文:She asserted her innocence.(彼女は自分の無罪を主張した。)

  • 「擁護する」「守る」という意味。concede がある立場を諦めるのに対し、defend はその立場を維持しようと努める。政治、法律、スポーツなど様々な文脈で使用される。例文:He defended his title.(彼はタイトルを防衛した。)

語源

"Concede"はラテン語の"concedere"に由来します。これは"con-"(共に、完全に)と"cedere"(行く、譲る)が組み合わさった言葉です。つまり、元々は「完全に譲る」「相手の意見に歩み寄る」といった意味合いを持っていました。日本語で例えるなら、「一歩譲って、相手に花を持たせる」というイメージです。時間とともに、この「譲る」という意味合いから、「(しぶしぶ)認める」という意味へと変化していきました。相手の主張を完全に認めるわけではないけれど、ある程度の妥協点を見出す、というニュアンスが含まれています。現代英語では、「譲歩する」「(敗北を)認める」といった意味でも使われ、相手に何かを「与える」という意味合いも持ちます。

暗記法

「concede」は単なる降伏ではない。中世騎士物語では敗者が名誉を保つため、政争では敗者が将来への足がかりとするため、戦略的に用いられた。現代では訴訟や交渉で有利な和解を導く手段にもなる。しかし、信念を曲げての譲歩は屈辱を伴う。自己のイメージを操作し、関係性を円滑にする高度なコミュニケーション戦略。状況と価値観のバランスが問われる、奥深い言葉なのだ。

混同しやすい単語

『concede』と『conceive』は、発音が非常に似ており、特に語尾の 'd' と 'v' の区別が難しいことがあります。また、スペルも 'cede' と 'ceive' の部分が似ているため、混同しやすいです。『conceive』は『(考えなどを)抱く』『妊娠する』という意味で、全く異なる概念を表します。日本人学習者は、発音記号を意識して、語尾の子音を明確に発音する練習をすると良いでしょう。語源的には、どちらもラテン語の 'cedere'(行く、譲る)に由来しますが、『conceive』は 'con-'(共に)と 'capere'(つかむ)が組み合わさって『共に掴む』→『心に抱く』という意味合いに変化しています。

『concede』と『precede』は、どちらも '-cede' という語尾を持ち、スペルが似ているため混同されやすいです。『precede』は『〜に先行する』という意味で、時間的または順序的に前に位置することを指します。日本人学習者は、接頭辞 'pre-'(前に)の意味を理解することで、『concede』との区別が容易になります。語源的には、'pre-'(前に)と 'cedere'(行く)が組み合わさり、『前に進む』という意味合いになります。

『concede』と『exceed』は、発音の強勢の位置が異なり、スペルも一部似ているため、聞き間違いや書き間違いが起こりやすいです。『exceed』は『〜を超える』という意味で、量や程度が基準を超えることを表します。日本人学習者は、強勢の位置(『conCEED』と『exCEED』)を意識して発音練習をすると良いでしょう。また、'ex-'(外へ)と 'cedere'(行く)が組み合わさり、『外へ出て行く』→『限界を超える』という意味合いを持つことを理解すると、記憶に残りやすくなります。

『concede』と『access』は、スペルが一部似ており、特に 'cc' と 'nc' の部分が混同されやすいです。『access』は『接近』『利用』という意味で、名詞または動詞として使われます。意味も品詞も大きく異なるため、文脈から判断することが重要です。語源的には、'ad-'(〜へ)と 'cedere'(行く)が組み合わさり、『〜へ行く』→『接近する』という意味合いになります。

『concede』と『recite』は、母音の音が若干似ているため、発音を聞き間違える可能性があります。また、語尾の '-cede' と '-cite' の綴りも似ており、スペルミスを引き起こしやすいです。『recite』は『暗唱する』という意味で、詩や文章などを記憶に基づいて読み上げることを指します。日本人学習者は、発音記号を確認し、それぞれの単語の母音の音の違いを意識して練習すると良いでしょう。語源的には、're-'(再び)と 'citare'(呼ぶ)が組み合わさり、『再び呼ぶ』→『暗唱する』という意味合いになります。

『concede』と『ascend』は、スペルの一部(特に子音の並び)が似ており、特に 'sc' と 'nc' の部分が混同されやすいです。『ascend』は『(階段・山などを)登る』という意味で、上方向への移動を表します。意味が全く異なるため、文脈から判断することが重要です。語源的には、'ad-'(〜へ)と 'scandere'(登る)が組み合わさり、『〜へ登る』という意味合いになります。

誤用例

✖ 誤用: I concede you are right, but I still don't like it.
✅ 正用: I concede that you are right, but I still don't like it.

日本語の『譲歩する』という言葉から、つい『concede 人』という形にしてしまいがちですが、concedeは基本的に『concede that 節』の形で使われます。このthatは省略可能です。また、『concede to 人』という形も存在しますが、これは『(権利や権限などを)人に譲る』という意味合いが強くなります。今回の文脈では、相手の意見を認めるというニュアンスなので、『concede that 節』が適切です。日本人が『〜に譲歩する』という発想から、toを付けたくなる気持ちは理解できますが、英語の文法構造を意識する必要があります。

✖ 誤用: I concede to your opinion.
✅ 正用: I acknowledge your opinion.

『concede』は『(渋々)認める』というニュアンスが強く、フォーマルな場面や議論において、相手の主張の正当性を認める際に使われます。しかし、日常会話で単に『意見を認める』という意味で使うと、少し大げさで不自然に聞こえることがあります。より自然な表現としては、『acknowledge(認める)』や『understand(理解する)』などが適切です。日本人がつい『譲歩する』=『相手の意見を受け入れる』と考えがちですが、英語の『concede』は、単なる同意以上の意味合いを含んでいることを理解する必要があります。

✖ 誤用: The general conceded the battle.
✅ 正用: The general conceded defeat.

『concede』は『敗北を認める』という意味で使われることが多く、特にスポーツや政治などの競争的な文脈でよく用いられます。『battle(戦い)』そのものを譲る、というよりは、戦いの結果としての『defeat(敗北)』を認める、というニュアンスです。日本語の『戦いを譲る』という表現から、つい『concede the battle』と言ってしまいがちですが、英語ではやや不自然です。また、文化的な背景として、敗北を認めることは、必ずしもネガティブな意味合いだけでなく、潔さや戦略的な撤退を示す場合もあります。このあたりは、日本人の『負けを認めたくない』という心理とは異なる場合があります。

文化的背景

「concede(譲歩する、認める)」という言葉は、単なる事実の認識を超え、権力構造や社会的地位を反映する複雑な文化的ニュアンスを帯びています。それは、表面的には論理的な判断に見えながらも、暗黙のうちに存在する力関係や、自己の立場をわきまえる処世術の表れなのです。

歴史的に見ると、「concede」は、政治的な議論や領土紛争において、敗北や譲歩を認める場面で頻繁に用いられてきました。中世の騎士道物語では、戦いに敗れた騎士が相手の武勇を認め、降伏をconcedeすることが、名誉ある行為とされていました。しかし、その裏には、敗北を受け入れることで、命を助けられたり、捕虜として丁重に扱われたりするという打算的な側面も存在しました。つまり、「concede」は、単なる敗北宣言ではなく、その後の状況を有利に進めるための戦略的な選択肢でもあったのです。

現代社会においても、「concede」は、ビジネス交渉や法廷での駆け引きにおいて、重要な役割を果たします。例えば、訴訟において、相手の主張の一部をconcedeすることで、裁判官や陪審員の心証を良くし、最終的な和解を有利に進めることができます。また、政治の世界では、選挙結果をconcedeすることで、敗者は潔さをアピールし、将来の政治活動への足がかりとすることができます。このように、「concede」は、単なる事実の承認ではなく、自己のイメージをコントロールし、周囲との関係性を円滑にするためのコミュニケーション戦略として機能しているのです。

しかし、「concede」には、常にポジティブな意味合いがあるわけではありません。特に、自己の信念や価値観を曲げてまでconcedeすることは、自己欺瞞や屈辱感につながる可能性があります。例えば、不正な要求をconcedeすることは、一時的な利益を得るかもしれませんが、長期的に見ると、自己の尊厳を損なうことになります。したがって、「concede」は、状況を慎重に判断し、自己の価値観とのバランスを考慮した上で、戦略的に選択する必要がある、奥深い言葉なのです。

試験傾向

英検

- 出題形式: 主に語彙問題(短文の空所補充)と長文読解

- 頻度と級・パート: 準1級、1級で頻出。2級でも稀に出題される可能性あり

- 文脈・例題の特徴: 意見の相違、譲歩、事実の承認など、議論や説明文脈で使われることが多い

- 学習者への注意点・アドバイス: 動詞としての「(不本意ながら)認める」「譲歩する」の意味を確実に押さえる。名詞形 concession との違いも理解する。

TOEIC

- 出題形式: 主にPart 5(短文穴埋め)とPart 7(長文読解)

- 頻度と級・パート: 比較的頻出。特にビジネス関連の長文で登場しやすい

- 文脈・例題の特徴: 契約、交渉、市場調査など、ビジネスシーンでの譲歩や承認を表す文脈で登場

- 学習者への注意点・アドバイス: 「譲歩」の意味合いが強いことを意識する。同意を表す agree とのニュアンスの違いを理解する。concede that 節の形も覚えておくと良い。

TOEFL

- 出題形式: 主にリーディングセクション(長文読解)

- 頻度と級・パート: 頻出。アカデミックな文章でよく使われる

- 文脈・例題の特徴: 歴史、科学、社会科学など、様々な分野の論文で、議論の展開や論理構造を示すために用いられる

- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から正確な意味を把握する練習が必要。「認める」という意味だけでなく、「譲歩する」という意味合いも考慮する。類似語の admit との使い分けも重要。

大学受験

- 出題形式: 主に長文読解

- 頻度と級・パート: 難関大学ほど頻出。標準的なレベルの大学でも出題される可能性あり

- 文脈・例題の特徴: 評論文や物語文など、幅広いジャンルの文章で登場する

- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈の中で意味を推測する力を養うことが重要。「認める」「譲歩する」のどちらの意味で使われているか、文脈から判断できるようにする。派生語(concessionなど)も覚えておくと有利。

免責事項

英単語学習ラボは生成AIで機械的に意味や英語表現を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。

このページについて

作成:英単語学習ラボ
生成支援:Google Gemini
最終更新:2025年7月18日

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