burst
母音 /ɜː/ は、日本語の「アー」と「ウー」の中間のような音で、口を軽く開けて喉の奥から出すイメージです。日本語の「バースト」のように「ー」を短く切らず、しっかりと伸ばすことが重要です。最後の /t/ は、舌先を上の歯茎につけて息を止めるように発音します。破裂音として明確に発音する必要はありませんが、/s/ の後に無音で終わることを意識しましょう。
破裂する
内側から強い力が加わり、突然壊れるように開く様子。風船、タイヤ、感情の高ぶりなど、様々なものが対象となる。制御不能な状態を伴うことが多い。
The red balloon suddenly burst with a loud pop at the party.
パーティーで、赤い風船が突然「パン!」という大きな音を立てて破裂しました。
※ 誕生日パーティーで子供が風船で遊んでいると、予想外に「パン!」と大きな音を立てて風船が破裂する、そんな驚きの瞬間を想像してみてください。この例文は、「burst」が何か(この場合は風船)が圧力に耐えきれずに物理的に「破裂する」という、最も基本的な使い方を示しています。動詞「burst」は過去形も「burst」と同じ形なので注意しましょう。
During the cold winter, an old water pipe burst in the wall.
寒い冬の間、古い水道管が壁の中で破裂しました。
※ 冬の寒い日に、家の壁の中で「ゴボゴボ…」という異音が聞こえ、やがて水が漏れ出してくるような、少し困った状況を思い浮かべてください。これは、凍結などによって水道管が「破裂する」という、生活の中で起こりうる典型的な例です。物理的な構造物が限界を超えて壊れる様子が伝わります。水漏れなどのトラブルを話す際によく使われる表現です。
On the highway, my car tire suddenly burst, making a loud noise.
高速道路で、私の車のタイヤが突然破裂し、大きな音を立てました。
※ もしあなたが高速道路を運転中に、突然「バン!」という爆発音とともに車が揺れたら、どれほど驚くでしょうか。この例文は、車のタイヤが走行中に何らかの原因で「破裂する」という、予期せぬ出来事を描写しています。危険を伴うような、急な物理的破壊の場面で「burst」が使われる典型的な例です。「making a loud noise」は、破裂した結果として大きな音が出たことを表しています。
突発
何かが突然、勢いよく起こること。感情、エネルギー、活動などが急激に現れる場面で使われる。
He told a funny joke, and there was a burst of laughter from everyone in the room.
彼が面白いジョークを言うと、部屋中の人たちからドッと笑いが起きた。
※ この例文は、誰かが面白いことを言った瞬間に、周りの人たちが思わず笑い出す、温かい情景を描いています。「a burst of laughter」は「突発的な笑い声」という意味で、感情が突然あふれ出す様子を非常によく表す典型的な表現です。名詞の「burst」は、このように感情や音などが「パッと一斉に噴き出す」イメージで使われます。
Suddenly, a burst of water shot out from the old garden hose.
突然、古い庭のホースから水が勢いよく噴き出した。
※ 庭で古いホースを使っていたら、予期せず水が勢いよく飛び出してきた、という少し驚くような場面です。「a burst of water」は、水道管が破裂したり、ホースが壊れたりして、水が「突然、勢いよく噴き出す」様子を表すのに使われます。物理的なものが「破裂して中身が飛び出す」というイメージで「burst」が使われている例です。
After a long day, she found a sudden burst of energy to finish her work.
長い一日の後、彼女は仕事を終えるために突然の活力を得た。
※ 疲れていても、もうひと頑張りしようと急にやる気が湧いてくる、という共感しやすい状況です。「a burst of energy」は「突然の活力」や「一時的な集中力」を意味し、停滞していた状態から急に活動的になる様子を表します。このように、物理的なものだけでなく、抽象的な「エネルギー」や「活動」が急に増える場合にも「burst」が使われます。
急に〜する
我慢していたものが抑えきれずに、勢いよく何かを始める様子。泣き出す、笑い出す、走り出すなどの行動に使われる。
She couldn't hold it anymore and burst into laughter.
彼女はもう我慢できなくて、急に笑い出した。
※ 誰かが面白いことを言ったり、変な顔をしたりして、思わず『プッ』と笑い出しちゃうような状況です。「burst into laughter」は「急に笑い出す」という非常によく使われる表現です。感情が急に『爆発する』イメージですね。ちなみに、涙が急に出てくる場合は「burst into tears」と言います。
The balloon burst loudly when he poked it with a pin.
彼がピンで突くと、風船は大きな音を立てて破裂した。
※ 子供が風船で遊んでいて、針で突いた瞬間に『バン!』と大きな音を立てて風船が割れる、そんな場面を想像してください。この例文は、『burst』が物理的に何かが『破裂する』という、最も基本的な使い方を示しています。過去形も『burst』のままで、形が変わりません。
Suddenly, a bright light burst through the dark clouds.
突然、暗い雲の間から明るい光が差し込んだ。
※ 分厚い雲に覆われた空から、急に太陽の光が『パッと』差し込んでくる、希望を感じさせるような情景です。ここでは『burst』が、光や水などが『勢いよく噴き出す』『突然現れる』という意味で使われています。『burst through...』で『〜を突き破って飛び出す』という動きを表します。
コロケーション
突然泣き出す、わっと泣き出す
※ 感情が抑えきれずに涙があふれ出す様子を表します。ポイントは『into』という前置詞で、感情が内側から外へ、勢いよく流れ出るイメージです。類似表現に『break down in tears』がありますが、こちらはより感情が崩れ落ちるようなニュアンスを含みます。日常会話で非常によく使われる表現です。
突然笑い出す、どっと笑う
※ 『burst into tears』と同様の構造で、感情が抑えきれずに笑いがこみ上げてくる状態を表します。フォーマルな場面よりも、親しい間柄での会話でよく用いられます。日本語の『爆笑する』に近いニュアンスですが、『爆笑』よりも自然な、抑えきれない笑いを表すことが多いです。
誇らしさでいっぱいになる、胸が張り裂けるほど誇らしい
※ 誇らしい気持ちが内側から溢れ出てくる様子を表します。『with』という前置詞がポイントで、誇りが内側を満たしているイメージです。例えば、子供の成功を語る親が『I could have burst with pride』のように使います。やや誇張した表現で、喜びを強調したい時に適しています。
夢を壊す、幻想を打ち砕く、現実を突きつける
※ 人が抱いている甘い夢や希望、都合の良い解釈を、現実を突きつけることで打ち砕くことを意味します。『bubble(泡)』は儚い希望や幻想の比喩として使われ、それを『burst(破裂させる)』ことで、現実を直視させるニュアンスがあります。ビジネスシーンや人間関係において、耳の痛い真実を伝える際に用いられます。
急な加速、瞬間的なスピード
※ 短時間で急激に速度を上げることを指します。スポーツの実況などでよく用いられ、選手の瞬発力や加速力を表現する際に適しています。例えば、陸上競技で『He showed a burst of speed in the final stretch』のように使われます。比喩的に、仕事などである期間に集中的に成果を出すことも表します。
突然炎に包まれる、急に燃え上がる
※ 火が瞬時に広がり、激しく燃え上がる様子を表します。事故や災害のニュースなどでよく使われる表現です。比喩的に、感情や議論が激化する様子にも用いられます。例えば、『The argument burst into flames』のように、議論がエスカレートした状況を表すことができます。
縫い目がはじける、満員である、パンク寸前である
※ 文字通りには、縫い目が圧力で破裂する様子を表しますが、比喩的に、場所が人で溢れかえっている状態や、組織や人が限界に達している状態を指します。例えば、『The stadium was bursting at the seams』のように、スタジアムが満員であることを表現したり、『The department is bursting at the seams with work』のように、仕事が多すぎて手が回らない状況を表したりします。
使用シーン
学術論文や研究発表で、データや現象の急激な変化を説明する際に用いられます。例えば、経済学の論文で「バブルの崩壊(burst of the bubble)」を説明したり、物理学の分野で「星の爆発(burst of a star)」を記述したりする際に使われます。専門用語というよりは、変化の様子を強調する言葉として使われることが多いです。
ビジネスシーンでは、市場の急成長や技術革新の急速な普及などを表現する際に使われることがあります。例えば、「新規市場への関心の急増(burst of interest in a new market)」や「イノベーションの突発的な発生(burst of innovation)」のように、比較的フォーマルな文書やプレゼンテーションで用いられます。日常的なビジネス会話で頻繁に使われるわけではありません。
日常会話では、比喩的な意味合いで使われることがあります。例えば、「笑いが爆発した(burst into laughter)」のように、感情が急に表れる様子を表現する際に使われます。また、ニュース報道などで、事件や事故の発生を伝える際に使われることもあります。ただし、より口語的な表現としては、「突然〜しだす」という意味で"suddenly"や"all of a sudden"が好まれる傾向があります。
関連語
類義語
『爆発する』という意味で、物理的な爆発や感情の爆発など、急激な破壊を伴う現象を表す。科学技術、ニュース報道、文学作品など、幅広い分野で使用される。 【ニュアンスの違い】『burst』よりも規模が大きく、破壊的なイメージが強い。また、原因が外部からの圧力や内部の不安定さによることが多い。『burst』は内側から破裂するイメージが強い。 【混同しやすい点】『explode』は原因や結果に焦点が当てられることが多く、爆発の規模や影響を強調する際に用いられる。比喩的な意味でも使われやすい(例:怒りが爆発する)。
『粉々になる』、『打ち砕く』という意味で、ガラスなどの壊れやすいものが砕け散る様子や、希望や夢が打ち砕かれる様子を表す。文学作品やニュース報道でよく使われる。 【ニュアンスの違い】『burst』が内側からの圧力で破裂するのに対し、『shatter』は外部からの衝撃で粉々になるイメージが強い。また、『shatter』は比喩的に精神的な崩壊や希望の喪失を表すことが多い。 【混同しやすい点】『shatter』は物理的な破壊だけでなく、精神的なダメージを表す際にも使われる。また、他動詞としても自動詞としても使えるため、文脈によって意味が異なる場合がある(例:glass shattered, he shattered her dreams)。
『噴火する』、『勃発する』という意味で、火山や感情、紛争などが突然激しく発生する様子を表す。地質学、報道、社会科学などで使用される。 【ニュアンスの違い】『burst』が内側から何かが飛び出すイメージであるのに対し、『erupt』は抑えられていたものが表面に現れるイメージ。火山や感情など、一定のプロセスを経て爆発するニュアンスがある。 【混同しやすい点】『erupt』は、感情や紛争が突然表面化することを表す場合に使われる。火山噴火のイメージが強いため、比喩的な用法ではより深刻な状況を表すことが多い(例:war erupted)。
『壊れる』、『破る』という意味で、物理的な破壊や規則を破る行為など、幅広い意味を持つ。日常会話からビジネスシーンまで、あらゆる場面で使用される。 【ニュアンスの違い】『burst』が内側からの圧力で急激に破裂するのに対し、『break』は徐々に壊れる、あるいは外部からの力で壊れるなど、破壊の過程や原因に焦点が当てられる。『break』は汎用性が高く、様々な状況で使用できる。 【混同しやすい点】『break』は非常に一般的な単語であり、文脈によって意味が大きく異なる。自動詞としても他動詞としても使えるため、目的語の有無に注意する必要がある(例:glass broke, he broke the glass)。
- rupture
『破裂』、『断絶』という意味で、血管や関係などが破れたり、途絶えたりする状態を表す。医学、法律、国際関係などの専門分野で使用される。 【ニュアンスの違い】『burst』よりもフォーマルな表現で、医学的な文脈や、関係性の断絶といった深刻な状況を表す際に用いられる。急激な破壊というよりも、徐々に進行して最終的に破裂するイメージ。 【混同しやすい点】『rupture』は、医学用語や法律用語として使われることが多い。日常会話ではあまり使われないため、フォーマルな場面での使用に限定される。
『放出する』、『放出される』という意味で、液体や気体、感情などが放出される様子を表す。科学、医学、心理学などで使用される。 【ニュアンスの違い】『burst』が内圧によって破裂するイメージに対し、『discharge』は意図的または自然に何かが放出されるイメージ。感情が爆発するというより、徐々に発散されるニュアンス。 【混同しやすい点】『discharge』は、液体や気体などの具体的な物質が放出される場合に使われることが多い。比喩的な意味で使用される場合もあるが、物理的な放出のイメージが残る。
派生語
『burst』に『外へ』という意味の接頭辞『out-』が付いた名詞で、『感情の爆発』や『突然の発生』を意味します。抑えていたものが急に外に飛び出すイメージで、ニュース記事や心理学の分野でよく使われます。例えば、『an outburst of anger(怒りの爆発)』のように使われます。
- sunburst
『太陽』を意味する『sun』と『burst』が組み合わさった名詞で、『太陽光の爆発』、つまり『日の出』や『太陽光が放射状に広がる様子』を指します。比喩的に、色彩が鮮やかで放射状に広がる模様を指すこともあります。写真、デザイン、文学作品などで見られます。
- starburst
『星』を意味する『star』と『burst』が組み合わさった名詞で、『星の爆発』を意味します。天文学の分野で、星が大量に生まれる現象や、花火のように星が四方八方に広がる様子を指します。また、お菓子やロゴのデザインにも使われることがあります。
反意語
『burst(破裂する、爆発する)』とは反対に、『contain』は『抑える』『含む』という意味の動詞です。感情や情報が外に漏れ出すのを防ぐニュアンスで使われ、『contain one's anger(怒りを抑える)』のように使われます。日常会話からビジネスシーンまで幅広く使われます。
『suppress』は『抑圧する』『鎮圧する』という意味の動詞で、『burst』が何かを爆発させるのとは対照的に、力で抑え込むイメージです。感情、反乱、情報などを対象とし、政治、社会問題、心理学などの文脈でよく用いられます。例えば、『suppress a rebellion(反乱を鎮圧する)』のように使われます。
『withhold』は『差し控える』『保留する』という意味の動詞で、何かを外に出さずに保持するニュアンスがあります。『burst』が勢いよく放出するのとは対照的に、意図的に何かを抑える場合に使われます。情報、感情、許可などを対象とし、ビジネスや法律の分野でよく使われます。例えば、『withhold information(情報を差し控える)』のように使われます。
語源
"burst」は、古英語の「berstan」(壊れる、破裂する)に由来します。これはゲルマン祖語の*brestaną(壊れる)から来ており、さらに遡るとインド・ヨーロッパ祖語の*bʰres-(壊れる、砕ける)という語根にたどり着きます。この語根は、物理的な破壊や突然の出現といったイメージを含んでおり、日本語の「バチンと割れる」といった擬音語が持つニュアンスと近いかもしれません。「burst」は、もともと物理的な破裂を表していましたが、時間経過とともに感情や行動の突発的な発露、例えば「突然笑い出す (burst into laughter)」といった意味合いも含むようになりました。この語源を理解することで、「burst」が単なる破裂だけでなく、内側から力が解放されるような、勢いのあるイメージを持つ単語であることが分かります。
暗記法
「burst」は、抑えきれない感情やエネルギーの噴出を意味し、解放、危機、破壊といった多様なイメージを内包します。ロマン主義文学では、嵐や日の出といった自然の力が「burst」として描かれ、理性や社会秩序を超えた感情やエネルギーを表現。金融バブルの崩壊や、若者の爆発的な創造性、情報拡散など、現代社会の様々な現象もまた「burst」として捉えられます。単なる物理的な破裂を超え、感情、社会、経済における変化や力の表出を象徴する言葉なのです。
混同しやすい単語
『burst』と発音が似ており、特にアメリカ英語では母音の区別が曖昧になりやすい。綴りも 'ur' と 'er' の違いのみで視覚的に紛らわしい。『燃える』という意味で、fire(火)に関連する状況で使われるため、文脈で区別する必要がある。日本人学習者は、発音記号を意識して区別すると良い。
『burst』と意味が一部重なる(爆発、突発的な出来事)ため、意味の面で混同しやすい。しかし、『blast』はより強い爆発や衝撃を表すことが多い。品詞もburstが名詞・動詞両方で使われるのに対し、blastも同様だが、特に『blast』は名詞で「突風」や「一斉射撃」といった意味でも使われる点に注意。語源的には、古英語の『blæst』(blow:吹く)に関連があり、空気の勢いをイメージすると理解しやすい。
これは古英語の単語で、現代英語ではほとんど使われない。しかし、burstの語源を調べると出てくるため、混同する可能性がある。意味は『burst』と同じく『破裂する』だが、現代英語では使わないことを覚えておく。語源を学ぶのは良いことだが、古い形に惑わされないように注意。
『burst』と発音が似ており、特に語尾の子音の響きが似ているため、聞き間違いやすい。意味は『破産する』、『取り締まる』など、経済的な失敗や警察の活動に関連する意味合いが強い。また、『胸像』という意味もある。文脈が全く異なるため、落ち着いて聞けば区別できるはず。アメリカ英語のスラングで使われることも多い。
『burst』とはスペルが似ており、特に最初の 'br' の部分が共通しているため、視覚的に混同しやすい。『胸』という意味で、身体の一部を指すため、意味の関連性は全くない。医療や健康に関する話題でよく使われる単語。日本語の『バスト』というカタカナ語の影響で、発音も混同しやすいかもしれないが、注意して区別する必要がある。
『burst』と発音が部分的(特に最初の音節)に似ており、スペルも 'ber' の部分が共通しているため、混同しやすい。『寝台』、『停泊場所』という意味で、旅行や船旅に関連する文脈で使われることが多い。例:a sleeping berth (寝台)。語源的には、船の停泊場所を意味する古英語の『byrde』に由来する。
誤用例
日本語の『(アイデアが)湧き出る』というイメージから『burst』を選んでしまう誤用です。『burst』は、突然勢いよく何かが起こるイメージで、通常は内側から外への爆発的な動きを伴います。企業の成功のように、時間をかけて積み重ねられた結果を表す場合は、『stem from』(〜に由来する) や『result from』(〜の結果として生じる) が適切です。背景には、日本語の『湧き出る』が原因と結果のつながりを曖昧にするのに対し、英語では原因と結果の関係をより明確に表現する傾向があるという言語文化の違いがあります。
『burst』を『爆発させる』というイメージで捉え、『彼を爆発させたい』→『彼を殴りたい』という連想から生まれた誤用です。『burst』は自動詞として使われることが多く、他動詞として使う場合は『burst something』のように、物理的な対象を破壊するニュアンスが強くなります。人を殴りたいという感情を表現するなら、より直接的な『punch』や『hit』を使うのが自然です。この誤用は、日本語の『爆発する』という言葉が比喩的に幅広い感情を表せるのに対し、英語の『burst』は物理的なイメージが強いという語感の違いから生じます。
『burst into tears』は悲しみや苦しみで泣き出す時に使うのが一般的です。喜びで泣き出す場合は、『be overcome with happiness and burst into tears』のように、『喜びで圧倒された結果、涙があふれた』というニュアンスを加えることで、より自然な表現になります。この誤用は、日本語の『涙があふれる』という表現が感情の種類を問わないのに対し、英語の『burst into tears』はネガティブな感情と結びつきやすいという文化的背景の違いから生じます。喜びの涙は、英語では『tears of joy』と表現されるように、感情の種類を明示することが好まれます。
文化的背景
「burst」は、抑えきれない感情やエネルギーが突然噴出する様子を表し、しばしば解放感や危機感、あるいは破壊的な力と結び付けられます。この単語は、個人の内面的な感情から社会的な変革まで、様々な規模で起こる、制御不能な力の表出を象徴的に表現するのに用いられてきました。
「burst」が持つイメージは、19世紀のロマン主義文学において顕著に現れます。例えば、ウィリアム・ワーズワースの詩には、自然の力、特に嵐や日の出などが「burst」のイメージで描かれることがあります。これは、理性を超えた感情や自然の驚異に対する畏敬の念を表現するためでした。また、ヴィクトリア朝時代には、社会的な抑圧に対する反発として、芸術家や作家が「burst」を用いて、既存の秩序を破壊し、新たな価値観を生み出すエネルギーを表現しました。この時代の小説では、主人公が抑圧された環境から「burst out」するシーンが描かれることがあり、個人の自由や自己実現への渇望が象徴的に表現されています。
現代においても、「burst」は様々な文脈で使用されます。例えば、金融市場におけるバブルの崩壊(bursting bubble)は、長期間にわたって蓄積された過剰な投機が突然終焉を迎える様子を表現しています。また、ポップカルチャーにおいては、若者の爆発的なエネルギーや創造性を「burst」という言葉で表現することがあります。音楽やファッションの世界では、既存のスタイルを打ち破り、新しいトレンドを生み出す瞬間に「burst」のイメージが重ねられます。さらに、ソーシャルメディアの普及により、情報が瞬時に拡散する様子も「burst」という言葉で表現されることがあります。
このように、「burst」は単なる物理的な破裂だけでなく、感情、社会、経済など、様々な領域における変化や解放、あるいは破壊的な力を象徴する言葉として、文化的な意味合いを帯びています。この言葉が持つ多面的な意味合いを理解することで、英語の表現をより深く理解し、使いこなすことができるでしょう。
試験傾向
- 出題形式: 主に語彙問題(短文空所補充)と長文読解。まれにリスニングでも使われる。
- 頻度と級・パート: 準1級以上で頻出。2級でも稀に出題される。
- 文脈・例題の特徴: 幅広いトピックで登場。爆発、破裂、感情の高ぶりなど、比喩的な意味合いで使われることも多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: 名詞と動詞の区別をしっかり理解する。自動詞・他動詞の両方の用法がある点に注意。類義語(explode, erupt)とのニュアンスの違いを意識する。
- 出題形式: Part 5(短文穴埋め問題)、Part 7(長文読解)。
- 頻度と級・パート: Part 5で時々出題。Part 7では比較的まれ。
- 文脈・例題の特徴: ビジネスシーンでの使用例は少なめ。ニュース記事や科学技術系の文章で、比喩表現として使われることがある。
- 学習者への注意点・アドバイス: TOEICでは専門的な語彙知識よりも、文法力や読解速度が重視されるため、「burst」単体での対策は優先度低。ただし、長文読解で出てきた場合は文脈から意味を推測できるようにしておく。
- 出題形式: リーディングセクション(長文読解)。
- 頻度と級・パート: アカデミックな文章で頻出。
- 文脈・例題の特徴: 科学、社会科学、歴史など、幅広い分野の学術的な文章で使われる。比喩表現も多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: 名詞と動詞の用法を区別し、文脈から正確な意味を把握することが重要。類義語(surge, outbreak)とのニュアンスの違いを理解しておくと、より正確な読解につながる。
- 出題形式: 主に長文読解。文法問題や語彙問題で問われることもある。
- 頻度と級・パート: 難関大学ほど出題頻度が高い。標準的なレベルの大学でも、長文の中で使われることがある。
- 文脈・例題の特徴: 様々なテーマの文章で登場。物語文、説明文、論説文など、幅広いジャンルで見られる。
- 学習者への注意点・アドバイス: 基本的な意味(爆発、破裂)だけでなく、比喩的な意味(感情の高まり、突然の出現など)も理解しておくことが重要。文脈から適切な意味を判断できるように練習する。