shatter
最初の音 /ʃ/ は、日本語の「シャ」の子音と同じです。母音 /æ/ は、日本語の「ア」と「エ」の中間のような音で、口を大きく開けて発音します。語尾の /ər/ は、口を軽く開け、舌を丸めるようにして「アー」と発音します。日本語の「ア」よりも曖昧な音で、力を抜いて発音するのがコツです。強勢は最初の音節にあります。
粉々にする
物理的に何かを勢いよく破壊し、破片が飛び散るイメージ。ガラスや陶器など、壊れやすいものが対象。比喩的に、希望や計画などを打ち砕く意味でも使う。
The boy accidentally threw the ball and shattered the window.
男の子がうっかりボールを投げて、窓を粉々にしてしまった。
※ 子供が誤って物を壊してしまう、日常的で少しドキッとする場面ですね。「shatter」は、ガラスなどが「粉々に割れる」様子を鮮やかに伝えます。「accidentally」は「うっかり」「偶然に」という意味で、意図的ではない行動によく使われます。
She dropped her favorite ceramic mug, and it shattered into pieces.
彼女はお気に入りの陶器のマグカップを落としてしまい、それは粉々に砕け散った。
※ 大切なものが壊れてしまう、悲しい瞬間を表す例文です。「shatter」は、陶器やガラス製品が「バラバラに砕け散る」時にぴったりです。「into pieces」を付け加えることで、「粉々に」というニュアンスがより強調されます。
The strong explosion shattered glass from buildings for blocks around.
その強い爆発は、何ブロックも離れた建物のガラスを粉々にした。
※ 爆発のような大きな力で物が壊れる場面です。「shatter」は、物理的な衝撃が原因で広範囲に物が破壊される様子も描写できます。「for blocks around」は「周辺の何ブロックにもわたって」という意味で、被害の広がりを示します。
打ち砕く
精神的な衝撃や失望により、人の希望、自信、感情などを破壊するイメージ。計画や夢が実現不可能になる状況にも使う。
The little boy accidentally dropped the glass, and it shattered loudly.
小さな男の子がうっかりグラスを落とし、それは大きな音を立てて粉々に砕けた。
※ この例文は「shatter」が物理的に物が「粉々に砕ける」ことを表す最も典型的な使い方です。グラスが床に落ちて、バラバラに砕け散る音まで想像できますね。特にガラスや陶器など、割れると破片になるものによく使われます。ここでは「砕ける」という自動詞として使われています。
The bad news shattered all her hopes for a new beginning.
その悪い知らせは、彼女の新たな始まりへの希望をすべて打ち砕いた。
※ 「shatter」は物理的な破壊だけでなく、「希望」や「夢」、「信頼」といった抽象的なものが「打ち砕かれる」「粉々になる」という意味でも非常によく使われます。この例文では、期待していたことがダメになり、がっかりする心の動きが伝わってきますね。ここでは「希望を打ち砕く」という他動詞として使われています。
A sudden loud explosion shattered the quiet of the peaceful morning.
突然の大きな爆発音が、穏やかな朝の静けさを打ち破った。
※ この例文では、「静けさ (quiet)」という抽象的なものが、物理的な「爆発音 (explosion)」によって「打ち破られる」様子を描写しています。「shatter」は、このように「平穏」や「静寂」といった状態が、突然の出来事で乱される際にも使われる、非常に表現力豊かな単語です。音の衝撃で静けさが壊れるイメージが鮮明に浮かびます。
破片
砕け散ったものの断片。ガラスや陶器の破片を指すことが多い。動詞 'shatter' の結果として生じるものを指す。
Oh no, the floor is covered with the shatter of the glass cup!
ああ、床がガラスのコップの破片でいっぱいだ!
※ この文では、子供が誤ってガラスのコップを落としてしまった場面を描写しています。「the shatter of the glass cup」で、「ガラスのコップが粉々に砕けた状態」や「その結果生じたもの(=破片)」を指しています。この単語は通常、動詞として「粉々に砕ける/砕く」という意味で使われることが多いですが、ごくまれに名詞として「粉砕された状態」や、文脈によっては「破片」を指すことがあります。学習初期には、具体的な破片を指す場合は 'shards' や 'fragments' がより一般的であることを覚えておくと良いでしょう。
After the strong storm, we found the shatter of roof tiles all over the garden.
強い嵐の後、庭中に屋根瓦の破片を見つけました。
※ 嵐が過ぎ去った後、庭に散らばる屋根瓦の破片を見つけた状況です。「the shatter of roof tiles」は、「屋根瓦が粉砕されたもの」を意味し、それが「破片」として庭に散乱している様子を表します。このように、「〜のshatter」という形で、何かが粉々になった結果生じたものを表現する際に使われることがあります。しかし、日常会話で具体的な「破片」を指す際には、'pieces' や 'broken pieces' の方が一般的です。
The archaeologist carefully picked up a shatter of the ancient pot.
考古学者はその古代の壺の破片を慎重に拾い上げた。
※ 考古学者が発掘現場で、壊れた古代の壺の断片を発見する場面です。「a shatter of the ancient pot」は、「その古代の壺が粉々に砕けたものの一部」という意味で、「破片」を指しています。このように、歴史的な遺物や壊れた品物の一部を指す際に、文脈によって「破片」という意味合いで使われることがあります。ただし、この用法は非常に限定的であり、より一般的には 'a piece of the ancient pot' や 'a fragment of the ancient pot' が使われます。
コロケーション
期待を打ち砕く、予想を覆す
※ 単に期待を裏切るだけでなく、良い意味で予想をはるかに超える場合に使われます。ビジネスシーンでは、新製品の性能やサービスが顧客の期待を大幅に上回る状況などを表現する際に用いられます。例えば、『The company's new product shattered expectations, exceeding sales forecasts by 50%.(その会社の新製品は期待を打ち砕き、売上予測を50%も上回った)』のように使います。文法的には、動詞 + 名詞 の組み合わせです。
記録を打ち破る、記録を塗り替える
※ スポーツの世界などで、既存の記録を大幅に更新することを指します。単に記録を破る(break a record)よりも、その差が著しい場合に「shatter」が使われます。例えば、オリンピックで長年破られなかった記録が大幅に更新された場合などに適しています。『The athlete shattered the world record in the 100-meter sprint.(その選手は100メートル走で世界記録を打ち破った)』のように使います。動詞 + 名詞の組み合わせで、名詞は具体的な記録の種類を表すことが多いです。
幻想を打ち砕く、夢を壊す
※ 人が抱いている甘い幻想や希望を、現実を見せることで打ち砕くことを意味します。恋愛、仕事、政治など、さまざまな分野で使用されます。例えば、理想の企業に入社したものの、現実の厳しさに直面した際に『His first job shattered his illusions about the corporate world.(彼の最初の仕事は、企業の世界に対する彼の幻想を打ち砕いた)』のように使われます。動詞 + 名詞の組み合わせで、illusionは複数形で使われることが多いです。
粉々に砕け散る
※ 物理的に物が砕けるだけでなく、比喩的に計画や関係などが完全に崩壊する状況を表します。ガラス製品などが衝撃で粉々になる様子や、交渉が決裂して計画が完全に失敗する様子などを表現できます。『The vase shattered into pieces when it fell from the table.(花瓶はテーブルから落ちて粉々に砕け散った)』のように物理的な破壊を表現する一方、『The peace talks shattered into pieces after the bombing.(爆撃の後、和平交渉は決裂した)』のように比喩的な崩壊を表現することもできます。動詞 + 前置詞句の組み合わせで、into piecesは「粉々に」という意味の副詞句として機能します。
神話を打ち破る、誤った通説を覆す
※ 長年信じられてきた誤った考えや伝説を、証拠や事実に基づいて覆すことを意味します。学術的な文脈や報道などでよく使用されます。例えば、『New research shattered the myth that older people are less productive.(新たな研究は、高齢者は生産性が低いという神話を打ち破った)』のように使われます。動詞 + 名詞の組み合わせで、mythは特定の社会や集団で共有されている誤った信念や物語を指します。
人の自信を打ち砕く
※ 人の自己肯定感や自信を大きく傷つけることを意味します。厳しい批判や失敗などが原因で、人が意気消沈する状況を表現します。例えば、公の場で酷評されたり、プロジェクトで大きな失敗をしたりした場合に『The harsh criticism shattered her confidence.(厳しい批判は彼女の自信を打ち砕いた)』のように使われます。動詞 + 名詞の組み合わせで、名詞は人の内面的な状態を表します。
使用シーン
学術論文や研究発表で、比喩的な意味合いで使われることが多いです。例えば、社会科学系の論文で「既存の理論を打ち砕く新たな発見」を説明する際に用いられます。また、物理学の分野で「物質が衝撃で粉々になる」様子を記述する際にも使われます。
ビジネスシーンでは、主に報告書やプレゼンテーションなどのフォーマルな場面で、抽象的な概念を強調するために使用されます。例えば、「市場の期待を打ち砕く」といった表現で、目標未達やネガティブな結果を伝える際に用いられます。日常的な会話ではあまり使われません。
日常会話では、文字通りの意味で「ガラスが粉々になる」といった状況を説明する際に使われることがあります。しかし、比喩的な意味合いで「夢が打ち砕かれる」といった表現は、やや大げさな印象を与えるため、頻繁には使われません。ニュースや映画などのメディアで、ドラマチックな状況を描写する際に見かけることがあります。
関連語
類義語
物を粉々にする、壊すという一般的な意味。物理的な破壊だけでなく、約束や規則を破る場合にも使われる。日常会話からビジネスシーンまで幅広く使用される。 【ニュアンスの違い】"break" はより一般的な語であり、"shatter" よりも破壊の程度が低い場合や、抽象的な対象(例:記録を破る)にも使える。"shatter" は通常、粉々になるイメージを伴う。 【混同しやすい点】"break" は自動詞としても他動詞としても使えるが、"shatter" は他動詞として使われることが多い。また、"break" は可算名詞としても使えるが、"shatter" は不可算名詞として使われることが多い。
激しい衝撃で物を粉砕するという意味。怒りや興奮などの感情を伴うことが多い。日常会話で使われる。 【ニュアンスの違い】"smash" は "shatter" よりも破壊の勢いが強く、より強い感情が込められていることが多い。また、"smash" は意図的に破壊するニュアンスを含むことがある。 【混同しやすい点】"smash" は自動詞としても他動詞としても使えるが、"shatter" は他動詞として使われることが多い。また、"smash" はスラングとして性的な意味を持つ場合もあるため、使用する際には注意が必要。
押しつぶす、押し砕くという意味。物理的な破壊だけでなく、精神的な打撃を与える場合にも使われる。日常会話からビジネスシーンまで幅広く使用される。 【ニュアンスの違い】"crush" は "shatter" よりも対象を平たく変形させるニュアンスが強い。また、"crush" は感情的な意味合いで、希望や自信を打ち砕く場合にも使われる。 【混同しやすい点】"crush" は自動詞としても他動詞としても使えるが、"shatter" は他動詞として使われることが多い。また、"crush" は恋愛感情の意味も持つため、文脈によっては誤解を招く可能性がある。
建物などを完全に破壊する、取り壊すという意味。建設や都市開発の分野でよく使われる。フォーマルな語。 【ニュアンスの違い】"demolish" は "shatter" よりも計画的かつ大規模な破壊を意味する。また、物理的な破壊に限定されることが多く、抽象的な対象には使いにくい。 【混同しやすい点】"demolish" は他動詞としてのみ使われる。また、"demolish" は建物など大きなものを対象とするのに対し、"shatter" は比較的小さなものを対象とすることが多い。
物を細かく断片化する、ばらばらにするという意味。学術的な文脈や、分析的な議論でよく使われる。 【ニュアンスの違い】"fragment" は名詞としては「破片」を意味し、動詞としては「断片化する」という意味になる。"shatter" が一瞬で粉々になるイメージなのに対し、"fragment" は徐々に細分化されるイメージ。 【混同しやすい点】"fragment" は自動詞としても他動詞としても使えるが、"shatter" は他動詞として使われることが多い。また、"fragment" は抽象的な概念(例:社会の断片化)にも使える。
木材などが裂けて、細い破片になるという意味。物理的な現象を説明する際に使われる。 【ニュアンスの違い】"splinter" は特に木材やガラスなどが、鋭利な破片となって分離する様子を表す。"shatter" よりも特定の素材や形状に限定される。 【混同しやすい点】"splinter" は名詞としては「(木などの)とげ」を意味し、動詞としては「とげが刺さる」「分裂する」という意味になる。"shatter" が全体的な破壊を意味するのに対し、"splinter" は部分的な分離を意味する。
派生語
- shattered
『粉々になった』『打ち砕かれた』という意味の形容詞または過去分詞。物理的に破壊された状態だけでなく、希望や夢が打ち砕かれた状態など、比喩的な意味でも広く使われる。日常会話からニュース記事まで頻繁に登場する。
- shattering
『粉々にするような』『衝撃的な』という意味の形容詞。出来事や経験の性質を強調する際に用いられる。例えば、『shattering news(衝撃的なニュース)』のように、非常に強い感情や影響を伴う状況を表す。ニュースや文学作品でよく見られる表現。
- unshattered
『粉々になっていない』という意味の形容詞。文字通り物理的な状態を表すこともできるが、比喩的に『傷ついていない』『損なわれていない』という意味で使われることもある。例えば、『unshattered faith(揺るぎない信仰)』のように、困難な状況にもかかわらず維持されている状態を示す。ややフォーマルな文脈で使用されることが多い。
反意語
『組み立てる』という意味の動詞。『shatter』が物をバラバラにするのに対し、『assemble』は部品を組み合わせて全体を形成する。物理的な組み立てだけでなく、情報を集めてまとめるなどの抽象的な意味でも使用される。日常会話、ビジネス、技術文書など、幅広い場面で使われる。
『建設する』『構築する』という意味の動詞。『shatter』が破壊を表すのに対し、『construct』は何かを作り上げる行為を指す。物理的な構造物だけでなく、理論や計画などを構築する場合にも用いられる。学術論文、ビジネス文書、技術文書などで頻繁に使用される。
『統合する』『強化する』という意味の動詞。『shatter』が分散や崩壊を意味するのに対し、『consolidate』は要素をまとめ、より強固な状態にすることを表す。ビジネスにおける合併や、政治的な勢力統合など、抽象的な概念にも適用される。ビジネスシーンや政治関連のニュースでよく使われる。
語源
"Shatter」の語源ははっきりとはわかっていませんが、中英語の「schateren」(粉々にする、散らす)に遡ると考えられています。これは恐らく、古英語の *sceaterian(ばらまく、散らす)に関連していると考えられますが、直接的な証拠はありません。さらに古いゲルマン祖語の*skat-(傷つける、分割する)に繋がる可能性も指摘されています。つまり、「shatter」は、何かを打ち砕き、破片を散らすというイメージを、その語源の段階から含んでいたと考えられます。日本語で例えるなら、「粉砕(ふんさい)」という言葉が、文字通り「粉」のように「砕」け散る様子を表しているのと似ています。この言葉は、物理的な破壊だけでなく、希望や夢などが打ち砕かれるといった比喩的な意味でも用いられます。
暗記法
「shatter」は、物理的な破壊を超え、希望、信頼、夢が粉々に砕け散る様を象徴します。革命、戦争、悲劇…人々の精神や社会構造を根底から揺さぶる出来事と結びつき、文学や映画では心の葛藤や社会崩壊を描写。比喩表現としても、心の傷、人生を覆す出来事を表します。現代ではSNSの誹謗中傷や社会の分断など、信頼関係を破壊する状況を表現。単なる破壊ではなく、失われたものの大きさを際立たせる言葉です。
混同しやすい単語
『shatter』と『scatter』は、どちらも動詞で、最初の音と語尾の音が似ているため、発音を聞き間違えやすいです。『scatter』は『まき散らす』という意味で、広い範囲に何かをばらまくイメージです。『shatter』は『粉々にする』なので、破壊の度合いが異なります。注意点として、文脈からどちらの単語が適切かを判断する必要があります。
『shatter』と『shutter』は、スペルが似ており、どちらも『shatt-』で始まるため、視覚的に混同しやすいです。『shutter』は『(窓などの)雨戸』や『(カメラの)シャッター』という意味の名詞です。また、『shutter』は動詞としても使われ、『(店などを)閉める』という意味になります。発音も似ていますが、アクセントの位置が異なります(shatterは最初の音節、shutterは2つ目の音節にアクセントがある)。
『shatter』と『chatter』は、どちらも動詞で、語尾の音が似ており、リズムも似ているため、発音を聞き間違えやすいです。『chatter』は『ぺちゃくちゃしゃべる』という意味で、おしゃべりや鳥のさえずりのようなイメージです。スペルも似ていますが、最初の文字が異なるため、注意して区別する必要があります。
『shatter』と『shadow』は、最初の音の響きが似ているため、発音を聞き間違えやすいです。『shadow』は『影』という意味の名詞で、動詞としては『影をつける』という意味になります。スペルも異なりますが、発音の類似性から混同しやすい単語です。語源的には、shadowは古英語のsceaduに由来し、shatterは語源が異なります。
『shatter』と『matter』は、語尾の『-atter』の部分が共通しているため、発音を聞き間違えやすいです。『matter』は『問題』や『物質』という意味の名詞で、動詞としては『重要である』という意味になります。文脈によっては、どちらの単語が適切か判断が難しい場合があります。
『slatter』は『泥などをはねかける』という意味の珍しい単語ですが、『shatter』と語尾が酷似しているため、視覚的・聴覚的に混同の可能性があります。特に、スラングや口語表現で使われることがあり、馴染みがないと聞き間違える可能性があります。意味も『shatter』とは全く異なるため、文脈で判断する必要があります。
誤用例
日本語の『打ち砕く』という表現に引きずられ、感情的なショックを『shatter』で表現してしまう誤用です。『shatter』は物理的な破壊、例えばガラスが粉々に砕け散るようなイメージが強く、感情に対して使うと大げさで不自然になります。感情的な苦痛には、より一般的な『break』(壊す)を使う方が適切です。英語では、感情や抽象的な概念に対して、具体的な物理現象を表す動詞を使う場合、その動詞が持つ具体的なイメージが強く反映されるため、注意が必要です。
『shatter』は完全に破壊するニュアンスが強いため、『少し傷つけた』という意図で使うと語感が強すぎます。日本人は、英語の表現を和らげるために『a little』を付け加えることがありますが、『shatter』のような強い言葉を緩和することは難しいです。より適切な表現は、『tarnish』(傷つける)や『damage』(損なう)など、程度が軽い動詞を選ぶことです。また、『slightly』のような副詞で程度を調整することもできます。英語では、強い言葉を使う場合には、その影響が実際に大きい場合に限られます。
『shatter』は夢や希望が打ち砕かれるという状況で使えなくはないですが、ニュアンスが少し異なります。『shatter』は粉々に砕け散るイメージが強く、夢や希望に対して使うと、完全に終わってしまった、修復不可能という印象を与えます。一方、『dash』は『打ち砕く』という意味もありますが、夢や希望が実現しなかったことに対する失望感を表すのに適しています。夢や希望が完全に失われたのではなく、一時的に挫折したというニュアンスを伝えたい場合には、『dash』の方が適切です。また、『fall through』も同様の意味で使えます。
文化的背景
「shatter」は、単なる物理的な破壊を超え、希望、信頼、夢といった抽象的な概念が粉々に砕け散る様を強く象徴する言葉です。その破片は修復不可能であり、失われたものの大きさを際立たせます。この言葉は、歴史的、社会的な文脈において、革命、戦争、個人的な悲劇など、人々の精神や社会構造を根底から揺さぶる出来事と深く結びついてきました。
「shatter」が持つ破壊的なイメージは、文学作品や映画の中で、登場人物の心の葛藤や社会の崩壊を描写する際に効果的に用いられてきました。例えば、シェイクスピアの悲劇では、主人公の野心や愛が「shatter」されることで、物語は破滅的な結末を迎えます。また、近年のディストピア小説や映画では、抑圧的な社会体制が人々の希望や自由を「shatter」する様子が描かれ、観客に強烈な印象を与えます。これらの作品において、「shatter」は、単なる破壊行為ではなく、精神的な喪失やアイデンティティの崩壊を象徴する言葉として機能しています。
さらに、「shatter」は、比喩表現としても広く用いられます。例えば、「彼の言葉は私の心をshatterした」という表現は、相手の言葉が深く心に突き刺さり、精神的なダメージを与えたことを意味します。また、「その事件は彼女の人生をshatterした」という表現は、ある出来事が人生を根底から覆し、以前のような状態に戻ることができないほどの大きな影響を与えたことを示します。このように、「shatter」は、物理的な破壊だけでなく、精神的な衝撃や喪失を表す際にも、非常に強力な言葉として用いられます。
現代社会においては、「shatter」は、SNSでの誹謗中傷やフェイクニュースが人々の心を傷つけ、信頼関係を破壊する様子を表現する際にも用いられます。また、政治的な対立や経済的な格差が社会の分断を深め、人々の連帯感を「shatter」する状況も、「shatter」という言葉で表現されることがあります。このように、「shatter」は、現代社会における様々な問題点を浮き彫りにする言葉として、その重要性を増しています。それは、単なる破壊ではなく、失われたもの、そしてその修復不可能性を強く意識させるからです。
試験傾向
1. 出題形式: 主に語彙問題、長文読解。まれにリスニング。
2. 頻度と級・パート: 準1級、1級で頻出。特に長文読解でよく見られる。
3. 文脈・例題の特徴: 新聞記事、エッセイなどアカデミックな文脈が多い。「希望が打ち砕かれる」「記録が打ち破られる」のような抽象的な用法に注意。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 動詞としての「打ち砕く、粉々にする」の意味だけでなく、比喩的な意味での「打ち砕く(希望、夢など)」も重要。名詞形shatteringも合わせて覚える。類義語のbreak, crushとのニュアンスの違いを理解する。
1. 出題形式: Part 5(短文穴埋め)、Part 7(長文読解)。
2. 頻度と級・パート: TOEIC全体で見ると中程度の頻度。Part 7で時々見られる。
3. 文脈・例題の特徴: 業績不振、市場の変化などビジネス関連の文脈で使われることが多い。「計画が頓挫する」「信頼を損なう」のような状況で使われる。
4. 学習者への注意点・アドバイス: ビジネスシーンでの比喩的な意味合いを理解しておく。「(期待などを)打ち砕く」という意味で使われることが多い。類義語のdamage, ruinとの使い分けを意識する。
1. 出題形式: リーディングセクション(長文読解)。
2. 頻度と級・パート: TOEFL iBTのリーディングセクションで比較的頻出。
3. 文脈・例題の特徴: 環境問題、社会問題、科学技術などアカデミックな内容でよく用いられる。「仮説が覆される」「関係が崩れる」のような文脈で使われる。
4. 学習者への注意点・アドバイス: アカデミックな文脈での抽象的な意味を理解する必要がある。名詞形shatteringも重要。類義語のdemolish, collapseとのニュアンスの違いを理解する。
1. 出題形式: 長文読解、和訳問題、英作文。
2. 頻度と級・パート: 難関大学の長文読解で頻出。特に記述式の和訳問題で問われることがある。
3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、科学技術、歴史など幅広いテーマで登場する。「(体制が)崩壊する」「(記録が)打ち破られる」のような文脈で使われる。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する能力が重要。比喩的な意味での用法を理解しておく。類義語のdestroy, break downとの使い分けを意識する。