arouse
最初の 'ə' は曖昧母音で、日本語の『ア』よりも弱く、口を軽く開けた状態で発音します。強調は 'raʊ' の部分に置きます。二重母音 /aʊ/ は、まず『ア』の口の形で発音し、すぐに『ウ』の形に移行させます。最後の 'z' は有声音なので、喉を震わせるように発音しましょう。日本語のサ行の発音とは異なり、濁音に近い音になります。
専門的な内容に関するご注意
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呼び覚ます
眠っていた感情や記憶、能力などを刺激して、活動状態にする。比喩的な意味合いで使われることが多い。(例:興味を呼び覚ます、記憶を呼び覚ます)
The sad movie aroused deep sympathy in her heart.
その悲しい映画は、彼女の心に深い同情を呼び覚ましました。
※ この例文は、映画や物語が人の感情を強く揺さぶる様子を描いています。主人公の困難な状況に触れ、思わず感情移入してしまうような場面で「arouse」が使われます。ここでは「sympathy(同情)」という感情が呼び覚まされていますね。物事が人の感情を「引き起こす」「刺激する」という、arouseの最も中心的な使い方の一つです。
His unique idea aroused great curiosity among the students.
彼のユニークなアイデアは、生徒たちの間に大きな好奇心を呼び覚ましました。
※ 新しい発見や珍しい発想に触れた時、人はもっと知りたいという気持ちになります。この例文では、誰かの「unique idea(ユニークなアイデア)」が、生徒たちの「curiosity(好奇心)」を刺激し、もっと学びたいという意欲を引き出した様子が描かれています。「arouse」は、このように人の興味や関心を「呼び起こす」際によく使われます。
This old song always arouses warm memories of my childhood.
この古い歌は、いつも私の子供時代の温かい思い出を呼び覚まします。
※ 昔聴いた音楽や、昔の写真などを見ると、その頃の記憶や感情が蘇ってくることがありますよね。この例文では、懐かしい「old song(古い歌)」が、子供の頃の「warm memories(温かい思い出)」を心によみがえらせる様子を表しています。「arouse」は、このように過去の記憶や懐かしい感情を「呼び起こす」際にも非常によく使われる単語です。
刺激する
性的な感情や欲望を刺激する意味合い。直接的な表現を避け、婉曲的に表現する場合に用いられる。(例:arouse desire)
The colorful picture aroused the child's curiosity instantly.
その色鮮やかな絵は、子どもの好奇心をすぐに刺激した。
※ この例文は、色鮮やかな絵を見た子どもが「わぁ、これなんだろう?」と目を輝かせ、興味津々になっている様子を描写しています。 「arouse + curiosity (好奇心)」は、何か新しいものや珍しいものに触れて興味がわく、という状況で非常によく使われる典型的な組み合わせです。 「arouse」は「~を刺激する、引き起こす」という意味の他動詞なので、目的語(ここでは "the child's curiosity")が後に続きます。
Her powerful speech aroused strong emotions in the audience.
彼女の力強いスピーチは、聴衆に強い感情を呼び起こした。
※ この例文は、彼女の力強いスピーチに、聴衆が感動したり、共感したりして、心が強く揺さぶられている場面を想像させます。 「arouse + emotion(s) (感情)」は、人の心を動かすような出来事や言葉に対して使われる代表的な表現です。 「arouse」の後に「strong emotions(強い感情)」という目的語が来ています。この単語は、怒り(anger)や恐怖(fear)など、ポジティブな感情だけでなく、ネガティブな感情を引き起こす場合にも使えます。
The strange smell aroused my suspicion that something was wrong.
その変な匂いが、何かがおかしいという疑念を私に抱かせた。
※ この例文は、ある場所で変な匂いがして、「あれ?何かおかしいぞ」と、心の中に疑いの気持ちがわき上がってくる、少し緊張感のある場面を描いています。 「arouse + suspicion (疑念)」は、何か怪しいことや不審なことがあったときに、疑いの気持ちが起こる、という状況でよく使われるフレーズです。 "that something was wrong" は "my suspicion" の内容を具体的に説明する節で、この単語が特定の「感情」や「意識」が心の中に「起こる」様子をより深く表現できます。
駆り立てる
行動や活動を促す。特に、強い感情や動機によって行動させるニュアンス。(例:arouse suspicion, arouse public concern)
The mysterious old map deeply aroused my curiosity about hidden treasures.
その神秘的な古い地図は、隠された宝物への私の好奇心を深く駆り立てた。
※ 埃っぽい屋根裏で偶然見つけた古い地図を広げた瞬間、まるで冒険が始まるかのようにワクワクする気持ちが湧き上がる情景です。「arouse + curiosity(好奇心)」は、何か新しいものや未知のものに出会ったときに、もっと知りたいという探求心や興味が刺激される、非常によくある使い方です。
His passionate speech aroused the audience to support the new project.
彼の情熱的なスピーチは、聴衆を新しいプロジェクトの支援へと駆り立てた。
※ 会場で、熱のこもった演説を聞いた人々が、その言葉に心を動かされ、立ち上がって協力しようと決意する場面です。「arouse + 人 + to do」の形で、「人を〜するよう駆り立てる」という、行動を促す意味で使われます。特に、感動や熱意によって人々が行動を起こすような文脈で自然に使われます。
The sudden change in policy aroused strong feelings of concern among the employees.
突然の政策変更は、従業員たちの間で強い懸念の念を駆り立てた。
※ 会社で、予期せぬ方針転換が発表され、多くの従業員が不安や心配を感じ、ざわめき始める情景です。「arouse + feelings/emotions」は、特定の感情(この場合は懸念や不安)が引き起こされることを表します。ポジティブな感情だけでなく、このようにネガティブな感情が湧き上がる際にも使われる典型的な表現です。
コロケーション
疑念を抱かせる、疑惑を招く
※ 「arouse」はここでは「引き起こす」「喚起する」という意味合いで、名詞「suspicion(疑念、疑惑)」と結びつき、ある行動や状況が疑念を抱かせる状況を表します。単に「suspect(疑う)」と言うよりも、その疑念が湧き上がるプロセスや、周囲に広がるニュアンスを含みます。ビジネスシーンやニュース報道など、比較的フォーマルな場面でよく用いられます。例えば、不自然な会計処理が『suspicionをarouse』するといった使い方をします。
興味を抱かせる、関心を引く
※ こちらも「arouse」が「引き起こす」という意味で使われ、名詞「interest(興味、関心)」と組み合わさることで、人々の興味や関心を引き起こす状況を指します。単に「interesting(興味深い)」と言うよりも、その興味が喚起されるダイナミズムや、対象への積極的な関与を示唆します。マーケティングや教育の分野で、商品や授業内容が『interestをarouse』するといった表現が使われます。
感情を掻き立てる、感情を呼び起こす
※ 「arouse」が感情を「呼び起こす」という意味で使用され、名詞「emotions(感情)」と組み合わさることで、強い感情が引き起こされる状況を表します。映画、音楽、演劇など、芸術作品が観客の感情を揺さぶる際に用いられることが多いです。単に「emotional(感情的な)」と言うよりも、感情が動き出す瞬間や、その感情の強さを強調するニュアンスがあります。例えば、「The movie aroused a range of emotions in the audience.(その映画は観客に様々な感情を呼び起こした)」のように使います。
論争を巻き起こす、物議を醸す
※ 「arouse」が「引き起こす」という意味で使用され、名詞「controversy(論争、議論)」と組み合わさることで、ある出来事や発言が社会的な論争を引き起こす状況を指します。政治的な問題や倫理的な問題など、意見が分かれる事柄に対して使われることが多いです。単に「controversial(論争を呼ぶ)」と言うよりも、論争が始まるプロセスや、その影響の広がりを示唆します。報道記事や学術論文など、ややフォーマルな文脈で使用されます。
眠りから覚ます、無関心な状態から目覚めさせる
※ 「arouse」が「覚ます」という意味で使用され、「from slumber(眠りから)」という前置詞句と組み合わさることで、文字通りの睡眠から目覚めるだけでなく、比喩的に無関心や停滞した状態から目覚めさせることを意味します。文学作品や詩的な表現でよく見られ、人々の意識や行動を喚起するような、強いメッセージ性を持つ文脈で使用されます。例えば、「arouse the nation from its slumber(国を眠りから覚ます)」のように、社会的な変革を促すスローガンとして用いられることもあります。
欲情をそそる、欲望を喚起する
※ 「arouse」が「喚起する」という意味で使用され、名詞「desire(欲望、欲情)」と組み合わさることで、性的な感情や強い願望を引き起こす状況を表します。広告や文学作品など、人の感情や欲望に訴えかける文脈で使用されることが多いです。ただし、直接的な表現を避けるために、婉曲的な表現として用いられることもあります。例えば、「The perfume aroused a sense of desire.(その香水は欲望を呼び覚ました)」のように使います。
使用シーン
学術論文や研究発表で、感情、興味、関心などを「喚起する」「引き起こす」という意味合いで使われます。例えば、心理学の研究で「この実験結果は、被験者の好奇心をarouseさせる」のように、客観的な記述として用いられます。
ビジネスシーンでは、提案書や報告書などのフォーマルな文書で、注意や関心を「喚起する」目的で使用されることがあります。例:「この新戦略は、投資家の関心をarouseする可能性がある」のように、やや硬い表現として用いられます。
日常会話ではあまり使われませんが、ニュース記事やドキュメンタリー番組などで、強い感情や反応を「引き起こす」という意味で用いられることがあります。例:「その事件は、国民の怒りをarouseした」のように、比較的強い感情を表す文脈で見られます。
関連語
類義語
『眠りから覚ます』という意味の基本的な動詞。比喩的に、感情や意識を目覚めさせるという意味でも使われる。日常会話、文学作品など幅広い場面で使用される。 【ニュアンスの違い】『arouse』よりも直接的な意味合いが強く、感情を徐々に引き出すというよりは、眠っていたものを文字通り『起こす』というイメージに近い。感情の強さも『arouse』より弱いことが多い。 【混同しやすい点】『awaken』は自動詞としても他動詞としても使えるが、『arouse』は基本的に他動詞。また、『awaken』は物理的な目覚めにも使える点が異なる。
『(ある反応や感情を)引き起こす』という意味で、特に怒りや反感など、ネガティブな感情を引き起こす場合に使われることが多い。政治的な議論や社会問題に関する文脈でよく見られる。 【ニュアンスの違い】『arouse』よりも意図的に何かを引き起こすというニュアンスが強い。また、『arouse』が必ずしもネガティブな感情に限らないのに対し、『provoke』は否定的な意味合いが強い。 【混同しやすい点】『provoke』は他動詞であり、目的語が必要。また、『arouse』が性的な感情も含むのに対し、『provoke』は通常含まない。
『刺激する』という意味で、肉体的、精神的な活動を活発にすることを指す。ビジネス、科学、医学など、幅広い分野で使用される。 【ニュアンスの違い】『arouse』よりも感情的な興奮よりも、知的な刺激や身体的な活性化に重点が置かれる。また、『stimulate』は必ずしも強い感情を引き起こすわけではない。 【混同しやすい点】『stimulate』は他動詞であり、通常、具体的な対象が必要。また、『stimulate』は性的な意味合いを持つことは少ない。
『(感情や記憶を)呼び起こす』という意味で、過去の出来事や感情を思い出させる場合に使われる。文学作品や芸術に関する文脈でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】『arouse』よりも間接的に感情を引き出すニュアンスが強く、直接的な刺激というよりは、連想や想起によって感情が生まれるイメージ。また、『evoke』は過去の感情や記憶に焦点を当てる。 【混同しやすい点】『evoke』は他動詞であり、通常、感情や記憶の源となる対象が必要。また、『arouse』が現在進行形の感情を指すことが多いのに対し、『evoke』は過去の感情を想起させる。
- kindle
『(感情や興味を)燃え上がらせる』という意味で、特に希望、愛情、情熱など、ポジティブな感情を強く引き起こす場合に使われる。文学的な表現や詩的な文脈でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】『arouse』よりも感情の強さが増し、内側から湧き上がるような情熱的なイメージ。また、『kindle』は、感情が徐々に強くなる過程を表すことが多い。 【混同しやすい点】『kindle』は他動詞であり、抽象的な感情を目的語にとることが多い。日常会話ではあまり使われず、やや古風な印象を与える。
『興奮させる』という意味で、喜びや期待感など、高揚した感情を引き起こす場合に使われる。日常会話からフォーマルな場面まで幅広く使用される。 【ニュアンスの違い】『arouse』よりも感情の表出が激しく、一時的な興奮状態を表すことが多い。また、『excite』は性的な意味合いを持つこともあるが、『arouse』ほど直接的ではない。 【混同しやすい点】『excite』は他動詞であり、人を主語にすることが多い。また、『excite』は感情の強さが文脈によって大きく変わるため、注意が必要。
派生語
- arousal
『喚起』『興奮』を意味する名詞。『arouse』が示す『感情や関心を呼び起こす行為』の結果や状態を表す。心理学や性科学の文脈で、感情や生理的な興奮状態を指すことが多い。日常会話よりは学術的な議論や専門的な記事で使われる頻度が高い。
- rousing
『活気づける』『奮い立たせる』という意味の形容詞。動詞『arouse』の現在分詞形が形容詞として用いられたもの。人を元気づけたり、活動を活発にしたりする様子を表す。スピーチや音楽、スポーツイベントなど、聴衆や参加者を鼓舞する状況で使われることが多い。
- arousable
『刺激しやすい』『興奮させやすい』という意味の形容詞。『arouse』に『~できる』という意味の接尾辞『-able』がついた形。性的興奮や感情的な反応が容易に引き起こされる状態を表す。医学や心理学の分野で、個人の感受性や反応性を説明する際に用いられる。
反意語
『鎮める』『なだめる』という意味の動詞。『arouse』が感情や関心を刺激するのに対し、『appease』は怒りや不満などのネガティブな感情を静めることを意味する。紛争や対立を解決するために、相手を宥めるような状況で使われる。ビジネスや政治の文脈でも頻繁に用いられる。
『鎮圧する』『抑える』という意味の動詞。『arouse』が感情や行動を喚起するのに対し、『quell』は反乱や騒動、感情の高ぶりなどを抑え込むことを意味する。政治的な混乱や社会的な不安を鎮めるような、より強いニュアンスを持つ。報道記事や歴史的な記述で使われることが多い。
『静める』『落ち着かせる』という意味の動詞。『arouse』が感情や関心を刺激するのとは対照的に、『calm』は興奮や不安を鎮め、平静な状態に戻すことを意味する。心理的な状態や物理的な状況の両方に適用できる汎用性の高い語。日常会話からビジネスシーンまで幅広く使われる。
語源
"arouse」は、中英語の「arousen」に由来し、これは「起きる、立ち上がる」という意味の古英語「ārisan」から派生しました。さらに遡ると、ゲルマン祖語の「*uz-raisijan」にたどり着きます。ここで「uz-」は「上へ」を意味し、「raisijan」は「上げる、起こす」という意味です。つまり、基本的な意味は「何かを上へ起こす」ということ。この「起こす」という概念が、物理的な意味から比喩的な意味へと発展し、「感情や興味を呼び覚ます、刺激する」という意味合いを持つようになりました。日本語で例えるなら、「奮い立たせる」という言葉が近いかもしれません。眠っていた何かを呼び起こし、活動的な状態にする、というイメージです。
暗記法
「arouse」は単なる覚醒を超え、感情、欲望、関心を呼び覚ます言葉。ロマン主義文学では自然や異文化が感情を揺さぶり、ゴシック小説では恐怖や好奇心を刺激。植民地時代には探求心や征服欲を喚起する裏で支配構造も。「性的興奮」の意味も持ち、広告で欲望を刺激するが倫理的議論も呼ぶ。社会問題への関心を喚起し変革を促す力も。「arouse」は内面から社会まで、多面的に「目覚め」を促す。
混同しやすい単語
『arouse』とスペルが非常に似ており、'd' と 'se' の違いしかありません。発音も似ていますが、『arise』は『生じる、起きる』という意味の自動詞であり、『arouse』は『(感情などを)呼び起こす』という意味の他動詞です。日本人は、文脈から自動詞か他動詞かを判断し、主語との関係性で区別する必要があります。語源的には、どちらも『起きる』という意味合いを持つラテン語に由来しますが、使われ方が異なります。
『arouse』から接頭辞 'a-' を取り除いた形であり、スペルと発音が非常に類似しています。『rouse』も『(人や動物を)起こす、奮い立たせる』という意味で使われますが、ニュアンスが少し異なります。『arouse』は感情や関心を呼び起こすのに対し、『rouse』は物理的に起こしたり、活力を与えたりする意味合いが強いです。日本人は、文脈によってどちらが適切か判断する必要があります。
語尾の '-ouse' の部分が共通しており、スペルと発音の類似性から混同しやすい単語です。『browse』は『拾い読みする、閲覧する』という意味で、インターネットのブラウザを連想すると覚えやすいでしょう。『arouse』とは意味が全く異なるため、文脈で容易に区別できます。ただし、発音の区別には注意が必要です。
『arouse』とスペルの一部が共通しており、特に語尾の 'ouse' の部分は視覚的に似ています。発音も母音部分が似ているため、混同しやすいかもしれません。『house』は『家』という意味の名詞ですが、『(人に)家を提供する』という意味の動詞としても使われます。意味が全く異なるため、文脈で容易に区別できます。
『carouse』は『どんちゃん騒ぎをする、大酒を飲む』という意味で、スペルの一部と発音が『arouse』と似ています。ただし、意味は全く異なり、『arouse』のような感情を呼び起こす意味合いはありません。『carouse』は、どちらかというと騒がしい宴会のイメージです。語源的にはドイツ語に由来し、古フランス語を経由して英語に入ってきた言葉です。
接頭辞 'a-' の後に続く 'buse' の部分のスペルと発音がわずかに似ているため、注意が必要です。『abuse』は『虐待する、乱用する』という意味で、ネガティブな意味合いが強い単語です。『arouse』とは意味が全く異なるため、文脈で容易に区別できます。ただし、発音の微妙な違いを意識することが重要です。
誤用例
日本語の『怒りをあらわにする』という表現から直訳すると、つい『arouse anger』としてしまいがちですが、英語の『arouse』は感情や興味などを『呼び起こす』という意味合いが強く、怒りの感情がすでに存在している状態に対して使うと不自然です。より適切なのは、『provoke』で、これは『(すでに潜在的にあった感情を)引き起こす、刺激する』という意味合いを持ちます。日本語の『挑発する』に近いニュアンスです。英語では、感情のニュアンスを的確に捉えることが重要で、日本語の直訳に頼らず、英語の語感で表現を選ぶ必要があります。
『arouse』は性的な意味合いを含む場合があり、特に人を主語とする場合は注意が必要です。この文脈では、演説が聴衆の感情や関心を『刺激した』ことを伝えたいと考えられますが、『arouse』を使うと、聴衆を性的に興奮させたかのような誤解を与えかねません。より適切で安全な表現は『stir』です。『stir』は感情や関心を『かき立てる、呼び起こす』という意味で、性的なニュアンスは含みません。文化的な背景として、英語では性的な表現に対する感受性が高く、意図しない誤解を避けるために、語彙の選択には特に注意が必要です。特に、日本語の『興奮』という言葉を安易に『excite』や『arouse』に置き換えないようにしましょう。
『arouse』は、議論や関心などを『引き起こす』という意味で使えますが、この場合、より自然なのは『spark』です。『spark』は『火花を散らす』という意味から派生し、『(議論や論争などを)引き起こす、活発化させる』という意味で使われます。『arouse』は、どちらかというと徐々に感情や関心を高めるイメージですが、『spark』は、より突発的で活発な議論の開始をイメージさせます。日本語の『〜をきっかけに』という表現に近いニュアンスです。英語では、比喩表現を効果的に使うことで、より鮮明で印象的な表現が可能になります。
文化的背景
「arouse」は、単に「目覚めさせる」という意味を超え、感情や欲望、関心といった内面的な力を呼び覚ます、刺激的なニュアンスを強く持つ言葉です。特に、潜在的な感情や抑圧された欲望を解き放つイメージを伴い、文学や芸術作品においては、タブー視される感情や社会的な規範からの逸脱を暗示する役割を担うことがあります。
18世紀以降のロマン主義文学において、「arouse」は自然の力や異文化との出会いを通じて人間の感情が揺さぶられる様子を描写する際に頻繁に用いられました。例えば、ゴシック小説においては、荒廃した城や異形の存在が主人公の恐怖心や好奇心を「arouse」し、物語をサスペンスに満ちたものへと導きます。また、植民地主義の時代には、異国の風景や文化がヨーロッパ人の探求心や征服欲を「arouse」する様子が描かれ、その裏には支配と被支配という非対称な関係性が潜んでいました。
現代においては、「arouse」は性的興奮を喚起するという意味合いで使われることも多く、広告やメディアにおいて、消費者の欲望を刺激する目的で巧みに利用されています。しかし、その使用は常に倫理的な議論を伴います。例えば、未成年者を対象とした性的表現や、ジェンダーに対する固定観念を助長するような表現は、社会的な批判を浴びることがあります。このように、「arouse」は、人間の根源的な感情や欲望に訴えかける力を持つ一方で、その使用には慎重さが求められる言葉なのです。
さらに、「arouse」は、社会的な意識や行動を喚起するという意味でも用いられます。例えば、社会問題に対する人々の関心を「arouse」し、変革を促すようなムーブメントにおいては、この言葉が積極的に用いられます。環境問題や人権問題など、社会全体が取り組むべき課題に対して、人々の意識を高め、行動を促すために、「arouse」は重要な役割を果たすのです。このように、「arouse」は、個人の内面から社会全体まで、様々なレベルで「目覚め」を促す、多面的な意味を持つ言葉と言えるでしょう。
試験傾向
1. 出題形式: 語彙問題、長文読解
2. 頻度と級・パート: 準1級以上で稀に出題。1級でやや頻度があがる。
3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、環境問題など、やや硬めのテーマの長文読解。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 他動詞であり、感情や興味を『喚起する』という意味を理解。同じような意味を持つ単語(provoke, stimulate)とのニュアンスの違いを理解することが重要。
1. 出題形式: 主にPart 5, 6(語彙問題、穴埋め問題)、稀にPart 7(長文読解)
2. 頻度と級・パート: 出題頻度は低め。
3. 文脈・例題の特徴: ビジネス関連の文章(従業員のモチベーション向上、顧客の関心喚起など)で使われる可能性がある。
4. 学習者への注意点・アドバイス: ビジネスシーンでは、直接的な表現を避け、間接的に関心を引くような文脈で使われることが多い。類義語との使い分け(generate interestなど)も重要。
1. 出題形式: リーディングセクションが中心
2. 頻度と級・パート: アカデミックな文章で比較的頻出。
3. 文脈・例題の特徴: 歴史、社会科学、自然科学など、学術的なテーマの文章で、議論や関心を喚起する文脈で使用される。
4. 学習者への注意点・アドバイス: フォーマルな文脈で使用されるため、日常会話的な意味合いとは異なる場合がある。学術的な文章での使われ方を意識し、関連する学術用語とともに覚えるのが効果的。
1. 出題形式: 主に長文読解
2. 頻度と級・パート: 難関大学で出題される可能性あり。
3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、科学技術、文化など、幅広いテーマの文章で、読者の興味や関心を喚起する文脈で使用される。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する能力が重要。比喩的な表現や抽象的な概念と組み合わせて使われる場合もあるため、文脈全体を理解する必要がある。また、類義語とのニュアンスの違いも意識しておくと、より正確な読解につながる。