aggression
第2音節にアクセントがあります。/ə/ は曖昧母音で、口を軽く開けて弱く発音します。/ɡr/ は「グ」と「ル」の中間のような音で、舌を丸めずに発音するのがコツです。/ʃən/ は「シャン」に近い音ですが、日本語の「シャ」よりも唇を少し前に突き出すようにするとよりネイティブに近い発音になります。
専門的な内容に関するご注意
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攻撃性
他者や物に対して、危害を加えようとする性質。生まれつきの性質や、欲求不満などからくる衝動的な行動を指すことが多い。スポーツにおける積極的な姿勢、ビジネスにおける強引な手法など、文脈によっては肯定的な意味合いも含む。
The little boy showed aggression when his toy was taken away.
その小さな男の子は、おもちゃを取られたときに攻撃性を見せました。
※ この例文は、子どもが自分の大切なものを守ろうとして、怒りや攻撃的な態度を示す典型的な場面です。「show aggression」で「攻撃性を示す」という表現は非常によく使われます。子どもの感情的な反応が目に浮かぶようです。
The coach told his team to play with more aggression in the second half.
コーチはチームに、後半はもっと攻撃的にプレーするように言いました。
※ ここでは「aggression」が、スポーツなどで「積極的に攻める姿勢」「闘争心」といった意味で使われています。単に怒りだけでなく、目標達成のために前向きに攻めるニュアンスも持ちます。コーチの熱い指示が聞こえてくるようです。
We need to address the root causes of aggression in society.
私たちは社会における攻撃性の根本原因に取り組む必要があります。
※ この例文は、より広範な社会問題としての「攻撃性」について述べています。ニュースや議論でよく耳にするフレーズです。「root causes」(根本原因)という言葉から、問題解決への真剣な姿勢が伝わります。少し硬い表現ですが、この単語が使われる典型的な文脈の一つです。
侵略
国家や集団が、武力を用いて他国や他地域を侵略すること。政治的、経済的な支配を目的とすることが多い。個人の攻撃性とは異なり、組織的な行動を指す。
The small country worried about the aggression from its neighbor.
その小国は隣国からの侵略を心配していました。
※ この例文は、小さな国が隣の大きな国から攻撃されるのではないかと不安に思っている情景を描写しています。「aggression」が国家間の紛争や軍事的な脅威を指す、最も典型的な使い方です。`worry about ~` で「~について心配する」という意味になり、初学者にも使いやすい表現です。
Many people hoped the aggression would stop for peace.
多くの人々が、平和のために侵略が終わることを願っていました。
※ この例文は、紛争が起きている地域で、多くの人々が心から平和を願っている様子を伝えます。「aggression」が引き起こす悲劇を止めたいという、人々の共通の願いを表す文脈でよく使われます。`hope that ~` は「~であることを願う」という表現で、`for peace` は「平和のために」という意味です。
No country should start an aggression against another.
どの国も他国に対して侵略を始めるべきではありません。
※ この例文は、国際社会が「侵略」という行為を許さないという強い原則を示しています。国際会議や声明などで使われるような、倫理的かつ原則的なメッセージです。`should not (shouldn't)` は「~すべきではない」という禁止や忠告を表し、`against ~` は「~に反対して」「~に対して」という意味で使われます。
敵意
相手に対する強い憎しみや反感。言葉や態度、行動に現れることが多い。個人的な感情だけでなく、社会的な対立や偏見などから生じることもある。
I felt a lot of aggression in his tone when we discussed the project.
プロジェクトについて話し合った時、彼の口調に強い敵意を感じました。
※ 会議や議論の場で、相手の言葉や態度に敵意を感じる状況を描写しています。「tone」(口調)は、声の調子や話し方から相手の感情が伝わることを示し、'aggression' が単なる言葉だけでなく、その背後にある感情を表す典型的な使い方です。
The new student faced some aggression from the older kids at school.
新しい生徒は、学校で年上の子供たちから敵意(いじめのような攻撃的な態度)を受けました。
※ 新しい環境で、集団からの排除やいじめのような行動に遭遇する場面です。ここでは 'aggression' が、他者への敵意が伴う行動や嫌がらせを指し、感情だけでなく具体的な行動の側面も示しています。学習者が共感しやすい、学校での人間関係の描写です。
The teacher told the students that aggression is not allowed in class.
先生は生徒たちに、授業中に敵意(攻撃的な態度)は許されないと伝えました。
※ 学校のような集団生活の場で、秩序を保つために「敵意」や「攻撃性」を伴う行動を禁止する状況です。誰もが理解しやすい基本的なルールを示しており、'aggression' が集団行動における問題行動として使われる典型的な例です。
コロケーション
露骨な攻撃性、隠そうともしない敵意
※ 文字通り『裸の』攻撃性という意味で、策略や偽装を一切用いず、むき出しの敵意や攻撃性を表します。政治的な文脈や、国際関係において、相手国の侵略行為などを非難する際に用いられることが多いです。例えば、『naked aggression against its neighbor』のように使われます。フォーマルな表現で、口語ではあまり使いません。
挑発されていない攻撃、理由のない敵対行為
※ 『provoke(挑発する)』の否定形である『unprovoked』を伴うことで、正当な理由や原因がない一方的な攻撃であることを強調します。国際法や倫理的な議論において、不正な侵略や暴力行為を非難する際に用いられます。報道記事や論文など、客観的な記述が求められる場面でよく見られます。
言葉による攻撃、口頭での威嚇
※ 身体的な暴力ではなく、言葉や態度によって相手を傷つけたり、威圧したりする行為を指します。心理学や社会学の分野でよく用いられ、ハラスメントやいじめなどの文脈で語られることが多いです。口論や議論における攻撃的な発言も含まれますが、単なる意見の相違とは区別されます。
受動攻撃性、遠回しな抵抗や敵意
※ 直接的な攻撃を避けながら、間接的な方法で不満や敵意を表現する行動パターンを指します。たとえば、頼まれたことをわざと遅らせたり、皮肉を言ったりすることが該当します。心理学の用語として知られていますが、日常会話でも使われます。日本語の『嫌味』に近いニュアンスを含むことがあります。
急激な攻撃性の高まり、衝動的な暴力
※ 『surge』は『急増、高まり』を意味し、攻撃性が突然、制御不能なほど高まる状態を表します。事件や事故の報道、または心理的な分析などで使用されます。例えば、『a surge of aggression led him to attack』のように使われます。個人の内面的な葛藤や、集団心理における暴動などを説明する際にも用いられます。
攻撃性を направлять (向ける),コントロールする
※ 攻撃的なエネルギーを、破壊的ではない建設的な活動に向けることを意味します。スポーツや芸術活動など、創造的な活動を通じてストレスを発散したり、目標達成のために集中したりする際に用いられます。心理学や教育の分野で、問題行動の改善策として提案されることがあります。
攻撃性を煽る、助長する
※ 文字通り『燃料を供給する』という意味から、攻撃性をさらに激化させる要因や状況を指します。たとえば、不公平な扱い、差別、誤った情報などが攻撃性を煽る可能性があります。報道記事や社会問題に関する議論でよく用いられます。例えば、『poverty can fuel aggression』のように使われます。
使用シーン
心理学、社会学、政治学などの分野で頻繁に使用されます。例えば、心理学の研究論文で「攻撃行動の発達における遺伝的要因と環境要因の相互作用」について議論する際に、aggressionという単語が用いられます。また、国際政治学の分野では、「国家間の侵略行為が国際秩序に与える影響」を分析する際に使用されます。
ビジネスシーンでは、競争戦略や交渉術、組織内の人間関係などを議論する際に使用されます。例えば、マーケティング戦略会議で「競合他社の攻撃的な市場シェア拡大戦略に対抗するための施策」を検討する際にaggressionが用いられます。また、人事評価において、部下の「積極性」や「リーダーシップ」を評価する際に、間接的にaggressionに関連する行動特性が言及されることがあります(ただし、ネガティブな意味合いで使用されることは避けるべきです)。
日常会話では、スポーツ観戦やニュース報道などで耳にする程度です。例えば、サッカーの試合で「選手が相手チームの選手に対して攻撃的なプレーをした」という状況を説明する際にaggressionという単語が使われることがあります。また、ニュース報道で「隣国に対する軍事侵攻」について報道する際にaggressionが用いられることがあります。
関連語
類義語
敵意、反感、敵対行為。より根深く、持続的な敵意や敵対心を表す。国家間、民族間、あるいは個人間の長期的な関係性において用いられることが多い。名詞。 【ニュアンスの違い】aggression が具体的な攻撃行動を指すのに対し、hostility は攻撃行動に至る前の敵対的な感情や態度を含む。aggressionよりもフォーマルな場面で使われる傾向がある。 【混同しやすい点】hostility は感情や態度を指すことが多く、具体的な行動を伴わない場合もある。一方、aggression は必ず何らかの攻撃的な行動を伴う。可算名詞としても不可算名詞としても使われる。
暴力、乱暴。物理的な力を行使して、人や物に危害を加える行為を指す。犯罪、戦争、家庭内暴力など、様々な場面で用いられる。名詞。 【ニュアンスの違い】aggression が必ずしも物理的な暴力を伴わないのに対し、violence は物理的な暴力の行使を意味する。言葉による攻撃は aggression であり、violence ではない。 【混同しやすい点】aggression は心理的な攻撃や言葉による攻撃も含むが、violence は物理的な攻撃に限定される。violence は不可算名詞として使われることが多い。
攻撃、襲撃。物理的または言葉による攻撃を意味する。軍事的な攻撃、スポーツでの攻撃、議論での攻撃など、幅広い場面で用いられる。名詞および動詞。 【ニュアンスの違い】aggression が攻撃性という性質を指すのに対し、attack は具体的な攻撃行為を指す。attack は多くの場合、より直接的で、短期的な攻撃を意味する。 【混同しやすい点】attack は名詞としても動詞としても使用できる。aggression は名詞としてのみ使用される。また、attack は具体的な対象を伴うことが多い(例:attack on privacy)。
- offensiveness
不快感を与えること、無礼さ。人々の感情を害するような言動や態度を指す。議論、芸術作品、広告など、幅広い文脈で用いられる。名詞。 【ニュアンスの違い】aggression がより積極的な攻撃性を意味するのに対し、offensiveness は意図的であるかどうかにかかわらず、不快感を与えるという点に重点が置かれる。aggression はより直接的な攻撃を指すことが多い。 【混同しやすい点】offensiveness は相手を不快にさせる行為全般を指し、必ずしも攻撃的な意図を伴わない。aggression は通常、相手を傷つけようとする意図を含む。可算名詞としても不可算名詞としても使われる。
好戦性、けんか腰。戦争や争いを好む態度や性質を指す。政治、外交、スポーツなど、競争的な状況で用いられることが多い。名詞。 【ニュアンスの違い】aggression が一般的な攻撃性を指すのに対し、belligerence は特に戦争や争いに関連する攻撃性を意味する。belligerence はよりフォーマルな語であり、日常会話ではあまり使われない。 【混同しやすい点】belligerence は、戦争や争いに対する積極的な支持や参加を意味することが多い。aggression は必ずしも戦争を意味しない。不可算名詞。
暴行、襲撃。物理的な攻撃、特に身体的な危害を加える行為を指す。法律、犯罪報道、医療など、深刻な事態を扱う場面で用いられる。名詞および動詞。 【ニュアンスの違い】aggression がより広い意味での攻撃性を指すのに対し、assault は身体的な攻撃に限定される。assault は法的な文脈でよく用いられる。 【混同しやすい点】assault は身体的な攻撃を意味し、言葉による攻撃は含まれない。aggression は言葉による攻撃も含む。assault は可算名詞としても不可算名詞としても使われる。
派生語
『攻撃的な』という意味の形容詞。『aggression』に性質を表す接尾辞『-ive』が付加され、攻撃という行為の性質や傾向を表す。日常会話で人の性格を表現したり、ビジネスシーンで競争の激しい状況を形容したりする際に使われる。学術論文では、積極的な戦略や行動を指す場合もある。
- aggressor
『侵略者』や『攻撃者』を意味する名詞。『aggression』に『〜する人』という意味の接尾辞『-or』が付加されたもの。国際政治や紛争に関するニュース記事、歴史的な記述などでよく用いられる。法律や倫理の文脈でも、責任の所在を明確にするために重要な語彙となる。
『攻撃的に』という意味の副詞。『aggressive』に副詞化する接尾辞『-ly』が付加された形。ビジネスの場面で、積極的に市場を開拓したり、競争相手に挑んだりする姿勢を表す際などに用いられる。また、スポーツやゲームなどの状況で、積極的に攻める様子を表す場合もある。
反意語
『平和』を意味する名詞。『aggression』が争いや攻撃を意味するのに対し、明確な対義語として使われる。日常会話から国際政治まで幅広い文脈で使用され、特に紛争や戦争の文脈では、『aggression』の対義語としてその重要性が際立つ。比喩的な意味合いでも、心の平穏や調和を表す際に用いられる。
『服従』や『降伏』を意味する名詞。『aggression』が積極的に攻撃する姿勢を表すのに対し、『submission』は相手の力に屈し、身を委ねる状態を指す。軍事的な文脈や権力関係を論じる際に用いられ、ビジネスシーンでは、市場における競争戦略や交渉の場面で、相手の要求を受け入れることを意味する場合がある。
- passivity
『受動性』や『消極性』を意味する名詞。『aggression』が積極的な行動を伴うのに対し、『passivity』は自ら行動を起こさず、状況に流される状態を表す。心理学や社会学の分野で、個人の行動や社会現象を分析する際に用いられる。ビジネスの場面では、市場の変化に対応せず、現状維持に固執する姿勢を指すことがある。
語源
「aggression」は、ラテン語の「aggredi(攻撃する、向かって行く)」に由来します。これは「ad-(~へ)」と「gradi(歩む、進む)」という二つの要素から構成されています。「ad-」は方向や付加を表す接頭辞で、日本語の「~に向かって」に近い意味合いを持ちます。一方、「gradi」は「歩む」という意味で、英語の「grade(段階)」や「gradual(徐々の)」といった単語とも関連があります。つまり、「aggression」は元々、「誰かに向かって歩み寄る」という物理的な意味合いを持っていました。それが転じて、「攻撃的な態度で人に近づく」という意味になり、最終的に「攻撃性、侵略、敵意」といった抽象的な意味へと発展しました。日本語で例えるなら、「突撃」という言葉が、単に「突いて進む」という意味から、「攻撃」の意味合いを含むようになったのと似ています。
暗記法
「aggression」は暴力だけではない。自己主張の裏返し、弱さへの恐れでもある。ローマ帝国の拡大も、十字軍も、その原動力は「aggression」だった。現代ではビジネスやスポーツに姿を変えるが、倫理的な問題も孕む。シェイクスピアのマクベスは権力への「aggression」が破滅を招き、オーウェルの『1984』は国家による精神的な「aggression」を描く。「aggression」は、歴史、社会、文学の中で意味を変え、複雑に絡み合ってきた。
混同しやすい単語
『aggression』と語尾の '-gression' が共通しており、スペルが似ているため混同しやすい。意味は『進歩』『進行』であり、攻撃性とは異なる。ただし、何かが徐々に悪化していく『進行』という意味では、負のニュアンスを含む点で共通点がある。接頭辞 'pro-' は『前へ』という意味合いを持つことを覚えておくと、意味の区別に役立つ。
こちらも『aggression』と語尾が共通し、スペルが似ているため混同しやすい。意味は『退行』『後退』であり、攻撃性とは逆の方向性を示す。心理学用語としてもよく使われる。接頭辞 're-' は『後ろへ』『再び』という意味合いを持つ。
発音は似ているものの、アクセントの位置が異なる(aggression は 'gre'、accession は 'ces')。スペルも共通部分が少ないが、語尾の '-ssion' が同じため、視覚的に似ていると感じることがある。意味は『即位』『加入』であり、全く異なる。歴史や政治に関する話題で登場することが多い。
語尾が同じ '-gression' で終わる点と、意味合いが負の方向性を持つ点で混同しやすい。『oppression』は『抑圧』という意味で、権力などによって自由や権利が制限される状態を指す。ただし、aggression が直接的な攻撃性を表すのに対し、oppression はより構造的な暴力を指すことが多い。
『aggression』とはスペルも発音も大きく異なるが、共に法律やニュース記事で目にすることがある単語であり、音の響きから誤って関連付けてしまう可能性がある。『allegation』は『申し立て』『主張』という意味で、まだ証明されていない疑惑や主張を指す。例えば、"allegations of aggression"(攻撃の申し立て)のように、組み合わせて使われることもある。
これも '-gression' で終わる単語であり、スペルが似ているため混同しやすい。意味は『脱線』『寄り道』であり、話や議論が本筋からそれることを指す。語源的には 'di-'(離れて)+ 'gress'(進む)であり、本題から離れていくイメージを持つと覚えやすい。
誤用例
日本語の『攻撃性』という言葉に引きずられ、『aggression』を単なる『強い感情』として捉えてしまう誤用です。英語の『aggression』は、しばしば物理的または言語的な攻撃性、敵意、侵害といったネガティブな意味合いが強く、不快感や怒りを伴う攻撃的な態度を指します。プロジェクトの失敗に対する感情を表現するならば、『frustration(不満、いらだち)』がより適切です。また、感情を直接表現するのではなく、『outwardly polite(表面的には礼儀正しかった)』のように間接的に表現することで、大人の複雑な感情をより繊細に伝えることができます。日本人は直接的な感情表現を避ける傾向があるため、英語でも同様のニュアンスを意識すると、より自然な表現になります。
『aggressive』は、ビジネスシーンにおいては『積極的な』という意味で使われることもありますが、しばしば『強引な』『押し付けがましい』といったネガティブなニュアンスを伴います。特に、日本の文化においては、謙虚さや協調性が重視されるため、あまりに『aggressive』な戦略は反感を買う可能性があります。ここでは、『assertive(断定的だが礼儀正しい、自己主張が強い)』という言葉を使うことで、積極性を保ちつつ、相手に不快感を与えないニュアンスを表現できます。日本人が英語を使う際には、文化的な背景の違いを考慮し、言葉の持つニュアンスを慎重に選ぶことが重要です。特に、ビジネスの場面では、相手に誤解を与えないように、より丁寧な表現を心がけることが大切です。
日本語の『攻撃性』を文字通り訳すと『aggression』になりがちですが、日常的な状況で使うと、やや大げさで不自然な印象を与えます。同僚からのメールに少し不快感を覚えたというニュアンスを伝えたい場合、『animosity(敵意)』や『hostility(敵愾心)』といった言葉を使う方が適切です。ただし、これらの言葉も強い感情を表すため、状況によっては『I sensed a passive-aggressive tone in my colleague's email(同僚のメールに、受動攻撃的なトーンを感じた)』のように、より婉曲的な表現を使うこともできます。日本人は、相手に直接的な不快感を与えないように、曖昧な表現を好む傾向があるため、英語でも同様の配慮を心がけると、より円滑なコミュニケーションにつながります。
文化的背景
「aggression(攻撃性)」は、単なる暴力行為を超え、文化的には自己主張の欠如や社会的な弱さへの恐れと深く結びついています。西洋社会、特にアメリカ文化においては、積極性(assertiveness)が肯定的に評価される一方で、過度な攻撃性は非難されるという、複雑な価値観の葛藤がこの言葉に内在しています。
歴史を振り返ると、「aggression」は、国家間の紛争や領土拡張の正当化の道具として利用されてきました。古代ローマ帝国の拡大は、その軍事的な「aggression」によって支えられましたが、同時に、ローマ法や文化の伝播という側面も持ち合わせていました。中世ヨーロッパでは、十字軍遠征が宗教的な「aggression」の典型例として挙げられます。これらの歴史的事例は、「aggression」が単なる破壊行為ではなく、ある種の目的を達成するための手段として用いられてきたことを示しています。しかし、同時に、その過程で多くの人命が失われ、文化が破壊されたという負の側面も忘れてはなりません。
現代社会においては、「aggression」は、ビジネスの世界における競争戦略や、スポーツにおける勝利への執念といった形で現れます。企業間の熾烈な競争は、市場シェアを奪い合う「aggression」の表れであり、スポーツ選手が記録更新を目指す姿は、自己の限界に挑戦する「aggression」の象徴とも言えるでしょう。しかし、これらの「aggression」は、しばしば倫理的な問題を引き起こします。過剰な競争は不正行為やハラスメントを生み出し、勝利至上主義は選手の心身を蝕む可能性があります。そのため、「aggression」は、常に倫理的な観点から評価されるべきであり、その行使には慎重さが求められます。
文学作品においても、「aggression」は重要なテーマとして扱われてきました。シェイクスピアの『マクベス』は、権力への野望という「aggression」が、主人公を破滅へと導く物語です。また、ジョージ・オーウェルの『1984』は、全体主義国家による国民への精神的な「aggression」を描き出し、自由の重要性を訴えています。これらの作品は、「aggression」が人間の内面や社会構造に及ぼす影響を深く掘り下げており、私たちが「aggression」という言葉を理解する上で、貴重な示唆を与えてくれます。このように、「aggression」は、歴史、社会、文学といった様々な文脈において、その意味合いが変化し、複雑化してきた言葉であると言えるでしょう。
試験傾向
準1級・1級の語彙問題や長文読解で出題される可能性があります。出題形式は、空所補充や同意語選択など。アカデミックな内容の長文で、国家間や集団間の対立・紛争といった文脈で登場しやすいです。名詞としての使用が中心ですが、派生語(aggressive, aggressively)の品詞と意味も合わせて覚えておきましょう。
Part 5(短文穴埋め問題)やPart 7(長文読解問題)で、特にビジネスや国際関係に関連する文章で登場する可能性があります。頻度はそれほど高くありません。文脈から意味を推測する能力が重要です。ビジネスシーンにおける「積極性」といった意味合いで用いられることもあります。
リーディングセクションで頻出。アカデミックな文章、特に社会科学や歴史、心理学などの分野で、国家、民族、または社会的なグループ間の対立や紛争といった文脈で登場します。同意語・反意語の問題、または文章全体の理解を問う問題で出題される可能性があります。名詞形(aggression)だけでなく、形容詞形(aggressive)や動詞形(aggress)も重要です。
難関大学の長文読解で出題される可能性があります。社会問題や国際関係、心理学など、アカデミックなテーマの文章で登場しやすいです。文脈から意味を推測する問題や、内容一致問題などで問われることが多いでしょう。aggressiveなどの派生語も覚えておくことが重要です。