third party
th の発音 /θ/ は、舌先を上下の前歯で軽く挟み、息を摩擦させて出す音です。日本語のサ行とは全く異なる発音なので注意しましょう。'third' の 'r' は、舌を丸めるようにして発音します。'party' の 'ar' は口を大きく開けて「アー」と発音し、最後に軽く 'y' の音(イ)を加えます。強勢は 'pɑːr' に置きます。
専門的な内容に関するご注意
このページには、健康、金融、法律など、専門的な知識を必要とする内容が含まれている可能性があります。本サイトの情報は学習目的で提供されており、専門家による助言の代わりとなるものではありません。重要な判断を行う際には、必ず資格を持つ専門家にご相談ください。
第三者
当事者ではない人や組織。契約や紛争などにおいて、直接的な利害関係を持たない存在を指す。保険、法律、ビジネスの文脈で頻繁に使われる。
This is just between us. No third party needs to know about it.
これは私たち二人だけの秘密だよ。第三者がそのことを知る必要はないんだ。
※ 友達と内緒話をしているような場面です。「third party」は「関係ない人」「部外者」という意味で使われています。「between us」は「私たち二人だけの」というニュアンスで、秘密の話によく使われる表現です。
When they couldn't agree, they asked a third party to help them solve their problem fairly.
彼らが合意できなかった時、問題を公平に解決するために第三者に助けを求めた。
※ 二人が意見の食い違いで困っていて、誰かに仲裁を頼んでいる場面です。ここでは「third party」が、公平な立場で二人の問題を解決してくれる「仲介者」や「第三者機関」として機能しています。「solve a problem」は「問題を解決する」という意味です。
When you pay online, a third party often handles your payment securely.
オンラインで支払うとき、第三者があなたの支払いを安全に処理することがよくあります。
※ オンラインショッピングなどで、支払い方法を確認している場面を想像してください。この場合の「third party」は、あなたの銀行とお店の間に立って、支払いを安全に仲介・処理してくれる「別の会社やサービス」を指します。「handle payment」は「支払いを処理する」というビジネスでよく使われる表現です。
第三者の
第三者に属する、または第三者によって提供されることを示す。例えば「third-party software(第三者製ソフトウェア)」のように使う。
Many people worry about their personal data being shared with a third-party company.
多くの人が、自分の個人情報が第三者の会社と共有されることを心配しています。
※ 【情景】オンラインで何かを登録する際、自分の大切な個人情報が、知らない外部の会社に渡ってしまうのではないかと不安に感じる場面です。 【なぜ典型的か】「third-party」は、特に個人情報やデータの取り扱いにおいて、「自分たちとは直接関係のない、外部の・別の」会社や組織を指す際によく使われます。 【文法/ヒント】ここでは「third-party」が「company(会社)」を修飾する形容詞として使われています。このようにハイフンで繋がれて使われることが多いです。
When my sister and I argued, our mom often asked for a third-party opinion to help us.
私と妹が喧嘩したとき、母はよく私たちを助けるために第三者の意見を求めました。
※ 【情景】兄弟や友達同士で意見が食い違い、なかなか解決できない時に、公平な立場の人に間に入って意見を聞いてもらう場面です。 【なぜ典型的か】意見が対立したり、揉め事が起こったりした際、当事者ではない中立な立場の人(第三者)の意見や助けが必要になることがあります。これは家庭内だけでなく、ビジネスの場でもよくあることです。 【文法/ヒント】「third-party opinion」は「第三者の意見」という意味で、公平な視点からの助言や意見を指します。
The new smartphone case is made by a third-party manufacturer, not the phone company itself.
その新しいスマートフォンのケースは、電話会社自身ではなく、第三者の製造会社によって作られています。
※ 【情景】新しいスマートフォンを買って、それに合うケースを選んでいる場面。純正品ではない、別の会社が作っているケースを見ているところです。 【なぜ典型的か】「third-party」は、製品やサービスを提供する文脈で、オリジナルのメーカーや公式な提供元ではない、別の会社や団体を指す際によく使われます。 【文法/ヒント】「third-party manufacturer」は「第三者の製造元」という意味で、オリジナルのブランドとは異なる会社を指します。例えば、ゲーム機本体は任天堂だけど、コントローラーは別の会社製、といった場合にも使えます。
仲介
二者間を取り持つ役割。紛争解決や取引において、中立的な立場から介入する個人や組織を指す。
My two friends were arguing loudly, so I became a third party to help them talk calmly.
私の2人の友達が激しく口論していたので、私は彼らが冷静に話せるよう仲介役になりました。
※ この例文は、個人的な関係での対立に「仲介役」として間に入る場面を描いています。友達が感情的になっている中で、あなたが中立的な立場で話し合いを助ける様子が伝わります。このように、二者の間で意見が対立した際に、公平な立場で解決を助ける人を 'a third party' と呼びます。
They asked a third party to help them make a fair deal for the old car.
彼らは古い車を公平な条件で売買できるよう、第三者に仲介を頼みました。
※ この例文は、ビジネスや取引の場面で「仲介者」が必要とされる状況を示しています。売り手と買い手が直接交渉するのではなく、間に中立な人が入ることで、よりスムーズで公平な取引が実現することがあります。'make a fair deal' は「公平な取引をする」という意味です。
When our team couldn't agree on the project, our boss suggested a third party to help us decide.
私たちのチームがプロジェクトで意見がまとまらなかった時、上司は私たちに決断を助けてくれる第三者を提案しました。
※ この例文は、組織やグループ内で意見が対立し、解決が難しい状況で「仲介役」が導入される様子を描いています。チームの内部だけでは解決できない問題を、外部の専門家や中立的な立場の人が助ける際に 'a third party' が使われます。'couldn't agree on...' は「~について意見が合わなかった」という状況を表します。
コロケーション
外部の供給業者、第三者の販売業者
※ 企業が自社製品やサービスを直接提供するのではなく、外部の業者を通して販売・提供する場合に使われる表現です。IT業界や小売業界で頻繁に用いられます。例えば、ソフトウェア会社が自社の製品を販売するために、別の会社と提携する場合、その提携会社がthird-party vendorとなります。形容詞+名詞の組み合わせで、ビジネスシーンでよく見られます。
サードパーティー・ロジスティクス(物流業務を外部委託すること)
※ 企業の物流業務(輸送、保管、在庫管理など)を専門の外部業者に委託する形態を指します。効率化やコスト削減のために多くの企業が採用しています。例えば、ある製造業者が、製品の配送や倉庫管理を別の物流会社に委託する場合、その物流会社が3PLとなります。ビジネスシーン、特にサプライチェーン管理の分野で頻繁に使われます。
第三者受益者(契約の当事者ではないが、契約によって利益を得る人)
※ 契約法における用語で、契約当事者ではないものの、その契約によって利益を受ける人のことを指します。例えば、生命保険契約において、被保険者が亡くなった際に保険金を受け取る人がthird-party beneficiaryとなります。法律や契約に関する文脈で用いられる、やや専門的な表現です。
第三者データ(自社で直接収集したデータではなく、外部から購入・入手したデータ)
※ マーケティングや広告業界でよく使われる用語で、企業が自社で収集したデータ(ファーストパーティデータ)や、提携先から提供されたデータ(セカンドパーティデータ)ではなく、データプロバイダーなどから購入したデータを指します。顧客の属性や行動に関する情報を得るために利用されます。プライバシーに関する議論の対象となることもあります。
第三者賠償責任(第三者に損害を与えた場合の賠償責任)
※ 保険や法律の分野で用いられる表現で、自分の行為によって第三者に損害を与えた場合に発生する賠償責任を指します。例えば、自動車保険のthird-party liability coverageは、事故によって他人に怪我をさせたり、他人の車を壊したりした場合の賠償責任をカバーします。
第三者に依存する、第三者に頼る
※ ある事柄を達成するために、自分自身ではなく第三者の力や資源に頼ることを意味します。ビジネスや日常生活において、特定の専門知識やサービスを必要とする場合に、外部の専門家や業者に依頼することが一般的です。例えば、「プロジェクトの成功は第三者のコンサルタントに頼っている」のように使われます。
サードパーティーCookie(異なるウェブサイト間でユーザーの行動を追跡するCookie)
※ ウェブサイトが、そのドメインとは異なるドメインから発行されるCookieのことです。広告配信や行動ターゲティングのために利用されますが、プライバシー保護の観点から規制の対象となることが増えています。IT業界やデジタルマーケティングの分野でよく使われます。
使用シーン
学術論文、研究発表、教科書などで頻繁に使用されます。特に、法律、経済学、政治学、社会学などの分野で、契約関係、外部機関との連携、データソースの信頼性などを議論する際に「第三者機関による評価」「第三者データを用いた分析」のように用いられます。文語的な表現が中心です。
ビジネス文書、契約書、報告書、プレゼンテーションなどで使用されます。例として、「第三者機関による監査」「第三者割当増資」「第三者責任保険」など、契約やリスク管理に関連する文脈で用いられます。社内会議や顧客との交渉など、フォーマルな場面での使用が想定されます。
日常会話ではあまり使用されませんが、ニュース記事、法律相談、保険の説明などで見かけることがあります。例えば、「第三者から損害賠償を請求された」「第三者の証言が必要だ」といった状況を説明する際に用いられます。一般的には少し硬い表現と認識されます。
関連語
類義語
仲介者、媒介者。取引や交渉において、当事者間を取り持つ役割を指します。ビジネス、法律、外交などのフォーマルな文脈で用いられます。 【ニュアンスの違い】"Third party"よりも中立的な立場を強調し、積極的に当事者間を調整するニュアンスがあります。また、"intermediary"は個人だけでなく、組織や機関を指すこともあります。 【混同しやすい点】"Third party"は単に関係者の一人を指すのに対し、"intermediary"は積極的に関係を取り持つ役割を担う点が異なります。日本語の「第三者」と「仲介者」の違いを意識すると理解しやすいです。
提携会社、関連会社。ビジネスにおいて、親会社や子会社、または業務提携している企業を指します。会計、法律、マーケティングなどの文脈で頻繁に使用されます。 【ニュアンスの違い】"Third party"が必ずしも継続的な関係を意味しないのに対し、"affiliate"は継続的な協力関係、特にビジネス上の関係があることを示唆します。資本関係がある場合も多いです。 【混同しやすい点】"Third party"は単に取引関係にある企業を指す場合もありますが、"affiliate"はより密接な、継続的な関係がある場合に限定されます。フランチャイズ契約などをイメージすると分かりやすいでしょう。
請負業者、契約業者。特定の業務を契約に基づいて行う個人または企業を指します。建設、IT、コンサルティングなど、専門的なサービスを提供する場面でよく使われます。 【ニュアンスの違い】"Third party"よりも、具体的な業務内容と契約関係が明確である点を強調します。独立した事業者として業務を遂行するイメージです。 【混同しやすい点】"Third party"は単に契約関係のある相手を指す場合もありますが、"contractor"は特定の業務を請け負い、独立して遂行する点が異なります。雇用関係の有無が重要なポイントです。
代表者、代理人。特定のグループや組織を代表して行動する人を指します。政治、外交、会議などのフォーマルな場面で用いられます。 【ニュアンスの違い】"Third party"が単に関係者の一人を指すのに対し、"delegate"は特定の権限を与えられ、代表として行動する点が異なります。責任の所在が明確です。 【混同しやすい点】"Third party"は利害関係者全般を指しますが、"delegate"は特定の組織や個人の代表として正式に選ばれた人物を指します。国連代表などをイメージすると分かりやすいでしょう。
部外者、よそ者。特定のグループやコミュニティに属していない人を指します。日常会話から社会学、文学まで幅広い文脈で使用されます。 【ニュアンスの違い】"Third party"が中立的な立場を意味するのに対し、"outsider"はグループの一員ではない、仲間外れというニュアンスを含みます。疎外感や孤立感を表す場合もあります。 【混同しやすい点】"Third party"はビジネスや法律などのフォーマルな文脈で使われることが多いですが、"outsider"はより感情的なニュアンスを含む日常的な表現です。仲間意識の有無が重要なポイントです。
利害関係者。プロジェクト、組織、またはビジネスに関わる全ての人々(従業員、顧客、株主、地域社会など)を指します。経営学、プロジェクトマネジメント、CSR(企業の社会的責任)などの文脈で頻繁に使用されます。 【ニュアンスの違い】"Third party"よりも、プロジェクトや組織の成功に影響を与える、または影響を受ける可能性のある人々という点を強調します。利害関係の存在が前提です。 【混同しやすい点】"Third party"は単に関係者の一人を指すこともありますが、"stakeholder"は組織の活動に直接的または間接的に影響を受ける、または影響を与える可能性のある人々を指します。利害関係の範囲がより広いです。
派生語
『党』『団体』『当事者』などを意味する名詞。元々は『部分』を意味するラテン語に由来し、『第三者』という複合語の中で、特定の個人や集団を指す用法に発展。日常会話から政治、法律まで幅広く使われる。
『部分的な』『不公平な』を意味する形容詞。『part』に形容詞化の接尾辞『-ial』が付いた形。全体の一部であること、または公平でないことを表す。ビジネスや法律文書で、特定の立場に偏っている状況を指す際に使われる。
『公平な』を意味する形容詞。接頭辞『im-(否定)』が『partial(不公平な)』を打ち消し、反対の意味にする。報道、裁判、仲裁など、客観性が求められる場面で頻繁に使われる。
語源
「third party」は、文字通り「第三の当事者」を意味します。ここで重要なのは「party」という単語です。これは、法律用語としては「契約や訴訟の当事者」を指します。英語の「party」は、古フランス語の「partie」(部分、側)に由来し、さらに遡るとラテン語の「pars」(部分)から来ています。つまり、「third party」は、契約や取引、紛争などに関わる二者以外の「第三の部分」を意味し、直接的な利害関係がないものの、何らかの影響を受ける、または影響を与える可能性のある存在を指すようになったと考えられます。日本語でも「当事者」という言葉を使うように、「party」も元々は「一部分」という意味から、特定の事柄に関わる「人々の一団」を指すようになったという語源的なつながりを理解すると、覚えやすいでしょう。
暗記法
第三者とは、契約や紛争の外にいる中立な存在。しかし、その立場は諸刃の剣。公平性の象徴であると同時に、責任の曖昧さや介入の影を落とすことも。シェイクスピア劇の悪役イアーゴのように、中立を装いながら陰謀を企む存在も。社会では、第三者機関の調査が信頼を裏切ることも。中立への期待と裏切り、第三者という言葉は、常に光と影を抱え込むのです。
混同しやすい単語
『third party』の 'third' と『thirty』は、発音が非常に似ています。どちらも 'th' の音で始まり、'ir' と 'ir-ty' の部分が特に混同されやすいです。意味は『30』であり、数字を表します。『third』は『3番目の』という意味なので、文脈で区別する必要があります。特に会話では注意が必要です。
『third』と『thirsty』は、発音が似ており、特に母音の発音と 'th' の音が共通しているため、混同しやすいです。意味は『喉が渇いた』であり、状態を表す形容詞です。スペルも似ているため、文脈から判断する必要があります。'third' は序数、'thirsty' は形容詞という品詞の違いも意識しましょう。
『third party』の構成要素である『party』自体も、文脈によっては意味が広いため、混同されることがあります。『party』は『パーティー』の意味の他に、『政党』や『当事者』という意味も持ちます。『third party』は『第三者』という意味なので、文脈によって『party』が何を指すのかを明確にする必要があります。
『party』と『property』は、語尾の 'ty' が共通しており、スペルが似ているため、混同しやすいです。意味は『財産』や『所有物』であり、まったく異なる概念を表します。特に法律やビジネスの文脈では、正確な理解が重要です。'party' が『当事者』という意味で使われる場合、『property』との区別が特に重要になります。
『party』と『partly』は、スペルが似ており、発音も一部共通しているため、混同しやすいです。意味は『部分的に』であり、副詞として使われます。『third party』における『party』は名詞であり、意味も品詞も異なるため、注意が必要です。例えば、『partly cloudy』は『部分的に曇り』という意味になります。
『third』と『dirty』は、'ir' と 'ir-ty' の部分の音と 'th' の音が似ているため、発音を聞き間違えやすいです。意味は『汚い』であり、状態を表す形容詞です。スペルも一部似ているため、文脈から判断する必要があります。特に早口で話される場合は注意が必要です。
誤用例
While 'third party' can technically refer to someone outside of a direct relationship, using it to describe a neighbor providing casual advice sounds unnatural and overly formal. The term 'third party' typically implies a more formal or official involvement, such as in a contract, negotiation, or legal dispute. Japanese learners might directly translate '第三者の意見' (daisansha no iken) as 'third party's opinion' without considering the register and context. A more natural phrasing would be 'independent opinion' or 'objective perspective'. The issue here isn't grammatical, but rather a mismatch in tone and implied formality.
Using 'third party' in this context, while not strictly incorrect, can sound impersonal and transactional. Japanese business culture often emphasizes building strong relationships and trust with partners. While 'third party' implies a business relationship, it lacks the nuance of partnership and mutual benefit often sought in Japanese business dealings. A more appropriate term is 'partner', which conveys a sense of collaboration and shared goals. The phrase 'reliable partner' is a common and well-understood term in business contexts. The original sentence isn't grammatically wrong, but it misses a subtle cultural expectation for a more personal and collaborative business relationship.
In this context, while 'third party' isn't necessarily incorrect, it sounds vague and evasive. When attributing blame, especially in a political context, it's more impactful and informative to be specific, or at least acknowledge that you are purposely being vague. Using 'third party' suggests a reluctance to name the responsible entity, which can weaken the statement. A more direct approach would be to either name the specific individual or organization being blamed or use a phrase like 'an unnamed party' to acknowledge the vagueness. This highlights the difference between a neutral description ('third party') and a deliberate act of assigning blame, which requires more precision or a clear intention to obscure the truth. The Japanese learner may be translating '第三者' (daisansha) directly, without considering the rhetorical effect of vagueness in English, especially in a sensitive situation.
文化的背景
「third party(第三者)」は、契約や紛争において当事者ではない中立的な存在を指し、しばしば客観性や公平性の象徴として扱われます。しかし、その立ち位置ゆえに、時に介入者、あるいは責任の所在を曖昧にする存在としても認識されることがあります。
「第三者」という概念は、法的、商業的な文脈で頻繁に登場しますが、その文化的意義は、中立性への期待と、それゆえに生じる責任回避や介入への警戒心という、相反する感情の表れとして捉えることができます。例えば、保険業界における「第三者賠償責任保険」は、事故の当事者ではない第三者への損害を補償するものですが、この制度自体が、事故の責任を明確化し、被害者を救済する一方で、加害者側の責任を曖昧にする可能性も孕んでいます。また、政治的な文脈では、紛争解決における「第三者仲介」は、当事者間の対立を緩和し、合意形成を促進する役割を担いますが、仲介者の立場によっては、特定の勢力に有利な結果をもたらす可能性も否定できません。
文学作品や映画においても、「第三者」はしばしば重要な役割を果たします。例えば、シェイクスピアの悲劇『オセロ』におけるイアーゴは、オセロとデズデモーナの関係を陰で操る「第三者」として登場し、嫉妬や陰謀を煽り、悲劇的な結末を招きます。この場合、イアーゴは中立的な存在ではなく、むしろ積極的に事態を悪化させる存在として描かれており、「第三者」が必ずしも善意や公平性を持つとは限らないことを示唆しています。また、現代の社会派映画では、企業や政府などの組織が、環境汚染や人権侵害といった問題に対して「第三者機関」による調査を依頼する場面が描かれることがあります。しかし、その「第三者機関」が実際には組織と癒着しており、調査結果が歪められるという展開も少なくありません。これは、「第三者」という言葉が持つ中立性への信頼が、しばしば裏切られる現実を反映しています。
このように、「third party(第三者)」という言葉は、単に契約や紛争の当事者ではない存在を指すだけでなく、中立性、公平性、責任、介入といった、複雑な文化的意味合いを含んでいます。その言葉が使われる文脈によって、肯定的にも否定的にも解釈されうる、多面的な概念であると言えるでしょう。
試験傾向
準1級以上で出題される可能性あり。
1. **出題形式**: 長文読解、語彙問題
2. **頻度と級・パート**: 準1級以上。長文読解で稀に出題。
3. **文脈・例題の特徴**: 社会問題、ビジネス、政治など硬めの話題。
4. **学習者への注意点・アドバイス**: 「第三者」という意味だけでなく、関連する契約や法律の文脈で使われることが多い。類義語(stakeholderなど)との区別を意識。
Part 7(長文読解)で比較的よく見られる。
1. **出題形式**: 長文読解、語彙問題
2. **頻度と級・パート**: Part 7で頻出。
3. **文脈・例題の特徴**: ビジネスレター、契約書、報告書などビジネスシーン。
4. **学習者への注意点・アドバイス**: 契約、責任、保証などの文脈でよく登場する。ビジネスにおける「利害関係者」としての意味合いを理解しておく。
リーディングセクションで出題される可能性が高い。
1. **出題形式**: 長文読解
2. **頻度と級・パート**: リーディングセクションで中程度の頻度。
3. **文脈・例題の特徴**: アカデミックな内容(社会科学、法律、経済など)。
4. **学習者への注意点・アドバイス**: 抽象的な概念を説明する際に使われることが多い。文脈から正確な意味を把握する練習が必要。
難関大学の長文読解で出題される可能性あり。
1. **出題形式**: 長文読解
2. **頻度と級・パート**: 難関大学の長文で稀に出題。
3. **文脈・例題の特徴**: 社会問題、経済、政治など硬めの話題。
4. **学習者への注意点・アドバイス**: 文脈から「第三者」が具体的に誰を指しているのかを把握する必要がある。高度な読解力が求められる。