request
第2音節にアクセントがあります。/ɪ/ は日本語の「イ」よりも曖昧で、口を少し開けて発音します。「クウェ」の部分は、/kw/という子音連結で、/k/の後に唇を丸めて/w/の発音に移行するのがポイントです。最後の /st/ は、無声音なので、日本語の「ト」のように母音を付けないように注意してください。
を頼む
何かを人に依頼する、丁寧に要請する意味合い。フォーマルな場面やビジネスシーンでよく使われる。単に物をねだるのではなく、相手の協力や行動を促すニュアンスを含む。
My friend looked tired, so I requested a hot cup of tea for her.
友人が疲れているようだったので、私は彼女のために温かいお茶を頼みました。
※ この文では、相手への思いやりから何かを頼む場面が描かれています。カフェやレストランなどで、友人や家族のために何かを注文する際によく使う状況です。「request」は「ask for」よりも少し丁寧な響きがあり、相手を気遣う気持ちを表すときに自然に使えます。
At the restaurant, I politely requested a table near the window.
レストランで、私は窓際の席を丁寧に頼みました。
※ レストランやホテル、お店など、サービスを提供する場所で何かを頼む際によく使われる表現です。「politely」(丁寧に)という言葉が、「request」が持つ少しフォーマルで丁寧なニュアンスを強調しています。自分の希望を伝える場面で、失礼なく依頼する状況にぴったりです。
The manager requested that all team members submit their reports by Friday.
マネージャーは、全チームメンバーに金曜日までに報告書を提出するよう頼みました。
※ この例文は、ビジネスの場面で上司が部下に対して指示や依頼をする典型的な状況です。「request」は、命令(order)よりも柔らかく、しかし期待や義務を伴う依頼を表すのに適しています。特に、公式な文書やメールで、何かを要請する際によく使われる表現です。
お願い
何かを頼む行為そのもの。または、頼まれた内容。丁寧さやかしこまった印象がある。日常会話よりも、ビジネスや公式な場面で使われることが多い。
My friend made a special request for help with his project.
友人がプロジェクトの手伝いを特別にお願いしてきました。
※ この例文は、誰かがあなたに「ぜひ助けてほしい」と心から頼んでいる様子を描いています。「make a request」で「お願いをする」という表現はとても一般的です。友人が困って、あなたに助けを求めている情景が目に浮かびませんか?
I made a request for an extra blanket at the hotel because it was cold.
寒かったので、ホテルで毛布をもう一枚お願いしました。
※ ホテルやお店などで、何かを追加で頼んだり、要望を伝える時によく使う表現です。自分が「もっと快適に過ごしたい」という気持ちで、ホテルスタッフに「お願い」をしている場面が想像できますね。「request for A」で「Aのお願い」と表現します。
The student sent a polite request to the teacher for an extension on the essay.
その生徒は、エッセイの提出期限延長を先生に丁寧にお願いしました。
※ この例文は、学生が先生に、締め切りを延ばしてほしいと「丁寧にお願い」している状況です。学校や職場など、少しフォーマルな場面での「お願い」によく使われます。「send a request」もよく使う表現です。相手に配慮してお願いする気持ちが「polite」という言葉から伝わりますね。
を要求する
権利や必要性に基づいて、強く求めるニュアンス。単なる依頼ではなく、当然の権利として要求する意味合いが強い。交渉や抗議の場面で使われることが多い。
I requested my teacher to extend the deadline for my essay.
私は先生に、作文の締め切りを延長してくれるようお願いしました。
※ この例文は、あなたが困った状況で、誰かに何かを「お願いする」「要求する」場面を鮮やかに描いています。例えば、宿題の締め切りに間に合いそうにない時、先生に丁寧に「延ばしてほしい」と伝える典型的な使い方です。'request 人 to do' の形で「人に~してくれるよう要求する」という文型を覚えるのに役立ちます。
She requested more information about the new project in the meeting.
彼女は会議で、新しいプロジェクトについてもっと情報がほしいと要求しました。
※ この文は、ビジネスや公式の場で、特定の情報や資料を「求める」「要求する」状況を表しています。会議で、新しい企画についてもっと詳しく知りたいと積極的に質問している様子が目に浮かびますね。'request + 名詞' の形で、物や情報を求める際によく使われる非常に自然な表現です。
The guest requested an extra pillow for a comfortable sleep at the hotel.
その宿泊客は、ホテルで快適に眠るため、追加の枕を要求しました。
※ この例文は、サービスを受ける側が、特定の物やサービスを「要求する」「頼む」場面を示しています。ホテルに滞在中、より快適に過ごすために、追加の枕をフロントに依頼するような状況です。'request' は、このように、個人的なニーズに基づいて何かを「求める」際にも自然に使われます。丁寧なニュアンスを含んでいることが多いです。
コロケーション
正式な依頼、公式な要請
※ 「request」の中でも、特に書面や公式な手続きを伴う依頼を指します。口頭での依頼よりも、記録として残ることを意図する場合や、組織的な承認が必要な場合に使われます。例えば、企業が政府機関に許可を求める際や、大学が研究助成金を申請する際などが該当します。ビジネスシーンや学術的な文脈で頻繁に使われます。
~の要請で、~の頼みで
※ 誰かの依頼や頼みに応じて行動したことを示す際に使われる、一般的な前置詞句です。ポイントは、依頼主の意向が行動の直接的な動機になっていることを強調する点です。例えば、「彼女の要請で、会議の議事録を作成しました (At her request, I prepared the minutes of the meeting.)」のように使います。日常会話からビジネスシーンまで幅広く使用できます。
丁寧な依頼、礼儀正しいお願い
※ 「request」に「polite」という形容詞をつけることで、依頼する側の謙虚さや相手への配慮を示すことができます。直接的な命令や要求ではなく、相手に選択の余地を与えるニュアンスが含まれます。ビジネスシーンやサービス業など、相手との良好な関係を維持したい場合に適しています。例えば、「お客様からの丁寧なご要望にお応えするため (to meet a polite request from a customer)」のように使います。
依頼を許可する、要請を受け入れる
※ 「grant」は「(要求・願いなどを)聞き入れる、与える」という意味の動詞で、「request」と組み合わせて、依頼が受け入れられる状況を表します。単に「accept」よりも、権限を持つ側が承認するというニュアンスが強くなります。例えば、上司が部下の休暇申請を承認する場合や、政府が企業の事業計画を認可する場合などに使われます。フォーマルな場面でよく用いられます。
依頼を拒否する、要請を却下する
※ 「deny」は「(要求・申し出などを)拒否する、否定する」という意味の動詞で、「request」と組み合わせて、依頼が受け入れられない状況を表します。「refuse」よりも、より強い拒絶のニュアンスを含み、正式な手続きを経て却下される場合に使われることが多いです。例えば、ビザ申請が却下される場合や、情報公開請求が拒否される場合などが該当します。ビジネスや法的な文脈でよく使われます。
依頼に応じて、要請に応えて
※ 依頼や要請があったことを受けて、何らかの行動を起こしたことを示す際に使われる表現です。「in response to」は、原因と結果の関係を明確に示す効果があります。例えば、「お問い合わせの要請に応じて、資料をお送りします (In response to your request, we are sending you the documents.)」のように使います。ビジネスメールや報告書など、フォーマルなコミュニケーションに適しています。
使用シーン
学術論文、研究発表、講義などで頻繁に使用される。研究者がデータや情報、許可などを「要求する」「依頼する」際に用いられる。例:図書館で文献の取り寄せをrequestする、研究助成金をrequestする、倫理審査委員会に研究計画の承認をrequestするなど。また、学生が教授に推薦状をrequestする、追加の情報をrequestする、などの場面も考えられる。
ビジネス文書、メール、会議などで、フォーマルな依頼や要望を伝える際に使用される。顧客からの要望をrequestとして処理する、上司に休暇をrequestする、他部署に資料の提供をrequestする、などが典型的な例。また、プロジェクトの提案書で予算をrequestする、契約書で条件の変更をrequestする、といった場面でも用いられる。
日常会話では、よりカジュアルな表現(ask, want, needなど)が好まれるため、requestの使用頻度は低い。ただし、サービスやサポートを求める場面、例えばホテルで追加のタオルをrequestする、レストランで特別なリクエストをする、オンラインショッピングで配送日の変更をrequestする、といった状況では使用されることがある。また、公共サービスへの要望を伝える際など、ややフォーマルな場面でも用いられる。
関連語
類義語
最も一般的な「尋ねる」「頼む」という意味の動詞。日常会話で頻繁に使われ、フォーマルな場面でも使用可能です。質問や依頼など、幅広い状況で使えます。 【ニュアンスの違い】"request"よりも直接的でカジュアルな印象を与えます。また、"ask"は情報や許可を求める場合にも使われますが、"request"はより具体的な行動や物事を求める意味合いが強くなります。 【混同しやすい点】"ask for"の形で名詞を伴う場合(例:ask for help)と、"ask someone to do something"の形で人を目的語にとる場合(例:ask him to come)の使い分け。
強く要求する、要求する権利があると主張するという意味合いを持つ動詞。ビジネスや政治の文脈でよく使われます。緊急性や重要性を伴う要求に使われることが多いです。 【ニュアンスの違い】"request"よりもはるかに強い表現で、相手に選択の余地がないようなニュアンスを含みます。命令に近い意味合いを持つこともあります。丁寧さや配慮はほとんど感じられません。 【混同しやすい点】「当然の権利」として要求するというニュアンスが強いため、相手との関係性や状況によっては非常に失礼にあたる可能性があります。"demand"はしばしば、ストライキや抗議行動など、集団的な要求を指す場合にも使われます。
必要とする、要求するという意味の動詞。規則、法律、契約などによって義務付けられていることを示唆します。フォーマルな場面やビジネス文書でよく使われます。 【ニュアンスの違い】"request"よりも客観的で、必須条件であることを強調します。主語は人ではなく、規則やシステムであることが多いです。感情的な要素はほとんど含まれません。 【混同しやすい点】"require"は、満たされるべき条件や基準を示す際に用いられます。例えば、「この書類には署名が必要です (This document requires a signature)」のように使われます。人の行動を直接的に求めるのではなく、必要なものを間接的に示す点が"request"との違いです。
- enquire
"inquire"のイギリス英語の綴り。尋ねる、問い合わせるという意味で、フォーマルな場面やビジネスシーンでよく使われます。特に、公式な情報や詳細を求める際に用いられます。 【ニュアンスの違い】"request"が何かを求めるニュアンスを含むのに対し、"enquire"は情報を得ることに重点が置かれています。丁寧な表現であり、直接的な要求を避けたい場合に適しています。 【混同しやすい点】アメリカ英語では"inquire"が一般的であり、イギリス英語では"enquire"が使われるという点。また、"enquire about"の形で具体的な内容について尋ねる場合によく使われます(例:enquire about prices)。
懇願する、請う、誘うという意味の動詞。ビジネスや慈善活動の文脈で、支援、寄付、またはビジネスを求める際に使われます。ややフォーマルな印象を与えます。 【ニュアンスの違い】"request"よりも積極的に働きかけ、相手の好意や協力を得ようとするニュアンスが強いです。特に金銭的な支援を求める場合に用いられることが多いです。 【混同しやすい点】"solicit"は、しばしば一方的な働きかけを意味し、相手に負担をかける可能性を含みます。また、ネガティブな文脈で使われることもあり、例えば「客引き」や「売春の誘い」などを意味する場合もあります。
訴える、懇願するという意味の動詞。感情に訴えかけ、共感や理解を得ようとするニュアンスがあります。法的な訴えや、慈善活動への呼びかけなど、広範な文脈で使用されます。 【ニュアンスの違い】"request"よりも感情的な要素が強く、相手の同情や共感を求める意図が含まれます。また、上位機関への訴えや、世論への訴えかけなど、より広い範囲に対する働きかけを意味することもあります。 【混同しやすい点】"appeal to someone for something"の形で、特定の人に対して何かを訴える場合に使われます。また、法的な文脈では、「上訴する」という意味になります。感情的な訴えかけと、法的な手続きという二つの側面がある点に注意が必要です。
派生語
- requesting
動詞「request」の現在分詞形。進行中の動作や状態を表し、「~を要請しているところ」のように使われる。ビジネスシーンで、相手に依頼している状況を示す際に頻繁に用いられる。例えば、「We are requesting your immediate attention.(至急のご対応をお願い申し上げます)」のように。
- requested
動詞「request」の過去形および過去分詞形。過去の依頼行為や、依頼された状態を示す。「requested data(要求されたデータ)」のように形容詞的に用いられることも多い。学術論文や技術文書で、過去の要求事項や仕様を記述する際に役立つ。
- requester
名詞で「要請者、依頼者」を意味する。接尾辞「-er」は動作主を表す。IT業界や顧客サポートの文脈で、要求を出す人を指す際に使われる。例えば、「The requester should provide detailed information.(依頼者は詳細情報を提供する必要がある)」のように。
名詞で「正式な要請、請求書」を意味する。動詞としても使われ、「~を正式に要請する」という意味になる。ビジネスや政府機関で、物品やサービスの正式な要求を意味する際に用いられる。request よりもフォーマルな印象を与える。例:「submit a requisition form(請求書を提出する)」。
反意語
「(要求を)聞き入れる、許可する、与える」という意味の動詞。「request」が何かを求める行為であるのに対し、「grant」はその要求を受け入れ、提供する行為を指す。例えば、request permission(許可を求める)に対して、grant permission(許可を与える)のように対比される。日常会話からビジネスシーンまで幅広く使われる。
「(要求を)拒否する、断る」という意味の動詞。「request」が求める行為であるのに対し、「refuse」はその要求を拒む行為を指す。しばしば丁寧な表現として decline も用いられるが、refuse はより直接的な拒否を示す。例:「refuse a request(要求を拒否する)」。日常会話やビジネス文書で頻繁に使われる。
「要求する」という意味だが、「request」よりも強く、命令や当然の権利として要求するニュアンスを含む。request が丁寧な依頼であるのに対し、demand はより強い権利主張を伴う。例えば、「demand an explanation(説明を要求する)」のように、相手に強く何かを求める際に用いられる。ビジネスや政治の文脈でよく見られる。
語源
"Request"は、古フランス語の"requeste"(要求、願い)に由来し、さらに遡るとラテン語の"requirere"(必要とする、求める)から派生しています。この"requirere"は、接頭辞"re-"(再び、強意)と"quaerere"(尋ねる、探す、求める)という要素から構成されています。つまり、"request"の根本的な意味合いは、「繰り返し尋ね求める」という行為にあります。日本語で例えるなら、「切望する」というニュアンスに近いかもしれません。何かを強く必要とし、繰り返し相手に働きかけるイメージです。現代英語では、単に「頼む」という意味合いだけでなく、「要求する」というより強い意味合いも持ち合わせています。これは、語源である"requirere"の「必要とする」という意味が反映された結果と言えるでしょう。
暗記法
「request」は単なる要求ではない。騎士が貴婦人に「恩恵」を請う姿を思い描こう。それは忠誠の証であり、相手への敬意の表れ。現代でも、上司に「お願い」するのは、相手の権限を尊重する姿勢の表れだ。許可や同意を求める時にも使うように、requestは、相手の意思を尊重し、円滑な人間関係を築くための、文化的背景が色濃く反映された言葉なのだ。
混同しやすい単語
スペルが非常に似ており、're' の部分が共通しているため、視覚的に混同しやすい。意味は『必要とする』であり、request (要求する) と似ているが、require はより強い必要性や義務を表す。発音も似ているため、文脈で判断する必要がある。
語尾の 'spect' が共通しており、発音も似ているため、特に会話中には混同しやすい。意味は『尊敬』であり、request とは全く異なる意味を持つ。ただし、名詞として使う場合、respect は『点』や『事項』の意味でも使われ、『in this respect (この点において)』のように request と文脈が似る場合もあるので注意が必要。
接頭辞 'in-' が付いているものの、'quest' の部分が共通しているため、スペルと音の両面で混同しやすい。意味は『検死審問』であり、request とは全く異なる。語源的には、'quest' は『探求』の意味合いがあり、request も元々は何かを『求める』探求的な意味合いを含んでいる。
最初の 're-' と 'et' の部分がrequestと共通しているため、スペルが似ており、発音も一部似ているため、混同しやすい。意味は『後悔する』であり、request (要求する) とは異なる意味を持つ。特に、動詞の活用形を覚える際に、スペルの類似性から誤って活用してしまう可能性がある。
接頭辞 're-' が共通しており、'ject' の音が 'quest' の音と似ているため、発音とスペルの両面で混同しやすい。意味は『拒否する』であり、request (要求する) とは反対の意味を持つ。reject は何かを強く拒否するニュアンスがある。
発音が似ているため、特にリスニング時に混同しやすい。スペルも 'req' と 'wre' で始まりが似ている。意味は『難破した』、『めちゃくちゃになった』であり、request (要求する) とは全く異なる。過去形・過去分詞形である点も注意が必要。
誤用例
日本語の「〜を要請する」という表現を直訳すると、つい"request you to do"という形にしてしまいがちですが、これは少し直接的で、場合によっては失礼に聞こえることがあります。英語では、特にビジネスシーンやフォーマルな状況では、婉曲的な表現が好まれます。"I would like to request..."や"We kindly request..."のように、丁寧な助動詞や副詞を用いることで、相手への配慮を示すことができます。また、"your presence" (ご出席) のように名詞形を使うと、よりフォーマルで洗練された印象になります。これは、日本人が相手の立場や感情を尊重する文化を持っているにも関わらず、英語表現においてそのニュアンスを反映させるのが難しい一例です。
"request"は、しばしば"ask"と混同され、「人に何かを頼む」という意味で"request someone something"という形が誤って使われることがあります。しかし、"request"は通常、"request something from someone"という構文を取ります。これは、英語の語彙が持つ特定の構文パターンを理解する必要があることを示しています。日本語では「彼に頼みごとを要請した」のように、対象(彼)を先に言うことが多いですが、英語では頼む内容(a favor)を先に述べるのが自然です。また、"ask"であれば "ask someone for something" が正しい形です。この違いを意識することで、より自然で正確な英語表現を身につけることができます。
"request"に続くthat節の中では、仮定法現在(動詞の原形)が用いられるのが一般的です。これは、"request"が命令、要求、提案など、まだ実現していない事柄を表す動詞であるためです。"She requested that he will submit..."のように"will"を使うのは、文法的に誤りです。日本語では「彼がすぐにレポートを提出することを要請した」のように未来形を使うのが自然ですが、英語では仮定法現在を用いることで、よりフォーマルで客観的なニュアンスを表現します。この構文は、英語特有の時制と法に関するルールを理解する上で重要であり、文章全体のフォーマルさを高める効果もあります。
文化的背景
「request」という言葉は、単なる要求を超え、相手への敬意や配慮を込めた丁寧な依頼を意味します。それは、力関係や社会的な距離を意識し、直接的な命令を避けることで円滑なコミュニケーションを図ろうとする、英語圏の文化的な背景を反映しています。
中世の騎士道物語に遡ると、「request」は貴婦人への奉仕や、王への忠誠を誓う場面で頻繁に登場しました。騎士が貴婦人に「a favor(恩恵)」をrequestすることは、単なる個人的な欲望の充足ではなく、相手の意思を尊重し、自らの忠誠心を示す行為でした。同様に、臣下が王に「an audience(謁見)」をrequestすることは、王の権威を認め、敬意を払う姿勢を示すものでした。この頃から、「request」は、相手の立場や権威を尊重するニュアンスを帯びるようになったと考えられます。
現代英語においても、「request」はフォーマルな場面や、相手との距離を意識する状況でよく用いられます。例えば、ビジネスシーンでは、上司や取引先に対して何かを依頼する際に「I would like to request…」という表現が頻繁に使われます。これは、直接的な命令を避け、相手の自発的な協力を促すための婉曲的な表現です。また、顧客サービスにおいては、「We request your patience」という表現が、問題解決に時間がかかることへの理解と協力を求める際に用いられます。ここには、単なる要求ではなく、顧客への配慮と共感が込められています。
さらに、「request」は、しばしば「permission(許可)」や「consent(同意)」を求める意味合いも含みます。例えば、「I requested permission to leave early」という場合、単に早く帰りたいという願望を伝えるだけでなく、上司の許可を得る必要性を認識していることを示しています。このように、「request」は、相手の権限や意思を尊重し、円滑な人間関係を築くためのコミュニケーションツールとして、英語圏の社会において重要な役割を果たしています。それは、単なる言葉以上の、文化的背景を反映した奥深い意味を持つ表現なのです。
試験傾向
1. 出題形式: 語彙問題、長文読解、リスニング
2. 頻度と級・パート: 準1級以上で頻出。特に1級、準1級の語彙問題、長文読解でよく見られる。リスニングでも日常会話やアナウンスで使われる。
3. 文脈・例題の特徴: ビジネス、フォーマルな場面、依頼や要望を伝える状況。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 名詞と動詞の区別を明確に。動詞では「request that S + (should) + V」の形に注意。丁寧な依頼表現として'would like to request'も覚えておくと良い。
1. 出題形式: Part 5 (短文穴埋め)、Part 6 (長文穴埋め)、Part 7 (読解問題)
2. 頻度と級・パート: 頻出単語。特にPart 5, 7でよく見られる。
3. 文脈・例題の特徴: ビジネスシーン(メール、報告書、会議など)での依頼、要望、要求。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 類似語(demand, ask, require)との意味の違い、ニュアンスの違いを理解する。request A to do / request that S + V の形を把握する。フォーマルな表現であることを意識する。
1. 出題形式: リーディング、リスニング、ライティング、スピーキング
2. 頻度と級・パート: アカデミックな文章で頻出。リーディングセクションでよく見られる。
3. 文脈・例題の特徴: 研究論文、学術記事、講義など、アカデミックな文脈。
4. 学習者への注意点・アドバイス: フォーマルな文体で使われることが多い。名詞と動詞の用法を区別し、アカデミックな文脈での意味を理解する。類義語(solicit, petition)とのニュアンスの違いを把握する。
1. 出題形式: 長文読解、語彙問題(同意語選択、空所補充)
2. 頻度と級・パート: 難関大学ほど頻出。標準〜やや難易度の高い単語。
3. 文脈・例題の特徴: 説明文、論説文、物語文など、多様なジャンルで登場。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する練習をする。同意語、反意語をセットで覚える。requestの後に続く形 (request that S+Vなど) を理解する。