recognize
第1音節にアクセントがあります。're' の /e/ は日本語の「エ」よりも口を少し開けて発音します。'g' は有声の破裂音で、喉を意識して発音すると良いでしょう。最後の 'ize' は、曖昧母音 /ə/ を含むため、「ア」と「エ」の中間のような音で発音し、全体として「イズ」というよりも「アイズ」に近い音になるように意識しましょう。
見分ける
注意深く観察し、他のものと区別して認識すること。類似したものの中から特定するニュアンスを含む。顔、声、種類などを識別する際に使う。
I could easily recognize my sister at the busy airport because she was wearing a bright red hat.
混雑した空港で、妹が明るい赤い帽子をかぶっていたので、私はすぐに彼女だとわかりました。
※ この例文は、人混みの中から特定の人物を「見分ける」典型的な状況を描いています。帽子や服装など、目印になるものを使って誰かを見つける場面でよく使われます。 日常で「あ、〇〇さんだ!」と気づく瞬間にぴったりです。
Looking at the old photo, I immediately recognized the small park where I used to play as a child.
古い写真を見て、私は子供の頃に遊んでいたあの小さな公園だとすぐにわかりました。
※ 昔の記憶と結びつけて、場所や物を「見分ける」時に使う例文です。懐かしい写真や思い出の品を見た時に、「あ、これ知ってる!」と気づく感覚を表しています。過去の経験から何かを識別する際によく使われます。
Even though the line was a bit noisy, I clearly recognized my mother's voice on the phone.
回線が少し雑音だらけだったのに、電話で母の声だとハッキリわかりました。
※ この例文は、音や声を聞き分けて「誰の声か、何の音か」を識別する場面です。電話や録音など、音が不鮮明な状況でも聞き慣れた声だと気づく、という状況はよくあります。「recognize + 人の所有格 + voice」は非常によく使う表現です。
認める
事実や重要性を理解し、受け入れること。公式な承認や感謝の念を含む場合もある。功績や権利、義務などを認める際に使う。
After many years, I could barely recognize my old teacher at the reunion.
何年も経って、同窓会で昔の先生がほとんど誰だか分かりませんでした。
※ この例文は、久しぶりに会った人が、見た目が変わっていて「一瞬誰だか分からなかった」という日常的な場面を描写しています。人は、髪型や体型、雰囲気の変化で大きく印象が変わることがありますよね。`recognize` は、一度知っている人や物を再び見て「これだ!」と識別する感覚を表すのに最適です。`could barely recognize` で「ほとんど認識できなかった」という、少し困惑した気持ちも伝わります。
When I saw the unique statue, I instantly recognized it from a travel magazine.
そのユニークな像を見たとき、旅行雑誌で見たものだとすぐに分かりました。
※ 旅行先で、以前写真や雑誌で見ていた場所や物に実際に遭遇し、「ああ、これだ!」と気づく瞬間の感動を表しています。この例文では、特徴的な像を目にして、それが記憶の中の雑誌の写真と結びつき、「これこそが探していたものだ」と認識する様子が伝わります。`instantly recognized` のように副詞を加えることで、「すぐに分かった」という素早さも表現できます。
I immediately recognized my dog's happy bark when I opened the door.
ドアを開けたとき、すぐに私の犬の嬉しそうな吠え声だと分かりました。
※ この例文は、視覚だけでなく、聴覚で何かを「認識する」典型的な場面です。仕事から帰宅し、ドアを開けた瞬間に、愛犬が「おかえり!」と喜びの声を上げる。その声が、他の犬の声とは違う、自分の犬特有の、感情のこもった声だと瞬時に理解する温かい情景です。`recognize` は、このように五感を使って「何かを特定する」ときにもよく使われます。
思い出す
過去の経験や知識を再び心に浮かべること。記憶を辿り、以前知っていたことを再認識するニュアンス。人、場所、出来事などを思い出す際に使う。
I saw an old friend at the station, but I didn't recognize him at first.
駅で旧友を見かけたのですが、最初、彼だとわかりませんでした。
※ 駅で偶然昔の知り合いに会う場面です。相手の見た目が変わっていて、すぐに「あの人だ!」と気づかない、という状況はよくありますね。この例文は、あなたが誰かを見ても、それが誰だったか「思い出す(再認識する)」のに少し時間がかかった、という自然な状況を描いています。否定形ですが、recognizeの「思い出す」「見覚えがある」という感覚がよくわかります。
When I saw the old photo, I instantly recognized the beautiful building.
その古い写真を見た時、私はすぐにその美しい建物がどこだか分かりました。
※ 古いアルバムをめくっている時に、どこかで見たことがある風景や建物が写っているのを見つけ、「あ、これだ!」と気づく瞬間です。この例文では、写真に写っているものが、あなたの記憶の中にある特定の場所や物と結びつき、それが何であったかを「思い出す(再認識する)」様子が伝わります。instantly(すぐに)という言葉で、気づく速さが強調されています。
On the phone, I immediately recognized my mother's warm voice.
電話で、私はすぐに母の温かい声だと分かりました。
※ 電話がかかってきて、相手が名乗る前に声を聞いただけで「誰だか分かる」という状況は日常的です。この例文では、あなたは電話口から聞こえる声を聞いた瞬間に、それが誰の声であったかを「思い出す(再認識する)」ことができた、という様子が分かります。視覚だけでなく、聴覚を通して何かをrecognizeする典型的な例です。
コロケーション
パターンを認識する、規則性を見抜く
※ 単に『形を認識する』だけでなく、『データや行動の中に潜む傾向や法則性を見出す』という意味合いが強い表現です。統計学、科学研究、ビジネス分析など、様々な分野で頻繁に使われます。例えば、株価の変動パターンを認識したり、顧客の購買行動パターンを認識したりする際に用いられます。抽象的な概念にも適用でき、『人の行動パターンを認識する』のように、心理学的な文脈でも使えます。
権威を認める、権限を受け入れる
※ 『権力者の指示に従う』という意味だけでなく、『正当な権威として尊重する』というニュアンスを含みます。組織論、政治学、法学などの分野でよく用いられ、会社の上司、政府機関、裁判所などの権威を認める際に使われます。権威の正当性に対する評価を含むため、単なる『力』への服従とは異なります。例えば、倫理的な観点から『その権威を認めるべきかどうか』という議論にもつながります。
妥当性を認める、正当性を認める
※ 『主張や根拠が論理的に正しい』と判断することを意味します。科学、哲学、法律などの分野で頻繁に使われ、実験結果の妥当性、契約の有効性、理論の正当性などを認める際に用いられます。単に『同意する』のではなく、『客観的な基準に基づいて判断する』というニュアンスが重要です。例えば、論文の査読において『研究方法の妥当性を認める』のように使われます。
人の功績を認める、業績を評価する
※ 単に『知っている』だけでなく、『努力や才能を高く評価し、公に認める』という意味合いが強い表現です。ビジネスシーン、学術界、スポーツ界など、様々な分野で用いられ、昇進、表彰、賞賛などの形で表現されます。例えば、『長年の功績を認められ、社長賞を受賞した』のように使われます。社会的な承認や名誉といった要素を含むため、単なる事実認識とは異なります。
必要性を認識する、ニーズを理解する
※ 単に『必要だと知っている』だけでなく、『具体的な解決策を検討する必要がある』という意識を含む表現です。ビジネス、社会福祉、教育など、様々な分野で用いられ、新製品開発、政策立案、教育プログラムの改善などにつながります。例えば、『顧客の潜在的なニーズを認識し、新しいサービスを開発した』のように使われます。問題解決への第一歩として、非常に重要な意味を持ちます。
重要性を認識する、大切さを理解する
※ 単に『重要だと知っている』だけでなく、『それに対する具体的な行動を起こす必要がある』という意識を含む表現です。健康、環境、教育など、様々な分野で用いられ、生活習慣の改善、環境保護活動、教育改革などにつながります。例えば、『健康の重要性を認識し、毎日運動するようになった』のように使われます。行動変容を促す上で、非常に重要な意味を持ちます。
認識できない、認識を怠る
※ 『認識できなかった』という客観的な事実だけでなく、『認識すべきだったのに怠った』というニュアンスを含む表現です。ビジネス、法律、医療など、様々な分野で用いられ、重大なミスや責任問題につながることがあります。例えば、『リスクを認識することを怠り、大きな損失を出してしまった』のように使われます。注意義務違反や過失責任を問われる場面で、頻繁に用いられます。
使用シーン
学術論文や教科書で頻繁に使用されます。例えば、先行研究を「認める」場合や、特定のパターンを「見分ける」場合に使われます。心理学の研究で「被験者の表情から感情をrecognizeする」といった文脈や、社会学で「社会構造の変化をrecognizeする」といった文脈で使用されます。文語的な表現が中心です。
ビジネスシーンでは、会議の議事録や報告書、プレゼンテーションなどで使用されます。例えば、「市場の変化をrecognizeする必要がある」や「顧客のニーズをrecognizeすることが重要だ」といった文脈で使用されます。上司が部下に対して、あるいは部署間で共通認識を形成するために用いられることが多いです。フォーマルな場面での使用が想定されます。
日常会話では、相手の顔を「思い出す」場合や、特定の音や匂いを「見分ける」場合に使われます。例えば、「昔の友人をrecognizeした」や「音楽を聴いて、それが誰の曲かrecognizeした」といった文脈で使用されます。ニュースやドキュメンタリーで「人種差別問題をrecognizeする必要がある」といった社会的な文脈で使用されることもあります。やや硬い表現なので、より口語的な単語が選ばれる場合もあります。
関連語
類義語
事実、権利、権威などを『認める』という意味。公式な場面や、ある程度の議論や否定があった後に認めるニュアンスを含む。ビジネスや政治、学術的な文脈でよく使われる。 【ニュアンスの違い】"recognize"よりも形式的で、より深いレベルでの承認や受け入れを示すことが多い。感情的な要素は少なく、客観的な判断に基づくことが多い。 【混同しやすい点】"recognize"が単に『識別する』という意味合いを持つ場合があるのに対し、"acknowledge"は認識に加えて『表明する』という行為を含む点が異なる。また、"acknowledge"は感謝の意を示す際にも使われる。
人や物を特定し、それが何であるか、または誰であるかを明確にするという意味。科学、犯罪捜査、情報セキュリティなど、正確な識別が重要な文脈で用いられる。 【ニュアンスの違い】"recognize"が既知のものを再認識するニュアンスがあるのに対し、"identify"は未知のもの、または曖昧なものを明確に特定するニュアンスが強い。より客観的で、精密なプロセスを伴う。 【混同しやすい点】"recognize"は主観的な認識を含む場合があるが、"identify"は客観的な証拠やデータに基づいて特定するという点が異なる。例えば、容疑者を識別する場合などに用いられる。
今まで気づかなかったことに『気づく』、『悟る』という意味。個人的な経験や内省を通じて理解する場合に使われる。日常会話や文学的な表現でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】"recognize"が外部からの情報に基づいて認識するのに対し、"realize"は内的な気づきや理解を伴う。感情的な要素が強く、個人的な視点が含まれる。 【混同しやすい点】"recognize"は対象を客観的に認識することに重点があるが、"realize"は主観的な理解や認識の変化に重点がある。例えば、間違いに気づく場合などに用いられる。
五感を通じて何かを『知覚する』、『理解する』という意味。感覚的な経験や直感的な理解を含む。哲学、心理学、芸術などの分野でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】"recognize"が以前に知っていたものを再認識するのに対し、"perceive"は直接的な感覚や直感を通じて何かを捉えるニュアンスが強い。より主観的で、個人的な解釈を含む。 【混同しやすい点】"recognize"は客観的な認識に基づくことが多いが、"perceive"は個人の感覚や解釈に大きく依存する。例えば、美しさや危険を知覚する場合などに用いられる。
価値や重要性を『認識する』、『感謝する』という意味。芸術、文化、人間関係など、価値を認める場面で使われる。日常会話からフォーマルな場面まで幅広く使われる。 【ニュアンスの違い】"recognize"が単に認識するだけでなく、その価値を高く評価し、好意的な感情を伴う場合に使われる。尊敬や感謝の念を含む。 【混同しやすい点】"recognize"が客観的な事実を認識することに重点があるのに対し、"appreciate"は主観的な価値判断と感情が伴う。例えば、努力や才能を認める場合などに用いられる。
はっきりと区別できないものを『見分ける』、『識別する』という意味。注意深く観察し、微妙な違いを理解する必要がある場合に使われる。文学、法律、科学などの分野で用いられる。 【ニュアンスの違い】"recognize"が既知のものを再認識するのに対し、"discern"は隠された、または曖昧なものを注意深く見抜くニュアンスが強い。識別には高度な知識や経験が必要となる場合がある。 【混同しやすい点】"recognize"が一般的な認識を表すのに対し、"discern"はより高度な識別能力を必要とする。例えば、真実と嘘を見抜く場合などに用いられる。
派生語
『認識』『承認』を意味する名詞。動詞『recognize』に名詞化接尾辞『-tion』が付加。抽象的な概念を表し、ビジネス文書や学術論文で頻繁に使用される。単に認識する行為だけでなく、その結果としての評価や承認を含む点が重要。
- recognizable
『認識可能な』を意味する形容詞。動詞『recognize』に『~できる』という意味の接尾辞『-able』が付加。物理的な外見や特徴が認識しやすいことを指す場合と、実績や能力が評価されやすいことを指す場合がある。日常会話からビジネスまで幅広く使われる。
- recognizance
『誓約』『認知供述』を意味する名詞。法律用語として用いられ、特に被告人が裁判所に出頭することを誓約する際に使われる。古フランス語に由来し、現代英語では専門的な文脈でのみ使用される。
反意語
『無視する』という意味の動詞。『recognize』が注意を向けて認識するのに対し、『ignore』は意図的に注意を払わないことを意味する。日常会話で頻繁に使われるほか、学術的な文脈でもデータや証拠を無視する、というように用いられる。
『無視する』『軽視する』という意味の動詞。接頭辞『dis-』は否定や反対の意味合いを持ち、『regard(尊重する、考慮する)』の反意語として機能する。『ignore』よりもややフォーマルな響きがあり、規則や警告などを無視する場合によく用いられる。ビジネスや法律関連の文書で頻出。
『見落とす』という意味の動詞。『recognize』が注意深く見て認識するのに対し、『overlook』は注意が足りずに見過ごすことを意味する。意図的ではない点に注意が必要で、ミスや欠点など、本来なら気づくべき点を見逃した場合に用いられる。日常会話やビジネスシーンで広く使われる。
語源
"Recognize」は、ラテン語の「recognoscere(再認識する、思い出す)」に由来します。これは「re-(再び)」+「cognoscere(知る、認識する)」から構成されています。「cognoscere」はさらに、「co-(共に)」+「gnoscere(知る)」に分解できます。「gnoscere」は「know(知る)」の語源でもあります。つまり、「recognize」は、文字通りには「再び共に知る」という意味合いを持ちます。以前に知っていたことを再び認識する、あるいは何かを別のものと区別して認識するという意味合いが、この語源から理解できます。日本語で例えるなら、「再会して『ああ、あなたでしたか!』と思い出す」ようなイメージです。以前からの知識や経験に基づいて、何かを特定・識別する行為を表す言葉として、現代英語でも使われています。
暗記法
「recognize」は単なる認識を超え、相手の価値を認め敬意を払う行為。騎士道物語では、武勲を認められることが名誉と地位を確立。芸術の世界では、才能が「recognize」されることで開花する。現代では、従業員の貢献を評価し、少数派の権利を認める意味合いも。個人の尊厳、才能の発見、社会正義…人間の根源的な欲求と結びつき、文化や社会を映す言葉。
混同しやすい単語
『recognize』と『realize』は、どちらも「〜を認識する」という意味合いを持ちますが、『recognize』が「以前から知っているものを認識する」のに対し、『realize』は「初めて理解する、悟る」という意味合いが強いです。スペルも似ており、特に語尾の -ize は共通しているため混同しやすいです。発音も最初の音が若干異なる程度なので注意が必要です。アメリカ英語ではどちらも -ize ではなく -ize で終わる点も共通しています。
『recollect』は「思い出す」という意味で、『recognize』と意味が一部重なることがあります。特に、過去の経験を「認識する」という意味で使われる場合に混同しやすいです。発音も最初の re- の部分が共通しているため、注意が必要です。ただし、スペルは大きく異なるため、注意深く見れば区別できます。
『recommend』は「推薦する」という意味で、スペルに共通する部分(特に最初の reco-)が多く、視覚的に混同しやすい単語です。発音も最初の部分が似ているため、聞き間違いにも注意が必要です。意味は全く異なるため、文脈から判断することが重要です。
『reckon』は「考える、推測する」という意味で、古い英語では「数える」という意味もありました。発音も最初の音が似ており、スペルも reco- と reck- で似ているため、混同しやすいです。特に、イギリス英語では『I reckon...』という表現がよく使われるため、意味の違いを理解しておくことが重要です。語源的には、『recognize』は「再び知る」、『reckon』は「数える」という異なる意味を持っています。
『organize』は「組織する、整理する」という意味で、語尾の -ize が共通しているため、スペルが似ていると感じやすい単語です。発音も最後の音が似ているため、聞き間違いにも注意が必要です。意味は全く異なるため、文脈から判断することが重要です。どちらも動詞として使われますが、『recognize』は認識、『organize』は組織という異なる行為を表します。
『exercise』は「運動する、練習する」という意味で、スペルの中に 'rec'が含まれているため、視覚的に『recognize』と混同しやすい場合があります。特に、急いで読んでいるときや、スペルを正確に覚えていない場合に間違いやすいです。発音も最初の音が異なるため、注意深く聞けば区別できます。
誤用例
日本人が「recognize」を「認識する」という意味で捉え、相手の状態を認める際に使いがちですが、この文脈では不自然です。「recognize」は、何かを『見覚えがある』『それと認識する』という意味合いが強く、相手の状況を理解・配慮する場合には「understand」が適切です。日本語の『認識』という言葉が持つニュアンスに引きずられやすい典型例です。より丁寧な表現としては 'I appreciate that you are busy...' も良いでしょう。
「recognize」を「(人の功績や努力などを)認める」という意味で使う場合、対象が公に認められていないと不自然に聞こえることがあります。例えば、政府が公式に功績を認める、賞を授与するなどの文脈には適しています。しかし、単に個人の努力を評価する場合には「acknowledge」の方が適切です。日本語の『認める』には、公式な承認と個人的な評価の両方の意味合いが含まれるため、誤用が生じやすいです。英語では、対象が公に認知されているか否かで動詞を使い分ける必要があります。
「recognize」は、能力や実績が伴わない場合に、自己顕示欲が強い印象を与えてしまうことがあります。リーダーとしての実力や実績が客観的に認められている状況であれば適切ですが、そうでない場合は「be seen as」を使う方が謙虚で穏当な印象を与えます。「recognize」は、どちらかというと、すでに実績がある人が『正当に評価されたい』というニュアンスを含むため、実績が伴わない場合は避けるのが無難です。 日本語の『認められたい』という願望をストレートに英語にすると、文化的背景の違いから、自己主張が強いと受け取られる可能性がある点に注意が必要です。
文化的背景
「recognize」は単に「認識する」だけでなく、相手の価値や存在を認め、敬意を払うというニュアンスを含みます。特に社会的な文脈においては、長年の努力や貢献を「recognize(評価する)」という形で、公式に、あるいは慣習的に表明することで、個人のアイデンティティやコミュニティの結束を強化する役割を果たしてきました。
中世ヨーロッパの騎士道物語では、騎士が武勲を立てた際、領主や王がその功績を「recognize」することが、騎士の名誉を高め、社会的な地位を確立する上で不可欠でした。単に事実を認識するだけでなく、その行為の価値を公に認め、賞賛することで、騎士は社会の一員としての自己肯定感を深めました。また、芸術の世界では、長らく無名だった画家や作家が、批評家やパトロンによって「recognize」されることで、初めてその才能が世に知られ、経済的な支援を得て創作活動を続けることができました。この「recognize」は、才能の発見と育成という文化的な営みにおいて、非常に重要な意味を持っています。
現代社会においても、「recognize」は単なる認識を超えた意味を持ちます。企業においては、従業員の業績や貢献を「recognize」する制度を設けることで、モチベーション向上や人材育成に繋げています。また、社会運動においては、少数派の権利や文化を「recognize」することが、多様性を尊重し、包容的な社会を築く上で不可欠です。近年では、LGBTQ+コミュニティの権利を「recognize」する動きが世界的に広まっており、法的な保護や社会的な受容を求める声が高まっています。この「recognize」は、単なる認識ではなく、社会的な正義や平等を追求する上で重要な意味を持つ言葉として、広く認識されています。
このように、「recognize」は、個人の尊厳、才能の発見、社会的な正義といった、人間の根源的な欲求や価値観と深く結びついています。単に「認識する」という訳語にとどまらず、その背後にある文化的、社会的な文脈を理解することで、「recognize」という言葉の持つ豊かな意味をより深く理解することができるでしょう。
試験傾向
1. 出題形式: 語彙問題、長文読解、リスニング。
2. 頻度と級・パート: 準1級・1級で頻出。特に長文読解。
3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、科学技術、文化など幅広いテーマ。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 「認識する」「認める」の意味の使い分け。類義語(understand, acknowledge)との区別。
1. 出題形式: Part 5 (短文穴埋め)、Part 7 (長文読解)。
2. 頻度と級・パート: 頻出。Part 7で特に重要。
3. 文脈・例題の特徴: ビジネス関連(契約、人事、マーケティングなど)。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 「取引先を認識する」「実績を認める」など、ビジネスシーン特有の文脈を理解。同義語 (identify, acknowledge) とのニュアンスの違い。
1. 出題形式: リーディング、リスニング。
2. 頻度と級・パート: リーディングセクションで頻出。
3. 文脈・例題の特徴: アカデミックな内容(歴史、科学、社会学など)。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 専門用語との関連性。文脈から意味を推測する練習。名詞形(recognition)も重要。
1. 出題形式: 長文読解、語彙問題(同意語選択、空所補充)。
2. 頻度と級・パート: 難関大学で頻出。
3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、科学、哲学など、やや硬めのテーマ。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈に応じた意味の特定。recognize A as B のような構文。派生語(recognizable, recognition)も覚える。