pulverize
第一音節にアクセントがあります。/ʌ/ は日本語の『ア』と『オ』の中間のような音で、口をリラックスさせて短く発音します。/v/ は有声の唇歯摩擦音で、上の前歯を下唇に軽く当てて息を摩擦させます。日本語の『バ』行の子音よりも唇の振動を意識しましょう。最後の /z/ は有声音なので、喉を震わせるように発音してください。
粉々にする
物理的に何かを非常に細かい粒子に分解する。石や骨などを砕くイメージ。比喩的に、組織や計画などを完全に破壊するという意味でも使われる。
She used a mortar and pestle to pulverize the spices for her curry.
彼女はカレー用にスパイスを粉々にするために、すり鉢とすりこぎを使いました。
※ この例文は、料理の準備で「材料を細かく砕く」具体的な行動を描いています。すり鉢とすりこぎでゴリゴリとスパイスを砕き、香りが広がる情景が目に浮かぶでしょう。「to pulverize」は「〜するために」という目的を表す不定詞の形で、日常生活の作業でこの単語が使われる典型的な例です。
The old building was pulverized by the powerful wrecking ball.
その古い建物は、強力な解体用鉄球によって粉々になりました。
※ この例文では、解体工事の現場で大きな鉄球が建物を打ち壊し、粉塵を上げて崩れていく様子がイメージできます。このように、大きなものが破壊されて「完全に粉々になる」状況でよく使われます。「was pulverized」は「〜された」という受動態の形で、破壊された建物が主語になる時に自然な表現です。
The strong machine can pulverize large rocks into fine powder.
その強力な機械は、大きな岩を細かい粉に粉砕することができます。
※ この例文は、工場や採石場などで「機械が非常に硬いものを徹底的に砕く能力」を描写しています。巨大な機械がゴゴゴと音を立てて、硬い岩をあっという間にサラサラの粉に変える様子を想像してみてください。「can pulverize」は「〜を粉々にする能力がある」という意味で、機械の性能や自然の力を説明する際によく使われる表現です。
打ち砕く
希望や自信、精神などを徹底的に破壊する。精神的なダメージを与えるニュアンス。
My grandma carefully pulverized the roasted coffee beans.
私のおばあちゃんは、焙煎したコーヒー豆を丁寧に粉々にしました。
※ この文は、おばあちゃんが手動のコーヒーミルで豆を挽いている情景を描写しています。部屋中にコーヒーの香りが広がる様子を想像できます。「pulverize」は、何かを細かく砕いて粉末にする、という物理的な動作によく使われます。特に食べ物や香辛料を調理のために細かくする際にぴったりです。「carefully」は「丁寧に」という意味で、動作の様子を表します。
The powerful machine began to pulverize the old concrete wall.
その強力な機械は、古いコンクリートの壁を粉々にし始めました。
※ 大きな工事現場で、重機が轟音を立てて古い壁を破壊している様子を想像してみてください。砂埃が舞い上がるような迫力が感じられます。この単語は、非常に強力な力で何かを完全に破壊したり、粉々にしたりする場面でよく使われます。建設現場や自然災害の描写で耳にすることがあります。「began to pulverize」で、「粉々にし始めた」という動作の開始を表しています。
A scientist will pulverize the rock sample for detailed analysis.
科学者は、詳細な分析のためにその岩石サンプルを粉々にするでしょう。
※ 清潔な研究室で、科学者が顕微鏡や実験器具を使い、非常に小さな岩石のかけらを精密に砕いている様子が浮かびます。知的な探求心が感じられます。科学や研究の分野で、物質を分析するために細かく砕く、という文脈でも「pulverize」は使われます。目的が明確な破壊です。「for detailed analysis」は「詳細な分析のために」と目的を説明しています。
コロケーション
完全に粉々にする、塵に変える
※ 物理的に何かを徹底的に破壊し、跡形もなく粉状にする状態を指します。比喩的には、計画や希望、あるいは人の評判などを完全に打ち砕き、消滅させる意味合いで使われます。例えば、「The enemy's army was pulverized to dust.(敵軍は粉々に打ち砕かれた)」のように用います。しばしば受動態で用いられ、破壊の徹底ぶりを強調します。文学的な表現としても用いられます。
対戦相手を徹底的に打ち負かす、圧倒する
※ スポーツ、政治、ビジネスなど、競争の場面で相手を完全に打ち負かすことを意味します。単に勝利するだけでなく、相手に反撃の余地を与えないほど圧倒的な勝利を収める状況を表します。例えば、「Our team pulverized the opposition in the final game.(我々のチームは決勝戦で対戦相手を圧倒した)」のように使われます。比喩的な意味合いが強く、口語的な場面でもよく用いられます。
岩を粉砕する
※ 文字通り、岩石を細かく砕いて粉状にすることを指します。鉱業、建設業、採石場などで実際に行われる作業を表す場合に使われます。比喩的な意味合いは薄く、具体的な物理的行為を指します。類似の表現として、'crush rock'がありますが、'pulverize'はより細かい粉状にするニュアンスがあります。
穀物を粉にする
※ 穀物を挽いて粉状にすることを指します。製粉業や食品加工業などで実際に行われる作業を表す場合に使われます。小麦、米、トウモロコシなどの穀物を粉にして、パン、麺、トルティーヤなどの食品の原料として利用します。比喩的な意味合いは薄く、具体的な物理的行為を指します。関連語として、'grind grain'がありますが、'pulverize'はより細かい粉末にするイメージです。
粉末状にする
※ 何かを粉末状の物質に変える行為を指します。この表現は、対象物が完全に粉末になるプロセスを強調します。例えば、スパイスを粉末状にする場合や、薬品を製造する過程で用いられます。また、比喩的に、考えや感情が押しつぶされて無力化される状況を表すこともあります。「His hopes were pulverized into powder.(彼の希望は打ち砕かれて粉々になった)」のように使われます。
使用シーン
学術論文、特に工学や化学分野で、物質を粉砕する過程や、データ分析で極端な値を処理する際に「データを粉々にする」比喩として使用されることがあります。例:『サンプルを粉砕し、成分を分析した』、『外れ値を粉砕することで、モデルの精度が向上した』といった文脈です。
ビジネスシーンでは、比喩表現として、競争相手を打ち負かす、計画を徹底的に見直すといった意味合いで使われることがあります。例:『競合他社を粉砕するマーケティング戦略』、『古いシステムを粉砕し、再構築する必要がある』のように、やや誇張された表現として用いられます。フォーマルな場面では避けるべきです。
日常会話ではほとんど使われませんが、ニュース記事やドキュメンタリーなどで、自然災害や事故の被害状況を説明する際に「家屋が粉々に砕け散った」といった形で使われることがあります。また、ゲームやフィクション作品の中で、敵を倒すシーンで使われることもあります。例:『津波がすべてを粉砕した』、『必殺技で敵を粉砕する』といった文脈です。
関連語
類義語
『押しつぶす』『粉砕する』という意味で、物理的に強い力を加えて対象を変形・破壊する場面で使われる。日常会話からニュース記事まで幅広く使われる。 【ニュアンスの違い】『pulverize』よりも一般的な語彙で、対象を完全に粉末状にするニュアンスは薄い。感情的な意味合い(希望を打ち砕くなど)でも使われる。 【混同しやすい点】『crush』は物理的な破壊だけでなく、感情的な打撃も表せる点が『pulverize』との大きな違い。『pulverize』はより限定的に物理的な粉砕を意味する。
『(穀物などを)挽く』『研ぐ』という意味で、粉状になるまで細かくする動作を表す。料理、工業、摩擦などの文脈で使われる。 【ニュアンスの違い】『pulverize』が爆発的な力で粉砕するイメージなのに対し、『grind』は持続的な力で細かくするイメージ。コーヒー豆を挽く、レンズを研磨するなど、具体的な行為を指す場合が多い。 【混同しやすい点】『grind』は自動詞としても使われる(例:歯ぎしりをする)。『pulverize』は基本的に他動詞であり、自動詞として使われることは稀である。
『粉々にする』『叩き壊す』という意味で、衝撃的な破壊行為を表す。事故、スポーツ、怒りなどの場面で使われる。 【ニュアンスの違い】『pulverize』よりも破壊の規模が大きく、制御不能な印象を与える。感情的な高ぶりを伴う場合が多い。 【混同しやすい点】『smash』は可算名詞としても使われ(例:a car smash)、『pulverize』は動詞としてのみ使われる。また、テニスやバドミントンのスマッシュなど、特定のスポーツ用語としても使われる。
『粉砕する』『打ち砕く』という意味で、ガラスのように硬くてもろいものが砕け散る様子を表す。物理的な破壊だけでなく、希望や夢が打ち砕かれる比喩表現としても使われる。 【ニュアンスの違い】『pulverize』よりも対象が特定されており、破片が飛び散るイメージが強い。また、精神的なダメージを表す際にも使われる。 【混同しやすい点】『shatter』は比喩表現として使われる頻度が高く、希望、夢、自信などを『shatter』する用法は一般的。『pulverize』は比喩表現としてはあまり使われない。
『粉にする』という意味で、物質を細かい粒子状にする行為を指す。化粧品、薬品、食品などの分野で使われる。 【ニュアンスの違い】『pulverize』よりも穏やかな表現で、意図的に粉末状にするニュアンスが強い。また、『powder』自体が名詞として「粉」という意味を持つ。 【混同しやすい点】『powder』は動詞としても名詞としても使われるが、『pulverize』は基本的に動詞としてのみ使われる。また、『powder』は化粧品やベビーパウダーなど、特定の種類の粉を指す場合もある。
『取り壊す』『破壊する』という意味で、建物や構造物を組織的に破壊する行為を指す。建設、戦争、災害などの文脈で使われる。 【ニュアンスの違い】『pulverize』が対象を粉々にするのに対し、『demolish』は構造物全体を破壊するイメージ。計画的な破壊を意味することが多い。 【混同しやすい点】『demolish』は建物など、比較的大きな構造物に対して使われることが多い。『pulverize』はより小さな対象を粉砕する際に使われる。
派生語
- pulverization
『粉砕』『粉末化』を意味する名詞。動詞『pulverize』に名詞化接尾辞『-ation』が付いた形。学術論文や技術文書で、物質の加工プロセスや状態を表す際に用いられる。比喩的に、組織やシステムを徹底的に破壊・解体する意味でも使われる。
- pulverizable
『粉砕可能な』『粉末にできる』という意味の形容詞。動詞『pulverize』に形容詞化接尾辞『-able』が付いた形。物質の特性を説明する技術文書や科学論文で用いられる。例えば、『この物質は容易にpulverizableである』のように使われる。
語源
"Pulverize(粉々にする、打ち砕く)"は、ラテン語の"pulverizare"(粉にする)に由来します。これはさらに"pulvis"(粉、塵)という語から派生しています。"Pulvis"は、まさに私たちがイメージするような細かい粒子、粉末を意味し、これが動詞化されて"pulverizare"となり、「粉状にする」「粉々に砕く」という意味合いを持つようになりました。英語の"pulverize"はこのラテン語の動詞を直接受け継ぎ、物理的に何かを粉砕するだけでなく、比喩的に計画や希望などを打ち砕く、という意味でも用いられます。例えば、建設現場で岩を"pulverize"する、あるいは、試合で相手チームを"pulverize"するといった表現が可能です。"粉"というイメージから、破壊のニュアンスを連想すると記憶に残りやすいでしょう。
暗記法
「pulverize」は、単なる破壊以上の意味を持つ言葉。爆撃で都市が「pulverized」される時、それは生活基盤と希望の崩壊を意味します。社会不正で精神が「pulverized」されるなら、尊厳と自由が奪われた状態。文学では、トラウマで「pulverized」される主人公が、心の傷を読者に刻みます。現代では、過労で人が「pulverized」され、SNSで個人が「pulverized」される。この言葉は、社会の暗部と人間の脆弱さを映し出すのです。
混同しやすい単語
発音が似ており、特に語尾の 'ize' の部分が共通しているため混同しやすい。『polarize』は『両極化させる』という意味の動詞で、意味も全く異なる。スペルも似ているため、文脈で判断する必要がある。カタカナ英語の『ポラライズ』が『(光などを)偏光させる』という意味で使われることもあり、さらに混乱しやすい。
こちらも語尾が 'ize' で終わるため、発音の類似性から混同しやすい。『popularize』は『普及させる』という意味の動詞。スペルも似ているため、意味の違いを意識して区別することが重要。'popular'(人気のある)という形容詞との関連を理解すると覚えやすい。
『pull』という単語が共通しており、発音も似ているため混同しやすい。『pullover』は『(頭から)かぶるセーター』という意味の名詞。動詞と名詞の違い、そして意味の違いを意識する必要がある。衣服の種類を表す単語であることを覚えておくと良い。
prescribeとpulverizeはどちらも複数の音節からなる単語で、強勢の位置が異なるものの、発音の構造が似ているため、特にリスニング時に混同しやすい。prescribeは『処方する』または『規定する』という意味であり、文脈が大きく異なる。語源的には、prescribeは「前もって書く」という意味合いがあり、医者が薬を処方する際に用いられる。pulverizeとは全く異なる語源を持つ。
こちらも語尾が 'ize' で終わる動詞であり、発音の類似性から混同しやすい。『privatize』は『民営化する』という意味。現代社会で頻繁に使われる単語なので、意味をしっかり覚えておくことが重要。'private'(私的な)という形容詞との関連を理解すると、意味を推測しやすくなる。
realizeも語尾が'ize'で終わる単語であり、発音の類似性から混同しやすい。『realize』は『悟る』、『実現する』という意味の動詞。スペルも似ているため、文脈で判断する必要がある。特に「悟る」という意味で使われる場合、抽象的な概念を表すため、意味の違いを意識して区別することが重要。
誤用例
『Pulverize』は文字通りには『粉々にする』という意味で、比喩的に『徹底的に打ち砕く』という意味も持ちますが、芸術作品の批評に対して使うと、やや過剰で暴力的な印象を与えます。日本語の『酷評する』という言葉に引きずられて、つい強い言葉を選んでしまいがちですが、英語では『dissect(解剖する)』のように、冷静かつ詳細に分析・批判するニュアンスの語を選ぶ方が、より客観的で知的な印象を与えます。特に芸術や知的活動の文脈では、感情的な激しさよりも、論理的な深さを重視する傾向があります。
『Pulverize』は、対象が完全に破壊され、原型をとどめなくなる状態を指します。株価が暴落した場合でも、会社自体が消滅するわけではないため、『pulverize』は不適切です。より適切な表現は『plummet(急落する)』です。日本人は、『粉々にする』という言葉から、株価が『めちゃくちゃになった』というイメージで『pulverize』を選んでしまいがちですが、英語では、株価の変動には特定の動詞が用いられます。また、『pulverize』は、抽象的な概念よりも、具体的な物体に対して使われることが多いです。
『Pulverize』は、相手を物理的に打ちのめす、あるいは(比喩的に)人格や尊厳を傷つけるようなニュアンスを含みます。ディベートの文脈では、相手の人格攻撃ではなく、論理的な誤りを指摘し、議論を打ち破ることを目指すべきです。そのため、『dismantle(解体する)』のように、冷静かつ論理的に相手の主張を分析し、矛盾点を明らかにするというニュアンスの語を選ぶ方が適切です。日本語の『論破する』という言葉に引きずられて、つい強い言葉を選んでしまいがちですが、英語では、知的な議論においては、相手への敬意を払いながら、論理的な正当性を追求することが重要です。
文化的背景
「pulverize(粉々にする)」という言葉は、単に物理的な破壊を表すだけでなく、権力や抑圧による徹底的な破壊、あるいは精神的な崩壊といった、より深い意味合いを帯びることがあります。特に、社会的な不正や個人の精神的な苦悩を描写する際に、その破壊の徹底さを強調する比喩として用いられることが多いです。
この言葉は、歴史的な文脈において、戦争や自然災害といった大規模な破壊行為を表現する際に頻繁に用いられてきました。例えば、都市が爆撃によって「pulverized」されたという表現は、単に建物が倒壊しただけでなく、人々の生活基盤や希望が根こそぎ破壊されたことを示唆します。また、比喩的な意味合いでは、社会的な不正や抑圧によって個人の精神が「pulverized」されるといった表現も用いられます。これは、権力や暴力によって個人の尊厳や自由が徹底的に奪われ、精神的に打ちのめされる状態を意味します。
文学作品においても、「pulverize」は、登場人物の感情や物語のテーマを強調するために効果的に用いられています。例えば、ある小説において、主人公が過去のトラウマによって「pulverized」されるという描写は、その人物が抱える深い心の傷や苦悩を読者に強く印象づけます。また、社会批判的な作品においては、権力者が弱者を「pulverize」する様子を描写することで、社会の不条理や不正を浮き彫りにします。映画においても同様に、視覚的な破壊シーンと組み合わせて「pulverize」という言葉を用いることで、観客に強烈な印象を与えることができます。
現代社会においては、「pulverize」は、競争社会における個人の疲弊や、情報過多による精神的な圧迫を表現する際にも用いられます。例えば、過酷な労働環境によって従業員が「pulverized」されるという表現は、現代社会における労働問題やストレスを象徴的に示しています。また、SNSでの誹謗中傷によって個人が「pulverized」されるという状況は、インターネット社会における新たな問題点を提起しています。このように、「pulverize」は、単なる物理的な破壊を超えて、現代社会の様々な問題や個人の精神的な苦悩を表現するための重要な言葉として、その意味合いを深めています。
試験傾向
この単語が英検で直接問われる頻度は低いですが、準1級以上の長文読解で、比喩的な意味合いで使われることがあります。語彙問題で直接問われる可能性は低いですが、文章の内容理解を深める上で知っておくと役立ちます。
TOEICでは、この単語がビジネスの文脈で使われることは稀です。Part 5や6の語彙問題で出題される可能性は低いと考えられます。しかし、科学技術関連の文書では、まれに登場する可能性があります。
TOEFLのアカデミックな文章では、自然科学や社会科学系の読解文で、比喩表現として使われることがあります。科学的なプロセスや、社会的な構造が破壊される様子を説明する際に用いられることがあります。動詞としての用法を理解しておくことが重要です。
大学受験の長文読解では、難関大学を中心に、比喩的な意味で出題されることがあります。特に、社会問題や歴史的な出来事を扱った文章で、組織や制度が崩壊する様子を表す際に使われることがあります。文脈から意味を推測する練習をしておくことが重要です。