people
母音 /iː/ は日本語の「イー」よりも長く発音し、口角を左右に引きます。語尾の /pl/ は、唇を閉じて破裂させずに終わる(内破音)のがポイント。日本語話者はつい母音を足して「ピープル」と言ってしまいがちですが、息を止めるように意識するとより自然になります。
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人々
特定の場所、国、コミュニティ、またはグループに属する個々の人間を指す最も一般的な意味。集合的な意味合いが強く、漠然とした『人』ではなく、具体的な集団をイメージさせる。
Many people were enjoying the sunny day in the park.
多くの人々が公園で晴れた日を楽しんでいました。
※ この例文では、公園という公共の場で、老若男女がそれぞれリラックスして過ごしている情景が目に浮かびます。「多くの人々」と、不特定多数の人が楽しんでいる様子が伝わります。 「people」は「人々」という意味で、常に複数扱い(単数形はありません)。そのため、動詞は「were」(過去形)や「are」(現在形)のように複数形に合わせます。
The people at the concert sang along loudly.
コンサートにいた人々は大きな声で一緒に歌いました。
※ 熱気に包まれたコンサート会場で、観客が一体となって歌っている活気ある場面を想像できます。「the people at the concert」のように、特定の場所やイベントに集まっている人々を指す際によく使われる表現です。まるで自分がその場にいるかのように感じられますね。 「the people」のように「the」が付くことで、その場にいる特定のグループの人々を指すニュアンスが強くなります。
Good people always try to help others in need.
良い人々はいつも困っている人を助けようとします。
※ 誰かが困っているのを見て、ためらわずに手を差し伸べる優しい人々の姿が思い浮かびます。この文は、「人々」の一般的な性質や行動、つまり社会的な規範や価値観について述べる典型的な使い方です。「Good people」(良い人々)のように形容詞を付けて、どのような種類の人々かを表現することも非常に多いです。 このように、一般的な事実や習慣、考え方を述べるときにも「people」はよく使われます。
国民
特定の国に属する人々、または共通の文化、歴史、言語を共有する人々を指す。政治的、民族的な意味合いを含む場合がある。
The people hoped for a better future from their new leader.
国民は新しいリーダーに、より良い未来を望みました。
※ 新しいリーダーが選ばれ、国民が「この人ならきっと良くしてくれる」と期待に胸を膨らませている、希望に満ちた場面を想像してください。「the people」と定冠詞が付くことで、「特定の国の国民全体」というニュアンスが強まります。政治や社会の文脈でよく使われる典型的な表現です。「hope for B from A」で「AからBを望む」という形です。
The people of this country are proud of their long history.
この国の国民は、その長い歴史を誇りに思っています。
※ 美術館や歴史的な場所を訪れた際に、その国の国民が「私たちの国にはこんなに素晴らしい歴史があるんだ」と胸を張っている様子が目に浮かびます。「the people of [場所/国]」という形で、「~の国民」と具体的に指し示す際によく使われます。国民が持つ共通の感情や特徴を表すのに適しています。「be proud of ~」は「~を誇りに思う」という意味の重要なフレーズです。
When the crisis hit, the people united to support each other.
危機が訪れた時、国民は互いを支え合うために団結しました。
※ 災害や経済危機など、困難な状況に直面した際に、国民一人ひとりが手を取り合い、「みんなで乗り越えよう」と心を一つにする、感動的な場面を想像できます。「国民」が共通の困難に立ち向かい、協力し合う様子を描写する際によく使われる表現です。「united」は「団結した」という意味で、国民の連帯感を強く表します。「each other」は「お互いに」という意味で、二者以上が互いに行動し合う状況で使われます。
住民
特定の地域、都市、村などに住んでいる人々を指す。コミュニティの一員としての意味合いが強い。
The people in our town were excited to see the new park open.
私たちの町の住民たちは、新しい公園がオープンするのを見てわくわくしていました。
※ 新しい公園ができて、町の人々が楽しみにしているワクワクした気持ちが伝わりますね。「people in a town/city/village」のように、「〜の町に住む人々=住民」という形でよく使われます。「people」は「人々」という意味で複数形として扱われるため、動詞は「were」のように複数形になります。
The people living in this old apartment building know each other very well.
この古いアパートに住んでいる人々は、お互いをとてもよく知っています。
※ 古いアパートで、住民同士が家族のように親しくしている様子が目に浮かびます。「people living in a building/area」のように、特定の建物や地域に「住んでいる人々」という意味で「住民」を表すのにぴったりです。「living in...」は「〜に住んでいる」という意味で、直前のpeopleを説明しています。
The local people on the island always greet visitors with a warm smile.
その島の地元の人々(住民)は、いつも温かい笑顔で訪問者を迎えます。
※ 温かい笑顔で迎えてくれる島の住民たちの優しさが伝わってきますね。「people on an island/planet」のように、特定の場所の「人々=住民」を表すときに使われます。特に「local people」とすると「地元の人々」という意味になり、より「住民」のニュアンスが強まります。「greet A with B」は「AをBで迎える」という表現です。
コロケーション
誰とでも打ち解けられる人、人当たりの良い人
※ 『人と接することが得意で、社交的な人』を指す口語表現です。ビジネスシーンでも、特に顧客対応やチームワークが重視される職種で高く評価される資質として用いられます。単に社交的というだけでなく、相手の気持ちを理解し、良好な人間関係を築けるニュアンスが含まれます。 "He's a real people person"(彼は本当に人当たりの良い人だ)のように使われます。
仲間、同じような境遇の人々、自分のコミュニティ
※ 文字通りには「私の人々」ですが、特定のグループやコミュニティへの帰属意識を表すインフォーマルな表現です。民族、出身地、趣味、職業など、共通のアイデンティティを持つ人々を指します。例えば、ある分野の研究者が「These are my people」(これこそ私の仲間だ)と言うように使われます。親近感や共感を強調する際に用いられます。
一般大衆、庶民
※ 貴族や特権階級に対する、社会の大多数を占める普通の人々を指すやや古風な表現です。政治や社会に関する議論で、しばしば政策が「一般の人々」に与える影響を論じる際に用いられます。"The government should prioritize the needs of the common people."(政府は一般庶民のニーズを優先すべきだ)のように使われます。より現代的な表現としては "ordinary people" や "average citizens" があります。
有色人種
※ 白人以外のすべての人々を指す言葉で、特に人種差別や社会的不公正の問題を議論する際に用いられます。より具体的に人種を特定することを避ける場合や、複数の人種グループをまとめて言及する場合に使用されます。ただし、この表現自体が批判の対象となることもあり、文脈によってはより適切な表現(例えば、具体的な人種グループ名)を選ぶ必要があります。
対人能力、コミュニケーション能力
※ 効果的に他人とコミュニケーションを取り、良好な関係を築く能力を指します。ビジネスシーンで特に重要視され、採用選考や人事評価の際に重視される要素の一つです。リーダーシップ、交渉力、共感性など、さまざまなスキルを含みます。 "Good people skills are essential for this job."(この仕事には高い対人能力が不可欠だ)のように使われます。
人民革命、民衆蜂起
※ 抑圧された人々が既存の権力構造を打倒するために起こす革命を指します。歴史的な出来事や政治的な文脈でよく用いられ、社会変革を求める強い意志を表します。しばしば、自由、平等、正義といった理想を掲げて行われます。"The French Revolution was a people's revolution."(フランス革命は人民革命だった)のように使われます。
国民の選択、国民が選んだ
※ 選挙や投票などによって、国民または大衆によって選ばれた人や物を指します。政治的な文脈でよく用いられ、正当性や支持の広さを強調する際に使用されます。"He is the people's choice for president."(彼は国民が選んだ大統領だ)のように使われます。この表現は、民主主義的なプロセスを経て選ばれたという事実を強調します。
使用シーン
学術論文や研究発表で頻繁に使用される。特に社会科学系の分野では、研究対象となる集団を指す際に不可欠。例:「調査の結果、若年層の約7割が〜と回答した(About 70% of young people responded that...)」のように、統計データと共に用いられることが多い。文語的で客観的な記述が求められる場面で用いられる。
ビジネス文書や会議などで、顧客、従業員、関係者など、特定の集団を指す際に使用される。例:「今回のプロジェクトは、より多くの人々に貢献することを目的としています(This project aims to contribute to more people.)」のように、対象範囲を広げたい場合に便利。フォーマルな文脈で使用されるが、日常会話でも違和感はない。
日常会話で「人々」を指す一般的な言葉として広く使われる。例:「あの人たちはいつも楽しそうだね(Those people always seem to be having fun.)」のように、特定の集団を指す場合や、「最近の若い人たちは〜(Young people these days...)」のように、漠然とした人々を指す場合など、様々な場面で用いられる。口語的でカジュアルな表現。
関連語
類義語
- persons
『人』を意味するフォーマルな表現。法律、政府関連文書、統計などで使用されることが多い。 【ニュアンスの違い】『people』が集合的な意味合いを含むのに対し、『persons』は個々の人をより明確に区別するニュアンスがある。フォーマルな文脈や、正確性が求められる場合に適している。 【混同しやすい点】日常会話ではほとんど使われない。『people』の複数形と誤解されやすいが、単数形『person』のフォーマルな複数形である。
- individuals
『個々人』を強調する表現。社会学、心理学、ビジネスなど、個人の特性や権利を重視する文脈で使用される。 【ニュアンスの違い】『people』がグループや集団を指すのに対し、『individuals』は一人ひとりの個性、独立性、自律性を強調する。統計データやアンケート結果を分析する際などにも用いられる。 【混同しやすい点】『people』よりもフォーマルで、客観的な印象を与える。感情的なニュアンスは少ない。集合的な意味合いは薄い。
特定の地域や国、グループに属する『人口』を指す。統計、地理、生物学などの分野で用いられる。 【ニュアンスの違い】『people』が一般的な人々を指すのに対し、『population』は特定の範囲に属する人々の総数を指す。年齢構成、民族構成など、統計的な情報と結び付けて使われることが多い。 【混同しやすい点】特定の集団の規模を表す場合にのみ使用可能。個々の人ではなく、集団全体の傾向や特徴を議論する際に適している。
- folks
『皆さん』『人々』を意味するカジュアルな表現。主にアメリカ英語で使用され、親しみやすさやインフォーマルな雰囲気を出す。 【ニュアンスの違い】『people』よりもくだけた言い方で、親近感や連帯感を強調する。友人や家族、地域住民など、身近な人々に対して使われることが多い。 【混同しやすい点】フォーマルな場面やビジネスシーンでは不適切。特に初対面の人や目上の人に対しては避けるべき。イギリス英語ではあまり一般的ではない。
共通の場所、利害、特徴を共有する『共同体』『地域社会』を指す。社会学、都市計画、環境問題などの文脈で使用される。 【ニュアンスの違い】『people』が単なる人々の集まりを指すのに対し、『community』は人々が互いに関係性を持ち、協力し合う集団を指す。共通の価値観や目標を共有していることが前提となる。 【混同しやすい点】地理的な場所だけでなく、オンラインコミュニティなど、共通の関心事を持つ人々の集まりも指す。単なる人々の集団ではなく、相互作用や協力関係が重要。
一般の人々、大衆を指す。政治、経済、広報など、社会全体に関わる事柄を議論する際に用いられる。 【ニュアンスの違い】『people』よりも漠然とした、不特定多数の人々を指す。政府や企業などが、社会全体に向けて情報発信する際などによく用いられる。 【混同しやすい点】特定の個人やグループではなく、社会全体を意識した表現。プライベートな事柄ではなく、公共性のある事柄について言及する際に適している。
派生語
『人々を住まわせる』『居住する』という意味の動詞。ラテン語の『populus(人々)』に由来し、『-ate』が付いて動詞化。ある地域に人々が住むようにするという意味合いで、地理学や生態学、歴史学などの学術的な文脈でよく用いられます。また、コンピューター用語でデータベースにデータを『投入する』という意味でも使われます。
『人口』『住民』という意味の名詞。『populate』の名詞形であり、ある地域に住む人々の総数を指します。統計、社会学、生物学など幅広い分野で使用され、ニュースや政府の報告書でも頻繁に登場します。単に人の数だけでなく、特定のグループ(例:高齢者人口)を指すこともあります。
『人気のある』『大衆的な』という意味の形容詞。元々は『人々に受け入れられる』という意味合いから派生し、人々が好む、広く知られているという意味に変化しました。日常会話からビジネス、メディアまで幅広く使用され、非常に一般的な語です。音楽、映画、ファッションなど、さまざまな分野で用いられます。
反意語
『誰も〜ない』という意味の代名詞。単数の人を指し、集団である『people』とは対照的です。日常会話で『重要人物ではない人』という意味で使われることもあります。文脈によっては、匿名性や無名性を強調するニュアンスを含みます。
『個人』という意味の名詞。集団としての『people』とは対照的に、個々の存在を強調します。法律、倫理、心理学など、さまざまな分野で使用され、『個人の権利』のように重要な概念を表す際に用いられます。集団よりも個を重視する文脈で特に重要になります。
『孤独』という意味の名詞。『people』が人々の集まりを指すのに対し、『loneliness』は人との繋がりが欠如した状態を表します。心理学や社会学で研究対象となることが多く、個人の精神的な状態を表す際に用いられます。比喩的に、組織や国が孤立している状態を表すこともあります。
語源
"People」は、古フランス語の「peupel」(人々、国民)に由来し、さらに遡るとラテン語の「populus」(人々、国民、民族)に行き着きます。「populus」は、元々「軍隊」や「集団」といった意味合いを持っており、それが次第に「人々」や「国民」という概念へと発展しました。日本語で例えるなら、「民(たみ)」という言葉が、単なる個人を超えて、社会や国家を構成する人々全体を指すのと同じような変遷です。つまり、「people」という単語は、個々の人間が集まり、社会や共同体を形成するという、人類の根源的な営みを反映していると言えるでしょう。歴史や社会構造を学ぶ上で、「people」という単語の語源を知ることは、私たちがどのように集団を形成し、社会を築いてきたのかを理解する一助となるはずです。
暗記法
「people」は単なる複数形ではない。文化、歴史、運命を共有する人々の集団を指し、連帯と帰属意識を宿す言葉だ。民主主義の根幹を成し、「人民」としての政治的な重みと、親密な人間関係を内包する。アメリカ独立革命のスローガン「We the People」は、人民主権の象徴。文学では、抑圧された人々が団結し、権力に立ち向かう姿が描かれる。グローバル化時代、「people」は国境を超えた連帯を意味する一方、排他的な意味合いも孕む。背景を理解し、慎重に扱いたい。
混同しやすい単語
『people』と『purple』は、どちらも二音節の単語であり、最初の音(/pɜːr/と/piː/)が似ているため、特にリスニング時に混同しやすいです。 'people' は『人々』を意味する名詞ですが、'purple' は『紫色』を意味する形容詞または名詞です。 日本人学習者は、母音とLの有無に注意して発音を聞き分ける必要があります。また、語源的には、'purple' は古代ギリシャ語の『ポーフィラ(πορφύρα)』に由来し、貝から取れる高価な紫色の染料を指していました。
『people』と『pupil』は、発音の最初の部分が似ていますが、アクセントの位置が異なります。『people』は最初の音節にアクセントがありますが、『pupil』は二番目の音節にアクセントがあります。 'people' は『人々』、'pupil' は『生徒』または『瞳孔』を意味します。スペルも似ているため、文脈で意味を判断することが重要です。特に、医学系の文章では『瞳孔』の意味で頻繁に登場します。
『people』と『pebble』は、最初の音と音節数が似ています。 'people' は複数形を意味する単語ですが、'pebble' は『小石』を意味する名詞です。スペルも似ているため、注意が必要です。語源的には、'pebble' は古英語の『pæbbel』に由来し、小さな丸い石を指します。
『repeal』は『(法律などを)廃止する』という意味の動詞で、発音の最初の部分が『people』と似ています。特に、発音練習を始めたばかりの学習者は、母音の発音の違いを聞き分けるのが難しい場合があります。スペルも似ているため、文脈で判断する必要があります。法律や政治に関するニュースなどで頻繁に登場する単語です。
『populate』は『(場所)に住む』という意味の動詞で、発音の最初の部分が『people』と似ています。また、『people』に関連する単語であるため、意味的にも混同しやすい場合があります。 'people' が名詞であるのに対し、'populate' は動詞である点に注意が必要です。地理や人口統計に関する文章でよく使われます。
『apple』は『りんご』という意味の名詞で、全く異なる意味を持ちますが、二音節であり、最初の音が似ているため、特に発音練習の初期段階で混同しやすい場合があります。 特に、カタカナ英語で『アップル』と発音する癖がある場合、英語の /æpl/ の発音との違いを意識する必要があります。
誤用例
日本語の『人々』という言葉に引きずられ、集合名詞である『people』を安易に複数形として捉えてしまう誤用です。『people』は原則として複数扱いですが、すでに複数形であるため、さらに複数形の『peoples』とはしません。ただし、民族や国民を指す場合は『peoples』が使われることもあります。ここでは、漠然と『人々』というよりも、その町に住む『住民』という意味合いが強いため、『residents』を使う方がより適切です。また、この文脈では『folks』も使えます。教養ある大人の会話では、より具体的な表現を心がけることで、意図が明確になり、誤解を避けることができます。
『people's』は『人々の』という意味の所有格ですが、後ろに続く名詞が可算名詞の場合、複数形でなければ不自然です。ここでは『人々の問題』なので、当然ながら問題は一つではなく複数存在すると考えるのが自然です。日本人は、英語の可算・不可算名詞の区別があいまいになりがちで、単数形・複数形の使い分けを誤ることがよくあります。また、よりフォーマルな場面では、『the problems of the people』と表現することもできます。この場合、『of』を使うことで、所有関係をより明確にすることができます。
この誤用は、『people』を単数形の名詞として扱ってしまっていることが原因です。『people』は通常、集合名詞として複数扱いされるため、単数形として使用することはできません。ここでは、『彼はただの人だ』と言いたいので、『an ordinary person』や『just a person』のように表現するのが適切です。日本人は、『people』が常に複数形であるという認識が薄いため、このような誤りを犯しやすいと考えられます。また、英語では、人を評価する際に、その人の個性や特性を重視する傾向があるため、『ordinary person』という表現は、必ずしもネガティブな意味合いを持つわけではありません。状況によっては、謙遜や親しみを込めた表現として使われることもあります。
文化的背景
「people」は単なる「人々」ではなく、共通の文化、歴史、運命を共有する集合体としての人間を指し示す、強い連帯感と帰属意識を伴う言葉です。民主主義の根幹をなす概念であり、「人民」という言葉が持つ政治的な重みと、日々の生活における親密な人間関係の両方を内包しています。
「people」という言葉が持つ連帯意識は、歴史的な文脈の中で育まれました。中世の封建社会においては、領主と農民、ギルドのメンバーなど、それぞれの集団が「people」として認識され、共通の利益のために結束しました。近代に入ると、国民国家の成立とともに、「nation」と結びつき、「国民」としての意識が形成されました。アメリカ独立革命のスローガン「We the People」は、まさにこの連帯意識の象徴であり、国家の主権が人民にあることを高らかに宣言しました。このスローガンは、民主主義の理想を体現するものとして、現代においても広く引用されています。
文学や映画においても、「people」はしばしば重要な役割を果たします。例えば、ディストピア小説では、抑圧された「people」が団結して権力に立ち向かう姿が描かれます。これは、「people」が持つ潜在的な力と、自由への渇望を象徴しています。また、感動的なヒューマンドラマでは、困難な状況下で助け合う「people」の姿が、人間の優しさや連帯の重要性を教えてくれます。映画『ライフ・イズ・ビューティフル』では、強制収容所という極限状態の中で、父親が息子を守り抜こうとする姿が描かれていますが、これはまさに「people」としての愛情と勇気の象徴と言えるでしょう。
現代社会においては、「people」という言葉は、多様な意味合いを持つようになりました。グローバル化が進む中で、「people」は、国境や文化を超えた連帯を意味するようにもなっています。ソーシャルメディアを通じて、共通の関心を持つ「people」が繋がり、社会的なムーブメントを起こすことも珍しくありません。しかし、同時に、「people」という言葉は、排他的な意味合いを持つこともあります。自国民を優先するナショナリズムや、特定の属性を持つ人々を排除する差別的な言動は、「people」という言葉の持つ負の側面と言えるでしょう。したがって、「people」という言葉を使う際には、その背景にある文脈を理解し、慎重に扱う必要があります。
試験傾向
- 出題形式: 主に長文読解、語彙問題。稀にリスニング。
- 頻度と級・パート: 2級以上で頻出。準1級・1級ではより複雑な文脈で登場。
- 文脈・例題の特徴: 社会問題、文化、歴史など幅広いテーマで登場。フォーマルな文脈が多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: 可算名詞であること、複数形であることに注意。集合名詞としての用法も理解しておく。
- 出題形式: Part 5, 6, 7(読解問題)で頻出。
- 頻度と級・パート: 全パートで登場する可能性あり。Part 7の長文読解で特に重要。
- 文脈・例題の特徴: ビジネスレター、Eメール、記事などビジネス関連の文脈で使用される。
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する練習が重要。「従業員」「顧客」など具体的な意味で使われることが多い。
- 出題形式: リーディングセクションで頻出。ライティングセクションでも使用。
- 頻度と級・パート: リーディングの長文、ライティングのIndependent Essayで頻出。
- 文脈・例題の特徴: アカデミックな内容(科学、歴史、社会学など)の文章で、フォーマルな文脈で使用される。
- 学習者への注意点・アドバイス: 「人々」「人類」など抽象的な意味で使われることが多い。文脈に応じた適切な訳語を選ぶ必要がある。
- 出題形式: 長文読解問題で頻出。和訳問題、内容説明問題でも問われる。
- 頻度と級・パート: 難関大学ほど頻出。標準的なレベルの大学でも必ず登場。
- 文脈・例題の特徴: 評論文、物語文など幅広いジャンルで登場。社会問題や文化に関するテーマが多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する力が必要。「人々」「国民」「一般の人々」など、文脈によって意味が異なることに注意。