popular
第一音節に強勢があります。/ɑː/ は日本語の「ア」よりも口を大きく開け、喉の奥から出すイメージです。/pj/ は「ピュ」に近いですが、唇を丸めすぎないように注意しましょう。最後の /ər/ は曖昧母音で、舌を軽く丸めて発音します。日本語の「アー」と「ウ」の中間のような音を意識すると良いでしょう。
人気者
多くの人に好かれている状態。人、場所、物など幅広い対象に使われ、愛着や支持を集めているニュアンスを含む。単に「有名」なだけでなく、ポジティブな感情を伴う点が特徴。
My sister is very popular at school because she is kind to everyone.
私の妹は誰にでも親切なので、学校でとても人気があります。
※ この例文からは、学校で妹さんがみんなに優しく接していて、周りの生徒たちに慕われている様子が目に浮かびますね。人が「人気がある」という時に最もよく使われる、シンプルで自然な表現です。「be popular」で「人気がある」という状態を表し、「because」でその理由を説明できます。
This bakery's apple pie is so popular that people always line up to buy it.
このパン屋さんのアップルパイはとても人気なので、いつも人が列を作って買っています。
※ パン屋さんの前で、焼きたてのアップルパイを求めてお客さんが長い列を作っている様子が目に浮かびます。商品や食べ物が「とても人気がある」ことを、具体的な行動(列に並ぶ)で示す際によく使われる表現です。「so popular that...」は、「とても人気なので、…という結果になる」という原因と結果を表す便利な形です。
The local park is very popular for families to have picnics on sunny weekends.
地元の公園は、晴れた週末に家族がピクニックをするのにとても人気があります。
※ 晴れた週末、近所の公園が家族連れで賑わい、あちこちでピクニックを楽しむ声が聞こえてくるようです。特定の場所が、特定の活動や目的のために「人気がある」ことを示す際によく使われます。「popular for [目的/活動]」のように、何に人気があるのかを明確にできます。
普及している
広く一般に知られ、使われている状態。アイデア、技術、習慣など、社会に浸透しているものに対して使われる。広がりと定着の両方のニュアンスを含む。
This new tea became very popular among students after school.
この新しいお茶は、放課後、学生たちの間でとても人気になりました。
※ カフェで、放課後に学生たちが新しいお茶を注文し、楽しそうに話している情景が目に浮かびますね。「popular among (人々)」は「(特定の人々の)間で人気がある」という定番の言い方です。ここでは「人気になった」という変化を表すために 'became' を使っています。
Many children enjoy playing this popular video game every day.
多くの子どもたちが、この人気のあるビデオゲームを毎日楽しんでいます。
※ リビングで、子どもたちが目を輝かせながら、コントローラーを握って夢中になってゲームをしている様子が想像できます。「popular + 名詞」で「人気のある~」と、具体的なものを修飾する典型的な使い方です。「enjoy playing」で「遊ぶことを楽しむ」という表現も一緒に覚えましょう。
This park is a popular place for walking on sunny weekends.
この公園は、晴れた週末に散歩するのに人気の場所です。
※ 晴れた週末、たくさんの人が気持ちよさそうに公園を散歩している情景が目に浮かびますね。犬を連れた人や家族連れもいるかもしれません。「popular place for ~」は「~をするのに人気の場所」という、場所を紹介する際によく使う表現です。'for walking' は「散歩することのために」という目的を示しています。
流行の
一時的に多くの人に支持されている状態。ファッション、音楽、エンターテイメントなど、特定の期間に注目を集めるものに対して使われる。移り変わりが早く、一時的な熱狂を伴うニュアンスを含む。
My daughter really wants that new smartphone because it's very popular among her friends.
娘が新しいスマートフォンをすごく欲しがっているんです。友達の間でとても流行っているから。
※ この例文では、子供が友達の間で流行っているものを強く欲しがる、という日常のワンシーンが描かれています。「popular among ~」で「~の間で人気がある」という、よく使われる表現を学ぶことができます。
This new coffee shop's special latte is very popular, so there's always a long line.
この新しいコーヒーショップのスペシャルラテはとても人気があるので、いつも長い行列ができています。
※ 流行の食べ物や飲み物について話す際によく使われる場面です。人気があるため行列ができている様子が目に浮かびます。「so ~」は「だから~」と原因と結果を結びつけるのに便利です。また、「there's always a long line」は「いつも行列ができている」という、非常によく使うフレーズです。
Going camping has become very popular, especially with families during summer vacation.
キャンプに行くことがとても流行しています。特に夏休み中の家族連れの間で。
※ 最近人気のあるアクティビティについて話す典型的な例文です。以前はそうではなかったが、今は人気がある、という「流行している状態」を表すときに「has become popular」という表現が使えます。「especially with ~」は「特に~の間で」と、限定して説明したいときに便利です。
コロケーション
広く信じられている誤解
※ 「misconception」は「誤解」を意味し、「popular」と組み合わせることで、多くの人が抱いている誤った認識を指します。単なる個人的な勘違いではなく、社会的に広まっていることがポイントです。例えば、「popular misconception about history(歴史に関する一般的な誤解)」のように使われます。アカデミックな文脈やニュース記事などでよく見られ、訂正や反論を伴うことが多いです。単に"common mistake"と言うよりも、より根深く、社会に浸透しているニュアンスがあります。
人気の目的地、観光地
※ 旅行や観光の文脈で非常によく使われる表現です。「destination」は「目的地」を意味し、「popular」と組み合わせることで、多くの人が訪れる場所を指します。旅行ガイドや観光情報サイトで頻繁に見かける表現で、特定の季節やイベントと関連付けられることもあります。例えば、「a popular summer destination(人気の夏の目的地)」のように使われます。"famous place"よりも、実際に多くの人が訪れているというニュアンスが強く、口コミや評判に基づいた人気を示唆します。
広く信じられていること、一般的な信念
※ "belief" は「信念、考え」を意味し、それが多くの人に共有されている状態を表します。特定の宗教、文化、社会における共通認識を指すことが多いです。「a popular belief in ghosts (幽霊の存在を信じる一般的な考え)」のように使われます。 "common knowledge" と似ていますが、単なる知識というよりは、より深く根付いた信念や価値観を表すニュアンスがあります。社会学や文化人類学などの分野でよく用いられます。
人気の選択肢、多くの人に選ばれるもの
※ 選択肢の中から、特に多くの人に選ばれるものを指します。レストランのメニュー、商品のラインナップ、投票など、さまざまな場面で使用できます。「This dish is a popular choice. (この料理は人気があります。)」のように使われます。 "favorite" と似ていますが、個人の好みに基づくというよりは、客観的な人気を示すニュアンスが強いです。市場調査やアンケート結果など、データに基づいた人気を示す場合に適しています。
人気が出る、有名になる
※ ある人や物事が、徐々に多くの人に知られ、好かれるようになる過程を表します。音楽、映画、商品、人物など、幅広い対象に使われます。「The song became popular overnight. (その歌は一夜にして人気になった。)」のように使われます。"get famous" と似ていますが、単に有名になるだけでなく、好意的な評価を得て人気が出るニュアンスが含まれます。マーケティングや広報の分野でよく用いられます。
人気を保つ、人気が衰えない
※ 過去から現在まで、継続して人気がある状態を表します。長年にわたって支持されている商品、人物、場所などに使われます。「The book has remained popular for decades. (その本は何十年も人気を保っている。)」のように使われます。 "stay popular" とほぼ同義ですが、より長期的な継続性や安定性を示すニュアンスがあります。ビジネスやエンターテイメントの分野でよく用いられます。
非常に人気がある、広く人気を集めている
※ "widely" (広く) という副詞を伴うことで、人気が非常に広範囲に及んでいることを強調します。特定の地域だけでなく、国や世界全体で人気がある場合に使われます。「The band is widely popular around the world. (そのバンドは世界中で非常に人気がある。)」のように使われます。"very popular" よりも、より広範囲な支持を得ているニュアンスが強く、グローバルな規模での人気を示す場合に適しています。
使用シーン
学術論文や教科書で、ある理論や研究手法が広く受け入れられていることを示す際に使われます。例えば、「このモデルは、近年、研究者の間で人気が高まっている(popular)」のように、客観的な事実を述べる文脈で用いられます。
ビジネスシーンでは、製品やサービス、戦略などが「普及している」「支持されている」状況を表すのに使われます。会議のプレゼンテーションで、「当社の製品は、特に若い世代に人気があります(popular)」と市場動向を説明したり、報告書で競合他社の戦略の普及度合いを分析したりする際に用いられます。
日常会話では、人、物、場所などが「人気がある」「流行している」ことを表現する際によく使われます。例えば、「このカフェは地元で人気だよ(popular)」とおすすめしたり、「あのアーティストは最近人気が出てきたね(popular)」と話題にしたりする場面で頻繁に登場します。
関連語
類義語
『有名である』という意味で、広く一般に知られている状態を指します。人、場所、物事など、幅広い対象に使われます。メディアや歴史的な文脈でよく用いられます。 【ニュアンスの違い】『popular』が好意的な人気を意味することが多いのに対し、『famous』は必ずしも好意的な意味を含みません。悪名高い人物や事件も『famous』になり得ます。また、『popular』は一時的な流行やトレンドを表すことがありますが、『famous』はより永続的な名声を示唆します。 【混同しやすい点】『famous for』という形で、何で有名なのかを特定することが多いです。一方、『popular』は『popular with』という形で、誰に人気があるのかを示すことが多いです。また、『famous』はしばしば過去の業績や実績に基づいていますが、『popular』は現在の支持に基づいていることが多いです。
- well-liked
『好かれている』という意味で、個人的な好意や親愛の情を受けている状態を指します。主に人に対して使われ、人間関係や社会的な文脈で用いられます。 【ニュアンスの違い】『popular』は集団全体からの支持を意味するのに対し、『well-liked』はより個人的な、個々の人からの好意を意味します。そのため、『popular』は規模の大きな組織や社会で使われることが多いですが、『well-liked』はより親密なグループやコミュニティで使われます。 【混同しやすい点】『well-liked』は形容詞句であり、動詞『like』の過去分詞形が使われています。そのため、文法的な構造が『popular』とは異なります。『He is popular』のようにbe動詞と直接結びつく『popular』に対し、『He is well-liked by his colleagues』のように受動態の形で使われることが多いです。
- in vogue
『流行している』という意味で、特定のスタイル、ファッション、アイデアなどが一時的に広く受け入れられている状態を指します。ファッション、デザイン、文化的なトレンドなど、特定の分野でよく用いられます。 【ニュアンスの違い】『popular』が幅広い対象に使えるのに対し、『in vogue』は主にファッションやライフスタイルなど、一時的なトレンドに関連する事柄に使われます。また、『in vogue』はフォーマルな文脈で使われることが多く、日常会話ではあまり使われません。 【混同しやすい点】『in vogue』は常に一時的な流行を指すため、永続的な人気を表す『popular』とは異なります。『popular』は長期的な支持や人気を表すことができますが、『in vogue』は一時的な現象を指します。また、『in vogue』は名詞の前に置かれる形容詞句として使われることが多いです(例:in vogue style)。
- trendy
『流行の』という意味で、最新のファッションやスタイルを取り入れている状態を指します。主に若者文化やファッション業界で使われます。 【ニュアンスの違い】『popular』は幅広い世代や分野で使われるのに対し、『trendy』は若者文化やファッションに特化したニュアンスがあります。『popular』は長期的な人気を示すこともありますが、『trendy』は一時的な流行を強調します。 【混同しやすい点】『trendy』は形容詞として使われ、名詞の前に置かれることが多いです(例:trendy clothes)。一方、『popular』はより広い範囲の人気を示すため、具体的なファッションアイテムだけでなく、アイデアや行動などにも使われます。また、『trendy』はしばしば否定的な意味合いを含むことがあり、浅薄さや一時的な流行に固執しているという印象を与えることがあります。
『普及している』『広まっている』という意味で、特定の習慣、意見、病気などが広く行き渡っている状態を指します。学術的な文脈や社会的な議論でよく用いられます。 【ニュアンスの違い】『popular』が好意的な支持や人気を意味するのに対し、『prevalent』は単に広範囲に存在している状態を指します。そのため、『prevalent』は必ずしも好ましい状況を意味しません。例えば、『prevalent disease(蔓延している病気)』のように、否定的な状況にも使われます。 【混同しやすい点】『prevalent』は主に抽象的な概念や現象に使われ、具体的な物や人にはあまり使われません。一方、『popular』は具体的な対象にも使われます。また、『prevalent』は統計的なデータや調査結果に基づいて使用されることが多く、客観的な事実を強調する傾向があります。
『需要がある』という意味で、商品やサービスが強く求められている状態を指します。ビジネスや経済の文脈でよく用いられます。 【ニュアンスの違い】『popular』は幅広い支持や人気を意味するのに対し、『in demand』は具体的な需要があることを強調します。そのため、『in demand』はしばしば市場価値や経済的な成功と関連付けられます。 【混同しやすい点】『in demand』は主に商品、サービス、スキルなど、具体的なニーズを満たすものに使われます。一方、『popular』は人、アイデア、文化的な現象など、より広範な対象に使われます。また、『in demand』はしばしば特定の分野や業界での需要を指し、全体的な人気とは異なる場合があります。
派生語
『人気』『評判』を意味する名詞。形容詞『popular』に名詞化の接尾辞『-ity』が付加された。抽象的な概念を表し、社会現象やトレンドなどを議論する際に、日常会話から学術論文まで幅広く用いられる。単に人気がある状態だけでなく、その度合いや影響力を示すニュアンスを含む。
『普及させる』『一般化する』という意味の動詞。形容詞『popular』に動詞化の接尾辞『-ize』が付加された。特定のアイデアや製品、文化などを広める行為を指し、マーケティングや教育の分野で頻繁に使用される。単に広めるだけでなく、より多くの人に受け入れられるようにするという意図を含む。
- popularly
『一般に』『広く』という意味の副詞。形容詞『popular』に副詞化の接尾辞『-ly』が付加された。ある事柄が広く知られている、または一般的に受け入れられている様子を示す。ニュース記事や解説記事などでよく用いられ、客観的な視点から情報を伝える際に役立つ。
反意語
接頭辞『un-(否定)』が付加され、『人気がない』『不評な』という意味になる。直接的な反対語であり、人気投票や評価など、人気を測る文脈で対比的に用いられる。ただし、単に人気がないだけでなく、嫌われている、受け入れられていないというニュアンスを含む場合もある。
『無名の』『知られていない』という意味の形容詞。人気がある状態とは対照的に、世間に広く知られていない状態を表す。芸術や学術の分野で、まだ評価されていない才能や業績を指す場合に使われる。また、意図的に隠されている、または理解しにくいという意味合いも含む。
『排他的な』『特定の人のみの』という意味の形容詞。人気が広く行き渡っている状態とは異なり、限られた人々にしか利用できない、または共有されない状態を表す。高級ブランドや会員制サービスなど、希少性や特別感を演出する文脈で用いられる。また、特定のグループだけを対象とするという意味合いも含む。
語源
"popular"はラテン語の"populus"(人々、国民)に由来します。これは「人々に属する」という意味合いを持ち、そこから「人々によって好まれる」「人気のある」という意味に発展しました。つまり、もともとは「人々に関係する」という広い意味から、現代の「人気がある」「流行している」といった意味合いに変化してきたのです。日本語で例えるなら、「世間一般」という言葉が、単に人々を指すだけでなく、「世間一般の支持を得ている」という意味合いを含むのと似ています。人々(populus)に支持される状態が、"popular"という単語を通じて表現されていると考えると、覚えやすいでしょう。
暗記法
「popular」は単なる人気ではない。古代ローマの「populus」(人民)に根ざし、社会を動かす大衆の意志の表れ。世論を形成し、文化を彩り、消費を左右する。しかし、熱狂は時に盲目的な流行を生み、本質を見失わせることも。「人気」の裏にある価値を見極めることこそ、「popular」を理解する鍵となる。
混同しやすい単語
スペルが似ており、特に語尾が 'ar' と 'ate' で異なる点を見落としやすい。意味は『居住する』『繁殖する』であり、『人気がある』とは異なる動詞。発音もアクセント位置が異なるため注意が必要(popular は po・pu・lar、populate は po・pu・late)。語源的にはどちらも『人々』を意味するラテン語のpopulusに由来するが、populateは『人びとで満たす』という動作を表す。
意味は関連しているものの、品詞が異なる。『人気』という名詞であり、『人気がある』という形容詞の popular と混同しやすい。文中でどちらの品詞を使うべきか判断する必要がある。例えば、「彼の人気は高い」は「His popularity is high.」となり、「彼は人気がある」は「He is popular.」となる。
スペルが非常に似ており、'u' と 'a' の違いを見落としやすい。意味は『ポプラ(の木)』であり、全く異なる名詞。発音も微妙に異なり、poplar はより平坦な /ɑː/ の音を含む。森林や植物に関する文脈で登場するため、注意が必要。
語尾の '-er' の音とスペルが似ているため、聞き間違いやスペルミスが起こりやすい。『出版社』『出版者』という意味で、文脈によっては popular のように形容詞として使われることはない。ビジネスやメディア関連の話題で頻出するため、区別が重要。
スペルと意味の両面で混同しやすい。『人口が多い』という意味の形容詞で、popular と同様に形容詞だが、意味が異なる。populous は場所や地域について述べる際に使用する(例:a populous city)。語源的には同じ populus に由来するが、意味の焦点が異なる。
接頭辞 'im-' が付くことで意味が反転し『不人気な』という意味になる。 popular の反対語として存在するため、文脈をよく読まないと意味を取り違える可能性がある。発音は popular と非常に似ているため、特にリスニングの際には注意が必要。
誤用例
日本語の『〜に人気がある』という表現を直訳すると、つい 'popular for' と言ってしまいがちです。しかし、英語では 'popular with' が正しい構文です。'Popular for' は、例えば 'This region is popular for its wine.' のように、何かが理由で人気がある場合に使われます。人に対して人気がある場合は 'popular with' を使うのが自然です。背景にある考え方として、'with' は『〜と共に』という意味合いがあり、人々がそのレストランと共に楽しんでいる、というニュアンスを表します。
日本語の『人気がある』は、英語の 'popular' よりも広い意味を持ちます。'Popular' は、特に若者や集団の中で『好かれている』という意味合いが強く、必ずしもリーダーシップや能力が高いことを意味しません。リーダーシップの資質を伝えたい場合は、'well-liked'(好かれている)や 'respected'(尊敬されている)を使う方が適切です。また、'must be' は断定的な表現なので、ここでは 'likely to be'(〜の可能性が高い)の方が、より謙虚で適切な表現となります。日本人は謙譲の美徳を重んじるため、断定的な表現を避けがちですが、英語では文脈に応じて適切な表現を選ぶ必要があります。
'Popular' は、くだけた口語表現であり、政治のようなフォーマルな場面にはふさわしくありません。政治家の支持率を表現する場合は、'approval ratings'(支持率)のような、より客観的でフォーマルな語彙を使うのが適切です。また、一時的な流行を意味する 'fad' も、やや軽すぎる印象を与えます。ここでは 'fleeting trend'(一時的な傾向)の方が、より適切です。日本人は、政治的な話題でも日常会話の延長で話してしまうことがありますが、英語では場面に応じた適切なレジスター(言葉遣いのレベル)を選ぶことが重要です。
文化的背景
「popular」は、単に「人気がある」という意味を超え、大衆の意志や時代の気分を体現する存在、あるいはその現象を指し示す言葉です。それは時に、集合的な願望や社会的な価値観を映し出す鏡として機能し、政治、文化、消費といった様々な領域で影響力を発揮します。
「popular」という言葉が持つ力は、古代ローマにおける「populus」(人民)という概念にまで遡ることができます。古代ローマにおいては、「populus」は単なる人々の集まりではなく、政治的な主体として、国家の意思決定に影響を与える存在でした。この「populus」の概念が、中世を経て近代に至る過程で、「popular」という言葉に、大衆の支持や承認を得ている状態、つまり「人気がある」という意味合いを付与していきました。特に、18世紀の啓蒙思想の時代には、理性的な大衆が社会を動かす原動力であるという考え方が広まり、「popular opinion」(世論)という言葉が重要な意味を持つようになりました。
現代社会において、「popular」は、単なる個人の好みを超え、社会的なトレンドや現象を指し示す言葉として使われます。例えば、「popular culture」(大衆文化)は、映画、音楽、ファッションなど、大衆に広く受け入れられている文化的な表現を指します。また、政治の世界では、「popular vote」(一般投票)が、選挙における民意の直接的な表れとして重視されます。「popular」は、マーケティングの世界でも重要な概念であり、企業は「popular products」(人気商品)を生み出すために、消費者のニーズやトレンドを分析し、様々な戦略を立てています。
しかし、「popular」であることは、必ずしも肯定的な意味を持つとは限りません。時に、「popular」は、一時的なブームや流行に過ぎず、本質的な価値を持たないものとして批判されることもあります。また、大衆迎合的な政治や文化は、批判的な思考を阻害し、社会の均質化を招くという懸念も存在します。そのため、「popular」という言葉を理解する際には、それがどのような文脈で使用されているのか、そして、その「人気」がどのような価値に基づいているのかを慎重に検討する必要があります。「popular」は、大衆の力を示すと同時に、その危うさをも内包する、多面的な意味を持つ言葉なのです。
試験傾向
- 出題形式: 語彙問題、長文読解、リスニング
- 頻度と級・パート: 準1級、1級で頻出。2級でもまれに出題
- 文脈・例題の特徴: 幅広いトピックで出題。ニュース記事、エッセイ、物語など
- 学習者への注意点・アドバイス: 「人気のある」「流行の」の意味に加え、「大衆的な」という意味も重要。派生語のpopularity(人気)も頻出。
- 出題形式: Part 5(短文穴埋め)、Part 7(長文読解)
- 頻度と級・パート: 頻出。特にPart 7
- 文脈・例題の特徴: ビジネス関連の文書(レポート、メール、広告など)で使われることが多い
- 学習者への注意点・アドバイス: 製品やサービスが「人気がある」ことを示す文脈でよく使われる。類義語のwell-liked, favoredとのニュアンスの違いを理解する。
- 出題形式: リーディング、リスニング
- 頻度と級・パート: 頻出
- 文脈・例題の特徴: アカデミックな内容(科学、歴史、社会学など)で使われる
- 学習者への注意点・アドバイス: 抽象的な概念や理論が「支持されている」「受け入れられている」という意味で使われることが多い。形容詞だけでなく、名詞(popularity)も重要。
- 出題形式: 長文読解、語彙問題
- 頻度と級・パート: 頻出
- 文脈・例題の特徴: 幅広いテーマで出題。社会問題、文化、科学など
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈の中で「人気のある」という意味だけでなく、「世間一般の」「大衆の」といった意味も理解しておく必要がある。同義語や反意語もおさえておくと有利。