mark up
第1音節の 'mark' は、日本語の『ア』よりも口を大きく開けて発音する /ɑː/ の音です。また、'up' の /ʌ/ は、日本語の『ア』と『オ』の中間のような曖昧な音で、力を抜いて短く発音するのがコツです。 'mark' にアクセントがあるので、 'up' は弱く発音しましょう。 'mark'と'up'の間には、ごく短い休止(ポーズ)が入ることがあります。
専門的な内容に関するご注意
このページには、健康、金融、法律など、専門的な知識を必要とする内容が含まれている可能性があります。本サイトの情報は学習目的で提供されており、専門家による助言の代わりとなるものではありません。重要な判断を行う際には、必ず資格を持つ専門家にご相談ください。
書き込む
文章や図に情報を追加・修正する。手書き、タイプ、デジタルなど手段は問わない。価格や注釈を書き加える際にも使う。元のテキストを補強・変更するニュアンス。
My teacher carefully marked up my English essay with helpful corrections.
先生は私の英語の作文を、役立つ修正点と共に丁寧に書き込んでくれました。
※ 【鮮やかなミニ・シーン】先生があなたの英語の作文を、もっと良くなるように赤ペンでアドバイスを書き込んでいる場面です。「carefully」から先生の丁寧な指導が伝わりますね。 【なぜ典型的か】「mark up」は、先生が宿題や書類に「添削する」「訂正を書き込む」という文脈で非常によく使われます。 【文法・ヒント】「mark up (something) with (something)」の形で、「~に…を書き込む」と具体的な内容を伝えられます。
The editor quickly marked up the document, adding many suggestions for improvement.
編集者はその書類に、改善のための多くの提案を素早く書き込みました。
※ 【鮮やかなミニ・シーン】締め切りが迫る中、編集者が送られてきた書類を素早く読み、必要な修正箇所やアドバイスをどんどん書き込んでいる場面です。「quickly」から、プロの仕事のスピード感が伝わりますね。 【なぜ典型的か】ビジネスや出版の現場で、上司が部下の報告書を添削したり、編集者が原稿に修正指示を加えたりする際に頻繁に使われる表現です。 【文法・ヒント】「adding many suggestions...」は、「~しながら」という状況を付け加える分詞構文です。このように、行動の結果や補足情報を自然に付け加えることができます。
He likes to mark up his books with notes while he reads.
彼は本を読みながら、メモを書き込むのが好きです。
※ 【鮮やかなミニ・シーン】彼は大切な情報を見逃さないように、本を読みながら重要な箇所に鉛筆でメモを書き込んでいる場面です。学びに対する積極的な姿勢が感じられますね。 【なぜ典型的か】個人的な学習や読書において、教科書や参考書、大切な本に自分なりのメモやハイライトを入れる行為を指すのに非常によく使われます。 【文法・ヒント】「likes to do」で「~するのが好きだ」という習慣や好みを表します。「while he reads」は「彼が読んでいる間に」という意味で、同時に行われる行動を示します。
値上げする
商品やサービスの価格を上げる。一時的なセールではなく、恒久的な変更を意味することが多い。コスト増、需要増などが理由。
The cafe owner had to mark up the coffee price slightly due to rising costs.
カフェの店主は、コスト上昇のためコーヒーの値段を少しだけ値上げせざるを得ませんでした。
※ この例文は、材料費の高騰など、仕入れ値が上がったためにやむを得ず販売価格を上げる、というビジネスの典型的な状況を描写しています。「had to」は「~しなければならなかった」という、少し苦しい決断のニュアンスを含みます。お店の人が頭を抱えながら値札を書き換える姿が目に浮かびませんか?
The store marked up the price of popular snacks yesterday, which surprised many kids.
そのお店は昨日、人気のお菓子の値段を値上げしました。それは多くの子どもたちを驚かせました。
※ この例文は、スーパーや駄菓子屋などで、日常的に目にする商品の値上げを表現しています。「昨日値上げされた」という具体的な出来事と、それに対する「多くの子どもたちの驚き」という感情が加わることで、情景が鮮明になりますね。「mark up」は過去形「marked up」として使われ、すでに値上げが行われたことを示します。
She decided to mark up her handmade bags after they became very popular online.
彼女は、手作りのバッグがオンラインでとても人気になった後、値上げすることに決めました。
※ この例文は、個人が手掛けた商品やサービスが成功し、需要が高まったことで価格を上げるケースを描いています。自分の作品が認められ、自信を持って値上げを決めるポジティブな「mark up」の使い方が分かります。「decided to」は「~することに決めた」という、意思決定のニュアンスを表します。
上乗せ
価格や数量に対する追加分。動詞"mark up"に対応する名詞。利益を上乗せすることや、修正箇所を指す場合がある。
The small shop added a reasonable **mark up** to the beautiful handmade necklaces.
その小さな店は、美しい手作りのネックレスに妥当な上乗せをした。
※ この例文は、小売店が商品を仕入れる値段(原価)に、お店の利益を加えて販売価格を決める様子を描いています。店主が「このネックレスは手作りで本当に素敵だから、これくらい上乗せしてもお客さんは喜んでくれるだろう」と考えているような情景です。「mark up」は、このように商品の原価に利益を上乗せする際によく使われる言葉です。
The online ticket seller put a significant **mark up** on the concert tickets.
そのオンラインチケット販売業者は、コンサートチケットにかなりの上乗せをした。
※ ここでは、オンラインでチケットを売る人が、元の価格にさらに金額を上乗せして販売している状況を示しています。人気のあるコンサートなどでは、元の価格よりも高く売られることがよくありますね。消費者が「え、こんなに高いの?」と驚くような場面を想像できます。ビジネスや転売の文脈でよく使われます。
My friend found a hidden **mark up** on his hotel bill for an extra towel.
友人はホテルの請求書に、追加のタオルに対する隠れた上乗せを見つけた。
※ この例文では、ホテルやサービス利用の際に、基本料金に加えて、予期せぬ追加料金や手数料が「上乗せ」されている状況を描いています。友人が請求書をじっと見て「あれ?これ何のお金?」と眉をひそめている様子が目に浮かびます。「hidden mark up」のように「隠れた」という形容詞と合わせて使うことで、消費者が気づきにくい追加料金を指すこともあります。
コロケーション
原稿に修正や校正の記号を書き込む
※ 出版業界や学術界でよく使われる表現です。編集者や校正者が、著者から提出された原稿を読み、文法的な誤り、スタイルの不統一、事実の誤りなどを指摘し、修正案を書き込む作業を指します。単に『修正する』だけでなく、専門的な知識を持って改善するというニュアンスが含まれます。使用頻度は高く、ビジネスシーンでも使われます。例えば、契約書の下書きを修正する場合などにも応用できます。
価格を上乗せする、値上げする
※ 小売業や卸売業で、仕入れ価格に利益を加えて販売価格を設定することを意味します。インフレや原材料費の高騰などの経済状況を背景に、企業が利益を確保するために行う行為です。日常会話でもビジネスシーンでも頻繁に使われます。類似の表現として『increase prices』がありますが、『mark up』は、もともとの価格に一定の割合や金額を『上乗せする』というニュアンスがより明確です。例えば、『We had to mark up prices due to rising energy costs.(エネルギーコストの上昇のため、価格を上げざるを得ませんでした。)』のように使います。
テキストに注釈や強調を加える
※ 文章を読んで、重要な箇所にハイライトを引いたり、コメントを書き込んだりすることを指します。学生が教科書を勉強する際や、ビジネスパーソンが会議資料を読む際など、理解を深めるために行われます。デジタルテキストの場合、専用のソフトウェアやアプリを使って注釈を加えることも一般的です。類似の表現に『annotate a text』がありますが、『mark up』はより手軽で、物理的な書き込みを含むニュアンスがあります。例えば、『I marked up the report with several questions for the team.(チームへの質問をいくつかレポートに書き込みました。)』のように使います。
価値を高く評価する、価値を向上させる
※ 物理的な商品だけでなく、アイデアやスキルなど、抽象的なものの価値を高く見積もる、あるいは実際に価値を高める行為を指します。不動産、美術品、ブランド価値など、様々な対象に使用できます。『enhance the value』と似ていますが、『mark up』は、評価の段階で価値を高く見積もるニュアンスが強いです。例えば、『The new marketing campaign helped mark up the brand's value.(新しいマーケティングキャンペーンは、ブランド価値を高めるのに役立ちました。)』のように使います。
法案を修正する、修正案を書き込む
※ 政治の世界で、議会が法案を審議する際に、修正案を加えたり、条項を削除したりするプロセスを指します。法律用語として定着しており、一般のニュース記事などでも頻繁に見られます。例えば、『The committee will mark up the bill next week.(委員会は来週、法案を修正する予定です。)』のように使われます。法律や政治に関心のある人にとっては必須の表現です。
地図に印をつける、書き込みをする
※ 旅行の計画を立てる際や、ナビゲーションの際に、地図に行き先、ルート、目印などを書き込むことを指します。デジタル地図アプリが普及した現代でも、紙の地図に手書きで情報を加えることは、旅の計画を具体的にイメージする上で有効です。例えば、『I marked up the map with all the places we want to visit.(訪れたい場所をすべて地図に書き込みました。)』のように使います。
使用シーン
学術論文やレポートで、テキストに注釈や修正を「書き込む」意味で使われます。例えば、学生が教授の添削で「先生が重要な箇所をmark upした」と言う場合や、研究者が論文の草稿を同僚に回覧し、「提案された修正がmark upされている」と説明する場面が考えられます。また、「値上げする」という意味では、経済学の論文で、企業の価格設定戦略を分析する際に「企業はコストに一定の割合をmark upして価格を設定する」といった記述が見られます。
ビジネスシーンでは、「値上げする」という意味で使われることが多いです。例えば、小売業者が仕入れ価格の上昇を受けて、「来月から商品をmark upせざるを得ない」とアナウンスしたり、サービス業者が繁忙期に料金を「一時的にmark upする」と顧客に告知する場面が考えられます。また、プロジェクト管理の文脈では、スケジュールや予算に「変更を書き込む」という意味で使用されることもあります。例:「変更点をmark upして、関係者に共有してください」
日常生活では、「書き込む」という意味で、例えば、地図に目的地を「mark upする」という使い方が考えられます。ただし、より口語的な表現としては、'highlight'や'annotate'が好まれます。また、「値上げする」という意味では、ニュース記事や経済に関する話題で、「ガソリンスタンドが価格をmark upした」というように使われることがあります。しかし、日常会話では、より直接的な「値段を上げた」という表現が一般的です。
関連語
類義語
『増加させる』という意味で、数量・価格・割合などを増やす際に広く使われる。ビジネス、経済、統計など、様々な分野で使用される。 【ニュアンスの違い】『mark up』が特定の価格を上乗せすることに重点を置くのに対し、『increase』はより一般的な増加を指す。感情的なニュアンスは薄く、客観的な増加を表す。 【混同しやすい点】『increase』は自動詞としても他動詞としても使えるが、『mark up』は基本的に他動詞として使われる。また、『increase』は抽象的な概念(例:efficiency, productivity)にも使える。
『膨らませる』という意味で、価格や評価を実際よりも高く見せかける際に使われる。ネガティブなニュアンスを含むことが多い。経済、金融、または比喩的な文脈で使用される。 【ニュアンスの違い】『mark up』が単に価格を上げることを指すのに対し、『inflate』は不当に、または過剰に価格を上げることを示唆する。しばしば、バブル経済や誇張された主張など、否定的な状況で使用される。 【混同しやすい点】『inflate』は、文字通りに風船などを膨らませる意味でも使われるが、『mark up』は価格に関連する意味合いでのみ使われる。また、『inflate』は名詞『inflation(インフレ)』と関連が深い。
『上げる』という意味で、価格、賃金、給与などを上げる際に使われる。より直接的で具体的な行為を指すことが多い。ビジネスや日常会話で使用される。 【ニュアンスの違い】『mark up』が小売業などで利益を上乗せする行為を指すのに対し、『raise』はより一般的な意味で価格などを上げることを指す。また、賃上げ交渉など、フォーマルな場面でも使用される。 【混同しやすい点】『raise』は他動詞であり、目的語が必要。自動詞の『rise』と混同しやすい。また、『raise』は物理的に何かを持ち上げる意味でも使われる。
『高める』『向上させる』という意味で、品質、価値、性能などを高める際に使われる。ポジティブな意味合いで使用されることが多い。ビジネス、技術、デザインなど、幅広い分野で使用される。 【ニュアンスの違い】『mark up』が価格を上げることを指すのに対し、『enhance』は品質や価値を高めることを意味する。直接的な価格上昇を意味しない場合もある。より洗練された、またはフォーマルな文脈で使用される。 【混同しやすい点】『enhance』は直接的に価格を操作する意味合いを持たないため、『mark up』の類義語としては限定的。しかし、品質向上によって間接的に価格が上がる場合もある。
『段階的に増加させる』という意味で、価格、紛争、状況などが徐々に悪化・増加する際に使われる。ネガティブな状況で使用されることが多い。政治、経済、軍事など、深刻な状況で使用される。 【ニュアンスの違い】『mark up』が単に価格を上げることを指すのに対し、『escalate』は制御不能な状態に陥るような、より深刻な増加を意味する。事態の悪化を示すニュアンスが強い。 【混同しやすい点】『escalate』は、価格が徐々に、そして予想以上に上昇していく状況を表す場合に適している。『mark up』のように、意図的な価格設定とは異なる。
『急激に上げる』という意味で、価格、料金、税金などを急に引き上げる際に使われる。しばしば、批判的なニュアンスを含む。ニュース記事や日常会話で使用される。 【ニュアンスの違い】『mark up』が通常の価格設定を指すのに対し、『hike』は不当に高い、または急激な価格上昇を示す。消費者にとってはネガティブな意味合いが強い。 【混同しやすい点】『hike』は名詞としても動詞としても使われ、急な価格上昇そのものを指すことが多い。『mark up』よりもカジュアルな表現。
派生語
『発言する』『述べる』という意味の動詞、または『発言』『意見』という意味の名詞。「mark(印をつける)」に「re-(再び)」が加わり、「注意を引くために再び印をつける」というイメージから、発言や意見を意味するようになった。日常会話からビジネスシーンまで幅広く使われる。
もともとは「市場」という意味の名詞だが、「mark(印をつける)」から派生し、「取引場所を示す印」というニュアンスを持つ。動詞としては「市場に出す」「販売する」という意味になり、マーケティング活動全般を指す場合もある。ビジネスシーンで頻繁に使われる。
『注目すべき』『著しい』という意味の形容詞。「remark(発言)」に形容詞化の接尾辞「-able」が付いた形。「注目に値する発言」から転じて、「注目すべき」という意味になった。ニュース記事や学術論文など、客観的な記述が必要な場面でよく使われる。
反意語
『消す』『抹消する』という意味の動詞。「mark up」が書き込みや修正によって情報を加えるのに対し、「erase」は物理的または比喩的に情報を除去する。ホワイトボードの書き込みを消す、記録を抹消する、記憶を消すなど、幅広い文脈で使用される。日常会話でもビジネス文書でも使われる。
『(表面を)汚す』『損なう』という意味の動詞。「mark up」が情報を加えることで価値を高める(例:価格をmark upする)のに対し、「deface」は表面に何かを書き込むことで価値を損なう。公共物や芸術作品を傷つける行為を指すことが多い。日常会話よりは、ニュースや犯罪に関する報道で使われる傾向がある。
- cover up
『隠蔽する』という意味の句動詞。「mark up」が情報を表に出すのに対し、「cover up」は情報を隠す。不正行為や不祥事などを隠す際に使われる。政治やビジネスの文脈でよく用いられる。
語源
「mark up」は、比較的単純な構造を持つ複合動詞です。「mark」は、ゲルマン祖語の「markōną」(境界、印)に由来し、印をつける、区別するという意味を持ちます。日本語の「目印(めじるし)」という言葉が、意味的にも語源的にも近いイメージです。「up」は、古英語の「upp」に由来し、上へ、高くするという意味の他に、完全に、徹底的にという意味合いも持ちます。したがって、「mark up」は、文字通りには「印を上につける」となりますが、比喩的には「書き込む」や「値上げする」という意味に発展しました。書き込む場合は、元のテキストに情報を追加するイメージ、値上げする場合は、価格を上乗せするイメージと捉えることができます。例えば、商品を「mark up」する行為は、価格に印をつけて高くすることから、最終的には「値上げする」という意味になるのです。
暗記法
「mark up」の原点は、中世写本の修正作業。修道士が知識を深める知的探求の痕跡でした。それが時を経て、市場での価格上乗せを意味するように。単なる価格操作ではなく、商人の知恵や社会階層、倫理観が複雑に絡み合った文化的ニュアンスを含んでいます。現代では企業戦略の一環ですが、過度な上乗せは倫理問題に発展することも。「mark up」は、社会の公正さや倫理観を映す鏡なのです。
混同しやすい単語
『mark up』と『mark down』は、前置詞が異なるだけで意味が大きく変わるため混同しやすい。『mark up』は価格を上げる、書き込むという意味ですが、『mark down』は価格を下げるという意味になります。特にビジネスの文脈では、意味を間違えると大きな誤解を招く可能性があります。前置詞の意味の違いを意識して使い分けましょう。
『mark up』と『mock up』は、最初の音が似ているため、聞き間違いや発音の際の混同が起こりやすいです。『mock up』は『模型』や『試作品』という意味で、名詞または動詞として使われます。発音記号を確認し、最初の音の違い(/mɑːrk/ vs /mɑːk/)を意識して練習しましょう。また、文脈から判断することも重要です。
『mark up』は動詞句ですが、『markup』は名詞で、意味は『上乗せ』や『(商品などの)値上げ幅』を指します。スペルはほぼ同じですが、スペースの有無で品詞と意味が変わる点に注意が必要です。例えば、『The markup was 20%.(上乗せは20%だった)』のように使われます。文中でどのように使われているかを確認しましょう。
『mark up』と『bark up』は、特に発音において混同しやすい可能性があります。『bark up』は『(犬が)吠える』という意味の他に、『見当違いのことをする』という意味のイディオムとして使われます。例えば、『barking up the wrong tree(見当違いの方向で努力する)』という表現があります。文脈から判断することが重要です。
『mark』と『mock』は、スペルの一部と発音が似ているため、特に初学者は混同しやすいです。『mock』は『嘲る』『偽の』という意味を持ちます。例えば、『mock exam(模擬試験)』のように使われます。'mark' は「印をつける」「記号」などの意味合いが強いのに対し、'mock' は「真似る」「偽る」といった意味合いが強いことを意識しましょう。
『mark』と『murk』は、母音と子音の組み合わせが似ており、特に発音があいまいになりやすいです。『murk』は『暗さ』や『陰鬱』という意味の名詞です。例えば、『the murk of the night(夜の闇)』のように使われます。発音記号を確認し、/ɑːr/ と /ɜːr/ の音の違いを意識して練習しましょう。また、『mark』は肯定的な意味合いで使われることが多いのに対し、『murk』は否定的な意味合いで使われることが多いことも覚えておくと役立ちます。
誤用例
日本語の『スキルアップ』という言葉に引きずられ、『mark up』を『スキルを上げる』という意味で誤用する例です。『mark up』は価格などを『引き上げる』という意味合いが強く、スキルに対して使うと不自然です。英語では、スキル向上には『improve』,『enhance』,『develop』といった動詞を使うのが一般的です。この誤用は、日本語のカタカナ英語が必ずしも英語のニュアンスと一致しないことを示しています。英語学習においては、単語の字面だけでなく、実際の用法や語感を意識することが重要です。
『mark up』は元々、編集者が原稿に修正指示を書き込む行為を指します。現代ではデジタルドキュメントへの注釈も含まれますが、よりフォーマルな文脈やビジネスシーンで意見を『書き込む』行為全般を指す場合は、『annotate』がより適切です。『mark up』は、どちらかというとラフな印象を与える可能性があります。特に、上司やクライアントへの提案など、丁寧さが求められる場面では注意が必要です。日本語の『マークアップ』という言葉のイメージから、安易に『mark up』を使ってしまうと、相手に失礼な印象を与えてしまうかもしれません。
『mark up』は価格を『上げる』という意味ですが、しばしば『上乗せする』というニュアンスを含みます。インフレによる値上げのように、正当な理由がある場合は、単に『increase』を使う方が適切です。また、『subtle(微妙な)』という単語は、変化が『分かりにくい』という意味合いが強く、ここでは『目立たないようにする』という意味合いの『discreet』がより適切です。直接的な表現を避け、遠回しに伝えることを美徳とする日本文化の影響で、『subtle』を選んでしまうのかもしれませんが、英語では意図を明確に伝えることが重要です。
文化的背景
「mark up」は、元来、物理的なテキストに印をつけ、修正や注釈を加える行為から派生し、価値や価格を「上乗せする」という意味合いを持つようになりました。この言葉は、単なる価格操作を超え、背後にある意図や操作、そしてそれに対する評価という、複雑な文化的ニュアンスを帯びています。
「mark up」が持つ「印をつける」という原義は、中世の写本時代に遡ることができます。修道士たちが聖書や古典を丹念に書き写し、その過程で誤りを修正したり、注釈を加えたりするために、文字や記号を書き込んでいました。この行為は、単なる訂正作業ではなく、知識の伝承と解釈を深めるための重要なプロセスでした。彼らが「mark up」したテキストは、単なる複製物ではなく、知的な探求の痕跡が刻まれた、価値ある作品として扱われたのです。現代の編集者や校正者が行う「mark up」も、この伝統を受け継いでいると言えるでしょう。
しかし、「mark up」が価格の上昇を意味するようになった背景には、より複雑な経済的、社会的要因が絡み合っています。例えば、中世の市場では、商人が仕入れ価格に利益を上乗せして販売することが一般的でした。この上乗せ分は、商人の労力やリスクに対する報酬であると同時に、需要と供給のバランスによって変動するものでもありました。「mark up」は、単なる価格設定のメカニズムではなく、市場における力関係や交渉術を反映したものでした。また、社会的な階層意識も影響を与えていました。高価な商品には高い「mark up」が設定され、それは富裕層のステータスシンボルとしての価値を高める役割も果たしていました。
現代社会においては、「mark up」は、企業戦略やマーケティングの重要な要素となっています。企業は、ブランドイメージや付加価値を高めることで、「mark up」を正当化しようとします。しかし、過度な「mark up」は、消費者からの反感を買うこともあります。特に、必需品や公共サービスにおける「mark up」は、倫理的な問題として議論されることがあります。「mark up」という言葉は、単なる経済用語を超え、社会的な公正さや倫理観を問う、複雑な文化的意味合いを含んでいるのです。消費者は、「mark up」された価格の背後にあるストーリーを読み解き、その価値を判断することが求められています。
試験傾向
- 出題形式: 主に長文読解、稀に語彙問題。リスニングでの出題は少ない。
- 頻度と級・パート: 準1級以上でまれに出題される。2級以下ではほとんど見られない。
- 文脈・例題の特徴: ビジネス、経済、教育などのアカデミックな話題で、文書やレポートの修正・改善に関する文脈で登場しやすい。
- 学習者への注意点・アドバイス: 「修正する」「価格を上げる」など複数の意味があるため、文脈から判断する必要がある。動詞句としての意味を理解しておくことが重要。
- 出題形式: Part 5(短文穴埋め問題)、Part 7(長文読解問題)で出題される可能性あり。
- 頻度と級・パート: 比較的頻度は低いが、ビジネス関連の文書で登場することがある。
- 文脈・例題の特徴: 主に価格設定、契約書、提案書などのビジネス文書で、「価格を上げる」「(文書などを)修正する」という意味で用いられる。
- 学習者への注意点・アドバイス: ビジネスシーンでよく使われる表現なので、価格や契約に関連する文脈で出てきた場合は「価格を上げる」という意味を疑う。類義語の「increase」や「revise」との違いを意識する。
- 出題形式: リーディングセクションで、アカデミックな文章中に出現。
- 頻度と級・パート: 中程度の頻度。専門的な内容の文章で使われることが多い。
- 文脈・例題の特徴: 研究論文、学術記事などで、データの修正や分析結果の修正、あるいは価格の高騰などの文脈で使われる。
- 学習者への注意点・アドバイス: アカデミックな文脈では「修正する」「加筆する」という意味合いが強い。文脈から正確な意味を把握することが重要。同義語の 'revise', 'amend' との違いを理解しておく。
- 出題形式: 主に長文読解問題。文脈から意味を推測する力が問われる。
- 頻度と級・パート: 難関大学の入試でまれに出題されることがある。標準的なレベルの大学ではあまり見られない。
- 文脈・例題の特徴: 経済、社会問題、科学技術など、幅広いテーマの文章で登場する可能性がある。
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈依存度が高いため、前後の文脈をしっかりと読むことが重要。「修正する」「価格を上げる」など複数の意味を覚えておく必要がある。類義語との識別も重要。