logical
第1音節にアクセントがあります。/ɒ/ は日本語の『ア』と『オ』の中間のような音で、口をリラックスさせて発音します。『ヂ』は英語の 'j' の音に近く、舌先をどこにもつけずに発音します。最後の /l/ は舌先を上の歯茎につけて発音しますが、直前の母音に影響を与え、こもったような音になるのが特徴です。日本語のラ行の発音とは異なります。
専門的な内容に関するご注意
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理にかなった
筋が通っていて、道理に合っている様子。思考や行動、計画などが合理的であることを表す。客観的な根拠に基づいているニュアンスを含む。
I thought his idea to fix the broken chair was very logical.
壊れた椅子を直す彼のアイデアは、とても理にかなっていると思った。
※ 日常生活で困ったことに対し、誰かの解決策が「筋が通っているな」「なるほど」と納得する場面です。`logical`は、感情的ではなく、客観的に正しい・合理的な判断や考え方に対して使われます。「それは理屈に合うね」というニュアンスです。
The boss said my new strategy was logical and easy to understand.
上司は私の新しい戦略が理にかなっていて、わかりやすいと言った。
※ ビジネスや学校で、提案や計画が「筋道が通っている」「合理的だ」と評価される場面です。`logical`は、プレゼンテーションや報告書など、順序立てて説明された内容が適切であるかを表現する際によく使われます。褒め言葉として聞くことも多いでしょう。
When my son explained why he wanted the toy, his reason sounded very logical.
息子がなぜそのおもちゃが欲しいのか説明したとき、彼の理由はとても理にかなっているように聞こえた。
※ 人の言動や意見について、「そう考えるのも無理はないな」と納得する場面です。ここでは子供の意見ですが、大人の会話でも、相手の考えが「合理的だ」「筋が通っている」と感じたときに使えます。`sound logical`で「理にかなっているように聞こえる」という自然な表現です。
論理的な
論理に基づいていること。前提から結論が導き出せるような演繹的な思考や、整合性が取れている状態を指す。議論や説明などで用いられる。
The teacher's explanation was so logical that everyone in the class could easily understand it.
先生の説明はとても論理的だったので、クラスのみんなが簡単に理解できました。
※ 先生が難しい内容を順序立てて、わかりやすく説明している場面です。「logical」は、説明や話が「筋道が通っている」「納得できる」と感じるときによく使われます。まるで、もつれた糸がするすると解けるように理解できる感覚を表しています。
His plan to fix the broken toy was very logical and simple.
壊れたおもちゃを直す彼の計画は、とても理にかなっていて単純でした。
※ 壊れたものを直す方法や、問題を解決する「計画」が「論理的」であるとは、無駄がなく、効果的で、筋が通っていることを指します。ごちゃごちゃ考えず、冷静に「なるほど!」と納得できるような、シンプルで理にかなった解決策のイメージです。
You made a logical decision even when you were feeling upset.
あなたは動揺していた時でさえ、論理的な決断をしました。
※ 感情的になりやすい状況で、冷静に、筋道を立てて考え、適切な「決断」を下した場面です。心がざわついている時でも、感情に流されず、客観的な事実に基づいて合理的な判断を下す強さを表すのに使われます。
コロケーション
論理的な議論、筋の通った主張
※ 「logical」が形容詞として名詞「argument」を修飾する、非常に基本的なコロケーションです。単に「論理的な」だけでなく、「首尾一貫していて、証拠に基づいている」というニュアンスを含みます。ビジネスシーンや学術的な文脈で、客観性と合理性を強調する際に不可欠な表現です。反対に、感情論や個人的な意見に基づいた議論は「illogical argument」と表現されます。
論理的帰結、必然的な結論
※ ある前提や事実に基づいて、論理的に導き出される結論を指します。単に「結論」と言うよりも、「他にありえない、当然の結論」というニュアンスが強くなります。数学や科学の分野はもちろん、日常会話でも「~という状況から考えると、当然こうなるよね」という場面で使えます。例えば、「Given the evidence, the logical conclusion is that he's guilty.(証拠から判断すると、論理的な帰結は彼が有罪だということだ)」のように使われます。
論理的結果、当然の報い
※ 「logical conclusion」と似ていますが、こちらは原因と結果の関係に焦点を当てています。ある行動や決定が、論理的に必然的に生み出す結果を指します。多くの場合、ネガティブな結果を指すことが多いです。例えば、「If you don't study, the logical consequence is that you'll fail the exam.(勉強しなければ、当然の結果として試験に落ちるだろう)」のように使われます。因果関係を明確に示す際に有効な表現です。
論理的誤謬、詭弁
※ 議論や推論の過程における誤りを指します。見た目には筋が通っているように見えても、論理的に考えると誤っている主張のことです。例えば、「人身攻撃」「藁人形論法」「偽の二択」などが該当します。批判的思考を養う上で重要な概念であり、議論の欠陥を見抜くために不可欠な知識です。ニュースや政治討論など、意見が対立する場面で頻繁に登場します。
論理的な順序、理路整然とした構成
※ 物事を整理したり説明したりする際に、最も理にかなった順序のことを指します。時間的な順序、重要度順、原因と結果の順など、様々な基準が考えられますが、聴衆や読者が理解しやすいように構成されていることが重要です。プレゼンテーション、論文、報告書など、情報を効果的に伝える必要がある場面で特に重要になります。
論理的に一貫している
※ 複数の事柄や主張が、互いに矛盾することなく、首尾一貫している状態を指します。例えば、ある理論が「logically consistent」であるとは、その理論に含まれるすべての命題が矛盾なく共存できることを意味します。学術的な文脈や、厳密な議論を行う際に頻繁に用いられます。反対に、矛盾がある場合は「logically inconsistent」と表現されます。
完全に理にかなっている、極めて論理的だ
※ ある行動や考え方が、疑う余地がないほど論理的であることを強調する表現です。「perfectly」をつけることで、その論理性の高さが際立ちます。皮肉を込めて使われることもあります。例えば、相手の行動が理解できない場合に、「That's perfectly logical... (棒読み)」のように言うことで、実際には全く理解できない、という意味合いを伝えることができます。
使用シーン
学術論文や研究発表で頻繁に使用されます。特に、議論の展開や結論の正当性を示す際に重要です。例えば、「This study provides a logical framework for understanding the phenomenon.(この研究は、その現象を理解するための論理的な枠組みを提供する)」のように使われます。統計学や哲学など、論理的思考が重視される分野では特に使用頻度が高いです。
ビジネスシーンでは、提案書や報告書、プレゼンテーションなどで使われます。意思決定の根拠や戦略の妥当性を示すために用いられます。例えば、「Our decision is logical based on the market analysis.(我々の決定は、市場分析に基づいた論理的なものです)」のように、客観性と合理性を強調する際に有効です。会議での議論やメールでのやり取りでも、論理的な思考を示すために使われることがあります。
日常会話では、相手の意見や行動に対して「理にかなっている」「筋が通っている」と評価する際に使われることがあります。ただし、やや硬い印象を与えるため、より口語的な表現(例えば、'makes sense' や 'reasonable')が好まれる傾向があります。ニュース記事や解説番組など、公共的な情報源では見かける頻度が高まります。例えば、「That's a logical conclusion, given the circumstances.(その状況を考えると、それは論理的な結論だ)」のように使われます。
関連語
類義語
「理性的」という意味で、感情に左右されず、論理や理性に基づいて判断・行動することを指します。学術的な文脈や、人の性質を評価する際に用いられることが多いです。 【ニュアンスの違い】「logical」が客観的な根拠に基づいていることを強調するのに対し、「rational」は感情を排除した思考プロセスを強調します。より形式ばった、あるいは哲学的な議論で好まれます。 【混同しやすい点】「rational」は人の性質や判断を評価する際に使われることが多いですが、「logical」は議論やシステム、計画などが理にかなっていることを表す場合に使われることが多いです。例えば、「a rational decision」は適切ですが、「a rational argument」よりも「a logical argument」の方が自然です。
「道理にかなった」「妥当な」という意味で、常識や社会通念に照らして受け入れられることを指します。日常会話やビジネスシーンで、提案や要求などが受け入れ可能かどうかを判断する際に用いられます。 【ニュアンスの違い】「logical」が論理的な整合性を重視するのに対し、「reasonable」は現実的な妥当性や、関係者の合意可能性を重視します。より柔軟で、状況に合わせた判断を意味します。 【混同しやすい点】「reasonable」は主観的な判断を含むことがあります。「logical」が客観的な根拠に基づくのに対し、「reasonable」は「人がそう考えるのが自然だ」というニュアンスを含みます。例えば、「a reasonable price」は、必ずしも論理的に計算された価格ではなく、市場や消費者の期待に沿った価格を指します。
「首尾一貫した」「筋の通った」という意味で、思考、議論、文章などが矛盾なく、全体としてまとまっていることを指します。学術的な論文やプレゼンテーションなど、複雑な情報を伝える際に重要になります。 【ニュアンスの違い】「logical」が個々のステップの正しさを重視するのに対し、「coherent」は全体としての整合性を重視します。部分的に論理的であっても、全体としてまとまりがない場合は「incoherent」と表現されます。 【混同しやすい点】「coherent」は主に文章や議論など、複数の要素が組み合わさったものに対して使われます。個々の事実や行動が「coherent」であるとは言いません。例えば、「a coherent argument」は適切ですが、「a coherent fact」は不自然です。
「一貫性のある」「矛盾のない」という意味で、行動、意見、データなどが時間や状況が変わっても同じ状態を保つことを指します。科学的な実験や、企業のブランドイメージなど、信頼性が求められる場面で重要になります。 【ニュアンスの違い】「logical」が論理的な正しさを意味するのに対し、「consistent」は時間的な一貫性や、複数の要素間の矛盾のなさを意味します。論理的に正しいかどうかは別として、同じ状態を維持することが重要である場合に用いられます。 【混同しやすい点】「consistent」はしばしば「with」を伴い、「~と一貫性がある」という形で使われます(例:consistent with the data)。一方、「logical」は「to」を伴い、「~にとって論理的である」という形で使われることがあります(例:logical to him)。
「妥当な」「正当な」という意味で、議論、根拠、契約などが法的にまたは論理的に認められることを指します。法律、数学、哲学などの分野で用いられます。 【ニュアンスの違い】「logical」と似ていますが、「valid」はより形式的な正当性を強調します。特に、前提から結論が論理的に導き出されることを意味し、法的な文脈では法的な根拠に基づいていることを意味します。 【混同しやすい点】「valid」は「妥当な」「正当な」という意味であり、日本語の「valid」というカタカナ語が「有効な」という意味で使われることがあるため、混同しやすいです。例えば、「a valid argument」は「有効な議論」ではなく「妥当な議論」を意味します。
「健全な」「確かな」という意味で、議論、判断、アドバイスなどが合理的で信頼できることを指します。ビジネスや日常生活で、リスクを評価したり、意思決定をしたりする際に用いられます。 【ニュアンスの違い】「logical」が論理的な整合性を重視するのに対し、「sound」は現実的な妥当性や、長期的な安定性を重視します。単に論理的に正しいだけでなく、実践的で信頼できることを意味します。 【混同しやすい点】「sound」は形容詞として使われる場合、「音」に関する意味を持つことが多いため、「sound argument」のような表現に違和感を覚えるかもしれません。しかし、「sound」には「健全な」「確かな」という意味もあり、この場合は「論理的で信頼できる議論」という意味になります。
派生語
- logically
『論理的に』という意味の副詞。『logical』に副詞化の接尾辞『-ly』が付いた形。議論や説明において、根拠や推論の道筋を示す際に用いられ、ビジネス文書や学術論文で頻繁に見られる。日常会話でも、意見を述べる際に『logically speaking(論理的に言えば)』のように使われる。
『論理(学)』という意味の名詞。『logical』の語源であり、哲学、数学、コンピューターサイエンスなど、様々な分野で中心的な概念として扱われる。日常会話では『理屈』や『筋道』といった意味で使われることもあり、『That's just logic.(それが理屈だよ)』のように用いられる。
接頭辞『il-(否定)』が付いた『非論理的な』という意味の形容詞。『logical』の否定形として、矛盾や不合理を示す際に用いられる。日常会話からビジネス、学術的な文脈まで幅広く使用され、相手の意見や行動を批判する際にも使われることがある。
- logician
『論理学者』という意味の名詞。『logic』に人を表す接尾辞『-ian』が付いた形。哲学や数学の分野で、論理学を専門とする研究者を指す。日常会話ではあまり使われないが、学術的な文脈では頻繁に登場する。
反意語
接頭辞『ir-(否定)』が付いた『非合理的な』という意味の形容詞。『logical』が論理的思考や根拠に基づいているのに対し、『irrational』は感情や直感、あるいは根拠のない信念に基づいていることを指す。ビジネスシーンでは『irrational decision(非合理的な決定)』のように、論理的思考に基づかない判断を批判的に表現する際に用いられる。
『感情的な』という意味の形容詞。『logical』が客観的な思考を重視するのに対し、『emotional』は感情や情緒に左右されることを指す。議論や交渉の場面で、感情的な反応を示すことを『emotional response』と表現し、論理的な議論を妨げる要因として扱われることがある。日常会話でも、人の性格や行動を表す際に頻繁に使用される。
『不条理な』『ばかげた』という意味の形容詞。『logical』が論理的な整合性や合理性を持つことを前提とするのに対し、『absurd』はそれらの要素を欠いていることを示す。哲学的な文脈では、世界の不条理さや人間の存在の無意味さを表現するために用いられる。日常会話では、状況や行動が常識からかけ離れている場合に『absurd situation(ばかげた状況)』のように使われる。
語源
"logical(論理的な)」は、ギリシャ語の「logos(ロゴス)」に由来します。この「logos」は、言葉、理性、思考、原理など、非常に幅広い意味を持っていました。それがラテン語に入り、「logica(論理学)」となり、さらに古フランス語を経て英語に入ってきました。つまり、「logical」は、言葉や思考、理性に基づいて筋が通っている、理にかなっているという意味合いを持つようになったのです。例えば、「ロジックパズル」という言葉がありますが、これはまさに「logos」の派生であり、論理的思考を必要とするパズルを指します。日本語の「論理」という言葉自体も、「logos」の概念を反映していると言えるでしょう。「logical」を理解することは、単に英単語を覚えるだけでなく、西洋哲学における思考の根源に触れることにも繋がります。
暗記法
「logical」は理性と秩序の象徴。古代ギリシャ哲学から科学、法制度へ。しかし、論理は時に「男性性」と結びつき、ジェンダーバイアスを生むことも。客観性の追求も重要だが、完全な客観は幻想に過ぎない。論理は権力構造を隠蔽し、差別を正当化する可能性も孕む。感情や多様な視点を取り入れ、文脈を理解し、倫理的な判断こそが真に「logical」なのだ。
混同しやすい単語
接頭辞 'il-' がつくことで意味が反転し『非論理的な』となります。 'logical' と 'illogical' はスペルも似ており、意味も対義語であるため、文脈をよく読まないと誤解しやすいです。日本人学習者は、接頭辞に注意して単語全体を把握することが重要です。'il-' は 'in-' の変形で、後に続く語の最初の子音によって形が変わることがあります (例: impossible, irregular)。
スペルが似ていますが、意味は全く異なり『兵站』『物流』『ロジスティクス』を意味します。発音もアクセントの位置が異なるため注意が必要です (logical: /ˈlɒdʒɪkəl/, logistic: /ləˈdʒɪstɪk/)。ビジネスの文脈では頻出の単語なので、区別できるようにしましょう。語源的には、'logic' よりも 'logistics' の方が歴史が古く、軍事用語から発展した言葉です。
'logical' の名詞形であり、『論理』『論法』を意味します。形容詞と名詞の違いであるため、文脈によって使い分ける必要があります。例えば、『それは論理的だ』は 'That's logical.'、『それは論理に基づいている』は 'That's based on logic.' となります。日本人学習者は、品詞の違いを意識して語彙を増やすことが大切です。ギリシャ語の 'logos'(言葉、理性)が語源で、'logical' と共通のルーツを持ちます。
接頭辞 'bio-' がつくことで『生物学的な』という意味になります。スペルの一部が共通しているため、視覚的に混同しやすいですが、意味は全く異なります。文脈から判断することが重要です。'bio-' は『生命』を意味する接頭辞で、biology(生物学), biography(伝記)など、様々な単語に使われます。
接頭辞 'geo-' がつくことで『地質学的な』という意味になります。こちらもスペルの一部が共通しているため、視覚的に混同しやすい単語です。'geo-' は『地球』を意味する接頭辞で、geography(地理学), geometry(幾何学)などの単語にも使われています。学術的な文脈で登場することが多い単語です。
『類似の』『類似的な』という意味を持ちます。 'logical' と語尾が似ているため、混同しやすい可能性があります。類推(analogy)を用いる際に使われる単語で、'logical' が論理的な推論を表すのに対し、'analogical' は類似性に基づいた推論を表します。例えば、「心臓はポンプに類似している」のようなアナロジーを説明する際に使われます。
誤用例
日本語の『論理的』は、時に『難解』『理屈っぽい』といったニュアンスを含むことがあります。そのため、日本語の感覚で『logical』を使うと、上記のように本来の意味(筋が通っている、理解しやすい)と逆の意図を伝えてしまう可能性があります。英語の『logical』は基本的にポジティブな意味合いで使われ、理解を促進する性質を指します。この誤用は、日本語の多義性が英語にそのまま適用できない典型例です。英語では、もし説明が難解で理解できない場合は 'His explanation was too convoluted' や 'His explanation was hard to follow' のように表現します。
この誤用は、日本語の『私にとって〜は論理的だ』という表現を直訳しようとした際に起こりがちです。英語では、『It is logical』の後に『for 人 to do』という形は一般的ではありません。正しい構文は、『It is logical that + 主語 + 動詞』です。これは、英語の構文パターンが日本語の直訳に必ずしも対応しないことを示しています。『for me to think so』という形自体は文法的に誤りではありませんが、ここでは不自然に聞こえます。より自然な英語では、'It makes sense that I think so' や 'My thinking is logical' のように表現することもできます。
この誤用は、行動の道徳性や倫理観を『logical』という言葉で表現しようとした場合に起こります。英語の『logical』は、あくまで論理的な整合性や合理性を指し、道徳的な正しさや倫理的な適切さを表す言葉ではありません。この文脈では、『ethical』や『moral』といった言葉を使うのが適切です。日本人が道徳的な判断を曖昧な言葉で表現する傾向があるのに対し、英語では道徳的な概念を明確に区別して表現することが求められます。この背景には、西洋文化における倫理観の明確さや、議論における論理性の重視といった文化的要因が影響していると考えられます。
文化的背景
「logical(論理的)」という言葉は、西洋文化において、理性と秩序を重んじる精神を象徴します。古代ギリシャ哲学に端を発するこの概念は、感情や直感に頼るのではなく、客観的な根拠に基づいて結論を導き出す思考方法を指し、啓蒙思想以降の科学、法制度、社会構造の基盤となりました。
特に注目すべきは、論理がしばしば「男性性」と結び付けられてきた歴史的経緯です。伝統的に、感情的な反応は「女性的」と見なされ、論理的思考は男性の特権的な能力であるとされてきました。このようなジェンダーバイアスは、科学分野や政治の世界における女性の進出を阻む要因の一つとなり、現代においても、無意識のうちに論理的思考と男性性を結びつける固定観念が残存している場合があります。例えば、ビジネスシーンにおいて、感情的なアプローチよりも論理的な提案が重視される傾向は、この歴史的背景を反映していると言えるでしょう。
また、論理は「客観性」の追求と密接に結びついています。しかし、客観的な視点を持つことが常に可能であるとは限りません。私たちは、自身の経験や文化的な背景に基づいて世界を解釈するため、完全に客観的な論理的思考は理想に過ぎないという批判も存在します。ポスト構造主義の思想家たちは、論理の背後にある権力構造を暴き出し、論理が特定のイデオロギーを正当化するために利用される可能性を指摘しました。例えば、人種差別的な政策が、一見論理的な根拠に基づいて正当化される場合などが挙げられます。
現代社会において、「logical」は依然として重要な価値観ですが、その絶対性は問い直されています。感情や直感、多様な視点を取り入れ、より包括的で人間的な意思決定を行うことが求められています。論理的思考は、問題解決のための強力なツールですが、それだけに頼るのではなく、文脈を理解し、倫理的な判断を下すことが、真に「logical」な行動と言えるでしょう。
試験傾向
- 出題形式: 主に長文読解、語彙問題(準1級以上)。ライティング(意見論述)でも使用できる。
- 頻度と級・パート: 準1級、1級で頻出。2級でも長文読解で登場する可能性あり。
- 文脈・例題の特徴: アカデミックなテーマ、社会問題、科学技術など論理的な思考を必要とする文脈で登場しやすい。
- 学習者への注意点・アドバイス: 形容詞'logical'だけでなく、名詞'logic'、副詞'logically'も合わせて学習。'illogical'(非論理的な)などの反意語も重要。英作文では、自分の意見を'logically'に展開する際に役立つ。
- 出題形式: 主に長文読解(Part 7)、稀に穴埋め問題(Part 5)。
- 頻度と級・パート: Part 7で比較的頻出。Part 5では、文法的な要素と組み合わせて問われる場合がある。
- 文脈・例題の特徴: ビジネス文書、レポート、記事など。問題解決や意思決定のプロセスにおける論理性を表現する際に使われる。
- 学習者への注意点・アドバイス: 'logical'を含む文脈から、筆者の意図や主張を正確に把握することが重要。関連語句(reasoning, rationale, coherent)なども一緒に学習すると効果的。
- 出題形式: リーディングセクションで頻出。ライティングセクション(独立問題)でも使用できる。
- 頻度と級・パート: リーディングセクションで高頻度。ライティングでは、論理的な構成を示すために重要。
- 文脈・例題の特徴: アカデミックな論文、研究発表、討論など。抽象的な概念や理論を説明する際に頻繁に使われる。
- 学習者への注意点・アドバイス: 同義語(rational, reasonable, consistent)とのニュアンスの違いを理解することが重要。ライティングでは、'logically'に意見を展開することで、高得点につながる。
- 出題形式: 主に長文読解。稀に語彙問題、英作文。
- 頻度と級・パート: 難関大学の長文読解で頻出。標準的な大学でも、評論文などで登場する可能性あり。
- 文脈・例題の特徴: 評論文、科学記事、社会問題に関する文章など。論理的な思考力や分析力を問う文脈で使われることが多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: 'logical'の基本的な意味だけでなく、文脈におけるニュアンスを正確に把握することが重要。パラグラフ全体の論理構成を理解する上で、'logical'に展開されているかどうかに注目すると良い。