valid
第一音節にアクセントがあります。母音 /æ/ は日本語の「ア」と「エ」の中間のような音で、口を横に広げて発音します。/ɪ/ は日本語の「イ」よりも弱く、曖昧な響きになるように意識しましょう。語尾の /d/ は、舌先を上前歯の裏につけて発音する有声破裂音です。
専門的な内容に関するご注意
このページには、健康、金融、法律など、専門的な知識を必要とする内容が含まれている可能性があります。本サイトの情報は学習目的で提供されており、専門家による助言の代わりとなるものではありません。重要な判断を行う際には、必ず資格を持つ専門家にご相談ください。
正当な
法的に、または論理的に認められる状態。単に「正しい」だけでなく、根拠や手続きを経て認められた正しさを示す。契約、証明書、議論など、形式的な文脈で使われることが多い。
The airport staff checked my passport to make sure it was still valid for my flight.
空港の係員は、私のパスポートがフライトにまだ有効か確認しました。
※ この例文は、空港でフライト前にパスポートを見せる場面を描いています。旅行のドキドキ感や、スムーズに進む安心感が伝わりますね。「valid」は、パスポートやチケット、ビザなど、ある期間だけ効力があるものが「有効である」ことを示す際によく使われます。特に、期限が切れていないか確認する場面で自然な使い方です。「make sure」は「~を確認する」という日常会話でとてもよく使う表現ですよ。
When she explained why she was late, her excuse sounded completely valid to me.
彼女がなぜ遅れたのか説明した時、その言い訳は私には全く正当に聞こえました。
※ 友達が遅れてきて、申し訳なさそうに理由を説明している場面を想像してみてください。最初は少しイライラしていたけれど、理由を聞いて「なるほど、それなら仕方ないな」と納得し、理解してあげる気持ちが伝わります。「valid」は、誰かの「理由」や「言い分」が「もっともだ、筋が通っている」と納得できる場合によく使われます。感情や共感も伴う、人間関係の中で自然な使い方です。「sound + 形容詞」は「~に聞こえる/思える」という意味で、相手の言動に対して自分がどう感じたかを伝えるのに便利です。
Our team leader said my new idea was valid and encouraged me to develop it further.
私たちのチームリーダーは、私の新しいアイデアが正当だと言い、さらに発展させるよう励ましてくれました。
※ 会議で、あなたが提案した新しいアイデアが上司に認められ、やる気が出た嬉しい瞬間を描いています。「valid」は、ビジネスや学術の場で「意見」「主張」「アイデア」などが「論理的に正しい」「根拠がある」「妥当である」と認められる際にも非常に頻繁に用いられます。自分のアイデアが認められるのは嬉しいことですよね。「encourage A to do B」は「AがBするように励ます」という意味で、目標達成を後押しする場面で使えます。
有効な
効果を発揮する、または効力を持つ状態。パスポート、チケット、理論、主張などが、使用可能、または妥当であることを示す。期限切れでない、または論理的に矛盾がないといった意味合いを含む。
This coupon is valid until the end of the month, so I can use it later.
このクーポンは月末まで有効だから、後で使えるね。
※ お店で買い物をしている時に、お得なクーポンを見つけて「いつまで使えるのかな?」と確認している場面です。「valid until ~」で「~まで有効」という期限を表す、日常で非常によく使う表現です。チケットや割引券などで見かけることが多いですよ。
That's a very valid point, and I agree with your idea.
それはとてももっともな意見ですね、あなたの考えに賛成です。
※ 会議や友人との話し合いで、相手の意見を聞いて「なるほど、それは正しい!」と納得し、賛同している場面です。「valid point」は、相手の意見が論理的に正しく、納得できるときに使う非常によくあるフレーズで、相手を尊重する気持ちも伝わります。
Her student ID card is valid for another year, so she can still get discounts.
彼女の学生証はあと1年有効だから、まだ割引が受けられるんだ。
※ 学生証やパスポート、定期券などの身分証明書や許可証が「有効である」ことを確認している場面です。「valid for + 期間」で「~の間有効」という意味になり、期限つきのものがまだ使える状態であることを表します。割引を受けられる喜びが伝わってきますね。
妥当な
根拠があり、受け入れられる状態。意見、理由、言い訳などが、もっともらしい、または納得できることを示す。必ずしも完璧ではないが、状況を考慮すると許容範囲内であるというニュアンスを含む。
Her idea sounds very valid to me in the meeting.
会議で彼女のアイデアは私にとってとても妥当に聞こえます。
※ 会議中に誰かの意見を聞いて、「それはもっともだ」「なるほど、理にかなっている」と感じる場面です。「valid」は、意見や提案が道理に合っていて、受け入れられるべきだと判断するときによく使われます。「sound + 形容詞」で「〜に聞こえる、〜そうだ」という意味になります。
The officer checked my passport and said, "It's still valid."
係官は私のパスポートを確認し、「まだ有効です」と言いました。
※ 空港や役所などで、書類やチケット、身分証明書などが「有効期限内である」「正式に認められる」状態であることを伝えるときによく使われます。この文では、パスポートが期限切れではなく、まだ使える状態であることを示しています。旅行や手続きの場面で頻繁に聞く表現です。
The teacher thought his excuse for being late was valid.
先生は彼が遅刻した理由が妥当だと考えました。
※ 誰かの行動や状況に対する「言い訳」や「理由」が、正当で納得できるものであると判断される場面です。「excuse(言い訳、理由)」と「valid」は非常によく一緒に使われます。先生が、生徒の遅刻の理由を理解し、受け入れた様子がわかりますね。
コロケーション
有効なパスポート
※ パスポートの有効期限が切れていない状態を指します。旅行や国際的な手続きにおいて必須の表現であり、単に『有効』というだけでなく、公式な書類としての有効性を強調します。例えば、『Your passport must be valid for at least six months beyond your intended stay.(滞在予定期間+6ヶ月以上の有効期限がパスポートに必要です)』のように使われます。旅行代理店や入国管理局など、公的な場面で頻繁に使われます。
正当な理由、もっともな理由
※ 何かを説明したり、言い訳をしたりする際に、受け入れられるだけの十分な根拠があることを意味します。単に『理由』と言うよりも、客観的に見て妥当であるというニュアンスを含みます。例えば、『He had a valid reason for being late.(彼が遅刻したのには正当な理由があった)』のように使われます。口語でもビジネスシーンでも使用頻度が高い表現です。
もっともな指摘、的を射た意見
※ 議論や会議などで、相手の発言が論理的に正しく、考慮に値するものであることを認める際に使います。単に『賛成』と言うよりも、相手の意見の正当性を認めるニュアンスがあります。例えば、『That's a valid point, but we also need to consider the cost.(それはもっともな指摘ですが、コストも考慮する必要があります)』のように使われます。ビジネスシーンやアカデミックな場面でよく用いられます。
有効な契約
※ 法的に拘束力のある契約を指します。契約書がすべての法的要件を満たし、当事者間で合意されている状態を表します。契約が無効になるケース(未成年者の契約、詐欺による契約など)との対比で使われることが多いです。法律やビジネスの専門用語として頻繁に登場します。
妥当な議論、論理的に正しい主張
※ 論理的な構造が正しく、前提から結論が導き出せる議論のこと。単に『主張』と言うよりも、客観的に見て論理的な整合性が取れていることを強調します。哲学、論理学、法学などの分野でよく用いられます。日常会話よりも、学術的な文脈で使われることが多いでしょう。
~まで有効
※ 何かの有効期限を示す際に使われる表現です。例えば、チケットやクーポン、証明書などの有効期限を示す際に用いられます。『The ticket is valid until December 31st.(このチケットは12月31日まで有効です)』のように使われます。ビジネスシーンや日常生活で頻繁に使われる表現です。
~に有効、~に適用可能
※ 特定の条件や範囲において有効であることを示す際に使われる表現です。例えば、『This coupon is valid for any item in the store.(このクーポンは店内すべての商品に有効です)』のように使われます。広告や契約書などでよく見られる表現です。
使用シーン
学術論文や研究発表で、データの信頼性や論理の正当性を示す際に頻繁に使用されます。例えば、「この実験結果は統計的にvalidである(統計的に有意である)」、「この推論は前提がvalidでないため、結論もvalidではない」のように使われます。文語的で、厳密な議論が求められる場面で重要です。
ビジネス文書や会議で、契約、提案、データ分析の結果など、様々な事柄の有効性や正当性を確認する際に使われます。例:「この契約書は法的にvalidである」、「この市場調査の結果はvalidな根拠に基づいている」など。フォーマルな文脈で使用され、信頼性を担保する意味合いを持ちます。
日常会話ではあまり使いませんが、公的な書類や手続き、ニュース記事などで見かけることがあります。例えば、「このパスポートはまだvalidである」、「この駐車券は今日までvalidです」のように使われます。少し硬い表現なので、日常会話では「有効」や「使える」のような言葉で言い換えることが多いです。
関連語
類義語
『合法的な』『正当な』という意味で、法律や規則、社会的な規範に適合していることを指す。ビジネスや法律、政治などのフォーマルな場面でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】"valid"が論理的、手続き的に正しいことを意味するのに対し、"legitimate"は社会的な正当性や道徳的な正しさをより強く含意する。権威や出自が正当である場合にも使われる。 【混同しやすい点】"valid"は根拠や妥当性が問題になるのに対し、"legitimate"は権利や権限の正当性が問題になることが多い。例えば、"valid passport"(有効なパスポート)は期限が切れていないことを意味し、"legitimate government"(正当な政府)は国民の支持を得ていることを意味する。
『健全な』『確かな』という意味で、根拠や理論、判断などが信頼できることを指す。特に、議論や計画、投資などが合理的でリスクが少ない場合に用いられる。ビジネスや学術的な文脈で使われる。 【ニュアンスの違い】"valid"が形式的な正しさを強調するのに対し、"sound"は内容の信頼性や実用性をより重視する。感情的な要素を排除し、客観的な評価に基づく場合に適している。 【混同しやすい点】"sound"はしばしば比喩的な意味合いで使用され、物理的な健全さだけでなく、精神的な健全さや経済的な健全さも表すことができる。"valid"は主に論理的な妥当性を指すため、この点で大きく異なる。
『本物の』『真正の』という意味で、偽物や模倣品でないことを指す。美術品、文書、経験など、オリジナリティや独自性が重要な場合に用いられる。日常会話からビジネス、学術まで幅広く使われる。 【ニュアンスの違い】"valid"は事実や論理の正しさを保証するが、"authentic"は起源や製作者の真正性を保証する。感情的な価値や個人的な経験に関連づけられることが多い。 【混同しやすい点】"authentic"はしばしば感情的な共鳴や個人的な価値観と結びついて使用されるため、客観的な検証が難しい場合がある。例えば、"authentic experience"(本物の体験)は人によって解釈が異なる可能性がある。
『本物の』『心からの』という意味で、偽りや見せかけがないことを指す。人の感情、性格、行動などが誠実で正直であることを表す。日常会話でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】"valid"が客観的な基準を満たしていることを意味するのに対し、"genuine"は主観的な誠実さや真実味を表す。感情的な繋がりや人間関係において重要な意味を持つ。 【混同しやすい点】"genuine"はしばしば人の内面的な特質を評価する際に用いられるため、外見や行動だけで判断することが難しい場合がある。"genuine smile"(心からの笑顔)は、単なる笑顔とは異なり、感情が伴っている。
『真実の』『本当の』という意味で、事実や現実と一致していることを指す。情報、証言、信念などが正確であることを表す。日常会話から学術まで幅広く使われる。 【ニュアンスの違い】"valid"が論理的な妥当性や手続き的な正当性を意味するのに対し、"true"は客観的な事実との一致を意味する。感情的な要素は含まれない。 【混同しやすい点】"true"はしばしば哲学的な議論や科学的な検証において用いられるため、日常的な会話ではやや形式ばった印象を与えることがある。"valid"はより具体的な状況や判断に適用されることが多い。
『説得力のある』『納得のいく』という意味で、議論や証拠が論理的に明確で、相手を納得させる力があることを指す。特に、論文やプレゼンテーション、法律的な議論などで用いられる。 【ニュアンスの違い】"valid"が前提や手続きの正しさを指すのに対し、"cogent"は結論の説得力を強調する。聞き手や読み手に対する影響力を重視する。 【混同しやすい点】"cogent"はしばしば聴衆や読者の知識や理解力に依存するため、客観的な評価が難しい場合がある。例えば、専門家にとっては"cogent"な議論でも、一般の人々には理解できない可能性がある。
派生語
『有効にする』という意味の動詞。『valid』に動詞化の接尾辞『-ate』が付加。文書や証拠の正当性を示す際に用いられ、ビジネスや法律分野で頻繁に使われる。単に『有効』な状態から、『有効にする』という行為を表すように意味が発展。
『検証』や『妥当性確認』という意味の名詞。『validate』に名詞化の接尾辞『-ation』が付加。ソフトウェア開発や科学研究において、理論やモデルが現実と一致するかを確かめるプロセスを指す。抽象的な概念を扱う学術的な文脈でよく用いられる。
『無効な』という意味の形容詞。『valid』に否定の接頭辞『in-』が付加。契約、パスポート、クレジットカードなど、法的または公式な効力がない状態を指す。日常会話からビジネス、法律まで幅広い場面で使用される。
反意語
『病弱な』という意味の形容詞。語源は異なるが、『valid(健康な、強い)』の対義語として、人の健康状態を表す際に用いられる。日常会話で使われることが多い。ただし、スペルが同じであるため、文脈によって意味を区別する必要がある。
『無効な』という意味の形容詞。法的拘束力や効力がない状態を表し、『valid』の対義語として用いられる。契約書や法律文書など、特に公式な文脈で使用される。単に有効でないだけでなく、法的・公式な効力が完全に失われているニュアンスを含む。
『無効な』または『ゼロ』という意味。プログラミングやデータベースの文脈で、値が存在しない状態を指す。数学や論理学でも同様の意味で使用される。日常会話よりは専門的な分野で使われることが多く、特にIT関連の技術文書で頻繁に見られる。
語源
「valid」は「正当な」「有効な」という意味ですが、その語源はラテン語の「validus(強い、丈夫な)」に由来します。さらに遡ると、「valere(価値がある、強い)」という動詞に行き着きます。この「valere」は、物理的な強さだけでなく、法的な効力や論理的な妥当性といった、抽象的な意味での「強さ」も表していました。日本語で例えるなら、「確固たる」という言葉が近いかもしれません。「valid」は、この「valere」の概念を受け継ぎ、時を経て英語に取り入れられ、「法的に有効である」「論理的に妥当である」という意味を持つようになったのです。つまり、「valid」は、単に「正しい」だけでなく、「強固な根拠に基づいた正しさ」を意味すると理解できます。
暗記法
「valid」は単に「有効」なだけでなく、社会の合意、正当性、信頼の証。中世の法廷で公正な手続きを経て認められた証拠が「valid」であるように、社会秩序を支える基盤となる。近年では個人の感情や経験の正当性を示す言葉としても重要視され、他者の感情を「valid」と認めることは相互理解を深める鍵となる。法と感情、社会と個人の繋がりを示す、奥深い言葉なのだ。
混同しやすい単語
『valid』と『validate』は、スペルが非常に似ており、発音も最初の部分が同じであるため、混同されやすいです。『validate』は動詞で「有効にする」「正当性を示す」という意味です。例えば、パスポートをvalidate(有効化)する、というように使います。日本人学習者は、品詞が異なる(形容詞 vs. 動詞)ことに注意し、文脈に応じて使い分ける必要があります。語源的には、どちらもラテン語の『validus』(強い、有効な)に由来しますが、validateはさらに動詞化された形です。
『valid』と『value』は、最初の 'val-' の部分が共通しているため、スペルミスや発音の誤りにつながりやすいです。『value』は名詞で「価値」や「重要性」を意味します。動詞としても使われ、「価値を認める」「評価する」という意味になります。日本人学習者は、'id' と 'ue' のスペルの違いを意識し、意味の違いを明確に理解しておくことが重要です。語源的には、どちらもラテン語の『valere』(強い、価値がある)に由来しますが、意味の焦点が異なっています。
『valid』と『void』は、スペルが似ており、意味が正反対であるため、混同すると大きな誤解を生む可能性があります。『void』は形容詞で「無効な」「空の」という意味です。例えば、契約書がvoid(無効)になる、というように使います。日本人学習者は、'valid' が「有効」であるのに対し、'void' が「無効」であることを強く意識する必要があります。語源的には、'void' はラテン語の『voidus』(空の)に由来します。
『valid』と『salad』は、特に発音において、母音の音価とアクセント位置が異なるにも関わらず、スペルの一部が似ているため、発音の練習段階で混乱を招くことがあります。『salad』は名詞で「サラダ」を意味します。日本人学習者は、'a' の発音の違い(/æ/ vs. /ə/)と、アクセントの位置(validは最初、saladは最初)に注意する必要があります。語源的には、'salad' はラテン語の『salata』(塩味の)に由来します。
『valid』と『ballad』は、スペルの一部が似ており、特に語尾の 'ad' の部分が共通しているため、スペルミスを引き起こす可能性があります。『ballad』は名詞で「バラード(物語歌)」を意味します。日本人学習者は、'v' と 'b' の発音の違いを意識し、意味の違いを明確に理解しておくことが重要です。語源的には、'ballad' は古フランス語の『balade』(踊りの歌)に由来します。
誤用例
日本語の「有効」という言葉に引きずられ、契約などの効力について『valid』を安易に使うのは不自然です。『valid』は『法的に有効』『論理的に妥当』という意味合いが強く、単に『会社にとって有益』という意味では、benefit(利益)を表す単語(beneficial, advantageous)を使う方が適切です。日本人が陥りやすいのは、ビジネスシーンで曖昧なニュアンスを避けようとして、形式的な言葉を選びすぎることです。英語では、文脈に合った自然な表現を選ぶ方が好まれます。
『valid』は論理的な妥当性を示す言葉であり、年齢による意見の価値判断にはそぐいません。この場合、意見が『尊重されない』『評価されない』という意味合いで、『well-regarded』や『respected』を使う方が適切です。日本人は、英語で意見を述べる際に、遠慮や謙遜の気持ちから直接的な表現を避けようとしがちですが、『valid』を使って年齢で意見を否定するのは、論理的というよりむしろ失礼な印象を与えます。英語では、年齢に関わらず意見は尊重されるべきという価値観が根底にあるため、年齢を理由に価値を否定するような表現は慎むべきです。
日本語の「言い訳が通用しない」を直訳して『valid』を使うと、不自然な印象になります。『valid』は論理的な妥当性や正当性を示す言葉であり、言い訳の信憑性や妥当性を問題にする場合は、『credible(信用できる)』や『plausible(もっともらしい)』を使う方が適切です。日本人は「通用する」という言葉から、英語の『valid』を連想しやすいですが、英語では文脈に応じて適切な単語を選ぶ必要があります。特に、人の行動や発言の評価には、道徳や倫理観に基づいた単語を選ぶことが重要です。
文化的背景
「valid」は、単に「有効な」という意味を超え、社会的な合意、正当性、そして信頼の基盤を象徴する言葉です。それは、法的な契約から個人の主張に至るまで、あらゆるものが社会的に認められ、受け入れられるための必要条件を表します。この単語が持つ重みは、社会秩序を維持し、紛争を解決するためのルールが、いかに歴史的に構築されてきたかを反映しています。
「valid」という概念は、中世ヨーロッパにおける法制度の発展と深く結びついています。当時、土地の所有権や契約の有効性を巡る争いは頻繁に発生し、それを裁くための法廷や手続きが整備されました。ここで「valid」は、単に「形式的に正しい」だけでなく、「公正な手続きを経て認められた」という意味合いを持つようになります。例えば、証拠が「valid」であるとは、それが改ざんされていないだけでなく、適切な方法で収集され、提示されたことを意味します。この考え方は、現代の法制度にも引き継がれており、「valid」な証拠や契約は、社会的な信頼を維持するための重要な要素となっています。
さらに、「valid」は、個人の感情や経験の正当性を示す言葉としても用いられます。近年、心理学や社会学の分野では、個人の主観的な経験を尊重し、「valid」なものとして認めることの重要性が強調されています。例えば、ある人が過去のトラウマについて語る際、「その感情はvalidだ」と言うことは、その人の経験を否定せず、共感と理解を示すことを意味します。これは、従来の客観性や合理性を重視する考え方から、より包括的で人間的な視点への移行を示唆しています。他者の感情を「valid」なものとして認めることは、相互理解を深め、より健全な人間関係を築く上で不可欠な要素となります。
このように、「valid」は、法的な有効性から個人の感情の正当性まで、幅広い意味を持つ言葉です。それは、社会的な合意、公正な手続き、そして人間の尊厳という、社会を構成する上で重要な要素を内包しています。この言葉を理解することは、単に語彙を増やすだけでなく、社会の仕組みや人間関係の本質について深く考えるきっかけとなるでしょう。
試験傾向
- 出題形式: 語彙問題、長文読解
- 頻度と級・パート: 準1級以上で頻出。1級でも出題される可能性あり。
- 文脈・例題の特徴: 契約書、法律、科学論文など、やや硬い文脈で「有効な」「妥当な」という意味で使われることが多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: 形容詞としての用法がメイン。関連語のvalidate(動詞:有効にする、立証する)とvalidity(名詞:妥当性、正当性)も合わせて覚えること。Invalidとの区別も重要。
- 出題形式: Part 5, 6, 7(読解)
- 頻度と級・パート: Part 5の語彙問題でたまに出題。Part 7の長文読解でも見かける。
- 文脈・例題の特徴: 契約、請求書、保証書など、ビジネス関連の文書で「有効な」という意味で使われることが多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: 形容詞としての用法がほとんど。有効期限(valid until/through)など、特定のフレーズで出てくることが多い。valid ID(身分証明書)のような表現も覚えておくと役立つ。
- 出題形式: リーディング
- 頻度と級・パート: アカデミックな文章で頻出。
- 文脈・例題の特徴: 研究、理論、統計など、アカデミックな文脈で「妥当な」「有効な」という意味で使われることが多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: 形容詞としての用法が中心だが、抽象的な概念に対して使われることが多い。例:a valid argument(妥当な議論)。動詞のvalidateとの区別も重要。
- 出題形式: 長文読解、語彙問題
- 頻度と級・パート: 難関大学の長文で頻出。標準的な大学でも、テーマによっては出題される。
- 文脈・例題の特徴: 社会問題、科学技術、歴史など、幅広いテーマの文章で「有効な」「妥当な」という意味で使われる。
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈の中で意味を判断する力が重要。類義語(e.g., legitimate, sound)との使い分けも問われる可能性がある。特に、長文読解では、validが使われている文脈全体を理解することが不可欠。