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integrity

/ɪnˈtɛɡrɪti/(インテグラティ)

第一音節の /ɪ/ は、日本語の『イ』よりも口を少し開いて発音する短い母音です。第二音節にアクセント(強勢)があり、ここを強く発音することが重要です。最後の 'ti' は、日本語の『ティ』よりも弱く、曖昧母音に近い音で終わります。

専門的な内容に関するご注意

このページには、健康、金融、法律など、専門的な知識を必要とする内容が含まれている可能性があります。本サイトの情報は学習目的で提供されており、専門家による助言の代わりとなるものではありません。重要な判断を行う際には、必ず資格を持つ専門家にご相談ください。

名詞

誠実さ

道徳的・倫理的に一貫性があり、正直で責任感がある状態。公私にわたり、言動が一致していることを指す。信頼の基盤となる重要な資質。

His integrity made him a person everyone trusted.

彼の誠実さによって、彼はみんなが信頼する人物になりました。

この文は、誰かの「誠実さ」が、周りの人からの「信頼」にどう繋がるかを示しています。彼はいつも正直で、約束を破らない、そんな人柄が「integrity」です。「made him a person everyone trusted」は「彼をみんなが信頼する人にした」という結果を表す典型的な表現です。

The company values integrity more than profit.

その会社は利益よりも誠実さを重視しています。

この文は、企業が「誠実さ」を重要な価値として捉えている状況を描写しています。たとえ儲けが減っても、不正をしない、嘘をつかないという姿勢が「integrity」です。「value A more than B」は「AをBよりも重視する」という、物事の優先順位を示す際によく使われる表現です。

She showed great integrity even when it was difficult.

彼女は困難な状況でも、素晴らしい誠実さを示しました。

この文は、特に難しい状況や誘惑があったとしても、自分の信念や倫理観を守り通す「誠実さ」を表しています。周りが不正を勧めても、彼女は正しい道を選んだ、そんな場面を想像できます。「show integrity」は「誠実さを示す」という、行動と結びつけて使う典型的なフレーズです。

名詞

完全性

損なわれていない、全体としてのまとまりがある状態。システムや構造物が本来あるべき姿で機能していることを強調する。物理的な完全性だけでなく、データや情報の完全性も含む。

The old bridge kept its structural integrity even after the big storm.

大きな嵐の後も、その古い橋は構造的な完全性を保っていました。

嵐が過ぎ去った後、人々が心配しながら橋を見に行き、その橋がまだしっかりと立っているのを見て、ホッと胸をなでおろしている情景を想像してください。「structural integrity」は、建物や橋などの物理的な構造が、外部からの力によっても損なわれず、安定している状態を指す非常によく使われる表現です。

She checked the data's integrity to confirm it was not changed by mistake.

彼女はデータが誤って変更されていないことを確認するため、そのデータの完全性をチェックしました。

大切な研究データや顧客データなどを扱う人が、念入りに内容を確認している場面です。「間違って消したり、誰かに書き換えられたりしていないかな?」と心配しながら、一つ一つチェックする様子が伝わります。「data integrity」は、情報が正確で、改ざんされていない状態を意味し、IT分野などで頻繁に登場する重要な概念です。

The company guarantees the integrity of its products from manufacturing to delivery.

その会社は、製造から配送まで、製品の完全性を保証しています。

新しい商品を手にした消費者が、「この会社は、工場から私の手元に届くまで、製品が完璧な状態を保つことを約束しているんだな」と、安心して商品を使えるという感覚です。ここでは、製品が製造過程や輸送中に破損したり、品質が劣化したりすることなく、最終的な顧客に届くまでの「損なわれていない状態」を指します。企業の信頼性を示す際にも使われる表現です。

名詞

高潔さ

私欲を排し、不正をしない、精神的な潔さ。特に公的な立場にある人物に求められる資質であり、社会的な信頼を得る上で不可欠。

He always tells the truth, so everyone trusts his integrity.

彼はいつも真実を話すので、誰もが彼の高潔さを信頼しています。

この例文は、個人が正直であること、約束を守ることによって得られる信頼を描いています。私たちが「この人は信頼できる」と感じる時、その人の「integrity(高潔さ)」を評価しているのです。日常会話でも、人の性格を褒める際によく使われる典型的な文脈です。

The company built its reputation on integrity with its customers.

その会社は、顧客に対する高潔さの上に評判を築き上げました。

この例文は、企業や組織が倫理的に行動し、透明性や公平性を保つことで、社会からの信頼を得る様子を表しています。ビジネスの場面では、製品やサービスだけでなく、その会社の「integrity」が顧客からの評価に大きく影響します。特に、信頼が重要なビジネスでよく使われる表現です。

Even under pressure, she maintained her integrity and did the right thing.

プレッシャーの中でも、彼女は高潔さを保ち、正しいことをしました。

この例文は、困難な状況や誘惑がある中で、自分の信念や倫理観を曲げずに正しい選択をする、という「integrity」の強い側面を示しています。葛藤や試練に直面したときに、自分の価値観を守り抜く姿勢を表現するのに適した文脈です。「maintain integrity」は「高潔さを保つ」という、よく使われるフレーズです。

コロケーション

unquestionable integrity

疑う余地のない高潔さ

「unquestionable」は『疑いの余地がない』という意味で、この形容詞を伴うことで、非常に高いレベルの誠実さ、道徳的な揺るぎなさを強調します。ビジネスシーンや公的な場面で、人物の信頼性を強くアピールする際に用いられます。例えば、企業のトップや政治家など、高い倫理観が求められる人物を評価する際に使われます。

a man/woman of integrity

誠実な人、高潔な人

これは人物評として非常に一般的で、その人が正直で、道徳的に正しい行動をとる人物であることを示します。単に「honest」と言うよりも、その人の内面的な強さや倫理観の高さを強調するニュアンスがあります。フォーマルな場面でもカジュアルな場面でも使用できます。

act with integrity

誠実に行動する、高潔な振る舞いをする

「act」という動詞と組み合わせることで、抽象的な概念であるintegrityを具体的な行動へと落とし込んでいます。単に「integrityを持つ」だけでなく、「日々の行動において誠実さを体現する」という積極的な意味合いが含まれます。企業の倫理綱領や行動規範などでよく見られる表現です。

compromise integrity

誠実さを損なう、高潔さを曲げる

「compromise」は『妥協する』という意味ですが、ここではintegrityを損なうというネガティブな意味合いで使用されます。プレッシャーや誘惑に負けて、本来守るべき倫理観や原則を曲げてしまう状況を表します。ビジネスや政治の世界で、不正行為や倫理違反を批判する際に用いられます。

maintain integrity

誠実さを維持する、高潔さを保つ

「maintain」は『維持する』という意味で、困難な状況にあってもintegrityを失わないように努力することを意味します。プレッシャーや誘惑に打ち勝ち、一貫して倫理的な行動を続けることの重要性を強調します。組織や個人の評判を守るために不可欠な姿勢です。

lack integrity

誠実さに欠ける、高潔さがない

「lack」は『欠如する』という意味で、その人や組織が誠実さや倫理観を持っていないことを批判的に表現します。単に「dishonest(不正直)」と言うよりも、その人の人格や組織の信頼性に対する深刻な疑念を示す、より強い非難のニュアンスを含みます。報道や論評などでよく用いられます。

moral integrity

道徳的な高潔さ

「moral」という形容詞を伴うことで、単なる誠実さだけでなく、道徳的な原則に基づいた高潔さを強調します。倫理的なジレンマに直面した際に、正しい判断を下すための基盤となる内面的な強さを意味します。哲学や倫理学の議論でよく用いられる表現です。

使用シーン

アカデミック

学術論文や研究発表で、データの完全性や研究倫理の文脈で頻繁に使用されます。例えば、研究データの信頼性を強調する際に「データのintegrityを保つ」というように使われます。心理学、社会学、情報科学など、幅広い分野で見られます。

ビジネス

企業の倫理綱領やコンプライアンス関連の文書、または社員の行動規範を説明する際に用いられます。例えば、「高いintegrityを持って行動する」というように、従業員の誠実さを求める文脈で使用されます。企業の評判やブランドイメージにも関わる重要な概念です。

日常会話

日常会話ではあまり使われませんが、ニュース記事やドキュメンタリー番組などで、政治家の不正行為や企業の倫理問題を取り上げる際に、「integrityを欠く」といった表現で見かけることがあります。また、自己啓発書などで、個人の誠実さや道徳的な強さを強調する際に使われることもあります。

関連語

類義語

  • 正直さ、誠実さ。事実を曲げたり隠したりしないことを指し、日常会話やビジネスなど幅広い場面で使用されます。人、行動、発言などに対して使われます。 【ニュアンスの違い】"Honesty"は事実を語ることに焦点を当てていますが、"integrity"は道徳的な原則全体に忠実であるというより深い概念を含みます。"Honesty"は特定の行為や発言に関連することが多いですが、"integrity"は性格全体を指します。 【混同しやすい点】日本語ではどちらも『正直さ』と訳されることが多いですが、"honesty"は嘘をつかないこと、"integrity"はより高潔な倫理観に基づいた行動を指すという違いを理解する必要があります。例えば、試験でカンニングをしないのは"honesty"ですが、不正行為を告発するのは"integrity"です。

  • uprightness

    高潔さ、正直さ、正しさ。道徳的に正しい行動を常に心がけることを意味し、しばしば公的な文脈やフォーマルな場面で使用されます。法律、政治、宗教など、規範意識が求められる状況で用いられます。 【ニュアンスの違い】"Uprightness"は道徳的な規範に厳格に従うことを強調し、しばしば自己犠牲を伴うことがあります。"Integrity"も道徳的な原則に基づきますが、より包括的で、状況に応じた判断を含む場合があります。"Uprightness"はしばしば形式的な印象を与えます。 【混同しやすい点】"Uprightness"は日本語で『高潔さ』と訳されることが多く、日常会話ではあまり使われません。"Integrity"よりも硬い表現であり、より強い道徳的責務を伴うニュアンスがあります。例えば、政治家や聖職者の倫理観を評価する際に用いられることが多いです。

  • probity

    誠実さ、高潔さ。特に金銭やビジネス上の取引における完全な正直さと公正さを指します。会計、法律、金融などの分野で使用されます。 【ニュアンスの違い】"Probity"は金銭や財産に関連する誠実さに特化しており、個人的な倫理観よりも職業的な倫理観を強調します。"Integrity"はより広範な道徳的原則を包含し、個人的な行動や信念にも適用されます。"Probity"はやや古風で、使用頻度は高くありません。 【混同しやすい点】"Probity"は日常会話ではほとんど使われず、専門的な文脈でのみ使用されます。"Integrity"と比較して、対象範囲が狭く、金銭的な不正行為がないことを特に強調する点が異なります。例えば、会計監査で"probity"が確認されるといった使い方をします。

  • 徳、美徳。道徳的に優れていること、善良さ、高潔さなどを指します。哲学、宗教、文学などの分野で使用され、人間の望ましい性質を表します。 【ニュアンスの違い】"Virtue"は特定の良い性質(例:忍耐、寛容)を指すことがありますが、"integrity"はそれらの性質を統合した、一貫性のある道徳的な人格を指します。"Virtue"は抽象的な概念であり、"integrity"は具体的な行動や判断に現れることが多いです。 【混同しやすい点】"Virtue"は複数の良い性質の総称として使われることが多く、"integrity"のような一貫性や全体性を必ずしも含みません。例えば、「勇気は美徳の一つ」のように使われますが、「勇気はintegrityの一つ」とは言えません。

  • rectitude

    正しさ、公正さ、高潔さ。道徳的な正しさ、特に行動や判断における正当性を強調します。フォーマルな文脈や法律、倫理に関する議論で使用されます。 【ニュアンスの違い】"Rectitude"は道徳的な原則に厳格に従うことを意味し、しばしば客観的な正しさを追求します。"Integrity"は個人的な信念や価値観に基づいた一貫性を強調し、主観的な要素を含むことがあります。"Rectitude"はやや堅苦しい印象を与えます。 【混同しやすい点】"Rectitude"は日常会話ではあまり使われず、法律や倫理の専門的な文脈で使用されます。"Integrity"と比較して、個人的な感情や状況を考慮せず、客観的な正しさを重視する点が異なります。例えば、裁判官の"rectitude"が求められるといった使い方をします。

  • 原理、原則。行動や判断の基礎となる基本的な信念やルールを指します。倫理、道徳、科学など、様々な分野で使用されます。 【ニュアンスの違い】"Principle"は具体的なルールや信念を指し、"integrity"はそのような原則に基づいて一貫して行動する状態を指します。"Principle"は名詞であり、"integrity"は抽象名詞です。 【混同しやすい点】"Principle"は具体的な行動規範や信念を指し、"integrity"はそれらの原則に従って行動する人格を指します。例えば、「正直は私の原則だ」と言うことはできますが、「正直は私のintegrityだ」とは言えません。Integrity は、複数の principle を統合して行動する様を表します。

派生語

  • 『不可欠な』『完全な』という意味の形容詞。「integrity」が持つ『全体性』『欠けている部分がない』という概念が、さらに『本質的な要素として不可欠』という意味に発展。日常会話からビジネス、学術論文まで幅広く使用される。

  • 『統合する』という意味の動詞。「integrity」の『全体性』から、『ばらばらのものを一つにまとめる』という意味合いに変化。ビジネスにおける組織統合や、学術的な研究におけるデータ統合など、多様な文脈で使用される。

  • 『統合』という意味の名詞。「integrate」の行為や状態を指し、抽象的な概念として用いられる。社会統合、経済統合、システム統合など、学術論文や政策文書で頻繁に登場する。

反意語

  • 『堕落』『腐敗』を意味する名詞。「integrity」が道徳的な高潔さを指すのに対し、「corruption」は倫理的な崩壊や不正行為を意味する。政治、経済、社会など、幅広い分野で「integrity」の欠如を示す言葉として用いられる。

  • 『不正直』を意味する名詞。「integrity」が誠実さや正直さを意味するのに対し、「dishonesty」はその反対の状態を表す。日常的な嘘から、詐欺などの重大な不正行為まで、幅広い文脈で使用される。

  • 『二面性』『裏表のあること』を意味する名詞。「integrity」が一貫した誠実さを示すのに対し、「duplicity」は意図的に他人を欺くために異なる顔を見せることを指す。特に政治や人間関係において、批判的な意味合いで用いられる。

語源

「integrity」はラテン語の「integritas」(完全、無傷、正直)に由来します。これは「integer」(完全な、全体の)から派生した名詞です。「integer」は「in-」(否定)+「tag-」(触れる)+「-er」(形容詞語尾)という構造で、「触れられていない、傷つけられていない」という意味合いを持ちます。つまり、「integrity」は文字通りには「損なわれていない状態」を指し、そこから「誠実さ」や「高潔さ」といった道徳的な意味合いへと発展しました。日本語で例えるなら、まるで「無垢の宝石」のように、傷一つなく、全体として完璧な状態をイメージすると、その語源的な意味合いが理解しやすいでしょう。全体性、完全性、そして内面の誠実さという、この単語が持つ多面的な意味は、その語源に深く根ざしているのです。

暗記法

「integrity」は西洋文化で道徳の基盤。古代ローマの「virtus(徳)」に源を発し、キリスト教道徳で神への忠誠と結びつきました。騎士道物語では、アーサー王らが体現。シェイクスピア作品でも重要な指標です。啓蒙思想を経て、個人の自由と責任、民主主義の基盤に。政治や企業倫理で不可欠となり、現代では倫理的観点から社会貢献する姿勢を意味します。自己欺瞞を避け、過ちを認める謙虚さを含む、成熟した人間性を示す言葉なのです。

混同しやすい単語

『integrity』と『integrate』は、どちらも語源的にラテン語の『integer』(完全な)に由来しますが、意味と品詞が異なります。『integrate』は動詞で、『統合する』という意味です。発音も似ていますが、アクセントの位置が異なります(integrity: íntegrəti, integrate: íntəɡreɪt)。スペルも似ており、特に語尾が混同されやすいです。日本人学習者は、文脈と品詞を意識して区別する必要があります。

integer

『integrity』と『integer』は、どちらもラテン語の『integer』(完全な)を語源として持ち、スペルも似ているため混同しやすいです。『integer』は名詞で、『整数』という意味です。数学でよく使われる用語であり、意味は全く異なります。発音も似ていますが、アクセントの位置が異なります(integrity: íntegrəti, integer: ɪ́ntɪdʒər)。日本人学習者は、文脈からどちらの単語が適切かを判断する必要があります。

『integrity』と『intricate』は、どちらも接頭辞『in-』で始まり、複数の音節を持つため、発音とスペルの両方で混同される可能性があります。『intricate』は形容詞で、『複雑な』、『入り組んだ』という意味です。意味は全く異なりますが、抽象的な概念を扱う文脈では特に注意が必要です。日本人学習者は、文脈から意味を判断し、スペルの違いを意識する必要があります。

『integrity』と『intensity』は、どちらも接頭辞『in-』で始まり、語尾が『-ity』であるため、スペルが似ており混同しやすいです。『intensity』は名詞で、『強さ』、『激しさ』という意味です。発音も似ていますが、アクセントの位置が異なります(integrity: íntegrəti, intensity: ɪnténsəti)。日本人学習者は、特に書き言葉で注意が必要です。また、両者は抽象的な概念を表すため、意味の混同にも注意が必要です。

『integrity』と『ingredient』は、どちらも複数音節から構成され、接頭辞的な要素(in-)を含むため、発音とスペルが似ていると感じられることがあります。『ingredient』は名詞で、『材料』、『成分』という意味です。特に、ビジネス英語で『integrity』が使われる場合、製品の『ingredient』と混同しないように注意が必要です。発音は異なり、アクセントの位置も異なります(integrity: íntegrəti, ingredient: ɪnɡríːdiənt)。

entirety

『integrity』と『entirety』は、語尾が『-ty』で終わる名詞であるため、スペルが似ていると感じられることがあります。『entirety』は『全体』という意味で、文脈によっては意味が混同される可能性があります。発音は異なり、アクセントの位置も異なります(integrity: íntegrəti, entirety: ɪntaɪ́ərəti)。日本人学習者は、文脈から意味を判断し、スペルの違いを意識する必要があります。

誤用例

✖ 誤用: My boss has a strong integrity, so he never accepts bribes.
✅ 正用: My boss has strong integrity, so he always acts with principle.

日本語の『清廉潔白』という言葉から、賄賂を受け取らないことと『integrity』を結びつけやすいですが、integrityは道徳的原則に基づいて行動するという意味合いが強く、単に金銭的な不正をしないことだけを指すわけではありません。より広い意味での『原則』に基づいた行動を強調しましょう。日本人は、具体的な行動よりも、その人の『心』にintegrityがあると考えがちですが、英語では行動原則を重視します。

✖ 誤用: He showed integrity by admitting his mistake, even though it was a small thing.
✅ 正用: He showed integrity by admitting his mistake, even though it could have cost him.

些細なミスを認めることは確かに誠実さを示しますが、『integrity』はより重大な倫理的判断や、自己の利益を犠牲にしてでも正しいことを行う場合に使われることが多いです。小さなミスを認めることは honesty(正直さ)や sincerity(誠実さ)の範疇であり、integrityを使う場合は、その行動がもたらす潜在的なリスクや代償に焦点を当てるべきです。日本人は『正直であること』を美徳としますが、英語のintegrityは、その正直さが試される状況(損得勘定が絡む場面)で発揮されることを想定しています。

✖ 誤用: I appreciate your integrity in telling me the truth, even if it hurt my feelings.
✅ 正用: I appreciate your candor in telling me the truth, even if it hurt my feelings.

『integrity』は個人の性格や行動原則を指すことが多く、相手の行為そのもの(真実を告げること)を評価する文脈では、candor(率直さ)やhonesty(正直さ)がより適切です。日本語では『誠実さ』という言葉で包括的に表現できますが、英語では文脈によって使い分ける必要があります。また、integrityは相手に感謝するような軽い場面ではなく、尊敬の念を込めて使う言葉です。日本人は相手を傷つけないように遠回しな表現を好む傾向がありますが、英語では状況に応じて直接的な表現を選ぶことが重要です。このケースでは、candorがより自然で、相手への感謝の気持ちを表すのに適しています。

文化的背景

「integrity(誠実さ、高潔さ)」は、西洋文化において、個人や組織の道徳的な基盤を象徴する言葉であり、揺るぎない倫理観と行動の一貫性を意味します。それはまるで、完璧な円が少しの歪みも許さないように、完全性と真正性を追求する姿勢を表します。

古代ローマの美徳「virtus(徳)」は、男性的な勇気や武勇だけでなく、道徳的な高潔さをも含意していました。ローマ帝国の崩壊後、キリスト教道徳がヨーロッパ社会を席巻すると、「integrity」は神に対する忠誠心と結びつき、信仰を守り抜く姿勢を示す言葉として重要視されるようになりました。中世の騎士道物語では、アーサー王や円卓の騎士たちが「integrity」を体現する存在として描かれ、彼らの誓いは名誉と義務感に裏打ちされたものでした。騎士たちは、たとえ命を落とすことになっても、己の誓いを守り抜くことが最高の美徳であると信じていました。シェイクスピアの作品にも、「integrity」は登場人物の性格を評価する重要な指標として用いられ、ハムレットの苦悩は、まさに「integrity」を貫くことの難しさを浮き彫りにしています。

近代に入り、啓蒙思想と市民革命を経て、「integrity」は個人の自由と責任、そして民主主義社会の基盤を支える重要な概念へと発展しました。政治家や公務員に対する「integrity」の要求は、公正な社会を維持するために不可欠なものであり、汚職や不正行為は社会全体の信頼を揺るがす行為として厳しく非難されます。また、企業倫理の分野においても、「integrity」は企業の社会的責任を果たす上で欠かせない要素であり、顧客や株主、従業員からの信頼を得るための基盤となります。近年では、環境問題や人権問題など、グローバルな課題に対する企業の姿勢が問われるようになり、「integrity」は単なる法令遵守を超え、倫理的な観点から社会に貢献する姿勢を示す言葉として、その重要性を増しています。

現代社会において、「integrity」は、単に「正直である」というだけでなく、複雑な状況下においても、自身の価値観に基づいて正しい判断を下し、行動する能力を意味します。それは、自己欺瞞に陥らず、弱さや過ちを認め、改善しようとする謙虚さを含む、人間としての成熟度を示す言葉でもあります。デジタル化が進み、情報が氾濫する現代において、「integrity」を持つことは、真実を見抜き、倫理的な行動を選択するための羅針盤となるでしょう。

試験傾向

英検

- 出題形式: 主に語彙問題、長文読解

- 頻度と級・パート: 準1級以上で頻出。1級でも出題される可能性がある

- 文脈・例題の特徴: 社会問題、倫理、ビジネスなど硬めの話題。長文読解では筆者の主張を理解する上で重要なキーワードとなる場合がある。

- 学習者への注意点・アドバイス: 名詞としての意味(誠実さ、高潔さ)を確実に覚える。形容詞形(integral)や動詞形(integrate)との関連も意識する。

TOEIC

- 出題形式: 主にPart 5(短文穴埋め)、Part 7(長文読解)

- 頻度と級・パート: Part 5では難易度高めの語彙問題として出題されることがある。Part 7でもビジネス文書の中で見かける。

- 文脈・例題の特徴: 企業倫理、コンプライアンス、経営戦略など、ビジネス関連の文脈で登場することが多い。

- 学習者への注意点・アドバイス: 「誠実さ」「正直さ」といった基本的な意味に加え、「一貫性」「完全性」といった意味も押さえておく。類義語(honesty, probity)との使い分けも意識する。

TOEFL

- 出題形式: 主にリーディング

- 頻度と級・パート: アカデミックな文章で頻出

- 文脈・例題の特徴: 学術論文、歴史、社会科学など、専門的な内容の文章で登場しやすい。抽象的な概念を説明する文脈で使われることが多い。

- 学習者への注意点・アドバイス: 抽象的な概念を表す単語なので、具体的な例と結びつけて理解する。文脈から意味を推測する練習も重要。

大学受験

- 出題形式: 主に長文読解

- 頻度と級・パート: 難関大学の入試で頻出

- 文脈・例題の特徴: 社会問題、倫理、哲学など、論説的な文章で登場しやすい。評論文や説明文など、硬めの文章でよく見られる。

- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈の中で意味を把握することが重要。単語帳だけでなく、長文読解を通して語彙力を強化する。関連語(integrity, integrate, integral)もまとめて学習する。

免責事項

英単語学習ラボは生成AIで機械的に意味や英語表現を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。

このページについて

作成:英単語学習ラボ
生成支援:Google Gemini
最終更新:2025年7月18日

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