inquiry
第一音節の /ɪ/ は日本語の『イ』よりも口を少し開き、短く発音します。第二音節の強勢に注意し、/ˈkwaɪ/ の部分を意識して発音しましょう。『クヮ』のように、唇を丸めて『ク』を発音し、すぐに『ワ』に移行するとよりネイティブに近い響きになります。最後の /ri/ は、日本語の『リ』よりも舌を丸めず、曖昧母音に近い音で終わらせると自然です。
問い合わせ
公式な質問や調査を意味します。単なる質問ではなく、情報収集や事実確認を目的とした、ややフォーマルなニュアンスがあります。顧客からの問い合わせ、警察の捜査、政府の調査など、幅広い文脈で使用されます。
I had an inquiry about the new TV, so I called the store.
新しいテレビについて問い合わせがあったので、お店に電話しました。
※ この文は、あなたが何か新しいものを買おうとしていて、少し疑問が浮かんだときに、お店に電話して質問している場面を描写しています。「have an inquiry」で「問い合わせがある」という、ごく自然な言い回しです。個人的な買い物でのちょっとした質問にも使えます。
Before my trip, I sent an inquiry to the hotel about room availability.
旅行前に、ホテルの部屋の空き状況について問い合わせを送りました。
※ 旅行の計画中に、泊まりたいホテルの部屋が空いているか確認したくて、メールを送っている情景が目に浮かびますね。「send an inquiry」は、特にメールや書面で何かを問い合わせる際によく使われる表現です。事前に確認しておきたい、という気持ちが伝わります。
Our customer service team handles many inquiries every day.
私たちのカスタマーサービスチームは、毎日多くの問い合わせに対応しています。
※ これは、会社のカスタマーサービス部門が、日々お客様からの様々な質問や要望に丁寧に対応している様子を表しています。「handle inquiries」は「問い合わせに対応する、処理する」という意味で、ビジネスシーンで非常によく使われる典型的な表現です。組織が顧客からの質問に応じる状況をイメージできます。
調査
特定の事柄について詳しく調べること。単なる質問よりも、より深く掘り下げて真相を究明するニュアンスがあります。学術的な研究、事件の捜査、市場調査などに用いられます。
Feeling a bit lost, I made an inquiry to the shop staff about the product.
少し途方に暮れて、私はその商品について店員に問い合わせをしました。
※ この例文は、あなたがお店で何か商品について知りたいけれど、どうしたらいいか分からず、店員さんに声をかける場面を描いています。「inquiry」は単なる「質問 (question)」よりも、特定の情報やサービスを求める「問い合わせ」というニュアンスが強いです。特に「make an inquiry」という形で「問い合わせをする」という意味でよく使われます。
After the accident, the company began an inquiry to find out what went wrong.
事故の後、会社は何が問題だったのか突き止めるために調査を開始しました。
※ この例文は、何か問題(ここでは事故)が起こり、その原因や責任を明らかにするために、組織(会社や政府など)が公式に真剣な「調査」を始める場面を表現しています。「inquiry」が、事実を徹底的に明らかにするためのプロセスを指す典型的な使い方です。「begin an inquiry」や「start an inquiry」もよく使われる表現です。
For his science class, Ken started an inquiry into how plants grow.
科学の授業のために、ケンは植物がどのように成長するかについて調査を始めました。
※ この例文は、学生が授業の課題で、特定のテーマについて深く調べたり、実験したりして知識を深めている場面を描いています。ここでは「inquiry」が、知的好奇心に基づいて何かを「探求する」「研究する」といった意味合いで使われています。特に「inquiry into ~」の形で「~についての調査/探求」と対象を示すことがよくあります。
問いただす
質問をして相手から情報を引き出すこと。特に、疑念や不審な点がある場合に、相手に確認を求めるニュアンスがあります。尋問や取り調べに近い意味合いで使用されることもあります。
She went to the information desk to inquire about the next train.
彼女は次の電車について尋ねるために、案内所へ行きました。
※ この文では、何かを知りたいときに、情報を得るために「尋ねる」という、最も基本的な使い方をしています。駅の案内所など、公共の場所で丁寧に質問する場面にぴったりです。ちなみに、ご質問にあった「inquiry」は名詞で「問い合わせ、調査」という意味になります。動詞は「inquire」ですので、ここでは動詞の「inquire」を使っています。
The customer called to inquire about the status of his recent order.
その顧客は、最近の注文の状況について問い合わせるために電話しました。
※ これは、ビジネスシーンやカスタマーサービスでよく使われる典型的な場面です。商品やサービスの「状況(status)」を確認するために、詳しく「問い合わせる」際に「inquire」が自然に使われます。少しフォーマルな響きがあります。
My mother inquired why my room was so messy.
母はなぜ私の部屋がそんなに散らかっているのか問いただしました。
※ この例文では、「問いただす」という、より強いニュアンスが伝わります。単に質問するだけでなく、理由や原因を追及するような感情が込められています。お母さんが散らかった部屋を見て、少し咎めるように理由を尋ねる様子が目に浮かびますね。「inquire why ~」の形で、理由を尋ねる際によく使われます。
コロケーション
調査を開始する、調査に着手する
※ 公式な調査、特に組織や政府機関が主導するものを始める際に使われます。単に『調べる』よりも、権限を持った主体が、公式な手続きに則って真相究明を行うニュアンスが強くなります。例えば、企業不祥事や事故、不正行為などに対して用いられます。文法的には、動詞 + 名詞の組み合わせで、ビジネスや報道といったフォーマルな場面で頻繁に見られます。類似表現に『open an investigation』がありますが、『inquiry』はより広範な調査を指すことがあります。
公式調査、正式な問い合わせ
※ 単なる質問や問い合わせではなく、公式な手続きに則って行われる調査や質問を指します。政府機関、企業、または法的な文脈で使用されることが多いです。たとえば、議会が政府の活動について行う調査などが該当します。形容詞 + 名詞の組み合わせで、その調査が非公式なものではなく、正式な手続きを踏んでいることを強調します。類似表現に『official investigation』がありますが、『inquiry』はより客観的で中立的な調査を意味することがあります。
公開調査、公聴会
※ 一般に公開された状態で行われる調査を指します。透明性を重視し、利害関係者や一般市民が調査の過程を監視できるように意図されています。重大な事件や社会問題に関して、政府や公共機関が実施することが多いです。形容詞 + 名詞の組み合わせで、調査が秘密裏に行われるのではなく、公に行われることを強調します。類似表現に『open investigation』がありますが、『public inquiry』はより公式で、法的な手続きに沿って行われるニュアンスがあります。
〜についての調査、〜に関する問い合わせ
※ 特定の問題や事件に関する調査や問い合わせを指します。『into』の後に調査対象となる事柄が続きます。例えば、『an inquiry into the accident』は『その事故に関する調査』という意味になります。前置詞 + 名詞の組み合わせで、調査の対象を明確に示します。類似表現に『investigation of』がありますが、『inquiry into』はより広範で、詳細な調査を意味することがあります。
問い合わせに応じて、照会に応じて
※ 質問や問い合わせに対する回答や対応を示すフレーズです。ビジネスシーンで、顧客や関係者からの質問に対して返信する際によく用いられます。例えば、『In response to your inquiry, we are pleased to inform you that...』は『お問い合わせいただきありがとうございます。〜についてお知らせいたします。』という意味になります。前置詞句として、文頭や文末に置かれ、丁寧な印象を与えます。類似表現に『in answer to your question』がありますが、『inquiry』はより公式で、ビジネスライクな場面に適しています。
最初の問い合わせ、初期調査
※ 調査や問い合わせの初期段階を指します。まだ詳細な情報収集や分析が行われていない、最初の段階の質問や調査を意味します。例えば、顧客からの最初の問い合わせや、事件発生直後の初期調査などが該当します。形容詞 + 名詞の組み合わせで、調査や問い合わせがまだ始まったばかりであることを強調します。類似表現に『preliminary investigation』がありますが、『inquiry』はより広範で、非公式な調査を含むことがあります。
使用シーン
学術論文や研究発表で頻繁に使用されます。「先行研究の調査(inquiry into prior research)」や、「倫理的探求(ethical inquiry)」といった形で、研究テーマや調査内容を示す際に用いられます。また、研究の過程で生じた疑問点について「更なる調査が必要である(further inquiry is needed)」と結論づける際にも使われます。文語的な表現であり、客観性と厳密性が求められる学術的な文脈に合致します。
ビジネスシーンでは、顧客からの「製品に関する問い合わせ(product inquiry)」や、社内での「不正行為に関する調査(inquiry into misconduct)」といった文脈で用いられます。フォーマルなメールや報告書で使用されることが多く、口頭での会話よりも書面でのコミュニケーションに適しています。例えば、顧客からの問い合わせ対応部署では、日常的に「お問い合わせ番号(inquiry number)」という言葉を使うことがあります。
日常会話ではあまり使われませんが、公共サービスやカスタマーサポートを利用する際に、「お問い合わせ窓口(inquiry desk)」や「お問い合わせフォーム(inquiry form)」といった表現で見かけることがあります。例えば、家電製品の故障についてメーカーに問い合わせる際に、「お問い合わせ番号」を伝えたり、ウェブサイトの「よくある質問(FAQ)」ページで類似の質問を探したりすることがあります。フォーマルな印象を与えるため、友人とのカジュアルな会話ではあまり適していません。
関連語
類義語
質問。情報を求めたり、理解を深めたりするために尋ねる行為。日常会話、教育、報道など幅広い場面で使用される。 【ニュアンスの違い】"inquiry"よりも一般的で、より直接的な質問を指すことが多い。フォーマルな場面でもカジュアルな場面でも使える。単なる質問行為そのものを指す場合が多い。 【混同しやすい点】"inquiry"が調査や探求を含むニュアンスがあるのに対し、"question"は単純な質問である場合が多い。また、"question"は動詞としても名詞としても使えるが、"inquiry"は名詞として使われることが多い。
調査。事実や情報を体系的に調べる行為。犯罪捜査、事故調査、科学研究など、より公式で詳細な調査を指す。 【ニュアンスの違い】"inquiry"よりも公式で、より徹底的な調査を意味する。多くの場合、問題や疑惑の解明を目的とする。法的な文脈や公式な報告書でよく用いられる。 【混同しやすい点】"inquiry"が単なる質問や情報収集であるのに対し、"investigation"はより深く、組織的な調査を伴う。また、"investigation"は時間と資源を要する大規模な調査を指すことが多い。
問い合わせ。特定の情報や回答を求めること。データベースへの検索、顧客からの問い合わせ、技術的な質問など、特定の目的を持った質問に使われる。 【ニュアンスの違い】"inquiry"よりも具体的で、特定の情報や回答を求めるニュアンスが強い。ビジネスや技術的な文脈でよく用いられる。IT分野では、データベースに対する質問を指すことが多い。 【混同しやすい点】"inquiry"が一般的な質問や調査を指すのに対し、"query"はより限定的な目的を持った問い合わせを意味する。また、"query"は動詞としても名詞としても使える。
探査。隠された情報や真相を探るために、慎重に質問したり調査したりする行為。政治的なスキャンダル、秘密裏の活動、心理的な探求など、デリケートな状況で用いられる。 【ニュアンスの違い】"inquiry"よりも積極的で、隠された事実を暴こうとするニュアンスが強い。批判的な意味合いを含むこともある。倫理的な問題や不正行為の疑いがある場合に用いられることが多い。 【混同しやすい点】"inquiry"が中立的な情報収集であるのに対し、"probe"は何かを探り出すという強い意図を持つ。また、"probe"は動詞としても名詞としても使える。
検査、調査、試験。詳細な調査や評価を行うこと。医療検査、学力試験、製品検査など、特定の基準に基づいて評価する場面で使われる。 【ニュアンスの違い】"inquiry"よりも公式で、より体系的な調査を意味する。多くの場合、特定の目的や基準に基づいて行われる。科学的な文脈や教育の現場でよく用いられる。 【混同しやすい点】"inquiry"が一般的な質問や情報収集であるのに対し、"examination"はより詳細で、評価を伴う調査を意味する。また、"examination"は時間と資源を要する大規模な調査を指すことが多い。
尋問。特に犯罪捜査などで、容疑者や関係者から情報を聞き出す行為。警察や捜査機関が、事件の真相を明らかにするために行う。 【ニュアンスの違い】"inquiry"よりも強制的で、圧力をかけるニュアンスが強い。多くの場合、相手が情報を隠している、または嘘をついている疑いがある場合に行われる。法的な文脈で用いられる。 【混同しやすい点】"inquiry"が中立的な情報収集であるのに対し、"interrogation"は相手から情報を引き出すという強い意図を持つ。また、"interrogation"はしばしば敵対的な状況で行われる。
派生語
『探求的な』、『詮索好きな』という意味の形容詞。動詞『inquire(質問する、調査する)』に、性質を表す接尾辞『-itive』が付加され、質問や調査を行う傾向があることを示す。日常会話では詮索好きな人を指す場合もあるが、学術的な文脈では探求心旺盛な姿勢を表す肯定的な意味合いで使われる。
- inquisition
『調査』、『審問』という意味の名詞。特に公式な調査や取り調べ、宗教裁判などを指すことが多い。動詞『inquire』から派生し、調査行為そのものを名詞化したもの。歴史的な文脈や法律関連の文書でよく見られる。語源的には「徹底的に尋ねること」に由来。
- inquirer
『質問者』、『調査者』という意味の名詞。動詞『inquire』に、人を表す接尾辞『-er』が付いた形。ニュース記事や学術論文で、特定の事柄について調査する人を指す際に用いられる。例えば、「世論調査の質問者」を指す場合など。
反意語
『答え』という意味の名詞であり、『inquiry(質問、問い合わせ)』に対する直接的な反対語。Inquiry が情報を求める行為であるのに対し、answer はその要求に応える情報を提供する行為を指す。日常会話からビジネス、学術分野まで幅広く使用される。
『無知』、『不知』という意味の名詞。『inquiry(探求)』が知識を求める行為であるのに対し、ignorance は知識がない状態を指す。ただし、inquiry は単なる質問だけでなく、より深い探求を含むため、ignorance は単に知らないだけでなく、探求を放棄した状態とも解釈できる。学術的な文脈や社会問題の議論でよく用いられる。
『結論』という意味の名詞。『inquiry(調査、探求)』が問題や疑問を調査するプロセスであるのに対し、conclusion はそのプロセスの終着点、つまり最終的な判断や結論を指す。ビジネスシーンや学術論文で頻繁に使われる。
語源
"Inquiry」は、古フランス語の"enquerre"(探求する、尋ねる)に由来し、さらに遡るとラテン語の"inquirere"(徹底的に探す、調査する)にたどり着きます。"inquirere"は、"in-"(中に、〜へ)と"quaerere"(求める、探す)という2つの要素から構成されています。つまり、「inquiry」は、文字通りには「内側へ求めること」を意味し、事柄の真相や詳細を深く探求する行為を示唆します。日本語で例えるなら、「探究心を持って奥深く追求する」というニュアンスに近いでしょう。この語源を知ることで、「inquiry」が単なる質問以上の、より積極的で深い調査や探求を意味することを理解できるはずです。
暗記法
「inquiry」は、単なる質問を超えた、真実探求の旅。異端審問という暗い歴史を持つ一方で、科学、法律、ジャーナリズムを力強く前進させてきました。キュリー夫人の研究は、未知への扉を開き、ウォーターゲート事件の調査は、不正を暴き出しました。ジャーナリズムの探求は、社会に警鐘を鳴らし、変革を促します。知的好奇心を燃やし、社会を動かす原動力、それが「inquiry」です。
混同しやすい単語
『inquiry』と『enquiry』は、スペルが非常に似ており、意味もほぼ同じ(問い合わせ、調査)。『enquiry』は主にイギリス英語で使われる綴りであり、アメリカ英語では『inquiry』が一般的。日本人学習者は、どちらの綴りも認識できるようにしておくことが重要。また、どちらの綴りを使うか一貫性を持つように注意する必要がある。
『inquiry』と『acquire』は、語頭の音が似ているため、聞き間違いやすい。また、どちらもビジネスシーンで使われることがあるため、文脈によっては混乱する可能性もある。『acquire』は『獲得する』という意味の動詞であり、品詞が異なる。日本人学習者は、文脈をよく読み、品詞の違いを意識することで、区別することができる。
『inquiry』と『require』は、語尾の音が似ているため、聞き間違いやすい。また、スペルも似ているため、視覚的にも混乱しやすい。『require』は『必要とする』という意味の動詞であり、品詞が異なる。日本人学習者は、文脈をよく読み、品詞の違いを意識することで、区別することができる。さらに、requ-の部分が『再び(re-)』+『求める(quire)』という語源を持つことを知っておくと、意味の理解が深まる。
『inquiry』と『iniquity』は、語頭の『in-』が共通しているため、スペルが似ていると感じやすい。しかし、『iniquity』は『不正、不道徳』という意味であり、意味は全く異なる。日本人学習者は、単語全体をよく見て、意味の違いを意識する必要がある。iniquityの語源は、ラテン語の in- (否定) + aequus (平等) であり、『平等でないこと』から『不正』という意味になった。
『inquiry』と『injury』は、語頭の『in-』が共通しているため、スペルが似ていると感じやすい。また、どちらも名詞であるため、文脈によっては混乱する可能性もある。『injury』は『怪我』という意味であり、意味は異なる。日本人学習者は、文脈をよく読み、意味の違いを意識する必要がある。
『inquiry』と『insure』は、語頭の音が似ているため、聞き間違いやすい。また、どちらもビジネスシーンで使われることがあるため、文脈によっては混乱する可能性もある。『insure』は『保険をかける』という意味の動詞であり、品詞が異なる。日本人学習者は、文脈をよく読み、品詞の違いを意識することで、区別することができる。
誤用例
『inquiry』自体は間違いではありませんが、ビジネスシーンやフォーマルな場面では、より丁寧な表現が好まれます。特に価格に関する問い合わせは、直接的な『tell me the price』よりも、婉曲的な『provide information on pricing』が適切です。日本人がついストレートな表現を選んでしまうのは、日本語の『〜について教えてください』を直訳的に捉えがちなためです。英語では、相手への配慮を示すために、助動詞(could)や丁寧な語句(regarding, information)を用いることが重要です。また、ビジネスライティングにおいては、名詞化(pricing)を用いることで、よりフォーマルな印象を与えることができます。
『inquiry』は不可算名詞として使われる場合、漠然とした『問い合わせ』を意味しますが、具体的な調査や質問を指す場合は可算名詞として複数形『inquiries』を用いるのが自然です。この誤用は、日本語の『問い合わせ』という単語が単数・複数の区別を明確にしないことに起因します。また、警察への問い合わせという文脈では、一件の質問ではなく、複数回のやり取りや調査を伴うことが想定されるため、複数形がより適切です。前置詞も『to』ではなく『with』を使うことで、警察との連携や協力関係を示すニュアンスが加わります。文化的背景として、英語圏では、警察とのやり取りは公式な手続きを伴うことが多いため、より丁寧で正確な表現が求められます。
『inquiry』は、単なる質問よりも、より公式で詳細な調査や探求を意味します。例えば、市場調査や科学的な調査、公式な問い合わせなどを指す場合に適しています。日常会話や、単に相手の質問が簡単だったという状況を表現する場合には、『question』を用いる方が自然です。日本人が『inquiry』を選んでしまう背景には、日本語の『問い合わせ』という言葉が持つ幅広い意味合いがあります。英語では、文脈に応じて適切な語彙を選ぶことが重要であり、『inquiry』は、より専門的または公式な状況で使用されることを意識する必要があります。また、教養ある大人の会話では、状況に合わせた語彙の選択が、知性と教養を示すバロメーターとなります。
文化的背景
「inquiry」は単なる質問ではなく、知識や真実を追求するための、体系的で深い探求を意味します。それは時に、社会の不正を明らかにし、人々の意識を高める力強い手段として機能します。中世の教会における異端審問(Inquisition)という負の歴史を持つ一方で、科学、法律、ジャーナリズムなど、多岐にわたる分野で進歩を促す原動力となってきました。
科学の世界における「inquiry」は、仮説を立て、実験を行い、データを分析することで、未知の領域を解き明かす探求のプロセスを指します。例えば、マリー・キュリーによる放射能の研究は、彼女自身の絶え間ない「inquiry」の賜物であり、医学や物理学に革命をもたらしました。このように、科学的な「inquiry」は、既存の知識に疑問を投げかけ、新たな発見へと繋がる道を切り開くのです。
法律の世界では、「inquiry」は事実を明らかにし、正義を追求するための重要な手段です。警察による捜査、裁判所における審問、議会による調査など、様々な形で「inquiry」が行われます。例えば、ウォーターゲート事件における議会の調査は、政府の不正を暴き、大統領の辞任に繋がりました。このように、法的な「inquiry」は、権力の濫用を監視し、社会の公平性を維持するために不可欠な役割を果たします。
ジャーナリズムにおける「inquiry」は、公共の利益のために情報を収集し、報道する活動を指します。ジャーナリストは、綿密な調査と取材を通じて、隠された事実を明らかにし、社会に警鐘を鳴らします。例えば、ピューリッツァー賞を受賞した調査報道は、しばしば社会問題に対する人々の意識を高め、政策の変更を促します。このように、ジャーナリズムにおける「inquiry」は、民主主義社会における言論の自由を支え、市民が正確な情報に基づいて判断を下せるようにするために重要な役割を果たします。ただし、「inquiry」は常に客観性と倫理観を伴うべきであり、偏った情報や誤った解釈に基づく「inquiry」は、社会に混乱をもたらす可能性もあることを忘れてはなりません。
試験傾向
1. 出題形式: 語彙問題、長文読解。
2. 頻度と級・パート: 準1級以上で頻出。1級でも出題される。
3. 文脈・例題の特徴: ビジネス、アカデミック、ニュース記事など幅広い。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 名詞としての意味(問い合わせ、調査)と、動詞(inquire)の形、特に自動詞/他動詞の使い分けに注意。類義語(question, query, investigation)とのニュアンスの違いを理解する。
1. 出題形式: Part 5 (短文穴埋め)、Part 7 (長文読解)。
2. 頻度と級・パート: 頻出。特にビジネス関連の文書でよく見られる。
3. 文脈・例題の特徴: 顧客からの問い合わせ、市場調査、製品に関する質問などビジネスシーンが中心。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 名詞としての「問い合わせ」の意味で頻出。関連語句(e.g., inquiry form, make an inquiry)をセットで覚える。類義語(request, question)との使い分け。
1. 出題形式: リーディングセクション。
2. 頻度と級・パート: アカデミックな文章で頻出。
3. 文脈・例題の特徴: 研究、学術的な議論、歴史的な調査など。
4. 学習者への注意点・アドバイス: やや硬い表現で、フォーマルな文脈で使われることを意識する。類義語(investigation, examination)とのニュアンスの違いを理解し、文脈に合わせて使い分ける。
1. 出題形式: 長文読解、空所補充、同意語選択。
2. 頻度と級・パート: 難関大学で頻出。標準的な語彙レベルを超える場合がある。
3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、科学、歴史など幅広いテーマで登場。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する能力が重要。難易度の高い文章の中で使われることが多いため、語源や類義語を理解し、多角的に意味を捉える練習をする。