inclined
第一音節 /ɪn/ の母音は、日本語の「イ」よりも口を少し開き、短く発音します。強勢は第二音節 /klaɪnd/ にあります。/d/ は日本語の「ド」よりも舌を上歯茎につけて破裂させる音で、語尾なので弱く短く発音しましょう。最後の /d/ を省略しないように注意してください。'cl' の発音も、意識してクリアに発音することが重要です。
〜したい気持ち
何かをしたい、または何かをする傾向があるという気持ちを表す。好みや意欲を示す際に使う。「be inclined to do」の形でよく用いられる。
I'm inclined to try the new yoga class, even though I'm a beginner.
初心者だけど、新しいヨガクラスを試してみたい気持ちになっています。
※ この例文は、新しいヨガ教室のチラシを見て、「やってみようかな」と心が少し傾いている場面を描写しています。まだ決定ではないけれど、前向きな気持ちが伝わります。 「be inclined to do something」で「〜する気持ちがある」「〜したい傾向がある」という意味になります。何かを始めるかどうか迷っている時に、心が少し傾いている様子を表すのに便利です。
After a long day, I was not inclined to cook dinner.
長い一日を終えて、夕食を作る気にはなれませんでした。
※ 仕事や勉強でクタクタになり、家に着いて「もう何もしたくない…」と感じている場面を想像してください。この文では、「〜する気持ちになれない」という否定的なニュアンスを表しています。 「not inclined to do something」で「〜する気にならない」「〜したい気持ちではない」と表現できます。疲れている時や気が進まない時にぴったりのフレーズです。
My friend was inclined to agree with the new plan.
私の友人は、新しい計画に賛成したい気持ちでした。
※ 会議や話し合いの場で、新しい提案が出され、あなたの友人がその内容に賛成しようとしている場面を想像してください。まだ最終決定ではないけれど、気持ちが「賛成」の方向へ傾いている様子です。 「inclined to」は、このように人の意見や態度が特定の方向に傾いていることを表す際にも使われます。「agree with(〜に賛成する)」と一緒に使うことで、「賛成したい気持ち」を自然に表現できます。
傾いている
物理的に傾いている状態や、意見・考え方が偏っている状態を表す。比喩的に「〜寄りである」という意味合いで使われることもある。
The old apple tree in our yard was noticeably inclined after the strong wind.
私たちの庭の古いリンゴの木は、強い風の後、はっきりと傾いていました。
※ 強い風が吹いた後、木が地面に対して「傾いている」様子を描写しています。嵐の後の情景が目に浮かびますね。このように、何かが物理的にまっすぐではなく、一方に傾いている状態を表す時に「inclined」が使われます。
When my friend told me a secret, I inclined my head closer to hear everything.
友達が秘密を話してくれた時、私はすべてを聞き取るためにもっと頭を近づけて傾けました。
※ 誰かの話をもっとよく聞くために、思わず「頭を傾ける」という、日常によくある行動を表しています。感情が動いて体が自然に動く様子が伝わりますね。「head (頭)」など、体の一部が傾く様子にも使えます。
The hiking trail was gently inclined, making our walk feel like a pleasant uphill stroll.
そのハイキングコースは緩やかに傾斜していて、私たちの散歩は心地よい上り坂の散歩のように感じられました。
※ ハイキングコースのような「道」や「地面」が、平らではなく「傾斜している」様子を描いています。緩やかな傾斜なので、歩くのが大変ではなく、むしろ心地よいと感じている状況が伝わります。地形の傾きを表すのにとても自然な使い方です。
コロケーション
~と考えがちである、~と思う傾向がある
※ 「inclined」の後ろにto不定詞が続く、非常に一般的な構文です。単に「think」と言うよりも、やや控えめで丁寧なニュアンスがあり、自分の意見や推測を述べるときに使われます。確信度合いとしては「believe」よりも弱く、「suspect」に近い感覚です。ビジネスシーンやアカデミックな文脈でよく見られます。例:I am inclined to think that the project will be successful. (プロジェクトは成功するだろうと思っています。)
好意的に傾いている、賛成の意向がある
※ 「favorably」という副詞がつくことで、「inclined」がよりポジティブな意味合いになります。提案や申し出に対して、前向きな姿勢を示したいときに使用します。ただし、まだ最終決定ではないという含みも持ち合わせています。フォーマルな場面、特にビジネス交渉などでよく用いられます。例:The board is favorably inclined towards the proposal. (取締役会はその提案に好意的です。)
~するのが気が進まない、~したくない
※ 「dis-」という接頭辞がつくことで、「inclined」の反対の意味になります。何かをすることに対して抵抗感がある、乗り気でないという気持ちを表します。直接的に「I don't want to...」と言うよりも、やや婉曲的で丁寧な表現です。相手に配慮しながら、自分の意向を伝えたいときに適しています。例:I am disinclined to work overtime tonight. (今夜は残業したくありません。)
~に対する傾向がある、~を好む
※ 名詞「inclination」を使った表現です。「towards」の後ろには名詞または動名詞が続きます。好みや興味、才能など、人が生まれつき持っている傾向を表すことが多いです。心理学や教育学などの分野でよく見られます。例:He has an inclination towards music. (彼は音楽の才能がある。/ 彼は音楽が好きだ。)
政治的/思想的に~の傾向がある
※ 「politically」や「ideologically」といった副詞を伴うことで、その人の政治的または思想的な立場や傾向を表します。中立的な立場から、その人の考え方を客観的に説明するときに使われます。ニュース記事や政治評論などでよく見られます。例:He is politically inclined towards the left. (彼は政治的に左翼の傾向がある。)
生まれつきの傾向、自然な性向
※ "natural"という形容詞を伴うことで、後天的なものではなく、生まれつき備わっている性質や傾向を強調します。人が本能的に持っている好みや行動パターンを説明する際に用いられます。哲学や心理学、自己啓発などの文脈で使われることがあります。例: She has a natural inclination for helping others. (彼女は生まれつき人を助ける性向がある。)
~する兆候を見せる、~する気配がある
※ 「show」という動詞と組み合わせることで、まだ明確ではないものの、ある行動や考え方をする可能性を示唆する表現となります。状況の変化や人の気持ちの移り変わりを観察し、推測する際に適しています。ビジネスシーンやニュース報道などで、今後の動向を予測する文脈で使われることがあります。例: The company is showing an inclination to invest in renewable energy. (その会社は再生可能エネルギーへの投資に乗り出す気配を見せている。)
使用シーン
学術論文や教科書で、意見や結果の傾向を示す際に用いられます。例えば、社会科学系の論文で「回答者は〜という意見に傾いている (be inclined to)」のように、データ分析の結果を客観的に述べる場合に使われます。文語的な表現です。
ビジネス文書やプレゼンテーションで、提案や意向を婉曲的に伝える際に使われます。例として、「弊社としては、〜という方向に進むことを検討したいと考えております (We are inclined to...)」のように、直接的な表現を避け、丁寧な印象を与えるために用いられます。フォーマルな場面で使われることが多いです。
日常会話ではあまり使われませんが、ニュース記事やノンフィクション作品などで、人の感情や行動の傾向を表す際に使われることがあります。例えば、「彼は冒険的な行動に傾倒していた (He was inclined to adventurous actions)」のように、やや文学的な表現として用いられます。
関連語
類義語
『〜する傾向がある』という意味で、物事や人が特定の方向に進みやすい性質を表す。日常会話や学術的な文脈で使われる。 【ニュアンスの違い】『inclined』よりも客観的で、感情的な要素が少ない。個人的な好みや意思よりも、統計的な傾向や一般的な性質を表すことが多い。 【混同しやすい点】『tend to do』の形で使われることが多く、具体的な行動や習慣を表す場合に適している。『be inclined to do』よりも一般的で、フォーマルな響きは少ない。
『〜しがちである』、『〜しやすい』という意味で、好ましくない事態や病気など、ネガティブな状況に陥りやすいことを表す。医学やリスク管理の分野でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】『inclined』よりもネガティブな意味合いが強く、望ましくない結果を予測する際に使われることが多い。個人的な意思や好みよりも、体質や環境的な要因に起因する傾向を表す。 【混同しやすい点】『prone to』の形で使われ、名詞や動名詞が続く。『be inclined to』とは異なり、好ましい行動や意欲を表すのには適さない。例:prone to accidents, prone to illness
『〜する意思がある』、『喜んで〜する』という意味で、自発的な意欲や承諾を表す。日常会話やビジネスシーンで広く使われる。 【ニュアンスの違い】『inclined』が潜在的な傾向を表すのに対し、『willing』はより積極的な意思表示を表す。相手の要望に応じる姿勢や、協力的な態度を示す際に用いられる。 【混同しやすい点】『be willing to do』の形で使われ、動詞の原形が続く。義務感や強制ではなく、自発的な意思を表す点に注意。『inclined』よりも直接的で、具体的な行動を伴うことが多い。
- disposed
『〜する気持ちがある』、『〜する用意がある』という意味で、ある行動や考えに対して好意的な態度を持っていることを表す。ややフォーマルな場面で使われる。 【ニュアンスの違い】『inclined』と似た意味を持つが、『disposed』はより意識的な判断や準備が含まれるニュアンスがある。特定の行動や考え方を受け入れる心の準備ができている状態を表す。 【混同しやすい点】『be disposed to』の形で使われ、動詞の原形が続く。フォーマルな表現であり、日常会話では『inclined』や『willing』の方が一般的。例:I am disposed to agree with you.
『〜しがちである』、『〜する可能性がある』という意味で、法的な責任や義務、または好ましくない事態が発生する可能性を表す。法律や保険の分野でよく使われる。 【ニュアンスの違い】『inclined』よりも強い確信度を表し、予測される結果がほぼ確実であるというニュアンスを含む。個人的な好みや意思よりも、客観的な状況や規則に基づいて判断される。 【混同しやすい点】『liable to』の形で使われ、名詞や動詞の原形が続く。法的な責任や義務を表す場合は、『be liable for』の形になる。例:liable to error, liable for damages
『〜しがちである』、『〜しやすい』という意味で、特定の行動や性質が現れやすいことを表す。やや古風な表現で、文学的な文脈や皮肉を込めた表現で使われることがある。 【ニュアンスの違い】『inclined』よりも、その行動や性質が自然に備わっているというニュアンスが強い。偶然性や一時的な感情よりも、本質的な傾向を表す。 【混同しやすい点】『be apt to』の形で使われ、動詞の原形が続く。日常会話ではあまり使われず、フォーマルな場面や文学的な表現で用いられることが多い。例:He is apt to make mistakes.
派生語
『傾斜』『傾向』を意味する名詞。『inclined』の動詞的な意味合い(物理的な傾き、心理的な傾向)を抽象化し、状態や性質を表す名詞化したもの。日常会話からビジネス、学術分野まで幅広く使用され、特に『~する傾向がある』という表現で頻出。
動詞として『傾ける』『~する気にさせる』、名詞として『傾斜』を意味する。『inclined』の直接の語源であり、物理的な傾きと心理的な傾向の両方を表す。日常会話では『~したい気持ちにさせる』、ビジネスでは『同意させる』といった意味合いで使われる。
- clinal
『クライン(cline)』という語根を含む形容詞で、『連続的な変化を示す』という意味を持つ。生物学や地理学で、ある形質が地理的な勾配に沿って連続的に変化する様子を表す際に用いられる。直接的な日常会話での使用は少ないが、学術的な文脈で専門用語として登場する。
反意語
- disinclined
接頭辞『dis-(否定)』が付加され、『~する気がない』『嫌がる』という意味になる。『inclined』が示す好意的な傾向を打ち消し、反対の心理状態を表す。日常会話やビジネスシーンで、婉曲的な拒否や不承諾を表現する際に用いられる。
『嫌って』『反対して』という意味の形容詞。『inclined』が示す好意的な傾向とは反対に、強い嫌悪感や反感を表す。より感情的なニュアンスを含み、フォーマルな場面や文学的な表現で用いられることが多い。例えば、『to be averse to taking risks(リスクを冒すのを嫌う)』のように使われる。
『~する気がない』という意味の形容詞。『willing(喜んで~する)』に否定の接頭辞『un-』が付いた形。『inclined』が示す自発的な意欲とは対照的に、消極的な態度や拒否の意思を表す。日常会話で広く用いられ、相手の意向を尋ねる際や、自分の気持ちを伝える際に頻繁に使用される。
語源
"inclined」は、ラテン語の「inclinare(傾ける)」に由来します。これは、「in-(〜へ)」と「clinare(傾ける)」という二つの要素から構成されています。「clinare」は、さらに遡ると、インド・ヨーロッパ祖語の語根である「*klei-(傾く、寄りかかる)」にたどり着きます。この語根は、英語の「lean(寄りかかる)」や「slope(傾斜)」とも関連があります。つまり、「inclined」は、文字通りには「〜の方へ傾けられた」という意味合いを持ち、そこから「〜したい気持ちがある」「〜する傾向がある」という意味に発展しました。日本語で例えるなら、「心が〜に傾いている」という表現が近いでしょう。何かに心が惹かれ、そちらへ向かう気持ちを表す際に、「inclined」はその語源的な背景からも自然な選択肢となります。
暗記法
「inclined」は単なる傾きではなく、心の機微を映す言葉。好みや意向が「傾いている」状態を婉曲に示唆し、西洋文化で重宝されました。芸術への傾倒は深い理解や情熱を、社会への傾斜は義務と願望の葛藤を暗示します。政治的な場面では、支持を表明しつつもコミットメントを避ける巧妙な手段に。フォーマルな場面では、相手への配慮を示す洗練された表現として、今も息づいています。
混同しやすい単語
『inclined』と語尾の音が似ており、どちらも動詞として使われるため混同しやすい。意味は『断る』『衰退する』など、正反対の意味合いも持つ。スペルも 'in-' と 'de-' の違いのみなので注意が必要。日本語の『傾斜』と『下降』のように、方向性が逆であることを意識すると区別しやすい。
『inclined』と語頭の 'in-' が共通しており、スペルも似ているため混同しやすい。意味は『含む』であり、対象となるものが何か、という点に焦点が当てられる。一方、『inclined』は『~する傾向がある』という意思や状態を表す。語源的には、'include'は『中に閉じ込める』、'incline'は『傾ける』というイメージの違いがある。
語尾の '-ined' の発音が共通しており、動詞の過去分詞形である点も共通しているため混同しやすい。『defined』は『定義された』という意味で、明確さや境界線を示す。一方、『inclined』は『~する傾向がある』という意味で、必ずしも明確な状態ではない。文脈から意味を判断することが重要。
語尾の '-ined' の発音とスペルが共通しており、動詞の過去分詞形である点も同様。意味は『洗練された』『精製された』であり、品質や純度が向上した状態を表す。『inclined』が『~する傾向がある』という意味であるのに対し、『refined』は状態の変化を表す点で異なる。どちらも形容詞として使われる場合があるため注意が必要。
語尾の '-ined' の発音が共通しているため、特に聞き取りにくい。意味は『祀られた』『大切にされた』であり、宗教的、文化的な意味合いが強い。『inclined』とは意味が全く異なるため、文脈から判断する必要がある。また、'enshrine'自体があまり日常会話で使われない単語なので、まずは『inclined』の意味をしっかり覚えることが重要。
これは『decline』の過去形または過去分詞形であり、発音もスペルも非常によく似ているため、文法的な知識がないと混乱しやすい。『decline』は『断る』『衰退する』という意味で、『inclined』と意味が正反対になる場合もある。文脈で時制を判断し、意味の違いを理解することが重要。
誤用例
The original sentence implies that the speaker might offend the person they are agreeing with. 'Inclined' suggests a leaning towards a particular viewpoint. The problem lies in the phrase 'offend him'. In English, you can offend someone by disagreeing with them. However, agreeing with someone doesn't usually 'offend' them. A more natural phrasing would be to say you are 'inclined to agree' or 'inclined to think he is right'. The issue stems from a direct translation of a Japanese concept where agreeing too readily might be seen as insincere or manipulative, thus potentially 'offending' the other person's intelligence or autonomy. The correction avoids the potential misinterpretation by using 'agree' and broadening the scope to 'anyone', implying a general desire not to cause offense.
While grammatically correct, 'I'm inclined to eat sushi tonight' sounds overly formal and somewhat unnatural in everyday conversation. 'Inclined' suggests a tendency or predisposition based on some reasoning, whereas simply wanting sushi is a matter of preference or craving. Japanese speakers sometimes over-apply 'inclined' because they associate it with a polite or indirect way of expressing desire, mirroring Japanese conversational styles that favor indirectness. However, in English, 'I feel like having...' is a much more common and natural way to express a spontaneous desire. Using 'inclined' in this context can come across as stilted or even slightly humorous, akin to using overly formal language in a casual setting. The corrected sentence uses a more idiomatic and casual expression for expressing a desire.
The phrase 'inclined to the left' can be misinterpreted as a physical leaning. While technically correct, it's more commonly understood in a political context to mean 'left-leaning'. This is because 'inclined' often implies a predisposition or tendency towards a certain ideology. The confusion arises from a direct translation mindset, where 'inclined' is seen as a neutral descriptor of direction. However, in English, political discussions often use 'left' and 'right' to describe ideologies. The corrected sentence clarifies the intended meaning by explicitly stating 'politically left-leaning', removing any ambiguity. This highlights the importance of considering the common connotations of words and phrases within specific contexts.
文化的背景
「inclined」は、単に傾いているという物理的な状態を表すだけでなく、人の心や意志が特定の方向へ「傾いている」、つまり好みや傾向、意向がある状態を婉曲的に示す言葉として、西洋文化において重要な役割を果たしてきました。この単語が持つ「傾き」のイメージは、中立的な立場からの逸脱、ある種の偏りや選好を暗示し、人間の複雑な心理や社会的な力学を映し出す鏡として機能します。
歴史的に見ると、「inclined」は、個人の趣味嗜好を控えめに表現する際に重宝されてきました。例えば、ある人が芸術に「inclined」であると言う場合、それは単に芸術が好きというだけでなく、芸術に対して深い理解や才能、あるいは強い情熱を持っていることを暗示します。この婉曲的な表現は、直接的な自己主張を避け、洗練された態度を示すことを重視する文化において、特に価値を置かれてきました。18世紀のイギリス小説などでは、登場人物の性格や社会的立場を subtly (巧妙に) 表現するために頻繁に用いられ、読者は「inclined」という言葉から、その人物の隠された欲望や野心、あるいは弱点さえも読み取ることができました。
さらに、「inclined」は、社会的な義務や期待と個人の願望との間の葛藤を表すためにも利用されます。例えば、親の期待に応えるべきだと「inclined」である一方で、自分の夢を追求したいという気持ちも持っている若者の姿を描写する際に、この単語は微妙なニュアンスを表現するのに役立ちます。この用法は、個人の自由と社会的な制約との間で揺れ動く人間の普遍的な心理を描き出し、読者に深い共感を呼び起こします。また、政治的な文脈においては、ある政策に対して「inclined」であるという表現は、支持の意向を表明しつつも、完全なコミットメントを避けるための巧妙な手段として用いられることがあります。このように、「inclined」は、社会的な駆け引きや人間関係における微妙なパワーバランスを反映する言葉としても機能します。
現代においても、「inclined」は、フォーマルな場面やビジネスシーンで、相手に配慮しながら自分の意向を伝えるために広く使用されています。例えば、「I am inclined to agree with you」という表現は、相手の意見に同意する意向を示しつつも、完全に同意しているわけではないというニュアンスを含んでいます。この婉曲的な表現は、相手に敬意を払いながら、自分の立場を明確にするための重要なコミュニケーションスキルとして認識されています。このように、「inclined」は、単なる語彙を超えて、文化的な価値観や社会的な慣習を反映する言葉として、私たちの言語生活に深く根ざしていると言えるでしょう。
試験傾向
準1級以上で出題される可能性あり。
1. **出題形式**: 主に長文読解、稀に語彙問題。
2. **頻度と級・パート**: 準1級以上。長文読解で稀に出題。
3. **文脈・例題の特徴**: やや硬めの文章、社会問題や科学技術に関する文章で「~する傾向がある」の意味で使われることが多い。
4. **学習者への注意点・アドバイス**: 「be inclined to do」の形で「~したい気持ちがある」「~する傾向がある」の意味を理解しておく。形容詞としての用法(傾斜している)も稀に出題されるので注意。
出題頻度はやや低め。
1. **出題形式**: 主にPart 5(短文穴埋め問題)とPart 7(長文読解問題)。
2. **頻度と級・パート**: TOEIC L&R 全パート。
3. **文脈・例題の特徴**: ビジネスシーンで、提案や意向を示す文脈で使われることが多い。「be inclined to agree」のように賛成の意を示す表現で登場する。
4. **学習者への注意点・アドバイス**: 「tend to」や「be likely to」など、類似の意味を持つ表現との使い分けを理解しておく。「inclination」(傾向、好み)という名詞も覚えておくと役立つ。
アカデミックな文脈で頻出。
1. **出題形式**: 主にリーディングセクション。
2. **頻度と級・パート**: TOEFL iBT リーディングセクション。
3. **文脈・例題の特徴**: 研究論文や学術的な文章で、統計的な傾向や意見の偏りを表す際に使われることが多い。
4. **学習者への注意点・アドバイス**: フォーマルな文脈で使用されるため、類義語の「tend」よりも硬いニュアンスを持つことを理解しておく。名詞形の「inclination」も合わせて覚えておくと、より深い理解につながる。
難関大学で出題される可能性あり。
1. **出題形式**: 主に長文読解。
2. **頻度と級・パート**: 大学入試(難関大学)。
3. **文脈・例題の特徴**: 評論文や説明文で、抽象的な概念や社会現象の傾向を説明する際に使われることが多い。
4. **学習者への注意点・アドバイス**: 文脈から意味を推測する能力が重要。「be inclined to do」の形で使われることが多いが、文脈によっては「傾斜している」という意味も考慮する必要がある。派生語の「inclination」も覚えておくと役立つ。