gut
母音 /ʌ/ は日本語の『ア』と『オ』の中間のような音で、口をあまり大きく開けずに、喉の奥から短く発音します。『ア』と発音してしまうと、別の単語に聞こえる可能性があります。語尾の /t/ は、息を止めるようにして破裂させるとよりネイティブに近い発音になります。日本語の『ト』のように母音を伴わないように注意しましょう。
専門的な内容に関するご注意
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内臓
消化器官を中心とした腹部の臓器全体を指す。転じて、本能的な感情や直感を表す場合にも使われる。
He carefully removed the fish's guts before cooking it.
彼は料理する前に、魚の内臓を慎重に取り除いた。
※ この例文は、魚をさばくという日常的なシーンを描写しています。「gut」は複数形で「guts」となることが多く、特に魚や動物の「内臓」を指す時に使われます。料理の準備をしている具体的な動作が目に浮かびますね。
In biology class, we saw a diagram showing the frog's guts clearly.
生物の授業で、私たちはカエルの内臓がはっきりと描かれた図を見ました。
※ 生物の授業など、学習の場面で動物の体の構造を学ぶ際にも「gut」が使われます。この例文では、カエルの「内臓」が図で示されている様子が想像できます。学術的、教育的な文脈での自然な使い方です。
We found a dead fish on the beach, and its guts were visible.
浜辺で死んだ魚を見つけたら、内臓が見えていました。
※ この例文は、浜辺で魚の死骸を見つけた時の状況を描写しています。このように、動物の死骸や解体された動物から「内臓が見えている」という状況を表す際にも「gut」が使われます。少し衝撃的な場面かもしれませんが、物理的な「内臓」を指す非常に直接的な使い方です。
根性
困難に立ち向かう精神力、勇気、気概を意味する。強い意志や不屈の精神を指すことが多い。
Even though he was tired, the runner showed real gut and finished the marathon.
疲れていたにもかかわらず、そのランナーは本当の根性を見せてマラソンを完走した。
※ この例文は、マラソンで疲れ果てた選手が、それでも諦めずにゴールを目指して走り続ける情景を描いています。体力の限界を超えて精神力で踏ん張る姿は、「gut(根性)」の最も典型的な使い方の一つです。「show real gut」は「真の根性を見せる」という、よく使われる表現です。
It takes a lot of gut to tell your boss bad news.
上司に悪いニュースを伝えるには、かなりの根性が必要です。
※ 会社で、誰もが言いたくないような難しいことを上司に伝えなければならない状況を想像してください。この例文は、そうした精神的なプレッシャーのかかる場面で、勇気を出して行動することの難しさを表しています。「It takes a lot of gut to do something」は、「何かをするには多くの根性(勇気)が必要だ」という決まった言い方なので、このまま覚えておくと便利です。
We had to use our gut to survive the unexpected storm.
私たちは予期せぬ嵐を生き抜くために、根性を使う必要がありました。
※ この例文は、突然の困難な状況(予期せぬ嵐)に直面し、知恵や体力だけでなく、精神的な粘り強さでそれを乗り越える場面を描いています。「use one's gut」は、文字通り「根性を使う」という意味で、物理的な力だけでなく、精神的な踏ん張りや諦めない気持ちで困難に立ち向かう際に使われる表現です。
解体する
建物や機械などを内部から徹底的に破壊・除去する。比喩的に、組織や制度を根本から変革する意味でも用いられる。
My father carefully gutted the fish for dinner.
父は夕食のために、魚を丁寧にさばいた。
※ この例文は、お父さんが魚の内臓を丁寧に取り除いている、ごく日常的な料理の場面を描いています。「gut」は魚や鳥の「内臓を取り除く」という意味で、料理の文脈で非常によく使われます。動詞の過去形「gutted」が使われていますね。
They had to gut the old house before renovating it.
彼らは古い家を改築する前に、内部を解体しなければならなかった。
※ ここでは、「gut」が建物の内部を完全に空にする、つまり壁や設備などをすべて取り壊す「解体作業」を指しています。古い家をリノベーションする際によく行われる、大規模な内部解体の情景が目に浮かびます。「had to ~」で「~しなければならなかった」という義務を表しています。
The chef quickly gutted the chicken to prepare the meal.
シェフは食事の準備をするため、鶏肉を素早く解体した。
※ この例文は、プロのシェフが手際よく鶏の内臓を取り除き、料理の準備をしている場面を描写しています。魚と同じく、鶏などの家禽をさばく際にも「gut」がよく使われます。「to prepare the meal」は「食事を準備するために」という目的を表しています。
コロケーション
直感、本能的な感覚
※ 「gut」は内臓、特に腸を指しますが、「gut feeling」は理性的な思考ではなく、本能や直感からくる確信を表します。英語圏では古くから感情や直感が内臓と結び付けられて考えられてきたため、このような表現が生まれました。例えば、面接で優秀な候補者がいても、なぜか『gut feeling』で採用を見送ることがあります。ビジネスシーンでも、データ分析の結果と『gut feeling』が異なる場合、経験豊富な経営者は後者を重視することがあります。形容詞を伴い "strong gut feeling" のように使われることも多いです。
反射的な反応、即座の感情
※ "gut feeling"と似ていますが、こちらはより即時的で、感情的な反応を指します。何かを見たとき、聞いたとき、あるいは体験したときに、考え込む間もなく湧き上がる感情です。例えば、ニュース速報を見たときの最初の反応や、突然の申し出に対する即答などが該当します。しばしば、後から考えると不適切だったり、後悔したりするような反応も含まれます。 "My gut reaction was to say no."(私の反射的な反応はノーと言うことでした。)のように使われます。
精神的な打撃、衝撃的な出来事
※ 文字通りには「腹部への一撃」ですが、比喩的には、予期せぬ悪い知らせや出来事によって精神的に大きなショックを受けることを意味します。例えば、会社の倒産、親しい人の突然の訃報、裏切りなどが該当します。物理的な痛みではなく、心の痛みを表す強い表現です。 "The news of his death was a real gut punch."(彼の死の知らせは本当に精神的な打撃だった。)のように使われます。
〜を心の底から嫌う
※ 非常に強い嫌悪感を表現するイディオムです。「gut」はここでは感情の源泉としての内臓を意味し、「someone's guts」を嫌うことは、その人の存在そのものを拒絶するほどの強い感情を表します。日常会話ではあまり上品な表現ではありませんが、感情を強調したいときに使われます。例えば、親友を裏切った相手に対して「I hate his guts.」のように使います。
死ぬほど働く、精一杯努力する
※ 文字通りには「内臓を使い果たすほど働く」という意味で、極度の疲労を伴うほどの努力を表します。試験勉強、プロジェクトの締め切り、スポーツのトレーニングなど、目標達成のために全身全霊を注ぐ状況で使われます。 "I worked my guts out to finish this project on time."(時間通りにこのプロジェクトを終えるために死ぬほど働いた。)のように使われます。
〜する勇気がある
※ "guts"はここでは勇気、根性を意味します。「have the guts to」は、困難な状況や危険な状況に立ち向かう勇気があることを表します。例えば、上司に意見する、危険な場所へ行く、自分の信念を貫くなどの場面で使われます。 "Do you have the guts to tell him the truth?"(彼に真実を伝える勇気があるのか?)のように使われます。
内装の全面改修
※ 不動産業界でよく使われる専門用語で、建物の内装を骨組みだけを残して全て取り払い、新しく作り変えることを指します。「gut」はここでは建物の内部全体を指し、壁、床、配管、電気系統など、全てを刷新することを意味します。例えば、古い家を購入して「gut renovation」を行うことで、現代的な快適さを実現することがあります。
使用シーン
生物学や医学系の論文で「内臓」という意味で使われることが多いです。例えば、「The gut microbiome plays a crucial role in immune function.(腸内細菌叢は免疫機能において重要な役割を果たす)」のように使われます。また、心理学の研究で、直感や本能的な判断を指す際に「gut feeling(直感)」という表現が用いられることがあります。
ビジネスシーンでは、「根性」や「気概」といった意味合いで使われることがあります。例えば、プロジェクトを成功させるために「We need to have the gut to take risks.(リスクを取る根性が必要だ)」のように、やや口語的な表現として用いられます。フォーマルな文書ではあまり見られません。
日常会話では、「gut feeling(直感)」という表現がよく使われます。「I have a gut feeling that something is wrong.(何かおかしい気がする)」のように、根拠はないけれど感じることを伝える際に便利です。また、「内臓」という意味で、健康に関する話題や料理のレシピなどで使われることもあります。
関連語
類義語
本能、直感。論理や理性ではなく、生まれつき備わっているとされる衝動や傾向を指す。動物的なニュアンスを含む場合もある。日常会話、心理学、生物学などで使用される。 【ニュアンスの違い】"gut"がより感情的で身体的な感覚を伴うのに対し、"instinct"はより客観的で普遍的な行動パターンを指す。"gut feeling"は個人的な直感を強調するが、"instinct"は種全体に共通する行動様式を指すことがある。 【混同しやすい点】日本語の『直感』は"intuition"とも訳せる。"instinct"はより根源的な、生存本能に近いニュアンスを持つことを理解する必要がある。
直観、勘。論理的な推論なしに、直接的に理解する能力を指す。心理学、哲学、ビジネスなど、幅広い分野で使用される。 【ニュアンスの違い】"gut"は感情や身体的な感覚に基づいた直感であるのに対し、"intuition"は経験や知識に基づいた、より洗練された直感である。また、"intuition"は"gut"よりも信頼性が高いと見なされることが多い。 【混同しやすい点】"intuition"は日本語の『勘』と訳されることもあるが、"guess"(当て推量)とは異なり、無意識的な思考プロセスに基づいているという点に注意。
勇気、度胸。危険や困難に立ち向かう精神的な強さを指す。日常会話から文学、歴史など、幅広い分野で使用される。 【ニュアンスの違い】"gut"が内臓から湧き上がるような、本能的な勇気を表すのに対し、"courage"は理性や道徳観に基づいた勇気を表すことが多い。"gut"は衝動的な行動を伴うことがあるが、"courage"はより慎重な判断を伴う。 【混同しやすい点】"courage"は困難な状況に立ち向かう精神的な強さを指すため、無謀な行動や暴力的な行為とは区別する必要がある。
決意、決断力。目標達成のために努力し続ける強い意志を指す。ビジネス、スポーツ、自己啓発など、目標達成に関連する分野でよく使用される。 【ニュアンスの違い】"gut"が衝動的な行動を伴うのに対し、"determination"は計画的で持続的な努力を伴う。"gut"は感情的な強さを表すが、"determination"は理性的な意志の強さを表す。 【混同しやすい点】"determination"は目標達成のための強い意志を指すため、単なる願望や希望とは異なる。具体的な計画と行動を伴う必要がある。
度胸、厚かましさ。困難な状況や他人の目を気にせずに行動する勇気を指す。しばしば否定的な意味合いで使用される。 【ニュアンスの違い】"gut"が本能的な勇気を表すのに対し、"nerve"は他人の目を気にしない、ある意味で無神経な勇気を表す。"nerve"はしばしば、無礼な行動や図々しい態度を非難する際に使用される。 【混同しやすい点】"nerve"は肯定的な意味で使われることは稀であり、通常は否定的な意味合いで使用される。例えば、"He has a lot of nerve!"は「彼は図々しい!」という意味になる。
粘り強さ、根気。困難や障害にも屈せず、目標達成のために努力し続ける性質を指す。ビジネス、スポーツ、研究など、長期的な努力が必要な分野で使用される。 【ニュアンスの違い】"gut"が本能的な衝動を表すのに対し、"tenacity"は理性的な意志に基づいた持続的な努力を表す。"gut"は短期的な行動を促すことがあるが、"tenacity"は長期的な目標達成に不可欠な要素である。 【混同しやすい点】"tenacity"は単なる頑固さとは異なり、目標達成のために柔軟に戦略を変えながら努力し続ける能力を指す。状況に応じて適切な行動を選択する必要がある。
派生語
『度胸のある』『根性のある』という意味の形容詞。『gut』が持つ『内臓』『本質』というイメージから転じて、『本質的な勇気』を表す。日常会話で、人を褒める際に使われることが多い。ビジネスシーンでも、困難に立ち向かう姿勢を評価する際に用いられる。
- gutted
『ひどく落胆した』『打ちのめされた』という意味の形容詞。『gut』を『内臓を取り除く』という意味の動詞として捉え、そこから『中身を空っぽにされたような』状態を表す。スポーツの敗戦後や、失恋など、感情的な痛みを伴う状況で使われる。受動的なニュアンスが強い。
- gut-wrenching
『腸がねじれるような』という意味の形容詞で、『非常に苦痛な』『胸が張り裂けるような』感情を表す。『gut』が感情の中心であるというイメージから、非常に強い苦痛や悲しみを伴う状況を描写する際に使われる。ニュース記事や文学作品など、感情的な描写を強調したい場合に用いられる。
反意語
『臆病な』という意味の形容詞。『gut』が持つ『勇気』『根性』というイメージと対照的に、勇気がなく、危険を避ける傾向を表す。日常会話で人を批判する際に使われるほか、文学作品などでキャラクターの性格を描写する際にも用いられる。直接的な対義語ではないが、『gut』が意味する勇気の欠如を明確に示す。
『内気な』『おどおどした』という意味の形容詞。『gut』が持つ大胆さや自信とは対照的に、不安や恐れを感じやすい性格を表す。日常会話で、人の性格を表す際に用いられる。ビジネスシーンでは、積極性の欠如を婉曲的に表現する際に使われることもある。精神的な強さという点で『gut』と対比される。
- fearful
『恐れを抱いている』という意味の形容詞。『gut』が示す大胆さや勇気とは対照的に、恐怖や不安を感じている状態を表す。直接的な対義語ではないものの、感情の状態として対比関係にある。災害や事故など、具体的な危険を伴う状況で用いられることが多い。
語源
"gut"の語源は古英語の"guttas"に遡り、これはゲルマン祖語の"*gut-"(内臓、腸)に由来します。さらに遡ると、インド・ヨーロッパ祖語の"*gheu-"(膨らむ、丸い)という語根に行き着きます。つまり、元々は「膨らんだ袋」のようなイメージから「内臓」を意味するようになったと考えられます。日本語の「腹」という言葉が、文字通り「お腹」を指すだけでなく、「根性」や「度胸」といった意味合いを持つように、英語の"gut"も内臓から転じて「根性」「気力」といった意味を持つようになりました。これは、感情や本能が内臓、特に腹部に宿ると考えられていた古代の身体観の名残と言えるでしょう。
暗記法
「gut」は単なる内臓ではない。勇気、直感、根性…人間を根源から支える力と感情の源泉だ。中世、内臓は生命維持と感情の中枢と考えられ、「gut feeling」のような表現が生まれた。シェイクスピアも感情を暗示する言葉として使用。困難に立ち向かう時、理屈を超えた本能的な力が湧き上がる。文化に深く根ざした「gut」は、人間らしさそのものを象徴する言葉なのだ。
混同しやすい単語
『gut』と母音の音価が近く、特にアメリカ英語では /ʌ/ の音が似ているため混同しやすい。意味は『切る』であり、動詞として非常によく使われる。日本人学習者は、文脈から判断する必要がある。また、過去形・過去分詞形も 'cut' である点に注意。
『gut』と語頭子音が異なり、母音と末尾子音が似ているため、聞き取りにくい場合がある。意味は『得る』であり、基本的な動詞。文脈によって意味が大きく変わるため、注意が必要。発音記号を意識して区別すると良い。
『gut』と母音が異なり、末尾子音も異なるが、カタカナ英語で発音した場合に音が似てしまうことがある。意味は『ヤギ』であり、名詞。『gut』は内臓や根性といった意味合いなので、文脈が全く異なる。goatは、しばしばスケープゴート(身代わり)という使われ方もされる。
『gut』と語頭の子音が異なり、母音と末尾の子音が似ているため、発音によっては混同しやすい。意味は『過剰供給』であり、名詞または動詞として使われる。経済ニュースなどで目にする機会があるかもしれない。語源的には、ラテン語の『飲み込む』に由来し、食い過ぎで苦しい状態をイメージすると覚えやすい。
『gut』と母音と語尾の子音の順番が入れ替わっているため、発音時に混乱しやすい。意味は『砂利』や『気骨』であり、名詞として使われる。特に『気骨』の意味は、困難に立ち向かう精神力を指し、『gut』の持つ『根性』の意味と関連付けて覚えると良い。例えば、”He showed true grit.”(彼は真の気骨を示した)のように使う。
『gut』とスペルの一部が共通しており、発音も /ɡaɪl/ と全く異なるものの、なんとなく似た印象を受けるかもしれない。意味は『ずる賢さ』や『策略』であり、名詞として使われる。ポジティブな意味合いはほとんどなく、人を欺くようなニュアンスを持つ。語源は古フランス語に由来し、英語の 'wile'(策略)と関連がある。
誤用例
日本語の『腹を割って話す』のような意味合いで『gut』を使うと、英語ではやや直接的すぎる印象を与えることがあります。特にビジネスやフォーマルな場面では、感情的な判断を強調しすぎると、思慮深さに欠けると思われる可能性があります。英語では、直感を表現しつつも、客観的な根拠や論理的思考も重視する姿勢を示す方が、より適切で洗練されたコミュニケーションとなります。 "trust my gut" は、日本語の直訳的な発想から生まれやすい誤用と言えます。
『guts』は確かに『勇気』を意味しますが、しばしば『向こう見ずな勇気』や『無鉄砲さ』といったニュアンスを含みます。そのため、CEOを批判するような状況では、単に『勇気がある』というよりも、『大胆不敵』『ずうずうしい』といった意味合いが強くなりすぎてしまう可能性があります。より適切な表現は『nerve』で、これは『勇気』に加えて『度胸』や『大胆さ』を意味し、CEOを批判する文脈において、より自然で適切です。日本語の『肝が据わっている』を直訳しようとして、不適切な語彙選択をしてしまう典型例です。
『guts』は身体的な感覚、特に『内臓』を指すため、ビジネスの文脈で使うと、やや不適切に聞こえる場合があります。投資のような知的な判断を伴う行為には、より抽象的な『intuition(直感)』を使う方が適切です。また、『guts』は時に『本能的な衝動』といった意味合いも含むため、冷静な判断が求められる場面では避けるべきです。日本語の『勘』を安易に『guts』に置き換えるのではなく、文脈に応じて適切な語彙を選ぶことが重要です。
文化的背景
「gut」は、単なる内臓という生物学的な意味を超え、勇気、根性、直感といった人間の本質的な強さや感情を象徴する言葉として、英語圏の文化に深く根ざしています。特に、困難な状況に直面した際に発揮される、理屈を超えた内なる力や決意を表す際に用いられることが多いのが特徴です。
もともと「gut」は、中世英語の「gutt」に由来し、文字通り動物の内臓を意味していました。しかし、時代を経るにつれて、この言葉は人間の感情や勇気と結びつくようになります。これは、内臓が人間の生命維持に不可欠であり、感情の中枢と考えられていたことに起因すると考えられます。例えば、恐怖を感じると「gut feeling」と呼ばれる直感が働くように、内臓は人間の本能的な反応と密接に関連していると捉えられてきました。シェイクスピアの作品にも、「gut」が感情や勇気を暗示する言葉として登場することがあり、文学作品を通してその意味合いが深まっていったことが伺えます。
現代英語では、「gut」は様々な比喩表現で用いられます。例えば、「gut feeling」は、根拠はないものの、直感的に何かを感じ取ることを意味します。「gut reaction」は、理屈ではなく感情的な反応を表します。「guts」は、勇気や根性を意味し、「have the guts to do something」は、何かをする勇気があるという意味になります。また、ビジネスシーンでは、「gut instinct」が、経験や勘に基づいた意思決定を指すことがあります。これらの表現は、いずれも「gut」が人間の内なる力や本能的な感情と結びついていることを示しています。
このように、「gut」は単なる臓器の名前ではなく、文化的な意味合いを帯びた言葉として、英語圏の言語や文化に深く浸透しています。困難な状況に立ち向かう際の勇気、直感的な判断、そして感情的な反応といった、人間らしさの本質的な側面を表現する上で、「gut」は欠かせない言葉と言えるでしょう。
試験傾向
- 出題形式: 主に長文読解、語彙問題。まれにリスニング
- 頻度と級・パート: 準1級、1級で比較的頻出。2級でも長文で稀に出題
- 文脈・例題の特徴: 幅広いトピックで登場。スラング的な意味合いよりも、名詞の「根性」「勇気」や、動詞の「直感的に感じる」といった意味合いで出題されることが多い
- 学習者への注意点・アドバイス: スラング的な意味(内臓、腹)だけでなく、「根性」「勇気」などの意味も重要。動詞としての用法も確認。派生語(gut feelingなど)も押さえておくと有利
- 出題形式: 主に長文読解 (Part 7), 稀に穴埋め問題 (Part 5)
- 頻度と級・パート: Part 7 でたまに出題。ビジネスシーンでの使用例は少ない
- 文脈・例題の特徴: ビジネス関連の文章で出題されることは少ない。一般的な話題や、人の感情を表す文脈で使われることが多い
- 学習者への注意点・アドバイス: TOEICでは、英検ほど頻繁には出題されない。口語的な表現なので、フォーマルなビジネス文書ではあまり使われないことを覚えておく
- 出題形式: 主に長文読解
- 頻度と級・パート: アカデミックな長文読解で稀に出題
- 文脈・例題の特徴: アカデミックな内容で、人の感情や直感を表す際に使われることがある
- 学習者への注意点・アドバイス: TOEFLでは、他の試験に比べて出題頻度は低め。ただし、アカデミックな文章で使われる可能性もあるので、意味を理解しておくことは重要
- 出題形式: 主に長文読解
- 頻度と級・パート: 難関大学の長文で稀に出題
- 文脈・例題の特徴: 評論文や物語文で、人の感情や直感を表す際に使われることがある
- 学習者への注意点・アドバイス: 大学受験でも、他の試験に比べて出題頻度は低め。文脈から意味を推測できるように、様々な文章に触れておくことが大切