英単語学習ラボ

cowardly

/ˈkaʊərdli/(カゥァードゥリィ)

第一音節にアクセントがあります。/aʊ/ は二重母音で、日本語の「ア」と「ウ」を繋げたような音ですが、口を大きく開けて「ア」を発音し、すぐに唇を丸めて「ウ」に移行します。「-ard-」の部分は、アメリカ英語では「r」の音が強く発音されますが、イギリス英語では弱まるか、ほとんど発音されないことがあります。最後の「-ly」は、日本語の「リ」よりも舌を軽く使い、曖昧母音に近い音(/i/に近い)で終わります。

形容詞

臆病な

危険や困難を避ける傾向が強い様子。単に怖いだけでなく、責任や義務を放棄するニュアンスを含むことが多い。勇気が必要な場面で、行動をためらうさまを表す。

When the loud thunder roared, the little boy felt so cowardly that he hid under his bed.

大きな雷が鳴り響いた時、その幼い男の子はとても臆病に感じて、ベッドの下に隠れました。

この例文は、幼い子供が雷の音に怖がり、思わずベッドの下に隠れるという、誰もが想像しやすい「臆病な行動」の典型的な場面を描写しています。感情と具体的な行動が結びついており、'cowardly' が人の感情や状態を表す形容詞として使われていることがよくわかります。

It was cowardly of him to run away from the difficult challenge instead of facing it.

その困難な課題に立ち向かわずに逃げ出したのは、彼が臆病だったからです。

この例文は、大人が直面する「責任や困難からの逃避」という、より精神的な意味での『臆病さ』を描いています。'It was cowardly of him to do...' という形は、「~するなんて、彼が臆病だった」という非難や評価を表す際によく使われる自然な表現です。具体的な行動(逃げ出す)と、その背後にある臆病な気持ちが伝わります。

Many people thought it was cowardly of him not to help his friend when he was being bullied.

友人がいじめられている時に彼が助けなかったことを、多くの人は臆病だと思いました。

この例文は、誰かを助けるべき状況で、勇気を出せずに傍観してしまう『臆病さ』を描いています。社会的な場面で『cowardly』が使われる典型的な例です。'not to help'(助けないこと)という否定の行動を通して、その行動が臆病であると評価されている点がポイントです。周りの人々の失望感も伝わります。

形容詞

卑怯な

正当な手段を用いず、陰でこそこそと行動する様子。ずる賢さや不誠実さが伴う場合に使われる。フェアではないやり方で目的を達成しようとするさま。

He was too cowardly to help his friend who was being bullied.

彼はいじめられている友達を助けるにはあまりにも卑怯だった。

この例文は、誰かが助けを必要としているのに、自分の恐怖心のために行動できない「卑怯さ」を描写しています。特に「too cowardly to do something」(〜するには卑怯すぎる、つまり卑怯で〜できない)という形は、その人の性格が原因で正しい行動がとれない状況を伝える際によく使われます。

The soldier was too cowardly to fight for his country in the war.

その兵士は、戦争で国のために戦うにはあまりにも卑怯だった。

この例文は、危険な状況や大きな責任が伴う場面で、恐怖心から義務を放棄する「卑怯さ」を表しています。兵士が戦場から逃げ出すような状況は、「cowardly」が使われる典型的な場面の一つです。ここでも「too cowardly to fight」の形で、行動しなかった理由が卑怯さにあることを強調しています。

It was cowardly of him to hide the truth from everyone.

彼がみんなから真実を隠すなんて卑怯だった。

この例文は、間違いや困難な状況から逃れるために、正直さや責任を避ける「卑怯さ」を示しています。「It is cowardly of someone to do something」という形は、「〜が…するなんて卑怯だ」と、特定の行動が卑怯であると評価する際によく使われる表現です。真実を隠す行為は、責任逃れや不正につながるため、卑怯と見なされやすいです。

副詞

臆病にも

臆病な態度で、または臆病なやり方で何かをするという意味。行動の様子を修飾し、消極的で自信がない様子を表す。

When the big dog barked loudly, the man cowardly ran away down the street.

大きな犬が吠え立てると、その男は臆病にも通りを逃げ去った。

この例文では、男性が恐ろしい状況から逃げ出す「臆病な行動」が鮮明に描かれています。bark (吠える) と loudly (大声で) が、犬の迫力を伝えます。cowardlyは 'ran away' (逃げ去った) という動詞の動作を説明し、「臆病にもそうした」というニュアンスを加えています。物語やニュースで、人の行動を評価する際によく使われます。

He cowardly refused to apologize to his friend, even though he knew he was wrong.

彼は間違っていると分かっていながら、臆病にも友達に謝ることを拒んだ。

この例文は、人が自分の間違いを認めず、責任から逃れようとする「臆病さ」を表しています。refused (拒んだ) という動詞に cowardly がかかり、「謝るのを臆病にも拒んだ」という情けない状況が伝わります。日常生活で、人が困難な状況や自分の非と向き合わない時に使われる典型的な表現です。

Facing the high diving board, she cowardly stepped back and decided not to jump.

高い飛び込み台を前にして、彼女は臆病にも後ずさりし、飛ばないことに決めた。

この例文では、挑戦を前にして自信を失い、一歩引いてしまう「臆病な心理」が描かれています。high diving board (高い飛び込み台) が具体的な挑戦を示し、cowardly は 'stepped back' (後ずさりした) という動作を修飾します。「臆病にもそうしてしまった」という、少し残念な気持ちが伝わるでしょう。新しいことに挑戦する場面で、人が勇気を出せない時に使えます。

コロケーション

cowardly act

卑怯な行為、臆病な行動

最も直接的なコロケーションで、「cowardly」が文字通り「臆病な」「卑怯な」という意味で使われています。物理的な勇気が試される場面だけでなく、道徳的な勇気が求められる場面で、それを示すことができなかった行為を指します。例えば、告発をせずに陰口を言う、責任を放棄するなどが該当します。形容詞 + 名詞の基本的な組み合わせですが、ビジネスシーンや報道など、フォーマルな場面でも頻繁に使用されます。

cowardly silence

卑怯な沈黙、見て見ぬふり

不正や不当な行為を見て見ぬふりをする、あるいは発言すべき時に発言しないことを指します。単に「怖いから黙っている」だけでなく、「自分の立場を守るために、あえて沈黙を選ぶ」というニュアンスが含まれます。社会的な不正やハラスメントなどが起こっている状況で、傍観者として沈黙している状態を批判的に表現する際に使われます。文学作品や社会問題に関する議論でよく見られる表現です。

cowardly retreat

卑怯な撤退、敗走

文字通り、戦いや競争の場から臆病風に逃げ出すことを指します。物理的な撤退だけでなく、議論や交渉の場から一方的に逃げる場合にも使われます。単に「負けそうだから逃げる」だけでなく、「責任を放棄して逃げる」というニュアンスが強調されます。歴史的な文脈や、スポーツの試合、ビジネス交渉など、競争的な状況を描写する際に用いられます。やや古風な響きを持つため、現代口語では比喩的な意味合いで使われることが多いです。

display cowardly behavior

臆病な振る舞いを見せる

ある人物が、恐怖や不安から、本来取るべき行動をためらったり、回避したりする様子を表します。「cowardly act」よりもやや間接的な表現で、行動全体を評価するニュアンスがあります。例えば、困難な問題から逃げ回ったり、責任を他人に押し付けたりするような状況です。心理学的な分析や、人物描写において用いられることがあります。

in a cowardly fashion

卑怯なやり方で

行動の様態を修飾する副詞句として機能します。「cowardly」という形容詞を副詞的に使用することで、行動の卑怯さや臆病さを強調します。例えば、「彼は卑怯なやり方でライバルを陥れた」のように使われます。やや形式ばった表現で、口語よりも書き言葉でよく見られます。特に、不正行為や裏切りなどを非難する文脈で用いられます。

cowardly attack

卑怯な攻撃、不意打ち

正々堂々とした戦いではなく、背後から襲いかかったり、弱点を狙ったりするような、卑劣な攻撃を指します。力関係が大きく異なる状況で、強い側が弱い側を一方的に攻撃する場合によく使われます。テロ行為やいじめなどを非難する際に用いられることが多いです。比喩的に、議論や批判において、相手の弱点や過去の失敗を蒸し返すような行為を指すこともあります。

使用シーン

アカデミック

学術論文や書籍で、特定の行動や判断を分析・評価する際に用いられます。例えば、歴史学の研究で「〜の政策は、状況を考慮すると臆病な選択だったと言える」のように、政策決定の背景や影響を議論する際に使われます。心理学分野では、人間の行動特性を説明する際に、「〜という状況下で、被験者は臆病な反応を示した」のように用いられることがあります。

ビジネス

ビジネスシーンでは、直接的な批判を避ける傾向があるため、婉曲的な表現として使われることがあります。例えば、プロジェクトのレビューで「〜の決定は、リスク回避の面でやや臆病だったかもしれない」のように、間接的に改善点を指摘する際に用いられます。また、社内文書や報告書では、客観的な分析を示すために、「市場の変化に対する企業の対応は、競合他社と比較して臆病だった」のように、戦略や行動を評価する際に使われることがあります。

日常会話

日常会話では、相手を強く非難するニュアンスを含むため、あまり頻繁には使われません。しかし、ニュース記事やドキュメンタリー番組などでは、特定の人物や団体の行動を批判的に描写する際に用いられることがあります。例えば、「〜の政治家の発言は、世論の反発を恐れた臆病なものだった」のように、メディアが特定の行動や発言を評価する際に使われます。また、友人との会話で、「あの時、君が臆病だったから、チャンスを逃したんだよ」のように、過去の行動を振り返って冗談交じりに使うこともあります。

関連語

類義語

  • 臆病で、自信がなく、おどおどしている様子を表す。人や動物の性格を形容する際に使われることが多い。日常会話や文学作品でよく見られる。 【ニュアンスの違い】"cowardly"よりも弱々しさ、内向的な性格に焦点が当てられる。行動よりも性格的な傾向を指すことが多い。"cowardly"が非難のニュアンスを含むのに対し、"timid"は同情や理解を含む場合がある。 【混同しやすい点】"cowardly"は特定の状況下での臆病な行動を指すのに対し、"timid"はより恒常的な性格特性を指す。"He is a timid person"(彼は臆病な人だ)とは言えるが、特定の行動を指して"He is being timid"とは言いにくい。

  • 俗語で、臆病者、弱虫を意味する。特に、危険や困難を避ける人を指す。日常会話で使われ、インフォーマルな表現。 【ニュアンスの違い】"cowardly"よりもずっと口語的で、軽蔑やからかいのニュアンスが強い。相手を挑発するような場面で使われることが多い。フォーマルな場では不適切。 【混同しやすい点】"chicken"は名詞としても形容詞としても使えるが、フォーマルな文脈では避けるべき。"cowardly"は形容詞としてのみ使われる。また、"chicken"は一時的な臆病さだけでなく、性格的な弱さを指す場合もある。

  • pusillanimous

    臆病で、気が小さく、決断力がないことを意味する。フォーマルな文脈や文学作品で使われる、やや古風な表現。 【ニュアンスの違い】"cowardly"よりも知的で、教養のある人が使うイメージがある。また、単に臆病なだけでなく、優柔不断さや弱々しさを強調する。非難のニュアンスは"cowardly"よりも強い場合がある。 【混同しやすい点】日常会話ではほとんど使われないため、使う場面を選ぶ必要がある。また、発音が難しいため、自信がない場合は別の単語を使った方が無難。"cowardly"よりもフォーマルで、かつネガティブな印象が強い。

  • fainthearted

    気が弱く、勇気がないことを意味する。困難や危険に直面することを恐れる様子を表す。文学作品やフォーマルな場面で使われることが多い。 【ニュアンスの違い】"cowardly"よりも、行動に移せない、または行動をためらう気持ちに焦点が当てられる。恐怖心が行動を抑制している状態を表す。"cowardly"が非難を含むのに対し、"fainthearted"は同情を含む場合もある。 【混同しやすい点】"fainthearted"は、特定の状況下での一時的な臆病さだけでなく、性格的な傾向を指す場合もある。"He is fainthearted about public speaking"(彼は人前で話すことを怖がっている)のように使われる。

  • craven

    極端に臆病で、卑怯な行動をとることを意味する。文学作品や歴史的な文脈で使われる、やや古風な表現。 【ニュアンスの違い】"cowardly"よりも強い非難のニュアンスを含み、道徳的な非難が伴うことが多い。危険を避けるために不誠実な行動をとることを暗示する。日常会話ではほとんど使われない。 【混同しやすい点】日常会話ではほとんど使われないため、使う場面を選ぶ必要がある。また、古風な表現であるため、現代的な文脈では不自然に聞こえる場合がある。"cowardly"よりも強い非難のニュアンスを持つ。

  • 俗語で、臆病な、弱虫を意味する。特にアメリカ英語で使われることが多い。日常会話で使われ、インフォーマルな表現。 【ニュアンスの違い】"cowardly"よりもずっと口語的で、軽蔑やからかいのニュアンスが強い。相手を挑発するような場面で使われることが多い。フォーマルな場では不適切。また、人種差別的な意味合いを含む場合もあるため、使用には注意が必要。 【混同しやすい点】"yellow"は形容詞としてのみ使われる。また、人種差別的な意味合いを含む可能性があるため、使用する際には注意が必要。"cowardly"よりも強い非難のニュアンスを持ち、かつインフォーマルな表現。

派生語

  • 名詞で「臆病者」。『cowardly』の基となる語。元々は「尻尾を巻く動物」を指し、そこから臆病な人を指すようになった。日常会話でも使われるが、やや侮蔑的なニュアンスを含む。

  • 名詞で「臆病、卑怯」。『coward』に抽象名詞を作る接尾辞『-ice』が付いた形。行動や性質を抽象的に表すため、ニュース記事や学術論文など、やや硬い文脈で用いられる。

反意語

  • 形容詞で「勇敢な」。『cowardly』と直接対比される最も一般的な語。日常会話からフォーマルな場面まで幅広く使用される。比喩的に『勇敢な試み』のように使うこともできる。

  • 形容詞で「勇敢な、勇気のある」。『courage(勇気)』から派生。より意識的な勇気を表すニュアンスがあり、文学作品や演説などで好まれる。日常会話でも使われるが、やや上品な印象を与える。

語源

"cowardly"は、「臆病な」「卑怯な」という意味を持つ形容詞です。この単語は、古フランス語の「couard」(尻尾を巻いて逃げる動物、すなわち臆病者を意味する)に由来します。さらに遡ると、ラテン語の「cauda」(尻尾)にたどり着きます。動物が恐怖を感じて尻尾を丸める様子が、臆病さの象徴として捉えられたのでしょう。日本語で例えるなら、「犬が尻尾を巻く」という表現が近いかもしれません。つまり、「cowardly」は、文字通り「尻尾」に根ざした単語であり、動物の行動観察から生まれた、非常に視覚的なイメージを持つ言葉と言えます。

暗記法

「cowardly」は単なる臆病ではなく、社会規範からの逸脱を意味する非難の言葉。中世騎士道では名誉を汚す裏切り者、文学では嘲笑や悲劇の象徴と描かれてきた。現代では政治的リーダーシップを疑わせ、人間性を否定する道具にも。時代を超え、社会の期待に応えられない者への烙印として、その言葉は重く響く。

混同しやすい単語

『cowardly』と『coward』は、どちらも『臆病者』に関連する単語ですが、品詞が異なります。『coward』は名詞で『臆病者』という意味です。一方、『cowardly』は形容詞で『臆病な』という意味です。発音も似ていますが、語尾に -ly がつくことで品詞が変化することに注意が必要です。日本語でも『臆病』と『臆病な』のように使い分けるのと同じです。

courtly

『courtly』は、スペルが似ており、特に語尾の -ly が共通しているため、視覚的に混同しやすい単語です。『courtly』は『礼儀正しい』、『上品な』という意味で、宮廷に関連する言葉です。意味も文脈も大きく異なるため、注意が必要です。語源的には、court(宮廷)から派生しています。

wardly

『wardly』という単語自体は、現代英語ではあまり一般的ではありませんが、古英語に由来し、接尾辞的に使われることがあります。スペルの一部が似ているため、特に英語学習の初期段階で混乱を招く可能性があります。もし出会った場合は、文脈から意味を判断する必要があります。

lordly

『lordly』は『横柄な』、『高慢な』という意味を持つ形容詞です。スペルがやや似ており、特に語尾の -ly が共通しているため、混同しやすいかもしれません。意味は大きく異なるため、文脈から判断する必要があります。lord(領主)のような振る舞い、というイメージです。

wordly

『wordly』は『世俗的な』、『現世的な』という意味を持つ形容詞です。スペルが非常に似ており、発音も一部共通しているため、混同しやすい単語です。意味は大きく異なり、『cowardly』が臆病な性質を表すのに対し、『wordly』は世の中の事柄に関心があることを示します。word(単語)ではなく、world(世界)が語源です。

colorfully

『colorfully』は『カラフルに』、『色鮮やかに』という意味の副詞です。スペルは大きく異なりますが、語尾の -ly が共通しているため、形容詞・副詞の区別があいまいな学習者は混同する可能性があります。意味も全く異なるため、文脈から判断する必要があります。colorful(カラフルな)に -ly が付いて副詞になった形です。

誤用例

✖ 誤用: I cowardly suggested a compromise to avoid conflict.
✅ 正用: I tentatively suggested a compromise to avoid conflict.

日本人学習者は「cowardly」を「臆病にも〜した」と直訳しがちですが、英語では行動を修飾する副詞として使うと、文字通り『臆病なやり方で』という意味合いが強くなり、不自然に聞こえることがあります。ここでは、提案を『ためらいながら』行ったというニュアンスを出すために「tentatively」を使う方が適切です。日本語の『控えめな提案』という意図を表現するには、英語の婉曲表現を用いることが重要です。文化的背景として、直接的な表現を避ける日本的な謙譲の美徳が、英語では誤解を招く可能性があることを理解しましょう。

✖ 誤用: He cowardly admitted his mistake after being confronted.
✅ 正用: He sheepishly admitted his mistake after being confronted.

「cowardly」は、恐怖心から何かを避けるような状況で使われることが多い単語です。間違いを認める行為自体は、必ずしも臆病さを示すとは限りません。ここでは、恥ずかしさや気まずさから、しぶしぶ認めたというニュアンスを出すために「sheepishly(きまり悪そうに)」を使う方が適切です。日本人が『恥ずかしい』という感情を伴う行動を説明する際に、つい『臆病』という言葉を選んでしまうのは、自己開示を避ける心理が影響しているのかもしれません。英語では、感情の種類に応じて適切な表現を選ぶ必要があります。

✖ 誤用: The government took a cowardly approach to the economic crisis.
✅ 正用: The government took a timid approach to the economic crisis.

政府の政策など、組織的な行動に対して「cowardly」を使うと、非難のニュアンスが非常に強くなります。より客観的に、積極的な対策を避けているという事実を指摘したい場合は、「timid(消極的な)」を使う方が適切です。「cowardly」は個人に対して使う場合でも、強い非難の意味合いを含むため、使用には注意が必要です。日本語の『弱腰』という表現を安易に「cowardly」と訳してしまうと、意図しない強い批判になってしまうことがあります。英語では、批判の度合いを調整するために、様々な語彙を使い分けることが重要です。

文化的背景

「cowardly(臆病な)」という言葉は、単に勇気がないというだけでなく、社会的な期待や規範からの逸脱を強く非難するニュアンスを含みます。中世の騎士道物語から現代の政治的レトリックまで、臆病者はしばしば裏切り者や弱者として描かれ、社会の秩序を脅かす存在とみなされてきました。

中世ヨーロッパにおいて、騎士道は勇気、名誉、忠誠心を重んじる社会規範でした。騎士が戦場で臆病な振る舞いをすることは、自己の名誉を汚すだけでなく、主君への裏切りとみなされ、社会的な地位を失うことを意味しました。アーサー王物語に登場するランスロット卿のような英雄は、しばしば勇気の模範として描かれる一方、臆病者は物語の中で嘲笑や軽蔑の対象となりました。このような文脈において、「cowardly」という言葉は、単なる個人の性格を表すだけでなく、社会的な規範からの逸脱を示す烙印としての意味合いを持っていました。

文学作品における臆病者の描写は、時代とともに変化してきました。シェイクスピアの『ヘンリー四世』に登場するフォルスタッフは、臆病でありながらも愛嬌のあるキャラクターとして描かれています。彼は自らの保身のために嘘をつき、戦場から逃げ出すこともありますが、そのユーモラスな言動は読者から憎まれることはありません。しかし、第一次世界大戦後の文学作品においては、臆病者は戦争の悲惨さを象徴する存在として描かれることが多くなりました。例えば、エリック・マリア・レマルクの『西部戦線異状なし』では、兵士たちの恐怖や絶望が赤裸々に描かれており、臆病な行動もまた、生き残るための手段として理解されるようになりました。

現代社会においても、「cowardly」という言葉は強い非難のニュアンスを含んでいます。政治的な議論においては、対立候補を「cowardly」と批判することで、その人物のリーダーシップや決断力を疑わせることができます。また、日常生活においても、困難な状況から逃げ出す人を「cowardly」と非難することで、その人の人間性を否定することができます。このように、「cowardly」という言葉は、単なる個人の性格を表すだけでなく、社会的な期待や規範に照らして人を評価するための道具として機能しているのです。この言葉の重みは、時代や文化を超えて、人々の心に深く根付いていると言えるでしょう。

試験傾向

英検

- 出題形式: 主に語彙問題、長文読解。稀にリスニング。

- 頻度と級・パート: 準1級以上で比較的頻出。1級でも出題される可能性あり。

- 文脈・例題の特徴: 社会問題、歴史、文学など幅広いテーマで、人の性格や行動を批判的に描写する文脈で登場しやすい。

- 学習者への注意点・アドバイス: 「coward」との関連を理解し、名詞形、形容詞形を区別できるようにする。類義語(timid, fearful)とのニュアンスの違いも意識。

TOEIC

- 出題形式: 主にPart 5(短文穴埋め問題)、Part 7(長文読解)。

- 頻度と級・パート: TOEIC L&Rでは、頻度はやや低め。TOEIC S&Wでは、意見を述べる際に使用できる。

- 文脈・例題の特徴: ビジネスシーンにおける意思決定やリスク管理の場面で、人の行動や判断を批判的に評価する文脈で使われることがある。

- 学習者への注意点・アドバイス: ビジネスの文脈で「臆病な」行動や判断を意味することを理解する。類義語(hesitant, reluctant)とのニュアンスの違いを理解。

TOEFL

- 出題形式: 主にリーディングセクション(長文読解)。

- 頻度と級・パート: アカデミックな文章で稀に出題。

- 文脈・例題の特徴: 歴史、社会科学、心理学などの分野で、人の行動や政策を分析・評価する文脈で登場することがある。

- 学習者への注意点・アドバイス: 抽象的な概念や議論の中で使われることが多い。文脈から正確な意味を把握する練習が必要。関連語句(cowardice, craven)も併せて学習。

大学受験

- 出題形式: 主に長文読解、自由英作文(記述式)。

- 頻度と級・パート: 難関大学の入試で出題される可能性がある。標準的な単語帳には掲載されていない場合もある。

- 文脈・例題の特徴: 文学作品、評論、社会問題に関する文章など、幅広いテーマで人の行動や性格を評価する文脈で使われる。

- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈の中で意味を正確に理解することが重要。類義語との使い分け、反意語(brave, courageous)も学習する。英作文では、自分の意見を述べる際に効果的に使用できる。

免責事項

英単語学習ラボは生成AIで機械的に意味や英語表現を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。

このページについて

作成:英単語学習ラボ
生成支援:Google Gemini
最終更新:2025年7月18日

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