exalt
第2音節にアクセントがあります。/ɔː/ は日本語の『オー』よりも口を大きく開け、喉の奥から出すような音です。最後の /lt/ は、舌先を上の歯茎につけてからすぐに離し、無声音の 't' で終わることを意識しましょう。日本語の『ト』を発音する時のように、母音を伴わないように注意してください。
高める
人や物の価値、地位、評判などを意図的に引き上げ、より高く、より重要なものとして見せる。昇進、賞賛、美化といった文脈で使われる。
The team members exalted their captain for leading them to victory.
チームのメンバーたちは、自分たちを勝利に導いたキャプテンを称賛し、その功績を高めました。
※ チームが勝利し、キャプテンの功績を心から称賛し、その存在を高めている情景です。「exalt」は、このように人を「高く評価する」「賞賛する」際に使われます。
Her hard work helped exalt her status in the company.
彼女の努力は、会社での彼女の地位を高めるのに役立ちました。
※ 彼女の努力が認められ、会社での地位や評価が高まった様子です。「exalt」は、人の地位や価値、評判などを「高める」という意味でもよく使われます。
Artists often exalt nature's beauty in their paintings.
芸術家たちは、しばしば絵画の中で自然の美しさを称賛し、高めます。
※ 芸術家が自然の美しさを作品を通して最大限に表現し、その価値を高めている情景です。「exalt」は、あるものの価値や美徳を「称賛する」「崇める」といった意味合いでも用いられます。
称賛する
人や行いを、言葉や行動で大いに褒め称える。尊敬や敬意を強く表すニュアンスを含む。宗教的な文脈で神を崇拝する意味合いでも用いられる。
The fans cheered loudly to exalt their team's victory.
ファンたちは、自分たちのチームの勝利を称賛するために大声で歓声を上げました。
※ スポーツの試合で、観客が素晴らしいプレーや勝利を心から褒め称える場面です。単に「勝った」だけでなく、その努力や成果を「高く評価し、たたえる」というexaltのニュアンスがよく表れています。cheer loudly(大声で歓声を上げる)という行動が、その称賛の気持ちを鮮やかに伝えます。
Our teacher always tries to exalt the value of kindness.
私たちの先生は、いつも親切であることの価値を称えようとしています。
※ この例文は、抽象的な概念や美徳(この場合は「親切」)を高く評価し、その重要性を強調する場面を描いています。先生が日頃から生徒に「親切にすること」がいかに大切かを教え、その価値を認め、高めようとしている様子が目に浮かびます。exaltは、このように道徳的な価値観を「尊ぶ」「重んじる」という意味合いでも使われます。
The crowd gathered to exalt their national hero.
群衆は、彼らの国民的英雄を称賛するために集まりました。
※ 人々が特定の人物、特に歴史上の偉人や国の英雄の功績や人柄を深く尊敬し、公に褒め称える場面です。多くの人が一堂に会して誰かを「exalt」する時、それは単なる賛辞を超え、その人物を崇め、その偉業を永く記憶に留めようとする強い意志が感じられます。お祭りや記念式典のような情景を想像してみてください。
高貴な
(古風な用法)非常に高位の、または高貴な。現代では比喩的に、精神性や道徳性が高く、気品がある様子を指す場合に用いられることがある。
The queen held an exalted position in the kingdom.
その女王は王国において高貴な地位にありました。
※ この例文では、女王の地位が単に高いだけでなく、「崇高で尊敬に値する」ものであることを表しています。まるで女王が玉座に座り、民衆から深い尊敬の眼差しを向けられているような、厳かな場面が想像できますね。
He had an exalted vision for a better world.
彼はより良い世界のための崇高な理想を抱いていました。
※ ここでは、「exalted」が個人の利益を超えた、非常に高潔で尊い目標や考え方を指しています。目を輝かせた人が、壮大な夢を語る姿が目に浮かびますね。目標の「高貴さ」や「崇高さ」を表現するのにぴったりです。
Listening to the grand symphony gave us an exalted feeling.
壮大な交響曲を聴いて、私たちは崇高な気持ちになりました。
※ 美しい芸術作品や音楽に触れたときに感じる、心が洗われるような、非常に高尚で感動的な気持ちを表しています。コンサートホールで、壮大な音楽に包まれ、心が震えるような感動を味わっている情景が伝わります。
コロケーション
人を大いに褒め称える、絶賛する
※ 文字通りには「人を天にまで持ち上げる」という意味で、比喩的に、誰かを非常に高く評価し、賞賛することを表します。口語的な表現で、しばしば誇張されたニュアンスを含みます。例えば、プレゼンテーション後や業績達成時に、同僚や部下を励ます際に使われます。ただし、過度な賞賛は皮肉として解釈される可能性もあるので、状況を考慮する必要があります。
謙虚な人を高める、低い地位の者を昇進させる
※ 聖書に由来する表現で、「へりくだる者を高める」という意味合いを持ちます。社会的な文脈で、不当に低い評価を受けている人や、恵まれない境遇にある人を引き上げること、またはそうあるべきだという理想を語る際に用いられます。ビジネスシーンでは、能力はあるが控えめな社員を昇進させる場面などで使われます。格式ばった言い回しなので、日常会話よりもスピーチや文章で使われることが多いです。
自分自身を高める、自慢する、尊大に振る舞う
※ 他者からの評価ではなく、自分自身を高く評価することを意味します。しばしば否定的なニュアンスを含み、傲慢さや自己中心的態度を非難する際に使われます。例えば、謙虚さを美徳とする文化圏では、「exalt oneself」は特に嫌われる傾向があります。類似の表現として「to boast」がありますが、「exalt oneself」はより形式的で、道徳的な非難のニュアンスが強いです。
~の名を崇める、~の威光を称える
※ 宗教的な文脈で、神や聖人の名前を崇拝し、その偉大さを称えることを意味します。歌詞や祈りの言葉など、格式高い場面で用いられます。例えば、賛美歌や聖歌の中で、神の名を称える際に使われます。日常会話ではほとんど使われませんが、宗教的な背景を持つ人々の間では、深い敬意を表す表現として理解されています。
~より上に位置する、~より優れている
※ 比較対象となるものよりも高い地位や価値を持つことを意味します。抽象的な概念や価値観について語る際に用いられ、物理的な位置関係だけでなく、精神的な優位性や道徳的な高潔さを示すこともあります。たとえば、倫理的な議論において、「正義は個人の利益よりも上に位置する」というように使われます。やや文学的な表現で、日常会話ではあまり使われません。
美徳を称揚する、道徳的価値を高める
※ 道徳的な価値や美徳を高く評価し、推奨することを意味します。哲学的な議論や教育的な文脈で用いられ、社会全体の道徳水準の向上を訴える際に使われます。例えば、「教育は美徳を称揚し、社会をより良くする力を持つ」というように使われます。硬い表現なので、フォーマルな場面や書き言葉で使われることが多いです。
使用シーン
学術論文や講演で、抽象的な概念や理論を高尚に表現する際に用いられます。例えば、哲学の論文で「人間の精神を高める」といった文脈や、社会学の研究で「社会正義の重要性を高める」といった議論で見られます。文語的な表現が中心です。
ビジネスシーンでは、目標達成や企業理念の重要性を強調する際に、やや硬い表現として使われることがあります。例えば、年頭所感などで「従業員の士気を高める」というように、フォーマルな文書やスピーチで用いられることが多いです。日常的な会話ではほとんど使われません。
日常会話ではほとんど使われませんが、宗教的な文脈や、文学作品、歌詞などで見かけることがあります。例えば、教会で神を「称賛する」という意味で使われたり、英雄的な人物を「高める」といった表現で用いられることがあります。ニュース記事やドキュメンタリーなど、やや硬い文脈で目にすることがあります。
関連語
類義語
『地位や品格、気分などを高める』という意味で、物理的な高さだけでなく、抽象的なレベルの上昇を表す。ビジネスシーンやフォーマルな文脈でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】『exalt』よりも一般的な語で、より客観的かつ穏やかなニュアンスを持つ。『exalt』が神や英雄などを崇拝する意味合いを含むのに対し、『elevate』は必ずしもそうではない。昇進や地位向上など、具体的な状況で使いやすい。 【混同しやすい点】『elevate』は他動詞であり、目的語を必要とする。また、物理的な上昇と抽象的な上昇の両方を表せるため、文脈によっては『raise』や『lift』と混同しやすい。例えば、『elevate the spirits(気分を高める)』のように使われる。
- aggrandize
『(しばしば不当に)自分自身や他者の重要性、権力、富などを誇張する』という意味。ネガティブなニュアンスを伴うことが多い。政治やビジネスの文脈で、自己宣伝や不正な利益の追求を批判する際に使われる。 【ニュアンスの違い】『exalt』が純粋な尊敬や称賛を表すのに対し、『aggrandize』は自己中心的で誇張された印象を与える。しばしば、手段を選ばない野心や策略といった意味合いを含む。 【混同しやすい点】『aggrandize』は他動詞であり、目的語が必要。また、しばしば『self-aggrandizement(自己顕示欲)』という形で名詞として使われる。ポジティブな意味合いはほとんどなく、常に批判的な視点が含まれる点に注意。
『(神や英雄、行為などを)美化し、賞賛する』という意味。しばしば、実際よりも良いものとして描くことを含む。歴史、宗教、芸術などの文脈でよく使われる。 【ニュアンスの違い】『exalt』と意味が近いが、『glorify』はより感情的で、しばしば理想化されたイメージを伴う。『exalt』が純粋な尊敬を示すのに対し、『glorify』は時に現実を歪曲してでも美点を強調する。 【混同しやすい点】『glorify』は他動詞であり、目的語が必要。また、『glorification(美化)』という名詞形も頻繁に使われる。戦争や暴力などを美化する際に使われることもあり、倫理的な問題を含む場合がある。
『(特に年長者や聖人、伝統などを)深く尊敬し、崇拝する』という意味。宗教的、文化的な文脈で、対象に対する深い敬意と畏敬の念を表す。フォーマルな場面で使われることが多い。 【ニュアンスの違い】『exalt』が神や英雄を高める意味合いを持つ場合があるのと同様に、『venerate』も対象への深い尊敬を示すが、より伝統や歴史に根ざしたニュアンスが強い。『exalt』よりも静かで内面的な感情を表す。 【混同しやすい点】『venerate』は他動詞であり、目的語が必要。しばしば、『venerated tradition(崇拝された伝統)』のように形容詞として使われる。日常会話ではあまり使われず、フォーマルな文脈で頻出する。
『(人や業績、約束などを)尊敬し、敬意を払う』という意味。感謝の気持ちや忠誠心を示す際にも使われる。ビジネス、社会生活、個人的な関係など、幅広い場面で用いられる。 【ニュアンスの違い】『exalt』よりも一般的な語で、より日常的な状況で使いやすい。『exalt』が対象を高める意味合いが強いのに対し、『honor』は尊敬の念を示すことに重点を置く。例えば、故人を偲ぶ、約束を守る、といった行為を表す。 【混同しやすい点】『honor』は名詞としても動詞としても使われる。動詞としては他動詞であり、目的語が必要。また、『in honor of(〜に敬意を表して)』というフレーズも頻繁に使われる。尊敬の対象や方法によって、ニュアンスが大きく変わる点に注意。
『(重要性、規模、影響などを)誇張する、大きく見せる』という意味。物理的な拡大だけでなく、抽象的な意味での強調も含む。しばしば、問題点や欠点を強調する際に使われる。 【ニュアンスの違い】『exalt』が肯定的な意味で対象を高めるのに対し、『magnify』は必ずしも肯定的な意味を持たない。むしろ、問題点を誇張したり、些細なことを大げさに扱うといったネガティブなニュアンスを含むことが多い。 【混同しやすい点】『magnify』は他動詞であり、目的語が必要。また、物理的な拡大(例:虫眼鏡で拡大する)と抽象的な拡大の両方を表せるため、文脈によっては意味が曖昧になる可能性がある。例えば、『magnify the problem(問題を大きくする)』のように使われる。
派生語
「exalt」の過去分詞/形容詞形で、「高められた」「地位の高い」「非常に喜んでいる」といった意味合いを持ちます。元々は物理的な高さを示唆していましたが、比喩的に精神的な高揚や社会的地位の高さを表すようになり、格式ばった文章や文学作品でよく見られます。「彼はその地位に高められた (He was exalted to that position)」のように使われます。
- exaltation
「exalt」の名詞形で、「高揚」「昇進」「賛美」といった意味を持ちます。精神的な高まりや、地位の向上、神への賛美など、抽象的な概念を表す際に用いられます。宗教的な文脈や、格式高い場面で使われることが多いです。「彼女は昇進に大きな喜びを感じた (She felt great exaltation at her promotion)」のように使われます。
- exalter
「exalt」に接尾辞「-er」が付いた名詞で、「高める人」「賛美する人」という意味を持ちます。行為者を表す接尾辞で、誰かや何かを高める人、または賛美する人を指します。日常会話ではあまり使われませんが、文学作品や宗教的な文脈で用いられることがあります。「彼は英雄を賛美する人だ (He is an exalter of heroes)」のように使われます。
反意語
「de-(下に)」と「grade(段階)」から成り、「地位を下げる」「品位を落とす」という意味を持ちます。「exalt」が地位や名誉を高めるのに対し、「degrade」はそれらを下げるという点で対義語になります。日常会話からビジネスシーン、学術論文まで幅広く使われます。「彼はその行為によって地位を落とした (He was degraded by his actions)」のように使われます。
- abase
「abase」は「(自分自身や他人を)卑しめる」「(地位などを)下げる」という意味を持ちます。「exalt」が誰かや何かを高めるのに対し、「abase」は逆に低めるという点で対義語になります。自己卑下や謙遜を表す際、または相手を侮辱する際に用いられます。「彼は自己を卑下した (He abased himself)」のように使われます。
「humble」は「謙虚にする」「地位を下げる」という意味を持ちます。「exalt」が地位を高めるのに対し、「humble」は地位を下げる、または謙虚にさせるという意味で対義語として機能します。ただし、「humble」は必ずしもネガティブな意味合いだけでなく、謙虚さや慎ましさを表す肯定的な意味合いでも使われます。「彼は成功にも謙虚だった (He remained humble despite his success)」のように使われます。
語源
"exalt"は、ラテン語の"exaltare"(高くする、持ち上げる)に由来します。これは、"ex-"(外へ、上へ)と"altus"(高い)という二つの要素から構成されています。"altus"は、英語の"altitude"(高度)や"alto"(アルト、高い音域)とも関連しており、高さや高みを示す基本的な語幹です。つまり、"exalt"は文字通りには「外へ高く持ち上げる」という意味合いを持ち、そこから「高める」「称賛する」「高貴なものにする」といった意味に発展しました。何かを物理的に高い位置に置く行為から、比喩的に地位や名誉を高める、あるいは賞賛するという意味へと広がったと考えると理解しやすいでしょう。例えば、日本の戦国時代に、武将が手柄を立てて領地を「加増(かぞう)」されるイメージと似ています。この「加増」も、文字通りには「増して高くする」という意味合いを持ちます。
暗記法
「exalt」は、単に高める以上の意味を持つ言葉。戴冠式で王を高め、教会建築で神を高めるように、対象を理想化し、神聖な存在へと近づける。文学では、愛や野望を際立たせる力を持つ。現代では、ブランドが自社製品の価値を高めるために使う一方、過剰な称賛は批判も招く。精神的な高揚、権威の象徴、そして倫理的な問題。exaltには、そんな背景が秘められている。
混同しやすい単語
発音が似ており、特に語尾の子音の脱落が起こりやすい日本人学習者にとっては区別が難しい。スペルも 'exalt' と 'excel' は非常に似ているため、注意が必要。『excel』は『優れている』という意味の動詞で、品詞が異なる点も重要。
発音の最初の部分が似ているため、早口で話されると聞き間違えやすい。スペルも最初の数文字が共通しているため、混同しやすい。『exit』は『出口』または『退出する』という意味で、名詞または動詞として使われる。
'ex-' という接頭辞が共通しているため、スペルを見たときに混同しやすい。発音も前半部分は似ているが、アクセントの位置が異なる。『exact』は『正確な』という意味の形容詞で、品詞が異なる。
語尾の '-ault' の部分が、'exalt'の '-alt' と韻を踏むため、特に音声を聞いたときに混同しやすい。スペルも一部似ている。『assault』は『暴行』という意味の名詞または動詞であり、意味が大きく異なる。
'ex-' で始まるスペルが共通しており、視覚的に混同しやすい。発音も最初の音節は似ている。『extract』は『抽出する』という意味の動詞であり、名詞としては『抽出物』の意味になる。文脈によって意味が大きく異なる。
発音が非常に似ており、特に日本語話者には区別が難しい。スペルも 'exalt' と 'exult' は一文字違いであるため、注意が必要。『exult』は『大いに喜ぶ』という意味の動詞であり、『exalt』と意味が近いものの、ニュアンスが異なる。
誤用例
『exalt』は『地位・身分を高くする』という意味合いが強く、対象を神格化するような文脈では不自然です。日本語の『崇拝する』という言葉から安易に訳すと、ニュアンスがずれる可能性があります。より適切なのは『lionize』で、これは文字通り『ライオンのように扱う』、つまり『英雄として祭り上げる』という意味合いを持ち、神格化とは異なる点に注意が必要です。
『exalt oneself』は、地位や名誉が上がった結果として『おごり高ぶる』という意味合いを持つことがあります。しかし、宝くじに当たったという文脈では、単に自慢げになったというニュアンスが適切であり、『boastful』などのより口語的な表現が自然です。日本人が『有頂天になる』という言葉を安易に訳すと、硬すぎる印象を与える可能性があります。
『exalt』は、対象を本来の価値以上に高めるニュアンスを含みます。伝統の重要性を強調する際に『exalt』を使うと、伝統を過剰に美化しているような印象を与える可能性があります。単に重要性を『強調する』という意図であれば、『emphasize』がより中立的で適切です。日本語の『高める』という言葉が、物理的な高さだけでなく抽象的な価値にも使えるため、誤用しやすい点に注意が必要です。
文化的背景
「exalt」は、単に「高める」という意味を超え、人や物を理想化し、神聖な領域に近づけるニュアンスを強く持ちます。特に、宗教的な文脈や、君主・英雄を称える場面で、その対象を卓越した存在として祭り上げる行為を指し、精神的な高揚や崇拝の念を伴う点が特徴です。この語は、単なる物理的な高さだけでなく、道徳的、精神的な高みへと引き上げるイメージを内包しています。
歴史を振り返ると、「exalt」は王や神といった絶対的な権威を持つ存在を称えるために頻繁に用いられてきました。中世ヨーロッパの戴冠式では、王が聖油を塗られ、王冠を授けられることで、神によって選ばれた存在として「exalt(高められる)」とされました。教会建築における高い尖塔や、聖歌における高らかな賛美もまた、神を「exalt」する表現として機能しています。これらの行為や表現は、単に権威を誇示するだけでなく、社会全体の価値観や信仰を象徴的に表現するものでもありました。
文学作品においても、「exalt」は登場人物の感情や行動を際立たせるために用いられます。例えば、シェイクスピアの作品では、愛する人を「exalt」することで、その人物の内面の美しさや高潔さを強調する場面が見られます。また、ジョン・ミルトンの『失楽園』では、堕天使ルシファーが自らの野望を「exalt」することで、神への反逆という行為を英雄的に描いています。このように、「exalt」は、人間の感情や欲望、そしてその背後にある価値観を深く掘り下げるための言葉として、文学作品に豊かな奥行きを与えています。
現代社会においても、「exalt」は、企業のスローガンや広告コピーなど、様々な場面で用いられています。例えば、あるブランドが自社の製品を「exalt」することで、単なる商品以上の価値、つまりライフスタイルや自己実現の象徴として提示しようとします。しかし、過剰な「exaltation(称賛)」は、しばしば批判の対象となります。特に、現実離れした理想像を押し付けるようなマーケティング手法は、消費者の反感を買うこともあります。このように、「exalt」は、その使い方によっては、社会的なメッセージを発信する力を持つ一方で、倫理的な問題を引き起こす可能性も秘めているのです。
試験傾向
準1級以上で出題される可能性あり。
1. **出題形式**: 主に語彙問題(四択)。長文読解で文脈から意味を推測する問題も稀に出題。
2. **頻度と級・パート**: 準1級〜1級レベル。語彙問題パートでまれに見られる程度。
3. **文脈・例題の特徴**: やや硬い文章、宗教的、文学的な文脈で使われることが多い。
4. **学習者への注意点・アドバイス**: 「高める」「称賛する」という二つの意味を理解し、文脈によって使い分ける必要がある。似た意味のpraise, glorifyなどとのニュアンスの違いも意識。
TOEICでは出題頻度は低め。
1. **出題形式**: 主にPart 5(短文穴埋め問題)。
2. **頻度と級・パート**: TOEIC全体を通して、出現頻度は低い。
3. **文脈・例題の特徴**: 昇進や業績など、ビジネスシーンで「高める」という意味で使われる可能性はあるが、非常に稀。
4. **学習者への注意点・アドバイス**: TOEIC対策としては優先順位は低い。他の頻出単語を優先的に学習する方が効率的。
TOEFL iBTのリーディングセクションで出題される可能性あり。
1. **出題形式**: リーディングセクションの語彙問題、または長文読解における文脈推測。
2. **頻度と級・パート**: TOEFLレベルでは、比較的まれに出題される。
3. **文脈・例題の特徴**: アカデミックな文脈、特に歴史、社会学、文学などの分野で、「高める」「称賛する」の意味で使われる。
4. **学習者への注意点・アドバイス**: フォーマルな単語なので、類義語のpraise, elevateなどとのニュアンスの違いを理解しておく。文脈から意味を推測する練習も重要。
難関大学の2次試験や私大で出題される可能性あり。
1. **出題形式**: 長文読解問題の中で、単語の意味を問う問題、または内容説明問題の一部として。
2. **頻度と級・パート**: 難関大学の入試問題でまれに見られる。
3. **文脈・例題の特徴**: 論説文や評論文など、硬めの文章で使われることが多い。「高める」「称賛する」の意味で、抽象的な概念を説明する際に用いられる。
4. **学習者への注意点・アドバイス**: 文脈から正確に意味を判断する練習が必要。難易度の高い単語なので、語源や類義語も合わせて学習すると効果的。