英単語学習ラボ

exhaust

/ɪɡˈzɔːst/(イグˈゾースト)

最初の音は「イ」と「エ」の中間のような曖昧母音 /ɪ/ です。日本語の「イ」よりも口を少し横に引いて発音します。アクセントは「ゾー」の部分にあります。最後の /st/ は、無声音の連続で、日本語話者には発音しにくいですが、しっかりと息を出すように意識しましょう。

専門的な内容に関するご注意

このページには、健康、金融、法律など、専門的な知識を必要とする内容が含まれている可能性があります。本サイトの情報は学習目的で提供されており、専門家による助言の代わりとなるものではありません。重要な判断を行う際には、必ず資格を持つ専門家にご相談ください。

動詞

疲れ果てさせる

エネルギーや活力を使い果たさせ、動けなくなるほど疲労させる意味。人に対してだけでなく、資源や能力などが枯渇する状況にも使える。

A long day of work can really exhaust you.

長い一日の仕事は本当にあなたを疲れ果てさせることがあります。

この文は、仕事でクタクタになる感覚をリアルに伝えます。「exhaust」は、単に疲れるのではなく「完全に疲れ切ってしまう」状態を表します。特に会社員の方なら、この感覚に心当たりがあるのではないでしょうか。日常会話でも、仕事や活動が人を疲れさせる時に非常によく使われる表現です。

Solving difficult problems all day can exhaust my mind.

一日中難しい問題を解き続けると、私の精神は疲れ果ててしまいます。

この例文は、肉体的な疲労だけでなく、頭を使いすぎて精神的に疲弊する様子を描写しています。難しい勉強や複雑な思考が続いた後、頭がぼーっとするような感覚は誰にでも経験があるはず。「my mind」とすることで、精神的な疲労を明確に示しています。頭脳労働の疲れを表現するのにぴったりの使い方です。

The hot summer sun can easily exhaust even strong runners.

暑い夏の太陽は、強いランナーでさえ簡単に疲れ果てさせることがあります。

この文は、自然の力(ここでは夏の太陽)が人をどれほど疲れさせるかを示しています。アスリートでさえも、過酷な環境下では疲労困憊になる様子が目に浮かびますね。「easily」は「簡単に」という意味で、その原因がいかに強力かを示唆します。天候や環境が人を疲弊させる状況でよく使われる典型的な表現です。

動詞

使い果たす

資源、体力、忍耐力などを完全に消費し、もはや残っていない状態にする意味。しばしば受動態で使用され、"be exhausted"で「疲れ果てている」「使い果たされている」となる。

She ran so fast in the race that she exhausted all her energy.

彼女はレースでとても速く走ったので、全てのエネルギーを使い果たしてしまった。

この例文は、スポーツ選手が全力を出し切った結果、体力を「使い果たす」という、最も典型的で分かりやすい状況を描写しています。ゴールラインを越えた後、息を切らし、座り込んでしまう選手の姿が目に浮かびますね。ここでは 'energy'(エネルギー)を使い切ったことを表しています。

The car stopped because the driver had exhausted all the gas.

運転手がガソリンを全て使い果たしてしまったので、車は止まった。

この例文は、車が燃料を「使い果たす」という、日常生活でよく起こりうる状況です。高速道路の真ん中でガソリンが尽きてしまい、途方に暮れる運転手の姿が想像できるでしょう。'gas'(ガソリン)のように、消費される物質に対して 'exhaust' を使うのは非常に自然な表現です。過去完了形 'had exhausted' は、車が止まるよりも前にガソリンが尽きた、という順序を表しています。

After hours of discussion, we nearly exhausted all our ideas.

何時間も議論した後、私たちはほとんど全てのアイデアを使い果たした。

この例文は、会議やブレインストーミングで「アイデアが出尽くす」という、少し抽象的ですが非常に一般的な状況を示しています。全員が頭を抱え、沈黙が流れる会議室の様子が目に浮かぶかもしれませんね。'ideas'(アイデア)のように、物理的なものだけでなく、精神的な資源や選択肢などに対しても 'exhaust' を使うことができます。'nearly'(ほとんど)という言葉で、完全に尽きたわけではないが、限界に近い状態を表現しています。

名詞

排気

エンジンなどから排出されるガスや蒸気を指す。環境問題と関連して使われることが多い。

The old car produced a lot of black exhaust.

その古い車はたくさんの黒い排気を出した。

目の前を通り過ぎる、年季の入った車からモクモクと黒い煙が立ち上る情景が目に浮かびますね。「exhaust」は車やバイクから出る「排気ガス」を指す際によく使われる、最も一般的な使い方の一つです。環境問題や交通に関する話題で耳にすることが多いでしょう。

Smoke from the factory's exhaust filled the air.

工場の排気から出る煙が空気を満たした。

工場地帯を歩いていると、大きな煙突からモクモクと煙が出て、空気が少し霞んで見えるような情景が想像できますね。「exhaust」は、工場や発電所などから排出される煙やガスを指す場合にも使われます。ここでは「工場からの排気」という文脈で、その影響を表しています。

Please don't block the exhaust fan in the kitchen.

キッチンの換気扇を塞がないでください。

台所で料理をしている時に、誰かが換気扇の前に立ってしまって、煙がこもるのを防ぐために注意する場面を想像してみてください。「exhaust fan」は「換気扇」のこと。文字通り「排気を出すファン」という意味で、日常的によく使われる複合語です。このように「exhaust」は、具体的な機械の一部を指す際にも使われます。

コロケーション

exhaust fumes

排気ガス

自動車や機械から排出されるガス状の廃棄物を指します。 'fumes' は刺激臭のある煙やガスを意味し、'exhaust' と組み合わさることで、特に内燃機関から出る有害なガスを指す専門用語として使われます。環境問題や健康への影響を議論する際によく登場し、口語よりもフォーマルな文脈で用いられる傾向があります。

exhaust every avenue

あらゆる手段を尽くす

'avenue' はここでは「手段」「方法」を意味する比喩表現です。文字通りには「すべての道を探し尽くす」となり、問題解決や目標達成のために考えられるすべての可能性を試すことを意味します。ビジネスシーンやフォーマルな文脈で、努力の徹底ぶりを強調する際に使われます。類似表現に 'explore all options' がありますが、 'exhaust every avenue' はより徹底的なニュアンスを含みます。

exhaust battery

バッテリーを消耗させる、電池切れにする

文字通りバッテリーのエネルギーを使い果たすことを意味します。比喩的に、人のエネルギーや資源を使い果たす場合にも使われます。例えば、「このプロジェクトは私のエネルギーをexhaustした」のように使えます。日常会話でも技術的な文脈でも使用されます。

exhaust resources

資源を使い果たす

天然資源や資金などの資源を使い切ることを意味します。環境問題や経済状況を議論する際によく用いられます。'deplete resources' とも類似していますが、'exhaust' はより完全に使い果たすニュアンスがあります。例えば、「乱獲により、その地域の漁業資源はexhaustされた」のように使われます。

exhaust oneself

自分自身を疲れ果てさせる

肉体的または精神的に自分自身を極限まで疲れさせることを意味します。反射動詞として使われ、過労やストレスによる疲弊を表します。日常会話や文学作品で、自己犠牲的な行動や過度な努力の結果として使われることがあります。類似表現に 'burn oneself out' がありますが、'exhaust oneself' はより一時的な疲労状態を指すことが多いです。

exhaust a topic

話題を掘り下げる、議論し尽くす

ある話題について徹底的に議論し、新しい情報や視点がなくなるまで掘り下げることを意味します。会議や論文、記事などで、あるテーマを網羅的に扱ったことを示す際に使われます。例えば、「その問題についてはすでに議論し尽くされており、新しい解決策を見つけるのは難しい」のように使われます。

exhaust patience

我慢の限界に達する、堪忍袋の緒が切れる

誰かの忍耐力を使い果たしてしまうことを意味します。通常、不快な状況や人の行動によって引き起こされます。比喩的に、相手の行動が我慢の限界を超えたことを示す際に使われます。例えば、「彼の無責任な行動は、ついに私のpatienceをexhaustした」のように使われます。

使用シーン

アカデミック

学術論文や講義で、資源やエネルギーの枯渇、心理的な疲弊などを説明する際に使われます。例えば、環境科学の論文で「森林資源の過剰な伐採は土壌をexhaust(疲弊)させる」のように使われたり、心理学の研究で「長時間のストレスが認知機能をexhaust(疲弊)させる)」のように使われたりします。文語的な表現であり、客観的な記述が求められる場面で用いられます。

ビジネス

ビジネスシーンでは、プロジェクトの遅延や人材不足がチームを疲弊させる状況を説明する際に使われることがあります。例えば、報告書で「人員削減により、残された従業員をexhaust(疲弊)させている」と記述したり、会議で「過剰な業務負荷が社員のモチベーションをexhaust(低下)させている」と発言したりします。フォーマルな文脈で使用され、人事や経営戦略に関連する議論で登場することがあります。

日常会話

日常会話では、肉体的または精神的に非常に疲れた状態を表す際に使われることがあります。例えば、「I'm exhausted after working all day.(一日中働いて、もう疲れ果てた)」のように使います。ただし、より一般的な「tired」や「worn out」といった表現の方が頻繁に使われます。また、自動車の排気ガスについて話す際に「exhaust fumes(排気ガス)」という言葉を使うことがあります。ニュース記事やドキュメンタリーなどで見かけることがあります。

関連語

類義語

  • 一般的に『疲れさせる』という意味で使われ、肉体的、精神的な疲労の両方に適用できます。日常会話で非常によく使われます。 【ニュアンスの違い】`tire`はより一般的な疲労感を指し、`exhaust`よりも程度が軽いことが多いです。`exhaust`はエネルギーを完全に使い果たした状態を表します。 【混同しやすい点】`tire`は自動詞としても他動詞としても使えますが、`exhaust`は基本的に他動詞として使われます。受動態の使い分けに注意が必要です。(例:I am tired. vs I am exhausted.)

  • wear out

    『使い古す』『疲れ果てさせる』という意味で、物や人を対象に使われます。物理的な疲労や、繰り返しの使用による消耗を表すことが多いです。カジュアルな表現。 【ニュアンスの違い】`wear out`は時間経過や反復的な行為によって徐々に疲労するニュアンスを持ちます。`exhaust`はより急激な疲労やエネルギーの消耗を示唆します。 【混同しやすい点】`wear out`は句動詞であり、目的語の位置に注意が必要です。(例:The work wore me out. / The work wore out the machine.)

  • deplete

    『使い果たす』『減少させる』という意味で、資源、エネルギー、資金などが減少する場合に使われます。ビジネスや学術的な文脈でよく見られます。 【ニュアンスの違い】`deplete`は特定の資源や供給源が減少または枯渇することに焦点を当てています。`exhaust`は必ずしも資源の枯渇を意味せず、単にエネルギーを使い果たすことを指します。 【混同しやすい点】`deplete`は通常、具体的な資源や供給源を目的語として取ります。(例:deplete resources, deplete energy reserves)

  • 『排出する』『消耗させる』という意味で、液体やエネルギー、感情などを徐々に失わせる状況に使われます。比喩的な意味合いで使われることも多いです。 【ニュアンスの違い】`drain`は徐々に、そして継続的にエネルギーや資源が失われるイメージです。`exhaust`はより瞬間的で、完全に使い果たすイメージがあります。 【混同しやすい点】`drain`は自動詞としても他動詞としても使えます。また、名詞としても使われ、『排水溝』という意味になります。

  • 『疲労』という意味の名詞、または『疲労させる』という意味の動詞として使われます。医学的な文脈や、よりフォーマルな状況で使われることが多いです。 【ニュアンスの違い】`fatigue`は`tire`よりも深刻な疲労状態を示唆し、慢性的な疲労や病的な疲労を表すことがあります。`exhaust`は短期的な、激しい疲労を表すことが多いです。 【混同しやすい点】`fatigue`は名詞としても動詞としても使えるため、文脈によって意味を判断する必要があります。また、`fatigue`はよりフォーマルな表現であり、日常会話では`tiredness`がより一般的です。

  • 『徐々に弱らせる』『活力を奪う』という意味で、比喩的な意味合いで使われることが多いです。エネルギー、自信、精神力などを奪う状況に使われます。文学的な表現。 【ニュアンスの違い】`sap`は徐々に、そして静かにエネルギーや活力を奪うイメージです。`exhaust`はより直接的で、急激なエネルギーの消耗を意味します。 【混同しやすい点】`sap`は植物の樹液という意味も持ちます。また、`sap`は日常会話ではあまり使われず、やや文学的な表現です。

派生語

  • exhaustive

    『徹底的な』『網羅的な』という意味の形容詞。動詞『exhaust』に『-ive』が付加され、その性質・傾向を強調する。例えば、『exhaustive research(徹底的な調査)』のように、ビジネス文書や学術論文で、努力や調査が尽くされている様子を表す際に用いられる。日常会話での頻度はやや低い。

  • 『疲労困憊』『枯渇』という意味の名詞。動詞『exhaust』に名詞化の接尾辞『-ion』が付加された形。肉体的・精神的な疲労の極致や、資源の枯渇といった状態を表す。医学論文や環境問題に関する記事など、専門的な文脈でよく見られる。比喩的に『creative exhaustion(創造性の枯渇)』のように使われることもある。

  • exhaustible

    『使い尽くせる』『枯渇しうる』という意味の形容詞。動詞『exhaust』に『-ible』が付加され、受動的な意味合い(~されうる)を加える。資源やエネルギーなどが有限であり、使い果たす可能性があることを示す。環境問題や経済学の分野でよく用いられる。例えば、『exhaustible resources(枯渇性資源)』のように使われる。

反意語

  • invigorate

    『活気づける』『元気づける』という意味の動詞。『in-(内へ)』+『vigor(活力)』が語源。疲弊した状態からエネルギーを与えるという点で、『exhaust(消耗させる)』と対照的。日常会話からビジネスシーンまで幅広く用いられ、精神的・肉体的な回復を表す。

  • 『補充する』『再び満たす』という意味の動詞。『re-(再び)』+『plenish(満たす)』が語源。使い果たされたものを再び満たすという意味で、『exhaust(使い果たす)』と対立する。資源、エネルギー、体力など、様々なものが対象となる。ビジネスや環境問題に関する文脈で頻繁に用いられる。

  • energize

    『活力を与える』『元気付ける』という意味の動詞。『energy(エネルギー)』に『-ize(〜化する)』が付いた形。エネルギーを奪う『exhaust』とは反対に、エネルギーを与える行為を示す。ビジネスシーンや自己啓発の文脈でよく用いられ、人や組織の活性化に使われる。

語源

"exhaust」は、ラテン語の「exhaurire」(汲み出す、空にする)に由来します。これは、「ex-」(外へ、完全に)と「haurire」(汲む、水を汲み上げる)という二つの要素から構成されています。「haurire」は、井戸から水を汲み上げるイメージで、そこから「使い果たす」という意味合いが生まれました。英語に取り入れられた当初も、液体などを文字通り「汲み出す」「空にする」という意味合いで使用されていましたが、次第に抽象的な意味へと発展し、「エネルギーを使い果たす」「疲れ果てさせる」という意味を持つようになりました。また、内燃機関から排出されるガスを「排気」と呼ぶ用法も、容器から内容物を「外へ出す」という語源のイメージを反映しています。日本語の「消耗」という言葉が、文字通り何かを使い減らすイメージと重なるように、「exhaust」も元々は物理的な行為から派生した言葉であることを意識すると、記憶に残りやすいでしょう。

暗記法

「exhaust」は単なる疲労ではない。産業革命の工場で石炭が燃え尽きる様、資源を根こそぎ使い果たすイメージだ。ディケンズの小説に描かれた煤煙の工場は、繁栄の裏で失われる未来への不安を暗示する。現代では地球規模の資源枯渇、気候変動、人々の精神的疲弊も表す。過労死や燃え尽き症候群「burnout」も同根だ。言葉の奥には、近代社会の構造的な問題と未来への責任が潜む。持続可能な社会こそが、この言葉が突きつける課題なのだ。

混同しやすい単語

『exhaust』に 'ed' がついた形であり、動詞の過去形または過去分詞です。発音も非常に似ていますが、品詞が異なり、『exhaust』が動詞(使い果たす、疲れさせる)または名詞(排気ガス)であるのに対し、『exhausted』は形容詞(疲れ果てた)として使われます。日本人学習者は、文脈に応じて品詞を意識することが重要です。動詞と形容詞の使い分けを意識しましょう。

『exhaust』と語頭の音が似ているため、特に発音練習の初期段階で混同しやすい単語です。『exist』は『存在する』という意味の動詞であり、意味も品詞も全く異なります。カタカナ英語の『エキゾチック』などの影響で、語頭の音に注意が向きにくいことが原因の一つと考えられます。意識的に発音を区別する練習が必要です。

スペルが似ており、特に語尾の 'x' が共通しているため、視覚的に混同しやすいです。『exact』は『正確な』という意味の形容詞であり、品詞も意味も異なります。また、発音もアクセントの位置が異なるため(exhaust: ex-HAUST, exact: ex-ACT)、注意が必要です。語源的には、'exact'は「完全に切り出す」というラテン語に由来し、正確さを表すのに対し、'exhaust'は「空にする」という意味合いがあります。

語頭の 'ex-' が共通しているため、スペルが似ていると感じやすいです。『expose』は『さらす、暴露する』という意味の動詞であり、意味も品詞も異なります。発音も異なりますが、早口で発音すると 'ex' の部分が曖昧になり、混同を招く可能性があります。関連語の exposure(暴露)も合わせて覚えておくと良いでしょう。

こちらも語頭の 'ex-' が共通し、さらに 'h' が続くため、スペルミスしやすい単語です。『exhort』は『強く勧める、説得する』という意味の動詞であり、意味も品詞も異なります。日常会話での使用頻度は高くありませんが、文章で出会う可能性はあります。語源的には、'exhort'は「完全に励ます」という意味合いがあります。

『exhaust』に否定の接頭辞 'in-' と形容詞化する接尾辞 '-ible' がついた単語です。意味は『疲れを知らない、尽きない』となり、肯定的な意味合いを持ちます。スペルが長いため、視覚的に圧倒されやすく、'exhaust' の部分を見落としがちです。文脈によっては『exhaust』と関連付けて意味を推測できますが、注意が必要です。

誤用例

✖ 誤用: The long meeting exhausted my patience.
✅ 正用: The long meeting tested my patience.

日本語の『疲れた』という感情を直訳すると、つい『exhaust』を使ってしまいがちですが、patience(忍耐)のような抽象的な概念に対しては不自然です。『Exhaust』は主に肉体的、精神的な疲労を表す場合に適しています。忍耐が限界に近づいたというニュアンスを表現するなら、『test』や『try』を使う方が適切です。日本語の『疲れる』は比喩表現として広範囲に使われるため、英語に直訳する際に注意が必要です。

✖ 誤用: I'm exhausted to hear your complaints.
✅ 正用: I'm tired of hearing your complaints.

『exhaust』は状態を表す形容詞としても使えますが、『~することに疲れた』という構文では、一般的に『tired of』がより自然です。『exhausted to』という形は文法的に誤りではありませんが、口語的な表現としては不適切です。日本語の『~することに疲れた』という表現を直訳しようとする際に起こりがちな誤りです。英語では、特定の動詞や名詞と結びついて使われる前置詞や表現が定まっていることが多く、直訳ではなく、慣用的な表現を覚えることが重要です。

✖ 誤用: After the debate, the candidates were completely exhausted of ideas.
✅ 正用: After the debate, the candidates were completely devoid of ideas.

『exhaust』は『使い果たす』という意味も持ちますが、『アイデアを使い果たす』という文脈では、『devoid of』や『bereft of』といった表現がより適切です。『Exhausted of』という表現は不自然で、ネイティブスピーカーには違和感を与えます。日本語の『〜を使い果たした』という表現から、つい『exhausted of』という形を作りたくなりますが、英語では特定の動詞や名詞と結びついて使われる前置詞が異なります。また、この文脈では、候補者たちがアイデアを完全に失ってしまったという、よりフォーマルで客観的なニュアンスが求められるため、『devoid of』が適しています。

文化的背景

「exhaust」は、単に「疲れ果てる」という意味だけでなく、資源やエネルギーを根こそぎ使い果たし、枯渇させるというニュアンスを強く持ちます。この言葉の背後には、産業革命以降の大量生産・大量消費社会における、人間の飽くなき欲望と、それによってもたらされる環境破壊や資源枯渇への警鐘が込められています。

19世紀のイギリス、産業革命の隆盛期において、「exhaust」は工場の蒸気機関が石炭を燃やし尽くす様を表現する言葉として頻繁に用いられました。機械が休みなく稼働し、資源が湯水のように消費される光景は、当時の人々に繁栄と同時に、底知れぬ不安感を与えたことでしょう。ディケンズの小説には、煤煙にまみれ、活気がありながらもどこか陰鬱な工場の描写が頻繁に登場しますが、そこには「exhaust」という言葉が持つ、エネルギーの消費と同時に失われていく何か、未来への不安が暗示されているように感じられます。

現代においては、「exhaust」は個人の疲労だけでなく、地球規模での資源の枯渇、環境汚染、そして人間の精神的な疲弊を表す言葉としても使われます。例えば、「climate change is exhausting the planet(気候変動は地球を疲弊させている)」という表現は、単なる環境問題を超え、地球という生命維持システム全体のエネルギーが奪われ、限界に近づいていることを強く訴えかけます。また、過労死や燃え尽き症候群を表す「burnout」も、「exhaust」という言葉と深く結びついており、現代社会における競争やプレッシャーが、人々の心身をいかに疲弊させているかを物語っています。

「exhaust」という言葉を使うとき、私たちは単に「疲れた」と言うだけでなく、その背後にある、近代社会の構造的な問題、そして未来への責任を意識する必要があるでしょう。資源を使い果たし、環境を破壊し、人間自身をも疲弊させるような生き方から脱却し、持続可能な社会を築き上げていくことこそが、「exhaust」という言葉が私たちに突き付けている課題なのです。

試験傾向

英検

1. 出題形式: 主に長文読解、語彙問題。稀にリスニング。

2. 頻度と級・パート: 準1級以上で頻出。特に1級で重要。

3. 文脈・例題の特徴: 環境問題、社会問題、科学技術などアカデミックなテーマ。

4. 学習者への注意点・アドバイス: 「使い果たす」「疲れ果てさせる」の意味に加え、「排出する」の意味も重要。exhaust fumes(排気ガス)のようなコロケーションも覚えておく。類義語のdeplete, drainとのニュアンスの違いを理解する。

TOEIC

1. 出題形式: 主にPart 5 (短文穴埋め問題), Part 7 (長文読解)。

2. 頻度と級・パート: 比較的頻出。特にビジネス関連の長文。

3. 文脈・例題の特徴: プロジェクトの遅延、人員不足、資源の枯渇などビジネスシーンで使われることが多い。

4. 学習者への注意点・アドバイス: 「使い果たす」の意味で使われることが多い。類義語のdeplete, use upとの違いを理解する。受動態(be exhausted)で「疲れ果てている」の意味になることも頻出。

TOEFL

1. 出題形式: 主にリーディングセクション。

2. 頻度と級・パート: 頻出。アカデミックな文章でよく使われる。

3. 文脈・例題の特徴: 環境科学、経済学、歴史学など、学術的な文脈で資源の枯渇、エネルギー消費などのテーマで登場する。

4. 学習者への注意点・アドバイス: 「使い果たす」「枯渇させる」の意味で使われることが多い。名詞形(exhaustion)も重要。類義語のdeplete, consumeとのニュアンスの違いを理解する。文脈から意味を推測する練習が重要。

大学受験

1. 出題形式: 主に長文読解。

2. 頻度と級・パート: 難関大学で頻出。標準的なレベルの大学でも稀に出題。

3. 文脈・例題の特徴: 環境問題、エネルギー問題、社会問題など、評論や説明文で使われることが多い。

4. 学習者への注意点・アドバイス: 「使い果たす」「疲れ果てさせる」の基本的な意味に加え、文脈に応じた適切な訳語を選ぶ必要がある。類義語のdeplete, drain, consumeとのニュアンスの違いを理解する。派生語(exhaustive, exhaustion)も覚えておく。

免責事項

英単語学習ラボは生成AIで機械的に意味や英語表現を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。

このページについて

作成:英単語学習ラボ
生成支援:Google Gemini
最終更新:2025年7月18日

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