exhaustion
強勢は /zɔː/ の部分に置かれます。/ɪɡ/ は弱く短く発音し、日本語の『イ』よりも口を少し開いて曖昧な音で発音します。/tʃ/ は破裂音で、息を強く出すように意識するとよりクリアに聞こえます。最後の /ən/ は曖昧母音で、口をリラックスさせて発音しましょう。/r/ の音はアメリカ英語では発音されますが、イギリス英語では発音されないことがあります。発音記号の(ㇽ)は、/r/の発音に近づけるための参考です。
専門的な内容に関するご注意
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極度の疲労
心身ともにエネルギーを使い果たし、何もできなくなるような状態。一時的な疲労ではなく、慢性的な、あるいは突発的な強い疲労感を指す。
After running the marathon, she collapsed from pure exhaustion.
マラソンを走り終えた後、彼女は極度の疲労で倒れ込んだ。
※ この例文は、激しい運動の後、体力が限界に達して動けなくなるような「極度の疲労」の様子を鮮やかに描いています。「pure exhaustion」は「純粋な、ひたすらの疲労」というニュアンスで、他に何も考えられないほどの極限状態を表す時によく使われます。動詞の「collapsed」(倒れ込んだ)が、その状態をより強く伝えています。
The doctor felt a wave of exhaustion after the long 10-hour surgery.
その医師は、10時間に及ぶ長い手術の後、どっと疲れが押し寄せたのを感じた。
※ この例文は、長時間にわたる集中と肉体的な負担からくる「極度の疲労」を表しています。「a wave of exhaustion」は「疲労の波」という意味で、「どっと疲れが押し寄せる」という感覚を非常に自然に表現できるフレーズです。手術のような精神的・肉体的な負荷が高い状況でよく使われます。
The new mother felt a deep exhaustion after sleepless nights with her baby.
その新米の母親は、赤ちゃんと過ごす眠れない夜の連続で、深い疲労を感じていた。
※ この例文は、育児による慢性的な寝不足と心身の負担からくる「極度の疲労」を描いています。「deep exhaustion」は「深い疲労」という意味で、身体だけでなく精神的な消耗も含む、根深い疲れを表すのに適しています。子育てや介護など、継続的な負担によって生じる疲労の典型的な例です。
枯渇
資源やエネルギーが完全に失われること。比喩的に、精神的な余裕や創造性が失われた状態にも使われる。
The long drought led to the complete exhaustion of the river's water.
長い干ばつにより、川の水が完全に枯渇してしまいました。
※ この例文は、干ばつで川の水が徐々に減り、ついには底を尽きてしまう深刻な状況を描いています。水のような自然資源の「枯渇」は、「exhaustion」の最も典型的で分かりやすい使い方の一つです。「lead to 〜」は「〜につながる」「〜を引き起こす」という意味で、原因と結果を説明する際によく使われます。
I couldn't use my phone because of the battery's sudden exhaustion.
バッテリーが突然枯渇したため、携帯電話を使えませんでした。
※ スマートフォンが急に動かなくなり、困っている場面が目に浮かびますね。身近な電子機器のバッテリーが「空になる」「使い果たされる」状態も、「exhaustion」で表現される「枯渇」の典型例です。「because of 〜」は「〜のために」「〜のせいで」と理由を説明する際に非常に役立つ表現です。
The car stopped suddenly due to the exhaustion of its fuel.
燃料が枯渇したため、車は突然止まってしまいました。
※ 運転中に車が急に止まってしまい、途方に暮れる状況が想像できます。ガソリンや電気などの「燃料が尽きる」ことも、「exhaustion」が使われる代表的なシチュエーションです。「due to 〜」も「〜のために」「〜が原因で」という意味で、フォーマルな文脈でよく使われます。「because of 〜」と似ていますが、少し硬い印象です。
排気
エンジンや機械から排出されるガスや煙。比喩的に、使い古された、または無価値なものを捨てる意味合いでも用いられる。
The factory's chimney released harmful exhaustion into the air.
その工場の煙突は、有害な排気を空気中に放出した。
※ 大きな工場の煙突からもくもくと煙(排気)が出ている様子を想像してみてください。ここでは 'exhaustion' が、工場などから排出される『排気ガス』や『排出物』そのものを指しています。環境問題のニュースなどでよく耳にするような、典型的な使われ方です。
The car's engine had trouble with its exhaustion.
その車のエンジンは排気がうまくいかなかった。
※ 車がガタガタと不調で、エンジンの調子が悪く、スムーズに排気されていない様子を思い浮かべてみましょう。ここでは 'exhaustion' が、『排気』という一連の『行為』や『プロセス』を指しています。機械の不調や整備の話で使われることがあります。
Reducing engine exhaustion helps protect our planet.
エンジンの排気を減らすことは、私たちの地球を守るのに役立つ。
※ 地球環境を守るために、車や工場などからの排気を減らす努力がされている場面です。'exhaustion' は、車や機械から出る『排気』全般を指し、環境保護の文脈でよく使われます。未来のために大切な行動を示唆する例文です。
コロケーション
徹底的な疲労、極度の疲労
※ 形容詞 "sheer" は「全くの」「純粋な」という意味で、ここでは疲労の度合いを強調します。単に "exhaustion" と言うよりも、想像を絶するほどの疲労困憊状態を表したい場合に適しています。例えば、マラソン完走後や徹夜明けなど、身体的・精神的に限界を超えた状態を指すことが多いです。"utter exhaustion" も同様の意味で使えますが、"sheer" の方がやや口語的で、感情的なニュアンスが強いかもしれません。
疲労困憊の極みに達する
※ "reach the point of..." は「〜の地点に達する」という定番の構文で、ここでは疲労が限界点に達したことを示します。物理的な疲労だけでなく、精神的な疲労にも使えます。たとえば、「過労でついに限界に達した」という状況を "He reached the point of exhaustion from overwork." のように表現できます。"be driven to the point of exhaustion" (疲労困憊に追い込まれる) という表現もよく使われます。
疲労で倒れる、疲労困憊で意識を失う
※ 動詞 "collapse" は「崩れる」「倒れる」という意味で、ここでは疲労が原因で身体が制御不能になる状態を表します。単に疲れているだけでなく、文字通り倒れてしまうほどの深刻な状態を指します。例えば、炎天下での運動後や、重労働の後などに起こりやすい状況です。"faint from exhaustion" も同様の意味で使えますが、"collapse" の方がより劇的で、緊急性の高いニュアンスがあります。
疲労状態
※ "a state of" は「〜の状態」を表す一般的な表現で、ここでは疲労が継続的な状態であることを示します。一時的な疲労ではなく、慢性的な疲労や、病的な疲労など、長期にわたる疲労状態を指すことが多いです。例えば、「慢性疲労症候群」は "chronic fatigue syndrome" と言いますが、これも "a state of exhaustion" の一種と捉えることができます。
精神的疲弊、感情的消耗
※ 感情的なエネルギーが枯渇した状態を指します。仕事や人間関係でのストレスが蓄積し、無気力、意欲低下、集中力低下などの症状が現れることがあります。特に、医療、介護、教育など、対人援助職に多く見られる "burnout (燃え尽き症候群)" の主要な症状の一つです。"mental exhaustion" もほぼ同義ですが、"emotional exhaustion" は感情面に焦点を当てた表現です。
戦闘疲労
※ 主に軍事的な文脈で使用され、戦闘による極度の精神的・肉体的疲労を指します。心的外傷後ストレス障害 (PTSD) の原因となることもあります。比喩的に、長期間にわたる激しい競争や困難な状況を "battle" と捉え、その結果としての疲労を "battle exhaustion" と表現することもあります。ただし、この比喩表現はやや大げさで、深刻な状況を表す場合にのみ使用するのが適切です。
資源の枯渇
※ "exhaustion" は、エネルギーや資源が使い果たされることも意味します。この場合、"exhaustion of resources" は、石油、天然ガス、鉱物資源などの天然資源が枯渇することを指します。環境問題やエネルギー問題に関する議論で頻繁に用いられる表現です。 "depletion of resources" も同様の意味で使われますが、"exhaustion" の方がより深刻な状況を表すニュアンスがあります。
使用シーン
学術論文、特に心理学、医学、環境学などの分野で、研究結果や状態を説明する際に使用されます。例えば、心理学の研究で「被験者の精神的疲憊(exhaustion)の程度を測定した」とか、環境学の研究で「森林資源の枯渇(exhaustion)が生態系に与える影響を分析した」といった文脈で使われます。文語的な表現です。
ビジネス文書やプレゼンテーションで、資源の枯渇や従業員の疲弊状態を説明する際に使用されることがあります。例えば、「市場の飽和による顧客基盤の枯渇(exhaustion)」や「過重労働による従業員の疲労困憊(exhaustion)」といった表現が見られます。ややフォーマルな文脈で使用されます。
日常会話ではあまり一般的ではありませんが、ニュース記事やドキュメンタリー番組などで、資源の枯渇や極度の疲労状態について言及する際に使用されることがあります。例えば、「連日の激務で心身ともに疲弊困憊(exhaustion)している」といった状況を説明する際に使われることがあります。フォーマルな表現のため、日常会話ではより口語的な表現が好まれます。
関連語
類義語
疲労。身体的または精神的な活動によって生じる、一時的な機能低下の状態を指します。医学的な文脈や、疲労に関する研究などでよく用いられます。 【ニュアンスの違い】exhaustionよりも一般的で、疲労の程度が低い場合にも使われます。fatigueは、慢性的な疲労や病的な疲労を指すこともあります。 【混同しやすい点】exhaustionは極度の疲労を指すのに対し、fatigueはより広い範囲の疲労をカバーします。日常会話ではfatigueの方が使いやすいでしょう。
疲れ。日常的な会話で最も一般的な表現です。身体的、精神的な疲れの両方に使えます。 【ニュアンスの違い】exhaustionよりもずっと軽い疲労を表します。一時的な疲れや、休息によって回復するような疲れを指します。 【混同しやすい点】tirednessは、exhaustionのような深刻な疲労状態を指すことはありません。単に『疲れた』という状態を表す場合に適しています。
- weariness
倦怠感、疲労感。長期間にわたる努力や苦労によって生じる、精神的な疲労や飽き飽きした感情を含みます。文学的な表現や、ややフォーマルな文脈で用いられます。 【ニュアンスの違い】exhaustionが身体的な疲労を強調するのに対し、wearinessは精神的な疲労を強調します。また、wearinessは、何かに対する興味や意欲の喪失を伴うことがあります。 【混同しやすい点】wearinessは、単なる疲労だけでなく、飽きや嫌気といった感情を含む点に注意が必要です。身体的な疲労だけでなく、精神的な状態を表す場合に適しています。
- depletion
枯渇、消耗。資源、エネルギー、体力などが使い果たされた状態を指します。経済学、資源管理、医学などの分野で用いられます。 【ニュアンスの違い】exhaustionは人に対して使われることが多いのに対し、depletionは資源やエネルギーなど、無形のものに対して使われることが多いです。 【混同しやすい点】depletionは、必ずしも疲労感を伴うとは限りません。資源やエネルギーが単に不足している状態を表すこともあります。例えば、栄養不足はnutrient depletionと表現します。
燃え尽き症候群。長期間にわたる過度のストレスや努力によって生じる、精神的、感情的、身体的な疲労の極致を指します。ビジネスや心理学の分野でよく用いられます。 【ニュアンスの違い】exhaustionよりも、より深刻な状態を表します。burnoutは、仕事や活動に対する意欲の喪失、無力感、自己肯定感の低下などを伴います。 【混同しやすい点】burnoutは、単なる疲労ではなく、仕事や活動に対する深い絶望感を含む点に注意が必要です。長期的なストレスが原因であることが多いです。
- prostration
衰弱、虚脱。病気や極度の疲労によって、身体的、精神的に完全に弱り果てた状態を指します。医学的な文脈や、歴史的な記述などで用いられます。 【ニュアンスの違い】exhaustionよりもはるかに深刻な状態を表します。prostrationは、意識の低下や運動能力の喪失を伴うことがあります。 【混同しやすい点】prostrationは、日常会話ではほとんど使われません。医学的な状態や、非常に深刻な疲労状態を表す場合にのみ用いられます。
派生語
『使い果たす』という意味の動詞。元々は『(液体などを)完全に汲み出す』イメージ。日常会話では『疲れ果てさせる』、工業分野では『排気する』など、文脈によって意味が広がっている。使用頻度は高い。
- exhaustive
『徹底的な』という意味の形容詞。『exhaust』が持つ『すべて出し尽くす』というニュアンスから、『網羅的で徹底的な』という意味に発展。学術論文や調査報告書などで、調査や分析の徹底性を強調する際に用いられる。日常会話での使用頻度はやや低い。
- exhaustively
『徹底的に』という意味の副詞。『exhaustive』を副詞化したもので、同様に学術的な文脈で使われることが多い。例えば、『~について徹底的に調査した』のように使う。
反意語
- invigoration
『元気回復』『活気づけ』という意味の名詞。『vigor(活力)』に『in-(中に)』と『-ate(動詞化)』、さらに『-tion(名詞化)』が付いた形。『exhaustion』がエネルギーの枯渇状態を指すのに対し、こちらはエネルギーの注入・活性化を表す。ビジネスシーンや健康関連の文脈で、疲労回復や活性化策を議論する際に用いられる。
- rejuvenation
『若返り』『回復』という意味の名詞。『exhaustion』が心身の消耗を表すのに対し、こちらは若々しさや活力を取り戻すプロセスを指す。美容、健康、環境再生などの分野で使われる。比喩的に、組織やシステムの刷新にも用いられる。
語源
"Exhaustion」は、ラテン語の「exhaurire」(汲み出す、使い果たす)に由来します。これは「ex-」(外へ)と「haurire」(汲む、引き出す)が組み合わさったものです。つまり、元々は液体などを完全に汲み出す、空っぽにするといった意味合いでした。そこから派生して、エネルギーや資源を使い果たし、極度の疲労や枯渇状態を表すようになりました。例えば、井戸から水を汲み尽くして水がなくなるイメージです。日本語の「精根尽き果てる」という表現が、この単語の持つニュアンスに近いでしょう。現代英語では、肉体的、精神的な疲労だけでなく、資源の枯渇、例えば「天然資源のexhaustion(枯渇)」のように、広範な意味で使われます。
暗記法
「exhaustion」は単なる疲労にあらず。産業革命以降、社会構造が生み出す病理の象徴。ゾラの自然主義文学では、労働者の心身の消耗が描かれ、『ジェーン・エア』では社会の不条理に抗う主人公の精神的疲弊が。「過労死」や「燃え尽き症候群」は現代も続く問題。競争社会やSNS、地球規模の不安も「exhaustion」を加速させる。個人の問題であると同時に、社会全体で取り組むべき課題。休息を大切に。
混同しやすい単語
『exhaustion』と語源が同じで、動詞・名詞として使われるため混同しやすい。動詞としては『使い果たす』『疲れさせる』、名詞としては『排気』『排気ガス』の意味を持つ。名詞のアクセントはex-に置かれる点も異なる。語源的には『ex-(外へ)』+『haurire(汲み出す)』で、エネルギーや資源を外に汲み出すイメージ。
『exhaustion』とスペルが似ており、どちらも名詞で終わりの方が '-tion' であるため、意味も似ていると誤解しやすい。『exertion』は『努力』『尽力』という意味で、エネルギーを積極的に使うニュアンスがある。語源的には『ex-(外へ)』+『serere(結びつける)』で、力を外に結びつけるイメージ。発音も異なるため注意が必要。
語尾の '-tion' が共通しており、抽象名詞であるため、意味も似ていると誤解しやすい。『inception』は『始まり』『発端』という意味で、『exhaustion』の疲労困憊とは全く異なる。特にビジネスシーンで使われることが多い。発音も大きく異なる。
スペルが似ており、特に 'ex...' で始まる点や '-tion' で終わる点が共通しているため、視覚的に混同しやすい。『extortion』は『強要』『ゆすり』という意味で、法的な文脈で使われることが多い。発音も異なり、アクセントの位置も異なるため注意が必要。
'ex...'から始まるスペルと、抽象的な意味合いから混同される可能性がある。『existence』は『存在』という意味で、状態を表す名詞。スペルは似ているものの、発音は大きく異なる。
形容詞形で、意味も『徹底的な』『網羅的な』と関連があるため、混同しやすい。『exhaustion』が状態を表す名詞であるのに対し、『exhaustive』は状態を修飾する形容詞。例えば、『exhaustive research (徹底的な調査)』のように使う。発音も異なる点に注意。
誤用例
日本人が『〜に対して疲れる』という日本語表現を直訳し、exhaustionという名詞をforと組み合わせて使ってしまう誤用です。exhaustionは『疲労』という状態そのものを指す名詞であり、感情の対象を示すものではありません。正しい英語では、exhaustedという形容詞を用いて『彼の終わりのない不満によって私は疲弊している』というように、原因を示すbyと共に使うことで、感情の理由を明確にします。また、感情を『感じる』という表現には、形容詞が自然です。日本語の『〜に対して』という表現に安易にforを当てはめるのではなく、英語の構文における名詞と形容詞の役割の違いを理解することが重要です。
exhaustionは不可算名詞として扱われることが一般的ですが、ここでは可算名詞のようにaをつけてしまっています。また、greatという形容詞も不自然です。exhaustionは状態を表す名詞なので、程度を強調する場合はsevere(深刻な)、extreme(極度の)といった形容詞を使うのが適切です。日本語の『大きな疲労』という表現に引きずられて、greatを使ってしまうのはよくある間違いです。英語では、疲労の程度を具体的に示す形容詞を選ぶことで、より正確なニュアンスを伝えることができます。
この誤用は、exhaustionを比喩的に『疲弊した内容』という意味で使おうとした場合に起こりがちです。しかし、exhaustionはあくまで『疲労』という状態そのものを指すため、speech(演説)のような無生物に使うのは不自然です。正しい英語では、in a state of exhaustion(疲労困憊の状態で)という表現を使い、演説者が疲れている状態を間接的に示唆します。日本語では『彼の演説は疲弊していた』のように無生物主語で表現することがありますが、英語では主語はあくまで人間であり、状態を表す表現を用いることで、より自然な英語表現になります。文化的背景として、英語では主語を明確にすることが重視されるため、無生物主語を避ける傾向があります。
文化的背景
「exhaustion(消耗)」は単なる疲労以上の、精神的、肉体的、感情的なエネルギーが枯渇し、無力感や絶望感さえ伴う状態を指します。近代以降、産業革命や資本主義の進展とともに、人間の労働力や精神力が搾取される状況が生まれ、この言葉は、そうした社会構造が生み出す病理を象徴するようになりました。
19世紀の文学作品には、「exhaustion」が頻繁に登場します。例えば、エミール・ゾラの自然主義文学では、労働者階級の人々が過酷な労働によって心身ともに「exhausted」していく様子が克明に描かれています。また、シャーロット・ブロンテの『ジェーン・エア』では、主人公が社会の不条理や抑圧的な環境に抗いながらも、精神的に「exhausted」していく姿が描かれています。これらの作品は、「exhaustion」が単なる個人的な疲労ではなく、社会構造や権力関係によって引き起こされる問題であることを示唆しています。
現代社会においても、「exhaustion」は依然として重要なテーマです。過労死や燃え尽き症候群(burnout)といった言葉が示すように、多くの人々が仕事や人間関係、社会的なプレッシャーによって「exhausted」しています。特に、競争社会や成果主義の蔓延は、人々に常に高いパフォーマンスを求め、自己犠牲を強いる傾向があり、「exhaustion」を加速させる要因となっています。ソーシャルメディアの普及も、常に他者と比較し、自己肯定感を失わせることで、精神的な「exhaustion」を引き起こす可能性があります。近年では、気候変動やパンデミックといった地球規模の問題も、人々に不安や無力感を与え、「exhaustion」を悪化させています。
「exhaustion」は、個人の問題であると同時に、社会全体の問題として捉える必要があります。労働環境の改善、ワークライフバランスの推進、メンタルヘルスケアの充実など、社会全体で「exhaustion」を軽減するための取り組みが求められています。また、個人としても、自己肯定感を高め、ストレスを軽減するための工夫、そして何よりも休息を大切にすることが重要です。「exhaustion」は、放置すれば深刻な健康問題を引き起こす可能性があります。自分自身の心身の状態に注意を払い、早めにケアすることが大切です。
試験傾向
- 出題形式: 主に長文読解、語彙問題(同意語選択、空所補充)
- 頻度と級・パート: 準1級、1級で頻出。2級でも長文読解でまれに出題。
- 文脈・例題の特徴: 環境問題、健康、心理学など、幅広いテーマのアカデミックな長文で登場。
- 学習者への注意点・アドバイス: 名詞であること、類似語(fatigue, tiredness)とのニュアンスの違いを理解する。動詞形(exhaust)や形容詞形(exhausted, exhausting)も合わせて覚える。
- 出題形式: 主に長文読解(Part 7)、語彙問題(Part 5, 6)
- 頻度と級・パート: Part 7で比較的よく見られる。Part 5, 6ではやや頻度低め。
- 文脈・例題の特徴: ビジネス文書(報告書、メールなど)で、過労や資源の枯渇といった文脈で登場。
- 学習者への注意点・アドバイス: ビジネスシーンでの使用例を意識する。類義語(depletion, depletion)との使い分けを理解する。
- 出題形式: リーディングセクションで頻出。リスニングセクションでも講義形式で稀に出題。
- 頻度と級・パート: リーディングセクションで頻出
- 文脈・例題の特徴: 科学、歴史、社会学など、アカデミックな内容の文章で、資源の枯渇、エネルギー消費、心理的な疲弊などを表す際に用いられる。
- 学習者への注意点・アドバイス: 抽象的な概念を理解する文脈で使われることが多い。同義語(depletion, consumption)や関連語(burnout)と合わせて学習する。
- 出題形式: 長文読解問題で頻出。文脈から意味を推測する問題や、同意語を選ぶ問題として出題される。
- 頻度と級・パート: 難関大学の入試で頻出。標準的なレベルの大学でも出題される可能性あり。
- 文脈・例題の特徴: 環境問題、社会問題、科学技術、心理学など、幅広いテーマの文章で登場。
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する練習をする。関連語(exhaust, exhausted, exhausting)も合わせて覚える。