equal
最初の母音 /iː/ は日本語の『イー』よりも少し長く伸ばすイメージです。/kw/ の部分は、唇を丸めて『ク』と発音し、すぐに『ワ』の音に移るように意識しましょう。最後の /əl/ は、舌先を上前歯の裏につけたまま、曖昧母音を発音します。日本語の『ル』のように強く発音しないように注意してください。
専門的な内容に関するご注意
このページには、健康、金融、法律など、専門的な知識を必要とする内容が含まれている可能性があります。本サイトの情報は学習目的で提供されており、専門家による助言の代わりとなるものではありません。重要な判断を行う際には、必ず資格を持つ専門家にご相談ください。
等しい
数学的な意味合いだけでなく、価値や重要性、権利などが同等であることを示す。公平さや平等さを表す際によく用いられる。例:equal opportunities(均等な機会)
My brother and I made sure our cookie pieces were equal.
兄(弟)と私は、クッキーの分け前が平等になるようにした。
※ この例文は、誰かと食べ物などを公平に分け合う、日常の温かい場面を描いています。子供たちが、お互いに不公平がないように「等しい(equal)」量を確保しようとしている様子が目に浮かびますね。「make sure ~」は「~を確かめる」という意味で、ここでは公平にしたいという気持ちが伝わってきます。具体的に「物の量」が同じであることを示す、最も基本的な使い方の一つです。
The teacher said that all students are equal in her class.
先生は、自分のクラスでは全ての生徒が平等だと言った。
※ この例文は、学校の教室で先生が生徒たちに話している情景を思い起こさせます。先生が「みんなは等しい存在だよ」と宣言することで、生徒たちが安心し、公平さを感じられる場面です。ここでは、具体的な物ではなく、「生徒の価値」や「扱い」が等しいという、より抽象的な意味で「equal」が使われています。集団の中で「平等である」という原則を述べる際によく使われる、典型的な表現です。
My score on the math test was equal to hers.
私の数学のテストの点数は、彼女の点数と同じだった。
※ この例文は、テストの結果を友達と比べ合っている学生たちの場面です。自分の点数が友達と同じだったと分かった時の、ちょっとした驚きや喜び、あるいは競争意識が感じられますね。「A is equal to B」の形で「AはBに等しい」という意味になり、数値や結果が同じであることを示す際によく使われる、非常に一般的なフレーズです。点数以外にも、重さ(weight)や高さ(height)など、具体的な数値が同じである時にも使えます。
匹敵する
あるものと別のものが、質、量、価値などにおいて同程度であること。競争や比較の文脈で使われることが多い。例:His achievements equal those of his predecessor.(彼の業績は前任者に匹敵する)
His amazing speed on the track now can easily equal that of a professional runner.
彼の陸上トラックでの驚くべきスピードは、今やプロのランナーのそれに楽々と匹敵する。
※ この例文は、若い選手が信じられないほどの速さで走っている様子を描いています。まるでプロの選手のように速く、周囲の人がその才能に驚いている情景が目に浮かびますね。「equal」は、スポーツや能力の比較で「劣らない」「同等のレベルである」ことを伝える際によく使われます。ここでは「that of a professional runner」で「プロのランナーのスピード」を指し、比べる対象を明確にしています。
The picture quality of this new smartphone might even equal an expensive camera.
この新しいスマートフォンの画質は、ひょっとしたら高価なカメラにも匹敵するかもしれない。
※ この文は、最新のスマホで撮った写真を見て、その美しさに感動している場面を想像させます。スマホのカメラが高価な専門カメラと遜色ないほど高性能であることを伝えていますね。「equal」は、製品の性能や品質が、より上位の製品や高価なものと同等レベルであることを表現するのに非常に自然です。技術の進歩で、身近なものがプロの道具に匹敵する、という状況はよくあります。
Her years of hard work really equal the skills of a more experienced manager.
彼女の長年の努力は、経験豊富なマネージャーのスキルに本当に匹敵する。
※ この例文からは、一人の女性が地道な努力を重ね、ついにベテランのマネージャーと肩を並べるほどのスキルを身につけた、という感動的なストーリーが伝わってきます。「equal」は、個人の努力や経験が、特定の地位や能力を持つ他者に「劣らず価値がある」「同等の能力がある」ことを示す際にも使われます。努力が報われる瞬間や、隠れた才能が認められるビジネスシーンでよく聞かれる表現です。
対等な人
地位、能力、権利などが同等の人。特に議論や交渉など、互角の関係にある相手を指す。
When I joined the new team, everyone treated me as an equal, which made me feel welcome.
新しいチームに入ったとき、みんなが私を対等な人として扱ってくれたので、私はすぐに歓迎されていると感じました。
※ この例文は、新しい環境で「仲間として認められた」という温かい感情を表しています。仕事や学校、サークルなどで新しいグループに加わった時、年齢や経験に関わらず、みんなが同じ立場として接してくれると安心しますよね。ここでは「treat A as an equal(Aを対等な人として扱う)」という、非常によく使われる形です。
In the chess club, Ken was my equal, and we always had exciting games.
チェスクラブでは、ケンは私の対等な相手だったので、私たちはいつもエキサイティングなゲームをしていました。
※ この例文は、競争相手でありながらも「実力が同じくらいで、互いに高め合える相手」というポジティブな関係性を描いています。スポーツやゲームなどで「自分と同じくらい強い(あるいは弱い)相手」という状況で使われます。彼と対等だからこそ、真剣勝負ができて楽しい、という気持ちが伝わりますね。「be one's equal(~の対等な相手である)」という形で使われます。
In our company, everyone, regardless of their position, is an equal when discussing new ideas.
私たちの会社では、役職に関係なく、新しいアイデアを話し合うときは誰もが対等な立場です。
※ この例文は、会議や議論の場で「誰もが同じように意見を言える、公平な環境」であることを示しています。会社や学校、家族など、様々な集団の中で「立場や肩書きに関わらず、みんなが平等な権利や発言権を持つ」という状況を表すのにぴったりです。ここでは「be an equal(対等な立場である)」という形で、公平な社風が伝わりますね。
コロケーション
均等な機会、機会均等
※ 人種、性別、宗教、出身などに関わらず、全ての人が平等な機会を与えられるべきであるという原則を表します。ビジネスや教育の分野で頻繁に使われ、採用や昇進、入学などの場面で差別がないことを保証する意味合いを持ちます。名詞句として、'equal opportunity employer'(機会均等雇用主)のように用いられることも多いです。法律や政策の文脈でも重要であり、単なる公平さだけでなく、社会全体の公正さを追求する概念です。
平等な権利
※ 全ての人々が法の下で平等な権利を持つべきであるという原則を指します。人種、性別、性的指向、宗教、政治的信条などに基づく差別をなくし、教育、雇用、医療、投票など、あらゆる分野で平等な権利を保障することを意味します。'equal rights amendment'(平等権利修正条項)のような具体的な法律や運動の文脈でよく用いられます。単に権利が与えられるだけでなく、その権利が実際に尊重され、行使できる環境が整っていることが重要です。
対等の立場、同等の条件
※ 二者以上の関係において、互いが同等の力や権利、機会を持っている状態を指します。ビジネス交渉や国際関係など、力関係が重要となる場面でよく使われます。例えば、'to be on equal footing'(対等の立場でいる)、'to put someone on equal footing'(誰かを対等の立場に置く)のように使われます。表面的な平等だけでなく、実質的な力関係のバランスが取れていることが重要です。比喩的に、ハンディキャップをなくして競争条件を公平にすることを意味する場合もあります。
同じ程度に、等しく
※ 感情や性質、あるいは物事が同じように分配されることを意味します。例えば、'to treat everyone with equal measure of respect'(誰に対しても同じように敬意を払う)のように使われます。比喩的に、良い面と悪い面、あるいは喜びと悲しみなどが同じ程度に存在することを表すこともあります。フォーマルな文脈や文学的な表現で用いられることが多いです。'in equal measure'という形で使われることもあります。
任務を遂行する能力がある、役不足ではない
※ 特定の仕事や課題を成功させるための能力や資格を持っていることを意味します。自信や信頼を表現する際に用いられ、'He is equal to the task'(彼はその任務を遂行できる)のように使われます。単に能力があるだけでなく、困難な状況にも立ち向かえる精神力や決意があることを示唆します。ビジネスシーンやリーダーシップの文脈でよく用いられます。
すべての人間は生まれながらにして平等である
※ アメリカ独立宣言に由来する有名なフレーズで、人種、性別、身分などに関わらず、全ての人が平等な権利を持つという理念を表します。歴史的・政治的な文脈で頻繁に引用され、平等と自由の原則を象徴する言葉として広く認識されています。単なる事実の記述ではなく、理想や目標を表現する言葉として用いられます。このフレーズは、社会正義や人権運動の根幹をなす考え方です。
使用シーン
学術論文やレポートで頻繁に使用されます。例えば、統計データの結果を比較する際に「グループAの平均値はグループBの平均値と等しい(equal)」と記述したり、数式で「A = B」と表現したりします。また、議論において「〜と等価である」という概念を説明する際にも用いられます。文体はフォーマルで、客観性と正確性が求められます。
ビジネス文書や会議で、公正さや平等さを強調する際に使われます。例えば、契約条件について「両当事者は平等な(equal)権利を有する」と明記したり、従業員の評価において「公平な(equal)機会を提供する」と述べたりします。また、市場分析で「〜と同等のシェアを持つ」という表現も使われます。文体はフォーマルで、明確さと公平さが重要です。
日常会話やニュース記事で、平等や同等の価値を意味する際に用いられます。例えば、「男女平等(equal rights for men and women)」や「機会均等(equal opportunity)」といった社会的な話題でよく耳にします。また、スポーツの試合で「同点(equal score)」という状況を説明する際にも使われます。文体はカジュアルからフォーマルまで幅広く、状況に応じて使い分けられます。
関連語
類義語
『同等の』『等価の』という意味で、価値、量、重要性などが同じであることを示す。数学、科学、法律、経済など、客観的な基準が存在する分野でよく使われる。 【ニュアンスの違い】『equal』よりも形式ばった表現で、より厳密な同等性を意味する。主観的な判断よりも、客観的な事実に基づいて同等性を評価するニュアンスが強い。 【混同しやすい点】『equivalent』は名詞としても形容詞としても使われるが、『equal』は形容詞または動詞として使われることが多い。また、『equivalent to』のように前置詞を伴うことが多い。
『全く同じ』『完全一致』という意味で、外見、性質、特徴などが完全に一致することを強調する。科学、法医学、製造業など、厳密な同一性が重要な分野で使われる。 【ニュアンスの違い】『equal』よりも強い意味を持ち、単に『等しい』だけでなく、区別できないほど完全に同じであることを意味する。双子やDNA鑑定など、具体的な対象に対して使われることが多い。 【混同しやすい点】『identical』は常に形容詞として使われ、名詞を修飾する。また、『identical to』のように前置詞を伴うことが多い。『equal』が動詞として使われる場合、『identical』は置き換えられない。
『似ている』『同様に』という意味で、いくつかの点で共通していることを示す。外見、性格、行動などが似ていることを表すのに使われる。日常会話でよく使われる。 【ニュアンスの違い】『equal』とは異なり、完全な同等性ではなく、類似性を示唆する。『alike』は通常、叙述用法(be動詞の補語)で使われるか、副詞として使われる。 【混同しやすい点】『alike』は名詞の前に置くことはできない(例:*alike people は不可)。『equal』は名詞を修飾できる(例:equal rights)。また、『alike』は比較対象が複数存在することを前提とする。
『匹敵する』『比較できる』という意味で、ある程度似ており、比較検討する価値があることを示す。性能、品質、価格などが比較できることを表す。ビジネスや学術分野でよく使われる。 【ニュアンスの違い】『equal』とは異なり、必ずしも同等である必要はなく、比較検討の対象となりうる程度の類似性を示す。『comparable』は、完全に同じでなくても、似たような価値や効果を持つ場合に用いられる。 【混同しやすい点】『comparable』は、比較の基準が明確でない場合、誤解を招く可能性がある。比較の対象や基準を明示することが重要(例:comparable to X in terms of Y)。
『均一な』『一様な』という意味で、全体が同じ性質、形状、状態であることを示す。製品の品質、服装、規則などが均一であることを表す。製造業、軍隊、学校などでよく使われる。 【ニュアンスの違い】『equal』とは異なり、個々の要素が等しいというよりも、全体としての均一性を強調する。『uniform』は、多様性や個性を排除し、一律であることを重視するニュアンスがある。 【混同しやすい点】『uniform』は、個々の要素が完全に同じであることを意味するわけではない。多少のばらつきがあっても、全体として均一であれば『uniform』と表現できる。
『同然』『等しい』という意味で、ある行為や状況が別の行為や状況と事実上同じ結果をもたらすことを示す。法律、政治、倫理などの分野で、重大な結果を伴う場合に用いられる。 【ニュアンスの違い】『equal』よりも強い意味を持ち、形式的には異なっていても、結果や影響が実質的に同じであることを強調する。非難や責任を伴う文脈で使われることが多い。 【混同しやすい点】『tantamount』は、常に形容詞として使われ、『tantamount to』の形で用いられる。日常会話ではあまり使われず、フォーマルな文脈で用いられる。
派生語
『平等』という意味の名詞。『equal』に名詞化の接尾辞『-ity』が付加された。抽象的な概念を表し、政治、社会、法律などの文脈で頻繁に使われる。equalが状態を指すのに対し、equalityはその状態の概念を指す。
『同一視する』という意味の動詞。『equal』に動詞化(他動詞化)の意味合いを持つ接尾辞(ここでは便宜上)が付いたと解釈できる。比喩的な意味合いで使われることが多く、『AをBと同一視する』のように用いる。学術的な議論や、意見の相違を説明する際にも用いられる。
『方程式』または『同一視』という意味の名詞。『equate』に名詞化の接尾辞『-tion』が付加された。数学の文脈では数式を、一般的な文脈ではequalityよりも限定的な『同一視』や『均衡』の状態を表す。学術論文や技術文書でよく見られる。
反意語
接頭辞『un-(否定)』が『equal』に付いた形容詞で、『不平等な』という意味。直接的な反意語であり、equalityとunequalityの関係と同様、equalとunequalは対をなす。統計データや社会問題を議論する際によく用いられる。
『異なる』という意味の形容詞。equalが『等しい』という状態を表すのに対し、differentは『区別できる』という状態を表す。日常会話から学術的な議論まで幅広く使われ、equalよりも使用頻度が高い。単に数値が異なるだけでなく、性質や種類が異なる場合にも用いられる。
- dissimilar
接頭辞『dis-(分離、否定)』が付いた形容詞で、『似ていない』という意味。differentよりもフォーマルな響きを持ち、学術的な文脈や比較分析において用いられることが多い。数値的な違いだけでなく、性質や特性の相違を強調する際に使われる。
語源
「equal」の語源はラテン語の「aequalis(等しい、平らな)」に遡ります。これはさらに「aequus(平らな、均一な)」という形容詞から派生しており、元々は物理的な平坦さを意味していました。例えば、土地が平らであるとか、重さが均等であるといった状態を表していたのです。この「平ら」という概念から、「等しい」「同等の」という意味へと発展しました。日本語の「平等」という言葉にも、この「平」という字が含まれていることからも、類似の概念が連想できるでしょう。英語の「equity(公平性)」も同じ語源を持ち、根本的には「物事を平らにする」という考え方が根底にあることがわかります。
暗記法
「equal」は単なる記号ではない。フランス革命の「自由、平等、博愛」のスローガンは、身分制度を打ち破り、人権宣言へと繋がった。アメリカ独立宣言の「すべての人間は平等」は理想だが、奴隷制度や人種差別の克服は困難を極めた。キング牧師の演説は「equal」の力を世界に再認識させた。現代社会では、ジェンダー、民族、経済など、あらゆる差別をなくし、真の平等な社会を目指す象徴として、この言葉は深く根付いている。
混同しやすい単語
『equal』に接尾辞 '-ize' がついた動詞で、『等しくする』『平均化する』という意味です。スペルが非常に似ており、動詞として使う場合に混同しやすいです。発音もアクセントの位置は同じですが、最後が /aɪz/ と変化します。文章中で動詞として使われているか、形容詞として使われているかを見極める必要があります。
『equal』に接尾辞 '-ly' がついた副詞で、『等しく』『同様に』という意味です。スペルが似ているため、品詞を間違えやすいです。文中で名詞や動詞を修飾している場合は、副詞であると判断できます。発音は /iːkwəli/ のように若干変化します。
スペルの一部('equ')が共通しているため、視覚的に混同しやすい単語です。『続編』という意味であり、意味的な関連性は薄いです。発音も異なり、/ˈsiːkwəl/ となります。物語や映画などの文脈でよく使われます。
発音記号は異なりますが、カタカナで発音すると『イークル』と聞こえる場合があり、特に発音練習の初期段階で混同しやすいです。『鷲(わし)』という意味で、スペルも意味も大きく異なります。LとRの発音に注意が必要です。
語源的に関連がある(equalは『平等』の概念を含む)ものの、スペルと意味が大きく異なるため、混同は少ないかもしれません。ただし、カタカナで『エシカル』と表記されることが多く、概念的な理解が曖昧な場合、関連付けて誤解する可能性があります。『倫理的な』という意味で、哲学や社会学の文脈でよく使われます。
接頭辞 'un-' がついた『equal』の反意語で、『不平等な』『等しくない』という意味です。スペルが似ているため、意味を混同しやすいです。文脈から肯定的な意味か否定的な意味かを判断する必要があります。発音は /ʌnˈiːkwəl/ となり、'un-' の部分が加わります。
誤用例
この誤用は、日本の教育でよく使われる標語「人はみな平等」を直訳した際に起こりがちです。しかし、アメリカ独立宣言に由来する有名なフレーズは "All men are created equal" であり、これは「生まれながらに平等である」というニュアンスを含みます。単に "All people are equal" と言うと、能力や成果など、後天的な要素も含めた平等さを主張しているように聞こえ、やや不自然です。文化的背景を考慮すると、歴史的文脈を踏まえた "created equal" を使う方が適切です。日本語の『平等』という言葉が持つニュアンスと、英語の "equal" が持つニュアンスの違いを理解することが重要です。また、日本語では主語を省略することが多いですが、英語では主語を明確にする必要があります。
この誤用は、動詞としての "equal" の用法に関する誤解から生じます。 "equal" は動詞として使われる場合、通常「〜に等しい」という意味で使用されます(例:Two plus two equals four)。予算を「均等にする」という意味で使いたい場合は、動詞 "equalize" を使うのが適切です。 "equal" を動詞として使う場合、目的語に具体的な数値や量を伴うことが一般的です。例えば、"We should equal the previous year's budget." (昨年の予算と同額にするべきだ) のように使います。"equalize" は、より抽象的な概念である「均等化」や「平等化」を表すのに適しています。日本語の「イコールにする」という表現が、安易な英語への置き換えを誘発していると考えられます。
この誤用は、"equal" を「同等」という意味で使う際に、表現の硬さやフォーマルさを考慮していないことに起因します。"equal in power" は文法的には正しいですが、やや直接的で、場合によっては傲慢な印象を与えかねません。より洗練された表現としては、"on an equal footing" (対等な立場にある)を使うのが適切です。これは、スポーツや競争の文脈でよく用いられる表現で、比喩的に「対等な関係」を表すのに適しています。また、"on a par with" という表現も同様の意味で使えます。日本語の「対等である」という表現を直訳するのではなく、英語のイディオムや比喩表現を学ぶことで、より自然でニュアンス豊かなコミュニケーションが可能になります。特に、国際関係やビジネスの場面では、言葉の選び方が相手に与える印象を大きく左右するため、注意が必要です。
文化的背景
「equal(イコール)」は単なる数学記号ではなく、社会における公正さ、権利の平等という概念を強く象徴する言葉です。この言葉は、長きにわたる人類の闘争と、理想への希求の歴史を背負っています。
「equal」が現代的な意味を獲得する上で、フランス革命(1789年)は重要な転換点となりました。「自由、平等、博愛」のスローガンは、身分制度が色濃く残る社会に対し、すべての人間は生まれながらにして平等な権利を持つという思想を力強く打ち出しました。この革命の理念は、その後の人権宣言や憲法に大きな影響を与え、「equal」という言葉は、法の下の平等、機会の平等といった概念と不可分に結びつくようになったのです。しかし、この「平等」の理念は、当初は男性市民のみに限定されるなど、その適用範囲には限界がありました。奴隷制度の廃止、女性参政権の獲得など、社会における真の平等を追求する運動は、その後も長く続くことになります。
アメリカ合衆国における「equal」の概念は、独立宣言(1776年)の「すべての人間は生まれながらにして平等である」という一節に端を発しますが、その実現は困難を極めました。奴隷制度は、建国当初からアメリカ社会に深く根付き、南北戦争(1861-1865年)という悲劇を経てようやく廃止されました。しかし、その後も人種差別は様々な形で残り続け、公民権運動(1950年代〜1960年代)を通じて、ようやく法的な平等の実現へと向かうことになります。マーティン・ルーサー・キング・ジュニアの「私には夢がある」という演説は、「equal」という言葉が持つ力強いメッセージを、世界中の人々に改めて認識させることになりました。
現代社会において、「equal」は依然として重要なキーワードです。ジェンダー、性的指向、民族、宗教など、様々な属性に基づく差別をなくし、すべての人が平等な機会を得られる社会を実現することは、現代社会が抱える重要な課題の一つです。「equal pay for equal work(同一労働同一賃金)」という言葉が象徴するように、「equal」は経済的な公正さとも深く結びついています。この言葉は、単なる理想ではなく、具体的な行動を通じて実現していくべき目標として、私たちの社会に深く根付いているのです。
試験傾向
1. 出題形式: 語彙問題、長文読解。
2. 頻度と級・パート: 準1級、1級で頻出。2級でも稀に出題。
3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、科学、教育など幅広いテーマで登場。形容詞(equal)と動詞(equalize)の使い分けが問われる。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 「~に等しい」という意味の他に、「匹敵する」という意味も押さえておく。equal footing(対等な立場)のようなイディオムも重要。
1. 出題形式: Part 5 (短文穴埋め)、Part 7 (長文読解)。
2. 頻度と級・パート: 頻出。特にPart 7で契約書やビジネスレター、記事などでよく見られる。
3. 文脈・例題の特徴: ビジネスシーンでの使用がほとんど。機会均等(equal opportunity)などの表現で登場。
4. 学習者への注意点・アドバイス: equalは形容詞、動詞として使われるが、TOEICでは形容詞としての出題が多い。類義語のequivalentとの使い分けも意識する。
1. 出題形式: リーディングセクション。
2. 頻度と級・パート: 頻出。アカデミックな文章でよく使用される。
3. 文脈・例題の特徴: 科学、歴史、社会学など、学術的な内容の文章で、比較や対比を示す際に使われる。
4. 学習者への注意点・アドバイス: equalの抽象的な意味合いを理解することが重要。例えば、「equal rights(平等な権利)」のように、具体的な数値で測れない概念を表す場合もある。動詞として使われる場合は、目的語が必要かどうかを確認する。
1. 出題形式: 長文読解、文法・語彙問題。
2. 頻度と級・パート: 難関大学ほど頻出。標準的なレベルの大学でも、文章の内容によっては出題される可能性がある。
3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、環境問題、科学技術など、幅広いテーマで登場。評論や説明文でよく使われる。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈からequalの意味を正確に判断することが重要。比喩的な意味で使われることもあるので、注意が必要。関連語句(equality, equationなど)も合わせて覚えておくと、理解が深まる。