draw
母音 /ɔː/ は日本語の「オ」よりも口を大きく開け、喉の奥から出すような音です。「ド」を発音した後、口を大きく開けて「オー」と伸ばすイメージで発音すると良いでしょう。また、語尾を上げて発音しないように注意しましょう。日本語の「ドロー」のように平板に発音すると、ネイティブには別の単語に聞こえる可能性があります。
(線で)描く
鉛筆やペンなどを使って、線や図形を表現する基本的な行為。美術や設計の文脈で使われる。抽象的な意味での「描く」にも対応(例:将来を描く)
My daughter loves to draw animals on her sketchbook every day.
私の娘は毎日、スケッチブックに動物の絵を描くのが大好きです。
※ この例文は、お子さんがクレヨンや鉛筆を手に、楽しそうに動物の絵を描いている微笑ましい情景が目に浮かびますね。「draw animals」で「動物の絵を描く」という具体的な行動が伝わります。このように、趣味や日常の行動で「絵を描く」というときに「draw」を使うのは非常に典型的です。「love to do」は「〜するのが大好き」という気持ちを表す、よく使う表現です。
Could you please draw a simple map to your office for me?
あなたのオフィスまでの簡単な地図を私に描いていただけますか?
※ 誰かに場所を説明する際に、「地図を描いてくれる?」とお願いする場面を想像してみてください。複雑な絵ではなく、道順を示す「線」が中心の地図を「描く」というときに、「draw a map」はぴったりの表現です。「Could you please...?」は、相手に何かを丁寧にお願いするときに使う、とても便利なフレーズです。
The teacher asked us to draw a straight line with a ruler.
先生は私たちに定規でまっすぐな線を描くように言いました。
※ 学校の授業で、先生が黒板やノートに「まっすぐな線を引きなさい」と指示している情景が思い浮かびますね。図形や線、グラフなどを「描く」ときにも「draw」が使われます。「a straight line」は「直線」という意味で、drawの最も基本的な対象の一つです。「ask 人 to do」の形で「人に~するように頼む・言う」という指示を表すことができます。
引き出す
文字通りに何かを引っ張って出す意味と、比喩的に潜在的な能力や情報などを引き出す意味の両方を含む。例文:draw water from a well(井戸から水を汲み上げる)、draw information from someone(人から情報を引き出す)
He slowly drew an old photo from the dusty box.
彼はゆっくりと、埃っぽい箱から古い写真を引き出しました。
※ この例文では、「draw」が「何かを容器や場所からそっと、または注意深く取り出す」という物理的な動作を表しています。古い箱から大切な写真を見つける情景が目に浮かびませんか?「draw」は、ただ「取る」のではなく、少しずつ、あるいは力を込めて「引き出す」ニュアンスを含みます。
The interviewer tried to draw out her true feelings.
面接官は彼女の本音を引き出そうとしました。
※ ここでは「draw out」という形で、「情報や感情などを相手から引き出す、聞き出す」という意味で使われています。面接や会話の中で、相手の考えや感情をじっくりと、または巧みに引き出す場面でよく使われる表現です。相手の心の中にあるものを「引っ張り出す」イメージです。
I need to draw some cash from the ATM before my trip.
旅行の前に、ATMでいくらか現金を引き出す必要があります。
※ この例文は、日常生活で非常によく使われる「お金を銀行口座やATMから引き出す」という意味の「draw」です。特に「現金を引き出す」場合は「draw cash」と表現します。旅行のために準備をする、という具体的な目的が加わることで、よりリアルな状況として記憶に残りやすくなりますね。
くじ引き
偶然性によって何かを選ぶ行為。抽選会や宝くじなどのイベントで用いられる。比喩的に「引きの強さ」を表す際にも使う(例:draw a winning number, lucky draw)。
I felt so nervous before the big draw for the new car.
新しい車の大きな抽選の前に、私はとても緊張しました。
※ 新車が当たるかもしれないという期待と、外れるかもしれないという緊張感が伝わる場面です。「the big draw」で「大規模なくじ引き、抽選会」というニュアンスがよく表現されています。夢のような景品を前にしたドキドキ感を想像してみましょう。
Everyone waited anxiously for the results of the charity draw.
みんな、チャリティくじ引きの結果を不安そうに待っていました。
※ チャリティイベントなどで、参加者全員が固唾を飲んでくじ引きの結果発表を待っている情景が目に浮かびます。「charity draw」は「チャリティのためのくじ引き」という、よくある具体的な文脈です。結果発表の瞬間の、会場の静けさや期待感が伝わりますね。
Let's enter the special draw to win a free trip!
無料旅行が当たる特別なくじ引きに参加しよう!
※ 友達を誘って、ワクワクしながら魅力的な景品(無料旅行!)が当たるくじ引きに参加しようとしている場面です。「enter the draw」は「くじ引きに参加する」という意味でよく使われる表現です。無料旅行のパンフレットを見ながら、どこに行こうか想像しているような楽しい気持ちが込められています。
コロケーション
思い出せない、何も思いつかない
※ 『くじ引きで何も当たらない』イメージから来ており、記憶を辿ったり考えを巡らせたりしても、目的とする情報やアイデアにたどり着けない状況を表します。口語で非常によく使われ、ビジネスシーンでもカジュアルな場面で使えます。例えば、会議で質問された際に『I'm drawing a blank.』と言えば、『すみません、今ちょっと何も思いつきません』という意味になります。
結論を導き出す、結論を出す
※ 証拠や情報に基づいて論理的に判断し、結論に至るプロセスを指します。学術的な文脈やビジネスシーンで頻繁に使われ、論文やレポートなどでよく見られます。似た表現に『reach a conclusion』がありますが、『draw a conclusion』の方が、より積極的に情報を分析し、結論を『引き出す』ニュアンスが強いです。
注意を引く、注目を集める
※ ある事物や人物に人々の関心を向けることを意味します。広告や広報活動、プレゼンテーションなどでよく使われます。例えば、『This advertisement is designed to draw attention to the new product.(この広告は新製品に注意を引くように設計されています)』のように使います。また、意図的に注目を集めるだけでなく、『accidentally draw attention』のように、意図せず注目を集めてしまう場合にも使えます。
類似点を指摘する、比較する
※ 二つの異なる事物や状況の間に共通点や類似性を見出し、比較検討することを意味します。歴史、文学、社会科学などの分野でよく用いられ、議論を深めるために有効な手法です。例えば、『The author draws a parallel between the protagonist's journey and the hero's journey in classical mythology.(著者は主人公の旅と古典神話における英雄の旅との間に類似点を指摘している)』のように使います。
批判を招く、非難される
※ ある行為や発言が批判や非難の対象となることを意味します。政治、社会問題、芸術など、様々な分野で使われます。例えば、『The government's new policy has drawn criticism from environmental groups.(政府の新しい政策は環境保護団体から批判を招いている)』のように使います。この表現は、単に批判を受けるだけでなく、その批判が引き起こされた状況や背景を含意します。
一線を引く、境界線を設ける
※ 許容できる範囲と許容できない範囲を明確に区別することを意味します。倫理的な問題や人間関係においてよく使われます。例えば、『I draw the line at lying.(私は嘘をつくことは許せない)』のように使います。この表現は、自分の価値観や信念に基づいて、譲れない一線を引くという強い意志を表します。
攻撃を招く、非難を浴びる
※ 文字通りには『銃火を引きつける』という意味で、比喩的には、ある発言や行動が強い批判や非難を浴びる状況を表します。政治的な文脈や議論の激しい場面でよく使われます。例えば、『The politician's controversial statement drew fire from the opposition party.(その政治家の物議を醸す発言は、野党から激しい非難を浴びた)』のように使います。
使用シーン
学術論文や研究発表で、図表を描写したり、データから結論を導き出す際に使われます。例えば、統計分析の結果を示すグラフを「draw a conclusion」と表現したり、実験結果から「draw inferences(推論する)」と記述したりします。研究分野によっては、図面や模式図を「draw a diagram」として示すこともあります。
ビジネスシーンでは、契約書や企画書で資金を「引き出す(withdraw)」という意味で使われることがあります。また、市場調査の結果から「draw insights(洞察を得る)」、顧客からのフィードバックから「draw lessons(教訓を得る)」のように、分析結果を導き出す場面でも用いられます。プレゼンテーション資料で、グラフや図を用いて説明する際に「draw attention to(注意を引く)」といった表現も使われます。
日常生活では、「絵を描く」という意味で最もよく使われます。例えば、「draw a picture for my child(子供のために絵を描く)」のように使われます。また、「くじ引き」の意味で「draw lots(くじを引く)」や、「draw a card(カードを引く)」のような表現も頻繁に使われます。銀行でお金を「引き出す(withdraw)」際にも使われます。
関連語
類義語
『引きつける』という意味で、人や物を魅力によって引き寄せる場合に使われる。ビジネス、マーケティング、人間関係など幅広い場面で使用される。 【ニュアンスの違い】『draw』が物理的な意味合いや抽象的な意味合いの両方を持つ一方、『attract』はより強い魅力や興味によって引きつけるニュアンスを持つ。また、『attract』は通常、目的語に対して積極的な影響を与える。 【混同しやすい点】『draw』は線や図形を描く意味でも使われるが、『attract』にはその意味はない。『attract』は常に『魅力』や『興味』が関係する。
『引く』という意味で、物理的に何かを手前に引き寄せる動作を表す。日常会話で頻繁に使われる。 【ニュアンスの違い】『draw』がゆっくりと、あるいは連続的な動作を伴うことが多いのに対し、『pull』はより瞬間的な力強い動作を意味することが多い。また、『draw』は抽象的な意味(例:注意を引く)でも使われるが、『pull』は主に物理的な動作を指す。 【混同しやすい点】『draw』は『pull』よりも広範な意味を持ち、例えば『draw a picture(絵を描く)』のように、物理的な引き寄せる動作以外の意味でも使われる。『pull』は基本的に手で引く動作に限定される。
『引きずる』という意味で、重いものや抵抗のあるものを引きながら移動させる動作を表す。しばしば否定的なイメージを伴う。 【ニュアンスの違い】『draw』が比較的スムーズな引き寄せを意味するのに対し、『drag』は摩擦や抵抗を伴い、力が必要な動作を指す。『drag』はまた、比喩的に『引きずる』、つまり何かを長引かせたり、不快な状況を引き起こしたりする意味でも使われる。 【混同しやすい点】『draw』が中立的な意味合いを持つことが多いのに対し、『drag』はしばしば否定的な意味合いを持つ。例えば、『drag someone's name through the mud(人の名前を汚す)』のように使われる。
『引き出す』という意味で、情報、利益、感情などを源泉から得ること、または起源を示す場合に使われる。学術的な文脈やフォーマルな場面でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】『draw』が物理的な引き寄せや抽象的な意味での引き出しを広く指すのに対し、『derive』は特定の源泉から何かを得るというニュアンスが強い。また、『derive』はよりフォーマルな語彙である。 【混同しやすい点】『draw』は他動詞としても自動詞としても使われるが、『derive』は通常、他動詞として使われ、『derive A from B(AをBから引き出す)』という形で使われることが多い。また、日常会話では『draw』の方が一般的である。
『引き出す』という意味で、感情、反応、情報などを相手から引き出す場合に使われる。心理学、法律、ビジネスなど、特定の分野でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】『draw』が一般的な引き出す行為を指すのに対し、『elicit』は相手の意志とは関係なく、あるいは意識させずに何かを引き出すニュアンスが強い。また、『elicit』はよりフォーマルな語彙である。 【混同しやすい点】『elicit』は常に他動詞として使われ、目的語として感情、反応、情報などが来る。『draw』のように絵を描く意味はない。また、『elicit』は通常、計画的な、あるいは専門的な状況で使用される。
『推論する』という意味で、証拠や根拠に基づいて結論を引き出す場合に用いられる。学術的な文脈や論理的な議論でよく使われる。 【ニュアンスの違い】『draw』が直接的な引き出す行為を指すのに対し、『infer』は間接的な情報や状況から推論によって結論を引き出すニュアンスが強い。『infer』は観察や分析の結果として得られる結論を指す。 【混同しやすい点】『draw a conclusion(結論を導き出す)』という表現は一般的だが、『infer』は『推論する』という意味に限定される。『infer』は常に根拠に基づいて結論を出す場合にのみ使用される。
派生語
『draw(引く)』に『離れて (with-)』の意味が加わり、『引き出す』『撤回する』という意味。物理的に引き出すだけでなく、預金を引き出す、発言を撤回するなど抽象的な意味でも使う。日常会話、ビジネス、報道など幅広い場面で使われる。
『draw(引く)』に『~の方へ (at-)』の意味が加わり、『引きつける』という意味。人を引きつける、注意を引きつけるなど、対象を引き寄せるニュアンス。広告やマーケティング、科学論文などでも使われる。
『draw』の現在分詞形から派生した名詞で、『描画』『図面』という意味。動詞的な意味合いを残しつつ、絵画や設計図といった具体的な成果物を指す。美術、工学、建築など専門分野でも用いられる。
反意語
『引き寄せる(draw)』の反対で、『反発する』『追い払う』という意味。物理的な反発だけでなく、感情的な反発、磁石の反発など、広義に用いる。科学、心理学、日常会話など幅広い分野で使われる。
『引く(draw)』の反対の動作で、『押す』という意味。物理的な動作だけでなく、『推進する』『強く主張する』といった比喩的な意味でも使われる。日常会話、ビジネス、政治など様々な場面で使われる。
『引き受ける、受け入れる(draw in)』の反対で、『拒否する』『拒絶する』という意味。申し出や提案などを拒否する際に用いられる。ビジネス、法律、人間関係など様々な文脈で使用される。
語源
"draw」は、古英語の「dragan」(引く、運ぶ)に由来します。これはゲルマン祖語の*draganan(引く)に遡り、さらに遡るとインド・ヨーロッパ祖語の*dher-agh-(地面を引く、引きずる)という語根にたどり着きます。つまり、「draw」の根本的な意味は「何かを引っ張る」という行為にあります。絵を描くという意味では、ペンや鉛筆を紙の上で「引きずる」イメージ、くじ引きの意味では、箱の中から運命を「引き出す」イメージと捉えられます。日本語の「釣る」という言葉も、魚を「引き寄せる」行為を表しており、drawの語源的な意味合いと共通する部分があります。このように、drawは、物理的な意味での「引く」から、抽象的な意味での「引き出す」まで、幅広い意味を持つようになったのです。
暗記法
「draw」は単に引くだけではない。運命のくじ引き、剣を抜く騎士道…見えざる力を引き寄せる行為だ。美や才能で人を魅了し、結論を導き出す知的営みもまた「draw」。人の心を捉え、注目を集める。思考、感情、運命…人間の経験全体を包括する、奥深い文化的背景を持つ言葉なのだ。
混同しやすい単語
発音が非常に似ており、スペルも 'aw' と 'er' の違いだけなので、聞き取りや書き取りで混同しやすい。意味は『引き出し』で、名詞。draw は動詞なので、文脈で判断する必要がある。draw の名詞形は drawing(絵、素描)である点も注意。
draw の過去形であり、発音が似ているため混同しやすい。時制が異なるだけで意味的なつながりは強いので、文脈で区別する必要がある。特にリスニングでは注意が必要。
語頭の音が 'dr' で共通しており、発音の最初の部分が似ているため、聞き間違いやすい。意味は『落ちる』『落とす』で、draw とは全く異なる。drop はもっと短い時間で完了する動作を表すのに対し、draw はある程度の時間をかけて行う動作を表すことが多い。
スペルが似ており、特に 'dra' の部分が共通しているため、視覚的に混同しやすい。意味は『引きずる』で、draw と意味が一部重なる部分もあるが、drag はより強い力で抵抗を受けながら引きずるイメージ。draw は線や図形を描く、あるいは(くじなどを)引くといった意味合いが強い。
スペルは全く異なるが、発音記号が /doʊ/ と、母音の部分が draw(/drɔː/)と似ているため、発音を聞き間違える可能性がある。意味は『生地』で、draw とは全く関係がない。ただし、draw には『(人の注意などを)引く』という意味があり、dough(お金)を draw する(引き寄せる)という連想で覚えることもできる。
'dr'と'da'で始まりが似ており、発音が似ていると感じる学習者もいる。意味は『あえて~する』『大胆にも~する』で、drawとは全く異なる。dareは助動詞としても使われる点もdrawとは異なる。
誤用例
日本語の『お風呂を沸かす』を直訳すると『draw a bath』となりがちですが、英語では一般的に『run a bath』と言います。『draw』は『(蛇口などをひねって)水やお湯を出す』という意味合いを持ちますが、お風呂を沸かすという行為全体を指すには不自然です。背景には、かつて井戸から水を汲み上げる際に『draw water』と表現していた名残があり、現代ではより一般的な表現である『run』が好まれます。日本人がつい『draw』を使ってしまうのは、水を『引く』という日本語のイメージに引っ張られるためでしょう。
『draw a conclusion』も文法的には間違いではありませんが、やや硬い印象を与えます。より自然な英語では『come to a conclusion』や『reach a conclusion』が好まれます。『draw』は『(線などを)引く』という物理的な行為を連想させやすく、抽象的な結論を導き出す場合には、より一般的な『come to』や『reach』が適しています。日本人が『draw』を選んでしまう背景には、『結論を導き出す』という日本語の『導き出す』を字面通りに英語にしようとする傾向があると考えられます。英語では、結論に至るプロセス全体を表す『come to』や『reach』がより自然です。
『draw back』は物理的に後退する意味合いが強く、感情的な拒絶や嫌悪感を伴う場合に使うと、少し不自然です。この文脈では、嫌悪感や反射的な拒否を示す『recoil』がより適切です。『draw back』は単に『(距離を)置く』という意味合いが強いため、キスを拒否する場面では感情的なニュアンスが不足します。日本人が『draw back』を選んでしまうのは、『引く』という言葉が持つ幅広い意味合いに影響されている可能性がありますが、英語では感情の機微に応じて動詞を使い分ける必要があります。
文化的背景
「draw」という単語は、単に「引く」という物理的な行為を表すだけでなく、運命や偶然といった、目に見えない力を引き寄せる、あるいは引き当てるというニュアンスを含んでいます。初期の英語において、drawはくじ引きや運命の選択と密接に結びついており、単なる物理的な動作を超えた、より抽象的な意味合いを帯びていました。
中世の時代、drawはしばしば「くじ引きで決める」という意味合いで使用されました。たとえば、土地の分配や役職の決定など、神意や運命に委ねるべき事柄を決定する際に、draw lots(くじを引く)という表現が用いられました。これは、人間の意志を超越した力が介入し、結果を左右するという考え方を反映しています。また、draw swords(剣を抜く)という表現は、単なる戦闘行為だけでなく、名誉や正義をかけて運命を切り開くという象徴的な意味合いを含んでいました。騎士道物語においては、剣を抜く行為は、自己の信念を貫き、運命に立ち向かう決意の表明として描かれることが多かったのです。
さらに、drawは「魅了する」「引きつける」という意味も持ちます。これは、美しさや才能といった、人の心を惹きつける力と関連しています。たとえば、芸術家が人々をdraw(魅了する)するのは、彼らの作品が感情や思考を刺激し、見る人の心を捉えるからです。また、磁石が鉄を引き寄せるように、drawは目に見えない引力によって人々や物事が結びつく様子を表します。この意味合いは、恋愛や人間関係においても重要な役割を果たし、人々が互いに惹かれあう感情を表現する際に用いられます。
現代英語においても、drawは様々な文化的ニュアンスを保持しています。draw a conclusion(結論を導き出す)という表現は、論理的な思考を通じて真実を引き出す行為を意味します。また、draw attention(注目を集める)という表現は、人々の関心を引き寄せる行為を表します。このように、drawは単なる物理的な動作にとどまらず、思考、感情、運命といった、人間の経験全体を包括する豊かな文化的背景を持つ単語なのです。
試験傾向
1. 出題形式: 語彙問題、長文読解、ライティング(英作文)、リスニング。
2. 頻度と級・パート: 準1級以上で頻出。特に1級、準1級の語彙問題、2級以上の長文読解でよく見られる。ライティングでの使用も重要。
3. 文脈・例題の特徴: 多様な文脈で登場。図やグラフを「draw」で説明する、人の注意を「draw」く、結論を「draw」き出すなど。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 動詞としての意味(描く、引く、引き出すなど)と名詞としての意味(引き分け、魅力など)を区別して覚える。特に「draw a conclusion(結論を導き出す)」のようなイディオムは重要。
1. 出題形式: Part 5(短文穴埋め)、Part 6(長文穴埋め)、Part 7(長文読解)。
2. 頻度と級・パート: 全パートで登場する可能性があるが、Part 5, 6, 7 で頻出。特に長文読解で文脈理解を問われる。
3. 文脈・例題の特徴: ビジネスシーンでの契約、計画、マーケティング戦略などで「draw up(作成する)」、「draw attention to(注意を引く)」のような句動詞として登場しやすい。
4. 学習者への注意点・アドバイス: ビジネス文脈に特化した句動詞を重点的に学習する。「draw up a contract(契約書を作成する)」、「draw a conclusion from the data(データから結論を導き出す)」などの具体的な例文を覚える。
1. 出題形式: リーディング、ライティング。
2. 頻度と級・パート: リーディングセクションで頻出。アカデミックな文章で使われるため、難易度は高め。
3. 文脈・例題の特徴: 研究論文、歴史、科学など、アカデミックな文脈で、図表やグラフの説明、または抽象的な概念を説明する際に使われることが多い。
4. 学習者への注意点・アドバイス: アカデミックな文脈における用法を理解することが重要。特に、グラフや図を説明する際の「draw a parallel(類似点を描く)」、「draw a distinction(区別を描く)」のような表現は頻出。名詞用法と動詞用法両方をマスターすること。
1. 出題形式: 長文読解、和訳、英作文。
2. 頻度と級・パート: 難関大学の長文読解で頻出。標準的なレベルの大学でも、文脈理解を問う問題として出題される可能性がある。
3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、科学技術、歴史、文化など、幅広いテーマの文章で登場。抽象的な概念や比喩表現を伴うことが多い。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する能力が重要。「draw on(頼る、利用する)」、「draw out(引き出す)」などの句動詞は必ず覚える。比喩的な意味合いで使われる場合もあるため、文脈全体を把握することが重要。