dispute
第2音節にアクセント(ˈ)があります。/ɪ/ は日本語の『イ』よりも口を少し開いて発音します。/uː/ は長母音なので、しっかり伸ばして発音しましょう。語尾の 't' は破裂音であり、息を止めてから解放するイメージで発音するとより自然になります。
専門的な内容に関するご注意
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異議を唱える
相手の意見や決定に対して、正当性や妥当性を疑い、反論・反発するニュアンス。フォーマルな議論や会議、裁判などで使われることが多い。
She decided to dispute the teacher's grade, as she felt it was wrong.
彼女は先生の採点に異議を唱えることにした。それが間違っていると感じたからだ。
※ この例文は、学生が自分の努力に対して不公平な評価を受けたと感じ、勇気を出して先生に意見を述べる場面を描写しています。「dispute」は、単に反対するだけでなく、「間違いや不公平だと考え、それを正そうと主張する」という強いニュアンスを含みます。ここでは、彼女が「間違っている (wrong)」と感じたからこそ、異議を唱えた、という気持ちが伝わります。
During the meeting, he decided to dispute the budget, saying it was too high.
会議中、彼は予算が大きすぎると言って異議を唱えることにした。
※ この例文は、ビジネスの会議で、誰かが提案した計画や数字(ここでは予算)に対して、もっと良い方法や改善点があると感じ、自分の意見を主張する場面です。「dispute」は、ビジネスシーンにおいて、特に数字、契約内容、計画などに対して「異議を唱える」「論争する」という意味でよく使われます。`saying it was too high` のように、異議を唱える具体的な理由や内容を添えることで、より自然な表現になります。
The player strongly disputed the referee's call, believing the ball was in.
その選手は審判の判定に強く異議を唱えた。ボールが内側だったと信じていたからだ。
※ この例文は、スポーツの試合で、選手が審判の判定に納得がいかず、身振り手振りで強く抗議する感情的な場面を捉えています。「dispute a call/decision」は、スポーツの審判の判定や法廷での判決など、権威ある決定に対して異議を唱える際によく使われる典型的なフレーズです。`strongly` を加えることで、選手の強い感情が伝わります。
紛争
意見の衝突や利害の対立によって生じる争い。個人間の口論から、国家間の武力衝突まで、幅広い規模の争いを指す。
My brother and I had a small dispute over who would use the computer first.
私と兄は、どちらが先にコンピューターを使うかでちょっとした口論になりました。
※ この例文は、家庭内でよくある小さな意見の食い違いや口論の場面を描いています。兄弟がお互いに「自分が先に使いたい!」と主張し合っている様子が目に浮かびますね。「small dispute」と言うことで、深刻なものではなく、日常的な些細な揉め事であることを示しています。このように、disputeは必ずしも大きな紛争だけでなく、個人的なレベルの意見の対立にも使えます。
The company faced a labor dispute with its employees about working hours.
その会社は、労働時間に関して従業員との労働紛争に直面しました。
※ この例文は、企業とその従業員の間で発生する、労働条件などに関する対立の場面です。社員たちが労働時間について不満を訴え、会社側と話し合いが必要な状況が伝わってきます。「labor dispute(労働紛争)」は非常によく使われる複合語で、ニュース記事などで頻繁に目にする典型的なフレーズです。このように、disputeは組織間の対立や交渉が必要な場面でも使われます。
The two countries are trying to resolve a long-standing border dispute.
その二つの国は、長年の国境紛争を解決しようとしています。
※ この例文は、国家間の深刻な対立、特に領土に関する問題を描いています。二国が何十年も前から互いの主張をぶつけ合ってきた、解決が難しい問題に取り組んでいる様子が想像できますね。「border dispute(国境紛争)」もまた、国際ニュースでよく耳にする典型的な表現です。disputeは、このように国家レベルの大きな対立や議論が必要な「紛争」という意味で使われることも非常に多いです。
論争する
あるテーマや問題について、異なる意見や立場の人が互いに主張をぶつけ合うこと。議論を通じて真相を明らかにしたり、合意点を探ったりすることを目的とする。
My sister and I started to dispute loudly over the last piece of cake.
姉と私は、最後のケーキ一切れをめぐって大声で言い争い始めた。
※ この例文は、家族間の日常的な「口論」を描いています。動詞の「dispute」は、単なる議論ではなく、意見の対立や言い争いを意味します。ここでは「over 〜(〜をめぐって)」とセットで使われ、何が原因で争っているのかが具体的にわかりますね。感情がこもった、少し熱を帯びた言い争いの様子が目に浮かびます。
The scientist decided to dispute the old theory with new evidence.
その科学者は、新しい証拠をもって古い理論に異議を唱えることにした。
※ この例文は、学術的な文脈で「既成の事実や主張に異議を唱える」状況を表しています。動詞の「dispute」は、単に議論するだけでなく、既存の意見や理論に対して「反論する」「疑問を呈する」という、より強いニュアンスがあります。「with new evidence(新しい証拠をもって)」という部分から、単なる感情論ではなく、根拠に基づいた反論であることが伝わってきます。
The two neighbors have been disputing the fence line for years.
その2人の隣人は、何年もの間、フェンスの境界線をめぐって争っている。
※ この例文は、土地の境界や所有権など、具体的な「もの」や「権利」をめぐる長期的な「争い」を描いています。動詞の「dispute」は、このような法的な問題や、長引く対立にもよく使われます。「have been disputing」は「ずっと争い続けている」という継続のニュアンスを表し、長年の厄介な問題であることが伝わってきます。
コロケーション
激しい議論、白熱した論争
※ 単に意見が違うだけでなく、感情的な激しさや興奮を伴う議論を表します。ビジネスの場でも、個人的な関係でも、意見の対立がエスカレートした状況で用いられます。 'heated' は文字通り『熱せられた』という意味で、議論が感情的に高まっている様子を比喩的に表現しています。類似表現として 'a fierce dispute' がありますが、こちらはより攻撃的なニュアンスを含みます。
申し立てに異議を唱える、反論する
※ 主に法的な文脈やビジネスシーンで、相手の要求や主張に対して正式に異議を申し立てることを意味します。例えば、保険会社が保険金の支払いを拒否したり、企業が請求書の内容に不服を唱えたりする場合に使われます。 'claim' は『権利の主張』という意味合いが強く、それを 'dispute' することで、その正当性に疑問を投げかけることになります。口語的な 'argue against a claim' よりもフォーマルな響きを持ちます。
議論の余地がない、疑うべくもない
※ 'beyond' は『~を超えて』という意味で、文字通り『議論の範囲を超えている』状態を表します。客観的な証拠や明白な事実に基づいて、誰もが認めるような事柄について使われます。例えば、『彼の才能は議論の余地がない (His talent is beyond dispute)』のように使います。類似表現として 'indisputable' がありますが、こちらは形容詞で、より直接的に『議論の余地がない』という意味を表します。
論争中の、係争中の
※ ある事柄や権利などが、現在論争や係争の対象となっている状態を表します。例えば、土地の所有権や契約条件などが 'in dispute' である場合、それらはまだ最終的な決着を見ていない状態です。ニュース記事や法律関係の文書でよく見られる表現です。 'under dispute' も同様の意味で使われますが、 'in dispute' の方がより一般的です。
紛争を解決する、和解する
※ 対立する当事者間での意見の相違や争いを、話し合いや交渉によって解決することを意味します。裁判所での判決だけでなく、当事者間の合意による解決も含まれます。ビジネスシーンや国際関係など、様々な場面で使用されます。 'resolve a dispute' も同様の意味ですが、 'settle' はより具体的な解決策を見出すニュアンスが強く、 'resolve' はより抽象的に問題を解消するニュアンスがあります。
激しい争い、根深い対立
※ 'bitter' は『苦い』という意味で、感情的なわだかまりや憎しみを伴う激しい争いを表します。単なる意見の相違を超えて、人間関係に深い亀裂を生じさせるような争いに用いられます。例えば、遺産相続をめぐる親族間の争いや、離婚訴訟などが 'a bitter dispute' となることがあります。 'a fierce dispute' と似ていますが、 'bitter' は感情的な側面をより強調します。
労働争議
※ 労働組合と経営者との間における、賃金、労働時間、労働条件などに関する争いを指します。ストライキやロックアウトなどの労働争議行為を伴うこともあります。法律や経済の分野でよく用いられる専門用語です。 'industrial dispute' もほぼ同義ですが、 'labor dispute' の方がより一般的な表現です。
使用シーン
学術論文や研究発表で頻繁に使用されます。特に、先行研究や既存の理論に対して「異議を唱える」「論争する」といった意味合いで使われることが多いです。例:『先行研究の〇〇という主張にはdisputeの余地がある』『このデータは、従来の理論とdisputeする結果を示している』など、議論の核心に迫る際に重要な語彙です。
ビジネスシーンでは、契約や交渉における「紛争」や、意見の相違を婉曲的に表現する際に用いられます。例:『契約条項に関してdisputeが生じた』『〇〇社の主張にはdisputeがある』など、直接的な対立を避けつつ、問題点を指摘するニュアンスが含まれます。会議の議事録や報告書など、フォーマルな文書で使用されることが多いです。
日常会話ではあまり使われませんが、ニュース報道やドキュメンタリー番組などで、「紛争」や「論争」といった意味合いで耳にすることがあります。例:『近隣住民との間でdisputeが発生した』『〇〇国と〇〇国の間で領土disputeが続いている』など、やや深刻な状況を伝える際に用いられます。自分自身が当事者となる状況では、より口語的な表現(argument, disagreementなど)が好まれます。
関連語
類義語
議論する、口論するという意味で、意見の相違を言葉で表現する場面で使われる。日常会話からフォーマルな議論まで幅広く使われる。 【ニュアンスの違い】"dispute"よりも感情的な対立を含むことが多く、よりカジュアルな場面で使用されることが多い。また、必ずしも公式な場である必要はない。 【混同しやすい点】"argue"は、個人的な感情や意見の対立を含むことが多く、客観的な事実に基づく"dispute"とは異なる点に注意。また、"argue"は、しばしば前置詞"with"を伴い、"argue with someone"の形で使われる。
討論する、議論するという意味で、特定のテーマについて賛成・反対の立場から意見を述べる場面で使われる。フォーマルな会議や学術的な議論でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】"dispute"よりも形式ばった議論であり、客観的な証拠や論理に基づいた議論が求められる。感情的な要素は排除される傾向がある。 【混同しやすい点】"debate"は、通常、事前にテーマが設定され、ルールに沿って議論が進められる。一方、"dispute"は、より突発的で非公式な状況で発生することが多い。
口論する、言い争うという意味で、感情的な対立が伴う口論を表す。日常会話でよく使われ、家族や友人間のささいな争いを指すことが多い。 【ニュアンスの違い】"dispute"よりも感情的な要素が強く、しばしば怒りや不満が伴う。より個人的な関係における争いを表す。 【混同しやすい点】"quarrel"は、通常、深刻な問題ではなく、一時的な感情的な衝突を意味する。一方、"dispute"は、より深刻な問題や法的な争いを含む場合がある。
異議を唱える、争うという意味で、権利や決定に対して反対意見を表明する場面で使われる。法的な文脈や競争の場面でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】"dispute"よりも公式な手続きを経て異議を申し立てるニュアンスが強い。例えば、遺言の有効性を争う場合などに使われる。 【混同しやすい点】"contest"は、特定のルールや手続きに基づいて行われる異議申し立てを意味する。一方、"dispute"は、より広範な意味での意見の相違を指す。
挑戦する、異議を唱えるという意味で、相手の主張や能力に対して疑義を投げかける場面で使われる。ビジネスやスポーツ、学術的な議論でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】"dispute"よりも積極的な姿勢で異議を唱えるニュアンスが強い。相手の弱点や矛盾点を指摘し、改善を促す意図が含まれる。 【混同しやすい点】"challenge"は、単に反対するだけでなく、相手に改善や成長を促す意図が含まれることが多い。一方、"dispute"は、単に意見の相違を表明する意味合いが強い。
- bicker
(些細なことで)口喧嘩する、言い争うという意味で、特に子供や親しい間柄での些細な意見の衝突に使われる。日常会話で使われる。 【ニュアンスの違い】"dispute"よりもずっと軽い、取るに足らないような争いを指す。深刻な対立ではなく、一時的な感情的なやり取り。 【混同しやすい点】"bicker"は、深刻な問題ではなく、日常的な些細なことでの口論を意味する。一方、"dispute"は、より重要な問題や深刻な対立を含む場合がある。また、"bicker"は、しばしば反復的な行動を指す。
派生語
- disputable
『議論の余地がある』という意味の形容詞。『dispute(議論する)』に『-able(〜できる)』が付加され、議論や反論が可能な性質を表す。契約書や学術論文で、ある主張や事実が確定していないことを示す際に用いられる。
- disputation
『議論』や『論争』という意味の名詞。『dispute』に名詞化の接尾辞『-ation』が付いた形。フォーマルな文脈、特に学術的な議論や公式な会議などで使用され、口頭または書面による詳細な議論を指す。
- disputatious
『議論好きな』、『論争的な』という意味の形容詞。『dispute』に『-atious』が付加され、常に議論や論争をしたがる性質を表す。人の性格や態度を形容する際に用いられ、しばしば否定的なニュアンスを含む。
反意語
『合意』や『同意』を意味する名詞。『dispute』が意見の不一致を表すのに対し、『agreement』は意見が一致している状態を指す。契約、交渉、国際関係など、幅広い文脈で使用される。日常会話でも頻繁に使われる。
『調和』、『一致』を意味する名詞または動詞。意見や感情が一致している状態を示す。フォーマルな文脈で用いられることが多く、特に国際的な合意や条約など、公式な文書でよく見られる。『dispute』が対立や不和を表すのとは対照的である。
『意見の一致』、『同時発生』を意味する名詞。複数の人が同じ意見を持つこと、または複数の出来事が同時に起こることを指す。学術論文やビジネス文書で、意見や見解が一致していることを強調する際に用いられ、『dispute』とは反対に、調和と協調を示す。
語源
"Dispute"は、ラテン語の"disputare"(議論する、検討する)に由来します。これは、"dis-"(分離、否定)と"putare"(考える、評価する)という二つの要素から構成されています。つまり、元々は「別々に考える」「意見を異にする」といった意味合いでした。"Putare"は、日本語の「推測する」や「見なす」に近い概念で、何かを評価・判断する行為を示します。"Dis-"が付くことで、その判断や評価が一致せず、意見が分かれる状態を表すようになり、そこから「異議を唱える」「論争する」という意味へと発展しました。現代英語では、名詞として「紛争」や「論争」を意味し、動詞としては「異議を唱える」「論争する」という意味で使用されます。
暗記法
「dispute」は単なる意見の衝突ではない。中世の学術論争は権威への挑戦であり、法廷での訴訟は社会正義を求める闘争だった。現代では企業間の紛争から国家間の領土問題まで、その根底には権力、資源、価値観をめぐる闘いがある。「dispute」は言葉の戦いであると同時に、人間の尊厳をかけた戦いでもある。その背景にある歴史、社会、感情に思いを馳せ、共感する能力が解決には不可欠なのだ。
混同しやすい単語
『dispute』と語尾が同じ '-pute' であり、スペルも似ているため混同しやすい。意味は『評判』であり、『dispute』の『論争する』とは意味が大きく異なる。発音も似ているため、文脈で判断する必要がある。特に、動詞の活用形(例:reputed, disputed)は間違いやすいので注意。
これも『repute』同様、語尾が '-pute' でスペルが似ているため混同しやすい。意味は『委任する』であり、『dispute』とは異なる。フォーマルな単語なので、日常会話ではあまり使われないが、ビジネス文書などでは注意が必要。
『dispute』と『discuss』は、どちらも議論や話し合いに関連する動詞であるため、意味が混同されやすい。しかし、『dispute』は論争や反対意見を含む議論を指すのに対し、『discuss』はより中立的な話し合いを意味する。発音も似ているため、文脈で区別する必要がある。
『dispute』と『refute』は、どちらも反対や否定の意味合いを持つ動詞であるため、意味が混同されやすい。『dispute』は論争すること自体を指すのに対し、『refute』は相手の主張を論破することを意味する。発音も似ているため、文脈で区別する必要がある。特に論文や議論の場では正確な使い分けが重要。
『dispute』と『despite』は、スペルが似ており、どちらも前置詞として使われることがあるため混同しやすい。『dispute』は名詞または動詞だが、『despite』は「~にもかかわらず」という意味の前置詞。文法的な役割が異なるため、注意が必要。発音も似ているため、リスニングの際も注意。
語尾の '-pute' が共通しており、スペルの一部が似ているため、特にスペリングに自信がない場合に混同しやすい。『compute』は『計算する』という意味であり、『dispute』とは全く異なる。ただし、現代では『コンピューター』という言葉で馴染みがあるため、意味の混同は少ないかもしれない。
誤用例
『dispute』は日本語の『異議』と訳されることがありますが、実際にはより深刻な『紛争』『論争』といった意味合いが強く、フォーマルな場面で使われます。単なる『懸念』や『疑問』を伝えたい場合は、『concern』や『question』を使う方が適切です。日本人は、英語の単語を字面通りに捉え、深刻さを過小評価してしまう傾向があります。ビジネスシーンでは、相手に不快感を与えないよう、言葉の選択には注意が必要です。
『dispute』は、事実や正当性などについて、根拠や証拠を示しながら論争するニュアンスが強い単語です。友人や同僚と『どのレストランに行くか』といった日常的な話題で使うと、大げさで不自然に聞こえます。このような場合は、よりカジュアルな『argue』を使うのが適切です。日本人は、議論や意見交換を苦手とする傾向があり、『dispute』のような強い言葉を避けるべきだと考えがちですが、適切な場面で使うことで、より効果的にコミュニケーションを取ることができます。また、日本語の『議論』は、英語では『argument』と『discussion』の2つがあり、それぞれニュアンスが異なることにも注意が必要です。
『dispute』は、解決されるべき対象が、具体的な事実や権利に関わる場合に使われることが多いです。例えば、契約上の紛争や領土問題などです。より一般的な『対立』や『意見の不一致』を指す場合は、『conflict』を使う方が自然です。日本人は、抽象的な概念を具体的に表現することが苦手な傾向があり、『dispute』のような具体的な単語を使ってしまいがちですが、文脈に応じて適切な単語を選ぶことが重要です。また、英語では、問題解決のプロセスを表現する際に、『solve』よりも『resolve』を使う方が、より丁寧でフォーマルな印象を与えることができます。
文化的背景
「dispute(紛争、論争)」は、単なる意見の相違を超え、しばしば権力、資源、または価値観をめぐる根深い対立を象徴します。それは、社会の構造そのものを揺るがす可能性を秘めた、火種のような言葉なのです。
中世ヨーロッパにおいて、「dispute」は、学術的な討論の場であると同時に、権威への挑戦の手段でもありました。修道院や大学では、神学や哲学の難題について、厳格な論理と修辞法を用いて議論が交わされました。しかし、これらの議論は、単なる知的遊戯に留まらず、教会の教義や社会の秩序に対する潜在的な批判を含んでいたのです。たとえば、アベラールのような思想家は、その大胆な議論によって、教会から異端の疑いをかけられ、激しい論争の渦中に巻き込まれました。このように、「dispute」は、知識の探求と権力闘争が複雑に絡み合った時代を反映する言葉として、その歴史を刻んでいます。
また、「dispute」は、法廷における訴訟や紛争解決の場面でも重要な役割を果たしてきました。中世の荘園裁判から現代の国際司法裁判所まで、法廷は「dispute」を解決するための公式な舞台として機能しています。しかし、法廷における「dispute」は、単なる事実認定や法解釈に留まらず、社会的な正義や公平さを追求する場でもあります。たとえば、公民権運動における訴訟は、人種差別という根深い社会問題に対する「dispute」として、歴史に名を刻んでいます。このように、「dispute」は、社会の進歩と正義の実現に貢献する言葉として、その意義を深めてきました。
現代社会においては、「dispute」は、企業間の特許紛争から、国家間の領土問題まで、あらゆる種類の対立を指す言葉として広く用いられています。しかし、その根底には、常に権力、資源、または価値観をめぐる闘争が存在します。そして、「dispute」を解決するためには、単なる論理や法解釈だけでなく、相手の立場や感情を理解し、共感する能力が不可欠です。なぜなら、「dispute」は、単なる言葉の戦いではなく、人間の尊厳をかけた戦いでもあるからです。だからこそ、私たちは「dispute」という言葉を使うとき、その背後にある歴史、社会、そして人間の感情に思いを馳せる必要があるのです。
試験傾向
準1級・1級の語彙問題や長文読解で出題される可能性があります。**出題形式**: 主に語彙問題(同意語選択、空所補充)や長文読解における意味推測。**頻度と級・パート**: 準1級以上で比較的高頻度。**文脈・例題の特徴**: 社会問題、環境問題、政治など、硬めのテーマの長文で使われることが多いです。**学習者への注意点・アドバイス**: 名詞(紛争、論争)と動詞(反論する、議論する)の両方の意味を覚え、文脈に応じて使い分けられるようにしましょう。類義語(argument, debate, quarrelなど)とのニュアンスの違いも意識すると、より正確に理解できます。
Part 5(短文穴埋め問題)やPart 7(長文読解)で登場する可能性があります。**出題形式**: 主に語彙問題(空所補充)や長文読解における言い換え問題。**頻度と級・パート**: TOEIC L&R TEST全般。ビジネス関連の文章で比較的頻出。**文脈・例題の特徴**: 契約、交渉、労使関係など、ビジネスシーンにおける意見の相違や対立を表す文脈でよく用いられます。**学習者への注意点・アドバイス**: 「dispute」は、しばしば「over(~を巡って)」という前置詞を伴って使われます(例:dispute over land)。契約書やビジネス文書で頻出するため、関連語彙(agreement, negotiation, conflictなど)と合わせて覚えておくと役立ちます。
リーディングセクションで頻出の単語です。**出題形式**: 主に長文読解における語彙問題(同意語選択、文脈からの意味推測)や、内容一致問題。**頻度と級・パート**: TOEFL iBTリーディングセクション。アカデミックな文章で高頻度。**文脈・例題の特徴**: 歴史、社会学、政治学、経済学など、学術的なテーマの文章で、意見の対立や論争を表す際に用いられます。**学習者への注意点・アドバイス**: TOEFLでは、パラフレーズ(言い換え)が頻繁に行われるため、「dispute」の類義語(controversy, disagreement, argumentなど)を複数知っておくことが重要です。また、文章全体の内容を把握し、文脈から意味を推測する練習をしましょう。
国公立大学、難関私立大学の長文読解問題で出題される可能性があります。**出題形式**: 主に長文読解における語彙問題(空所補充、同意語選択)や内容説明問題。**頻度と級・パート**: 難関大学ほど出題頻度が高まります。**文脈・例題の特徴**: 社会問題、国際関係、歴史、科学など、幅広いテーマの文章で、意見の対立や論争を表す際に用いられます。**学習者への注意点・アドバイス**: 文脈から意味を推測する能力が重要です。また、「dispute」を含む文の構造を正確に把握し、主語や目的語との関係を理解することで、より深く文章を理解することができます。派生語(disputable, undisputed)も合わせて覚えておくと、語彙力が向上します。