disappointment
強勢は「ポ」にあります。最初の 'di' は、日本語の「ディ」よりも短く、曖昧な音(schwa /ə/ に近い)になることが多いです。'point' の二重母音 /ɔɪ/ は、日本語の「オイ」よりも口を大きく開けて発音するとより自然になります。最後の 'ment' は、弱く短く発音し、't' は破裂させずに飲み込むように発音することが一般的です。全体として、リズムを意識して発音することが重要です。
失望
期待が外れて、がっかりする気持ち。人が何かを期待していた場合に、それが実現しなかったときに感じる感情を表します。しばしば、計画がうまくいかなかったり、良い結果が得られなかったりする状況で使われます。
The children felt great disappointment when the picnic was canceled due to rain.
雨でピクニックが中止になり、子供たちは大きな失望を感じました。
※ 楽しみにしていたことが突然中止になった時の、子供たちのガッカリした気持ちが伝わるシーンです。'feel disappointment' は「失望を感じる」という、この単語の最も典型的な使い方の一つです。
He couldn't hide his disappointment when he didn't get the promotion he wanted.
彼は望んでいた昇進が得られず、失望を隠すことができませんでした。
※ 努力や期待が報われなかった時の、大人の複雑な感情が描かれています。'hide one's disappointment' は「失望を隠す」という意味で、人の感情を表現する際によく使われます。
There was a sense of disappointment in the air after the team lost the final game.
チームが決勝戦に負けた後、会場には失望感が漂っていました。
※ 個人的な感情だけでなく、集団が共有する「失望」の雰囲気を表す例文です。'a sense of disappointment' は「失望感」という意味で、具体的な状況で使われる自然な表現です。
落胆
意気込みや希望がくじかれること。個人的な目標が達成できなかったり、期待していた機会を逃したりした時に生じる、より深い失望感を表します。自己肯定感の低下を伴うことがあります。
He felt a deep disappointment when he saw his low test score.
彼は低いテストの点数を見て、深い落胆を感じました。
※ この例文は、一生懸命勉強したのに期待通りの結果が出なかった時の、心の中の「がっかり」した気持ちを表しています。テストの結果を見た瞬間の、肩を落とすような情景が目に浮かびますね。「feel disappointment」で「落胆を感じる」という、感情を表現する際の典型的な言い回しです。
The little girl showed her disappointment when the picnic was canceled due to rain.
ピクニックが雨で中止になり、その小さな女の子はがっかりした様子を見せました。
※ 楽しみにしていたピクニックが雨で中止になり、窓の外を見つめる子どものしょんぼりとした姿が想像できます。これは、計画が期待通りに進まなかったことによる「落胆」を表しています。「show disappointment」で「がっかりした様子を見せる」というように、感情が表情や行動に表れる場合によく使われます。
It was a big disappointment when my best friend didn't come to my birthday party.
親友が私の誕生日パーティーに来なかったのは、とてもがっかりでした。
※ この例文は、誰かの行動や期待していたことが実現しなかったことによる「落胆」を表しています。誕生日パーティーの準備をして親友の到着を心待ちにしていたのに、結局来なかった時の寂しい気持ちが伝わってきますね。「It was a disappointment when...」は、「〜だったのはがっかりだった」というように、がっかりした出来事を説明する際によく使われる便利なフレーズです。
不満
期待された水準に達しないことへの不快感。製品やサービス、または人の行動に対して、期待していた品質や性能が得られなかった場合に抱く感情。改善を求めるニュアンスを含みます。
The rain caused great disappointment because we had planned a picnic.
雨のせいで、私たちはピクニックを計画していたので、とてもがっかりしました。
※ 週末のピクニックを心待ちにしていたのに、朝起きたら窓の外は大雨。準備したお弁当も、レジャーシートも出番なし。そんな、みんなが「あーあ」とため息をついている情景が浮かびますね。 これは、「〜が落胆を引き起こした」という形で、何かが期待外れだった原因を示す典型的な使い方です。「cause disappointment」で「失望を引き起こす」という表現を覚えると良いでしょう。
His test results were a big disappointment to his parents.
彼のテストの結果は、両親にとって大きな不満でした。
※ 頑張って勉強したはずなのに、思ったような点数が取れず、子どもは落ち込み気味。それを見た両親も、期待していただけに少し残念な表情をしている情景です。 これは、「〜にとって大きな失望だった」という形で、ある人にとって期待外れの結果だったことを表す典型的な使い方です。「a big/great disappointment」のように、形容詞を付けて失望の大きさを表現することがよくあります。
The movie was a huge disappointment, even though I waited for it.
その映画は、楽しみにしていたのに、とても期待外れでした。
※ 公開前から楽しみにしていた映画。予告編も何回も見た。でも、いざ映画館で観てみたら、ストーリーはつまらないし、終わり方も中途半端。映画館を出て、友達と「期待外れだったね」と顔を見合わせている情景です。 これは、「〜は期待外れだった」という形で、物事の結果や内容が期待を下回ったことを表す典型的な使い方です。「was a disappointment」は「期待外れだった」という意味で非常によく使われるフレーズです。
コロケーション
非常に大きな失望、痛烈な失望
※ 「bitter」は文字通りには「苦い」という意味ですが、ここでは失望の程度が非常に大きいことを強調しています。単に「大きな失望(great disappointment)」と言うよりも、感情的な深みや、その失望がもたらした苦痛をより強く表現できます。ビジネスシーンや個人的な関係において、期待が大きく裏切られた場合に用いられます。例えば、プロジェクトの失敗や失恋などを表現する際に適しています。
深い失望、根深い失望
※ 失望の感情が表面的なものではなく、心の奥深くにまで影響を与えていることを示します。「deep」は物理的な深さだけでなく、感情の深さも表現できます。この表現は、失望が単なる一時的な感情ではなく、長期にわたって影響を及ぼす可能性があることを示唆します。例えば、長年の努力が報われなかった場合や、信頼していた人に裏切られた場合などに使われます。フォーマルな場面でも使用可能です。
失望を隠す、失望した様子を見せない
※ 自分の感情を他人に悟られないようにすることを意味します。社会的な場面や、相手に配慮する必要がある場合に用いられます。例えば、ビジネスの交渉で不利な結果になった場合や、友人の成功を心から喜べない場合などに、表面上は平静を装う状況を表現するのに適しています。感情を表に出すことが必ずしも適切でない文化的な背景も考慮に入れる必要があります。
失望の原因、失望の源
※ 失望を引き起こす人、物、または状況を指します。この表現は、失望が具体的な対象から生じていることを明確に示します。例えば、期待外れの結果を出した製品や、約束を破った人物などを指す際に用いられます。ビジネスシーンやニュース報道など、客観的な視点が必要な場面でよく使われます。原因と結果の関係を明確にする際に有効です。
〜が失望したことに、〜が失望したことには
※ 文全体を修飾する副詞句で、後に続く内容が誰かを失望させるものであることを示します。この表現は、出来事の客観的な記述に、失望した人の視点を加える効果があります。例えば、「To my disappointment, the event was cancelled.(残念なことに、イベントは中止になった)」のように使われます。フォーマルな場面や書き言葉でよく用いられます。
失望を表明する、失望を口に出す
※ 自分の失望の感情を言葉や態度で示すことを意味します。この表現は、感情を隠すのではなく、積極的に表現する行為を指します。例えば、会議でプロジェクトの遅延に対する不満を述べたり、手紙で期待外れの結果に対する落胆を伝えたりする際に用いられます。状況によっては、率直なコミュニケーションが求められる場合に適しています。
失望に終わる、期待外れの結果となる
※ 計画や試みが成功せず、失望という結果に終わることを意味します。この表現は、努力や期待が報われなかった状況を婉曲的に表現する際に用いられます。例えば、「The new product met with disappointment in the market.(その新製品は市場で期待外れの結果となった)」のように使われます。ビジネスシーンや報道など、客観的な視点が必要な場面でよく用いられます。
使用シーン
学術論文や研究発表で、結果が予想と異なった場合や、期待された成果が得られなかった状況を説明する際に使われます。例えば、心理学の研究で「実験結果は、先行研究からの期待とは異なるdisappointment(失望)を示すものだった」のように使われます。研究者が客観的な立場から、結果の妥当性を評価する文脈で用いられることが多いです。
ビジネスシーンでは、プロジェクトの進捗報告、業績評価、顧客からのフィードバックなど、期待された水準に達しなかった状況を伝える際に使われます。例えば、「売上目標未達は大きなdisappointment(不満)だった」のように、フォーマルな文書や会議で用いられます。責任の所在を明確にし、改善策を講じる必要性を示す文脈で使われることが多いです。
日常生活では、個人的な期待が裏切られたり、予期せぬ悪い結果が生じた場合に、感情を表現する際に広く使われます。例えば、「チケットが売り切れで、コンサートに行けなくてdisappointment(失望)した」のように、友人との会話やSNSでの投稿など、カジュアルな場面で頻繁に使われます。個人的な感情や経験を共有する文脈で使われることが多いです。
関連語
類義語
欲求不満、不満感。目標達成の妨げとなる状況や、努力が報われない時に感じるいらだちや不満を表す。ビジネスシーンや個人的な目標達成に関連して使われることが多い。 【ニュアンスの違い】disappointmentが期待外れの結果に対する悲しみや落胆を含むのに対し、frustrationは目標達成を阻害されることへの怒りや焦燥感を含む。disappointmentよりも感情が強く、より積極的な行動を促すニュアンスがある。 【混同しやすい点】disappointmentは結果そのものに対する感情だが、frustrationは目標達成までのプロセスにおける障害に対する感情である点を混同しやすい。また、frustrationはしばしば具体的な原因を伴う。
- letdown
期待外れ、失望。期待していたことが実現しなかった時に感じる落胆を指す。日常会話でよく使われるカジュアルな表現。 【ニュアンスの違い】disappointmentよりも感情の強さが弱く、深刻ではない軽い失望を表すことが多い。また、letdownは名詞として使われることが多く、具体的な出来事や状況を指すことが多い。 【混同しやすい点】disappointmentはより一般的な失望を表すのに対し、letdownは特定の期待が裏切られた場合に限定される。また、letdownは可算名詞として使われることが多いため、複数形に注意が必要。
後悔、残念。過去の自分の行動や決断を振り返り、それを悔やむ気持ちを表す。過去の過ちや失われた機会に関連して使われることが多い。 【ニュアンスの違い】disappointmentが期待外れの結果に対する感情であるのに対し、regretは過去の自分の行動に対する感情である。disappointmentは未来への希望を残す場合があるが、regretは過去に囚われる感情である。 【混同しやすい点】disappointmentは他者の行動や状況によって引き起こされる場合があるが、regretは自分の行動によって引き起こされるという点を混同しやすい。また、regretは動詞としても名詞としても使用される。
狼狽、落胆。予期せぬ悪い出来事や状況に直面した時に感じる、驚きと失望が混ざった感情を表す。フォーマルな場面や文学的な表現で用いられることが多い。 【ニュアンスの違い】disappointmentよりも感情が強く、事態の深刻さや重大さを強調するニュアンスがある。また、dismayはしばしば驚きや恐怖を伴う。 【混同しやすい点】disappointmentは比較的穏やかな失望を表すのに対し、dismayはより強い衝撃や動揺を表す。dismayはフォーマルな文脈で使用されることが多いため、日常会話では不自然に聞こえる場合がある。
- dejection
落胆、意気消沈。希望を失い、心が沈んでいる状態を表す。心理学や文学的な文脈で用いられることが多い。 【ニュアンスの違い】disappointmentと似ているが、dejectionはより深い絶望感や無力感を伴う。一時的な失望ではなく、長期的な精神的な落ち込みを表すことが多い。 【混同しやすい点】disappointmentは特定の出来事に対する感情であるのに対し、dejectionは持続的な心理状態である点を混同しやすい。dejectionはフォーマルな文脈で使用されることが多いため、日常会話ではあまり使われない。
- chagrin
悔しさ、残念さ。失敗や誤りによって感じる不快な感情を表す。フォーマルな場面や文学的な表現で用いられることが多い。 【ニュアンスの違い】disappointmentが期待外れの結果に対する感情であるのに対し、chagrinは自分の失敗や不手際に対する感情である。chagrinはしばしば恥ずかしさや屈辱感を伴う。 【混同しやすい点】disappointmentは他者の行動や状況によって引き起こされる場合があるが、chagrinは自分の行動によって引き起こされるという点を混同しやすい。また、chagrinはフォーマルな文脈で使用されることが多いため、日常会話ではあまり使われない。
派生語
『失望させる』という動詞。『dis-(否定)』+『appoint(任命する、期待する)』から成り、『期待を裏切る』という意味合いを持つ。日常会話からビジネスシーンまで幅広く使用され、disappointmentの直接的な動詞形として最も基本的。
『失望した』という過去分詞・形容詞。disappointの過去分詞形であり、感情を表す形容詞として日常会話で頻繁に使われる。『I am disappointed』のように、主観的な感情を表す際に用いられる。
『失望させるような』という現在分詞・形容詞。disappointの現在分詞形であり、客観的に状況や物事が失望させる性質を持つことを表す。『The result was disappointing』のように、結果や状況を描写する際に用いられる。
反意語
『満足』という意味の名詞。disappointmentが期待外れによる不満を表すのに対し、satisfactionは期待が満たされた状態を表す。顧客満足度(customer satisfaction)のように、ビジネスや日常生活で広く使われる。
『満足感』や『充足感』を表す名詞。disappointmentが抱いていた期待が裏切られた状態を指すのに対し、contentmentは現状に満足し、穏やかな心の状態を指す。より内面的、精神的な満足を表す際に用いられることが多い。
- fulfillment
『達成感』や『充実感』を表す名詞。disappointmentが目標未達成による失望を表すのに対し、fulfillmentは目標を達成し、自己実現を果たした状態を指す。キャリアや人生における目標達成に関連して使われることが多い。
語源
「disappointment」は、「dis-(否定)」+「appoint(任命する、定める)」+「-ment(名詞化)」という構造で成り立っています。「appoint」は、ラテン語の「ad-(~へ)」+「punctum(点)」に由来し、「一点を指し示す」つまり「任命する、定める」という意味合いを持ちます。したがって、「disappointment」は、文字通りには「定められた状態(期待)から外れること」を意味し、期待や希望が満たされない状態、つまり「失望」や「落胆」を表すようになりました。例えば、計画が『頓挫(とんざ)』する、つまり一点に定められていた目標が崩れるイメージを持つと、この単語の持つ失望感がより深く理解できるでしょう。
暗記法
「Disappointment(失望)」は、単なる期待外れに留まりません。ヴィクトリア朝時代、ディケンズの小説には社会の壁に阻まれ失望する人々が描かれ、個人の無力感や社会への不満を象徴しました。第一次世界大戦後の「失われた世代」は、戦争の悲惨さから社会への深い失望を抱き、ヘミングウェイの作品に影を落としました。現代では、SNSが可視化する理想と現実のギャップが失望を増幅させ、自己価値の喪失や疎外感と結びついています。
混同しやすい単語
『disappointment』と『appointment』は、接頭辞 'dis-' の有無が主な違いですが、どちらも長い単語であるため、スペルミスや発音の誤りが起こりやすいです。『appointment』は『予約』や『任命』という意味で、ポジティブな意味合いを持つことが多いのに対し、『disappointment』はネガティブな感情を表します。特に、会話中では、文脈をよく聞き取り、どちらの単語が使われているかを意識する必要があります。
『disappointment』は名詞、『disappoint』は動詞です。動詞『disappoint』は『失望させる』という意味で、『disappointment』の原因となる行為を表します。例文: "I didn't want to disappoint you." (あなたを失望させたくなかった)。名詞と動詞の違いを理解し、文法的に正しい形で使用することが重要です。動詞の活用形(disappoints, disappointed, disappointing)にも注意が必要です。
『disappointment』と『disapprove』は、どちらも接頭辞 'dis-' を持ち、否定的な意味合いを持ちますが、品詞と意味が異なります。『disapprove』は動詞で、『反対する』『認めない』という意味です。例文: "I disapprove of your behavior." (私はあなたの行動を認めません)。『disappointment』は名詞で感情を表すのに対し、『disapprove』は意見や行動に対する評価を表します。
『desert』は、発音によって意味が大きく変わる単語です。名詞として /ˈdezərt/ と発音すると『砂漠』、動詞として /dɪˈzɜːrt/ と発音すると『見捨てる』という意味になります。『disappointment』とはスペルも発音も異なりますが、どちらもストレスの位置によって意味が変わる可能性があるため、注意が必要です。
『disease』は『病気』という意味で、発音は /dɪˈziːz/ です。スペルは全く異なりますが、どちらも接頭辞に似た 'dis-' で始まるため、視覚的に混同されることがあります。また、どちらもネガティブな状況を表すため、意味の面でも誤解が生じる可能性があります。文脈から判断することが重要です。
『misunderstanding』は『誤解』という意味で、『disappointment』と同様に、人間関係におけるネガティブな感情や状況を表すことがあります。ただし、『misunderstanding』はコミュニケーションの失敗に起因することが多く、『disappointment』は期待外れの結果に対する感情を指します。意味の範囲が異なるため、使い分けが必要です。
誤用例
日本語の『失望』という言葉は感情の強弱をあまり区別せずに使われますが、英語の『disappointment』は程度によって形容詞を使い分ける必要があります。ここでは食事のひどさから『大きな失望』を伝えたい意図が感じられますが、『big』は不適切です。よりフォーマルで強い失望を表すには、『profound』や『deep』を使う方が適切です。また、感情を表す名詞と動詞を組み合わせる場合(例:I felt a disappointment)よりも、感情を表す動詞を使う方が(例:I experienced disappointment)自然な英語として響きます。
この誤用は『あなたにがっかりがある』という直訳から生じやすいものです。英語では『disappointment』を『(人にとって)がっかりさせるもの・こと』という意味で使う場合、通常は具体的な内容を伴う『disappointing news』や『disappointing result』のような形にします。また、日本語の『〜があります』という表現は、英語では状況や内容に応じて様々な表現に置き換える必要があり、直訳は不自然になることが多いです。相手に何かを伝えるという意図がある場合、より自然な英語では 'I have some disappointing news for you.' のように表現します。
『disappointment』は一般的な『失望』を表しますが、特に自分の失敗や期待外れの結果に対する悔しさ、不満を伴うニュアンスを含む場合には、より適切な単語があります。例えば『chagrin』は、不快感や悔しさを伴う失望を表す、よりフォーマルな語です。この例文では、単に『失望』しただけでなく、何かうまくいかなかったことに対する悔しさが含まれている可能性を考慮し、より適切な単語を選ぶことで、より正確なニュアンスを伝えることができます。日本語の『失望』は幅広い意味を持つため、英語に訳す際には文脈を考慮し、適切な単語を選ぶことが重要です。
文化的背景
「Disappointment(失望)」は、単に期待が外れた状態を表すだけでなく、西洋文化においては、個人の願望と現実の間に存在する深い溝、そして時に自己認識の欠如を象徴する言葉として重みを持ちます。特に、近代以降の個人主義が浸透した社会では、自己実現への期待が高い分、失望もまた、避けられない感情として、文学や芸術のテーマとなってきました。
19世紀のヴィクトリア朝時代、社会階層が固定化され、個人の努力だけでは成功が難しい現実がありました。チャールズ・ディケンズの小説には、野心を持ちながらも社会の壁に阻まれ、失望を味わう人々が頻繁に登場します。彼らの失望は、単なる個人的な不幸ではなく、当時の社会構造が生み出した必然的な結果として描かれています。この時代、「disappointment」は、個人の無力感や社会への不満を表現する言葉として、特別な意味を持つようになりました。また、恋愛においても、身分違いの恋や親の決めた結婚など、個人の感情が尊重されない状況が多く、恋愛における失望は、当時の文学作品における重要なテーマの一つでした。
20世紀に入ると、第一次世界大戦後の「失われた世代」と呼ばれる人々は、戦争の悲惨さを目の当たりにし、従来の価値観や社会に対する深い失望を抱きました。彼らの失望は、単なる個人的な感情を超え、社会全体に対する根本的な不信感へとつながりました。アーネスト・ヘミングウェイの作品には、戦争によって心に傷を負い、人生に希望を見出せない人々が描かれています。彼らの失望は、戦争の残酷さや人間の愚かさを象徴するものであり、「disappointment」は、戦争の悲劇を語る上で欠かせない言葉となりました。
現代社会においては、ソーシャルメディアの普及により、他者の成功や幸福が可視化されやすくなった結果、自己の不遇を嘆き、失望感を抱く人が増えています。SNSに溢れる「理想の生活」と現実のギャップに苦しみ、自己肯定感を失ってしまう人も少なくありません。このような状況において、「disappointment」は、現代社会における自己認識の歪みや、過剰な期待が生み出す負の感情を象徴する言葉として、その意味合いを深めています。つまり、現代の「disappointment」は、単なる期待外れというよりも、自己価値の喪失や社会からの疎外感といった、より深刻な問題と結びついていると言えるでしょう。
試験傾向
- 出題形式: 主に語彙問題、長文読解、稀にリスニング
- 頻度と級・パート: 準1級・1級で頻出。2級でも稀に出題
- 文脈・例題の特徴: 幅広いトピックで使われるが、ややフォーマルな文脈が多い。手紙、記事、物語など。
- 学習者への注意点・アドバイス: 名詞(disappointment)だけでなく、動詞(disappoint)、形容詞(disappointed/disappointing)の使い分けを理解する。類義語(frustration, regret)とのニュアンスの違いも意識。
- 出題形式: Part 5 (短文穴埋め), Part 6 (長文穴埋め), Part 7 (長文読解)
- 頻度と級・パート: Part 5, 6, 7で比較的頻出
- 文脈・例題の特徴: ビジネス関連の文脈(メール、報告書、記事など)で、期待外れの結果や顧客の不満などを表す際に使われる。
- 学習者への注意点・アドバイス: ビジネスシーンでの使われ方を理解する。例えば、'express disappointment'(不満を表明する)のようなコロケーションを覚える。動詞、形容詞の形も重要。
- 出題形式: リーディングセクション
- 頻度と級・パート: リーディングセクションで頻出
- 文脈・例題の特徴: アカデミックな文脈(科学、歴史、社会学など)で、研究結果の予想外の結果や理論の限界などを説明する際に使われる。
- 学習者への注意点・アドバイス: 抽象的な概念を説明する文脈で使われることが多い。文脈から意味を推測する練習が必要。名詞と動詞の両方の用法に注意。類義語との区別も重要。
- 出題形式: 長文読解
- 頻度と級・パート: 難関大学で頻出
- 文脈・例題の特徴: 評論文、物語、エッセイなど、幅広いジャンルで使われる。社会問題、心理描写、人間関係など、テーマも多岐にわたる。
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈の中で意味を正確に把握することが重要。比喩的な表現や抽象的な表現で使われることもあるため、注意が必要。動詞、形容詞の形も覚えておく。