pure
最初の /pj/ は日本語にはない音ですが、「ピ」と言う直前に、唇を少し丸めて「ユ」の形にするイメージです。/ʊə/ は二重母音で、/ʊ/ を短く発音した後、すぐに /ə/ (曖昧母音)に移行します。「ア」と「ウ」の中間のような音を意識し、口を軽く開けてリラックスして発音しましょう。日本語の「ア」よりも口を大きく開けないのがコツです。
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混じり気なし
不純物や余計なものが一切含まれていない状態。抽象的な概念(純粋な愛、純粋な動機)にも、具体的な物質(純粋な水、純粋な金)にも使える。他のものが混ざっていない、本質的な状態を表す。
The water from the mountain spring tasted so pure and fresh.
山の湧き水はとても澄んでいて、新鮮な味がしました。
※ ハイキング中に見つけた冷たい湧き水を一口飲んだ時の、感動的な場面を想像してみましょう。水や空気など、自然の混じり気がない、清らかな状態を表すのに「pure」は非常によく使われます。この例文は、その清らかさや新鮮さを五感で感じられる場面を描いています。「tasted so pure」のように、味や感触を表す動詞の後に形容詞を続ける形で「~な味がする」「~な感じがする」と表現できます。
Her new ring was made of pure gold, shining brightly.
彼女の新しい指輪は純金でできていて、まぶしく輝いていました。
※ 誰かの指にはめられた、キラキラと輝く美しい指輪を見た時の印象を思い浮かべてください。金や銀、宝石など、物質が他のものが混ざっていない「純粋な状態」であることを表す際に「pure」が使われます。特に「pure gold(純金)」はよく聞く表現です。「be made of ~」は「~でできている」という意味で、素材を表すときに使います。「shining brightly」は「明るく輝いている」という意味で、動詞の後に副詞を続けると、その動作の様子を詳しく説明できます。
The child's pure smile warmed my heart immediately.
その子の純粋な笑顔が、すぐに私の心を温かくしました。
※ 無邪気な子供が、何の計算もなしに、ただ嬉しそうに笑っているのを見た時の、心が洗われるような瞬間です。「pure」は、人の気持ちや性格、感情が「邪心のない」「混じり気のない」状態であることを表すときにも使われます。特に「pure heart(純粋な心)」や「pure love(純粋な愛)」など、肯定的な意味で使われることが多いです。「warm one's heart」は「~の心を温かくする」という、感情を表す素敵なフレーズです。「immediately」は「すぐに、ただちに」という意味で、その感情が瞬時に訪れたことを表しています。
無垢
汚れを知らない、清らかな心の状態。特に子供や、世間慣れしていない人を形容する際に用いられる。道徳的な意味合いが強い。
The baby's pure smile made everyone in the room feel warm and happy.
その赤ちゃんの無垢な笑顔は、部屋にいるみんなを温かく幸せな気持ちにさせました。
※ 赤ちゃんの無邪気な笑顔が、その場の空気を和ませ、人々の心を温かくする情景です。「pure smile」は「純真な笑顔」や「邪気のない笑顔」という意味で、子供の無垢な様子を表す時によく使われます。心が洗われるような気持ちを表すのにぴったりな表現です。
We drank the pure, cold water from the mountain spring, feeling refreshed.
私たちは山の泉から湧く無垢で冷たい水を飲み、リフレッシュしました。
※ ハイキング中に、山奥の泉から湧き出る水を直接飲んで、体が内側から浄化されるような感覚を表しています。「pure water」は、化学的に不純物のない「純水」という意味にもなりますが、ここでは「汚れていない、清らかな水」というニュアンスで使われています。自然の清らかさを描写する際によく使われる表現です。
Her pure heart always guided her to help others without expecting anything back.
彼女の無垢な心は、いつも見返りを求めずに他人を助けるよう導きました。
※ 誰かの行動を見て、その人の心が本当に優しく、私欲がないと感じる瞬間を描写しています。「pure heart」は「純粋な心」や「邪気のない心」という意味で、人の性格や動機が清らかであることを表します。日常会話でも、誰かの優しさや誠実さを褒める時によく使われる、温かい響きのある表現です。
ただ〜だけ
他の要素が一切なく、そのものだけが存在する状態。pure luck (ただの偶然), pure coincidence (ただの偶然の一致)のように、強調の意味合いで使われる。
When the little girl opened the gift, her face showed pure joy.
その小さな女の子がプレゼントを開けた時、彼女の顔はただただ喜びでいっぱいだった。
※ プレゼントをもらった子供の、飾らない純粋な喜びの表情が目に浮かびますね。「pure joy」は「純粋な喜び」と訳されますが、ここでは「喜び以外の何物でもない」「ただただ喜び」という強い感情を表しています。「pure」はこのように感情や抽象的な名詞の前に置いて、その性質が「混じり気なく」「それそのもの」であることを強調する際によく使われます。
Meeting my old friend on this trip was pure coincidence.
この旅行で昔の友人に会ったのは、全くの偶然だった。
※ 予期せぬ場所で偶然昔の友人と再会し、驚きとともに「まさか!」と喜びを感じている場面です。「pure coincidence」は「全くの偶然」という意味で、計算されたものではなく、本当に偶然だったことを強調します。「pure luck(ただの幸運)」や「pure chance(全くの偶然)」など、偶然性を表す言葉と非常によく組み合わせて使われます。
His story about the UFO was pure imagination.
彼が話したUFOの話は、ただの想像だった。
※ 誰かがUFOの話をしているけれど、聞いているあなたは「それは現実じゃない、ただの作り話だ」と感じている場面です。「pure imagination」は「ただの想像」「全くの作り話」という意味で、現実味がないことを強調する時に使われます。「pure」は、このように「〜以外の何物でもない」という否定的なニュアンスや、現実離れしていることを指摘する際にも使えます。例えば、「pure nonsense(全くのナンセンス)」なども同様です。
コロケーション
まったくの偶然、単なる偶然
※ 「coincidence」は『偶然の一致』を意味し、「pure」がつくことで、それが意図的なものではなく、完全に偶然であることを強調します。例えば、『街で偶然知り合いに会ったのはpure coincidenceだ』のように使います。ビジネスシーンでも、計画的なものではないことを示す際に使えます。類似表現に"sheer coincidence"がありますが、"pure"はより中立的なニュアンスで使われることが多いです。
まったくの運、棚ぼた
※ 「luck」は『運』を意味し、「pure」がつくことで、実力や努力ではなく、完全に運によるものであることを強調します。例えば、『宝くじが当たったのはpure luckだ』のように使います。謙遜して自分の成功を説明する際にも使われます。"sheer luck"も同様の意味ですが、"pure"はより日常的な会話で使われる傾向があります。
純粋な喜び、この上ない喜び
※ 「joy」は『喜び』を意味し、「pure」がつくことで、混じりけのない、心からの喜びを表します。子供が無邪気に喜んでいる様子や、長年の努力が報われた瞬間の喜びなどを表現するのに適しています。文学的な表現としても使われ、感動的な場面を強調する効果があります。"unadulterated joy"も同様の意味ですが、"pure joy"の方が一般的です。
純粋な悪、極悪非道
※ 「evil」は『悪』を意味し、「pure」がつくことで、その悪が徹底的で、救いようがないほどであることを強調します。映画や小説などのフィクションで、絶対的な悪役を表現する際によく用いられます。また、歴史上の人物や事件を語る際にも、その人物や事件の非道さを強調するために使われます。"unmitigated evil"も同様の意味ですが、"pure evil"の方が口語的で、より強い印象を与えます。
純粋研究、基礎研究
※ 「research」は『研究』を意味し、「pure」がつくことで、商業的な目的や応用を意図せず、知識の探求そのものを目的とする研究を指します。大学や研究機関で行われることが多く、将来的な技術革新の基礎となる重要な研究です。"basic research"も同様の意味ですが、"pure research"はよりアカデミックな文脈で使われることが多いです。
純水、不純物のない水
※ 「water」は『水』を意味し、「pure」がつくことで、ミネラルや添加物などが一切含まれていない、H2Oのみで構成された水を指します。科学実験や工業用途で用いられることが多いです。日常会話ではあまり使いませんが、水の純度を強調したい場合に用います。"distilled water"(蒸留水)も純水の一種ですが、"pure water"はより広義に使われます。
使用シーン
学術論文や研究発表において、物質の純度や概念の純粋さを表す際に用いられます。例えば、化学の分野で「高純度の試薬」を指したり、哲学の分野で「純粋理性」という言葉を使うことがあります。また、統計学において「外れ値を除いた純粋なデータセット」という文脈で使用されることもあります。
ビジネス文書やプレゼンテーションにおいて、企業の倫理観や製品の品質の高さを強調する際に用いられることがあります。例えば、「当社の製品は純粋な天然素材のみを使用しています」といった表現や、「純粋な利益」を意味する「pure profit」という言葉が使われることがあります。ただし、日常的なビジネス会話ではあまり使われません。
日常会話では、比喩的な意味合いで使われることが多いです。例えば、「純粋な心を持つ人」や「純粋な喜び」といった表現があります。また、食品の添加物や水の純度を示す際に使われることもありますが、頻度は高くありません。ニュースやドキュメンタリー番組などで、環境問題や社会問題に関連して「純粋な水資源の保護」といった文脈で見かけることがあります。
関連語
類義語
『混じりけのない』という意味で、特に食品や液体など、物質的な純粋さを強調する際に用いられる。学術的な文脈や、品質を保証する場面でも使用される。 【ニュアンスの違い】『pure』よりもフォーマルで、客観的な純粋さを指すことが多い。感情的な意味合いは薄い。しばしば、品質管理や化学分析などの専門的な文脈で使われる。 【混同しやすい点】日常会話ではあまり使われないため、使う場面を選ぶ必要がある。また、『pure』が抽象的な概念にも使えるのに対し、『unadulterated』は基本的に物質的なものに限定される。
『本物の』『偽りのない』という意味で、品質や感情、人柄などが本物であることを強調する。ビジネスシーンや日常会話で広く使われる。 【ニュアンスの違い】『pure』が物質的または抽象的な純粋さを示すのに対し、『genuine』は信頼性や誠実さといった意味合いが強い。人の感情や行動に対して使われることが多い。 【混同しやすい点】『genuine leather(本革)』のように物質的なものにも使えるが、基本的には人の感情や行動に対して使う方が自然。抽象的な概念に対して使う場合は、『pure』の方が適切。
『全くの』『純然たる』という意味で、程度や規模の大きさを強調する際に用いられる。しばしば、ネガティブな意味合いで使われることもある。 【ニュアンスの違い】『pure』が混じりけのない状態を示すのに対し、『sheer』は量や程度が極めて大きいことを示す。例えば、『sheer luck(全くの幸運)』のように使われる。 【混同しやすい点】『sheer』は形容詞として使われることが多いが、副詞としても使われることがある。また、肯定的な意味合いで使うことは少ないため、注意が必要。
『真正の』『本物の』という意味で、芸術作品や文化的な遺産など、その起源や製法が正しいことを強調する。観光業界や美術業界でよく使われる。 【ニュアンスの違い】『pure』が純粋さそのものを指すのに対し、『authentic』は起源や歴史的な背景に基づいた真正さを示す。しばしば、その物の価値や希少性を高めるために使われる。 【混同しやすい点】『authentic』は、単に『本物』であるだけでなく、その背後にある歴史や文化的な背景を含意するため、使う場面を選ぶ必要がある。例えば、『authentic Italian pizza』のように使われる。
『汚れのない』『完璧な』という意味で、物理的な清潔さや道徳的な清廉さを強調する。宗教的な文脈や、非常にフォーマルな場面で使われる。 【ニュアンスの違い】『pure』が一般的な純粋さを示すのに対し、『immaculate』は非の打ち所がない完璧さを意味する。例えば、『immaculate conception(無原罪の御宿り)』のように使われる。 【混同しやすい点】日常会話ではあまり使われず、宗教的な文脈や非常にフォーマルな場面で使われることが多い。また、抽象的な概念に対して使う場合は、『pure』の方が一般的。
『元のままの』『手つかずの』という意味で、自然環境や状態が損なわれていないことを強調する。環境保護や観光業界でよく使われる。 【ニュアンスの違い】『pure』が純粋さを示すのに対し、『pristine』は元の状態が維持されていることを意味する。例えば、『pristine beach(手つかずの砂浜)』のように使われる。 【混同しやすい点】『pristine』は、しばしば観光資源としての価値を高めるために使われる。また、抽象的な概念に対して使う場合は、『pure』の方が適切。
派生語
『純粋にする』という意味の動詞。語根『pure』に動詞化の接尾辞『-ify』が付加され、『~にする』という意味合いが加わります。水や空気、精神などを浄化する際によく用いられ、環境問題や宗教的な文脈でも登場します。
『純粋さ』や『潔癖さ』を表す名詞。語根『pure』に名詞化の接尾辞『-ity』が付加され、抽象的な概念を表します。品質、倫理観、科学的な純度など、幅広い分野で使用され、学術論文や報道でも見られます。
- purist
『純粋主義者』という意味の名詞。語根『pure』に『~する人』という意味の接尾辞『-ist』が付加されています。特定の分野(言語、芸術、思想など)において、伝統的な形式や規則を厳格に守る人を指し、やや批判的なニュアンスを含むこともあります。
『純粋に』という意味の副詞。語根『pure』に副詞化の接尾辞『-ly』が付加され、動詞や形容詞を修飾します。動機や理由などを強調する際に用いられ、『完全に』や『もっぱら』という意味合いで使われることもあります。ビジネス文書や日常会話でも使用頻度は高いです。
反意語
- impure
接頭辞『im-(否定)』が付加され、『不純な』という意味になります。物理的な不純物だけでなく、倫理的、道徳的な不純さも指します。文脈によって『汚染された』『不道徳な』などと訳され、pureとの対比で使われる頻度が非常に高いです。
『汚染された』という意味の形容詞。『pure』が理想的な状態を表すのに対し、『contaminated』は有害な物質や要素によって本来の状態が損なわれた状態を指します。環境汚染、食品汚染、情報汚染など、具体的な汚染状況を表す際によく用いられ、科学論文やニュース記事で頻繁に見られます。
- adulterated
『(品質などを)悪くした』という意味の形容詞。特に食品や薬品に不純物を混ぜて品質を低下させる行為を指します。『pure』が純粋な状態を保っていることを示すのに対し、『adulterated』は意図的に品質が損なわれた状態を表します。法律や規制に関連する文書でよく使用されます。
語源
"pure」はラテン語の「purus(混じり気のない、清浄な)」に由来します。この「purus」は、さらに古い語根に遡ると考えられていますが、その起源は定かではありません。英語の「pure」は、このラテン語の直接的な借用であり、当初から「混じり気のない」という意味合いで使用されてきました。日本語で例えるなら、「純粋」という言葉が近いでしょう。不純物や余計なものが一切含まれていない状態を指し、物理的な清浄さだけでなく、精神的な無垢さや純真さも表します。たとえば、「純粋な愛」や「純粋な動機」といった表現に使われるように、抽象的な概念にも適用される点が特徴です。
暗記法
「pure」は西洋で、物質的な清らかさから道徳的な無垢、精神的な高潔さの象徴へ。聖書では罪のなさ、錬金術では精神的変容を意味し、聖女の純潔は神聖さの証でした。文学では理想の英雄の属性でしたが、ロマン主義以降は自然との一体感へ。現代ではマーケティングで安心感を演出し、環境保護も意味します。しかし「純粋性」の強調は、排他的なイデオロギーに繋がる可能性も孕んでいます。
混同しやすい単語
発音が似ており、特にアメリカ英語では 'pure' と 'poor' の母音の区別が曖昧になることがあるため、リスニングで混同しやすい。スペルも 'oo' と 'ure' の違いのみで視覚的にも紛らわしい。意味は『貧しい』であり、全く異なる文脈で使用される。注意点として、発音記号を確認し、意識的に発音を区別することが重要。語源的には、'poor' はラテン語の 'pauper'(貧しい人)に由来する。
発音が非常に似ており、特に語尾の 'r' の発音が弱い場合、区別が難しくなる。スペルも 'p_re' の部分が共通しているため、視覚的にも混同しやすい。意味は『桟橋』であり、場所を表す名詞として使われる。文脈から判断することが重要。'pier' は、古フランス語の 'piere'(石)に由来し、桟橋が石造りであったことに由来する。
発音が似ており、特に語尾の 'r' の発音が強調されない場合、区別が難しくなる。意味は『(猫などが)ゴロゴロと喉を鳴らす』という動詞であり、意味が全く異なる。スペルも似ているため、文脈で判断する必要がある。'purr' は、猫の喉の音を表す擬音語に由来する。
'pure'と直接的な発音の類似性はないものの、カタカナ英語で「ピュア」と言う時の音と「フュー」の音が似ていると感じる学習者がいるかもしれない。意味は『(数や量が)より少ない』という意味であり、可算名詞を修飾する際に使用される比較級。スペルも異なるため、文脈から判断することが重要。 'fewer'は、古英語の 'feawa' (few)に由来する。
語尾の 'ure' が共通しており、発音も似ているため混同しやすい。意味は『治療』であり、名詞または動詞として使用される。文脈によって意味を判断する必要がある。'cure' はラテン語の 'cura'(世話、注意)に由来し、病気の治療に注意を払うことから来ている。
'pure'の比較級であり、発音も意味も似ているため、文脈によってはどちらを使うべきか迷うことがある。意味は『より純粋な』であり、比較対象が存在する場合に使用される。'pure' 自体の意味を正しく理解していれば、混同を避けることができる。
誤用例
「pure」は「純粋な」「混じり気のない」という意味合いが強く、事実に対して使うと、まるで他の事実には不純物が混ざっているかのような印象を与えます。より自然な英語では、「undeniable(否定できない)」や「plain(明白な)」といった形容詞が好まれます。日本人が「純粋な事実」という言葉を安易に直訳してしまうことで起こりやすい誤用です。背景には、日本語の『純粋』が多義的であり、英語の『pure』の持つニュアンスと完全に一致しないことが挙げられます。英語では事実の客観性や証拠の有無を重視する傾向があり、『pure』のような主観的な印象を与える言葉は避けられることがあります。
「pure heart」は文法的に誤りではありませんが、英語ではやや大げさで詩的な表現に聞こえます。日常会話や一般的な文章では、「good heart(優しい心)」と言う方が自然です。日本人が「純粋な心」を直訳しがちな誤用例です。英語では、内面的な性質を表現する際に、過度な美辞麗句を避け、よりシンプルで具体的な言葉を選ぶ傾向があります。また、「pure」はしばしば宗教的な文脈で使用され、絶対的な清らかさを意味するため、日常的な心の状態を表現するには不適切に聞こえる場合があります。このような語感のズレは、文化的背景の違いから生じやすいものです。
「pure from」という前置詞の組み合わせは不自然です。「pure」は状態を表す形容詞であり、「~から純粋である」というよりも、「~を含まない」という意味で「free from」を使う方が適切です。日本人が「~から純粋」という発想で、fromを安易に結びつけてしまうことが原因として考えられます。英語では、否定的な要素の不在を明確に示す表現を好む傾向があり、「free from」はそうしたニーズに合致しています。また、「pure」を使う場合は、「The water is pure.(水は純粋だ)」のように、単独で状態を表すか、「pure water(純水)」のように名詞を修飾するのが一般的です。
文化的背景
「pure(純粋)」という言葉は、西洋文化において、物質的な清らかさだけでなく、道徳的な無垢さや精神的な高潔さを象徴してきました。それは、汚染されていない水や澄んだ空気のように、本質的に良い状態を指し、理想的な美徳と結び付けられてきました。
「純粋さ」の概念は、歴史的に宗教的な文脈で重要な役割を果たしてきました。例えば、聖書においては、罪のない状態や神への献身を表す言葉として用いられ、修道院生活や禁欲主義といった、世俗的な欲望から離れた生き方を理想とする思想の根幹をなしました。中世ヨーロッパでは、聖女や聖職者の「純潔」は、神聖さの証として崇められ、社会的な尊敬を集めました。また、錬金術においては、卑金属を「純粋」な金に変えることが、精神的な変容の象徴として追求されました。このように、「pure」は、単なる物質的な状態を超えて、精神的な高みを目指す人間の願望を反映してきたのです。
文学作品においても、「pure」は、理想的なヒロインやヒーローの属性として頻繁に登場します。例えば、アーサー王物語におけるガラハッド卿は、その純粋さゆえに聖杯を見つけることができるとされています。また、シェイクスピアの作品においても、「純粋な心」は、悪意や欺瞞とは対照的な、高潔な人格の象徴として描かれています。しかし、時代とともに「純粋さ」の解釈は変化し、ロマン主義の時代には、自然との一体感や感情の率直さといった、より個人的な体験に基づく「純粋さ」が重視されるようになりました。現代においては、環境保護の文脈で「pure」が使われることも多く、汚染されていない自然環境を守ることが、次世代への責任として語られます。
現代社会においては、「pure」は、しばしばマーケティングの文脈で、商品の安全性や品質をアピールするために用いられます。例えば、「pure water(純粋な水)」や「pure cotton(純粋な綿)」といった表現は、消費者に安心感を与え、購買意欲を高める効果があります。しかし、一方で、「純粋さ」を強調することは、異質なものや異なる価値観を排除するイデオロギーに結びつく可能性も孕んでいます。例えば、民族や文化の「純粋性」を主張するナショナリズムは、排他的な社会を生み出す危険性をはらんでいます。したがって、「pure」という言葉を使う際には、その背後にある文化的・社会的な意味合いを理解し、慎重に用いることが重要です。
試験傾向
1. 出題形式: 主に語彙問題、長文読解。稀にリスニング。
2. 頻度と級・パート: 準1級以上で頻出。特に1級で問われる可能性が高い。
3. 文脈・例題の特徴: 環境問題、科学技術、社会問題など、幅広いテーマの長文で登場。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 「純粋な」という意味だけでなく、「混じりけのない」「完全な」といった意味も押さえる。purelyなどの副詞形も重要。
1. 出題形式: Part 5(短文穴埋め)、Part 7(長文読解)。
2. 頻度と級・パート: 比較的頻出。スコアアップを目指すなら必須。
3. 文脈・例題の特徴: 品質管理、原材料、財務報告など、ビジネス関連の文脈で登場。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 「純粋な」という意味の他に、「理論的な」「完全な」といったニュアンスも理解する。例: pure profit(純利益)。
1. 出題形式: リーディングセクションで頻出。
2. 頻度と級・パート: TOEFL iBT対策として必須。
3. 文脈・例題の特徴: 科学、歴史、社会科学など、アカデミックな内容の長文で登場。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 比喩的な意味合いで使われる場合もあるため、文脈全体から意味を推測する練習が必要。例: pure research(基礎研究)。
1. 出題形式: 主に長文読解。
2. 頻度と級・パート: 難関大学ほど頻出。
3. 文脈・例題の特徴: 環境問題、科学技術、社会問題など、幅広いテーマで登場。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈によって意味が異なるため、辞書で複数の意味を確認し、例文と合わせて覚えることが重要。派生語(purely, purityなど)も覚えておくと有利。