agree
第2音節にアクセントがあります。/ə/は曖昧母音で、力を抜いて「ア」と発音します。/ɡr/は日本語にない子音連結なので、意識して「グ」と「ル」を繋げるように発音しましょう。最後の/iː/は長母音なので、日本語の「イー」よりも少し長く伸ばして発音するとより正確になります。
同意する
提案や意見に対して、肯定的な意思を示す。フォーマルな場面から日常会話まで幅広く使用される。単に賛成するだけでなく、合意に至るニュアンスを含む。
My friend said, 'This cafe is so cozy!' and I happily agreed with her.
友達が「このカフェ、すごく居心地がいいね!」と言ったので、私は喜んで彼女に同意しました。
※ この例文は、友達とのリラックスしたカフェでの会話を描写しています。「agree with + 人」は、誰かの意見や考えに同意するときに最もよく使われる表現です。心が通じ合ったような、穏やかな気持ちが伝わってきますね。
After a long discussion, everyone in the meeting finally agreed on the new plan.
長い議論の後、会議の参加者全員が最終的に新しい計画に合意しました。
※ この例文は、ビジネスやグループでの話し合いの場面です。「agree on + 物事」は、ある特定の事柄や計画について、複数の人が合意に達したことを示すときに使います。皆で協力して何かを決めた時の、達成感や安心感が感じられますね。
When my brother suggested we go camping, I immediately agreed because I love nature.
兄がキャンプに行こうと提案したとき、私は自然が大好きなので、すぐに同意しました。
※ この例文は、誰かの提案や誘いに対して、自分が賛成する場面です。「agree to + 動詞の原形」は、「~することに同意する」という意味で、具体的な行動や計画に賛同するときに便利です。好きなことへの提案に、心が躍るような気持ちが伝わりますね。
承諾する
要求や依頼に対して、許可を与える。相手の意向を尊重し、受け入れる姿勢を示す。
My friend suggested going to the park, and I happily agreed.
友達が公園に行こうと提案したので、私は喜んで承諾しました。
※ 友達から「公園に行こう!」と誘われて、あなたが笑顔で「うん、行こう!」と答えている情景が目に浮かびますね。「happily(喜んで)」という言葉から、その誘いを心から楽しみにしている気持ちが伝わってきます。誰かの提案やアイデアに『賛成する』『承諾する』という「agree」の最も基本的な使い方です。ここでは、具体的に何をするか(to go)を付け加えています。
My daughter asked for a new toy, and I finally agreed to buy it.
娘が新しいおもちゃをねだったのですが、私はついに買ってあげることにしました。
※ お子さんが目をキラキラさせて「これ買って!」とお願いし、親が少し迷いつつも、最終的に「よし、買ってあげよう!」と承諾した瞬間が描かれています。「finally(ついに)」という一言が、親の葛藤と決断を想像させ、このミニ・シーンをより鮮やかにしています。ここでは、何かを『すること(to buy)』を承諾する、という形で「agree」が使われています。
After much discussion, everyone agreed on the new project plan.
たくさん話し合った後、全員が新しいプロジェクト計画に同意しました。
※ 会議室で、皆が活発に意見を交わし、時間をかけて議論を重ねた結果、最終的に全員が「これでいこう!」と一つの計画に合意した場面です。「After much discussion(たくさん話し合った後)」という言葉から、真剣な議論の雰囲気が伝わってきますね。特定の計画やアイデアについて『意見が一致する』『合意に達する』という、仕事の場面でも非常によく使われる典型的な表現です。
一致する
事実や情報などが食い違いなく、合致している状態。データや証拠が互いに矛盾しないことを表す。
My friend and I often agree on our favorite movies.
私と友人は、好きな映画について意見がよく一致します。
※ カフェで映画の話をしているような、和やかな雰囲気が目に浮かびますね。「agree on ~」は、「~について意見が一致する」という意味で、特定の話題やテーマについて同意する場合に使われます。共通の趣味で盛り上がる様子が伝わりますね。
After a long discussion, everyone agreed on the new plan.
長い議論の後、全員がその新しい計画に同意しました。
※ 会議室で、真剣な話し合いの末、全員が納得してうなずいている場面です。「agree on ~」は、話し合いや交渉の結果、特定の計画や決定について合意する際によく使われます。特にビジネスやグループでの意思決定の場面で頻繁に登場します。
I agree with you that the weather is perfect today.
今日の天気は最高だと、私もあなたに同意します。
※ 晴れた日に、外で気持ちよさそうに話している二人の姿が目に浮かびます。「agree with 人」は、「(その人の意見に)同意する」という、最も基本的な「agree」の使い方の一つです。「私もそう思うよ」という共感の気持ちを表すときに便利です。日常会話で「That's right!」や「You're right!」の代わりに丁寧に使えます。
コロケーション
意見の相違を認め、議論を打ち切る
※ これは、お互いの意見が異なることを受け入れ、それ以上議論しても無駄だと判断した場合に使われる表現です。特に、議論が膠着状態に陥り、解決策が見えない状況で、友好的に議論を終わらせたい時に適しています。フォーマルな場面でもインフォーマルな場面でも使用可能です。単に意見が違うというだけでなく、お互いの立場や価値観を尊重しつつ、建設的な関係を維持したいというニュアンスが含まれます。
心から賛成する、全面的に同意する
※ "wholeheartedly"は「心から」「誠心誠意」という意味の副詞で、"agree"を修飾することで、単なる賛成以上の、強い共感や支持を表します。ビジネスシーンやフォーマルな場面で、自分の意見を強調したい場合に効果的です。例えば、プレゼンテーション後や会議での発言で、「I agree wholeheartedly with your proposal.(あなたの提案に心から賛成します)」のように使います。単に"I agree"と言うよりも、熱意や真剣さが伝わります。
原則として同意する、大筋で賛成する
※ これは、細部についてはまだ議論の余地があるものの、基本的な考え方や方針には賛成するという意味です。ビジネス交渉や政策決定の場面でよく使われます。例えば、「We agree in principle to the terms of the contract.(契約条件には原則として同意します)」のように使います。これは、契約の細部についてはまだ交渉の余地があることを示唆しています。完全に同意するわけではないため、注意が必要です。
~について合意する、~の点で意見が一致する
※ これは、特定の事柄について意見が一致することを意味します。前置詞"on"は、合意の対象を示すために使われます。例えば、「We agree on the budget for the project.(プロジェクトの予算について合意しました)」のように使います。この表現は、ビジネスシーンや日常生活で幅広く使用されます。"agree about something"もほぼ同じ意味ですが、"agree on something"の方がより一般的です。
~することに同意する、~することを承諾する
※ この構文は、何か特定の行動や提案を受け入れることを意味します。例えば、「I agree to help you with the project.(プロジェクトを手伝うことに同意します)」のように使います。これは、相手の依頼や提案を受け入れる意思を示す際に使用されます。"agree with + 人"(人に同意する)とは異なるので注意が必要です。"agree to + verb"は、行動に対する同意を表します。
相互に合意する、双方で同意する
※ "mutually"は「相互に」「共同で」という意味で、"agree"を修飾することで、二者以上がお互いに合意することを強調します。契約書や合意書などのフォーマルな文書でよく使用されます。例えば、「The parties mutually agree to the following terms.(当事者は以下の条件に相互に合意します)」のように使います。この表現は、一方的な合意ではなく、双方の意思が一致していることを明確にするために重要です。
しぶしぶ同意する、気が進まないながらも承諾する
※ "reluctantly"は「しぶしぶ」「気が進まないながら」という意味で、"agree"を修飾することで、完全に納得しているわけではないけれど、何らかの理由で同意せざるを得ない状況を表します。例えば、「I reluctantly agreed to work overtime.(しぶしぶ残業することに同意した)」のように使います。この表現は、内心では不満や抵抗があるものの、状況的に拒否できない場合に用いられます。
使用シーン
学術論文や研究発表で頻繁に使用されます。研究結果の解釈や、先行研究との比較において、意見やデータが一致するかどうかを議論する際に用いられます。例:『先行研究の結果と本研究の結果は、サンプルサイズの違いを除いて概ねagreeする』。また、学術的な合意形成を示す際にも使われます。例:『この点に関しては、研究者の間で広くagreeされている』。
ビジネスシーンでは、会議での合意形成、契約条件の確認、プロジェクトの方向性の一致などを表現する際に使用されます。フォーマルな文脈で使われることが多いですが、日常的なメールや会話でも登場します。例:『契約条件について、両社はagreeした』。また、提案や計画に対する賛成意見を述べる際にも使われます。例:『その提案にagreeします』。
日常会話で頻繁に使われ、相手の意見に賛成したり、同意したりする意思表示として用いられます。友人との会話、家族とのやり取り、ソーシャルメディアでのコメントなど、幅広い場面で登場します。例:『私もそう思う。I agree with you』。また、提案や計画に対する賛成意見を述べる際にも使われます。例:『映画に行こう! I agree』。
関連語
類義語
主にフォーマルな場面やビジネスシーンで用いられ、『意見や見解が一致する』という意味を持つ。学術的な議論や公式な文書でよく見られる。 【ニュアンスの違い】『agree』よりも形式ばった印象を与え、単に賛成するというよりは、熟考の末に合意に至るというニュアンスが強い。共通の基盤や理解があることを前提とする。 【混同しやすい点】日常会話ではあまり使われないため、使いすぎると不自然になる可能性がある。また、『agree』よりも、対象となる意見や提案が明確であることが求められる。
『許可』や『同意』を与えるという意味で、特に法的な文脈や倫理的な判断が求められる場面で使われる。名詞としても動詞としても用いられる。 【ニュアンスの違い】『agree』よりも、相手の意向を尊重し、自らの意思で許可を与えるというニュアンスが強い。権利や権限を持つ者が、それを認める場合に用いられることが多い。 【混同しやすい点】『agree』が単なる意見の一致を表すのに対し、『consent』は行動や決定に対する許可を含む。未成年者に対する親の同意(parental consent)などが典型的な例。
『同意する』という意味だが、『consent』よりもややフォーマルで、黙って承諾するというニュアンスを含むことがある。しばしば、権威ある存在への服従や従順さを示す。 【ニュアンスの違い】『agree』よりも受動的な同意を示唆し、積極的な賛意というよりは、異議を唱えない、または受け入れるという態度を表す。儀式的な場面や、形式的な手続きで用いられることがある。 【混同しやすい点】『agree』が活発な議論や意見交換を伴うのに対し、『assent』はより静かで、異論がないことを示す場合に使われる。例えば、議事進行における形式的な賛成確認など。
- accede
『要求や提案を受け入れる』という意味で、多くの場合、最初は反対していたが最終的に同意するというニュアンスを含む。しばしば譲歩や妥協を伴う。 【ニュアンスの違い】『agree』よりも、抵抗があったものの、状況や圧力によって同意せざるを得なくなったというニュアンスが強い。交渉や紛争解決の場面でよく用いられる。 【混同しやすい点】『agree』が純粋な同意を表すのに対し、『accede』は不本意ながら受け入れるという含みがある。また、王位に就くという意味もあるため、文脈に注意が必要。
『(意見や主義などを)支持する』という意味で、特に信念や原則に賛同し、それを公に表明する場合に使われる。雑誌の定期購読という意味もある。 【ニュアンスの違い】『agree』よりも、より深いレベルでの同意やコミットメントを示す。単なる賛成ではなく、特定の思想や運動を支持し、積極的に関わっていくというニュアンスを含む。 【混同しやすい点】『agree』が個別の意見に対する賛成であるのに対し、『subscribe』はより包括的な主義や原則への賛同を意味する。例えば、『人権擁護の理念を支持する』のように用いる。
- see eye to eye
『意見が一致する』という意味の口語表現。日常会話でよく使われ、親しい間柄での意見の一致を表す。 【ニュアンスの違い】『agree』よりもカジュアルで、友好的なニュアンスを持つ。フォーマルな場面やビジネスシーンでは不適切。 【混同しやすい点】『agree』がフォーマルな場面でも使えるのに対し、『see eye to eye』はあくまでカジュアルな表現。また、具体的な意見の内容よりも、関係性の良さや共感を示す意味合いが強い。
派生語
『合意』『協定』を意味する名詞。動詞『agree』に名詞化接尾辞『-ment』が付加されたもので、抽象的な概念を表す。ビジネス、法律、政治など、幅広い分野で頻繁に使われ、文書や公式な場面で特に重要となる。単に同意するという行為だけでなく、その結果として得られる文書や状態を指すことが多い。
『感じの良い』『同意しやすい』を意味する形容詞。動詞『agree』に形容詞化接尾辞『-able』が付加されたもので、『同意できる性質を持つ』という意味合いを持つ。人柄や提案など、さまざまな対象に対して使われ、肯定的なニュアンスを伝える。日常会話でよく用いられるほか、ビジネスシーンでも相手に好印象を与えるために使われる。
- agreed
『合意された』を意味する形容詞または過去分詞。動詞『agree』の過去形・過去分詞形であり、形容詞として用いられる場合は、既に合意が成立している状態を示す。契約書や会議の議事録など、公式な文書で頻繁に使用され、法的拘束力を持つ場合もある。
反意語
接頭辞『dis-』が付加され、『同意しない』を意味する動詞。意見や提案に対して反対する意思を示す際に用いられる。日常会話からビジネスシーン、学術的な議論まで、幅広い場面で使用される。単に意見が異なるだけでなく、対立や論争のニュアンスを含むこともある。
『不一致』『意見の相違』を意味する名詞。動詞『disagree』に名詞化接尾辞『-ment』が付加されたもので、合意に至らない状態を表す。会議や交渉の場、人間関係など、さまざまな状況で発生する。単なる意見の相違だけでなく、紛争や対立に発展する可能性も含む。
『対立』『衝突』を意味する名詞または動詞。『agree』が示す調和や一致とは対照的に、意見や利害が相反する状態を表す。個人的な人間関係から国際的な紛争まで、幅広いレベルで用いられる。より深刻な対立状況を示唆する点で、『disagreement』よりも強い意味合いを持つ。
語源
"agree」は、古フランス語の「agréer(喜んで受け入れる、好意的に迎える)」に由来します。さらに遡ると、ラテン語の「ad-(〜へ)」と「gratus(喜ばしい、感謝される)」が組み合わさった「aggrātāre(喜ばせる、感謝する)」にたどり着きます。「ad-」は方向や付加を表し、「gratus」は「感謝」「喜び」「好意」といった意味合いを持ちます。つまり、元々は「相手にとって喜ばしいようにする」というニュアンスがありました。これが時を経て、「同意する」「賛成する」という意味に変化していったのです。日本語でも、相手に「同意します」と言うことは、相手の意見を「喜んで受け入れる」という気持ちを示すことと通じる部分があります。このように考えると、「agree」という単語の根底には、相手への敬意や好意が含まれていることがわかります。
暗記法
「agree」は西洋社会の合意形成を象徴し、単なる同意以上の意味を持ちます。中世の契約社会では法的拘束力を持つ合意として重要視され、個人の権利と責任を明確にする役割を果たしました。シェイクスピア作品にも見られるように、人間関係や物語の展開を左右する言葉でもあります。現代ではビジネスや国際交渉で不可欠ですが、表面的合意でなく相互理解が重要。「agree to disagree」という考え方にも表れているように、意見の相違を認めつつ協力関係を築く姿勢が尊重されます。
混同しやすい単語
『agree』に接尾辞 '-able' がついた形容詞で、意味は『同意できる』『感じの良い』など。『agree』が動詞であるのに対し、『agreeable』は形容詞である点が異なります。発音も母音の強勢の位置が異なるため注意が必要です。日本人学習者は、品詞の違いを意識することで、文法的な誤用を防ぐことができます。
接頭辞 'dis-' がついた反対語で、意味は『反対する』『意見が合わない』。スペルは似ていますが、意味は正反対です。発音も 'dis-' の部分が加わることで変化します。混同すると意味が通じなくなるため、文脈で判断することが重要です。接頭辞 'dis-' は否定や反対の意味を表すことを覚えておくと、他の単語の理解にも役立ちます。
スペルが一部似ており、特に 'gr' の部分が共通しているため、視覚的に混同しやすい。意味は『怒っている』で、感情を表す形容詞です。『agree』とは意味が全く異なるため、文脈で判断することが重要です。発音も大きく異なるため、スペルだけでなく音も意識して区別しましょう。
母音の並びが似ており(ea, ee)、発音も似ているため、特にリスニング時に混同しやすい。『eager』は『熱心な』『〜したがっている』という意味の形容詞で、意味も品詞も異なります。日本人学習者は、発音記号を確認し、それぞれの単語の音を正確に覚えることが重要です。
『agree』の語尾に似た '-gree' が含まれているため、スペルが似ていると感じやすい。意味は『程度』『学位』などで、名詞として使われます。発音も強勢の位置が異なるため、注意が必要です。語源的には、'degree' はラテン語の 'gradus'(段階)に由来し、'agree' とは全く異なるルーツを持っています。
接尾辞 '-culture' がつくことで、'agree'とはスペルが大きく異なるものの、音の響きがいくらか似ているため、特にリスニング時に混乱することがあります。意味は『農業』で、名詞です。'culture' は『文化』という意味でよく知られていますが、ここでは『耕作』の意味合いがあります。語源を理解することで、単語のイメージをつかみやすくなります。
誤用例
日本語の『あなたに同意します』という表現を直訳すると、つい『to』を使ってしまいがちですが、英語では『agree』は『with』という前置詞と組み合わせて『agree with 人』という形で使います。『agree to』は、提案や条件など、具体的な内容に対して同意する場合に使われます。例えば、『I agree to the terms and conditions.(利用規約に同意します)』のように使います。日本人は、対象が『人』である場合に無意識に『to』を選んでしまう傾向がありますが、これは日本語の構造に引きずられた結果と言えるでしょう。英語では、対象が『人』である場合は『with』を使うのが自然です。
相手の発言に対して『I agree』と言うのは、必ずしも相手に寄り添うニュアンスを含みません。特に、その後に反論や異論を続ける場合、『I agree, but...』は、相手に上から目線、あるいは失礼な印象を与える可能性があります。英語圏では、相手の意見を尊重しつつ自分の意見を述べる際に、まず『I see your point(あなたの言いたいことは分かります)』や『I understand where you're coming from(あなたの立場は理解できます)』といった共感を示す表現を使うことが一般的です。これは、直接的な対立を避け、円滑なコミュニケーションを図るための配慮です。日本人は、自分の意見を率直に伝えることを重視する傾向がありますが、英語圏では、相手への配慮を忘れずに、より丁寧な表現を心がけることが重要です。
前の例文と同様に、opinionに対してもagree withを使います。agreeは自動詞であるため、目的語を直接取ることはできません。必ず前置詞が必要です。日本語では『彼の意見に同意しない』のように、目的語を直接取れるため、英語でも同じように考えてしまいがちですが、これは誤りです。英語では、動詞の性質を理解し、適切な前置詞を選ぶことが重要です。また、より洗練された言い方として、『I agree with him, but I disagree with his opinion.』と表現することもできます。これは、同意と不同意をより明確に区別するための表現です。
文化的背景
「agree」は単なる同意を超え、西洋社会における合意形成の重視、個人の自律と他者との協調という二つの価値観の微妙なバランスを象徴しています。それは、互いの意見を尊重しつつ、共通の目標に向かって進むという、民主主義的な社会の理想を体現する言葉なのです。
歴史を遡ると、「agree」は中世の契約社会において、法的拘束力を持つ合意を意味する言葉として重要性を増しました。土地や財産の売買、結婚の誓約など、社会生活の基盤となる約束事を確実にするために、「agree」は不可欠な要素だったのです。この背景には、個人の権利と責任を明確にし、紛争を未然に防ぐという、法治主義の精神が息づいています。シェイクスピアの戯曲など、古典文学においても、「agree」は登場人物間の関係性や物語の展開を左右する重要なキーワードとして用いられてきました。例えば、ロミオとジュリエットの両家間の不和は、「agree」することの難しさ、和解の必要性を痛烈に訴えかけています。
現代社会においては、「agree」はビジネスシーンや国際交渉など、様々な場面で頻繁に用いられます。会議での合意形成、契約書の締結、国際条約の調印など、多岐にわたる状況で、「agree」は関係者間の意思疎通を円滑にし、協力関係を築くための基盤となります。しかし、単に表面的な合意を得るだけでなく、相手の立場や意見を理解し、真に納得した上で「agree」することが、より良い結果を生み出すためには不可欠です。表面的には「agree」していても、内心では不満を抱えている場合、後々問題が発生する可能性もあります。そのため、西洋社会では、率直な意見交換や議論を通じて、相互理解を深めることが重視されます。
また、「agree」は、個人の意見や信念を尊重する文化と深く結びついています。他者と「agree」することは、必ずしも自分の意見を曲げることを意味しません。むしろ、異なる意見を持つ人々が、互いに尊重し合いながら、共通の目標に向かって協力することを目指します。これは、多様性を尊重し、個人の自由を保障する、民主主義社会の根幹をなす価値観です。ただし、単なる「agree」ではなく、「agree to disagree(意見の相違を認めつつ合意する)」という考え方も重要です。これは、意見が一致しない場合でも、互いの違いを尊重し、対話を通じて建設的な関係を維持しようとする姿勢を示しています。このように、「agree」は、西洋社会における合意形成の重視、個人の自律と他者との協調という、二つの価値観の微妙なバランスを象徴する言葉として、深く根付いているのです。
試験傾向
- 出題形式: 語彙問題、長文読解、リスニング
- 頻度と級・パート: 準1級、1級で頻出。特に2級以上で重要。
- 文脈・例題の特徴: 幅広いトピックで登場。フォーマルな議論から日常会話まで。
- 学習者への注意点・アドバイス: 自動詞/他動詞の区別、前置詞(to/with/on)との組み合わせに注意。名詞形(agreement)も重要。
- 出題形式: Part 5 (短文穴埋め)、Part 6 (長文穴埋め)、Part 7 (読解)
- 頻度と級・パート: 頻出。特にPart 5, 6で語彙知識が問われる。
- 文脈・例題の特徴: ビジネス関連の文書(メール、報告書、契約書など)で頻繁に使用される。
- 学習者への注意点・アドバイス: 同意する内容や対象を示す前置詞(to/with)の使い分け。類義語(consent, approve)とのニュアンスの違いを理解。
- 出題形式: リーディング、ライティング
- 頻度と級・パート: アカデミックな文章で頻出。特にリーディングセクション。
- 文脈・例題の特徴: 学術的なトピック(科学、社会科学、歴史など)に関する論文や記事。
- 学習者への注意点・アドバイス: 抽象的な概念や理論に対する同意・合意を示す際に使用されることが多い。名詞形(agreement)も重要。disagreeの用法も確認。
- 出題形式: 長文読解、英作文
- 頻度と級・パート: 難関大学ほど頻出。標準的な単語だが、文脈理解が重要。
- 文脈・例題の特徴: 評論文、物語文など幅広いジャンルで登場。
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する練習が重要。同意する対象や理由を明確に把握する必要がある。agree to, agree with, agree onなどの使い分け。