wind up
専門的な内容に関するご注意
このページには、健康、金融、法律など、専門的な知識を必要とする内容が含まれている可能性があります。本サイトの情報は学習目的で提供されており、専門家による助言の代わりとなるものではありません。重要な判断を行う際には、必ず資格を持つ専門家にご相談ください。
巻き上げる
文字通りにゼンマイやロープなどを巻く動作。比喩的に、計画や活動を(準備段階から)開始・進行させる意味合いでも使われる。例: wind up a project (プロジェクトを立ち上げる)
My little brother happily wound up the toy car so it could race across the floor.
僕の弟は、おもちゃの車が床を走れるように、嬉しそうにぜんまいを巻いた。
※ この例文は、子供がぜんまい仕掛けのおもちゃを「巻き上げる」様子を描いています。おもちゃを巻くことで、それが動き出すという具体的な結果も示されており、「wind up」の物理的な動作が鮮明にイメージできます。過去形は 'wound up' となります。
The old fisherman slowly began to wind up his fishing line, hoping for a big catch.
年老いた漁師は、大物を期待しながらゆっくりと釣り糸を巻き上げ始めた。
※ ここでは、釣り人が「釣り糸を巻き上げる」情景が描かれています。魚を釣り上げるためにリールを回す動作は、「wind up」の非常に典型的な使い方です。期待感を込めた動作が伝わり、臨場感がありますね。
After watering the garden, my mom carefully started to wind up the long hose.
庭に水をやった後、母は長いホースを丁寧に巻き上げ始めた。
※ この例文は、庭仕事の後に「ホースを巻き上げる」という日常的なシーンです。長いものをきれいにまとめるために巻き取る動作は、「wind up」の基本的な意味合いにぴったりです。家事や片付けの場面でもよく使われます。
結局〜になる
意図したわけではない結果や状況に陥ることを表す。しばしば不本意な、あるいは予期せぬ結末を示唆する。例: I wound up working late. (結局、残業することになった)
I just went to buy milk, but I wound up buying a lot of snacks too.
牛乳を買いに行っただけなのに、結局お菓子もたくさん買ってしまった。
※ スーパーで牛乳だけ買うつもりが、誘惑に負けてあれこれカゴに入れてしまった、という日常の「あるある」な状況です。「wind up」は、計画や意図とは異なる結果になった時に「結局〜になった/〜してしまった」という意味でよく使われます。少し残念な気持ちや、意外な結果を表すのにぴったりです。
We planned to finish early, but we wound up working until midnight.
私たちは早く終わる予定だったのに、結局真夜中まで働くことになった。
※ 仕事で「今日は早く帰れるぞ!」と期待していたのに、予期せぬトラブルや追加の仕事で、結局夜遅くまで残業することになった、という疲れた状況です。「wind up」の後に「〜ing」が続く形で「結局〜することになる」という意味で使われることも多いです。計画通りにいかない状況を表現するのに役立ちます。
After traveling for years, she wound up living in a small town by the sea.
何年も旅をした後、彼女は結局、海のそばの小さな町で暮らすことになった。
※ 世界中を旅して色々な場所を見た人が、最終的に安住の地として選んだのが、静かな海の町だった、という人生の落ち着き先を描いています。この「wind up」は、長い道のりや過程を経て、最終的にある場所や状態に落ち着く、というニュアンスで使われています。少し感慨深い気持ちが込められています。
興奮させる
感情や緊張を高める、または人をイライラさせる意味合い。例: Don't wind him up! (彼を興奮させるな!)
My little brother loves to wind me up with silly jokes.
私の幼い弟は、くだらない冗談で私をからかうのが大好きだ。
※ この例文では、弟が姉(または兄)をからかって、わざとイライラさせようとしている様子が目に浮かびます。「wind up (someone)」は、「(人を)からかってイライラさせる、感情を刺激する」というニュアンスでよく使われます。特に兄弟や親しい友人同士で、ちょっとしたいたずらや冗談で相手を刺激する場面で自然です。
Don't let them wind you up before your big presentation.
大事なプレゼンの前に、彼らにからかわれてイライラさせられないようにね。
※ 大事なプレゼンを控えて緊張している人に、誰かが「余計なことに気を取られないで、冷静でいようね」とアドバイスしている場面です。「Don't let (someone) wind you up.」は、「彼らにからかわれてイライラさせられないで」という意味で、相手に冷静さを保つように促す際によく使われます。
His controversial comments really wound up the whole crowd.
彼の物議を醸す発言は、聴衆全体を本当に興奮させた(怒らせた)。
※ この例文は、ある人物の挑発的または意見が分かれる発言が、その場の聴衆全体をざわつかせたり、怒らせたり、強い反応を引き起こしたりする様子を描写しています。「wind up」は、このように議論の的となる発言や行動が、人々の感情を強く揺さぶる(特に怒りや不快感を引き起こす)場合にも使われます。単に「興奮させる」だけでなく、「イライラさせる」「怒らせる」といった意味合いで使われることが多いのが特徴です。
コロケーション
時計やゼンマイ仕掛けのおもちゃなどのネジを巻く
※ 物理的にネジを巻いて動力源を補充する行為を指します。比喩的な意味合いは薄く、文字通りの意味で使用されます。デジタル時計が普及した現代では、機械式の時計やアンティーク品を扱う文脈でよく見られます。また、子供の頃にゼンマイ仕掛けのおもちゃで遊んだ経験がある人にとっては懐かしい響きを持つ表現です。文法的には「wind up + 目的語」の形を取ります。
最終的に(ある場所や状況)に陥る、予期せず〜になる
※ 意図したわけではない結果や、計画外の成り行きを表す際に用いられます。例えば、「一生懸命勉強したのに、最終的に希望の大学に入れなかった」というように、望ましくない結果に対しても使えます。場所を表す場合は、「気がついたら知らない場所にいた」のようなニュアンスです。口語で非常によく使われ、フォーマルな場面には不向きです。類似の表現として "end up" がありますが、"wind up" の方が、より偶発性や意外性が強調される傾向があります。文法的には「wind up in + 場所/状況を表す名詞句」の形を取ります。
結局〜することになる、最終的に〜する羽目になる
※ こちらも「wind up in」と同様に、意図しない結果や成り行きを表しますが、こちらは具体的な行動に焦点が当てられます。「渋滞に巻き込まれ、結局会議に遅刻することになった」のように、好ましくない結果に対して使われることが多いです。"end up doing" とほぼ同義ですが、"wind up doing" の方が、より成り行き任せなニュアンスが強いです。文法的には「wind up doing + 動名詞」の形を取ります。
イベント、会議、プロジェクトなどを締めくくる、終了させる
※ 会議やイベントなどを正式に終了させることを意味します。"wrap up" とほぼ同義ですが、"wind up" の方が、より公式な響きを持つ場合があります。ビジネスシーンでよく使われ、特にプレゼンテーションや会議の終わりに「それでは、これにて終了とさせていただきます」のような意味合いで用いられます。文法的には「wind up + 目的語(イベント/会議/プロジェクト)」の形を取ります。
人をからかう、冗談を言って相手を興奮させる、怒らせる
※ 主にイギリス英語で使われる表現で、誰かをからかったり、冗談を言って相手をからかったりすることを意味します。深刻な怒りというよりは、軽いイライラや興奮を引き出すニュアンスです。例えば、兄弟姉妹をからかうような場面でよく使われます。文法的には「wind + 目的語(人)+ up」の形を取ります。アメリカ英語では "tease" や "kid" がより一般的です。
会社や事業を清算する、解散する
※ 会社や事業を閉鎖し、資産を整理して債務を返済するプロセスを指します。法的な手続きを伴う場合が多く、倒産や事業再編などの状況で用いられます。フォーマルな表現で、ビジネスや法律関連の文書で見かけることが多いです。文法的には「wind up + 目的語(会社/事業)」の形を取ります。
使用シーン
学術論文や研究発表で、特に結論や議論をまとめる際に使われます。例えば、「一連の実験結果は、仮説を支持する結果となった (The series of experiments wound up supporting the hypothesis.)」のように、客観的な事実を述べる文脈で用いられます。文体はフォーマルで、専門分野によっては頻繁に目にすることがあります。
ビジネスシーンでは、プロジェクトの最終段階や結果報告で使われることがあります。「最終的に、この戦略は成功に終わった (This strategy wound up being successful.)」のように、結果を簡潔に伝える際に用いられます。日常的な会話よりは、報告書やプレゼンテーションなどのフォーマルな場面で使われる傾向があります。また、「巻き上げる」の意味で、会社を清算する意味合いでも使われることがあります(例:会社をwind upする)。
日常会話では、「結局〜になる」という意味でよく使われます。「道に迷って、結局駅に戻ってきた (We got lost and wound up back at the station.)」のように、予想外の結果や成り行きを説明する際に便利です。また、「興奮させる」という意味で、「彼は私をいつも興奮させる (He always winds me up.)」のように、感情を表現する際にも使われます。カジュアルな会話で頻繁に登場し、幅広い場面で活用できます。
関連語
類義語
『結論を出す』『終える』という意味で、会議、スピーチ、本などを終わらせる際に使われる。ビジネスや学術的な文脈でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】"wind up"が口語的な表現であるのに対し、"conclude"はよりフォーマルで客観的な印象を与える。 "wind up"には、何かを最終的な状態にする、あるいは(比喩的に)人をある状態に導く、というニュアンスが含まれる。 【混同しやすい点】"wind up"はしばしば予期せぬ結果や過程の終結を暗示するが、"conclude"はより意図的で計画的な終結を示す。また、"conclude"は結論や判断を下すという意味合いも持つため、文脈によっては不自然になる。
『終える』『完了する』という意味で、仕事、食事、課題など、あらゆる活動の終了を表す。日常会話で非常に頻繁に使用される。 【ニュアンスの違い】"wind up"がしばしば間接的な結果や終わり方を示唆するのに対し、"finish"は単純に活動の完了を意味する。 "wind up"は、ある活動が予期せぬ形で終わるか、あるいは特定の状態に達するという含みがある。 【混同しやすい点】"finish"は自動詞としても他動詞としても使えるが、"wind up"は他動詞として使われることが多い。また、"wind up"は比喩的な意味合いで使用されることが多いのに対し、"finish"はより直接的な意味で使用される。
『最終的に〜になる』という意味で、意図しない結果や予期せぬ状況に陥ることを表す。口語的な表現で、日常会話でよく使われる。 【ニュアンスの違い】"wind up"と"end up"は非常によく似た意味を持つが、"wind up"はしばしば他者の行為や状況によってある結果に導かれるニュアンスを含むのに対し、"end up"はより自然な流れや自身の行動の結果としてある状態になることを示す。 【混同しやすい点】"wind up"が他動詞的な用法(〜を終える、〜を巻き上げる)を持つ一方、"end up"は自動詞的な用法しか持たない。また、"end up"はしばしば場所や状況を伴うのに対し、"wind up"はより広範な結果を指すことができる。
『終了させる』『解雇する』という意味で、契約、雇用、妊娠などを公式に終わらせる際に使われる。ビジネスや法律、医療などのフォーマルな文脈で用いられる。 【ニュアンスの違い】"wind up"がよりカジュアルな表現であるのに対し、"terminate"は非常にフォーマルで公式な印象を与える。また、"terminate"はしばしば強制的な終了や中断を意味する。 【混同しやすい点】"wind up"はしばしば自然な流れや成り行きで終わることを示唆するが、"terminate"は意図的な行為によって終わらせることを意味する。また、"terminate"は人の解雇を意味することがあるため、注意が必要。
『閉じる』『終了する』という意味で、店、会議、取引などを終える際に使われる。ビジネスや日常会話で広く使われる。 【ニュアンスの違い】"wind up"がしばしば活動の最終段階や結果を強調するのに対し、"close"は単に活動の終了を意味する。 "wind up"はある出来事が徐々に終わりに近づく過程を示唆することがある。 【混同しやすい点】"close"は物理的な閉鎖(例:店を閉める)と比喩的な意味(例:議論を終える)の両方で使用できるが、"wind up"は主に比喩的な意味で使用される。また、"close"はしばしば一時的な閉鎖を意味することがあるのに対し、"wind up"は最終的な終了を意味することが多い。
『動揺させる』『扇動する』という意味で、人を不安にさせたり、興奮させたりする際に使われる。心理的な状態や政治的な文脈で使われることが多い。 【ニュアンスの違い】"wind up"が『からかう』という意味で使用される場合、"agitate"はより深刻な動揺や不安を引き起こすことを意味する。 "agitate"は、しばしば特定の問題に対する行動を促す意図を含む。 【混同しやすい点】"wind up"が人をからかったり、冗談を言ったりする意味で使われる場合、"agitate"はより強い感情的な反応を引き起こすことを意味する。また、"agitate"はしばしば社会的な問題や政治的な不満に関連して使用される。
派生語
- windlass
『巻き上げ機』『ウインチ』のこと。もともと『wind(巻く)』+古英語の『lass(紐)』が組み合わさった言葉で、紐を巻き取る機械を指す。現代では船や建設現場で使われる専門的な用語だが、『wind up』の物理的な『巻く』という意味合いが色濃く残る派生語と言える。使用頻度は高くない。
『曲がりくねった』という意味の形容詞、または『巻くこと』を意味する名詞。『wind』の現在分詞形が形容詞として転用された。道や川など、物理的に曲がりくねっている様子を表すほか、『winding road(曲がりくねった道)』のように複合語としても使われる。日常会話でも比較的よく使われる。
『風の強い』という意味の形容詞。『wind(風)』に形容詞を作る接尾辞『-y』が付いた形。天候を表す際によく用いられ、日常会話や天気予報などで頻繁に登場する。『wind up』とは直接的な語源関係はないものの、『風』という自然現象が『巻く』イメージを連想させる点で間接的なつながりがある。
反意語
『巻き戻す』『くつろぐ』という意味の動詞。『wind』に否定・反対を表す接頭辞『un-』が付いた形。物理的に巻き戻す意味のほか、比喩的に『緊張を解く』『リラックスする』という意味でも使われる。特に後者の意味は日常会話でよく用いられ、『wind up(緊張する)』の対義語として適切。
『リラックスする』『くつろぐ』という意味の動詞。『wind up』が比喩的に『緊張する』という意味で使われる場合、その直接的な対義語となる。日常会話で非常によく用いられる表現で、『wind up』の比喩的な意味合いを理解する上で重要な語彙。
- calm (down)
『落ち着く』『静まる』という意味の動詞。『wind up』が興奮状態や緊張状態を表す場合、その反対の状態を示す。『Calm down!(落ち着いて!)』のように、命令形としてもよく使われる。日常会話で頻繁に用いられる表現。
語源
"wind up"は、古英語のwindan(巻く、回す)に由来します。これはさらに遡ると、インド・ヨーロッパ祖語の*wendh-(巻く、編む)にたどり着きます。この語根は、現代英語の「wander」(さまよう)や「wend」(向かう)とも関連があります。「up」は方向を示す副詞で、「上へ」という意味だけでなく、「完全に」「終わるまで」といった完了や結果を表す意味合いも持ちます。したがって、「wind up」は文字通りには「巻き上げる」ですが、比喩的には「(何かを)巻き上げて終わらせる」→「結局〜になる」という意味合いに発展しました。また、ゼンマイを巻き上げるイメージから、「(人を)興奮させる」という意味も派生しました。日本語で例えるなら、「ネジを巻く」という表現が、物理的な行為と比喩的な意味の両方を持つ点において類似しています。
暗記法
「wind up」はゼンマイ仕掛けから派生し、時を操るイメージと結びつき、「終わらせる」と「興奮させる」という二つの顔を持つ。感情を巻き上げ、高揚の果てに解放する様は、まるで運命の縮図。シェイクスピア劇では、人生の終焉を嘆く言葉として登場する。イギリスでは「からかう」意味も持ち、ユーモアを交えた親愛の情を表す。感情、運命、社会、文化が絡み合う、奥深い言葉なのだ。
混同しやすい単語
『wind up』の『wind』は動詞として『巻く』という意味ですが、『wind』単体では名詞として『風』という意味もあります。発音も異なり、『巻く』は /waɪnd/、『風』は /wɪnd/ です。日本人学習者は文脈と発音の両方で区別する必要があります。『wind』の語源は古英語の『windan』(巻く)と『wind』(風)に由来し、元々は同じ語源でしたが、意味と発音が分化しました。
『wind』と『find』は、母音字が『i』である点と、子音の並びが似ているため、スペルミスしやすいです。また、どちらも基本的な動詞であるため、文脈によっては意味を取り違える可能性もあります。『find』は『見つける』という意味で、wind upとは全く異なります。 findの語源は古英語の『findan』であり、『遭遇する』という意味合いが元々ありました。
『wind up』を過去形にしようとして『wined up』と誤って書いてしまうことがあります。『wined』は『ワインを飲んだ』という意味になり、wind upの過去形である『wound up』とは全く異なります。発音も異なります。wineの語源はラテン語の『vinum』です。
『wipe』と『wind』は、最初の文字が『w』で始まること、そして短い単語であることから、スペルを混同しやすいです。『wipe』は『拭く』という意味で、wind upとは意味が全く異なります。wipeの語源は古英語の『wipian』です。
『wind』と『wonder』は、どちらも『w』で始まり、発音が似ているため、聞き間違いやスペルミスが起こりやすいです。『wonder』は『驚き』や『不思議に思う』という意味で、wind upとは意味が大きく異なります。wonderの語源は古英語の『wundrian』です。
windとwideは、どちらも短い単語で、語頭の 'wi' が共通しているため、スペルを混同しやすいです。wideは「広い」という意味で、wind upとは意味も品詞も異なります。wideの語源は古英語の『wid』です。
誤用例
日本人は「巻く」「終える」というイメージから、会議を「巻いて終わらせる」という意味で "wind up" を使いがちですが、この場合の "wind up" は「(時計などを)巻く」という意味合いが強く、不自然です。会議やプレゼンなどを「終える」場合は "wrap up" が適切です。"Wind up" は、どちらかというと、活動や組織を「畳む」「解散する」という意味合いが強いことを覚えておきましょう。
確かに "wind up" には「(人を)イライラさせる」という意味もありますが、この文脈では少しカジュアルすぎます。30〜50代の教養ある大人が使うのであれば、よりフォーマルで落ち着いた "irritate" や "annoy" を使う方が適切です。"Wind up" は、どちらかというと、子どもや親しい間柄で使うイメージです。日本語の「むかつく」を直訳して "wind up" を使うと、少し品がない印象を与えてしまう可能性があります。
「最終的に〜になる」という意味で "wind up" を使うのは、文法的には誤りではありませんが、少し不自然です。より自然な英語では "end up" を使います。"Wind up" を使う場合は、"wind up doing something" のように、動名詞を伴うことが多いです(例: He will wind up losing all his money)。日本人は「最後に」「結果として」という言葉に引きずられて "wind up" を選びがちですが、"end up" の方が汎用性が高く、迷ったらこちらを使うのが無難です。
文化的背景
「Wind up」は、元々はゼンマイ仕掛けのおもちゃや時計を巻く行為から派生し、「(物事を)終わらせる」「(人を)興奮させる・怒らせる」という意味を持つに至りました。この語は、時間やエネルギーを制御し、最終的な結果へと導くという概念と深く結びついており、人間の意志や運命を象徴的に表現する言葉として、様々な文化的文脈で使用されてきました。
特に興味深いのは、「wind up」が「終わらせる」という意味と同時に、「興奮させる・怒らせる」という正反対の意味を持つ点です。これは、ゼンマイを巻き上げる行為が、エネルギーを蓄積し、最終的には解放されるという二面性を持つことに由来すると考えられます。ゼンマイを巻き上げる行為は、あたかも人間の感情を徐々に高めていく過程に似ており、その感情が爆発する直前の状態を「wind up」という言葉で表現することで、その緊張感や高揚感をより鮮明に伝えることができます。例えば、スポーツの試合で選手が「wound up」と言われた場合、それは単に試合が終わったという意味だけでなく、選手が最高のパフォーマンスを発揮し、観客を熱狂させたというニュアンスを含んでいることがあります。
また、「wind up」は、しばしば運命や宿命といった概念とも結び付けられます。シェイクスピアの戯曲などでは、登場人物が「wound up」という言葉を使って、自らの運命や人生の終焉を嘆き悲しむ場面が見られます。この場合、「wind up」は、あたかもゼンマイ仕掛けの時計が時を刻み、やがて止まるように、人間の人生もまた、定められた終焉に向かって進んでいくという宿命的なイメージを喚起します。このように、「wind up」は、単なる日常的な表現としてだけでなく、人間の存在や運命といった根源的なテーマを表現するためのメタファーとしても用いられてきたのです。
さらに、イギリス英語では「wind up」は「からかう、冗談を言う」という意味合いも持ちます。これは、相手を「巻き上げる」ようにして、困らせたり、面白がったりする行為を指します。この用法は、ユーモアのセンスを重視するイギリス文化において、相手との親愛の情を示す一種のコミュニケーション手段として用いられてきました。このように、「wind up」は、地域や文化によって異なるニュアンスを持ちながらも、人間の感情や運命、そして社会的なつながりを表現する豊かな語彙として、英語圏の人々に愛用されてきたのです。
試験傾向
1. 出題形式: 語彙問題、長文読解、リスニング。2. 頻度と級: 準1級以上で比較的頻出。3. 文脈・例題の特徴: 日常会話、ニュース記事、エッセイなど多様。4. 学習者への注意点・アドバイス: 「結局〜になる」「(ネジなどを)巻く」など複数の意味を理解し、文脈で判断する必要がある。特に「wind up doing」の形に注意。
1. 出題形式: Part 5(短文穴埋め)、Part 7(長文読解)。2. 頻度と級: 頻出ではないが、時々見られる。3. 文脈・例題の特徴: ビジネスシーン、会議、プロジェクト関連の文章。4. 学習者への注意点・アドバイス: 「〜を終わらせる」「(会社などを)解散する」の意味で使われることが多い。類似表現「wrap up」との使い分けを意識。
1. 出題形式: リーディングセクション。2. 頻度と級: 比較的頻出。3. 文脈・例題の特徴: アカデミックな文章、科学、歴史、社会科学など。4. 学習者への注意点・アドバイス: 「結局〜になる」の意味で、結果や結論を導く文脈で使われることが多い。パラフレーズ(言い換え)にも注意。
1. 出題形式: 長文読解、文法・語彙問題。2. 頻度と級: 大学のレベルによるが、難関大学ほど頻出。3. 文脈・例題の特徴: 説明文、論説文、物語など。4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する能力が重要。「wind up」の持つ複数の意味を理解し、文脈に応じて適切に解釈する必要がある。イディオムとしての用法も覚えておくこと。