tackle
第1音節にアクセントがあります。/æ/ は日本語の「ア」と「エ」の中間のような音で、口を大きく開けて発音します。語尾の /əl/ は、舌先を上の歯茎につけて発音する「ル」に近い音ですが、母音を伴わないため、曖昧母音(シュワー)に近い音になります。日本語の「ル」のように強く発音しないように注意しましょう。
取り組む
問題や困難な状況に対して、積極的に対処を始めること。計画を立て、実行に移すニュアンスを含む。例:tackle a problem, tackle a project
I decided to tackle the difficult grammar problem in my English textbook.
私は英語の教科書に出てくる難しい文法の問題に取り組むことに決めました。
※ 机に向かって、少し頭を悩ませながらも「よし、この難しい問題に挑戦しよう!」と決意する学習者の姿が目に浮かびますね。tackleは、このように少し難しいことや、手ごわいと感じる課題に『積極的に立ち向かう』時にぴったりの言葉です。
She bravely decided to tackle her first big project at the new company.
彼女は新しい会社で初めての大きなプロジェクトに勇敢に取り組むことを決意しました。
※ 新しい会社で、初めて任される大きな仕事に少し緊張しつつも、やる気に満ちて『さあ、やってやるぞ!』と意気込む様子が伝わります。tackleは、新しい挑戦や責任のある仕事に『意欲を持って取り組む』ニュアンスをよく表します。bravely(勇敢に)という言葉が、その決意を際立たせていますね。
The town decided to tackle the problem of plastic waste in the river.
その町は、川のプラスチックごみ問題に取り組むことを決めました。
※ 汚れた川を見て、どうにかしたいと願う住民たちが集まり、協力して問題解決に乗り出す情景が思い浮かびます。tackleは、このように個人だけでなく、地域や国、企業などの組織が社会的な課題や問題に『真剣に解決策を見つけようと努力する』際にも頻繁に使われる、とても自然な表現です。
タックルする
主にスポーツ(特にアメリカンフットボールやラグビー)で、相手選手に組み付いて倒すこと。比喩的に、議論や競争で相手を打ち負かす意味でも使われる。
The big rugby player had to tackle his opponent to stop him from scoring.
その大きなラグビー選手は、相手が得点するのを止めるためにタックルしなければならなかった。
※ この例文は、ラグビーやアメリカンフットボールで「相手選手を阻止する」という、'tackle'の最も典型的で力強い使い方を描写しています。試合の緊迫感と、選手が必死に相手を止める状況が目に浮かびますね。まさに、この単語の「動きを止める」という核となる意味がよくわかります。
The defender bravely slid to tackle the ball away from the attacker's feet.
ディフェンダーは勇敢にスライディングして、攻撃者の足元からボールをタックルで奪った。
※ サッカーの試合で、ディフェンダーがボールを奪うために「スライディングタックル」をする場面です。ラグビーなどと異なり、サッカーでは主にボールを狙ってタックルします。相手の足元に飛び込み、ボールを奪い取る「勇敢さ」と、ボールを「奪い取る」という行動が伝わりますね。
My little brother loves to run and tackle our dad when he comes home from work.
僕の幼い弟は、お父さんが仕事から帰ってくると、走ってタックルするのが大好きだ。
※ 'tackle'は、スポーツの場面だけでなく、子供が親に抱きつくように飛びつく、といった愛らしい「タックル」にも使われます。ここでは、お父さんに会えて嬉しい気持ちが、元気いっぱいの「タックル」という行動で表現されています。日常の温かい一コマが目に浮かびますね。
取り組み
対処すべき問題や課題。または、それに対する具体的な対策や行動計画。例:a new tackle on climate change(気候変動への新たな取り組み)
Her tackle to learn English every day showed great effort.
毎日英語を学ぶ彼女の取り組みは、多大な努力を示していました。
※ この例文は、個人が目標達成のために真剣に努力する様子を描写しています。例えば、仕事が忙しい中で、それでも毎日少しずつ英語を勉強する、といった状況が目に浮かびます。「Her tackle to learn English」で「英語を学ぶ彼女の取り組み」と、その努力自体を名詞として表現しています。
The company showed a strong tackle to reduce waste in factories.
その会社は、工場での廃棄物削減に向けた強力な取り組みを示しました。
※ 企業や組織が社会的な課題やビジネス上の問題に対して、積極的に対処する「取り組み」を表す典型的な使い方です。ここでは「環境問題への真剣な姿勢」が伝わります。「a strong tackle」のように、どのような「取り組み」なのかを示す形容詞が前につくことが多いです。
It was a difficult tackle for the team to finish the big project on time.
そのチームにとって、その大きなプロジェクトを期限内に終えることは困難な取り組みでした。
※ チームやグループが直面する、挑戦的で骨の折れる「取り組み」を表現しています。締め切りが迫る中、メンバーが協力して課題に立ち向かう緊迫感が伝わってきます。「It was a difficult tackle for someone to do something」の形で、「誰かにとって何かをするのは大変な取り組みだった」という状況を表す際によく使われます。
コロケーション
問題・課題・難題に取り組む、対処する
※ 「tackle」の最も一般的なコロケーションの一つで、困難な状況に対して積極的に立ち向かう意味合いを持ちます。スポーツのタックルと同様に、問題に正面からぶつかって解決しようとするイメージです。ビジネスシーンや学術的な文脈で頻繁に使われ、口語でもフォーマルな場面でも通用します。似た表現に 'address a problem' がありますが、'tackle' の方がより積極的で、具体的な行動を伴うニュアンスが強くなります。
(問題などに)真っ向から取り組む、正面から立ち向かう
※ 副詞句 'head-on' を伴うことで、問題や困難を避けることなく、直接的に対処する姿勢を強調します。文字通り「頭からぶつかる」イメージで、強い決意や積極性を示したい場合に適しています。ビジネスシーンや政治的な議論でよく用いられます。例えば、'We need to tackle this issue head-on.'(この問題に真っ向から取り組む必要がある)のように使います。
~という問題に取り組む、~という問題を検討する
※ 「tackle」は抽象的な「question」とも組み合わせて使われ、ある問題について深く考察し、検討するという意味合いになります。単に問題を解決するだけでなく、その問題の根本的な原因や影響を理解しようとするニュアンスが含まれます。学術論文やレポート、プレゼンテーションなどでよく見られる表現です。'We need to tackle the question of climate change.'(気候変動の問題に取り組む必要がある)のように使われます。
汚職・犯罪を取り締まる、撲滅する
※ 社会的な不正や犯罪に対して、積極的に対処し、根絶しようとする意味合いを持ちます。警察や政府機関などが、汚職や犯罪組織に対して取り締まりを行う状況でよく使われます。'The government is determined to tackle corruption.'(政府は汚職撲滅に力を入れている)のように使われます。
(スポーツで)選手にタックルする、組み付く
※ 文字通りの意味で、ラグビーやアメリカンフットボールなどのスポーツにおいて、相手選手にタックルする行為を指します。この場合、「tackle」は物理的な接触を伴う行動を表します。比喩的な意味合いの語源となった表現です。スポーツニュースや解説などで頻繁に使われます。
仕事や課題に着手する、取りかかる
※ 比較的容易なタスクに対しても使用できますが、ある程度の努力や集中力を要する仕事や課題に取り組む際に使われることが多いです。'I'm going to tackle that report this afternoon.' (今日の午後にそのレポートに取り掛かるつもりだ) のように使われます。 'undertake a task' と似た意味ですが、'tackle' の方がより実践的なニュアンスを持ちます。
~に取り組むための資金
※ ある問題や課題に対処するために割り当てられた資金を指します。政府や非営利団体が特定のプロジェクトやプログラムを支援するために提供する資金について言及する際によく用いられます。'Funding to tackle homelessness' (ホームレス問題に取り組むための資金)のように使われます。
使用シーン
学術論文や研究発表で頻繁に使用されます。「~という問題に取り組む」のように、研究課題や解決すべき問題点を明確に示す際に用いられます。例えば、経済学の研究で「インフレの根本原因にtackleする(取り組む)」といった表現が使われます。
ビジネスシーンでは、プロジェクトや課題への取り組みを示す際に使われます。例えば、会議で「新しい市場への参入にtackleする(取り組む)」というように、具体的な目標達成に向けた行動計画を説明する際に用いられます。また、問題解決の文脈で、「ボトルネックにtackleする(取り組む)」という表現も使われます。
日常会話では、スポーツの話題以外ではあまり使われません。例えば、「人生の課題にtackleする(取り組む)」のように、困難な状況や個人的な問題に立ち向かうという意味で使われることがあります。ただし、やや硬い表現なので、より口語的な表現が好まれる傾向があります。
関連語
類義語
『問題や課題に取り組む』という意味で、フォーマルな場面やビジネスシーンでよく用いられる。名詞としても動詞としても使用可能。 【ニュアンスの違い】『tackle』よりも知的、戦略的なアプローチのニュアンスが強い。問題の根本原因に焦点を当て、解決策を探るという含みがある。 【混同しやすい点】『address』は名詞として住所の意味で非常によく使われるため、文脈によって意味を判断する必要がある。また、他動詞として『〜に話しかける』という意味もある。
『問題や状況を処理する』という意味で、日常会話からビジネスまで幅広く使われる。問題に対処する、操作する、扱うといった意味合いを持つ。 【ニュアンスの違い】『tackle』よりも問題の規模が小さい、または具体的な作業を伴う場合に用いられることが多い。問題を管理し、円滑に進めるというニュアンス。 【混同しやすい点】『handle』は名詞として『取っ手』の意味もあるため、文脈によって意味を判断する必要がある。また、感情や状況を『handle』する場合は、よりコントロールするという意味合いが強くなる。
『問題や困難に立ち向かう』という意味で、より直接的で積極的な姿勢を示す。困難や敵意に直面するニュアンスがある。 【ニュアンスの違い】『tackle』よりも対立や衝突の要素が強く、困難を乗り越える強い意志を示す。精神的な強さや勇気が伴う場合に使用される。 【混同しやすい点】『confront』は、人に対して直接的に対峙するという意味合いも含むため、使い方によっては攻撃的な印象を与える可能性がある。問題の内容によっては不適切な場合がある。
- grapple with
『困難な問題や課題に苦闘する』という意味で、解決が難しい問題に粘り強く取り組む様子を表す。自動詞。 【ニュアンスの違い】『tackle』よりも問題の複雑さや解決の難しさを示唆し、長期にわたる努力や苦労を伴うニュアンスがある。 【混同しやすい点】『grapple with』は必ず『with』を伴う自動詞であり、目的語を直接取ることはできない。また、格闘技などで組み合うという意味もあるため、文脈に注意。
- deal with
『問題や状況を処理する、対処する』という意味で、日常会話で非常によく使われる。幅広い状況で使用できる汎用性の高い表現。 【ニュアンスの違い】『tackle』よりも問題の深刻さが低く、日常的な問題やタスクを処理するというニュアンス。形式ばらない場面でよく用いられる。 【混同しやすい点】『deal with』は、人に対して使う場合は『〜と取引する』という意味になる場合がある。また、『deal』には名詞として『取引』や『量』などの意味もあるため、文脈によって意味を判断する必要がある。
- wrestle with
『難しい問題や決断に苦心する』という意味で、精神的な葛藤や苦悩を伴う場合に使われる。自動詞。 【ニュアンスの違い】『tackle』よりも内面的な苦しみや葛藤が強調され、結論を出すまでに時間がかかることを示唆する。深刻な問題や倫理的なジレンマに対して用いられることが多い。 【混同しやすい点】『wrestle with』は、物理的に組み合って戦うという意味もあるため、文脈によって意味を判断する必要がある。また、必ず『with』を伴う自動詞であり、目的語を直接取ることはできない。
派生語
『攻撃する』という意味の動詞および『攻撃』という意味の名詞。もともと『tack』は『取り組む』という意味合いがあり、そこから『相手に積極的に働きかける』という意味に発展。日常会話から軍事、スポーツ、ビジネスまで幅広い文脈で使用される。語源的には、古フランス語の『estachier(取り付ける)』に由来し、『固定する』という原義から『(敵に)取り付く』イメージへ変化した。
『愛着』『付属品』などを意味する名詞。動詞『attach(取り付ける)』に名詞化接尾辞『-ment』が付いた形。『tackle』の原義である『取り組む』『固定する』から派生し、『物理的に何かを取り付けること』、比喩的に『感情的なつながり』を表す。ビジネスシーンでは『添付ファイル』の意味でも頻繁に使用される。
『取り外す』『分離する』という意味の動詞。接頭辞『de-(分離)』が『attach』に付いた形。物理的な分離だけでなく、感情的な距離を置く意味でも使われる。例えば、『detach oneself from a problem(問題から距離を置く)』のように。学術論文やニュース記事など、客観性が求められる文脈でよく見られる。
反意語
『避ける』という意味の動詞。『tackle』が問題や困難に積極的に立ち向かうのに対し、『avoid』はそれらを意図的に避けることを意味する。日常会話からビジネス、学術的な議論まで幅広く使用される。例えば、『tackle a problem head-on(問題に正面から取り組む)』の対義語として『avoid a problem altogether(問題を完全に避ける)』のように用いられる。
『(巧みに)避ける』『逃れる』という意味の動詞。『avoid』よりも策略や欺瞞のニュアンスが強い。『tackle』が困難に正面から向き合うのに対し、『evade』は責任や義務から逃れることを示唆する。法律や政治関連のニュース記事でよく見られる。例えば、『evade taxes(脱税する)』のように。
『無視する』という意味の動詞。『tackle』が問題に積極的に取り組むのに対し、『ignore』は問題の存在自体を認識しない、または意図的に無視する態度を表す。日常会話からビジネスシーン、学術研究まで幅広く使われる。例えば、『tackle the issue of climate change(気候変動問題に取り組む)』の対義語として『ignore the warnings about climate change(気候変動に関する警告を無視する)』のように用いられる。
語源
「tackle」の語源は定かではありませんが、中英語の「takel」(道具、装備)に遡ると考えられています。これは、古英語の「tācen」(印、象徴)に関連し、さらにゲルマン祖語の「*taikna-」(印、兆候)に由来すると推定されています。元々は船具や道具といった意味合いで使われていましたが、そこから「取り組むための道具」というニュアンスを経て、「問題に取り組む」「人にタックルする」といった現代的な意味へと発展しました。日本語の「段取り」という言葉が、物事を進めるための準備や手順を意味するのと似たように、「tackle」も元々は何かを成し遂げるための「道具立て」というイメージから派生したと考えられます。
暗記法
「tackle」は元々、船具に由来し、困難に立ち向かう「手段」を意味しました。フットボールでは相手を阻止する重要な戦術となり、積極性と対決のイメージを強めました。文学では人生の壁に挑む主人公の勇気を象徴し、社会的不正に立ち向かう人々の決意を表します。現代では、企業が市場の課題に挑み、個人が自己啓発に励む姿を「tackle」と表現し、目標達成への積極的な姿勢を称えます。
混同しやすい単語
発音が非常に似ており、特に語尾の「-kle」の部分が同じであるため、聞き間違えやすい。意味は「くすぐる」という動詞、または「くすぐったさ」という名詞であり、「tackle」(取り組む、タックルする)とは全く異なる。日本人学習者は、文脈から判断するだけでなく、発音を正確に区別する練習が必要。
最初の部分の「tack-」が共通しているため、スペルと発音の両方で混同しやすい。意味は「鋲(びょう)」や「方針」などであり、「tackle」とは意味が大きく異なる。発音も「tackle」の「-le」が曖昧母音であるのに対し、「tack」は短い「æ」の音であるため、注意が必要。
スペルが似ており、「h」と「t」の違いだけであるため、視覚的に混同しやすい。意味は「(鳥の)首の羽毛」や「怒らせる」という動詞であり、「tackle」とは全く異なる。発音も「hackle」は「ハックル」に近い音であるため、注意して区別する必要がある。
スペルの中に「t」「a」「k」が含まれており、「tackle」と視覚的な類似性がある。また、「l」の音が脱落する発音(/tɔːk/)と、「tackle」の曖昧母音の「l」の音が混同される可能性がある。意味は「話す」であり、品詞も異なるため、文脈で判断することが重要。
スペルの中に「t」「a」が含まれていること、および音節数が同じ2音節であることから、発音の際に混同される可能性がある。意味は「合計」や「総計」であり、「tackle」とは大きく異なる。ただし、スポーツの実況などで「total tackle」のように使われることもあるため、文脈に注意。
スペルがやや似ており、どちらも「-ckle」という語尾を持つ。意味は「へつらう」であり、あまり一般的な単語ではないため、出会う機会は少ないかもしれないが、念のため注意が必要。発音も異なるため、音で区別することが重要。
誤用例
日本語の『取り組む』という言葉から『tackle』を安易に使うと、文脈によっては不自然になります。『tackle』は元々ラグビーなどで相手に組み付くイメージで、問題に力ずくでぶつかるニュアンスが強い単語です。ここでは、よりフォーマルで一般的な『address』を使う方が適切です。日本人が『取り組む』を幅広く解釈しすぎる傾向が原因と考えられます。ビジネスや学術的な文脈では、問題解決には『address』、より積極的に対処するなら『confront』などが適しています。
ここでの『tackle』は、物理的に組み付く意味ではなく、比喩的に『対処する』という意味で使おうとしていますが、やはり不適切です。『tackle』が持つ『力ずくで阻止する』というニュアンスが、質問をかわす、論点をそらすといった意味合いにはそぐわないためです。ここでは、相手の攻撃を巧みにかわす意味合いの『parry』が適切です。日本人は『対処する』を全て『tackle』で表現しようとしがちですが、英語では状況に応じて適切な動詞を選ぶ必要があります。特に、相手の攻撃を防御するような場合には、『parry』や『deflect』などがより自然です。
『tackle』を『食べる』という意味で使うのは、非常に不自然です。『tackle』は何か困難なことや挑戦的なことに取り組む際に使う単語であり、食事に対して使うと、まるで食事を攻略するかのような印象を与えてしまいます。ここでは、カジュアルに『grab』を使うのが適切です。日本人は『(食事に)取り組む』という発想から『tackle』を選んでしまいがちですが、英語では食事は『grab』や『get』、『have』など、より軽く表現するのが一般的です。また、フォーマルな場面では『Let's have dinner』などと言う方が良いでしょう。
文化的背景
「tackle」という言葉は、元来、物理的な「取り組み」や「道具」を意味していましたが、現代英語においては、困難な問題や課題に果敢に立ち向かう姿勢、またはフットボールなどのスポーツで相手選手を阻止する行為を指すことが多く、積極性と対決のイメージを強く含んでいます。この語は、個人の努力やチームワークが重視される文化において、目標達成のために障害を乗り越えるという価値観を体現するものとして、広く用いられてきました。
「tackle」の語源を遡ると、船の帆を操作するためのロープや滑車といった「道具一式」を意味する言葉にたどり着きます。そこから派生して、具体的な問題や課題に取り組むための「手段」や「方法」といった意味合いを持つようになりました。さらに、現代的な用法としては、ビジネスシーンにおける難題への取り組みや、スポーツにおける相手選手への果敢なタックルなど、より積極的で対決的な意味合いが加わっています。特に、アメリカンフットボールにおいては、「tackle」は守備側の重要な戦術であり、相手の攻撃を阻止し、ゲームの流れを変えるための不可欠なプレーとして認識されています。このスポーツにおける「tackle」の重要性は、「tackle」という言葉が持つ積極性と対決のイメージをさらに強化する役割を果たしています。
文学作品においても、「tackle」はしばしば困難な状況に立ち向かう主人公の姿勢を描写するために用いられます。例えば、人生の壁に直面した人物が、自らの弱さと向き合い、困難な問題に積極的に取り組む姿を描く際に、「tackle」という言葉が用いられることがあります。また、社会的な不正や不平等に立ち向かう人々を描写する際にも、「tackle」は勇気と決意を象徴する言葉として用いられます。このように、「tackle」は単なる物理的な行為を表すだけでなく、精神的な強さや決意を象徴する言葉としても機能しているのです。
現代社会においては、「tackle」は個人レベルから組織レベルまで、様々な場面で用いられています。例えば、企業が新たな市場に参入する際には、「市場の課題にtackleする」という表現が用いられます。また、個人が自己啓発のために新たなスキルを習得する際には、「苦手な分野にtackleする」という表現が用いられます。このように、「tackle」は目標達成のために積極的に行動するという意味合いを持ち、現代社会における成功の鍵となる要素の一つとして認識されています。この言葉は、困難な状況に臆することなく、果敢に立ち向かう姿勢を称賛する文化を反映していると言えるでしょう。
試験傾向
1. 出題形式: 主に語彙問題、長文読解。稀にリスニング。
2. 頻度と級・パート: 準1級・1級で頻出。2級でも稀に出題。
3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、環境問題、科学技術など幅広いテーマで、動詞・名詞として登場。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 動詞としての「取り組む」「対処する」、名詞としての「タックル」「用具」の意味を区別。長文読解では文脈から意味を判断する練習が重要。
1. 出題形式: Part 5(短文穴埋め)、Part 7(長文読解)。
2. 頻度と級・パート: 頻出。特にPart 7で、ビジネスシーンでの問題解決やプロジェクトに関する文脈で登場しやすい。
3. 文脈・例題の特徴: 問題解決、困難な状況への対処、計画、戦略などビジネス関連の文脈。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 「deal with」「address」など類似表現との使い分けを理解。「tackle a problem/issue」のように、具体的な問題と組み合わせて覚える。
1. 出題形式: リーディングセクション。
2. 頻度と級・パート: 頻出。アカデミックな内容の長文で登場。
3. 文脈・例題の特徴: 環境問題、社会問題、歴史、科学技術などアカデミックなテーマで、問題や課題に取り組む文脈で使われる。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 動詞としての「取り組む」「対処する」という意味で、より学術的な文脈で使用されることが多い。名詞の用法は稀。文脈から正確に意味を把握する練習が重要。
1. 出題形式: 長文読解、語彙問題(同意語選択、空所補充)。
2. 頻度と級・パート: 難関大学で頻出。標準的なレベルの大学でも出題される可能性あり。
3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、環境問題、科学技術、歴史など幅広いテーマで、評論や説明文でよく使われる。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 動詞としての「取り組む」という意味を基本として、文脈に応じて柔軟に解釈する。類義語(address, confront, handle)とのニュアンスの違いも理解しておくと有利。