religious
第2音節にアクセント(ˈ)があります。最初の 'i' は曖昧母音/ɪ/で、日本語の『イ』よりも弱く短く発音します。'gious' の部分は、/dʒəs/と発音され、日本語の『ジャス』に近いですが、より口を丸めて発音するとより正確です。'dʒ'は有声後部歯茎破擦音で、日本語の『ヂ』に近い音ですが、舌の位置が少し異なります。語尾の 'us' の母音も曖昧母音/ə/で、弱く短く発音します。
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信仰心の厚い
神や宗教を深く信じ、その教えを生活の中心にしている様子。単に宗教を信じているだけでなく、熱心に信仰を実践しているニュアンスを含む。
My grandmother is very religious and prays every morning.
私の祖母はとても信仰心が厚く、毎朝お祈りします。
※ おばあちゃんが静かに手を合わせ、真剣な表情でお祈りしている姿を想像してみてください。「is very religious」は、その人の性格や習慣を説明する典型的な言い回しです。毎日行われる行動が、その人の信仰の深さを示しています。
John is a very religious person, so he always goes to church on Sundays.
ジョンはとても信仰心が厚い人なので、いつも日曜日に教会に行きます。
※ ジョンさんが毎週日曜日に教会へ向かう、まじめな姿が目に浮かびますね。「a very religious person」は、特定の人物の性質や信念の深さを表す際によく使われます。「so」を使って、信仰心が厚いこととその行動が結びついていることを示しています。
Their family is very religious and celebrates all holidays together.
彼らの家族はとても信仰心が厚く、祝日はいつも一緒に過ごします。
※ 家族みんなで、宗教的な意味を持つ祝日を大切に、温かく過ごしている情景が伝わってきますね。「Their family is very religious」のように、家族やグループ全体が信仰心が厚いことを表現することもできます。信仰が日常生活や家族の絆にどう影響しているかを示す例文です。
宗教的な
宗教に関連すること全般を指す。儀式、建物、音楽、美術など、幅広い対象に使用可能。信仰心の有無に関わらず、宗教という文化的な側面に着目した表現。
My grandmother is a very religious person and prays every morning.
私の祖母はとても信心深い人で、毎朝お祈りします。
※ この例文では、おばあちゃんが毎朝静かにお祈りしている姿が目に浮かびますね。「religious person」は「宗教的な人」、つまり「信心深い人」という意味で、ある人が宗教的な信念を持っていることを表す、とても自然で一般的な表現です。
We visited an old temple with many beautiful religious statues.
私たちは美しい宗教的な像がたくさんある古いお寺を訪れました。
※ 旅行中に、古いお寺や教会で、美しい仏像やキリスト教の像をじっと見ている情景が目に浮かびますね。「religious statues」のように、「religious + 名詞」で「宗教に関連する〇〇」を表すことができます。例えば「religious art(宗教芸術)」や「religious music(宗教音楽)」なども同じ使い方です。
Many families celebrate religious holidays together, like Christmas or Easter.
多くの家族が、クリスマスやイースターのような宗教的な祝日を一緒に祝います。
※ 家族みんなでクリスマスツリーを飾ったり、イースターエッグを探したりして楽しんでいる賑やかな場面を想像してください。「religious holidays」は、キリスト教のクリスマスやイースター、イスラム教のイードなど、宗教に由来する祝日全般を指す、非常に一般的な表現です。日常生活でよく耳にする言い方ですよ。
厳格な
規則や教義に厳密に従う様子。特に、宗教的な戒律や道徳観に関して、妥協を許さない姿勢を表す。
My grandmother is very religious about dinner time.
私の祖母は夕食の時間にとても厳格です。
※ この例文は、おばあちゃんがいつも食事の時間をきっちり守り、少しでも遅れると気になる、といった情景を思い浮かばせます。「be religious about X」は「Xに関して厳格である」という意味で、時間や約束事、習慣などに対して非常に真面目で忠実な態度を表す、典型的な使い方です。
My father is religious about his morning jog, even on weekends.
私の父は毎朝のジョギングを厳格に守っていて、週末でさえも欠かしません。
※ この文では、お父さんがたとえ休日でも、毎朝のジョギングを絶対に欠かさない、という強い習慣と意志が伝わります。個人の日課や健康習慣など、「自分で決めたこと」を真面目に守り抜く様子を表すのにピッタリの例文です。
Our new teacher is religious about the classroom rules.
私たちの新しい先生は、教室のルールにとても厳格です。
※ 新しい先生が、授業中のルールやマナーを徹底的に守らせようとしている情景が目に浮かびます。ここでは「規則や原則」に対して、妥協を許さない厳しさを持つ人を表す際に使われています。このように、人が何かに「厳格である」という態度を示す場面でよく使われます。
コロケーション
宗教的信念
※ 個人の特定の宗教に対する信仰心や、その宗教が教える教義や価値観への確信を指します。 'belief' は、単なる知識ではなく、感情や行動を伴う深い確信を表します。文脈によっては 'faith' (信仰) と置き換え可能ですが、'belief' はより客観的な視点を含むことがあります。例えば、社会調査などで『宗教的信念の有無』を尋ねる際に用いられます。
宗教共同体
※ 共通の宗教的信念や実践を共有する人々の集団。教会、寺院、モスクなどの組織化された団体だけでなく、特定の信仰に基づいた生活を送る人々の緩やかなつながりも含まれます。この表現は、単に『宗教的な人々』というよりも、相互扶助や共同活動を行う集団としての側面を強調します。社会学や人類学の研究で頻繁に用いられます。
信教の自由
※ 個人が自由に宗教を選択し、信仰を持ち、実践する権利。多くの国の憲法で保障されており、人権の重要な要素とされています。 'freedom of religion' とも表現されますが、 'religious freedom' はより一般的で、政治的な議論や報道で頻繁に使われます。ただし、信教の自由は、他者の権利を侵害したり、社会の秩序を乱したりする行為を正当化するものではありません。
宗教指導者
※ 特定の宗教において、信者たちを指導し、教義を解釈し、宗教的な儀式を執り行う役割を担う人物。牧師、僧侶、ラビ、イマームなどが含まれます。単に『宗教的な人』ではなく、共同体における権威や責任を持つ人物を指します。報道や歴史研究でよく用いられます。
宗教的体験
※ 神や超越的な存在との直接的な接触、または深い精神的な覚醒を伴う体験。個人的な信仰を深めたり、人生観を大きく変えたりする可能性があります。 'spiritual experience' (精神的な体験) と類似していますが、 'religious experience' は特定の宗教の枠組みの中で解釈されることが多いです。心理学や宗教学の研究対象となります。
宗教教育
※ 宗教に関する知識や価値観を教えること。学校教育の中で宗教の歴史や倫理を教える場合や、宗教団体が信者に対して教義や儀式を教える場合などがあります。 'faith-based education'(信仰に基づく教育)と関連しますが、'religious education' はより広い意味を持ち、必ずしも特定の信仰を奨励するものではありません。議論の的となることも多い表現です。
非常に信心深い
※ 'deeply' は程度を表す副詞で、 'religious' を強調します。単に宗教を信じているだけでなく、日常生活のあらゆる面で宗教的な信念を実践し、その価値観に従って生きている人を指します。 'devoutly religious' (敬虔な) とほぼ同義ですが、 'deeply religious' はより一般的な表現です。人物評などで用いられます。
使用シーン
宗教学、歴史学、社会学などの分野の研究論文や講義で頻繁に使用されます。「宗教的信念が社会構造に与える影響」や「特定の宗教儀式における象徴的意味」などを分析する際に用いられます。文語的で、客観的な分析が求められる場面で使われます。
ビジネスシーンでは、多様性(ダイバーシティ)に関する議論や、国際的なビジネスを行う上で異文化理解が必要な場面で使われることがあります。「宗教的な理由による服装規定」や「宗教的祝祭日を考慮したスケジュール調整」など、特定の宗教に関連する事柄を扱う際に比較的フォーマルな文脈で使用されます。
日常会話ではあまり使われませんが、ニュースやドキュメンタリー番組などで宗教関連の話題に触れる際に耳にする可能性があります。「宗教的な理由で特定の食品を避ける」や「宗教的な行事に参加する」といった具体的な行動を説明する際に使われることがあります。やや硬い印象を与えるため、カジュアルな会話では別の表現が好まれる傾向があります。
関連語
類義語
信心深い、敬虔なという意味で、個人の信仰心や宗教的実践に重点を置く。形容詞。 【ニュアンスの違い】"religious"よりも個人的な信仰の深さや熱心さを強調する。内面的な信仰心を表す際に適しており、形式的な宗教的義務の遵守よりも、個人の精神性に焦点を当てる。 【混同しやすい点】"religious"はより広範な宗教制度や教義に関連するのに対し、"devout"は個人の信仰心に特化している。例えば、"religious scholar"(宗教学者)とは言うが、"devout scholar"とは通常言わない。
信心深い、敬虔なという意味だが、時に偽善的なニュアンスを含むことがある。形容詞。 【ニュアンスの違い】"devout"と同様に信仰心を表すが、"pious"は時に過度に信心深い様子や、それを表面的に誇示するような印象を与えることがある。そのため、文脈によっては否定的な意味合いを持つ。 【混同しやすい点】"pious"は、良い意味でも悪い意味でも使われる可能性がある。肯定的には、深い信仰心を持つ人を指すが、否定的には、信仰を装って他人を欺く人を指すことがある。使用する際には注意が必要。
精神的な、霊的なという意味で、宗教的な枠組みを超えた広い意味での精神性や心の状態を指す。形容詞。 【ニュアンスの違い】"religious"が特定の宗教の教義や慣習に従うことを意味するのに対し、"spiritual"はより個人的で普遍的な精神的探求を指す。宗教に縛られない精神的な成長や心の平和を求める際に用いられる。 【混同しやすい点】"religious"は特定の宗教に関連するが、"spiritual"は必ずしも宗教を必要としない。例えば、瞑想や自然との触れ合いを通じて精神的な充足感を得ることは、"spiritual experience"(精神的な経験)と呼ばれるが、必ずしも"religious experience"(宗教的な経験)とは言えない。
- ecclesiastical
教会の、聖職者のという意味で、教会の組織や制度、聖職者に関連する事柄を指す。形容詞。 【ニュアンスの違い】"religious"が宗教全般を指すのに対し、"ecclesiastical"はキリスト教の教会組織に特化した言葉である。よりフォーマルで専門的な文脈で使用される。 【混同しやすい点】"religious history"(宗教史)は様々な宗教の歴史を指すが、"ecclesiastical history"(教会史)はキリスト教の教会の歴史を指す。使用範囲が異なる点に注意。
神聖な、聖なるという意味で、宗教的な意味で特別な価値を持つもの、尊敬されるべきものを指す。形容詞。 【ニュアンスの違い】"religious"が宗教に関連する一般的な概念であるのに対し、"sacred"は宗教的な意味で非常に重要で、尊重されるべき対象を指す。感情的な重みや畏敬の念を伴うことが多い。 【混同しやすい点】"religious building"(宗教的な建物)は教会、寺院、モスクなどを含むが、"sacred building"(聖なる建物)は特に宗教的に重要な意味を持つ建物を指す。単なる宗教施設以上の意味合いを持つ。
神聖な、聖なるという意味で、"sacred"と似た意味を持つが、より宗教的な純粋さや道徳的な高潔さを強調する。形容詞。 【ニュアンスの違い】"sacred"と同様に神聖さを表すが、"holy"はより道徳的な意味合いを含むことが多い。神の意志に沿った、清らかで罪のない状態を表す。 【混同しやすい点】"holy water"(聖水)は宗教的な儀式で使用される清められた水を指すが、"sacred water"という表現は一般的ではない。"holy"は、より伝統的で宗教的な文脈で用いられることが多い。
派生語
『宗教』という意味の名詞。元々はラテン語の『religare(再び結びつける)』に由来し、神と人間との絆を意味します。日常会話から学術論文まで幅広く使われ、宗教的な文脈はもちろん、比喩的に強い信念体系を指すこともあります。
- religiously
『宗教的に』という意味の副詞ですが、『きまじめに』『熱心に』という意味合いで使われることもあります。例えば、『He religiously follows his diet.(彼は熱心に食事療法を守っている)』のように、規則や義務を厳格に守る様子を表します。ビジネスシーンでも、タスクを忠実に実行する姿勢を表現する際に用いられます。
- irreligious
接頭辞『ir-(否定)』が付いた形容詞で、『宗教心のない』『不信心な』という意味。単に宗教を信じないだけでなく、宗教的な規範や価値観を軽視するニュアンスを含むこともあります。学術的な議論や社会的な考察において、宗教と社会の関係性を論じる際に用いられることがあります。
反意語
『世俗的な』という意味の形容詞。『religious』が宗教的な事柄を指すのに対し、『secular』は宗教とは関係のない、世俗的な事柄を指します。政治、教育、文化など、宗教の影響を受けない領域を表す際に用いられます。例えば、『secular state(政教分離の国家)』のように使われます。
- atheistic
『無神論的な』という意味の形容詞。『religious』が神への信仰を前提とするのに対し、『atheistic』は神の存在を否定する立場を表します。哲学や思想の分野で、宗教的な信念と対立する概念として用いられます。より強い否定のニュアンスを持ちます。
- profane
『冒涜的な』『神聖でない』という意味の形容詞。『religious』が神聖なものを指すのに対し、『profane』は神聖なものを汚したり、冒涜したりする行為や性質を表します。宗教的な儀式や場所を軽視する文脈で使われることが多いです。例えば、『profane language(不敬な言葉)』のように使われます。
語源
"religious」は、ラテン語の「religio」(敬虔、宗教的義務、良心)に由来します。さらに遡ると、「religare」(再び結びつける、束ねる)という動詞から派生しています。接頭辞「re-」は「再び」を意味し、「ligare」は「結びつける」を意味します。つまり、元々は神との繋がりを再び確立するという概念を表していたと考えられます。人が神や信仰と「再び結びつく」状態を表す言葉として、宗教的儀式や信仰心の篤さといった意味合いを持つようになりました。日本語の「絆(きずな)」という言葉が、人と人との繋がりを表すように、「religious」もまた、人と神、または人と宗教的共同体との強い繋がりを示唆する言葉として理解できます。
暗記法
「religious」は、西洋では信仰の深さ、道徳、共同体の源。中世では修道院と結びつき、世俗と異なる神聖な領域を指しました。宗教改革以降、権威への批判から保守的なイメージも帯びましたが、同時に希望や社会正義の原動力にも。キング牧師の活動が好例です。現代では多様な意味を持ち、個人の精神性や道徳的指針を意味することも。西洋文化の理解に不可欠な言葉です。
混同しやすい単語
発音が似ており、特に語尾の '-gion' の部分が曖昧になりがちです。'religious' が『宗教的な』という意味であるのに対し、'region' は『地域』という意味の名詞です。日本人学習者は、アクセントの位置と母音の質の違いに注意する必要があります。 'region' は第一音節にアクセントがありますが、'religious' は第二音節にアクセントがあります。
語尾の '-ligent' の綴りが似ており、視覚的に混同しやすいです。意味も、'religious' が『宗教的な』であるのに対し、'diligent' は『勤勉な』という意味の形容詞で、全く異なります。日本人学習者は、語頭の 're-' と 'di-' の違いを意識し、それぞれの単語が持つ意味の範囲を理解することが重要です。
語頭の 're-' が共通しているため、視覚的に似て見えます。また、発音も最初の部分が似ているため、聞き間違える可能性があります。'religious' が『宗教的な』という意味であるのに対し、'reluctant' は『気が進まない』という意味の形容詞です。日本人学習者は、'-ligious' と '-luctant' の違いを意識し、文脈から意味を判断する練習が必要です。
語尾の '-iculous' の綴りが似ており、視覚的に混同しやすいです。'religious' が『宗教的な』という意味であるのに対し、'ridiculous' は『ばかげた』という意味の形容詞です。日本人学習者は、アクセントの位置と母音の質の違いに注意する必要があります。 'ridiculous' は第二音節にアクセントがありますが、'religious' も第二音節にアクセントがあります。ただし、母音の音色が大きく異なるため、注意深く聞く必要があります。
'legi-' の部分のスペルと発音が似ているため、混同しやすい可能性があります。'religious' が形容詞であるのに対し、'legislate' は『法律を制定する』という意味の動詞です。語源的に、'legislate' はラテン語の 'lex' (法律) に由来し、'religious' はラテン語の 'religio' (信仰) に由来するため、意味的なつながりはありません。日本人学習者は、品詞の違いと、それぞれの単語が文中で果たす役割を意識することが重要です。
語尾の '-rious' が共通しており、特に発音において母音の曖昧さが混同を招きやすいです。'religious' が『宗教的な』という意味であるのに対し、'serious' は『深刻な』や『真面目な』という意味の形容詞です。日本人学習者は、語頭の 're-' と 'se-' の子音の違いを意識し、それぞれの単語が持つ意味のニュアンスを理解することが重要です。
誤用例
日本語の『宗教的な』という言葉は、特定の宗教団体に所属しているか否かだけでなく、個人の倫理観や道徳観を指す場合にも使われます。しかし、英語の『religious』は、特定の宗教や信仰体系に強く関連付けられています。そのため、企業が特定の宗教的理由ではなく、一般的な倫理的理由で特定の福利厚生を提供しない場合、『religious beliefs』という表現は誤解を招く可能性があります。より適切な表現は『strong moral principles』や『ethical standards』です。日本人が『宗教』という言葉を広義に捉えがちなことが、この誤用の原因と考えられます。
ここでの『religious』は、日本語の『欠かさず』『熱心に』というニュアンスで使おうとしたものと思われます。しかし、英語の『religious』は、宗教的な活動や信仰に対して使われることが一般的です。会議への出席を欠かさないという文脈では、『diligent』(勤勉な)、『conscientious』(良心的な)といった言葉を使う方が適切です。日本人が『〜を欠かさない』という行為を、あたかも宗教的な儀式のように捉えがちなことが、この誤用の背景にあるかもしれません。英語では、このような文脈では、単に『熱心さ』や『勤勉さ』を表す言葉を選ぶ方が自然です。
日本語では『宗教的な性格』という表現が、特定の宗教を信仰しているか否かに関わらず、内面的に深く精神性を追求するような人物を指すことがあります。しかし、英語で『religious personality』と言うと、文字通り宗教に熱心な性格という意味合いが強くなります。より適切な表現は、『spiritual nature』(精神的な性質)や『inner peace』(内なる平和)を重視する性格、あるいは『contemplative』(瞑想的な)などです。日本人が『宗教』という言葉を、西洋的な文脈よりも広く、精神的な探求や内面的な豊かさを含むものとして捉えがちなことが、この誤用の原因と考えられます。英語では、宗教と精神性を区別して考える傾向が強いため、文脈に合った言葉を選ぶ必要があります。
文化的背景
「religious」は単に「宗教的」という意味を超え、西洋文化においては、信仰の深さ、道徳的規範、そして共同体意識の源泉として深く根ざしています。この言葉は、個人の内面的な精神性と、社会全体の秩序や価値観を繋ぐ重要な役割を担ってきたのです。
中世ヨーロッパにおいて、「religious」という言葉は、修道院や教会といった宗教組織に強く結びついていました。修道士や修道女は「religious order(宗教的秩序)」の一員とされ、その生活は祈り、労働、そして清貧の誓いに捧げられました。彼らは社会から隔絶された存在でありながら、写本を作成したり、貧しい人々を助けたりすることで、文化と知識の維持に貢献しました。したがって、「religious」は、世俗的な生活とは異なる、神聖な領域に属する人々や活動を指す言葉として、特別な意味合いを持っていました。
時代が下り、宗教改革や啓蒙主義の時代を迎えると、「religious」の意味合いは変化しました。宗教的権威への批判が高まり、個人の自由や理性が重視されるようになると、「religious」は時に、保守的、権威主義的、あるいは非合理的といった否定的なイメージを帯びるようになりました。しかし、同時に、「religious」は、人々に希望を与え、苦難を乗り越える力を与えるものでもありました。奴隷制度廃止運動や公民権運動など、社会正義を求める運動において、宗教的な信念は重要な原動力となったのです。マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師の言葉や活動は、その最たる例と言えるでしょう。
現代社会において、「religious」は多様な意味合いを持っています。一部の人々にとっては、それは伝統的な宗教儀式や教義への忠誠を意味しますが、他の人々にとっては、より個人的な精神性や道徳的指針を意味します。また、グローバル化が進むにつれて、異なる宗教や文化が交差し、「religious pluralism(宗教的多元主義)」という概念が重要性を増しています。重要なのは、「religious」という言葉が、単なる信仰体系を指すのではなく、人間の存在意義や価値観、そして社会との関わり方を深く反映した言葉であるということです。この言葉を理解することは、西洋文化の多様性と複雑さを理解する上で、不可欠な要素となるでしょう。
試験傾向
準1級、1級の長文読解で出題されることが多いです。1. **出題形式**: 長文読解、語彙問題。2. **頻度と級・パート**: 準1級以上。3. **文脈・例題の特徴**: 社会問題、文化、歴史などアカデミックなテーマで登場。4. **学習者への注意点・アドバイス**: 「宗教的な」という意味だけでなく、「信心深い」「熱心な」という意味もあることを理解しておく。関連語句(religion, religiously)も覚えておく。
TOEICでは、直接的な語彙問題としての出題は少なめですが、長文読解で間接的に問われることがあります。1. **出題形式**: 長文読解(Part 7)。2. **頻度と級・パート**: パート7で稀に出題。3. **文脈・例題の特徴**: 企業倫理、社会貢献活動など、ビジネスに関連する文脈で使われることがあります。4. **学習者への注意点・アドバイス**: ビジネスシーンでの倫理観や価値観に関する文章で登場する可能性があることを意識しておく。
TOEFL iBTのリーディングセクションで頻繁に出題されます。1. **出題形式**: リーディングセクションの長文読解。2. **頻度と級・パート**: リーディングセクション。3. **文脈・例題の特徴**: 歴史、社会学、文化人類学など、アカデミックなテーマで登場。宗教的な信念や行動、社会への影響などが記述される。4. **学習者への注意点・アドバイス**: 文脈から意味を推測する能力が重要。類義語(devout, pious)や反意語(secular)も覚えておくと役立ちます。
大学受験の長文読解問題で頻繁に出題されます。1. **出題形式**: 長文読解、内容説明問題、空所補充問題。2. **頻度と級・パート**: 難関大学で頻出。3. **文脈・例題の特徴**: 哲学、歴史、社会学、国際関係など、幅広いテーマで登場。宗教が社会や文化に与える影響について論じられることが多い。4. **学習者への注意点・アドバイス**: 文脈の中で正確に意味を把握することが重要。単語の意味だけでなく、文章全体の論理構造を理解する練習をすること。