refuge
第一音節にアクセントがあります。/e/ は日本語の『エ』よりも口を少し横に開いて発音します。『フュ』は、唇を丸めて突き出し、息を強く出すように意識するとよりネイティブに近い音になります。最後の /dʒ/ は、日本語の『ジ』よりも少し喉の奥から出すイメージで発音しましょう。
専門的な内容に関するご注意
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避難
危険や迫害から逃れる行為。安全な場所や保護を求める状況を指す。例:戦争からの避難、政治的迫害からの避難。
When the storm got worse, people sought refuge in the community center.
嵐がひどくなったとき、人々はコミュニティセンターに避難場所を求めました。
※ この例文は、自然災害などから身を守るために「安全な場所へ避難する」という、『refuge』の最も典型的な使い方を表しています。雨風が強まり、不安を感じながらも、人々が急いで安全な建物に駆け込む様子が目に浮かびますね。『seek refuge』は「避難場所を求める」という決まった言い方で、非常時によく使われます。
The library was her quiet refuge from the noisy city.
図書館は、彼女にとって騒がしい街からの静かな安息の場所でした。
※ ここでは『refuge』が、物理的な危険だけでなく、日常のストレスや騒がしさから逃れて心安らぐ「精神的な避難場所」を意味しています。喧騒の中で疲れた心が、静かな図書館で本を読みながら癒されていく、そんな穏やかな情景が伝わってきます。このように、心が落ち着く場所や活動を指す際にも使われる、とても自然な表現です。
The rabbit found refuge under a big tree to hide from the fox.
ウサギはキツネから隠れるため、大きな木の下に避難場所を見つけました。
※ この例文は、動物が危険から身を守るために隠れる「避難場所」としての『refuge』の使い方を示しています。キツネに追われるウサギが必死に逃げ、ようやく見つけた木の陰にホッと身を隠す、そんな緊迫感と安堵感が入り混じった場面を想像できますね。『find refuge』は「避難場所を見つける」という意味で、動物だけでなく人間が安全な場所を見つける時にも使えます。
避難場所
安全が確保された場所。物理的な場所だけでなく、精神的な安息の場所も含むことがある。例:シェルター、保護施設、心のよりどころ。
The old church offered a safe refuge from the sudden storm.
その古い教会は、突然の嵐から身を守る安全な避難場所を提供してくれました。
※ 突然の激しい嵐に遭遇し、人々が慌てて安全な場所を探している情景が目に浮かびます。この例文では、教会が物理的に人々を雨風から守る「避難場所」として機能しています。「refuge from A」(Aからの避難場所)という形で非常によく使われます。困った時にどこかへ駆け込む、という典型的な使い方です。
Stray cats often seek refuge under parked cars on cold nights.
野良猫たちは寒い夜、駐車された車の陰にしばしば避難場所を求めます。
※ 凍えるような寒い夜、野良猫たちが少しでも暖かく、安全な場所を見つけようと、車の陰に身を寄せている様子が目に浮かびます。ここでは「seek refuge」(避難場所を求める)という、とても自然でよく使われるフレーズを学べます。動物が危険や不快な状況から身を守る場所を探す時にも使われます。
For many people, their home is a peaceful refuge after a long day.
多くの人にとって、家は長い一日の終わりに安らぎをもたらす避難場所です。
※ 仕事や学校で疲れて帰宅し、ホッと一息つく瞬間の安堵感が伝わってきますね。この例文では、家が単に住む場所だけでなく、心の疲れを癒やし、安心できる「避難場所」としての役割を強調しています。物理的な場所であると同時に、精神的な安らぎの場所としても「refuge」は使われることを示しています。
コロケーション
避難を求める、保護を求める
※ 「seek」は「探し求める」という意味で、「refuge」と組み合わせることで、危険や困難から逃れるために安全な場所や保護を求める行為を表します。物理的な避難(戦争からの避難など)だけでなく、比喩的に精神的な避難場所を求める場合にも使われます。例えば、「He sought refuge in his work after the breakup.(彼は別れの後に仕事に逃避した)」のように使えます。文法的には「動詞 + 名詞」の組み合わせで、フォーマルな場面でも使用可能です。
避難する、保護を受ける
※ 「take」も「seek」と同様に、避難行動を表す動詞として「refuge」と組み合わされます。「take refuge」はより直接的な行動を表し、緊急性や即時性を含意することがあります。例えば、「They took refuge in a nearby church.(彼らは近くの教会に避難した)」のように使われます。これも「動詞 + 名詞」の組み合わせで、日常会話から報道まで幅広く使用されます。seek refuge と比べると、より具体的な行動を指すことが多いです。
避難場所を見つける、安息の地を見出す
※ 「find」は「見つける」という意味で、「refuge」と組み合わせることで、苦難や危険から逃れるための場所や手段を発見することを意味します。物理的な場所だけでなく、精神的な安らぎや心の拠り所を見つける場合にも使われます。例えば、「She found refuge in her faith.(彼女は信仰に心の安らぎを見出した)」のように使われます。「動詞 + 名詞」の組み合わせで、ポジティブなニュアンスを含みます。
安全な避難場所、安心できる場所
※ 「safe」は「安全な」という意味で、「refuge」を修飾して、危険から守ってくれる場所であることを強調します。物理的な安全性だけでなく、精神的な安全や安心感を提供する場所も指します。例えば、「The library was a safe refuge from the storm.(図書館は嵐からの安全な避難場所だった)」のように使われます。「形容詞 + 名詞」の組み合わせで、状況の安全性を強調したい場合に適しています。
避難場所、保護の場所
※ 「a place of refuge」は、「refuge」が提供される場所であることを明確に示します。物理的な場所だけでなく、比喩的に精神的な避難場所や心の拠り所を指すこともあります。例えば、「His home was a place of refuge for stray animals.(彼の家は迷子の動物たちの避難場所だった)」のように使われます。「名詞 + 前置詞 + 名詞」の組み合わせで、場所の目的や役割を強調したい場合に用いられます。
嵐からの避難、困難からの逃避
※ 「refuge from + (具体的な苦難)」の形で、何から避難するかを具体的に示します。「storm」は文字通りの嵐だけでなく、比喩的に困難や試練を表すこともあります。例えば、「He sought refuge from the storm of criticism.(彼は批判の嵐から逃れようとした)」のように使われます。「名詞 + 前置詞 + 名詞」の組み合わせで、特定の苦難からの避難を強調します。
避難場所を提供する、保護を提供する
※ 「offer」は「提供する」という意味で、「refuge」と組み合わせることで、誰かに避難場所や保護を提供する行為を表します。人道的な支援や救済活動に関連して使われることが多いです。例えば、「The organization offered refuge to the refugees.(その組織は難民に避難場所を提供した)」のように使われます。「動詞 + 名詞」の組み合わせで、支援や保護の提供を強調します。
使用シーン
学術論文や研究発表で、紛争や自然災害などの文脈で「避難民」「避難場所」といった意味で使用される。例:国際関係学の研究で、シリア難民の避難生活について記述する際に、『The refugees sought refuge in neighboring countries.(難民たちは近隣諸国に避難を求めた)』のように使われる。
ビジネスシーンでは、リスクマネジメントや危機管理の文脈で、物理的な避難場所だけでなく、比喩的に「安全な場所」や「逃避先」を指す場合がある。例:事業継続計画(BCP)において、『The company established a data backup system as a refuge against cyberattacks.(会社はサイバー攻撃に対する避難場所としてデータバックアップシステムを構築した)』のように用いられる。
日常会話ではあまり使われないが、ニュース報道やドキュメンタリー番組で、紛争地や災害地の状況を伝える際に耳にする機会がある。例:ニュースで、『The town became a refuge for displaced people after the earthquake.(その町は地震後、避難民のための避難場所となった)』のように報道される。
関連語
類義語
「避難場所」「保護施設」といった意味で、一時的な危険から身を守る場所を指す。自然災害や悪天候、紛争などから保護される場所を意味することが多い。名詞としても動詞としても使用可能。 【ニュアンスの違い】"refuge"よりも物理的な保護に重点が置かれ、緊急性や一時性が高い状況で使われることが多い。また、"shelter"は人道的支援の文脈で頻繁に用いられる。 【混同しやすい点】"refuge"は抽象的な意味合い(心の拠り所など)でも使えるが、"shelter"は主に物理的な場所を指す。また、動詞として使う場合、"shelter"は「~を保護する」という他動詞だが、"refuge"は動詞として一般的ではない。
「亡命」「避難」という意味で、政治的迫害や宗教的理由などから自国を逃れ、他国に保護を求める場合に用いられる。法的・政治的な意味合いが強い。名詞として使用。 【ニュアンスの違い】"refuge"よりも公式な手続きや国際法との関連性が強く、より深刻な状況を伴う。個人が単に安全を求めるだけでなく、国家による保護を必要とする場合に用いられる。 【混同しやすい点】"asylum"は政治的な意味合いが強く、単に危険を避けるための場所という意味では使われない。また、"asylum seeker"(亡命希望者)のような専門用語も存在する。
「聖域」「避難所」という意味で、宗教的な場所や歴史的な場所が、保護や安全を提供する場所として使われる。また、自然保護区など、動植物が保護される場所も指す。名詞として使用。 【ニュアンスの違い】"refuge"よりも神聖さや特別な意味合いが強く、物理的な安全だけでなく、精神的な安らぎを提供する場所というニュアンスがある。歴史的、宗教的、あるいは環境保護の文脈で使われることが多い。 【混同しやすい点】"sanctuary"は、単なる避難場所というより、特別な保護や神聖な意味合いを持つ場所を指す。日常的な危険を避ける場所という意味では、"refuge"の方が適切。
「避難港」「安息の地」という意味で、危険や困難から逃れて安全に過ごせる場所を指す。物理的な場所だけでなく、精神的な安らぎを提供する場所としても使われる。名詞として使用。 【ニュアンスの違い】"refuge"よりも穏やかで平和なイメージが強く、安全だけでなく快適さや安らぎを提供する場所というニュアンスがある。旅行や休暇の文脈で使われることも多い。 【混同しやすい点】"haven"は、必ずしも緊急避難的な状況を指すとは限らず、むしろ長期的に安心して過ごせる場所というニュアンスが強い。また、比喩的に「心の避難港」のように使われることもある。
「退避」「隠れ家」という意味で、危険や騒がしさから一時的に離れて静かに過ごす場所を指す。軍事的な意味合いや、精神的な休息を求める場所としても使われる。名詞としても動詞としても使用可能。 【ニュアンスの違い】"refuge"よりも個人的な空間や、一時的な休息に重点が置かれる。必ずしも危険を避けるためだけでなく、リラックスしたり、自分を見つめ直したりするために利用されることが多い。 【混同しやすい点】"retreat"は、単に危険を避けるだけでなく、積極的にそこから離れて休息を取るというニュアンスがある。また、軍事的な意味合い(退却)もある点に注意。
「港」「避難所」という意味で、船が嵐や危険から避難する場所を指す。比喩的に、感情や考えを秘める、保護するという意味でも使われる。名詞としても動詞としても使用可能。 【ニュアンスの違い】"refuge"よりも保護の対象が限定的で、具体的な場所(港)を指すことが多い。比喩的な意味合いで使われる場合も、何かを隠したり、保護したりするニュアンスが強い。 【混同しやすい点】"harbor"は、物理的な港という意味合いが強く、抽象的な避難場所という意味では、"refuge"の方が一般的。また、動詞として使う場合、「(感情などを)抱く」という意味になることもある。
派生語
『難民』という意味の名詞。『refuge』に『~する人』を表す接尾辞『-ee』が付加。安全な場所を求めて移動する人を指し、国際的な人道問題や政治的な文脈で頻繁に使われる。単に避難所にいるだけでなく、国境を越えて保護を求めるニュアンスを含む。
- refugium
生物学用語で『避難地』または『隔離地』を意味する名詞(複数形はrefugia)。氷河期などの厳しい環境下で生物が生き残るための避難場所を指す。学術論文や環境保護の文脈で使用され、特定の生態系や種の保全戦略と関連付けられることが多い。比喩的に、アイデアや文化が衰退期を乗り越える場所を指すこともある。
- refugial
『避難地のような』という意味の形容詞。生物学的な文脈で、特定の地域が避難地としての役割を果たす状態を指す。例えば、『refugial habitat(避難地となる生息地)』のように使用される。学術的な専門用語であり、一般的には馴染みが薄いが、生態学や生物地理学の分野では重要な概念。
反意語
『危険』を意味する名詞。『refuge』が安全な場所を提供するのに対し、『danger』は脅威や危険が存在する状態を示す。日常会話からニュース報道、学術論文まで幅広く使用される。避難を必要とする状況は、まさに『danger』が存在する状況と言える。
『暴露』や『さらされること』を意味する名詞。『refuge』が保護された状態であるのに対し、『exposure』は無防備な状態を指す。気象条件、リスク、秘密などがさらされる文脈で使用される。比喩的には、弱点や脆弱性が明らかになる状況も指す。
『迫害』を意味する名詞。『refuge』が迫害から逃れる場所であるのに対し、『persecution』はまさに逃避の原因となる行為を指す。政治的、宗教的、民族的な理由で苦しめられる状況を表し、人権問題や歴史的な文脈で頻繁に登場する。難民問題と密接に関連する語。
語源
"Refuge"は、古フランス語の"refuge"(避難、隠れ場所)に由来し、さらに遡るとラテン語の"refugium"(逃避、避難場所)にたどり着きます。この"refugium"は、"re-"(再び、後ろへ)と"fugere"(逃げる)という二つの要素から構成されています。つまり、文字通りには「逃げ帰る場所」という意味合いです。日本語で例えるなら、「駆け込み寺」のようなイメージでしょうか。危険や困難から逃れ、安全を確保できる場所という概念が、この単語の根底にあります。現代英語でも、物理的な避難場所だけでなく、精神的な拠り所や安らぎの場所を指す場合にも用いられます。
暗記法
Refugeは単なる避難場所ではない。それは権力からの逃避、社会からの逸脱、魂の安寧を求める人々の希望の灯台だ。中世の教会は迫害された人々の聖域となり、個人の尊厳が脅かされた時の最後の砦だった。文学では『レ・ミゼラブル』の司教の家のように、魂の救済と再生の地として描かれる。現代では、難民キャンプやオンラインコミュニティもまた、安全と希望を育むRefugeとなり得る。それは時代を超え、人間の根源的な欲求を象徴する言葉なのだ。
混同しやすい単語
発音が非常に似ており、特に動詞としての発音(リフューズ /rɪˈfjuːz/)は「refuge」と区別が難しい。名詞(レフューズ /ˈrefjuːs/)としての発音は区別しやすいが、スペルがほぼ同じため、文脈で判断する必要がある。『拒否する』(動詞)、『ごみ』(名詞)という意味で、避難所とは全く異なる。動詞のアクセント位置が異なる点に注意。
語頭の 're' と、語尾の 'ish' が似た音価を持つため、全体的な音の響きが似ていると感じられることがある。また、どちらも抽象的な名詞として使われる場合があるため、意味の面でも混同しやすい。『風味』『楽しむ』という意味で、避難所とは意味が大きく異なる。語源的には「再び味わう」という意味合いが含まれるため、そのニュアンスを理解すると区別しやすい。
語頭の 'ra' の音と、語尾の 'age' の響きが共通しているため、全体的な音の印象が似ている。スペルも 'r', 'a', 'g', 'e' と共通の文字が多く、視覚的にも混同しやすい。『荒らす』『破壊』という意味で、避難所とは正反対の意味を持つ。語源的には「奪う」という意味合いがあり、災害などが何かを奪い去るイメージで覚えると良い。
語頭の 're' の音と、語尾の 'flux' の響きが似ているため、全体的な音の印象が似ている。特に、早口で発音すると区別がつきにくくなることがある。『逆流』『還流』という意味で、避難所とは全く異なる。医学用語としても使われるため、文脈によって意味を判断する必要がある。語源的には「再び流れる」という意味合いが含まれる。
語頭の 're' の音と、語尾の 'nue' の響きが、なんとなく似ているように感じられることがある。スペルも 'e', 'u' が共通しているため、視覚的にも混同しやすい。『歳入』『収入』という意味で、避難所とは全く異なる。ビジネスや経済に関する文脈でよく使われるため、その文脈で覚えると良い。発音記号は /ˈrevənjuː/ であり、アクセントの位置が異なる点に注意。
語頭の 're' の音と、語尾の 'venge' の響きが、なんとなく似ているように感じられることがある。スペルも 'e' が共通しているため、視覚的にも混同しやすい。『復讐』という意味で、避難所とは全く異なる。発音記号は /rɪˈvendʒ/ であり、アクセントの位置が異なる点に注意。感情的な文脈でよく使われるため、その文脈で覚えると良い。
誤用例
日本語で『避難場所』と直訳すると、つい『refuge』を使ってしまいがちですが、日常的なストレスからの逃避先を指す場合、『refuge』はやや大げさな印象を与えます。『refuge』は、戦禍や迫害など、生命に関わる危険からの避難を意味することが多いためです。より穏やかなニュアンスで『心のよりどころ』を表すには、『sanctuary』や『retreat』が適切です。日本人が『避難』という言葉から受ける印象と、英語の『refuge』が持つ語感の差に注意が必要です。
政治的な意見を理由に保護を求める場合、『refuge』ではなく『asylum』を使うのが適切です。『refuge』は一般的な避難を指しますが、『asylum』は特に政治的迫害や宗教的迫害など、人権侵害からの保護を求める際に用いられます。日本語の『避難』という言葉には、政治的な意味合いが含まれている場合とそうでない場合がありますが、英語では明確に区別されます。この誤用は、日本語の『避難』という言葉の曖昧さが原因で起こりやすいと考えられます。
『refuge』を『(心の)拠り所』のような意味で使いたい場合でも、物理的な場所が記憶を『蓄えている』という意味合いであれば、『repository』がより適切です。『refuge』はあくまで『避難する場所』であり、記憶そのものを保持する機能があるわけではありません。日本人が『〜の避難場所』という表現を安易に適用しようとすることで起こりやすい誤用です。英語では、物理的な場所が持つ機能や役割に応じて、より具体的な語彙を選ぶ必要があります。
文化的背景
「refuge(避難場所)」は、単なる物理的な安全地帯ではなく、歴史を通じて、権力からの逃避、社会からの逸脱、そして精神的な安寧を求める人々の希望の象徴でした。それは、個人の尊厳が脅かされた時に人々が最後に頼る場所であり、新たな始まりへの可能性を秘めた空間でもあります。
中世ヨーロッパにおいて、教会は迫害された人々にとって重要なrefugeでした。教会法は聖域(sanctuary)という概念を認め、教会とその周辺地域に逃げ込んだ人々を、一時的に逮捕や処罰から保護しました。これは、王侯貴族の権力が絶対的であった時代において、教会が人道的な役割を果たした一例です。しかし、この聖域は無制限ではなく、重大な犯罪者や国家に対する反逆者には適用されない場合もありました。聖域を求める人々は、しばしば教会での奉仕や贖罪を条件に保護を受け、社会への復帰を目指しました。教会は単なる避難場所であるだけでなく、社会的な更生施設としての機能も担っていたのです。
文学作品においても、refugeは重要なテーマとして描かれてきました。例えば、ヴィクトル・ユゴーの『レ・ミゼラブル』では、主人公ジャン・バルジャンが司教の慈悲によってrefugeを得る場面が描かれています。この司教の家は、バルジャンにとって単なる雨風をしのぐ場所ではなく、彼の魂が救済される場所、そして新たな人生を歩むための出発点となりました。また、難民キャンプや亡命者のコミュニティも、現代社会におけるrefugeの形と言えるでしょう。これらの場所は、故郷を追われた人々にとって、安全を確保し、文化的なアイデンティティを維持し、将来への希望を育むための重要な拠点となります。
現代社会においては、「refuge」という言葉は、物理的な場所だけでなく、精神的な状態や感情的な安らぎを指すこともあります。例えば、「音楽は私にとってのrefugeだ」というように、困難な状況から一時的に逃れ、心の平穏を取り戻せるような対象を指すことがあります。また、インターネット上には、特定の趣味や関心を持つ人々が集まるオンラインコミュニティが数多く存在し、これらのコミュニティは、参加者にとってのrefuge、つまり安心できる居場所としての役割を果たしています。このように、「refuge」は、時代や状況によってその形を変えながらも、常に人間の根源的な欲求、すなわち安全、安心、そして希望を象徴する言葉として存在し続けているのです。
試験傾向
- 出題形式: 主に長文読解、語彙問題(特に準1級以上)。稀にリスニングでも間接的に問われる可能性あり。
- 頻度と級・パート: 準1級、1級で比較的頻出。2級でも長文読解で遭遇する可能性あり。
- 文脈・例題の特徴: 社会問題、国際関係、歴史など、やや硬めのテーマで出題されやすい。「難民キャンプ」「避難場所」のような文脈。
- 学習者への注意点・アドバイス: 名詞としての意味(避難、避難場所、避難民など)を確実に覚える。動詞形(refuge)はあまり使われない。関連語のrefugee(難民)と合わせて学習すると効果的。
- 出題形式: Part 7(長文読解)で登場する可能性あり。語彙そのものを問う問題よりは、文脈理解を問う形で出題されることが多い。
- 頻度と級・パート: TOEIC全体で見ると、出題頻度はやや低め。
- 文脈・例題の特徴: ビジネスシーンよりも、社会問題や国際情勢に関する記事で使われることが多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: TOEIC対策としては、優先順位は高くない。長文読解対策として、意味を知っておけば十分。
- 出題形式: リーディングセクションで頻出。アカデミックな文章で使われるため、語彙レベルは高め。
- 頻度と級・パート: TOEFL iBTのリーディングセクションで頻出。
- 文脈・例題の特徴: 歴史、社会学、環境問題など、アカデミックなテーマで登場する。「自然災害からの避難」「政治的迫害からの避難」のような文脈。
- 学習者への注意点・アドバイス: 類義語のshelter, havenなどとの意味の違いを理解しておく。文脈から正確に意味を判断できるように練習する。
- 出題形式: 長文読解問題で頻出。文脈理解と語彙力が問われる。
- 頻度と級・パート: 難関大学ほど出題頻度が高い傾向。
- 文脈・例題の特徴: 社会問題、国際関係、歴史、環境問題など、幅広いテーマで登場する。評論文や論説文でよく見られる。
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する練習が重要。類義語や関連語と合わせて覚えることで、語彙力を強化できる。