英単語学習ラボ

quite

/kwaɪt/(クヮイト)

二重母音 /aɪ/ は「ア」と「イ」を繋げた音ですが、日本語の『アイ』よりも口を大きく開けて『ア』を発音し、そこから滑らかに『イ』に移行します。語尾の 't' は、舌先を上前歯の裏につけて息を止める破裂音で、しっかり発音することでよりクリアに伝わります。日本語の「ト」のように母音を伴わないように注意しましょう。

副詞

まあまあ

完全ではないけれど、ある程度は当てはまる、というニュアンス。Not completely, but to a considerable extent. 例えば、"I'm quite tired." は「かなり疲れている」という意味だが、「完全に疲労困憊」というほどではない場合に使われる。

The coffee was quite good, so I felt a little better.

そのコーヒーはまあまあ美味しかったので、少し気分が良くなりました。

会社で疲れた朝、期待せずに飲んだコーヒーが「まあまあ(=思ったより悪くない、そこそこ)美味しかった」と感じて、少し元気が出た、という場面です。期待を大きく超えるほどではないけれど、十分に満足できる程度の良さを表す「quite good」は、日常会話でよく使われます。「まあまあだね」というニュアンスで使いたい時に便利です。

The museum was quite far, but we enjoyed the walk.

博物館はまあまあ遠かったですが、私たちは歩くのを楽しんでいました。

家族や友人と博物館へ向かう途中、目的地が「まあまあ(=思ったより距離がある、そこそこ)遠い」と感じたものの、景色を見たり話したりしながら、その道のり自体を楽しんだ、という情景です。少し大変だけど、許容範囲内、という「まあまあ」の距離感を伝えます。後ろに「but」を続けることで、その状況をポジティブに捉えていることが分かります。

My old bicycle is quite slow, but it still works well.

私の古い自転車はまあまあ遅いですが、まだちゃんと動きます。

長年使っている愛着のある自転車について話している場面です。新しい自転車に比べれば「まあまあ(=速くはない、そこそこ)遅い」けれど、壊れておらず、日常使いには問題ない、という状況を表します。性能が最高ではないけれど、実用上問題ない、という「まあまあ」の感覚を伝える典型的な使い方です。

副詞

まったく

completelyやtotallyの意味で、強調として使われる。イギリス英語でより一般的。例えば、"That's quite right!" は「その通りです!」と強く同意する意味になる。

The new cafe's atmosphere was quite different from what I imagined, but I liked it.

新しいカフェの雰囲気は、私が想像していたものとはまったく違いましたが、気に入りました。

この例文では、新しいカフェに入った瞬間の「あれ?想像と違う!」という驚きと、それでも「好きだ」と感じるポジティブな気持ちが伝わってきますね。「quite different」は「まったく違う」と、期待と現実のギャップを強調しています。このように「quite」は、形容詞(ここではdifferent)を伴って「完全に」「まったくその通り」という状態を表す時によく使われます。意外な発見があった時にぴったりの表現です。

After climbing the mountain all day, my legs were quite tired, but my heart felt full.

一日中その山を登った後、私の足はまったく疲れていましたが、心は満たされていました。

一日中頑張って山を登りきった後の、体は疲れているけれど、心は達成感で満たされている情景が目に浮かびますね。「quite tired」は「完全に疲れている」「非常に疲れている」という、肉体的な疲労の度合いを強く表現しています。このように「quite」は、感情や体調を表す形容詞(ここではtired)と組み合わせて、「本当に~だ」「完全に~だ」と強調する際によく使われます。

Watching the sunset from the beach, the sky turned quite beautiful with orange and pink colors.

ビーチから夕日を眺めていると、空はオレンジやピンク色でまったく美しくなりました。

ビーチで夕日を眺め、空が刻々と色を変え、その美しさに息をのむ瞬間が伝わってきます。「quite beautiful」は「本当に美しい」「まったく見事な」と、その光景に対する感動や感嘆の気持ちを強く表しています。風景や芸術作品など、目の前のものに深く感動した時に「quite」を使うと、その美しさや素晴らしさが「完全に、文句なしにそうである」というニュアンスを伝えることができます。

コロケーション

quite a bit

かなり、相当に

数量や程度を表す際に用いられ、'a lot'よりもややフォーマルな印象を与えます。不可算名詞、可算名詞のどちらにも使えます。例えば、'I learned quite a bit about history.'(歴史についてかなり学びました)のように使います。口語でもビジネスシーンでも使用頻度は高く、汎用性の高い表現です。'quite a lot'という表現も同様の意味ですが、'quite a bit'の方がより洗練された響きがあります。

quite right

全くその通り、確かに

相手の発言に対して同意や賛成を示す際に使われます。'You're quite right'のように、相手を主語にした形で使うのが一般的です。'absolutely right'や'exactly'よりも、やや控えめで丁寧な印象を与えます。ビジネスシーンやフォーマルな会話で好んで用いられます。相手の意見を尊重するニュアンスを含んでいるため、目上の人に対して使うこともできます。

quite the opposite

全く逆、正反対

ある事柄に対して、予想や期待とは全く異なる結果や状況が生じたことを強調する際に用います。例えば、'I thought the movie would be boring, but it was quite the opposite.'(その映画は退屈だと思っていたが、全く逆だった)のように使います。口語でも書き言葉でも使用できますが、やや強調された表現なので、日常会話では状況に応じて使い分けることが重要です。類似表現として'on the contrary'がありますが、'quite the opposite'の方がより直接的で強い反意を示します。

quite a few

かなりの数、相当数

可算名詞に対して用いられ、'many'よりもややフォーマルで上品な印象を与えます。例えば、'Quite a few people attended the conference.'(かなりの数の人々が会議に出席した)のように使います。'a few'に'quite'をつけることで、その数が予想以上に多いというニュアンスが加わります。ビジネスシーンやフォーマルな場面で使うと、知的な印象を与えることができます。類似表現として'a good many'がありますが、'quite a few'の方がより一般的です。

not quite

まだ~ない、完全には~ない

部分的な否定を表す際に用いられ、完全な否定を避けて婉曲的な表現をする場合に適しています。例えば、'I'm not quite finished with the report.'(まだレポートを終えていません)のように使います。ビジネスシーンで、相手に不快感を与えないように、進捗状況を伝える際によく用いられます。'almost'や'nearly'と似た意味合いを持ちますが、'not quite'の方が、未達成の状態がより強調されます。

quite frankly

率直に言って、正直なところ

自分の意見や感情を率直に述べ始める際に使われるフレーズです。相手に自分の正直な気持ちを伝えることを前置きする役割があり、発言の信憑性を高める効果があります。ただし、使い方によっては相手を傷つけたり、不快にさせたりする可能性もあるため、注意が必要です。例えば、'Quite frankly, I don't agree with your proposal.'(率直に言って、私はあなたの提案に同意できません)のように使います。ビジネスシーンやフォーマルな場面で、自分の意見をはっきりと伝えたい場合に用いられます。

quite a character

変わり者、面白い人

その人が独特な個性や魅力を持っていることを表す際に使われます。必ずしもネガティブな意味ではなく、むしろユニークで面白い人物を指すことが多いです。例えば、'He's quite a character, always telling jokes.'(彼はとても面白い人で、いつも冗談を言っている)のように使います。口語的な表現で、親しい間柄で使われることが多いです。'eccentric'や'oddball'と似た意味合いを持ちますが、'quite a character'の方が、より親しみやすいニュアンスを含んでいます。

使用シーン

アカデミック

学術論文においては、「まあまあ」の意味で、データの傾向や結果の限定的な解釈を示す際に使われます。例えば、「The results were quite significant, considering the small sample size.(サンプルサイズが小さいことを考慮すると、結果はかなり有意であった)」のように、完全な有意性ではないものの、ある程度の重要性を示すニュアンスで使用されます。また、講義などでは、学生の理解度を確認する際に「Are you quite sure about this concept?(この概念について十分に理解していますか?)」のように、念を押す意味で使われることもあります。

ビジネス

ビジネスシーンでは、報告書やメールで、依頼や提案の程度を和らげる目的で使用されます。例えば、「I am quite interested in your proposal.(あなたの提案に大変興味があります)」のように、強い関心を示す一方で、決定を保留するニュアンスを含ませることができます。また、会議などでは、「I am quite busy at the moment.(今、非常に忙しいです)」のように、直接的な拒否を避けるために、婉曲的な表現として用いられることもあります。ただし、相手に誤解を与えないよう、文脈を考慮する必要があります。

日常会話

日常会話では、「まあまあ」や「かなり」の意味で幅広く使われます。「I'm quite tired.(かなり疲れた)」のように自分の状態を表したり、「That's quite interesting!(それはとても面白い!)」のように相手の発言に相槌を打ったりする際に頻繁に登場します。また、「quite」は、相手に同意を求めたり、確認したりする際にも使われます。例えば、「It's quite cold today, isn't it?(今日はかなり寒いですね?)」のように、共通の認識を確認する役割も果たします。カジュアルな場面で非常に使いやすい単語です。

関連語

類義語

  • 『どちらかというと』『むしろ』という意味合いで、予想外のことや少し驚きを表す際に使われることが多い。また、フォーマルな場面や文章で使われる傾向がある。 【ニュアンスの違い】『quite』が程度を表すのに対し、『rather』は選択や比較のニュアンスを含む。感情的な反応や主観的な評価を伴うことが多い。『quite』よりも上品で控えめな印象を与える。 【混同しやすい点】『quite』は肯定的な意味合いで使われることが多いが、『rather』は否定的な意味合いで使われることもある(例:rather disappointing)。

  • 『かなり』『まあまあ』という意味で、主に話し言葉で使われる。形容詞や副詞を修飾して、程度を弱める効果がある。 【ニュアンスの違い】『quite』よりもカジュアルで、フォーマルな場面には適さない。『pretty』は主観的な評価や感想を表すことが多く、『quite』よりも感情的なニュアンスが強い。 【混同しやすい点】『pretty』は『かわいい』という意味でも使われるため、文脈によって意味が異なることに注意が必要。『quite』は『かわいい』という意味では使われない。

  • 『いくぶん』『やや』という意味で、程度がそれほど高くないことを表す。フォーマルな場面や文章で使われることが多い。 【ニュアンスの違い】『quite』よりも程度が低いことを示す。『somewhat』は客観的な記述や控えめな表現に使われることが多く、『quite』よりも感情的なニュアンスが少ない。 【混同しやすい点】『somewhat』は副詞としてのみ使われるが、『quite』は形容詞を修飾することもできる(例:quite a problem)。また、『somewhat』は名詞を修飾できない。

  • 『まずまず』『ほどほどに』という意味で、期待したほどではないが、許容範囲内であることを表す。客観的な評価や判断に使われる。 【ニュアンスの違い】『quite』よりも程度が低いことを示し、満足度が低いことを暗示することがある。『fairly』は良い意味でも悪い意味でも使えるが、『quite』は良い意味で使われることが多い。 【混同しやすい点】『fairly』は『公正に』という意味でも使われるため、文脈によって意味が異なることに注意が必要。『quite』は『公正に』という意味では使われない。

  • 『本当に』『実際に』という意味で、事実を強調したり、驚きや感情を表したりする際に使われる。口語的な表現。 【ニュアンスの違い】『quite』が程度を表すのに対し、『really』は事実や感情の真実性を強調する。『really』は感情的なニュアンスが強く、主観的な表現に使われることが多い。 【混同しやすい点】『really』は疑問文で使われると、驚きや疑念を表すことがある(例:Really?)。『quite』は疑問文ではあまり使われない。

  • 『完全に』『絶対的に』という意味で、程度が最高であることを強調する。強い肯定や同意を表す際にも使われる。 【ニュアンスの違い】『quite』よりも程度がはるかに高いことを示す。『absolutely』は疑いの余地がないことを強調し、強い確信や信念を表す。 【混同しやすい点】『absolutely』は否定的な文脈では『絶対に~ない』という意味になる(例:absolutely not)。『quite』は否定的な意味では使われない。

派生語

  • acquit

    『無罪とする』という意味の動詞。『quit』は『解放する』という意味合いがあり、『ac-』(ad-)は方向性を示し、『〜に向かって解放する』→『罪から解放する』という語源的な意味合い。法廷やニュース記事などで使われる。

  • 『無罪判決』という意味の名詞。動詞『acquit』に名詞化の接尾辞『-al』が付いた形。法的な文脈で用いられ、ニュース報道や法律文書で頻出する。

  • 『静かな』という意味の形容詞。『quite』と語源を共有し、元々は『休息』を意味していた。そこから『静寂』や『穏やかさ』といった意味に発展。日常会話で広く使われるほか、ビジネスシーンでも状況を説明する際に用いられる。

反意語

  • 『完全に』という意味の副詞。『quite』が程度を表すのに対し、『completely』は全体性・完全性を強調する。例えば、『quite different』は『かなり違う』だが、『completely different』は『完全に違う』となる。

  • 『部分的に』という意味の副詞。『quite』が『ある程度』という意味合いを含むのに対し、『partially』は全体ではなく一部に限定されることを示す。契約書や技術文書などで、『部分的に〜である』という状況を正確に伝える際に用いられる。

  • not at all

    『全く〜ない』という意味の口語表現。『quite』が肯定的な意味合いを弱めるのに対し、『not at all』は完全に否定する。例えば、相手の申し出を丁寧に断る際に『Not at all, thank you.(全然結構です)』のように使う。

語源

"quite"は、もともと「解放された、免れた」という意味を持つ古フランス語の"quite"に由来します。これはラテン語の"quietus"(静かな、休んでいる)から派生しており、さらに遡ると「静止」を意味する"quies"に行き着きます。つまり、語源的には「静止している状態から解放された」というニュアンスを含んでいました。この「解放された」状態から、「完全に、まったく」という意味へと発展し、さらに「まあまあ」という意味合いも持つようになりました。日本語で例えるなら、「一段落ついて、心が落ち着いた」状態から、「完全に終わった!」という強調、そして「まあ、なんとかなったかな」という妥協へと意味が変化したようなものです。このように、"quite"は「静止」という根源的なイメージから、様々な意味合いを獲得していった単語と言えるでしょう。

暗記法

「quite」は元々「完全に」の意味ですが、英語圏、特にイギリスでは、控えめな表現として使われることがあります。上流階級が直接的な表現を避けた歴史的背景から、穏やかなニュアンスを持つように。例えば、「I'm quite tired」は「少し疲れた」程度の意味合いも。文学作品では感情を隠す道具にも使われ、社会階層や文化を反映する、奥深い単語なのです。

混同しやすい単語

『quite』と『quiet』は、スペルが非常に似ており、発音も母音部分が曖昧になりやすいため混同しやすいです。『quiet』は形容詞で「静かな」という意味ですが、『quite』は副詞で「かなり、非常に」という意味です。日本人学習者は、文脈から判断するだけでなく、品詞の違いにも注意する必要があります。語源的には、『quiet』は「休息」を意味するラテン語から派生しており、『quite』は「免除された」を意味するラテン語に由来します。スペルと意味の両方を意識して区別しましょう。

『quite』と『quit』は、発音が似ており、特に語尾の子音 /t/ が弱く発音される場合に聞き分けが難しくなります。また、スペルも似ているため、タイプミスも起こりやすいです。『quit』は動詞で「やめる、辞める」という意味です。『quite』は副詞であるのに対し、『quit』は動詞であるという品詞の違いを意識することが重要です。たとえば、「仕事をquitする」と「quite良い」では意味が全く異なります。

『quite』と『quote』は、母音と最初の子音の音が似ており、特に早口で発音された場合に聞き分けが難しいことがあります。スペルも最初の4文字が共通しているため、視覚的にも混同しやすいです。『quote』は動詞または名詞で、「引用する」または「引用」という意味です。ニュース記事などでよく使われる単語です。発音は /kwóʊt/ のように、/k/の音を意識すると区別しやすくなります。

quart

『quite』と『quart』は、スペルは似ていませんが、発音の母音部分が日本語の「ク」に近い音であるため、日本人学習者には混同されることがあります。『quart』は「クォート」と発音し、液量の単位を表します。牛乳などを量る際に使われます。アメリカ英語でよく使われる単位なので、覚えておくと便利です。

『quite』と『cute』は、スペルは異なりますが、カタカナ英語ではどちらも「キュート」と発音されることがあるため、混同されることがあります。『cute』は形容詞で「かわいい」という意味です。特に会話では、発音の違いを意識して、/kjuːt/ のように、/j/ の音をしっかり発音することが重要です。

『quite』と『kite』は、スペルと発音は大きく異なりますが、単語の長さと構造が似ているため、特に初心者学習者がリーディング中に誤読することがあります。『kite』は名詞で「凧」という意味です。発音は /kaɪt/ であり、『quite』とは全く異なります。フォニックスのルールを意識して、各文字の発音を正確に理解することが重要です。

誤用例

✖ 誤用: I'm quite tired, so I'll go home now.
✅ 正用: I'm rather tired, so I'll go home now.

日本語の『かなり』という言葉に引きずられて、tiredのような状態を表す形容詞を修飾する際に『quite』を使ってしまう誤用です。『quite』は程度を強調する言葉ですが、実際には『完全に』『全く』に近い意味合いを持ちます。そのため、tiredのような状態を表す形容詞を修飾する際には、程度を弱める『rather』や『a bit』を使う方が適切です。日本人が『謙遜』の文化を持つため、自分の状態を控えめに表現しようとする心理が、この誤用を生みやすいと考えられます。英語では、自分の状態を正確に伝えることが重要であり、必要以上に謙遜する必要はありません。

✖ 誤用: He is quite a man.
✅ 正用: He is quite the man.

『quite』が名詞を修飾する際によくある誤用です。この場合、不定冠詞『a』ではなく、定冠詞『the』を使用する必要があります。『quite the man』は、『まさにその人だ』『申し分のない人物だ』という意味合いを持ちます。一方、『quite a man』は文法的には間違いではありませんが、意味が曖昧になりやすく、『まあまあな男だ』のようなニュアンスにも聞こえてしまう可能性があります。日本語の『彼はなかなか良い男だ』という表現を直訳しようとすると、このような誤りが生じやすいと考えられます。英語では、冠詞の使い分けが非常に重要であり、文脈に応じて適切な冠詞を選択する必要があります。

✖ 誤用: Are you quite sure?
✅ 正用: Are you absolutely sure?

『quite』を疑問文で使う場合、相手に念を押すような、あるいは少し疑わしいニュアンスが含まれることがあります。そのため、相手に確認を求める際には、『absolutely』や『completely』を使う方が、より丁寧で誤解を招きにくい表現となります。日本人が『相手に失礼のないように』という意識を持つため、このようなニュアンスの違いを理解しておくことが重要です。特にビジネスシーンなどでは、『Are you absolutely sure?』のように、より明確な表現を使うことをお勧めします。英語では、言葉の選択によって相手への印象が大きく変わるため、状況に応じて適切な表現を選ぶように心がけましょう。

文化的背景

「quite」は、元来「完全に」「全く」という意味合いを持ちながら、英語圏の社会において、控えめな表現や婉曲的なニュアンスを醸し出す、独特の文化的役割を担ってきました。特にイギリス英語圏では、この語は単なる程度を表す言葉を超え、階級や教育、社会的な洗練度を示す微妙な指標として機能してきた側面があります。

歴史を遡ると、「quite」は元々は「quit」(解放する、免れさせる)という動詞に由来し、そこから「完全に自由な状態」を意味する形容詞へと発展しました。しかし、18世紀以降、特に上流階級の間で、直接的な表現を避け、婉曲的に意見を述べることが礼儀作法として重んじられるようになると、「quite」は本来の「完全に」という意味を弱め、より穏やかな、あるいは控えめなニュアンスを帯びるようになりました。例えば、「I'm quite tired.」は「とても疲れている」という意味にもなり得ますが、同時に「少し疲れている」というニュアンスも持ち合わせ、相手に過度な心配をかけないように配慮する意図が込められている場合があります。

この「quite」の持つ曖昧さは、英語圏の文学作品にもしばしば登場します。ジェーン・オースティンの小説に登場する人物たちは、「quite」を巧みに使いこなし、相手の感情を推し量ったり、自分の本心を隠したりします。例えば、エリザベス・ベネットがダーシー氏のプロポーズを断る場面で、「I am quite certain that I detest him.」と言うことで、彼女の強い拒絶の意思を、表面上は穏やかに、しかし実際には強烈に表現しています。このように、「quite」は、言葉の裏に隠された感情や意図を読み解くための、重要な手がかりとなるのです。

現代英語においても、「quite」のニュアンスは、地域や世代によって異なり、その使い分けは、英語話者の社会的な背景やコミュニケーションスタイルを反映しています。アメリカ英語では、「quite」は比較的ストレートな意味で使用されることが多いですが、イギリス英語では、より多様なニュアンスを持ち、文脈によって解釈が異なります。したがって、「quite」を理解することは、単に語彙力を高めるだけでなく、英語圏の文化や社会に対する理解を深めることにも繋がるのです。

試験傾向

英検

- 出題形式: 語彙問題、長文読解、リスニング

- 頻度と級・パート: 準1級、1級で頻出。特に長文読解でよく見られる。

- 文脈・例題の特徴: 幅広いトピックで使われるが、ややフォーマルな文脈が多い。エッセイや説明文など。

- 学習者への注意点・アドバイス: 「かなり」「まあまあ」など程度を表す意味を理解し、文脈によって使い分ける。quite a few, quite a bitなどの句も重要。

TOEIC

- 出題形式: Part 5(短文穴埋め)、Part 7(長文読解)

- 頻度と級・パート: Part 5, 7で比較的頻出。特にビジネス関連の文書でよく見られる。

- 文脈・例題の特徴: ビジネスレター、報告書、広告など。フォーマルな文脈で使用される。

- 学習者への注意点・アドバイス: 程度を表す副詞としての用法を理解する。「完全に」という意味ではないことに注意。類義語(fairly, rather)とのニュアンスの違いを理解する。

TOEFL

- 出題形式: リーディング、リスニング

- 頻度と級・パート: リーディングセクションで頻出。アカデミックな内容で登場する。

- 文脈・例題の特徴: 科学、歴史、社会科学など、アカデミックな内容の文章で使われる。

- 学習者への注意点・アドバイス: フォーマルな文脈で使われることが多い。程度を表す副詞としての用法を理解し、文脈から正確な意味を判断する。

大学受験

- 出題形式: 長文読解、語彙問題

- 頻度と級・パート: 難関大学の長文読解で頻出。標準的なレベルの大学でも出題される。

- 文脈・例題の特徴: 評論、物語、説明文など、幅広いジャンルの文章で使われる。

- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈によって意味が異なる場合があるため、前後の文脈から正確な意味を判断する。quite a few, quite a bitなどの句も重要。

免責事項

英単語学習ラボは生成AIで機械的に意味や英語表現を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。

このページについて

作成:英単語学習ラボ
生成支援:Google Gemini
最終更新:2025年7月18日

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