英単語学習ラボ

persuasion

/pərˈsweɪʒən/(パー(ル)スウェイジュン)

強勢は2番目の音節「-swey-」にあります。最初の母音 /ər/ は、日本語の『ア』と『ウ』の中間のような曖昧母音で、力を抜いて発音します。/ʒ/ の音は、フランス語の「ジュ」に近い音で、日本語の「ジャ、ジュ、ジョ」よりも唇を丸めて喉を鳴らすイメージです。最後の 'n' は軽く発音するとより自然です。また、/r/ の音は舌を丸めるように意識しましょう((ル)と表記したのはこのためです)。

名詞

説得

相手に理解させ、納得させて行動を促すこと。単なる説明ではなく、感情や倫理観に訴えかけるニュアンスを含む。広告、政治、交渉などで用いられる。

It took a lot of persuasion to get my sister to try the new restaurant.

妹を新しいレストランに行かせるには、大変な説得が必要だった。

この例文では、誰かを説得するために「かなりの努力や時間が必要だった」という状況が描かれています。妹が最初は乗り気でなかったけれど、あなたが頑張って説得した様子が目に浮かびますね。「It took a lot of persuasion」は、説得に労力がかかったことを表す典型的な表現です。

He needed strong persuasion to make his team agree with the new plan.

彼が新しい計画にチームを同意させるには、強力な説得が必要だった。

会議室で、彼がチームメンバーに新しい計画を受け入れてもらうため、真剣に、そして力強く話している場面が想像できます。最初は反対意見もあったかもしれませんが、彼の説得によって最終的にチームが納得した様子が伝わりますね。「strong persuasion」のように、説得の『強さ』を表す形容詞と一緒に使われることが多いです。

Her parents were against it, but her gentle persuasion finally worked.

両親は反対していたが、彼女の穏やかな説得がついに功を奏した。

この例文は、両親の反対という困難な状況で、彼女が感情的にならず、粘り強く、優しい言葉を選んで説得を続けた結果、見事に成功したという物語を示しています。「gentle persuasion」のように、説得の『質』を表す形容詞と一緒に使うことで、その説得がどんな性質のものだったかを具体的に伝えられます。

名詞

信念

深く信じていること。単なる意見ではなく、強い確信を伴う。宗教的な信念や、個人的な価値観など、揺るぎない考えを表す。

He refused to fight out of a deep persuasion that peace was the only way.

彼は、平和こそが唯一の道だという深い信念から、戦うことを拒みました。

この例文では、彼がなぜ戦わないのかという行動の理由が「深い信念(deep persuasion)」であることを示しています。このように、ある行動の根底にある強い考えや確信を「persuasion」で表現できます。

Their family lived according to a strong persuasion that nature should always be respected.

彼らの家族は、自然は常に尊重されるべきだという強い信念に従って生きていました。

ここでは、家族が共有する「強い信念(strong persuasion)」が、彼らの生活の基盤になっている様子を描写しています。「according to a persuasion」で「~という信念に従って」という意味になります。

She held a firm persuasion that there was a better way to solve the complex problem.

彼女は、その複雑な問題を解決するより良い方法があると、確固たる信念を抱いていました。

ここでは、「確固たる信念(firm persuasion)」が、ある問題に対する彼女の考えの強さを示しています。このように「persuasion」は、困難な状況でも揺るがない強い確信や信条を表すことができます。

コロケーション

powers of persuasion

説得力、説得の才能

「説得の力」という意味で、人を説得する能力や才能を指します。ビジネスシーンや政治的な文脈で、誰かが非常に説得力があることを強調する際に使われます。単に「persuasion」と言うよりも、「powers of persuasion」と言うことで、その能力の高さや影響力をより強く表現できます。例えば、「He used his powers of persuasion to convince them.(彼は説得力を使って彼らを納得させた)」のように使われます。フォーマルな場面でよく用いられます。

gentle persuasion

穏やかな説得、やんわりとした説得

相手に圧力をかけるのではなく、穏やかに、優しく説得することを意味します。高圧的な態度とは対照的に、相手の感情や立場に配慮しながら、時間をかけて説得するニュアンスが含まれます。人間関係を重視する場面や、デリケートな問題について話し合う際に適しています。「A little gentle persuasion might be necessary.(少し穏やかな説得が必要かもしれない)」のように使われます。ビジネスシーンでも、顧客との長期的な関係を築くために用いられることがあります。

moral persuasion

道徳的説得、倫理的な説得

道徳的な原則や倫理観に基づいて説得することを指します。法律や規則で強制するのではなく、相手の良心や道徳心に訴えかけることで行動を促します。社会的な問題や倫理的なジレンマを扱う際に用いられることが多いです。例えば、「The government tried moral persuasion to encourage people to recycle.(政府はリサイクルを奨励するために道徳的説得を試みた)」のように使われます。公共政策や教育の分野でよく見られます。

yield to persuasion

説得に応じて譲歩する、説得されて受け入れる

最初は反対していた人が、最終的に説得を受け入れて意見を変えることを意味します。「yield」は「屈する」「譲歩する」という意味で、抵抗していた状態から変化したことを示します。ビジネス交渉や議論の場面で、相手が自分の意見を受け入れたことを表現する際に使われます。「After hours of debate, he finally yielded to persuasion.(数時間の議論の後、彼はついに説得に応じて譲歩した)」のように使われます。ややフォーマルな表現です。

beyond (the realm of) persuasion

説得の及ばない、説得しても無駄な

どんなに説得しても、相手が意見を変えることがない、あるいは不可能であることを意味します。「realm」は「領域」という意味で、説得が通用する範囲を超えていることを強調します。頑固な人や、強い信念を持っている人に対して使われることが多いです。「His beliefs are beyond persuasion.(彼の信念は説得の及ばないところにある)」のように使われます。ネガティブな意味合いが強い表現です。

techniques of persuasion

説得術、説得のテクニック

人を説得するために用いられる様々な方法や戦略を指します。心理学、コミュニケーション学、マーケティングなどの分野で研究されており、効果的な説得を行うための具体的な手法が含まれます。プレゼンテーション、交渉、広告など、様々な場面で応用されます。「He studied the techniques of persuasion to improve his sales skills.(彼は販売スキルを向上させるために説得術を学んだ)」のように使われます。ビジネスシーンで頻繁に使われる表現です。

art of persuasion

説得の技術、説得の巧みさ

単なるテクニックではなく、人を説得するための洗練された技術や才能を指します。言葉遣い、表現力、相手の心理を読む力など、総合的な能力が求められます。政治家、弁護士、交渉人など、説得が重要な役割を果たす職業で特に重視されます。「The art of persuasion is essential for a successful lawyer.(説得の技術は、有能な弁護士にとって不可欠である)」のように使われます。やや文学的な響きを持つ表現です。

使用シーン

アカデミック

学術論文や研究発表で、意見や主張を裏付ける根拠を示す際に使用されます。例えば、「先行研究のpersuasion(説得力)が不十分であるため、新たなアプローチが必要である」のように使われます。文語的な表現が中心です。

ビジネス

ビジネスシーンでは、提案書やプレゼンテーション、交渉の場面で、相手を説得する意図で使用されます。例えば、「我々の提案のpersuasion(説得力)を高めるためには、具体的なデータを示す必要がある」のように、ややフォーマルな文脈で使われます。

日常会話

日常会話ではあまり使われませんが、ニュース記事や議論番組などで、政治的な主張や広告の意図を分析する際に使われることがあります。例えば、「その広告のpersuasion(説得)の裏には、巧妙な心理操作がある」のように、少し批判的なニュアンスを含むことがあります。

関連語

類義語

  • 影響力を行使すること。人の行動、意見、思考などに間接的または直接的に影響を与えること全般を指します。ビジネス、政治、人間関係など、非常に広範囲な場面で使用されます。 【ニュアンスの違い】「persuasion」が説得によって相手の考えや行動を変えさせることを意図するのに対し、「influence」はより広範で、意図的でない影響も含まれます。また、「influence」は権力やカリスマ性など、説得以外の要素も伴うことがあります。 【混同しやすい点】「influence」は名詞としても動詞としても使えますが、動詞として使う場合、目的語は必ずしも具体的な行動を指すとは限りません(例:influence someone's opinion)。一方、「persuade」は動詞として使い、具体的な行動を促す場合に適しています(persuade someone to do something)。

  • 確信、信念。強く信じていること、揺るぎない信念を持っている状態を指します。法律用語としても用いられ、有罪判決の意味も持ちます。学術的な議論や、強い意見を表明する際によく使われます。 【ニュアンスの違い】"Persuasion"は、誰かをある意見や行動に導く行為を指しますが、"conviction"は、その結果として生じる強固な信念や確信の状態を指します。"Conviction"は、説得の結果だけでなく、内的な確信や経験からも生まれます。 【混同しやすい点】"Conviction"は名詞であり、動詞として誰かを説得する意味は持ちません。"Persuasion"は名詞ですが、動詞形の"persuade"を使って説得の行為を表現します。 "Conviction"を「説得」の意味で使うのは誤りです。

  • 誘因、動機付け。何かをするように人を誘う、または促すためのもの(報酬、利益、魅力的な提案など)を指します。ビジネス、法律、マーケティングなどの文脈でよく用いられます。 【ニュアンスの違い】"Persuasion"は、議論や論理を用いて相手を説得するプロセスを指しますが、"inducement"は、相手に具体的な利益や報酬を提供することで行動を促すことを意味します。 "Inducement"は、より直接的で物質的な動機付けを伴います。 【混同しやすい点】"Inducement"は、説得の手段として用いられることが多いですが、必ずしも議論や論理を伴うとは限りません。例えば、「契約を結ぶための誘因」のように、具体的な利益を提供することで相手の行動を促す場合に使われます。 "Persuasion"は、より知的な説得プロセスを指します。

  • exhortation

    熱心な勧め、強く促すこと。道徳的または倫理的な観点から、ある行動や信念を強く勧めることを指します。宗教的な説教や、倫理的なスピーチなどでよく用いられます。 【ニュアンスの違い】"Persuasion"は、論理や感情を用いて相手を説得する一般的な行為を指しますが、"exhortation"は、より強い感情を伴い、道徳的な義務感や責任感を喚起することを目的とします。 "Exhortation"は、しばしば聴衆に対して、何か重要な行動を起こすように促す際に用いられます。 【混同しやすい点】"Exhortation"は、個人的な利益や損得ではなく、道徳的な観点から行動を促す点が"persuasion"と異なります。例えば、「環境保護のために行動するように強く勧める」のように、より公益的な目的で用いられることが多いです。 "Persuasion"は、より広範な目的で使用されます。

  • dissuasion

    思いとどまらせること、説得してやめさせること。ある行動や考えをしないように説得することを指します。リスクを伴う行動や、好ましくない結果を招く可能性のある行動を止めさせる際に用いられます。 【ニュアンスの違い】"Persuasion"が何かをするように説得することを意味するのに対し、"dissuasion"はその反対で、何かをしないように説得することを意味します。 "Dissuasion"は、しばしば危険やリスクを回避するために用いられます。 【混同しやすい点】"Dissuasion"は、"persuasion"の反対の意味を持つため、混同しないように注意が必要です。例えば、「タバコをやめるように説得する」は"dissuasion"、「タバコを吸うように説得する」は"persuasion"となります。 文脈によって意味が逆転することに注意してください。

  • cajolery

    おだて、甘言。巧みな言葉や行動で相手を喜ばせ、自分の望むことをさせようとすること。しばしば、相手を騙したり、操ったりする意図を含みます。日常会話や文学作品で用いられます。 【ニュアンスの違い】"Persuasion"は、論理や感情を用いて相手を説得する一般的な行為を指しますが、"cajolery"は、より狡猾で、お世辞や甘言を用いて相手を操ることを意味します。 "Cajolery"は、しばしば不正直な手段を用いて、自分の利益を得ようとする際に用いられます。 【混同しやすい点】"Cajolery"は、相手を騙したり、操ったりする意図を含むため、"persuasion"よりもネガティブなニュアンスを持ちます。例えば、「子供がお菓子を買ってもらうために親におだてる」のように、相手を喜ばせて自分の望みを叶えようとする際に用いられます。 "Persuasion"は、より誠実な説得プロセスを指します。

派生語

  • 『説得する』という動詞。『persuasion』の直接の動詞形で、より具体的な行為を表す。日常会話からビジネスシーンまで幅広く用いられ、『persuasion』が結果や状態を指すのに対し、こちらは行為そのものを示す点で異なる。

  • 『説得力のある』という意味の形容詞。『-ive』は性質や傾向を表し、『説得する力を持つ』という意味合いを強調する。広告、スピーチ、論文などで、効果や影響力を評価する際に使われる。

  • 接頭辞『dis-(反対)』がつき、『思いとどまらせる』という意味になる。説得によって何かをさせないようにする行為を指し、『persuade』とは反対の方向へ働きかける。フォーマルな文脈で使用されることが多い。

反意語

  • deterrence

    『抑止』を意味する名詞。『persuasion』が相手の意思を変えるのに対し、『deterrence』は行動を抑制することを目的とする。主に政治、軍事、犯罪学などの文脈で用いられ、力や脅威によって相手を思いとどまらせる状況を表す。

  • 『強制』を意味する名詞。『persuasion』が自発的な同意を得るのに対し、『coercion』は力や権力を用いて強制的に行動させることを意味する。人権、法律、政治などの文脈で、自由意志を侵害する行為として問題視される。

  • 『強制』や『衝動』を意味する名詞。『persuasion』が理性的な働きかけであるのに対し、『compulsion』は内的な衝動や外部からの強い強制力を意味する。心理学、医学、法律などの文脈で、個人の意思に反する行動や状態を表す。

語源

「persuasion」は、「説得」や「信念」を意味する英単語です。この単語は、ラテン語の「persuadere」(完全に助言する、説得する)に由来します。さらに遡ると、「per-」(完全に、徹底的に)と「suadere」(助言する、勧める)という要素から構成されています。「suadere」は、甘い言葉で相手をその気にさせるイメージです。日本語で例えるなら、「あの手この手で口説き落とす」といったニュアンスに近いかもしれません。「完全に助言する」という原義から、「相手を徹底的に説き伏せて、ある信念を持たせる」という意味へと発展しました。この語源を知ることで、「persuasion」が単なるお願いではなく、相手の考えを根底から変えるような強い影響力を持つ言葉であることが理解できます。

暗記法

「説得」は理性と感情に訴え、人を動かす技術。啓蒙思想の時代には、社会変革の力として認識されました。アメリカ独立革命や奴隷制度廃止運動では、言葉による説得が世論を動かし、歴史を左右したのです。文学作品では、ジェーン・オースティンの『説得』が示すように、個人の選択と社会の圧力の間で揺れ動く人間の葛藤を描きます。現代では広告や政治にも使われますが、倫理的な側面も重要。共感と理解に基づいた説得は、社会をより良くする力となるでしょう。

混同しやすい単語

発音が似ており、特に語尾の 'suit' の部分が混同されやすい。スペルも 'persua-' と 'pursu-' の部分が似ているため、視覚的にも間違いやすい。意味は『追求』であり、説得とは異なる。pursuit は「~を追う」というイメージ。

語頭が 'per-' で共通しており、スペルが似ているため混同しやすい。意味は『知覚』や『認識』であり、説得とは異なる概念。どちらも抽象的な名詞だが、perception は五感を通じた情報収集と解釈に関わる。

語頭の 'pre-' が共通しており、スペルの一部が似ているため混同しやすい。意味は『用心』や『予防措置』であり、説得とは全く異なる。precaution は「事前に注意する」というニュアンス。

語尾の '-cession' が同じであり、スペルの一部が似ているため混同しやすい。意味は『行列』であり、説得とは全く異なる。procession は「前へ進む」というイメージで、process (過程) と語源的につながりがある。

語尾の '-sion' が同じであり、スペルの一部が似ているため混同しやすい。意味は『版』や『種類』であり、説得とは異なる概念。version は「変化したもの」というニュアンスを持つ。

スペルの中に 'ss' が含まれている点や、語尾の '-ssion' が共通しているため、スペルミスをしやすい。意味は『所有』であり、説得とは異なる。possession は「持つこと」を意味し、動詞の possess (所有する) と関連する。

誤用例

✖ 誤用: His persuasion was so strong that I had no choice but to agree.
✅ 正用: His powers of persuasion were so strong that I had no choice but to agree.

日本語の『説得』という言葉は、名詞としても動詞としても使われますが、英語の『persuasion』は基本的に不可算名詞であり、単独で主語として使うと不自然です。より自然な英語では、『powers of persuasion』や『ability to persuade』のように、具体的な能力や手段を表す語句を伴います。また、日本語の『説得』には、相手を論理的に納得させる意味合いが強いですが、英語の『persuasion』は、感情や印象操作を含む、より広範な影響力を持つニュアンスがあります。そのため、単に『説得』という言葉を直訳するのではなく、文脈に応じて適切な英語表現を選ぶ必要があります。

✖ 誤用: I tried to persuasion him, but it was no use.
✅ 正用: I tried to persuade him, but it was no use.

『persuasion』は名詞であり、動詞として使うことはできません。この誤用は、日本語の『説得する』という動詞をそのまま英語に置き換えようとする際に起こりがちです。正しい動詞は『persuade』であり、to不定詞の目的語として使う場合は、『try to persuade』となります。日本人が英語を学ぶ際、品詞の区別を意識することが重要です。特に、名詞と動詞の形が似ている単語については、注意深く使い分ける必要があります。また、英語の動詞は、時制や人称によって形が変わるため、文法的な正確さも重要です。

✖ 誤用: She used her persuasion to get a promotion.
✅ 正用: She used her charm to get a promotion.

『persuasion』は、論理的な議論や根拠に基づいた説得を意味することが多いですが、昇進などの文脈では、必ずしも適切ではありません。昇進は、能力や実績だけでなく、人間関係や印象も重要となるため、この場合は『charm(魅力)』や『influence(影響力)』といった言葉を使う方が適切です。日本語の『説得』は、相手を納得させる行為全般を指しますが、英語の『persuasion』は、よりフォーマルで論理的なニュアンスを持ちます。そのため、文脈によっては、他の表現を選ぶことで、より自然で適切な英語表現になります。また、文化的背景として、欧米社会では、自己主張や交渉が重要視されるため、単に『説得』するだけでなく、自分の魅力をアピールすることも昇進につながることがあります。

文化的背景

「persuasion(説得)」は、単なる論理的な主張を超え、相手の感情や価値観に訴えかけ、行動や信念を変化させる芸術、あるいは力です。特に、自由な意思に基づく合意形成が重視される社会においては、暴力や強制ではなく、言葉と共感によって人々を動かす洗練されたコミュニケーションスキルとして、その価値が高く評価されてきました。

18世紀から19世紀にかけての啓蒙思想の時代、理性と自由の概念が広まるにつれて、「persuasion」は、政治的な議論や社会改革の手段として重要な役割を果たすようになりました。たとえば、アメリカ独立革命におけるトーマス・ペインの『コモン・センス』は、植民地の人々を独立へと「説得」するための強力なパンフレットでした。また、奴隷制度廃止運動においては、クエーカー教徒やアボリショニストたちが、道徳的、宗教的な観点から奴隷制度の非人道性を訴え、「説得」を通じて世論を動かしました。この時代の「persuasion」は、単なる意見の伝達ではなく、社会のあり方そのものを変革する力として認識されていたのです。

文学作品においても、「persuasion」は重要なテーマとして扱われてきました。ジェーン・オースティンの小説『説得』では、主人公アン・エリオットが、かつて周囲の「説得」によって愛する人と別れた過去を持ち、再び訪れた恋のチャンスに直面します。この作品における「persuasion」は、社会的な圧力や家族の期待といった外部からの影響と、個人の感情や良心との葛藤を描き出すための装置として機能しています。アンは、過去の「説得」から学び、自分の心に従うことの重要性を認識していくのです。このように、「persuasion」は、個人の選択、社会的規範、そして自己実現といった、普遍的なテーマと深く結びついています。

現代社会においては、広告、政治キャンペーン、交渉など、あらゆる場面で「persuasion」のテクニックが用いられています。しかし、その倫理的な側面も常に問われています。過剰な情報操作や感情的な訴えかけは、相手の自由な意思を尊重しない「manipulation(操作)」と見なされる可能性があります。真の「persuasion」は、相手の理解と共感を深め、自発的な同意を得ることを目指すべきです。そのためには、論理的な思考力、共感力、そして倫理観が不可欠となります。言葉の力で人々を動かす「persuasion」は、社会をより良い方向へ導く可能性を秘めている一方で、その濫用を防ぐための自覚も求められる、奥深い概念なのです。

試験傾向

英検

- 出題形式: 主に長文読解、語彙問題(同意語選択、空所補充)。まれにリスニングでも使われる。

- 頻度と級・パート: 準1級・1級で頻出。2級でも長文で登場する可能性あり。

- 文脈・例題の特徴: 社会問題、環境問題、歴史、文化など、幅広いテーマの長文で説得・影響といった文脈で登場。

- 学習者への注意点・アドバイス: 名詞(persuasion)だけでなく、動詞(persuade)、形容詞(persuasive)の形も重要。同意語であるinfluenceとのニュアンスの違い(persuasionはより論理的な説得を含むことが多い)に注意。

TOEIC

- 出題形式: Part 5(短文穴埋め)、Part 7(長文読解)。

- 頻度と級・パート: Part 7で比較的頻出。Part 5では語彙問題として問われる場合がある。

- 文脈・例題の特徴: ビジネスレター、報告書、記事など、ビジネス関連の文書で、提案や交渉、マーケティングなどの文脈で登場。

- 学習者への注意点・アドバイス: ビジネスシーンでの説得や交渉に関連する文脈を理解することが重要。広告やマーケティング関連の語彙と合わせて学習すると効果的。動詞形(persuade)で使われることが多い。

TOEFL

- 出題形式: リーディングセクションで頻出。

- 頻度と級・パート: リーディングセクションで高頻度で登場。

- 文脈・例題の特徴: 学術論文、科学論文、歴史、社会科学など、アカデミックな内容で、理論や主張の展開における説得のプロセスを説明する文脈で登場。

- 学習者への注意点・アドバイス: アカデミックな文脈での使用例を多く学習することが重要。類義語であるconvictionやbeliefとの違いを理解しておくこと。複雑な構文の中で使われることが多いので、文構造を正確に把握する練習が必要。

大学受験

- 出題形式: 主に長文読解問題。文脈推測問題、内容一致問題で問われる。

- 頻度と級・パート: 難関大学の入試で頻出。標準的なレベルの大学でも出題される可能性あり。

- 文脈・例題の特徴: 評論文、論説文など、抽象度の高い文章で、意見や主張を述べる際に使用される。環境問題、社会問題、科学技術など、幅広いテーマで登場。

- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する練習が重要。関連語句(persuasive, persuade)も覚えておくこと。文章全体の論理構造を把握する力が求められる。同意語・反意語を意識して学習すると効果的。

免責事項

英単語学習ラボは生成AIで機械的に意味や英語表現を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。

このページについて

作成:英単語学習ラボ
生成支援:Google Gemini
最終更新:2025年7月18日

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